JP2009182238A - セラミックパッケージおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】補強層のような付加的な構成を設けることなく、BGAパッドなどをその外周部に加わる熱応力に耐える構造としたセラミックパッケージを提供する。
【解決手段】セラミックパッケージ20は、セラミック基板10を備え、セラミック基板10は、半導体素子3を搭載するための素子搭載面と、複数のはんだボール24を実装するためのボール実装面とを有し、前記ボール実装面は、導体部分が露出したセラミック基板パッド電極12が配置された第1領域と、ガラスコート膜で覆われた第2領域とを有し、セラミック基板10は、前記第2領域において、前記ガラスコート膜で覆われているセラミック基板パッド電極周辺配線を備えており、前記ガラスコート膜の厚みが10μm以上であり、セラミック基板パッド電極12と前記セラミック基板パッド電極周辺配線とは、それぞれ厚みが20μm以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、セラミックパッケージおよびその製造方法に関するものである。より詳しくは、パッケージ下層におけるはんだボール実装面の機械的強度、特にセラミック基板に設けられているパッド電極(「BGAパッド」ともいう。)の機械的強度を向上させることで信頼性を向上させた半導体装置用のセラミックパッケージに関する。
この発明は、半導体素子を収納する、または半導体素子と抵抗、コンデンサなどの受動回路素子とを収納するセラミックパッケージおよびその製造方法に関するものである。
従来、BGA(Ball Grid Array)構造のセラミックパッケージを、BGAパッドに接合されたはんだボールを用いて回路基板に実装する場合がある。そのようなセラミックパッケージを回路基板に実装した状態においては、BGAパッドの外周部に集中する熱応力が原因で、その周囲のセラミック基材にクラックが発生する場合があった。このクラック発生を防止するため、BGAパッド外周部を覆う補強層を形成する技術が提案されている。そのような技術は、たとえば特開平10−340971号公報(特許文献1)、特開2004−14616号公報(特許文献2)に示されている。
特開平10−340971号公報 特開2004−14616号公報
特許文献1、特許文献2に示された技術はいずれもBGAパッドの周囲を機械的に補強することで、BGAパッドの外周部に加わる熱応力に耐える構造を設け、これによってクラック発生を防止しようとするものである。
しかしながら、特許文献1の技術を用いた場合、通常のモジュール製造工程に加えて、付加的にはんだボールの外周部を樹脂で覆う補強層を形成する工程が必要であるために、製造工程数が増大してしまうという問題があった。
特許文献2の技術を用いた場合、通常のモジュール製造工程に加えて、付加的にBGAパッド外周部を覆う補強層を形成する工程が必要であるとともに、その補強層にはんだボールとBGAパッドとの接合のための開口部を形成しなくてはならず、製造工程数が増大してしまうという問題があった。
本発明は、これらの問題を解消するためになされたもので、特許文献1,2にある補強層のような付加的な構成を設けることなく、従来の製造工程をほぼそのままに、BGAパッドおよびBGAパッド周辺配線を、BGAパッドの外周部に加わる熱応力に耐える構造としたセラミックパッケージを提供するとともに、その構造を少ない製造工程数で得ることを可能とするセラミックパッケージの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に基づくセラミックパッケージは、1層以上のセラミック層を含むセラミック基板を備え、前記セラミック基板は、一方の表面において半導体素子を搭載するための素子搭載面と、他方の表面において複数のはんだボールを実装するためのボール実装面とを有し、前記ボール実装面は、前記複数のはんだボールの各々と接続されるために導体部分が露出したセラミック基板パッド電極が配置された第1領域と、ガラスコート膜で覆われた第2領域とを有し、前記セラミック基板は、前記第2領域において、前記セラミック基板パッド電極と横方向につながっていながら前記ガラスコート膜で覆われているセラミック基板パッド電極周辺配線を備えており、前記ガラスコート膜の厚みが10μm以上であり、前記セラミック基板パッド電極と前記セラミック基板パッド電極周辺配線とは、それぞれ厚みが20μm以上である。
本発明によれば、導体層の厚みが十分であって、導体層を十分な厚みのガラスコート膜で補強する形となるので、導体層に熱応力が集中することを防止でき、BGAパッドおよびBGAパッド周辺配線を、BGAパッドの外周部に加わる熱応力に耐える構造とすることができる。しかもこの構造は、少ない製造工程数で得ることができる。
本発明によるセラミックパッケージは、セラミック材を導電配線材とともに積層・焼成して多層化したセラミック基板を含むBGA構造のセラミックパッケージである。本発明は、このようなセラミックパッケージを、有機高分子材料を主成分とする回路基板上にはんだボールを介して表面実装する場合において、セラミックパッケージに、次に述べるような対策を講じることによって、上述したような課題を解決しようとするものである。
環境温度の変化による回路基板(セラミックパッケージを実装する基板)の熱変形によってセラミックパッケージのBGAパッド端部に熱応力が集中するという課題を解決するには、熱応力が発生した場合であっても、BGAパッド端部(BGAパッドの外周部に相当)に応力が集中しにくい構造にすればよい。熱応力が発生すると、BGAパッド端部には、BGAパッドを引き剥がそうとする力が発生する。この力の発生を押さえ込めば、セラミック材にクラックが生じることを抑制できる。
