JP2017118598A - 電力供給システム - Google Patents
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Abstract
【課題】負荷への安定的な電力供給を可能とし、かつ、分散型電源及び電力貯蔵装置の総合利用効率を向上できる電力供給システムを提供する。
【解決手段】電力供給システム1において、蓄電池パワーコンディショナ31のコントローラ312は、分散型電源としてのPV装置2の出力電力が負荷5の消費電力未満の場合には、PV装置2から負荷5への電力供給を停止すると共に、電力貯蔵装置としての蓄電装置3から負荷5への放電制御を行う。また、コントローラ312は、放電制御の実施から所定時間経過後に、PV装置2の出力電力が負荷5の消費電力以上となる場合には、放電制御を停止すると共に、PV装置2から負荷5への電力供給を行う。
【選択図】図1
【解決手段】電力供給システム1において、蓄電池パワーコンディショナ31のコントローラ312は、分散型電源としてのPV装置2の出力電力が負荷5の消費電力未満の場合には、PV装置2から負荷5への電力供給を停止すると共に、電力貯蔵装置としての蓄電装置3から負荷5への放電制御を行う。また、コントローラ312は、放電制御の実施から所定時間経過後に、PV装置2の出力電力が負荷5の消費電力以上となる場合には、放電制御を停止すると共に、PV装置2から負荷5への電力供給を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、電力貯蔵装置及び分散型電源から負荷に電力を供給する電力供給システムに関する。
この種の電力供給システムとしては、特許文献1に記載のシステムがある。特許文献1に記載の電力供給システムは、系統電源から負荷に電力を供給するための基幹電力線と、基幹電力線に接続される分散型電源としての太陽光発電(PV:photovoltaics)装置と、同じく基幹電力線に接続される電力貯蔵装置としての蓄電装置とを備えている。このようなシステムでは、PV装置の出力が不安定であるため、例えば特許文献1に記載されるように、PV装置の発電電力と負荷の消費電力(負荷電力)とを監視して、負荷電力が発電電力よりも大きい場合には、蓄電池を放電して発電電力の不足分を補填し、負荷電力が発電電力よりも小さい場合には、発電電力の余剰分により蓄電池に充電を行う機能を設けるなど、負荷への電力供給の安定化が図られている。
しかしながら、特許文献1などの従来の電力安定化手法では、PV装置の発電電力が蓄電池の放電出力に対して十分大きくないとPV装置の出力と蓄電池の出力との相互干渉により電圧歪が発生する場合があるなど、さらなる改善の余地がある。
また、電力歪の影響によりPV装置の出力が不安定になると、蓄電池の放電と充電とを切り替えるための判定基準も不安定となり、例えば蓄電池の放電と充電とが頻繁に切り替えらえる状況が生じるなど、PV装置及び蓄電装置の総合的な電力効率(総合利用効率)を低下させる虞がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、負荷への安定的な電力供給を可能とし、かつ、分散型電源及び電力貯蔵装置の総合利用効率を向上できる電力供給システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る電力供給システムは、電力貯蔵装置(3)及び分散型電源(2)から負荷(5)に電力を供給する電力供給システム(1,1A)であって、前記分散型電源の出力電力が前記負荷の消費電力未満の場合には、前記分散型電源から前記負荷への電力供給を停止すると共に、前記電力貯蔵装置から前記負荷への放電制御を行い、前記放電制御の実施から所定時間経過後に、前記分散型電源の出力電力が前記負荷の消費電力以上となる場合には、前記放電制御を停止すると共に、前記分散型電源から前記負荷への電力供給を行う制御部(312)を備える。
この構成により、分散型電源の出力電力と負荷の消費電力との関係に基づいて、分散型電源及び電力貯蔵装置のいずれか一方のみを用いて負荷への電力供給が行われる。分散型電源と電力貯蔵装置とが同時に電力供給を行わないため、両者の出力の相互干渉が発生せず、負荷への安定的な電力供給が可能となる。これにより分散型電源及び電力貯蔵装置から負荷への電力供給を効率良く行うことができることにもなるので、分散型電源及び電力貯蔵装置の総合的な電力効率(総合利用効率)を高めることができる。
