JP2009180774A - 被定着材料、定着方法、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

被定着材料、定着方法、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、ごく微量の定着液で、更に高速での定着を可能にする。
【解決手段】 本発明の被定着材料は、軟化剤を含有した定着液により少なくとも一部を溶解又は膨潤可能であって少なくとも一層の外郭層(31)と、最内側の該外郭層の内側のコア部(32)とを有している。よって、定着液がない場合は温度が高くても安定な粒子構成にでき、内部が軟らかく、または液体でも現像時や保存時に変化することなく用いることができる。定着液を用いると外殻は、非常に軟らかくなり、中心まで、定着液が拡散しなくとも、定着が可能となり、高速定着、定着液の低減化が可能となる。
【選択図】 図4

Description

本発明は被定着材料、定着方法、定着装置及び画像形成装置に関し、詳細には樹脂を含有した微粒子を媒体に定着させる定着液、樹脂を含有した微粒子であるトナーの定着方法及び定着装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ及び複写装置のような画像形成装置は、紙、布、及びOHP用シートのような記録媒体に、画像情報に基づいて文字や記号を含む画像を形成する装置である。特に、電子写真方式の画像形成装置は、普通紙に高精細な画像を高速で形成することができるため、広くオフィスで使用されている。このような電子写真方式の画像形成装置においては、記録媒体上のトナーを加熱して溶融させ、溶融したトナーを加圧することによって、トナーを記録媒体上に定着させる熱定着方式が広く用いられている。この熱定着方式は、高い定着速度及び高い定着画像品質等を提供することができるため、好適に用いられている。
しかし、このような電子写真方式の画像形成装置における消費電力の約半分以上は、熱定着方式においてトナーを加熱することに消費されている。一方、近年における環境問題対策の観点からは、低消費電力(省エネルギー)の定着装置が望まれている。即ち、トナーを定着するためにトナーを加熱する温度を今までよりも極端に低下させること、又はトナーを加熱することを必要としない定着方法が望まれている。特に、トナーを全く加熱することなくトナーを記録媒体に定着させる非加熱定着方法が低消費電力の点で理想的である。
このような非加熱定着方法としては、例えばトナーを溶解または膨潤可能で、水に不溶または難溶な有機化合物が水に分散混合された水中油滴型の定着剤を、未定着のトナーが所定位置に配設された被定着物の表面から噴霧または滴下してトナーを溶解または膨潤させた後、被定着物を乾燥させるトナーの湿式定着方法が、特許文献1に提案されている。
しかしながら、特許文献1の湿式定着方法においては、水に不溶又は難溶な有機化合物が、水に分散混合された水中油滴型の定着剤を用いているため、多量の定着剤を未定着トナーに付与した場合には、転写紙などの記録媒体(非定着物)が、定着剤の水分を吸収し、記録媒体にシワやカールが発生する。これにより、画像形成装置に必要とされる安定かつ高速な記録媒体の搬送を著しく損なうこととなる。そこで、乾燥装置を用いて、定着剤に含まれる多量の水を蒸発させることにより、記録媒体に付与された定着剤から水分を除去しようとすると、熱定着方式を用いる画像形成装置の消費電力に匹敵する電力を必要とすることとなる。また、撥水性処理された未定着トナーを弾かない定着液として、油性溶媒に、トナーを溶解又は膨潤させる材料を溶解させた油性の定着液が従来よりいくつか提案されている。その一つとして例えば、特許文献2には、トナーを構成する樹脂成分を溶解又は膨潤させる材料を成分としての脂肪族二塩基酸エステル等を希釈液(溶媒)として不揮発性のジメチルシリコーンで希釈した(溶解させた)定着液が提案されている。また、特許文献3には、静電気的方法で形成された未定着画像を、画像を乱すことなく鮮明にかつ容易に受像シート上に固着できる定着方法に用いることのできる定着用溶液として、トナーを溶解し、かつシリコーンオイルと相溶性を有する溶剤100容量に対し、シリコーンオイル8〜120容量部を混合してなる相溶状態の未定着トナー画像の定着用溶液が提案されている。このような油性の定着液は、撥水性処理された未定着トナーとの高い親和性を有する油性溶媒を含むため、撥水性処理された未定着トナーを弾くことなく、トナーを溶解又は膨潤させ、トナーを記録媒体に定着させることができる。