そのためには、このような構造のセラミックパッケージをFR−4などの樹脂製の回路基板上にBGA実装する場合などにおいて、セラミックパッケージのBGAパッドに十分に高い強度の構造をもたせることによって、温度変化によって発生した熱応力がパッド電極を引き剥がすように作用しても、BGAパッドの周囲に位置するセラミック基材がこの引き剥がそうとする力に耐え得る構造を実現すればよい。
なお、ここまでの説明ではセラミックパッケージの実装面に設けられたパッド電極のことを「BGAパッド」または単に「パッド電極」と呼んできたが、他の部分に設けられているパッド電極と区別するために、以下「セラミック基板パッド電極」ともいう。
セラミック基板パッド電極のパッド端部に熱応力を集中させないためには、具体的には、以下に述べるような端子構造とすることが有効である。
まず、はんだボールが直接搭載されるセラミック基板パッド電極自体の強度を向上させる。このためにセラミック基板パッド電極の厚さを大きくすればよい。厚さを増すことによりセラミック基板パッド電極の機械的強度が増す。
セラミック基板パッド電極の近傍の機械的強度を増すためには、熱応力が集中しやすいセラミック基板パッド電極周辺部において、前述したセラミック基板パッド電極の厚さ増加に加えてそのセラミック基板パッド電極に連なる導体部材の上をガラスコートで被うことで補強する。すなわちセラミック基板パッド電極を周囲から補強することでさらなる強度向上を図る。
しかしながらこのような構造は基本的に通常のセラミックパッケージにおいても実施されている。そこで、発明者らはさらに以下に述べるような実験を重ね、これらの構成厚さを最適化することによって次のような結論を得た。
本発明では、基本的に、セラミック基板パッド電極を含む最外層配線の導体厚は、通常よりも厚く積層し、20μm以上の厚さとなるように構成する(詳細については後述する)。これは通常の内層配線の厚さに比べて2倍以上の厚さである。この構造を「厚膜導体パッド構造」と呼ぶものとする。
また、最外層配線とガラスコートとを一体構造とみなし、セラミック基板パッド電極を補強する効果を得るため、当該部分の厚さ(最外層配線厚+ガラスコート厚)は30μm以上となるように構成した。詳細については後述する。
すなわち、本発明に基づくセラミックパッケージは、最外層配線の厚膜導体厚さとガラスコート厚さとの組み合わせを工夫し、セラミック基板パッド電極の露出部および外周部が、通常用いられるセラミック基板の導体層や配線層の厚さよりも十分に厚くなるように設けることで、セラミック基板パッド電極の露出部および外周部の機械的強度を増し、セラミック基板パッド電極近傍に位置するセラミック基材内でのクラック発生を抑制することを可能としたものである。
このような厚膜導体パッド構造とすることにより、セラミックパッケージが環境温度の変化などを受けることによって熱応力が発生する条件が整った場合であっても、セラミック基板パッド電極(BGAパッド)の外周部に加わる応力は小さく保たれる。
このような構造は、通常のセラミック製造工程で使用される材料である導体ペーストとガラスコート用ペースト、それを形成するための通常のプロセスを適用して実現することができる。この発明のさらなる詳細について、以下に説明する。
(実施の形態1)
(構成)
図1〜図6を参照して、本発明に基づく実施の形態1におけるセラミックパッケージについて説明する。
BGA構造のセラミックパッケージ20をFR−4などの樹脂製の回路基板30に実装した状態の断面図を図1に示す。図1に示すように、セラミックパッケージ20においては、セラミック基板10の表面に半導体素子3などが実装されている。半導体素子3などの実装部品を覆うキャップ4がセラミック基板10に取り付けられている。セラミック基板10の裏面側には、はんだボール24を取り付けるためのセラミック基板パッド電極12が配列して設けられている。セラミック基板パッド電極12ははんだボール24を介して回路基板30側に設けられた回路基板パッド電極31とはんだ接合されている。このはんだ接合によって、セラミックパッケージ20と回路基板30との間の電気的接続がなされている。
セラミックパッケージ20のセラミック基板パッド電極12や配線部分の導体厚さは通常、最外層、内層配線を問わず10〜15μm程度の厚さである。しかし、本発明を適用した場合、セラミック基板パッド電極12など最外層配線の導体厚さは上述の理由により内層配線よりも厚さを増す場合がある。
次に、セラミックパッケージ20の部分拡大断面図を図2に示す。図2は、図1におけるセラミック基板パッド電極12のうちの2つとその近傍を上下反転して拡大したものである。したがって、図2における上面は、図1におけるセラミック基板10の下面である。図2にははんだボール24は表示していない。
図1では説明の便宜のためにセラミック基板パッド電極12がセラミック基板10の下面から突出して表示されている。これに対して図2では、セラミック基板パッド電極12はセラミック基板10の下面に沈み込んでおり、ほぼ突出していないように表示されている。実際のところは、焼成直後のセラミック基板パッド電極12は図2に示すようにセラミック基板10の下面に沈み込んでおり、ほぼ突出していない。しかし焼成後にセラミック基板パッド電極12には約5μmの厚さのニッケルめっきに加えて、約0.5μmの厚さの金めっきが施されるため、合計約6μmのメッキ層が形成され、わずかな突出が形成されることになる。このめっき層は、セラミック基板パッド電極12の酸化を防止する目的、はんだボールを取り付けやすくするためにはんだの濡れ性を向上させる目的、はんだ付けの際にセラミック基板パッド電極12を構成する金属がはんだ中に溶け出すことを防止する目的などで用いられる。なお、ニッケルめっき層、金めっき層については図示していない。
図2に示したものの上面図を図3に示す。図3におけるII−II線についての矢視断面図が図2である。