本発明によれば、負荷への安定的な電力供給を可能とし、かつ、分散型電源及び電力貯蔵装置の総合利用効率を向上できる電力供給システムを提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
[実施形態]
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る電力供給システム1の構成について説明する。図1に示されるように、本実施形態の電力供給システム1は、太陽光発電(PV:photovoltaics)装置2と、蓄電装置3と、単相三線式の系統電源4と、負荷5とを有している。電力供給システム1は、例えば住宅に設定される。負荷5は、例えば住宅内のコンセント等の各種電気機器を含む家庭用負荷である。
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る電力供給システム1の構成について説明する。図1に示されるように、本実施形態の電力供給システム1は、太陽光発電(PV:photovoltaics)装置2と、蓄電装置3と、単相三線式の系統電源4と、負荷5とを有している。電力供給システム1は、例えば住宅に設定される。負荷5は、例えば住宅内のコンセント等の各種電気機器を含む家庭用負荷である。
PV装置2は分散型電源として機能する。PV装置2は、太陽電池モジュール20(図1には「PV」と表記)と、PVパワーコンディショナ21とを備えている。
太陽電池モジュール20は、複数の太陽電池をモジュール化したものであり、日射量に応じた直流電力を生成する。太陽電池モジュール20は、生成した直流電力をPVパワーコンディショナ21に出力する。
PVパワーコンディショナ21は、図示しないインバータ等を備えており、太陽電池モジュール20から出力される直流電力を所定の基準電圧及び所定の基準周波数の交流電力に変換する。所定の基準電圧は、例えば実効値で100[V]に設定される。所定の基準周波数は、例えば商用周波数の50[Hz]あるいは60[Hz]に設定される。PVパワーコンディショナ21は、変換した交流電力を負荷5にPV用電力線Wac1を介して供給することが可能となっている。また、PVパワーコンディショナ21は、生成した電力を、図示しない分電盤等を介して負荷5や系統電源4に供給することも可能となっている。
蓄電装置3は電力貯蔵装置として機能する。蓄電装置3は、充放電可能な蓄電池30と、蓄電池パワーコンディショナ31とを備えている。蓄電池パワーコンディショナ31は、コンバータ310と、インバータ311とを有している。
蓄電池30、コンバータ310、インバータ311、及び系統電源4は、この順で直列に接続されている。詳しくは、コンバータ310は、直流電力線Wdc1を介して蓄電池30に接続されるとともに、直流電力線Wdc2を介してインバータ311に接続されている。インバータ311は、蓄電用電力線Wac2を介して系統電源4に接続されている。PV用電力線Wac1と蓄電用電力線Wac2は連結用電力線Wac3を介して接続されている。すなわち、PV装置2、系統電源4、及び蓄電池30は負荷5に対して並列に接続されている。なお、図1には、PV用電力線Wac1と連結用電力線Wac3との第1接続点が符号P1で示されるとともに、蓄電用電力線Wac2と連結用電力線Wac3との第2接続点が符号P2で示されている。
コンバータ310は、蓄電池30から供給される直流電力を昇圧し、昇圧後の直流電力をインバータ311に供給する昇圧動作を行うことが可能となっている。また、コンバータ310は、インバータ311から供給される直流電力を降圧し、降圧後の直流電力を蓄電池30に供給する降圧動作を行うことも可能となっている。
インバータ311は、コンバータ310から供給される直流電力を交流電力に変換するとともに、変換後の交流電力を負荷5に各電力線Wac1〜Wac3を介して供給するDC/AC変換動作を行うことが可能となっている。また、インバータ311は、系統電源4あるいはPV装置2から供給される交流電力を直流電力に変換するとともに、変換後の直流電力をコンバータ310に供給するAC/DC変換動作を行うことも可能となっている。
