JP2009183090A - 電源装置システムおよびその起動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】起動時に過電流の発生を防止できるとともに、直流電源の補機への電力供給を確保し電源装置の安定な起動を保証することができる電源装置システムおよびその起動方法を提供する。
【解決手段】電源装置システム10は、コンダクタ21を介して互いに接続された2台の電源装置10aおよび10bによって構成される。電源装置10aは、直流電源として設けられた燃料電池11aと、燃料電池11aの補機12aと、燃料電池11aに接続され燃料電池11aから出力される直流電力を交流電力に変換するインバータ主回路13aと、インバータ主回路13aの出力端と負荷9の間に接続される系統連系コンダクタ14aと、インバータ主回路13aに接続されインバータ主回路13aの出力端の電圧Vac_aを制御するインバータ制御装置15aとを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】電源装置システム10は、コンダクタ21を介して互いに接続された2台の電源装置10aおよび10bによって構成される。電源装置10aは、直流電源として設けられた燃料電池11aと、燃料電池11aの補機12aと、燃料電池11aに接続され燃料電池11aから出力される直流電力を交流電力に変換するインバータ主回路13aと、インバータ主回路13aの出力端と負荷9の間に接続される系統連系コンダクタ14aと、インバータ主回路13aに接続されインバータ主回路13aの出力端の電圧Vac_aを制御するインバータ制御装置15aとを有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、直流電源を有して交流電力出力を行う電源装置を制御する電源装置システムおよびその起動方法に関する。
一般に、直流電源を有して交流電力出力を行う電源装置は、インバータ主回路を備え、このインバータ主回路で直流電源から出力される直流電力を交流電力に変換するようになっている。しかし、この種の電源装置には、起動時に過電流を出力してしまうという問題がある。この過電流は、電源装置の起動時の出力を開始する電圧(出力開始電圧)が定格電圧であるために、電源装置が停止状態(出力が0V)から突然定格電圧を出力する状態へ移行することが原因で発生する。
この起動時の過電流発生を防ぐための電源装置の制御方法の一つに、ソフトスタート制御方法がある。このソフトスタート制御とは、電源装置の出力電圧を、定格電圧より低い所定の電圧で開始させ、数10秒かけて定格電圧に達するよう徐々に昇圧させる制御をいう。ソフトスタート制御によれば、出力開始電圧が定格電圧である場合に起こる過電流の発生を防止することができる。
従来、この種のソフトスタート制御を用いた電源装置起動技術に、特開平11−178350号公報(特許文献1)に記載のものがある。
特開平11−178350号公報(特許文献1)に記載の電源装置は、直流電源と、この直流電源から出力される直流電力を交流電力に変換するインバータ主回路と、このインバータ主回路の出力電圧を制御するインバータ制御部を有する。このインバータ制御部は、電源装置の起動時に、インバータ主回路の出力電圧を、電源装置の定格電圧以下かつ電源装置に接続された負荷の駆動するために必要な最低電圧以上の所定の電圧から、徐々に定格電圧まで昇圧させるように制御(ソフトスタート制御)する。このため、この電源装置は、起動時において、ソフトスタート制御を行うことにより過電流の発生を防止することができるようになっている。また、負荷としてリセット回路を装備しないマイクロコンピュータを搭載した機器などが接続されていた場合でも、電源装置の出力開始電圧が機器の動作可能電圧の範囲内にあるため、機器の誤動作を防ぎ、これらの機器を安定して起動させることができるようになっている。
特開平11−178350号公報
直流電源の一つとして、燃料電池がある。燃料電池は、低公害、静粛性、高発電効率などの特徴を有し、世界的な地球環境問題への認識の高まりに伴い、最近特に注目されている。