図2に示すように、セラミック基板10は、セラミック基材11と、はんだ接合のためにセラミック基材11の表面に設けられるセラミック基板パッド電極(「BGAパッド」ともいう。)12と、内層配線15とをつなぐ柱状の導体配線であるビアホール16と、さらにセラミック基板パッド電極12の外周部表面を覆うとともにセラミック基板パッド電極12の周囲に位置し、セラミック基材11の表面を被覆するガラスコート18を備えている。
セラミック基板パッド電極12は、はんだボール24を取り付けるための電極であり、ガラスコート18は、本来は、はんだボールを取り付ける工程であるリフロー実装の際に、溶融したはんだが互いに接続(ブリッジ)しないように分離する役割、あるいはセラミックパッケージが湿潤な環境下に置かれた場合に発生することが知られているマイグレーション現象から導体間のショートを防ぐ目的で設けられる。以上の目的からすると、ガラスコート18となるガラスの層は厚く構成する必要は無いので、通常、ガラスコート18は10〜15μm程度の厚さで形成される。これよりもガラスコートを薄くすると、印刷のかすれ、ムラなどが発生するため生産性が悪くなってしまう。
しかし既に述べたように、本発明では上述した理由によりガラスコートの厚みについても通常の場合よりも厚さを増す場合がある。
セラミック基板パッド電極12の外周部の構造は、セラミックパッケージ20の回路構成により若干異なる。すなわち、電源やGND(接地)領域のように互いに隣接するセラミック基板パッド電極12同士が電気的につながっている場合(図2参照)と信号パッドのように互いに隣接するセラミック基板パッド電極12同士が電気的に独立している場合(図4参照)とがある。図4に示したものの平面図を図5に示す。図5におけるIV−IV線についての矢視断面図が図4である。セラミック基板パッド電極12の外縁部分である沈み込み部12aはガラスコート18に覆われている。
次に、図6に、焼成後のセラミック基板パッド電極12の拡大断面図を示す。この図に示すように、はんだボールが搭載されるべきセラミック基板パッド電極12の導体厚さをTpで、ガラスコート18のガラス厚さをTgで、ガラスコート18に覆われた部分(セラミック基材中に沈み込んだ部分)の最外層配線13の導体厚さをT1で、それぞれ表記する。ガラスコート18に覆われて最外層配線13が沈み込んだ部分では、ガラスコート18と最外層配線13とが重なりあって最も厚くなっている部分における厚さがT1+Tgである。通常の工程で作られたセラミック基板の場合TpとT1とはほぼ同じ値である。なお内装配線15の厚さはT2である。
上述したような、パッド構造を持つセラミックパッケージ20について、最適なTp、Tgを決定するために、次のような実験を行なった。
(予備実験)
信頼性の高いセラミック基板パッド電極を実現するに際して、まずその前提として、導体厚さTp、焼成後のガラス厚さTgの各値を、焼成後の時点で所望の値にできるようにしておかなければならない。そのために、次のような予備実験を行なって、使用する印刷マスクの厚さと、その印刷マスクを使用して印刷して焼成した後に得られる導体厚さTpおよびガラス厚さTgとの関係を求めた。セラミック基板10の構成材料にはLTCC(Low Temperature Co-fired Ceramic:低温焼成セラミック)を使用した。なお、この実験で示す導体ペースト、ガラスコート用ペーストに関する各厚さはいずれも、重ねて印刷することなく1回だけ印刷することによって得た値である。
サンプル1:マスク厚が31μmの印刷マスクを使用して導体とガラスペーストを印刷し、焼成後断層カットを行って層厚を測定した。焼成後の導体厚さとガラス厚さは同じで、Tp=Tg=10μmであった。
サンプル2: 同様にマスク厚が37μmの印刷マスクを使用したもの。焼成後のTp=Tg=12.5μmであった。
サンプル3: 同様にマスク厚が40μmの印刷マスクを使用したもの。焼成後のTp=Tg=15μmであった。
サンプル4: 同様にマスク厚が43μmの印刷マスクを使用したもの。焼成後のTp=Tg=17.5μmであった。
サンプル5: 同様にマスク厚が46μmの印刷マスクを使用したもの。焼成後のTp=Tg=20μmであった。
サンプル6: 同様にマスク厚が49μmの印刷マスクを使用したもの。焼成後のTp=Tg=22.5μmであった。
サンプル7: 同様にマスク厚が52μmの印刷マスクを使用したもの。焼成後のTp=Tg=25μmであった。
以上の実験結果を表1に示す。表1においては、印刷マスク厚さと、印刷後のペースト厚、焼成後の導体厚さおよびガラス厚さの関係を表示している。
Figure 2009182238
なお、上述したように、導体厚さTp(ガラスコートが無い部分の導体厚さ)とT1(ガラスコードに覆われている部分の導体厚さ)の差は無く、ほぼ同一であったため、表1にはT1の数値は掲げていない。
以後に述べる実験では導体厚さやガラス厚さを組み合わせて、信頼性を確認する実験を行なった。以後の実験において、サンプルを作製するために適用した印刷マスク厚さは、ここで説明した予備実験で得られた知見に基づいて選定したものである。
(実験1)
以下、実験1について説明する。実験1として、信頼性の高いセラミック基板パッド電極を実現するに際して、Tp(=T1)およびTgにおいてどれぐらいの厚さが必要かを求める実験を行なった。この実験に用いたサンプルは次のようなものである。
セラミック基板10の構成材料には上述のLTCCを使用した。セラミック基板10の外形は18mm×18mmの正方形とした。セラミック基板パッド電極12の材料はパラジウム入りの銀とし、焼成後に5μm厚さのニッケルめっきと、0.1μm厚さの金めっきを施した。このニッケルめっき層、金めっき層については図示していない。これらのめっきは、焼成後の図2、図4に示した構造を得たよりさらに後の工程において行なった。
セラミック基板パッド電極12の形状は、その平坦部分で測って直径650μmとなる円形である。セラミック基板パッド電極12の厚さ(Tp)、ガラスコート18の厚さ(Tg)は上述した予備実験で得られた情報を参考に、印刷マスクの厚さを組み合わせることで10μm〜25μmの間で2.5μm間隔で実現することができた。
