JP2009259578A - 燃料電池発電システム及び燃料電池発電システムの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電力系統33から解列し、燃料電池11の燃料を予備燃料に切り替えると共に、燃料電池11の発電出力が給電負荷42での必要電力の最大値相当となるように制御し、発電出力をダミー負荷13に供給する。予備燃料による燃料電池11の発電出力が安定してから、給電負荷42への給電を開始し、複数の電気ヒータで構成されるダミー負荷13のうち消費電力が給電負荷42の消費電力相当となる電気ヒータへの電力供給を遮断する。燃料電池11の発電電力の出力先を、電気ヒータから給電負荷42に切り替えたことと結果的に同等となるため、解列時の燃料電池11の負荷追従性を確保し、且つ給電負荷42への給電開始時に燃料電池11が過負荷状態となることを抑制することができる。
【選択図】 図1
Description
ここで、炭化水素を燃料とする燃料電池発電装置においては、燃料電池発電装置内に化学反応器を有しており、この化学反応器の出力を用いて発電出力を得るようにしている。このため、燃料電池発電装置は、指令値に対して、電気のように数ミリ秒といった短時間で応答することは困難であり、一般に、十から数十秒の時定数をもっている。
そして、連系運転中は、負荷変動等に伴って瞬間的に不足する電力相当分を電力系統からもらい、逆に、余剰となる電力を電力系統に送り出すことで、燃料電池の発電出力と電力負荷とのバランスをとるようにしている。
その際、燃料電池発電装置の発電出力を、一旦、余剰電力消費ヒータに供給しておき、この状態から、重要度が高い等として選択された一部の負荷への電力供給を開始すると共に余剰電力消費ヒータの消費電力の調整を行い、選択された負荷の消費電力相当だけ、余剰電力消費ヒータの消費電力が減少するよう調整することにより、所定の負荷に対して過不足のない電力供給を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、これらの方法にあっては、負荷への供給電力量の変化をうけて余剰電力消費ヒータの消費電力や可変負荷の負荷量を調整するようにしているため、負荷への電力供給が開始されてから、余剰電力消費ヒータの消費電力や可変負荷の負荷量の調整が完了しそれぞれの目標値に収束するまでにはある程度の時間を要する。
特に、解列と共に、燃料電池発電装置の燃料を主燃料から予備燃料に切り替える構成とした場合には、燃料の切り替えに数十秒程度を要しており、負荷に対して安定した電力供給を再開するまでの所要時間をより短縮するためにも、電力負荷への供給電力が、過不足なく安定した電力量に収束するまでの所要時間のさらなる短縮が望まれていた。
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題点に着目してなされたものであり、連系運転から解列後、負荷への安定した電力供給をより早い段階で開始することの可能な燃料電池発電システム及び燃料電池発電システムの制御方法を提供することを目的としている。
また、請求項3に係る発明は、前記制御手段は、前記燃料電池発電装置及び前記負荷を前記電力系統から解列して前記主燃料を前記予備燃料に切り替えた後に、前記燃料電池発電装置の発電出力を前記補助負荷に供給することを特徴としている。
また、請求項5に係る発明は、前記遮断手段は、コンタクタ又は半導体スイッチからなることを特徴としている。
特に、遮断手段を、高速動作が可能なコンタクタ又は半導体スイッチで構成することにより、補助負荷への電力供給先をより速やかに切り替えることができる。このため、負荷に対し、負荷で必要とする電力量相当の電力供給がより速やかに行われることになる。
この発明によれば、電力計の検出値と補助負荷の負荷量とに基づき、発電出力を供給すべき補助負荷を決定しているため、自立運転時に、負荷側で任意の一部の機能だけを稼働させるようにした場合であっても、負荷の消費電力相当の補助負荷を確実に特定することができ、補助負荷への供給電力量を、負荷の消費電力相当だけ確実に低減することができる。
この発明によれば、一又は複数の補助負荷を組み合わせると、これらの和は、自立運転時にとり得る負荷の消費電力相当となるため、状況によって負荷の稼働状況が異なり、負荷の消費電力が異なる場合であっても、負荷の消費電力相当だけ補助負荷への供給電力を確実に低減することができる。