蓄電装置3は、電圧センサ313と、PV出力リレー314(第1開閉器)と、蓄電池出力リレー315(第2開閉器)とを有している。
電圧センサ313は、PV用電力線Wac1におけるPVパワーコンディショナ21と第1接続点P1との間の位置P3の電圧、すなわちPV装置2から負荷5に出力されるPV出力電圧Vを検出する。電圧センサ313は、PV出力電圧Vに応じた電気信号をコントローラ312に出力する。
PV出力リレー314は、PV用電力線Wac1における電圧センサ313の電圧検出位置P3と第1接続点P1との間に配置されている。PV出力リレー314は、その閉動作、すなわちオン状態にされることにより、PV装置2と負荷5とを電気的に接続する。また、PV出力リレー314は、その開動作、すなわちオフ状態にされることにより、PV装置2と負荷5との電気的な接続を遮断する。つまり、電力供給システム1から負荷5へ供給する電力からPV装置2の出力を解列させることができる。
蓄電池出力リレー315は、連結用電力線Wac3上、すなわち第2接続点P2と第1接続点P1との間に配置されている。蓄電池出力リレー315は、その閉動作、すなわちオン状態にされることにより、蓄電池30と負荷5とを電気的に接続する。また、蓄電池出力リレー315は、その開動作、すなわちオフ状態にされることにより、蓄電池30と負荷5との電気的な接続を遮断する。つまり、電力供給システム1から負荷5へ供給する電力から蓄電装置3の出力を解列させることができる。
PV出力リレー314及び蓄電池出力リレー315には、オン/オフの切り替え動作を高速で行うことができる高速リレーを適用されることが好ましい。PV出力リレー314及び蓄電池出力リレー315の1回ずつの開閉切り替え動作の合計所要時間が、電力供給システム1から出力される交流電力の1サイクル以内であることが好ましい。PV出力リレー314と蓄電池出力リレー315の切り替え所要時間は、同一でもよいし異なってもよい。交流電力の周波数が60[Hz]の場合には、上記の合計所要時間は1サイクル当たりの約16.6[msec]以内となる。
コントローラ312(制御部)は、電圧センサ313から出力される検出信号に基づきPV出力電圧Vを検出する。また、コントローラ312は、コンバータ310、インバータ311、PV出力リレー314、及び蓄電池出力リレー315のそれぞれの動作を制御する。
詳しくは、コントローラ312は、系統電源4に停電が発生していない通常運転時には、PV出力リレー314を開状態にするとともに、蓄電池出力リレー315を閉状態にする。また、コントローラ312は、インバータ311をAC/DC変換動作させるとともに、コンバータ310を降圧動作させる。これにより、系統電源4から供給される交流電力が直流電力に変換されるとともに降圧され、その降圧された直流電力により蓄電池30が充電される。また、系統電源4から負荷5に供給される交流電力により、負荷5の動作電源が確保される。さらに、PV装置2の発電電力は、分電盤等を介して負荷5に供給されるとともに、負荷5の消費電力を超える余剰分の発電電力が系統電源4に逆潮流される。
コントローラ312は、系統電源4に停電が発生した場合には、系統電源4から独立してPV装置2及び蓄電装置3のみで負荷5への電力供給を行う、いわゆる自立運転を行う。コントローラ312は、自立運転の際、基本的には、蓄電池出力リレー315を開状態にすることにより、蓄電装置3と負荷5との間の電気的な接続を遮断すると共に、PV出力リレー314を閉状態にすることにより、PV装置2と負荷5とを電気的に接続させる。なお、この際、PVパワーコンディショナ21は分電盤への電力供給を停止する。これにより、PV装置2は、PV用電力線Wac1を介して、発電電力を負荷5へ供給できる状態となる。
また、コントローラ312は、自立運転の際、PV装置2の出力電力が負荷5の消費電力未満となる場合には、PV出力リレー314を閉状態に切り替えることにより、PV装置2と負荷5との間の電気的な接続を遮断すると共に、蓄電池出力リレー315を開状態に切り替えることにより、蓄電装置3と負荷5とを電気的に接続させる。また、コントローラ312は、コンバータ310を昇圧動作させると共に、インバータ311をDC/AC変換動作させることにより、蓄電池30の放電制御を行う。これにより、これにより、蓄電装置3の蓄電池30は、各電力線Wac1〜Wac3を介して、放電した電力を負荷5へ供給できる状態となる。