サンプルA: 焼成後のセラミック基板パッド電極厚さTp=10μmであるもの。
サンプルH: 焼成後のセラミック基板パッド電極厚さTp=12.5μmであるもの。
サンプルI: 焼成後のセラミック基板パッド電極厚さTp=15μmであるもの。
サンプルJ: 焼成後のセラミック基板パッド電極厚さTp=17.5μmであるもの。
サンプルK: 焼成後のセラミック基板パッド電極厚さTp=20μmであるもの。
サンプルL: 焼成後のセラミック基板パッド電極厚さTp=22.5μmであるもの。
サンプルM: 焼成後のセラミック基板パッド電極厚さTp=25μmであるもの。
なお、本実験ではサンプルA,H〜Mの焼成後のガラスコート厚さTgはすべて10μmとした。これは通常使用されるガラスコートの厚さが10〜15μmであることを考慮し、その範囲のうち最低値である10μmを選択したものである。これより小さな値としなかったのは、この値がプロセスとして対応可能な下限値であり、上述したようにこれよりもガラス厚さを薄くすると、印刷のかすれ、ムラなどが発生するため生産性が悪くなってしまうためである。また、ガラスコートをこれより薄くすると、強度面や信頼性面からも推奨できない領域となってしまうからである。
サンプルA,H〜Mは、各5個ずつ製作し、各々をそれぞれ70mm×70mmの外形を有する厚さ1.6mmのFR−4製の樹脂回路基板に表面リフロー実装した。すなわち、図1に示したように各サンプルのセラミック基板をはんだボールを介して回路基板に実装した。この実装に用いたはんだボールは直径0.76mmである。
上述のサンプルA,H〜Mを用い、次に述べる信頼性評価試験を実施し、接続信頼性を確認した。すなわち、−30℃/+85℃(気相、各30分保持)の温度サイクルを500サイクル与えた後、サンプルをエポキシ樹脂に埋め込み、断層カットを実施して、セラミック基板パッド電極12近傍のクラックを、金属顕微鏡を用いて観察した。
その結果、以下のことが明らかになった。
サンプルA、サンプルHにおいては、5個の試料全てにクラックが観察された(クラック発生率5/5)。
サンプルIは、5個の試料のうち、2個にクラックが観察された(クラック発生率2/5)。
サンプルJは、5個の試料のうち、3個にクラックが観察された(クラック発生率3/5)。
サンプルK、サンプルL、サンプルMにおいては、クラックの発生はゼロであり、高い接合性が保たれていることが判明した。
以上の実験結果を温度サイクル試験結果一覧として表2に示す。
Figure 2009182238
この実験から、セラミック基板パッド電極12の導体厚さ(焼成後導体厚さ)Tpが薄いもの(A,H,I,J)ではクラックが発生する確率が高いことが確認された。具体的数値でいうと、Tpが20μmに満たないサンプルにクラックが生じることが明らかになった。
さらに表2を詳細に分析すると、実験1と同様、焼成後のセラミック基板パッド電極12の厚さTpとガラスコート18の厚さTgとを組み合わせた厚さTp+Tgが30μmを超えるサンプルにおいては、クラックが生じていないことがわかる。
(実験2)
次に、実験2について説明する。用いたサンプルは次のようなものである。ここで各サンプルの構成のうち、明示的に説明した事項以外の事項に関しては、原則として実験1で説明したものと同じである。
サンプルA: 焼成後のガラスコート厚さTg=10μmであるもの。
サンプルB: 焼成後のガラスコート厚さTg=12.5μmであるもの。
サンプルC: 焼成後のガラスコート厚さTg=15μmであるもの。
サンプルD: 焼成後のガラスコート厚さTg=17.5μmであるもの。
サンプルE: 焼成後のガラスコート厚さTg=20μmであるもの。
サンプルF: 焼成後のガラスコート厚さTg=22.5μmであるもの。
サンプルG: 焼成後のガラスコート厚さTg=25μmであるもの。
なお、本実験ではサンプルA〜Gの焼成後のセラミック基板パッド電極の厚さTpはすべて10μmとした。これは通常使用されるセラミック基板パッド電極の厚さが10〜15μmであることを考慮し、その範囲のうち最低値である10μmを選択したものである。これより小さな値としなかったのは、この値がプロセスとして対応可能な下限値であり、上述したようにこれよりもセラミック基板パッド電極を薄くすると、印刷のかすれ、ムラなどが発生するため生産性が悪くなってしまうためである。また、セラミック基板パッド電極をこれより薄くすると、強度面や信頼性面からも推奨できない領域となってしまうからである。
サンプルA〜Gは、各5個ずつ製作し、各々をそれぞれ70mm×70mmの外形を有する厚さ1.6mmのFR−4製樹脂回路基板に表面リフロー実装した。すなわち、図1に示したように各サンプルのセラミック基板をはんだボールを介して回路基板に実装した。この実装に用いたはんだボールの寸法は直径0.76mmである。
上述のサンプルA〜Gを用い、次に述べる信頼性評価試験を実施し、接続信頼性を確認した。すなわち、−30℃/+85℃(気相、各30分保持)の温度サイクルを500サイクル与えた後、サンプルをエポキシ樹脂に埋め込み、断層カットを実施して、セラミック基板パッド電極12近傍のクラックを、金属顕微鏡を用いて観察した。
その結果、以下のことが明らかになった。
サンプルA、サンプルBにおいては、5個の試料全てにクラックが観察された(クラック発生率5/5)。
サンプルCは、5個の試料のうち、3個にクラックが観察された(クラック発生率3/5)。
サンプルDは、5個の試料のうち、1個にクラックが観察された(クラック発生率1/5)。
サンプルE、サンプルF、サンプルGにおいては、クラックの発生はゼロであり、高い接合性が保たれていることが判明した。
以上の実験結果を温度サイクル試験結果一覧として表3に示す。
Figure 2009182238
この実験から、焼成後のガラスコート18の厚さTgが薄いもの、厚さで20μmに満たないサンプルではクラックの発生する確率が高いことが確認された。