また、請求項8に係る発明は、前記補助負荷は電気ヒータであることを特徴としている。
この発明によれば、電気ヒータを補助負荷として用いているから、所望の負荷量を有する補助負荷を容易に実現することができる。
また、負荷の消費電力相当の補助負荷への電力供給を停止する等、補助負荷間で前記発電出力の供給先の切り替えを行うことにより、負荷の消費電力相当だけ補助負荷への供給電力量を削減しているため、補助負荷から負荷への発電出力の供給先の切り替えを速やかに完了させることができるため、燃料電池発電装置が過負荷状態となり得る時間をより短縮することができる。
特に、請求項5に係る発明では、遮断手段を、高速動作が可能なコンタクタ又は半導体スイッチで構成したため、補助負荷への電力供給を速やかに遮断することができる。このため、燃料電池発電装置の発電出力の供給先の切り替えをより速やかに完了させ、燃料電池発電装置が過負荷状態となり得る時間をより短縮することができる。
また、請求項7に係る燃料電池発電システムによれば、負荷の消費電力が場合によって異なる場合であっても、一又は複数の補助負荷を組み合わせることにより、負荷の消費電力相当だけ、補助負荷への供給電力を確実に低減することができる。
さらに、請求項8に係る燃料電池発電システムによれば、補助負荷として電気ヒータを用いることにより、所望の負荷量を有する補助負荷を容易に実現することができる。
図1は、本発明を適用した燃料電池発電システムの概略構成を示すブロック図である。
図1の燃料電池発電システムは、大別して燃料電池発電装置1と、系統連系及び遮断を司る連系切り替え部2と、本燃料電池発電システムによる電力供給先である、後述の給電負荷42を含む給電負荷部3とからなる。
燃料電池発電装置1は、都市ガス等を主燃料として直流電力を発電する燃料電池11と、燃料電池11の発電出力を直流から交流に変換するインバータ12と、ダミー負荷13と、燃料電池発電装置1内で必要な各種の内部機器からなる内部補機14と、を備える。
また、ダミー負荷13及び内部補機14は、系統連系用電磁接触器16及び17間に接続される。
ダミー負荷13は複数の電気ヒータで構成される。図1では、4つの電気ヒータ13a〜13dで構成されている。なお、ここでは、ダミー負荷13を4つの電気ヒータ13a〜13dで構成しているが、任意数の電気ヒータで構成することができる。
ここで、給電負荷42は、後述するように複数の電気負荷を備えている。そして、燃料電池11及び給電負荷42を電力系統33から解列した状態で、燃料電池11の発電電力を用いて給電負荷42を駆動する、いわゆる自立運転時には、給電負荷42を構成する複数の電気負荷のうち、重要度の高い電気負荷など、一又は複数の負荷が稼働されるようになっている。
さらに、燃料電池発電装置1には、インバータ12を制御すると共に、燃料電池発電システム全体の制御を司るシステム制御装置19が設けられ、このシステム制御装置19は、系統連系用電磁接触器16及び17間に接続された無停電電源装置20から常時給電を受けている。
一方、連系切り替え部2は、燃料電池発電装置1と連系切り替え部2とを遮断するための系統連系用遮断器31及び高圧交流負荷遮断器32を備え、燃料電池発電装置1の出力電力は系統連系用遮断器31及び高圧交流負荷遮断器32を介して電力系統33に供給される。
そして、高速電源切り替え装置41で切り替えを行うことにより、連系切り替え部2側又は燃料電池発電装置1側からの電力を選択的に給電負荷42に供給する。
システム制御装置19は、燃料電池出力検出用の電流センサ21、交流電流センサ22及び交流電圧センサ23、自立運転電流センサ45、及び負荷供給電力計46からの検出信号に基づき、インバータ12を駆動制御すると共に、各遮断器や電磁接触器、高速電源切り替え装置41を制御する。
この燃料電池11は、主燃料としての都市ガス又は予備燃料としてのLPG等を入力する。入力された燃料ガスは、脱硫器61で脱硫された後、改質器62に入力されここで水素に富む改質ガスに改質された後、燃料電池本体63に送られ、ここで、電池反応を起こして発電し、発電出力はインバータ12に供給される。
主燃料は、遮断弁64及び調節弁65を介して脱硫器61に供給される。同様に予備燃料は、遮断弁66及び調節弁67を介して脱硫器61に供給される。
図3は、燃料電池11の燃料切り替え時におけるシステム制御装置19の処理手順の一例を示すフローチャートである。
