JP2009181122A - 校正装置およびそのような校正装置を備えた走査型レーザ顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】合焦光学系3と、合焦光学系3の焦点面内に配置されており、落射光および透過光のうちの少なくとも一つにおいて検出可能な構造要素を備えたテスト構造4とを共通のフレーム2内で互いに対し固定的に位置合わせして備える校正装置1が、走査型レーザ顕微鏡内で、合焦光学系の瞳が、走査型レーザ顕微鏡の対物レンズの瞳と重なり合うか、または走査型レーザ顕微鏡の対物レンズの瞳に共役な面内にあるように、顕微鏡の放射線経路内に挿入され得る。
【選択図】 図1
Description
このため校正装置は、合焦光学系および校正構造から成る固定的な組合せにより、温度に起因する焦点位置の変化に対し特に抵抗力のある構成ユニットを形づくっており、この構成ユニットを用いて、検査すべき機器システム内で、その機器システムの性能の測定および判断に適したテスト画像を生成することができる。その際、テスト画像が所望の特性を備えていれば、テスト画像がどのように生成されるかは重要でなく、例えば、合焦光学系としての高倍率の対物レンズと共に非常に小さなテスト構造を使用し得ることによって生成される。同じテスト画像は、より大きなテスト構造およびより小さな倍率を備えた対物レンズによっても生成可能である。別の包括的な調整を実施することができる。例えば、合焦光学系の焦点面の望ましくない湾曲は、この画像エリアの湾曲に適合させたテスト構造を使用することによって補償し得る。結果として、画像側に望ましい平面的なテスト画像が生じる。
・使用した材料の熱膨張よりかなり大きな、校正装置の対象物側の焦点深度の調整が、簡単なやり方で、温度安定性の校正装置の実現を可能にする、
・テスト構造による、合焦光学系の幾何学的な歪みの補整、および
・湾曲した構造を使用することによる、湾曲した焦点面の補整。
補償され得ない結像特性が、例えば合焦光学系の横色収差を形成し、この横色収差は、テスト構造を様々な波長で検出する際に異なる大きさで出現させる。それにもかかわらず、測定されたテスト構造の評価の際に合焦光学系の横色収差を考慮し、かつ差し引くことによって、走査型レーザ顕微鏡の倍率などを厳密に測定することが可能である。
有利にはLEDとして形成された照明源を共通のフレーム内に止め具で固定することができ、もしくは走査型レーザ顕微鏡のハロゲンランプを透過光源として使用する。
昨今の蛍光を検出する顕微鏡のアライメントおよび校正のため、励起光による照射の応答として蛍光を放出し得る校正装置が必要である。このため反射性格子要素の間に、蛍光性の格子間領域が形成される場合が有利である。
走査型レーザ顕微鏡内での照らし出しの均質性を決定するため、テスト構造は、均質に発光する平面領域と発光性の規則的な格子構造とを備えた発光要素として形成可能であり、その際、平面領域および格子構造の発光特性は検出可能に互いに異なっている。
特に、テスト構造が領域に区分けされることも可能であり、その際、一方の領域は反射性格子要素および蛍光性領域を有しており、かつもう一方の領域は単孔マスクとして形成される。
さらに課題は、合焦光学系と、合焦光学系の焦点面内に配置されており、落射光および透過光のうちの少なくとも一つにおいて検出可能な構造要素を備えたテスト構造とを共通のフレーム内で互いに対し固定的に位置合わせして備える校正装置を顕微鏡の放射線経路内に挿入可能な走査型レーザ顕微鏡によって解決される。
好ましい実施形態では、校正装置が更なる対物レンズと共に、複数対物レンズ交換器内に止め具で固定される。
以下に、概略的な図面に基づき本発明をさらに詳しく説明する。
本発明による校正装置によって、多数の自動化可能な校正課題およびテスト課題が実施され得る。
走査型レーザ顕微鏡の性能を決定する主要な状態パラメータは、励起用放射線経路と検出用放射線経路との間のアライメント状態の品質であり、この品質は、ピンホールの画像と標本内の励起用放射線の画像との位置が同じであることによって、またはピンホール面内の励起用放射線の画像とピンホールの画像との位置が同じであることによって、特徴付けられる。