特許第3,290,513号公報 特開2004−109749号公報 特開昭59−119364号公報 特開2007-219105号公報 特許第2,778,382号公報
しかしながら、上記いずれの特許文献も液を未定着トナー層に付与する構成であるが、図11の(a),(b)に示すように、接触付与手段として、塗布ローラ1を用いて、記録媒体2上の未定着トナー層3へ定着液を塗布する構成において、定着液を記録媒体2に微量付与するために塗布ローラ1上の定着液層4の厚みが未定着トナー層3よりも薄い場合、塗布ローラ1が記録媒体2から分離する位置で、塗布ローラ1の表面の定着液の液膜によって生じる表面張力で未定着トナー粒子が引っ張られてしまい塗布ローラ1の表面にトナー粒子がオフセットし、記録媒体2上の画像が大幅に乱れてしまう。
逆に、図12に示すように、塗布ローラ1上の定着液層4の厚みが未定着トナー層3よりも十分厚い場合、塗布ローラ1が記録媒体2から分離する位置で、液量が多いため塗布ローラ1の表面の液膜による表面張力が直接トナー粒子に作用しにくくなり、ローラ側にトナーがオフセットしなくなるが、紙面に多量の定着液が塗布されるため、トナー粒子が過剰な定着液により記録媒体2上で流され画質劣化を生じたり、乾燥時間が長くなり定着応答性に問題が生じてしまう。また、紙に著しい残液感(紙を手で触れたときの湿った感触)が発生する。また、定着液が水を含有する場合、紙等のセルロースを含有する媒体への塗布量が多い場合、紙等の媒体が著しくカールし、画像形成装置などにおける装置内の紙等の媒体搬送時に紙ジャム発生の恐れがある。よって、このような定着液でローラ塗布を行う構成では、定着応答性向上や残液感低減やカール防止ための紙上のトナー層への定着液微量塗布と定着ローラへのトナーオフセット防止を両立することが極めて難しい。接触塗布手段として、ダイコート手段やブレード塗布手段やワイヤーバー塗布手段を用いた場合も、定着液が微量になると接触塗布手段に表面張力でトナーが付着してしまい、画像劣化が生じる。
以上のように、接触塗布手段にて、従来の定着液処方では、定着応答性を向上するための紙上のトナー層への定着液微量塗布とトナー画像を乱さず均一塗布することを両立することが極めて難しい。また、記録媒体上のトナーに限ったことではなく、媒体上の樹脂含有微粒子層に液状の定着液を付与する構成ではどの場合も生じる問題点である。
そこで、この問題点を解決するための特許文献4によれば、定着液を泡で構成された泡状定着液とすることで、液の密度を低くすることで塗布ローラ上の定着液層を厚くすることができ、かつ液の表面張力による影響が抑えられるため、塗布ローラへの樹脂含有微粒子のオフセット付着を防止できることがわかった。
しかし、定着液がトナーの中に拡散していき、軟化することによる定着法であるため、高速になっていくにつれて、軟化速度が、追いつかなくなる領域が存在してくる。また、より一層少ない定着液による定着で、消耗品量を減らす必要が出てきた。
本発明はこれらの問題点を解決するためのものであり、ごく微量の定着液で、更に高速での定着を可能にする、被定着材料、定着方法、定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
前記問題点を解決するために、本発明の被定着材料は、軟化剤を含有した定着液により少なくとも一部を溶解又は膨潤可能であって少なくとも一層の外郭層と、最内側の該外郭層の内側のコア部とを有している。よって、定着液がない場合は温度が高くても安定な粒子構成にでき、内部が軟らかく、または液体でも現像時や保存時に変化することなく用いることができる。定着液を用いると外殻は、非常に軟らかくなり、中心まで、定着液が拡散しなくとも、定着が可能となり、高速定着、定着液の低減化が可能となる。