連系運転時には、系統連系用接触器16及び17、装置間遮断器18、系統連系用遮断器31、高圧交流負荷遮断器32は閉状態に制御される。高速電源切り替え装置41は、電磁接触器41aが閉状態、電磁接触器41bが開状態に制御されて連系切り替え部2側を選択するよう制御され、自立運転用遮断器43及び自立運転用接触器44は開状態に制御される。また、必要に応じて各負荷52〜58に対応する遮断器が閉状態に制御され、逆にダミー負荷13の各遮断器13a′〜13d′は全て開状態に制御される。
燃料電池11の発電出力は、さらに系統連系用接触器17、装置間遮断器18、系統連系用遮断器31、高速電源切り替え装置41を介して給電負荷42に供給され、ここで、電気負荷51に電力供給が行われると共に、電気負荷52〜58のうち、これら電気負荷に対応する遮断器が閉状態に制御されている電気負荷に対して電力供給が行わる。全ての遮断器54′〜58′、及び60が閉状態に制御されていれば、各電気負荷52〜58に対して電力供給が行われ、給電負荷42の各電気負荷52〜58は稼働状態となる。
この状態から、例えば、主燃料ガスのガス漏れをガス漏れ検出センサ(図示せず)で検出したとき、或いは感震器(図示せず)で比較的大きな地震を検出し主燃料である都市ガスの供給が停止されたとき、或いは電力系統33側に停電が生じたとき等、電力系統33から燃料電池発電システムを解列する必要が生じたときには、システム制御装置19では、図3のステップS1からステップS2に移行し、燃料電池11及び給電負荷42を電力系統33から切り離して解列すると共に、燃料電池11への燃料を、主燃料から予備燃料に切り替える。
これにより、給電負荷42は、燃料電池11側及び電力系統33側から切り離された状態となる。
また、燃料電池11において、主燃料側の遮断弁64及び調節弁65を閉状態に切り替えた後、予備燃料側の遮断弁66及び調節弁67を開状態に切り替え、主燃料に替えて予備燃料を脱硫器61に導入する。
これにより、予備燃料を用いて発電された燃料電池11の発電出力が所定値となるように制御され、この発電出力はインバータ12、絶縁変圧器15を介して、系統連系用接触器16からダミー負荷13の各電気ヒータ13a〜13dに供給されると共に内部補機14に供給されることになる。
そして、給電負荷42に対して安定した電力供給を行うことが可能な状態となったとき、ステップS4からステップS5に移行し、自立運転用遮断器43及び自立運転用接触器44を閉状態に切り替える。
このとき、燃料電池11の燃料を主燃料から予備燃料に切り替えたことに伴い、需要家側で、給電負荷42のうち重要度の高い電気負荷のみを動作させ、比較的重要度の低い電気負荷は停止させるために、遮断器54′〜58′、60のうちの何れかを開状態に切り替えていたならば、負荷供給電力計46の検出値は、重要度の高い電気負荷の負荷量の総和相当の値を表すことになる。
そして、特定した電気ヒータに対応する遮断器を開状態に切り替える(ステップS6、S7)。これにより、開状態に切り替えられた遮断器に対応する電気ヒータへの電力供給が遮断される。
したがって、給電負荷42の負荷変動に対する負荷追従性を確保することができると共に、燃料電池11の発電出力とその電力負荷とを速やかに平衡状態に移行させることができ、燃料電池11が過負荷状態となり得る時間を短縮し、燃料電池に与える影響を低減し、長寿命化を図ることができる。
この場合、例えばダミー負荷13を構成する電気ヒータのうちの複数の電気ヒータを、第1グループとして設定し、この第1グループに属する電気ヒータの負荷量の和が、自立運転時に給電負荷42がとり得る最大消費電力相当となるように、各電気ヒータの負荷量を設定する。
また、例えば、第1グループのうちの何れかの電気ヒータと、第1グループに属さない電気ヒータとが第2グループとして選択されたならば、第1グループの電気ヒータのうち、第2グループに属さない電気ヒータへの電力供給を遮断すると共に、第2グループの電気ヒータのうち第1グループに属さない電気ヒータに対応する遮断器を閉状態に切り替え、電力供給を開始する。
ここで、上記実施の形態において、ダミー負荷13が補助負荷に対応し、遮断器13a′から13d′が遮断手段に対応し、システム制御装置19が制御手段に対応している。
12 インバータ
13 ダミー負荷
13a′〜13d′ 遮断器
19 システム制御装置
42 給電負荷
Claims (9)