注目すべきはサンプルE,F,Gである。実験1では、このようにセラミック基板パッド電極12の導体厚さ(焼成後導体厚さ)Tpが20μmに満たないサンプルはクラックの発生が確認されたが、実験2では、Tpが20μmに満たないサンプルであるにも関わらず、クラックが生じていない。すなわち、サンプルE,F,GはいずれもTpが10μmしかないにもかかわらず、クラックが生じていない。
このことから、クラックの発生は、セラミック基板パッド電極12の導体厚さ(焼成後導体厚さ)Tpのみで決定されるのではなく、ガラスコート18の厚さ(Tg)の影響も受けているといえる。つまり、セラミック基板パッド電極12周辺の強度向上にはガラスコートの厚さに依存する補強の程度が重要であるということがわかる。
さらに表3を詳細に分析すると、実験1と同様、焼成後のセラミック基板パッド電極12の厚さTpとガラスコート18の厚さTgとを組み合わせた厚さTp+Tgが30μmを超えるサンプルにおいては、クラックが生じていないことがわかる。
(実験3)
次に、実験3について説明する。用いたサンプルは次のようなものである。ここでは実験1,2にはない組合せで実験を行った。ここで各サンプルの構成のうち、明示的に説明した事項以外の事項に関しては、原則として実験1で説明したものと同じである。
サンプルO: 焼成後のセラミック基板パッド電極厚さTp=12.5μmであるもの。
焼成後のガラスコート厚さTg=12.5μmであるもの。
サンプルP: 焼成後のセラミック基板パッド電極厚さTp=12.5μmであるもの。
焼成後のガラスコート厚さTg=15μmであるもの。
サンプルQ: 焼成後のセラミック基板パッド電極厚さTp=12.5μmであるもの。
焼成後のガラスコート厚さTg=17.5μmであるもの。
サンプルR: 焼成後のセラミック基板パッド電極厚さTp=15μmであるもの。
焼成後のガラスコート厚さTg=17.5μmであるもの。
サンプルS: 焼成後のセラミック基板パッド電極厚さTp=15μmであるもの。
焼成後のガラスコート厚さTg=20μmであるもの。
サンプルT: 焼成後のセラミック基板パッド電極厚さTp=20μmであるもの。
焼成後のガラスコート厚さTg=20μmであるもの。
サンプルU: 焼成後のセラミック基板パッド電極厚さTp=25μmであるもの。
焼成後のガラスコート厚さTg=20μmであるもの。
サンプルO〜Uは、各5個ずつ製作し、各々をそれぞれ70mm×70mmの外形を有する厚さ1.6mmのFR−4製の樹脂回路基板に表面リフロー実装した。すなわち、図1に示したように各サンプルのセラミック基板をはんだボールを介して回路基板に実装した。この実装に用いたはんだボールの寸法は直径0.76mmである。
上述のサンプルO〜Uを用い、次に述べる信頼性評価試験を実施し、接続信頼性を確認した。すなわち、−30℃/+85℃(気相、各30分保持)の温度サイクルを500サイクル与えた後、サンプルをエポキシ樹脂に埋め込み、断層カットを実施して、セラミック基板パッド電極12近傍のクラックを、金属顕微鏡を用いて観察した。
その結果、以下のことが明らかになった。
サンプルOにおいては、5個の試料のうち2個にクラックが観察された(クラック発生率2/5)。
サンプルPは、5個の試料のうち、2個にクラックが観察された(クラック発生率2/5)。
サンプルQ、サンプルR、サンプルS、サンプルT、サンプルUにおいては、クラックの発生はゼロであり、高い接合性が保たれていることが判明した。
以上の実験結果を温度サイクル試験結果一覧として表4に示す。
Figure 2009182238
この実験から、焼成後のセラミック基板パッド電極12の導体厚さTpとガラスコート18の厚さTgとを組み合わせた厚さTp+Tgが薄いもの(サンプルO,P)ではクラックが発生する確率が高いことが確認された。
本実験(実験3)からも、実験1,2からも読み取れることとして、焼成後のセラミック基板パッド電極12の導体厚さTpとガラスコート18の厚さTgとを組み合わせた厚さTp+Tgが30μmを超えるサンプルにおいては、クラックが生じていないという事実がある。
このことから、信頼性の高いパッド構造を得るためにはTp+Tgの値を出来るだけ大きくすればよいという考え方も導き出せるが、むやみにTp+Tgの値を増すことは材料の使用量が増えてしまうので得策ではない。しかも、表4に示したように30μmを超えるTp+Tgの値を得るためには、印刷マスク21の組合せを特殊なものにしなければならない。その場合、通常使用されるセラミック基板パッド電極またはガラスコートの厚さである仕上がり10〜15μmに対応した印刷マスクではない特別な組合せとせざるを得ないので、印刷マスクの製造コストを考えると得策ではない。したがって、実験1,2で実施した組合せの範囲内で実施するのがコストメリットが大きいといえる。
上述した実験から、セラミックパッケージ20を回路基板30に実装する場合については、ガラスコート18の厚さTgが生産性を損なわない範囲での最も薄い値である10μmであるとした場合、セラミック基板パッド電極12の厚さTpは20μm以上必要であることがわかった。
したがって、第1の条件としては、セラミックパッケージは、1層以上のセラミック層を含むセラミック基板を備え、前記セラミック基板は、一方の表面において半導体素子を搭載するための素子搭載面と、他方の表面において複数のはんだボールを実装するためのボール実装面とを有し、前記ボール実装面は、前記複数のはんだボールの各々と接続されるために導体部分が露出したセラミック基板パッド電極が配置された第1領域と、ガラスコート膜で覆われた第2領域とを有し、前記セラミック基板は、前記第2領域において、前記セラミック基板パッド電極と横方向につながっていながら前記ガラスコート膜で覆われているセラミック基板パッド電極周辺配線を備えており、前記ガラスコート膜の厚みが10μm以上であり、前記セラミック基板パッド電極と前記セラミック基板パッド電極周辺配線とは、それぞれ厚みが20μm以上であることが好ましい。