また、コア部には定着液により溶解又は膨潤可能である軟質固体状物質を有することにより、外殻層のみの軟化により容易に定着でき、ごく微量の定着液で定着可能となる。
更に、コア部には色材を有することにより、外殻層のみの軟化により容易に定着でき、ごく微量の定着液で定着可能となる。
また、別の発明としての定着方法によれば、上記被定着材料を軟化させる軟化剤を含有した定着液を定着液付与手段によって媒体上の前記被定着材料に付与して被定着材料を媒体に定着することに特徴がある。よって、ごく微量の定着液で、更に高速での定着を可能となる。
更に、定着液は、泡状定着液生成手段によって泡化した泡状定着液であることにより、ごく微量の定着液で定着可能となる。
また、定着液を媒体上の被定着材料に付与した後に加圧することにより、外殻層が確実に変形でき、より一層定着しやすくなる。
更に、別の発明としての定着装置は、樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで樹脂を含有する上記の被定着材料を軟化させる軟化剤を含有した定着液を媒体上の被定着材料に付与する定着液付与手段を有することに特徴がある。よって、ごく微量の定着液で、更に高速での定着を可能となる。
また、別の発明としての画像形成装置は、樹脂と色剤を含有する共に、樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで樹脂を含有する上記の被定着材料を含む現像剤で静電記録プロセスを行い媒体上に未定着トナー画像を形成する画像形成手段と、上記定着装置により未定着トナー画像を媒体に定着させる定着手段とを具備することに特徴がある。よって、非加熱で、高速で定着できる定着手段を持つことにより、低消費電力で、高速立ち上げ可能な画像形成装置が提供できる。
本発明の定着方法によれば、上記被定着材料を軟化させる軟化剤を含有した定着液を定着液付与手段によって、媒体上の樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで樹脂を含有する被定着材料に付与して被定着材料を媒体に定着する。よって、定着液がない場合は、温度が高くても安定な粒子構成にでき、内部が軟らかく、または液体でも現像時や保存時に変化することなく用いることができる。定着液を用いると外殻層は非常に軟らかくなり、中心まで定着液が拡散しなくとも、定着が可能となり、高速定着、定着液の低減化が可能となる。
はじめに、本発明の原理について概説すると、本発明では、図1に示すように、後述する泡状定着液生成手段によって定着液を泡で構成された泡状定着液14を用いて定着を行う。この泡状定着液14は、嵩密度が小さいため再液化により体積を数十分の1から数百分の1とすることができる。また、泡状定着液14は、塗布ローラ11による塗布時の圧力で、泡膜が記録媒体12上の樹脂含有微粒子層13の隙間の奥にまで展開でき非常の効率よく定着できる。例えば、A4サイズあたり50mg程度で通常の樹脂含有微粒子の定着が可能である。本発明により、更に消耗品である定着液を数分の1にすることが可能である。また、定着の高速化も可能となる。これは、次の2つの効果によりなされる。1つ目として、定着液は樹脂含有微粒子層13の表面から拡散していくため、高速化のためトナーの中心部まで軟化させるためには、樹脂含有微粒子層13の表面の軟化剤濃度を大きくして、濃度勾配を大きくしなければならない。そのため、結果的には余分な定着液を用いることになる。コア部にあまり定着液が必要でない構成の樹脂含有微粒子であれば、拡散距離が減るために、定着液の低減化と高速化への対応が可能となる。2つ目として、外殻層が軟化した後に圧力をかけて樹脂含有微粒子を変形させれば、より定着液が展開する。
ここで、1次元の拡散方程式を考え、樹脂含有微粒子の表面の軟化剤濃度は一定であるとした初期条件では、下記の拡散方程式の式(1)の解は、式(2)で与えられる。
∂C/∂t=D×(∂C/∂x2) ・・・(1)
C(x,t)=C0(erfc(x/2*√Dt)) ・・・(2)
ここで、C(x,t)は任意の場所での濃度で、C0は、表面濃度、xは表面からの深さ、tは時間、Dは拡散係数である。また、誤差補関数erfc(X)を用いている。[erfc(X)=1−erf(X)]