この燃料電池を駆動するためには、一般に、燃料となる水素や酸素の燃料供給ポンプや改質器を加熱するためのバーナに空気を供給するブロアなど(以下、補機という)への交流電力供給が必要となる。このため、直流電源として燃料電池を用いる場合、従来の電源装置起動技術をそのまま適用すると、補機に関する新たな問題が生じる。
従来どおりのソフトスタート制御を行うと、電源装置の起動時にインバータ主回路の出力電圧が定格電圧以下の所定の電圧となる。このため、補機の電源としてインバータ主回路の出力電力を用いると、直流電源の補機への供給電力が不足する場合がある。この場合、補機の起動ができないため、直流電源の起動ができず、したがって電源装置の起動が出来なくなる。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、起動時に過電流の発生を防止できるとともに、直流電源の補機への電力供給を確保し電源装置の安定な起動を保証することができる電源装置システムおよびその起動方法を提供することを目的とする。
本発明に係る電源装置システムは、上述した課題を解決するために、複数の電源装置が互いに接続され、この複数の電源装置のうちの任意の電源装置は、直流電源と、この直流電源の駆動に必要な補機と、前記直流電源から出力される直流電力を交流電力に変換するインバータ主回路と、このインバータ主回路の出力電圧を制御するインバータ制御部とを備え、前記複数の電源装置の接続は、前記複数の電源装置のうちの任意の1台の電源装置がこの1台の電源装置の補機の駆動電力を、この1台の電源装置のインバータ主回路の出力電圧と前記複数の電源装置の任意の他の1台の電源装置に含まれるインバータ主回路の出力電圧とから選択可能であり、かつ前記任意の他の1台の電源装置に含まれる補機の駆動電力を前記任意の他の1台の電源装置に含まれるインバータ主回路の出力電圧とするような接続としたことを特徴とするものである。
一方、本発明に係る電源装置の起動方法は、上述した課題を解決するために、複数の電源装置が互いに接続され、この複数の電源装置のうちの任意の電源装置は、直流電源と、この直流電源の駆動に必要な補機と、前記直流電源から出力される直流電力を交流電力に変換するインバータ主回路と、このインバータ主回路の出力電圧を制御するインバータ制御部とを備えた電源装置システムにおいて、前記複数の電源装置のうちの任意の1台の電源装置の補機と前記複数の電源装置のうちの任意の他の1台のインバータ主回路を接続するステップと、前記任意の他の1台のインバータ主回路の出力電圧をゼロから前記補機の駆動に必要な所定の電圧へステップ状に変化させ、この任意の他の1台のインバータ主回路の出力電圧を前記任意の1台の電源装置の補機に供給するステップと、を有することを特徴とする方法である。
本発明に係る電源装置システムおよびその起動方法によれば、起動時に過電流の発生を防止できるとともに、直流電源の補機への電力供給を確保し、電源装置の安定な起動を保証することができる。
本発明に係る電源装置システムの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る電源装置システムの第1実施形態を示す概略的な全体構成図である。
電源装置システム10は、コンダクタ21を介して互いに接続された2台の電源装置10aおよび10bによって構成される。図1には、電源装置10aおよび10bが変圧器8などを介して負荷9へ電力を供給するいわゆる自立運転時の電源装置システム10の構成を示す。
まず、電源装置10aの構成について説明する。
電源装置10aは、直流電源として設けられた燃料電池11aと、燃料電池11aの補機12aと、燃料電池11aに接続され燃料電池11aから出力される直流電力を交流電力に変換するインバータ主回路13aと、インバータ主回路13aの出力端と負荷9の間に接続される系統連系コンダクタ14aと、インバータ主回路13aに接続されインバータ主回路13aの出力端の電圧Vac_aを制御するインバータ制御装置15aとを有する。