さらに、ガラスコート18の厚さTgの調整が可能である場合には、セラミック基板パッド電極12の厚さTpは必ずしも20μm以上であることを必要とせず、TpやT1が生産性を損なわない範囲での最も薄い値である10μmであるように設計した場合であっても、ガラスコート18との重畳部において、両者の厚さを加算した数値、すなわちTp+TgまたはT1+Tg(ただし、ここでTp=T1)が30μm以上あれば、セラミック基板パッド電極12周辺に集中する熱応力の緩和には有効であることがわかった。
したがって、第2の条件としては、セラミックパッケージは、1層以上のセラミック層を含むセラミック基板を備え、前記セラミック基板は、一方の表面において半導体素子を搭載するための素子搭載面と、他方の表面において複数のはんだボールを実装するためのボール実装面とを有し、前記ボール実装面は、前記複数のはんだボールの各々と接続されるために導体部分が露出したセラミック基板パッド電極が配置された第1領域と、ガラスコート膜で覆われた第2領域とを有し、前記セラミック基板は、前記第2領域において、前記セラミック基板パッド電極と横方向につながっていながら前記ガラスコート膜で覆われているセラミック基板パッド電極周辺配線を備えており、前記セラミック基板パッド電極と前記セラミック基板パッド電極周辺配線とは、それぞれ厚みが10μm以上であり、前記セラミック基板パッド電極周辺配線と前記ガラスコート膜とを合わせた厚みが30μm以上であることが好ましい。
(作用・効果)
上述した印刷マスク厚さを組み合わせることにより、所望の膜厚が得られるようコントロールした製造を行なうことで、熱応力に耐える最適構造を実現したセラミックパッケージを提供することが可能となる。
上述した第1,第2の条件のうちのいずれかの条件が満たされているセラミックパッケージであれば、導体層の厚みが十分であって、導体層を十分な厚みのガラスコート膜で補強する形となるので、導体層に熱応力が集中することを防止でき、BGAパッドおよびBGAパッド周辺配線を、BGAパッドの外周部に加わる熱応力に耐える構造とすることができる。しかもこれらの構造は、後述するように少ない製造工程数で得ることができる。
なお、発明者らは、セラミック基板10の厚みとしては、0.7〜4mmの範囲のもので本実施の形態における各種実験を行ない、セラミック基板10の厚みに関わらず上述の第1,第2の条件が好ましいことを確認した。セラミック基板10の外形寸法としては、7mm×7mmの正方形から24mm×24mmの正方形までで実験を繰り返し、セラミック基板10の外形寸法に関わらずやはり上述の第1,第2の条件が好ましいことを確認した。セラミック基板10が正方形でない長方形である場合も、大体、この範囲内のサイズであれば同様であることを確認した。
本実施の形態におけるセラミック基板パッド電極12の形状は、実験1で述べたように直径650μmとしたが、発明者らは、この寸法以外に、直径350〜650μmまでの範囲においても同様に上述の第1,第2の条件が好ましいことを確認した。
はんだボールの直径は0.4〜0.76μm、はんだボールのピッチは0.65〜1.27mmの範囲内の任意の値であっても同様に上述の第1,第2の条件が好ましいことを確認した。
信頼性評価試験の温度範囲は、−30〜+85℃および−40〜+105℃において、試して同様に上述の第1,第2の条件が好ましいことを確認した。
なお、上述の第1,第2の条件において、セラミック層が低温焼成セラミック(LTCC)を主材料としたセラミック層である場合には、本発明の効果がより発揮できる。なぜなら、一般にLTCCは、BGAパッド外周部にかかる熱応力のように、局所的に集中する熱応力に対しては耐性が弱く、他のセラミックたとえば高温焼成セラミック(HTCC)などに比べてBGAパッドの外周部に発生するクラックがより生じやすい傾向があるからである。したがって、セラミック層がLTCCである場合には、本発明による改善の効果が顕著に現れる。
(実施の形態2)
(構成)
図7〜図13を参照して、本発明に基づく実施の形態2におけるセラミックパッケージの製造方法について説明する。
本実施の形態におけるセラミックパッケージの製造方法は、実施の形態1で説明したセラミックパッケージを作製するための製造方法であって、セラミックグリーンシートの表面に導体ペーストのスクリーン印刷を行なって導体パターンを形成する工程と、前記導体パターンの上にさらに重ねて導体ペーストのスクリーン印刷を行なって前記導体パターンの厚みを増す工程と、前記導体パターンの外周近傍部および前記導体パターンのない領域を露出させるようにスクリーン印刷マスクを被せてスキージを用いることによってガラスペーストを印刷する工程と、プレスすることによって表面を平坦にする工程とを含む。
実施の形態1において図2に示した端子構造を、ここでは「厚膜導体パッド構造」と呼ぶものとする。本実施の形態におけるセラミックパッケージの製造方法は、厚膜導体パッド構造を備えるセラミックパッケージの製造方法である。実施の形態1では、所望の厚膜導体パッド構造を備えるセラミックパッケージを作製するために特別な厚さの印刷マスクを用いたが、そのような印刷マスクを用いなくても、本実施の形態におけるセラミックパッケージの製造方法によれば、従来一般的に行なわれている製造方法に何ら変更を加えることなく、厚膜導体パッド構造を備えるセラミックパッケージを得ることができる。