図4に基づく装置はさらに、ほぼ均質に放射されるLED光によってボリューム試料の蛍光をシミュレーションすることにより、信号対雑音比(SNR)を測定することを可能にし、これに関し、SNRは、ピンホールの大きさの校正によって決定的に影響を受ける。白色光LEDを使用する場合、様々なスペクトル領域内でのSNR測定が実施され得る。検出効率の推移を比較的長い期間にわたって比較可能に捕捉し得るように、同じフィルタ調整および同じLED電流が選択されなければならない。
校正装置1の均質に蛍光を発する領域を、定義された励起光出力で照明し、続いて蛍光を検出して評価する。顕微鏡の検出効率を決定するため、通常は標準偏差および平均値の決定に基づき信号対雑音比(SNR)を計算し、これに従いSNR=平均値/標準偏差が適用される。
共焦点顕微鏡検査における信号対雑音比の測定の結果は、主に共焦点絞り(ピンホール)の校正によって決定される。例えば、顕微鏡の試料空間内での共焦点絞りの画像の直径が1エアリーより大きい場合、多すぎる蛍光が検出され、かつ大きすぎるSNRが決定される。
例えば、マイクロ構造化された開口部および透過光源としてのLEDを備えた、透過光において放射線を通し得る単孔マスクのような、校正装置1内の校正された等方性の点光源は、共焦点顕微鏡の検出効率の決定にのみ適しているのではなく、共焦点原理に基づく更なる方法にも広範囲に利用可能である。
FCSの他に、ハードウェアおよびソフトウェアのテスト目的のため、「コヒーレント反ストークス・ラマン散乱顕微鏡検査」(CARS顕微鏡検査)用の、位相または周波数および振幅のうちの少なくとも一つを変調させた光学的なテスト信号の供給も(校正装置1内のテスト構造4を介して)提供される。信号源が3次の非線形電気感受率を有するCARS信号は、共鳴部分および非共鳴部分を有している。
・(Heterodyne coherent anti−Stokes Raman scattering(CARS)imaging;エリック オー ポトマ(Eric O.Potma)、*コナー エル エバンス(Conor L.Evans)、およびエックス サニー シエ(X.Sunney Xie)、Optics Letters、第31巻、第2号、2006年1月、241−243参照)
・(High−sensitivity vibrational imaging with frequency modulation coherent anti−Stokes Raman scattering(FM CARS)microscopy;フェルズ ガニカノフ(Feruz Ganikhanov)、コナー エル エバンス(Conor L.Evans)、ブライアン ジー ザール(Brian G.Saar)、およびエックス サニー シエ(X.Sunney Xie)、第31巻、第12号、2006年6月、1872−1874参照)
特に非共鳴部分は、CARS信号が、バックグラウンド無しではなく、かつ相応にCARS顕微鏡検査においてコントラストが減少する原因である。光源の位相および周波数を適切に変調することにより、振幅が変調された検出すべきCARS信号を生成可能であり、その結果、ハードウェアおよびソフトウェアの分析/フィルタリングにより、高コントラストでバックグラウンドの無い信号(共鳴CARS画像)が算定され得る。
共焦点走査型レーザ顕微鏡の性能は、蛍光に関する検出効率だけによって決定されるのではない。使用した対物レンズに相応の最大解像度を達成し得るためにも、1エアリーまで閉じたピンホールの場合に、つまり最適な「zセクショニング」の場合に最大量の蛍光を検出し得るためにも、励起焦点が回折限界であることが不可欠である。校正装置内の合焦光学系が回折限界で合焦するという前提条件の下では、合焦性における狂いは照明光学系および検出光学系のうちの少なくとも一つにおける欠陥を示唆している。