補機12aは、燃料電池11aの燃料となる水素や酸素の燃料供給ポンプや改質器を加熱するためのバーナに空気を供給するブロアなどで構成される。この補機12aが必要とする電力(補機電力)は、コンダクタ20を介して供給されるインバータ主回路13aの出力と、コンダクタ21を介して供給される電源装置10bのインバータ主回路13bの出力とから、選択的に供給される構成となっている。補機12aの補機電力は、たとえばコンダクタ20が閉でかつコンダクタ21が開の場合はインバータ主回路13aの出力からのみ供給され、コンダクタ20が開でかつコンダクタ21が閉の場合は別の電源装置10bのインバータ主回路13bの出力から供給される。
インバータ主回路13aは、スイッチング素子によるブリッジ構成を有し、インバータ制御装置15aの制御に従いインバータ出力電圧Vac_aを出力する。このスイッチング素子によるブリッジ構成は、単ブリッジあるいは多重ブリッジのいずれの構成であってもよい。
インバータ制御装置15aは、保護装置40aと、電圧振幅指令値Vref_aを出力する電圧振幅指令発生器41aと、基準周波数を発振する発振回路42aと、電圧振幅指令発生器41aおよび発振回路42aに接続された乗算器43aと、乗算器43aの出力とインバータ出力電圧Vac_aとの偏差を算出する減算器44aと、減算器44aに接続されたPWMパルス生成回路45aとを有する。
また、インバータ制御装置15aは、このPWMパルス生成回路45aの出力側に、このPWMパルス生成回路45aの出力をインバータ主回路13aに入力させるか否かを保護装置40aにより制御するためのAND回路46aを有する。インバータ制御装置15aには、インバータ出力電圧Vac_aの検出値が入力される。
PWMパルス生成回路45aは、インバータ出力電圧Vac_aの検出値にもとづいて、負荷系統へ供給される電圧の振幅および周波数が、電圧振幅指令発生器41aが出力する電圧振幅指令値Vref_aに等しい振幅と、発振回路42aで設定する所定の周波数に等しい周波数の交流電圧となるように、インバータ主回路13aを構成するスイッチング素子をPWM制御する。
保護装置40aには、燃料電池11aが出力する直流電圧Vdc_aが入力される。保護装置40aは、この燃料電池11aの出力直流電圧Vdc_aが所定の規定電圧範囲に達したことを認識した場合、電源装置10aを運転可とする制御信号(1)をAND回路46aに出力する。また、出力直流電圧Vdc_aが規定電圧範囲以下に低下したことを認識した場合、電源装置10aを停止させるための制御信号(0)をAND回路46aに出力する。つまり、電源装置10aは、燃料電池11aの出力直流電圧Vdc_aに応じて保護装置40aにより運転および停止されることになる。
また、保護装置40aには、インバータ主回路13aの出力交流電流Iac_aが入力される。保護装置40aは、交流電流Iac_aが所定の値以上である場合(過電流が発生してしまった場合)、電源装置10aを停止させるための制御信号(0)をAND回路46aに出力し、インバータ主回路13aを停止する。また系統連系コンダクタ14aを開にして、負荷9と電源装置10aとの接続を切断する。この制御の結果、過電流によるインバータ主回路13a内部のスイッチング素子破壊を回避するとともに、過電流による影響が変圧器8や負荷9へ伝達されるのを回避することができる。
保護装置40aによる制御の結果、電源装置10aのインバータ主回路13aは、燃料電池11aの出力直流電圧Vdc_aが所定の規定電圧範囲で、かつインバータ主回路13aの出力交流電流Iac_aが所定の値以下であれば、電圧振幅指令発生器41aおよび発振回路42aの出力に従った交流電圧Vac_aを出力する。
次に、電源装置10bの構成を説明する。
電源装置10bは、補機12bが燃料電池11bとインバータ主回路13bの交流側に接続され、補機12bが必要とする補機電力をインバータ主回路13bの出力からのみ供給する構成となっているところが電源装置10aと異なる。他の構成は全く同一であるので、同じ構成には各構成要素の符号aを符号bに変更し、詳細な説明を省略する。
電源装置10bは、燃料電池11bと、補機12bと、系統連系コンダクタ14bと、インバータ制御装置15bとを有する。
保護装置40bによる制御の結果、電源装置10bのインバータ主回路13bは、燃料電池11bの出力直流電圧Vdc_bが所定の規定電圧範囲で、かつインバータ主回路13bの出力交流電流Iac_bが所定の値以下であれば、電圧振幅指令発生器41bおよび発振回路42bの出力に従った交流電圧Vac_bを出力する。