本実施の形態におけるセラミックパッケージの製造方法について、以下に詳しく説明する。まず、図7に示すように、LTCCの元となるグリーンシート11rが内層導体ペースト層15rを介して複数積層される。これらは焼成前の柔軟な状態のものである。グリーンシート11rはのちにセラミック基材11となるべきものである。内層導体ペースト層15rは予めグリーンシート11rに対して導体ペーストを、後述する最外層導体ペースト層13r1と同じように印刷することによって形成されたものである。内層導体ペースト層15rの印刷後に内層導体ペースト層15rを覆うようにグリーンシート11rが重ねられている。積層した後でビアホールとなるべき部分には厚み方向に貫通孔があけられ、その内部に導体ペーストが充填されることによって、ビアホール導体ペースト部16rが形成される。最上層のグリーンシート11rの上面にスクリーン印刷を行なう。すなわち、最上層のグリーンシート11rの上面にスクリーン印刷マスク21を載せ、導体ペースト19を供給し、スキージ40で擦過する。こうすることによって、スクリーン印刷マスク21の開口部に導体ペースト19が入り込んで、最外層導体ペースト層13r1が形成される。スクリーン印刷マスク21の開口部は、単なる開口部ではなく細いワイヤによって編まれた網状になっている。スキージ40による擦過が終わった後にスクリーン印刷マスク21を取り去ることによって図8に示す構造が得られる。この段階では、この積層体の全体がまだ焼成前の柔軟な状態である。
図9に示すように、スクリーン印刷マスク21を図7の工程で印刷のために配置していた位置と同じ位置に位置合わせして重ねる。このとき、スクリーン印刷マスク21の開口部には、図7の工程で印刷された最外層導体ペースト層13r1が露出している。このような形で再びスキージ40を用いて2層目の最外層導体ペースト層13r2を印刷する。2層目の最外層導体ペースト層13r2は、1層目の最外層導体ペースト層13r1に積み重ねて印刷される。最外層導体ペースト層13r2の印刷が終了し、スクリーン印刷マスク21を取り外すと、図10に示す構造となる。最外層導体ペースト層13r1,13r2は、焼成後には2層が一体となってセラミック基板パッド電極(BGAパッド)12と最外層配線13になる予定のものである。最外層導体ペースト層13r1,13r2は両者合わさって最外層導体ペースト層13rとなる。
このように最外層導体ペースト層13r1,13r2を重ねて印刷することによって、セラミック基板パッド電極12および最外層配線13の厚みを増すことができる。このようにして厚みを増すことがセラミック基板パッド電極12および最外層配線13の強度向上に寄与する。
次に、図11に示すように、最外層導体ペースト層13rの上側に別のスクリーン印刷マスク21zを重ねる。スクリーン印刷マスク21zはガラスコートの印刷のためのものであり、スクリーン印刷マスク21と比較すれば、開口部の位置が異なる。図11に示すようにスクリーン印刷マスク21zの開口部には、最外層導体ペースト層13rの外周部が露出した状態となる。このようなスクリーン印刷マスク21zを用い、最上層のグリーンシート11rの上面に、最外層導体ペースト層13rの外周部に重なる形で、ガラスペースト22を、スキージ40を用いて印刷する。
スクリーン印刷マスク21zを取り去ると、図12に示すように、ガラスペースト層18rが得られる。ガラスペースト層18rはのちにガラスコート18となる予定のものである。
次に、図13に示すように、この積層体の全体を、プレス装置を用いて加圧することによって成型する。この工程で積層体の表面は平坦になり、ガラスペースト層18rのパターンは、グリーンシート11r側に押圧されて沈み込んだ状態となる。最外層導体ペースト層13rは、内層導体ペースト層15rの2倍の厚さのまま保持される。
その後、約800℃の温度環境下で、図13に示した積層体を焼成する。こうすることで、図2または図4に示したような厚膜導体パッド構造を備えるセラミック基板10を得ることができる。
焼成することによって、最外層導体ペースト層13rの一部がセラミック基板パッド電極12となるので、セラミック基板パッド電極12の厚さTpは、内層配線15の厚さT2の2倍となる。すなわち、Tp=2×T2となる。
また、通常、セラミック基板パッド電極12の厚さTpと最外層配線13の厚さT1はほぼ同じ値となる。なぜなら、いずれもスクリーン印刷を2回重ねて形成された最外層導体ペースト層13rが焼成によって変化して形成されたものだからである。最外層導体ペースト層13rのうち表面に露出する部分がセラミック基板パッド電極12となり、ガラスコート18に覆われて沈み込んだ部分が最外層配線13となる。
(作用・効果)
本実施の形態における製造方法によれば、実施の形態1で説明したセラミックパッケージを容易に得ることができる。
なお、図1では、BGA接合のためのはんだボール24を含めてセラミックパッケージ20として説明している。このはんだボール24は、セラミック基板10と回路基板30との接合の前に、セラミックパッケージに取り付けられる。具体的には、セラミック基板パッド電極(BGAパッド)に粘着性の高いペースト状のフラックスを印刷供給し、市販のはんだボール(たとえば直径760μmのはんだボール)をマウンタによってBGAパッドに対して搭載して、リフロー処理をすることによって得られるものである。セラミック基板10と回路基板30との接合は、回路基板30の表面にはんだクリームをパターニングし、リフロー処理をすることによって得られる。
以上の実施の形態1,2の結果より、図2、図4に示した端子構造、すなわち厚膜導体パッド構造を得るためには、
1.ガラスコート厚が通常の製造工程上無理のない厚さである10μmである場合、セラミック基板パッド電極12の厚さが20μm以上となるような構造とすること、
2.何らかの理由によりセラミック基板パッド電極12の厚さが20μm以上を確保できない場合は、セラミック基板パッド電極12の導体厚さが10μm以上あり、かつセラミック基板パッド電極12の厚さとガラスコート18の厚さを加えた値が30μm以上となるような構造とすること、
のいずれか1つの条件を満たせばよいことを確認した。
このように、セラミック基板パッド電極12の厚さが20μmを超える構造を適用すること、あるいはセラミック基板パッド電極12の厚さとガラスコート18の厚さを加えた値が30μm以上となるような構造とすることにより、セラミック基板パッド電極12外周部に集中する熱応力を緩和することができ、セラミック基板パッド電極12と、セラミック基材11との密着性を強固にすることができ、信頼性に優れた多層セラミックパッケージ20を提供することができる。