スキャナ制御のための信号の校正は、例えば(独国特許出願公開第102005047200号明細書)に記載されている。テスト構造の構造要素は、簡単なやり方で、スキャナの校正に対する光学的な評価が可能であるように形成され得る。同様に例えば、スキャナのポジションまたはスキャン画像内のその時々の測定ポジションを測定するために利用されるポジション・センサのポジション信号も校正され得る。校正は、ポジション信号または制御信号の伝達関数の正確な測定を含み得る(独国特許出願公開第102005047200号明細書)。
蛍光顕微鏡検査では蛍光性対象物が記録され、その際、蛍光顕微鏡は、蛍光のために必要な励起光を供給する。励起光および対象物から放出された蛍光の波長は色素に依存する。蛍光および励起光の波長領域が異なることに基づき、スペクトル分離が実施可能である。この特性は、励起光を蛍光顕微鏡の検出器から遠ざけておくために利用される。
特に量的な顕微鏡検査に関しては、顕微鏡検査される対象物がどのくらい明るく発光したかを知ることが重要である。理想的な顕微鏡は、画像エリア内の全ての点を同等に「扱う」。つまり、これは明るさに関して、同等に明るく発光する対象物は顕微鏡画像内でも同等に明るいことを意味する。実際には、この要求はせいぜい近似的に満たされ得る。画像の明るさは、しばしば、特に顕微鏡画像の周縁に向かって、例えば口径食に基づき減少する。
照らし出しの決定には、検査すべき機器に適合させて反射性、散乱性、蛍光性、または自己発光性に実施可能で均質な、平面またはボリュームが適している。
・ 追加的な構造が既知である。
・ 顕微鏡の照らし出しプロフィルが、画像エリアの表面に沿って一般的にゆっくりとしか変化せず、急激な落ち込みは予測され得ない。
後処理されたテスト画像(図13)では、格子構造が取り除かれており、これにより照らし出し画像が残る。テスト格子によって覆われる領域内の明るさは、内挿法によって算定可能であり、内挿法は、顕微鏡の照らし出しプロフィルが急激な変化を含まない限り、信頼性が高い。
Claims (33)
- 走査型レーザ顕微鏡を校正するための校正装置であって、合焦光学系(3)と、該合焦光学系(3)の焦点面(FE)内に配置されており、落射光および透過光のうちの少なくとも一つにおいて検出可能な構造要素を備えたテスト構造(4)とを共通のフレーム(2)内で互いに対し固定的に位置合わせして備える校正装置。
- 前記テスト構造(4)が前記フレーム(2)内で交換可能に止め具で固定される、請求項1に記載の校正装置。
- 前記テスト構造(4)が、前記合焦光学系(3)に対置され、かつ前記合焦光学系(3)の方向に前記テスト構造(4)を透過放射するために形成された照明機構(7)に隣接している、請求項1または2に記載の校正装置。
- 前記照明機構(7)が、前記共通のフレーム(2)内に止め具で固定される、請求項3に記載の校正装置。
- 照明機構(7)として、遠視野照明のために形成されたLEDが設けられる、請求項4に記載の校正装置。
- 照明機構(7)として、走査型レーザ顕微鏡のハロゲンランプが設けられる、請求項3に記載の校正装置。
- 前記テスト構造(4)が、構造要素として反射性格子要素(5)を備える、請求項1または2に記載の校正装置。
- 前記反射性格子要素(5)が、x方向およびy方向に周期的に構造化された格子として形成される、請求項7に記載の校正装置。
- 前記周期的に構造化された格子が、光学伝達関数の算定のための構造として形成される、請求項8に記載の校正装置。
- 前記周期的に構造化された格子が様々な周期長を有する、請求項8または9に記載の校正装置。
- 前記反射性格子要素(5)の間に蛍光性の格子間領域(12)が形成される、請求項7に記載の校正装置。
- 前記反射性格子要素(5)が、放射透過性キャリアの上に設けられ、かつ蛍光性材料から成る層によって覆われる、請求項11に記載の校正装置。
- 蛍光性材料として、単光子励起および多光子励起のうちの少なくとも一つに適した固体または色素溶液が用いられる、請求項12に記載の校正装置。