次に、本発明に係る電源装置システム10の作用について説明する。
図2は、過電流の発生を防止するとともに、補機12aおよび補機12bへの電力供給を確保しながら電源装置10aおよび電源装置10bを起動する際の、系統連系コンダクタ14aと14bおよびコンダクタ20と21の各開閉状態ならびに電圧振幅指令発生器41aおよび41bの電圧振幅指令出力値を時系列で表示したタイムチャートである。
このタイムチャートにおいて、時刻t1が電源装置システム10の起動開始時にあたり、時刻t0は電源装置システム10の起動前にあたる。
まず、時刻t0において、系統連系コンダクタ14aは開である。このため、電源装置10aは負荷系統に連系されない。系統連系コンダクタ14bも開であり、電源装置10bも負荷系統に連系されない。一方、この時刻t0において、コンダクタ20は開かつコンダクタ21は閉であり、補機12aはインバータ主回路13bの出力端に接続されている。電源装置10aの電圧振幅指令発生器41aと電源装置10bの電圧振幅指令発生器41bは共にゼロであり、インバータ主回路13aおよびインバータ主回路13bの出力電圧はゼロである。
次に、時刻t1において、電源装置システム10の起動を開始する。系統連系コンダクタ14aと14bおよびコンダクタ20と21の各開閉状態は時刻t0と同様にする。電源装置10bの電圧振幅指令発生器41bは、出力する電圧振幅指令値Vref_bを、ゼロから定格電圧値へとステップ状に変化させる。この結果、インバータ主回路13bは電圧振幅指令発生器41bの出力に従った定格電圧を出力する。
いま、系統連系コンダクタ14bは開であり、変圧器8および負荷9へ電圧は供給されない。また、コンダクタ21は閉であり、電源装置10aの補機12aへインバータ主回路13bが出力する電力が供給される。また、電源装置10bの補機12bにインバータ主回路13bが出力する電力が供給される。この結果、補機12aと補機12bは、定格電圧が供給されて運転状態となり、燃料電池11aは直流電圧Vdc_aを出力し、燃料電池11bは直流電圧Vdc_bを出力する。なお、電源装置10aの電圧振幅指令発生器41aの出力Vref_aはゼロであり、インバータ主回路13aの出力電圧はゼロである。
次に、時刻t2において、系統連系コンダクタ14aが閉となり、電源装置10aが変圧器8や負荷9と接続される。電源装置10aの電圧振幅指令発生器41aの出力Vref_aはゼロのままなので、インバータ主回路13aの出力電圧はゼロであり、変圧器8や負荷9に電圧は供給されない。
次に、時刻t3から時刻t4にかけて、電源装置10aの電圧振幅指令発生器41aは、出力する電圧振幅指令値Vref_aをゼロから定格電圧へとランプ状に変化させる。電源装置10aのインバータ主回路13aは、電圧振幅指令発生器41aの出力Vref_a値に従った電圧を出力し、変圧器8や負荷9へ電圧を供給を開始する。この結果、電源装置10aから変圧器8や負荷9への電圧供給は、時刻t3にゼロからランプ状に変化しはじめ、時刻t4で定格電圧へ達することになる。
インバータ主回路13aの出力電圧をランプ状に変化させることにより、過電流の発生を防止することができる。このため、過電流によるインバータ主回路13a内部のスイッチング素子破壊を回避するとともに、過電流による影響が変圧器8や負荷9へ伝達されるのを回避することができる。
次に、時刻t5において、コンダク20は開から閉に変化し、コンダクタ21は閉から開に変化する。つまり、電源装置10aの補機12aにはインバータ主回路13aから電力が供給されるようになる。いま、インバータ主回路13aが出力する電圧はすでに定格電圧に達しているので、補機12aへ供給される電圧も定格電圧となり、補機12aは正常動作を継続することができる。この結果、補機12aの補機電力はインバータ主回路13aの出力から供給され、補機12bの駆動電力はインバータ主回路13bの出力から供給されるようになる。
次に、時刻t6において、系統連系コンダクタ14bは開から閉に変化し、電源装置10bは変圧器8や負荷9と接続される。この結果、電源装置10aは電圧振幅指令発生器41aの出力Vref_aに従った電圧を発生させ、電源装置10bは電圧振幅指令発生器41bの出力Vref_bに従った電圧を発生させ、電源装置10aと電源装置10bから変圧器8や負荷9に電力が供給される。