また、その製造方法において、実施の形態2で示したような2度印刷法を用いることで、工程数を大幅に増大させることなく、セラミック基板パッド電極12の厚さが20μm以上となるような構造を形成することが可能となり、低コストで、信頼性の高いモジュール構造を実現することができる。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明に基づく実施の形態1におけるセラミックパッケージを回路基板に実装した状態の断面図である。 図1の部分拡大図であり、図3におけるII−II線に関する矢視断面図である。 図2に示した端子構造の上面図である。 互いに隣接するセラミック基板パッド電極同士が電気的に独立している構造の部分拡大断面図である。 図4に示した端子構造の平面図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるセラミックパッケージの焼成後のセラミック基板パッド電極近傍の部分拡大断面図である。 本発明に基づく実施の形態2におけるセラミックパッケージの製造方法の第1の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態2におけるセラミックパッケージの製造方法の第2の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態2におけるセラミックパッケージの製造方法の第3の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態2におけるセラミックパッケージの製造方法の第4の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態2におけるセラミックパッケージの製造方法の第5の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態2におけるセラミックパッケージの製造方法の第6の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態2におけるセラミックパッケージの製造方法の第7の工程の説明図である。
符号の説明
3 半導体素子、4 キャップ、10 セラミック基板、11 セラミック基材、11r グリーンシート、12 セラミック基板パッド電極(BGAパッド)、12a 沈み込み部、12r 導体ペースト、13 最外層配線、13r,13r1,13r2 最外層導体ペースト層、15 内層配線、15r 内層導体ペースト層、16 ビアホール、16r ビアホール導体ペースト部、18 ガラスコート、18r ガラスペースト層、19 導体ペースト、20 セラミックパッケージ、21,21z スクリーン印刷マスク、22 ガラスペースト、24 はんだボール、30 回路基板、31 回路基板パッド電極、40 スキージ。

Claims (4)

  1. 1層以上のセラミック層を含むセラミック基板を備え、
    前記セラミック基板は、一方の表面において半導体素子を搭載するための素子搭載面と、
    他方の表面において複数のはんだボールを実装するためのボール実装面とを有し、
    前記ボール実装面は、前記複数のはんだボールの各々と接続されるために導体部分が露出したセラミック基板パッド電極が配置された第1領域と、ガラスコート膜で覆われた第2領域とを有し、
    前記セラミック基板は、前記第2領域において、前記セラミック基板パッド電極と横方向につながっていながら前記ガラスコート膜で覆われているセラミック基板パッド電極周辺配線を備えており、
    前記ガラスコート膜の厚みが10μm以上であり、
    前記セラミック基板パッド電極と前記セラミック基板パッド電極周辺配線とは、それぞれ厚みが20μm以上である、セラミックパッケージ。
  2. 1層以上のセラミック層を含むセラミック基板を備え、
    前記セラミック基板は、一方の表面において半導体素子を搭載するための素子搭載面と、
    他方の表面において複数のはんだボールを実装するためのボール実装面とを有し、
    前記ボール実装面は、前記複数のはんだボールの各々と接続されるために導体部分が露出したセラミック基板パッド電極が配置された第1領域と、ガラスコート膜で覆われた第2領域とを有し、
    前記セラミック基板は、前記第2領域において、前記セラミック基板パッド電極と横方向につながっていながら前記ガラスコート膜で覆われているセラミック基板パッド電極周辺配線を備えており、
    前記セラミック基板パッド電極と前記セラミック基板パッド電極周辺配線とは、それぞれ厚みが10μm以上であり、前記セラミック基板パッド電極周辺配線と前記ガラスコート膜とを合わせた厚みが30μm以上である、セラミックパッケージ。
  3. 前記セラミック層は、低温焼成セラミックを主材料とする、請求項1または2に記載のセラミックパッケージ。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のセラミックパッケージを作成するための製造方法であって、
    セラミックグリーンシートの表面に導体ペーストのスクリーン印刷を行なって導体パターンを形成する工程と、
    前記導体パターンの上にさらに重ねて導体ペーストのスクリーン印刷を行なって前記導体パターンの厚みを増す工程と、
    前記導体パターンの外周近傍部および前記導体パターンのない領域を露出させるようにスクリーン印刷マスクを被せてスキージを用いることによってガラスペーストを印刷する工程と、
    プレスすることによって表面を平坦にする工程とを含む、セラミックパッケージの製造方法。
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