- 前記反射性格子要素(5)のためのキャリアとして、蛍光性ガラスまたは蛍光性半導体材料が用いられる、請求項11に記載の校正装置。
- 前記テスト構造(4)が、スター・テスト用の構造要素を含む、請求項7乃至10のいずれか1項に記載の校正装置。
- 前記テスト構造(4)が、均質に発光する平面領域と発光性の規則的な格子構造とを備えた発光要素として形成され、その際、該平面領域および該格子構造の発光特性が検出可能に互いに異なる、請求項1または2に記載の校正装置。
- 前記テスト構造(4)が、点光源を生成するため、透過光において放射線を通し得る単孔マスクを備える、請求項3乃至6のいずれか1項に記載の校正装置。
- 前記テスト構造(4)が領域に区分けされており、その際、一方の領域は反射性格子要素(5)および蛍光性の格子間領域(12)を有し、かつもう一方の領域は透過光において放射線を通し得る単孔マスクとして形成される、請求項3乃至6のいずれか1項に記載の校正装置。
- 請求項1乃至18のいずれか1項に記載の校正装置(1)が、顕微鏡の放射線経路内に挿入可能である、走査型レーザ顕微鏡。
- 前記校正装置(1)が更なる対物レンズと共に、複数対物レンズ交換器内に止め具で固定される、請求項19に記載の走査型レーザ顕微鏡。
- 前記校正装置(1)の前記合焦光学系が、前記複数対物レンズ交換器内の前記更なる対物レンズより短いアライメント長を有する、請求項20に記載の走査型レーザ顕微鏡。
- 前記合焦光学系(3)の瞳が、前記走査型レーザ顕微鏡の前記対物レンズの瞳と重なり合うか、または前記走査型レーザ顕微鏡の前記対物レンズの瞳に共役な面内にあることを特徴とする請求項19乃至21のいずれか1項に記載の走査型レーザ顕微鏡。
- 励起用放射線を生成するための少なくとも1つのレーザと、該励起用放射線の変動する偏向のために形成された偏向機構と、少なくとも1つの検出チャネルとを含む走査型レーザ顕微鏡の励起用放射線経路と検出用放射線経路との間のアライメント状態を決定および補正するための方法であって、
該走査型レーザ顕微鏡の該放射線経路内に請求項1乃至7のいずれか1項に記載の校正装置が配置され、その際、該走査型レーザ顕微鏡の前記対物レンズの前記瞳と該校正装置の前記合焦光学系の前記瞳とが重なり合うか、または互いに共役な面内で配置される工程と、
該励起用放射線により前記テスト構造を走査し、かつ前記テスト構造の反射画像または蛍光画像を記録する工程と、
前記テスト構造を透過放射し、かつ前記テスト構造の透過光画像を記録する工程と、
該反射画像および該透過光画像内の構造ポジションを算定し、かつ相互のポジションのズレを決定する工程と、
を備える方法。 - 前記反射または蛍光画像および前記透過光画像の記録が、互いに分離された検出チャネル内で同時に行われる、請求項23に記載の方法。
- 相互のポジションのズレの決定および補正が、相互相関によって自動的に行われる、請求項24に記載の方法。
- 励起の蛍光画像および検出の透過光画像が反転される、請求項25に記載の方法。
- 走査型レーザ顕微鏡内の信号対雑音比を測定するための請求項11に記載の校正装置の使用方法。
- 走査型レーザ顕微鏡内の信号対雑音比を測定するための請求項17または18のいずれか1項に記載の校正装置の使用方法。
- 蛍光相関分光法またはCARS顕微鏡検査を実施するために走査型レーザ顕微鏡の試料領域内にテスト信号を入射するための請求項17または18のいずれか1項に記載の校正装置の使用方法。
- 走査型レーザ顕微鏡内の解像度を測定するための請求項7、17または18のいずれか1項に記載の校正装置の使用方法。
- 走査型レーザ顕微鏡内のスキャナを校正するための請求項8乃至10のいずれか1項に記載の校正装置の使用方法。
- 走査型レーザ顕微鏡内の励起抑制および検出用放射線経路の透過を測定するための請求項11に記載の校正装置の使用方法。
- 走査型レーザ顕微鏡内の照らし出しの均質性を決定するための請求項11または16のいずれか1項に記載の校正装置の使用方法。
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