以上の手順により、過電流の発生を防止するとともに、補機12aおよび補機12bへの電力供給を確保しながら電源装置10aおよび電源装置10bを起動することができる。
一般的なソフトスタート制御では、電源装置の起動時にインバータ主回路の電圧をゆっくりと上昇させる。このため、直流電源として補機を必要とする電源を用いると、インバータ主回路から補機へ電力供給が不足する場合がある。
通常、電源装置システムは商用電力系統と連系されており、商用電力系統から電力供給を受けている。このため、商用電力系統からの電力供給が停電などにより停止する前に、商用電力系統の電力を利用して、補機はあらかじめアイドル状態となっている。しかし、商用電力系統からの電力供給が停止した際には、この補機のアイドル状態の出力電力を利用してインバータ主回路をソフトスタートすると、補機への電力供給が不足し、結局電源装置としての起動に至らない可能性があるのである。
この補機への電力供給不足を回避する方法として、非常用バッテリーを各補機に備えておくことが考えられる。補機のアイドル状態の出力電力を利用してインバータ主回路をソフトスタートする際に、非常用バッテリーから補機への電力供給を行うことにより、補機への電力供給不足を補うことができる。しかし、この非常用バッテリーは、電源装置の並列台数が増えれば増えるほど、メンテナンスやコストの面でユーザに負担となる。
一方、図1に示した電源装置システム10においては、電源装置10aの起動にあたり、負荷系統との連系を断った状態で、補機12aは電源装置10bから定格電圧の供給をうける。さらに、この間(図2の時刻t1から時刻t6の間)、インバータ主回路13bは補機12aと補機12bへのみ電力供給する(負荷系統側へ電力供給しない)。よって、インバータ主回路13bから補機12aと12bへの供給電力が不足することはない。
このため、補機12aは、インバータ主回路13aが出力電圧をゆっくりと上昇させる間、インバータ主回路13bから十分な電力供給をうけることができ、補機12aの電力供給が不足する事態を避けることができる。したがって、電源装置システム10は、電源装置の直流電源として補機を必要とする燃料電池を用いた場合でも、補機への電力供給を確保しながら電源装置の安定した起動を実現することができる。
通常、インバータ主回路の出力電圧が次第に上昇していくにつれ、変圧器がインバータ主回路側から徐々に励磁される。ここで、インバータ主回路の出力電圧は、一般に矩形波状であるため、変圧器には必要以上の電圧・時間積(ボルト・セカンド)がかかる。このため、特別の磁気設計がなされていない場合には変圧器8が磁気飽和して過電流を発生させることがある。
図1に示した電源装置システム10は、電源装置システム10の起動時に電源装置10aおよび電源装置10bから変圧器8に印加する電圧を、インバータ主回路13aが出力するランプ状にゼロから上昇する電圧としている。インバータ主回路13aの出力電圧をゼロからランプ状にゆっくり上昇させる場合には、変圧器8は磁気飽和せず過電流を発生させることはない。また、電源装置システム10は、電源装置10aの電圧出力により変圧器8の励磁が完了した後に電源装置10bの系統連系コンダクタ14bを閉とする。このため、電源装置10bの負荷系統連系時(図2の時刻t6)に過電流が発生することはない。
したがって、電源装置システム10によれば、過電流の発生を防止することができ、過電流によるインバータ主回路13a内部のスイッチング素子破壊を回避するとともに、過電流による影響が変圧器8や負荷9へ伝達されるのを回避することができる。
なお、本実施形態では電源装置が2台の場合について説明したが、電源装置は2台以上あればよく、電源装置が3台以上の場合は、3台目以上の電源装置の構成は電源装置10bと同一とし、その起動は電源装置10bと同一とし、その補機への電力供給は自機のインバータ主回路からのみ行うようにすると良い。