上述した自立運転の際にコントローラ312により実施される一連の制御を以降では自立運転制御とも表記する。この自立運転制御では、コントローラ312は、PV装置2の出力電力が負荷5の消費電力未満であるか否かを判定し、この判定結果に応じて、PV装置2または蓄電装置3の一方が負荷5に電力を供給できる状態を適宜切り替える。本実施形態では、コントローラ312は、電圧センサ313により検出されるPV出力電圧Vに基づき上記の判定を行う。
次に、図2を参照して、コントローラ312により実行される電力供給システム1の自立運転制御の手順を説明する。コントローラ312は、例えば系統電源4に停電が発生した場合など、系統電源4から負荷5へ電力供給を行うことができない状況が発生したときに、図2に示される処理を実行することができる。以下、図2のフローチャートに沿って説明する。
まず、PV出力リレー314がオン状態とされ(ステップS1)、PV装置2による負荷5への電力供給が開始される(ステップS2)。このとき、蓄電池出力リレー315はオフ状態であり、蓄電装置3からの負荷5への電力供給は停止されている。
PV装置2による負荷5への電力供給が行われている間、PV装置2から負荷5へ出力されている電力(PV発電量)が負荷5の消費電力未満であるか否かが判定される(ステップS3)。具体的には、コントローラ312は、電圧センサ313により検出されるPV出力電圧Vに基づいて、PV装置2から負荷5に供給される交流電圧の実効値Veを演算し、演算したPV出力電圧の実効値Veが閾値Vth未満であるか否かを判断することによりステップS3の判定処理を行う。
例えば日射量の低下に伴いPV装置2の出力電力が負荷5の消費電力よりも小さくなると、負荷5の消費電力に対してPV装置2の出力電力が不足する場合がある。PV装置2の出力電力が不足すると、PV出力電圧の実効値Veが基準電圧(例えば100[V])よりも小さくなる。したがって、PV出力電圧の実効値Veの低下に基づき、PV装置2の出力電力が負荷5の消費電力よりも小さくなったと判定することが可能である。これに着目し、本実施形態では、PV装置2の出力電力が負荷5の消費電力未満か否かをPV出力電圧の実効値Veにより判定できるように閾値Vthが予め実験等により設定されている。閾値Vthは、例えば基準電圧と同等の値、あるいはそれよりも若干小さい値に設定される。
ステップS3の判定の結果、PV発電量が負荷消費電力以上の場合(ステップS3のNo)には、PV発電量が負荷消費電力未満となるまでステップS2,S3が繰り返され、PV装置2による負荷5への電力供給が継続される。
一方、ステップS3の判定の結果、PV発電量が負荷消費電力未満となると(ステップS3のYes)、PV出力リレー314がオフ状態に切り替えられ(ステップS4)、次に、蓄電池出力リレー315がオン状態に切り替えられる(ステップS5)。これにより、負荷5への電力供給元がPV装置2から蓄電装置3に切り替えられ、蓄電池30から負荷5への電力供給が開始される(ステップS6)。
蓄電装置3による負荷5への電力供給が行われている間、ステップS4〜S6の切り替え動作が行われた後に所定時間が経過したか否か、また、ステップS3にて閾値Vth未まで低下したPV電圧Veが閾値Vth以上に復帰したか否かが判定される(ステップS7)。
PV装置2の発電量は日射量の影響により変動するため、PV出力電圧の実効値Veが閾値Vth以上まで戻ったとしても、その直後ではPV出力電圧は未だ不安定であり、閾値Vthを跨いで変動する状況が考えられる。このような状況でPV出力電圧に基づく判定を行うと、負荷5への電力供給元が頻繁に切り替わる可能性があり、システムの総合利用効率に影響が出る虞がある。このため、本実施形態では、PV電圧Veが閾値Vth未満となってPV装置2の電力供給を停止した後には、所定時間が経過してPV装置2の発電量が充分に増加している可能性が高くなるまで復帰判定が待機される。
ステップS7の判定の結果、ステップS4〜S6の切り替え動作が行われた後に所定時間が経過していない、または、PV出力電圧の実効値Veが閾値Vth未満である場合には、条件を満たすまでステップS6,S7が繰り返され、蓄電装置3による負荷5への電力供給が継続される。