- 主燃料を用いて発電を行う燃料電池発電装置を有し、前記燃料電池発電装置と電力系統とで連系運転をして負荷に電力供給を行い、且つ必要に応じて前記燃料電池発電装置及び前記負荷を前記電力系統から解列すると共に前記主燃料を予備燃料に切り替え、以後、燃料電池発電装置を自立運転させて前記負荷に電力供給を行う燃料電池発電システムにおいて、
前記自立運転への移行を制御する制御手段を備えると共に前記燃料電池発電装置内に1又は複数の補助負荷を有し、
前記制御手段は、自立運転への移行時に、前記燃料電池発電装置及び前記負荷を前記電力系統から解列して前記主燃料を前記予備燃料に切り替えると共に、前記燃料電池発電装置の発電出力が予め設定した所定値となるように制御してその発電出力を前記補助負荷に供給し、
前記燃料電池発電装置の発電出力を前記負荷に供給することが可能な状態となった後、前記負荷への電力供給を開始してから、前記補助負荷間で前記発電出力の供給先を切り替え、前記補助負荷のうち、消費電力の総和が前記所定値よりも前記負荷の消費電力相当だけ少ない値となる補助負荷に、前記発電出力を供給することを特徴とする燃料電池発電システム。 - 前記制御手段は、前記補助負荷のうち、前記負荷の消費電力相当の電力を消費する補助負荷への電力供給を停止することにより、前記補助負荷間で前記発電出力の供給先を切り替えることを特徴とする請求項1記載の燃料電池発電システム。
- 前記制御手段は、前記燃料電池発電装置及び前記負荷を前記電力系統から解列して前記主燃料を前記予備燃料に切り替えた後に、前記燃料電池発電装置の発電出力を前記補助負荷に供給することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の燃料電池発電システム。
- 前記燃料電池発電装置と前記補助負荷との間に、前記燃料電池発電装置からの発電出力の供給を前記補助負荷毎に遮断する遮断手段を備え、
前記制御手段は、前記遮断手段を制御することにより、前記補助負荷間での前記発電出力の供給先の切り替えを行うことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の燃料電池発電システム。 - 前記遮断手段は、コンタクタ又は半導体スイッチからなることを特徴とする請求項4記載の燃料電池発電システム。
- 前記負荷に供給される電力量を検出する電力計を有し、
前記制御手段は、予め検出した前記補助負荷の負荷量と前記電力計の検出値とに基づき、前記発電出力を供給すべき補助負荷を特定することを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の燃料電池発電システム。 - 自立運転時には、前記負荷の一部の機能のみを稼働させるようになっている燃料電池発電システムであって、
前記補助負荷を複数有し、
前記補助負荷の各負荷量は、一又は複数の前記補助負荷の負荷量の和が、自立運転時にとり得る前記負荷の消費電力相当となるように設定されることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の燃料電池発電システム。 - 前記補助負荷は電気ヒータであることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1項に記載の燃料電池発電システム。
- 主燃料を用いて発電を行う燃料電池発電装置を有し、前記燃料電池発電装置と電力系統とで連系運転をして負荷に電力供給を行い、且つ必要に応じて前記燃料電池発電装置及び前記負荷を前記電力系統から解列すると共に前記主燃料を予備燃料に切り替え、以後、燃料電池発電装置を自立運転させて前記負荷に電力供給を行う燃料電池発電システムの制御方法であって、
前記燃料電池発電装置内に1又は複数の補助負荷を有し、
前記自立運転への移行時に、前記燃料電池発電装置及び前記負荷を前記電力系統から解列して前記主燃料を前記予備燃料に切り替えるステップと、
前記予備燃料を用いた前記燃料電池発電装置の発電出力が予め設定した所定値となるように制御してその発電出力を前記補助負荷に供給するステップと、
前記予備燃料を用いた前記燃料電池発電装置の発電出力を前記負荷に供給することが可能な状態となった後、前記負荷への電力供給を開始してから、前記補助負荷間で前記発電出力の供給先を切り替え、前記補助負荷のうち、消費電力の総和が前記所定値よりも前記負荷の消費電力相当だけ少ない値となる補助負荷に、前記発電出力を供給するステップと、を備えることを特徴とする燃料電池発電システムの制御方法。
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