また、系統連系コンダクタ14aと14bおよびコンダクタ20と21の各開閉状態の制御は、この制御を行う制御装置をハードウエアロジックによって構成してこの制御装置により行うようにしてもよいし、コンピュータによりプログラムを実行させて行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、直流電源として燃料電池を例に挙げたが、電力供給が必要な補機を要する直流電源であれば燃料電池に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
図3は、本発明に係る電源装置システム10Aの第2実施形態を示す概略的な全体構成図である。
電源装置システム10Aは、電源装置を3台以上の複数台を有するが、図3には、例として電源装置を3台有する場合について示す。
図3に示す電源装置システム10Aは、3台の電源装置10a、10bおよび10cを有し、この各電源装置が変圧器8を介して負荷9へ電力供給する。燃料電池11bおよび11cと、補機12bおよび12cと、インバータ主回路13bおよび13cと、系統連系コンダクタ14bおよび14cと、インバータ制御装置15bおよび15cとは、各要素の符号をaに変更すると図1に示す電源装置10aの各構成と実質的に異ならないため、同一の構成については各構成要素の符号aを符号bおよび符号cに変更し、重複する説明を省略する。
電源装置システム10Aは、切替装置50を介して互いに接続可能に構成された3台の電源装置10a、10bおよび10cによって構成される。図3には、電源装置10a、10bおよび10cが変圧器8などを介して負荷9へ電力を供給するいわゆる自立運転時の電源装置システム10の構成を示す。
切替装置50は、コントローラ51と可制御スイッチ52a、52b、52cと、接続端子53a、53b、53cから構成される。可制御スイッチ52aは電源装置10aのインバータ主回路13aの交流出力端に接続され、可制御スイッチ52bは電源装置10bのインバータ主回路13bの交流出力端に接続され、可制御スイッチ52cは電源装置10cのインバータ主回路13cの交流出力端に接続される。接続端子53aは補機12aに接続され、接続端子53bは補機12bに接続され、接続端子53cは補機12cに接続される。
コントローラ51は、可制御スイッチ52a、52bおよび52cに接続される。コントローラ51に制御されて、可制御スイッチ52a、52bおよび52cは、それぞれ接続端子53a、53bおよび53cの1箇所以上に任意に接続される。例えば可制御スイッチ52aが接続端子53aと53bに同時に接続するように、可制御スイッチ52a、52bおよび52cはそれぞれ接続端子53a、53bおよび53cのうち同時に任意の2箇所に接続可能となっている。
コントローラ51にはあらかじめ、時系列的に可制御スイッチ52a、52bおよび52cが接続する接続端子が設定されており、コントローラ51はこの設定どおりに可制御スイッチ52a、52bおよび52cの接続先を切替える。
このような構成によれば、可制御スイッチ52a、52bおよび52cの切替により、可制御スイッチ52a、52bおよび52cと接続端子53a、53bおよび53cの接続を任意に変更可能となるので、補機12a、12bおよび12cへの電力供給をインバータ主回路13a、13bおよび13cの交流出力端から選択的に電力供給できる。
次に、図3に示す電源装置システム10Aの作用について説明する。
この電源装置システム10Aの作用について説明するにあたり、例として、電源装置10aを最初に負荷系統に連系する(ソフトスタートを行う)電源装置とし、電源装置10bを補機12aへの電力供給源とする場合について、電源装置システム10Aの起動手順について説明する。
まず、コントローラ51は、可制御スイッチ52aは未接続となるよう、可制御スイッチ52bは接続端子53aと53bにそれぞれ接続されるよう、可制御スイッチ52cは接続端子53cに接続されるよう制御する。この結果、補機12aにはインバータ主回路13bから電力供給され、補機12bもインバータ主回路13bから電力供給される。
次に、系統連系コンダクタ14aを閉にし、インバータ主回路13aの交流出力を徐々に大きくするソフトスタートを行い電源装置10aから負荷9に電力供給を開始する。