また、図2に上記式(2)を用いて計算した概略図を示す。深さと時間が0に近いところは、誤差補関数の引数の分数が両方0に近づくための誤差が考えられる。初期条件から最表面は一定になる。図2は、表面濃度100%(=1)、D=10−11(m/s)としたときのものである。拡散係数の値は、塩化ビニル中のフタル酸ジアルキルの測定例(「ポリマーダイジェスト」1993・1 p.75 ; 引用R.F.Storey et al., Macromolecules,22, 289(1989),23,441(1990), 24, 2441 (1991))を参考にした。ここでの拡散係数の測定は行っていないが、後で詳細に述べるように、中心まで同一の樹脂のものに対して、高速化できた点で、このモデルでの説明が可能である。概略の想定では、外径6μmの樹脂含有微粒子のものが、300msec程度の定着時間が必要であるのに対し、外殻が1μmの樹脂含有微粒子の外径6μmの樹脂含有微粒子の定着時間は、30msec程度に縮まる。これは、図2の濃度が同じ点として、5μmの点と1μmの点から時間を読むことに対応していると考えられる。
更に、単層の被定着材料である樹脂含有微粒子の軟化の様子を示す図3において、単層の樹脂含有微粒子20の層21はごく短い一定時間後の定着液浸透部分である。この部分が軟化している。この状態でも樹脂含有微粒子同士、あるいは樹脂含有微粒子と紙などの媒体は接着される。同図の(b)に示す単層の樹脂含有微粒子20は加圧したものである。中央付近は、硬いため十分な変形は得られない。
一方、本発明の被定着材料である樹脂含有微粒子の軟化の様子を示す図4において、本発明の被定着材料である樹脂含有微粒子30は、外殻層31と、容易に変形するコア部32を有している。そして、図4の(a)からわかるように、外殻層31に定着液が浸透している。なお、図3の(a)と同程度の時間を想定している。本発明の被定着材料である樹脂含有微粒子30は、この状態でも樹脂含有微粒子同士、あるいは樹脂含有微粒子と紙などの媒体は接着される。同図の(b)に示す本発明の樹脂含有微粒子30は加圧したものである。液が浸透して軟らかくなった外殻層31と元々軟らかいコア部32でなるため、全体が変形する。通常の圧力定着では、単に圧力で外殻層31を破壊するため画像を作る時点での耐久性(電子写真での現像など)でのストレスに耐え、かつ定着部で変形しなければいけないため、硬さの調整が難しくあまり実用化されてこなかった。本発明では、軟化液を含む定着液を用いるため、外殻層31は、図2でみるように、1μm程度の厚さにして、十分強度の高い状態にし、かつ高速での定着が可能である。なお、本発明の被定着材料である樹脂含有微粒子における外殻層31とコア部32の色は同じ色とすることもでき、また外殻層31を透明素材を用いることもできる。
図5は単層の被定着材料である樹脂含有微粒子を媒体に定着させる様子を示す図である。単層の樹脂含有微粒子20を加圧のみで定着するには、1000kg/cm以上の加圧力が必要である。これでは、装置が大型化するため、図6に示すようなカプセルトナーの利用が試みられている。特許文献5で述べられているように、カプセルトナー40を定着するための加圧力を単層の樹脂含有微粒子20を定着するための加圧力に比較し4/5〜1/2に下げられる。しかし、これでも非常に大きい加圧である。これを低圧化させるために加熱することも試みられており、特許文献5にも示されているように80℃程度に加熱している。しかし、これでも、加圧力は50kg/cm〜1000kg/cmの程度である。これでも全体が軟化している訳ではないため、図6の(b)のように隙間が空いた状態になることが多い。これは、カラー画像の場合光の乱反射を招き色の濁りの原因となる。単層の樹脂含有微粒子20に非加熱で定着液を塗布して高速で定着した場合も、同様に隙間が空く。これに対し、本発明の被定着材料である樹脂含有微粒子30では、図7の(b),(c)に示すように、外殻層31と軟らかいコア部32も軟化して隙間がなくなり、乱反射の少ない層を構成することができる。