一方、ステップS7の判定の結果、ステップS4〜S6の切り替え動作が行われた後に所定時間が経過しており、かつ、PV出力電圧の実効値Veが閾値Vth以上となりPV出力電圧が復帰している場合(ステップS7のYes)には、蓄電池出力リレー315がオフ状態に切り替えられて蓄電池30の放電が停止され(ステップS8)、ステップS1に戻りPV出力リレー314がオン状態とされる。これにより、負荷5への電力供給元が蓄電装置3からPV装置2に切り替えられ、再びPV装置2による負荷5への電力供給が開始される。なお、図2のフローチャートに示す自立運転制御は、系統電源4が、負荷5へ電力供給を行うことができない状況から復旧したときに終了する。
次に、本実施形態に係る電力供給システム1の効果について説明する。
本実施形態の電力供給システム1において、蓄電池パワーコンディショナ31のコントローラ312は、分散型電源としてのPV装置2の出力電力が負荷5の消費電力未満の場合には、PV装置2から負荷5への電力供給を停止すると共に、電力貯蔵装置としての蓄電装置3から負荷5への放電制御を行う。また、コントローラ312は、放電制御の実施から所定時間経過後に、PV装置2の出力電力が負荷5の消費電力以上となる場合には、放電制御を停止すると共に、PV装置2から負荷5への電力供給を行う。
この構成により、系統電源4の停電時にPV装置2及び蓄電装置3が自立運転する際、PV装置2の出力電力と負荷5の消費電力との関係に基づいて、PV装置2及び蓄電装置3のいずれか一方のみを用いて負荷5への電力供給が行われる。PV装置2と蓄電装置3とが同時に電力供給を行わないため、両者の出力の相互干渉が発生せず、負荷5への安定的な電力供給が可能となる。これによりPV装置2及び蓄電装置3から負荷5への電力供給を効率良く行うことができることにもなるので、PV装置2及び蓄電装置3の総合的な電力効率(総合利用効率)を高めることができる。
また、PV装置2の出力電力が負荷5の消費電力未満となって電力供給元がPV装置2から蓄電装置3に切り替えられた後には、電力供給元を再びPV装置2に切り替えるための判定基準として、PV装置2の出力電力が負荷5の消費電力以上となる点に加えて、切り替え後に所定時間経過する点も考慮している。これにより、PV装置2の出力電力が負荷5の消費電力より充分に大きくなるまで復帰した後にPV装置2による電力供給に戻すことができるので、蓄電装置3により供給電力を補填することなく、負荷5への電力供給元を蓄電装置3からPV装置2に確実に切り替えることができる。また、所定時間経過後まで切り替えを待機することにより、例えば電力供給元が頻繁に切り替えられる状況など、PV装置及び蓄電装置の総合的な電力効率(総合利用効率)を低下させるような状況の発生も回避できる。この結果、本実施形態の電力供給システム1は、負荷5への安定的な電力供給を可能とし、かつ、PV装置2及び蓄電装置3の総合利用効率を向上できる。
また、本実施形態の電力供給システム1では、コントローラ312は、電圧センサ313により検出されるPV装置2の出力電圧に基づき、PV装置2の出力電力が負荷5の消費電力未満であるか否かを判定する。この構成により、PV装置2の発電量を直接計測する代わりに計測が容易な出力電圧を監視することで、PV装置2の出力電力をより簡易に把握することが可能となる。これにより、PV装置2の出力電力及び負荷5の消費電力の大小関係を容易に判定することができ、負荷5への電力供給元の切り替えを容易に行うことができる。
また、本実施形態の電力供給システム1は、PV装置2の出力をシステムから解列できるPV出力リレー314と、蓄電装置3の出力をシステムから解列できる蓄電池出力リレー315と、を備える。コントローラ312は、PV装置2の出力電力が負荷5の消費電力未満の場合には、PV出力リレー314を開状態にすることによりPV装置2と負荷5との間の電気的な接続を遮断すると共に、蓄電池出力リレー315を閉状態にすることにより蓄電装置3を負荷5と電気的に接続させて蓄電装置3から負荷5への放電制御を行う。また、コントローラ312は、放電制御の実施から所定時間経過後に、PV装置2の出力電力が負荷5の消費電力以上となる場合には、蓄電池出力リレー315を開状態に切り替えることにより蓄電装置3と負荷5との間の電気的な接続を遮断すると共に、PV出力リレー314を閉状態に切り替えることによりPV装置2を負荷5と電気的に接続させる。