次に、電源装置10aの出力が規定値(定格電圧など)に達した後、コントローラ51は、可制御スイッチ52aは接続端子53aに接続されるよう、可制御スイッチ52bは接続端子53bのみに接続されるよう制御する。
図3には、3台の電源装置から構成される電源装置システム10Aの例を示したが、4台以上の電源装置から構成されるようにしてもかまわない。この場合、4台目以上の電源装置の構成は他の電源装置と同一とし、その起動は上述した例の電源装置10cと同一とし、その補機への電力供給は自機のインバータ主回路からのみ行うようにすると良い。
図3に示す電源装置システム10Aは、3台(または3台以上)の電源装置を有し、電源装置の起動時に最初に系統へ連系する1台の電源装置の補機(上述した例では補機12a)には他の1台の電源装置(上述した例では電源装置10b)のインバータ主回路の交流出力から電力供給する。また、この他の1台の電源装置(上述した例では電源装置10b)の補機には自機内のインバータ主回路の交流出力から電力供給する。さらに、その他の電源装置(上述した例では電源装置10c)の補機には自機内のインバータ主回路の交流出力から電力供給する。また、最初に系統へ連系する1台の電源装置の出力が規定値以上になった後、各電源装置の補機への電力供給を自機内のインバータ主回路の交流出力から行う。
したがって、図3に示す電源装置システム10Aによれば、3台以上の複数台の電源装置を有しながら、各電源装置を起動するにあたり図1に示す電源装置システム10と同様の効果を得ることができる。
また、電源装置システム10Aは、3台以上の複数台の電源装置を有するため、電源装置システム10に比べ、任意の電源装置の不慮の故障などにも余裕を持って対処することができる。
8 変圧器
9 負荷
10、10A 電源装置システム
10a、10b 電源装置
11a、11b 燃料電池
12a、12b 補機
13a、13b インバータ主回路
14a、14b 系統連系コンダクタ
15a、15b インバータ制御装置
20、21 コンダクタ
40a、40b 保護装置
41a、41b 電圧振幅指令発生器
42a、42b 発振回路
43a、43b 乗算器
44a、44b 減算器
45a、45b PWMパルス生成回路
46a、46b AND回路
50 切替装置
51 コントローラ
52a、52b、52c 可制御スイッチ
53a、53b、53c 接続端子
9 負荷
10、10A 電源装置システム
10a、10b 電源装置
11a、11b 燃料電池
12a、12b 補機
13a、13b インバータ主回路
14a、14b 系統連系コンダクタ
15a、15b インバータ制御装置
20、21 コンダクタ
40a、40b 保護装置
41a、41b 電圧振幅指令発生器
42a、42b 発振回路
43a、43b 乗算器
44a、44b 減算器
45a、45b PWMパルス生成回路
46a、46b AND回路
50 切替装置
51 コントローラ
52a、52b、52c 可制御スイッチ
53a、53b、53c 接続端子
Claims (7)
- 複数の電源装置が互いに接続され、これらの電源装置は、
直流電源と、
この直流電源の駆動に必要な補機と、
前記直流電源から出力される直流電力を交流電力に変換するインバータ主回路と、
このインバータ主回路の出力電圧を制御するインバータ制御部と
を備え、
前記複数の電源装置のうちの任意の1台の電源装置がこの1台の電源装置の補機の駆動電力を、この1台の電源装置のインバータ主回路の出力電圧と前記複数の電源装置の任意の他の1台の電源装置に含まれるインバータ主回路の出力電圧とから選択可能であり、かつ前記任意の他の1台の電源装置に含まれる補機の駆動電力を前記任意の他の1台の電源装置に含まれるインバータ主回路の出力電圧とするよう前記複数の電源装置の接続関係を構成したことを特徴とする電源装置システム。 - 前記互いに接続される複数の電源装置を自立系統に構成した請求項1記載の電源装置システム。
- 前記複数の電源装置の各インバータ主回路の出力端と各補機に対する電力供給端との接続を制御するスイッチを有する切換装置をさらに備えた請求項1記載の電源装置システム。