この構成により、PV出力リレー314及び蓄電池出力リレー315の開閉状態を適宜切り替えることによって、電源(負荷5への電力供給元)を瞬時に切り替えることができる。したがって、PV装置2の不安定な出力に対し、この出力が低下した際に安定した蓄電池30の電力を供給する制御(上述の自立運転制御)をより一層的確に実行することが可能となる。また、負荷5への電力供給元の切り替えを瞬時に行うことにより、負荷5への電力遮断の発生を抑制できる。
本実施形態の電力供給システム1では、図2を参照して説明したように、負荷5への電力供給源をPV装置2から蓄電装置3へ切り替えるとき(図2のステップS4,S5)も、蓄電装置3からPV装置2へ切り替えるとき(図2のステップS8,S1)も、PV出力リレー314及び蓄電池出力リレー315の開閉切り替え動作が1回ずつ行われる。本実施形態において、PV出力リレー314の開閉切り替えと、蓄電池出力リレー315の開閉切り替えのための合計の所要時間は、出力周期の1サイクル以内である。この構成により、負荷5への電力供給源の切り替えを出力周期の1サイクル以内とすることができる。これにより、負荷5への電力供給元の切り替えをより一層迅速に行うことができ、負荷5への電力遮断の発生をさらに抑制できる。
また、本実施形態の電力供給システム1は、PV出力リレー314をPVパワーコンディショナ21内に設けることにより、蓄電装置3に対して独立した制御系であるPV装置2の出力を、蓄電装置3側で制御することができる。
[変形例]
次に、図3を参照して上記実施形態の変形例を説明する。上記実施形態に係る電力供給システム1では、自立運転制御において、PV装置2の出力電力(PV発電量)が負荷5の消費電力未満であるか否かを判定するために、PV出力電圧の実効値Veを監視する構成を例示したが、PV発電量を把握できる他の情報を利用することも可能である。例えば、図3に示すように、コントローラ312が、PV装置2の出力電力に関する情報をPV装置2から取得して、この情報に基づいてPV発電量が負荷消費電力未満であるか否かを判定する構成としてもよい。
次に、図3を参照して上記実施形態の変形例を説明する。上記実施形態に係る電力供給システム1では、自立運転制御において、PV装置2の出力電力(PV発電量)が負荷5の消費電力未満であるか否かを判定するために、PV出力電圧の実効値Veを監視する構成を例示したが、PV発電量を把握できる他の情報を利用することも可能である。例えば、図3に示すように、コントローラ312が、PV装置2の出力電力に関する情報をPV装置2から取得して、この情報に基づいてPV発電量が負荷消費電力未満であるか否かを判定する構成としてもよい。
図3に示す電力供給システム1Aでは、蓄電池パワーコンディショナ31Aが、電圧センサ313を備えていない点、及び、通信部316を備える点で、上記実施形態の電力供給システム1と異なる。
通信部316は、PV装置2の太陽電池モジュール20と有線または無線によって通信可能に構成されている。通信部316は、PV装置2の出力電力に関する情報(例えば、太陽電池モジュール20により発電される電力の余剰量や不足量、電圧値や電流値など)を、太陽電池モジュール20から直接取得することができる。また、通信部316は、コントローラ312と電気的に接続されており、太陽電池モジュール20から取得した情報をコントローラ312に出力することができる。コントローラ312は、通信部316から入力された情報に基づき、PV装置2の出力電力が負荷5の消費電力未満であるか否かを判定する(すなわち図2のステップS3,S7の処理を実行する)。
この構成でも、上記実施形態に準じた作用及び効果を得ることができる。また、PV装置2からPV装置2の出力電力に関する情報を直接取得できるので、負荷5への電力供給源を切り替える判定に用いる情報の精度を向上でき、自立運転制御をより一層的確に実行できる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
上記実施形態では、電力供給システム1が分散型電源の一例としてPV装置2を備える構成を例示したが、電力供給システム1は、PV装置2の代わりに、SOFC((固体酸化物型燃料電池)などの燃料電池装置や、風力発電など自然エネルギを利用した発電装置等、他の分散型電源を適用することもできる。