- 複数の電源装置が互いに接続され、これらの電源装置は、直流電源と、この直流電源の駆動に必要な補機と、前記直流電源から出力される直流電力を交流電力に変換するインバータ主回路と、このインバータ主回路の出力電圧を制御するインバータ制御部とを備えた電源装置システムの起動方法において、
前記複数の電源装置のうちの任意の1台の電源装置の補機と前記複数の電源装置のうちの任意の他の1台のインバータ主回路を接続するステップと、
前記任意の他の1台のインバータ主回路の出力電圧をゼロから前記補機の駆動に必要な所定の電圧へステップ状に変化させ、この任意の他の1台のインバータ主回路の出力電圧を前記任意の1台の電源装置の補機に供給するステップと、
を有することを特徴とする電源装置システムの起動方法。 - 前記任意の1台の電源装置の補機に供給するステップに続いて、
前記任意の1台の電源装置のインバータ主回路と負荷系統とを接続するステップと、
前記任意の1台の電源装置のインバータ主回路の出力電圧を、ゼロから徐々に所定の電圧まで上昇させるように制御するステップと、
をさらに有する請求項4記載の電源装置システムの起動方法。 - 前記任意の1台の電源装置のインバータ主回路の出力電圧の上昇を制御するステップに続いて、
前記任意の1台の電源装置のインバータ主回路の出力電圧が所定の電圧に達した後、前記任意の1台の電源装置の補機の駆動電力は前記任意の1台の電源装置のインバータ主回路の出力電圧とするように電気的接続関係を変更するステップ、
をさらに有する請求項5記載の電源装置システムの起動方法。 - 前記電気的接続関係を変更するステップに続いて、
前記任意の他の1台の電源装置のインバータ主回路と負荷系統とを接続するステップ、
をさらに有する請求項6記載の電源装置システムの起動方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008020681A JP2009183090A (ja) | 2008-01-31 | 2008-01-31 | 電源装置システムおよびその起動方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008020681A JP2009183090A (ja) | 2008-01-31 | 2008-01-31 | 電源装置システムおよびその起動方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009183090A true JP2009183090A (ja) | 2009-08-13 |
Family
ID=41036610
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008020681A Pending JP2009183090A (ja) | 2008-01-31 | 2008-01-31 | 電源装置システムおよびその起動方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009183090A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016121389A1 (ja) * | 2015-01-27 | 2016-08-04 | 京セラ株式会社 | 電力供給装置、電力供給システム、および電力供給方法 |
JP2018126010A (ja) * | 2017-02-02 | 2018-08-09 | 株式会社東芝 | 電源システム |
JP2018147630A (ja) * | 2017-03-02 | 2018-09-20 | ブラザー工業株式会社 | 燃料電池システム、及び燃料電池 |
JP2021089886A (ja) * | 2019-12-06 | 2021-06-10 | 株式会社東芝 | 燃料電池発電システム、及び燃料電池発電システムの制御方法 |
-
2008
- 2008-01-31 JP JP2008020681A patent/JP2009183090A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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