また、上記実施形態では、電力供給システム1が電力貯蔵装置の一例として蓄電池30を有する蓄電装置3を備える構成を例示したが、電力供給システム1は、蓄電装置3の代わりに、V2H(Vehicle to Home)、フライホイール・バッテリー、超電導エネルギ貯蔵装置(SMES:Superconducting Magnetic Energy Storage)、電気二重層キャパシタ等、他の電力貯蔵装置を適用することができる。
電力供給システム1は住宅以外にも適用可能である。電力供給システム1を住宅以外に適用する場合、その適用対象に併せて負荷5を適宜変更してもよい。
1,1A:電力供給システム
2:太陽光発電装置(分散型電源)
20:太陽電池モジュール
21:PVパワーコンディショナ
3:蓄電装置(電力貯蔵装置)
30:蓄電池
31、31A:蓄電池パワーコンディショナ
312:コントローラ(制御部)
313:電圧センサ
314:PV出力リレー(第1開閉器)
315:蓄電池出力リレー(第2開閉器)
4:系統電源
5:負荷
2:太陽光発電装置(分散型電源)
20:太陽電池モジュール
21:PVパワーコンディショナ
3:蓄電装置(電力貯蔵装置)
30:蓄電池
31、31A:蓄電池パワーコンディショナ
312:コントローラ(制御部)
313:電圧センサ
314:PV出力リレー(第1開閉器)
315:蓄電池出力リレー(第2開閉器)
4:系統電源
5:負荷
Claims (7)
- 電力貯蔵装置(3)及び分散型電源(2)から負荷(5)に電力を供給する電力供給システム(1,1A)であって、
前記分散型電源の出力電力が前記負荷の消費電力未満の場合には、前記分散型電源から前記負荷への電力供給を停止すると共に、前記電力貯蔵装置から前記負荷への放電制御を行い、
前記放電制御の実施から所定時間経過後に、前記分散型電源の出力電力が前記負荷の消費電力以上となる場合には、前記放電制御を停止すると共に、前記分散型電源から前記負荷への電力供給を行う制御部(312)を備える、
電力供給システム。 - 前記分散型電源は、太陽光発電装置を含む、
請求項1に記載の電力供給システム。 - 前記電力貯蔵装置は、充放電可能な蓄電池を有する蓄電装置を含む、
請求項1または2に記載の電力供給システム。 - 前記分散型電源の出力電圧を検出する電圧センサ(313)を備え、
前記制御部は、前記電圧センサにより検出される前記出力電圧に基づき、前記分散型電源の出力電力が前記負荷の消費電力未満であるか否かを判定する、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力供給システム(1)。 - 前記制御部は、前記分散型電源の前記出力電力に関する情報を前記分散型電源から取得し、前記情報に基づき前記分散型電源の出力電力が前記負荷の消費電力未満であるか否かを判定する、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力供給システム(1A)。 - 前記分散型電源の出力を解列する第1開閉器(314)と、
前記電力貯蔵装置の出力を解列する第2開閉器(315)と、を備え、
前記制御部は、
前記分散型電源の出力電力が前記負荷の消費電力未満の場合には、前記第1開閉器を開状態にすることにより前記分散型電源と前記負荷との間の電気的な接続を遮断すると共に、前記第2開閉器を閉状態にすることにより前記電力貯蔵装置を前記負荷と電気的に接続させて前記電力貯蔵装置から前記負荷への放電制御を行い、
前記放電制御の実施から所定時間経過後に、前記分散型電源の出力電力が前記負荷の消費電力以上となる場合には、前記第2開閉器を開状態に切り替えることにより前記電力貯蔵装置と前記負荷との間の電気的な接続を遮断すると共に、前記第1開閉器を閉状態に切り替えることにより前記分散型電源を前記負荷と電気的に接続させる、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力供給システム(1,1A)。 - 前記第1開閉器の開閉切り替えと、前記第2開閉器の開閉切り替えのための合計の所要時間は、出力周期の1サイクル以内である、
請求項6に記載の電力供給システム。
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