ここで、本発明の被定着材料である樹脂含有微粒子におけるコア部を構成する樹脂としては、好ましい定着性を示す軟質固体状物質が、利用でき、このような物質としては、ワツクス類(密ろう、カルナウバろう、パラフインワツクス、マイクロクリスタリンワツクスなど)、高級脂肪酸(ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸など)、高級脂肪酸金属塩(ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、バルミチン酸亜鉛など)、高級脂肪酸誘導体(メチルヒドロキシステアレート、グリセロールモノヒドロキシステアレートなど)、ポリオレフイン(低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、酸化ポリエチレン、ポリイソブチレン、ポリ4弗化エチレンなど)及びこれらのアミン基含有モノマーとの化学反応物、オレフイン共重合体(エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂など)、スチレン系樹脂(低分子量ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、(モノマー重量比5〜30:95〜70)、スチレン−アクリル系化合物共重合体など)、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂(酸価10以下)、ゴム類(イソブチレンゴム、ニトリルゴム、塩化ゴムなど)、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、クマロン−インデン樹脂、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、マレイン酸変性フエノール樹脂、フエノール変性テルペン樹脂、シリコン樹脂などがあり、これらの中から単独又は組合わせて用いることができる。
本発明の被定着材料である樹脂含有微粒子の芯材中には一般に、着色剤として各種の染、顔料が含まれる。このような染、顔料としては、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、ランプ黒、スーダンブラツクSM、フアースト・エローG、ベンジジン・エロー、ピグメント・エロー、インドフアースト・オレンジ、イルガジン・レツド、パラニトロアニリン・レツド・トルイジン・レツド、カーミンFB、パーマネント・ボルドーFRR、ピグメント・オレンジR、リソール・レツド2G、レーキ・レツドC、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチル・バイオレツトBレーキ、フタロシアニングブルー、ピグメントブルー、ブリリヤント・グリーンB、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、ザボン、フアーストエローCGG、カヤセツトY963、カヤセツトYG、スミプラスト・エローGG、ザボンフアーストオレンジRR、オイル・スカーレツト、スミプラストオレンジG、オラゾール・ブラウンB、ザボンフアーストスカーレツトGG、アイゼンスピロン・レツド・BEH、オイルピンクOPなどが適用できる。これら着色剤は、一般に2成分現像剤用のカプセルトナーを得るために用いられ、上記芯材バインダーに対し0.5〜15重量%の割合で加えることが好ましい。
図7の(c)のように、本発明の被定着材料である樹脂含有微粒子の内部にインクを有する場合は、例えば透明な膜を作った外殻層が表面に残り、紙にインクが染み込んだ状態で発色できる。インクとしては、染料を溶かした水性のもの、顔料を分散させたもの、油性のインクなどを用いルこともできる。この場合も、外殻層を軟化させるためだけの定着液量があればいいため、定着に必要な液量の低減と、拡散に要する時間が少なくて済むために高速定着が非加熱で可能となる。
次に、大きな泡を生成した後大きな泡を分泡し微小な処方の泡を生成する泡状定着液生成手段50における大きな泡生成部としては、図8に示すように、定着液容器51内の液状定着液52を搬送ポンプ53及び液搬送パイプ54等の液輸送手段を用いて気体・液体混合部55へ供給する。気体・液体混合部55には、空気口56が設けられ、液の流れとともに、空気口56に負圧が発生し、空気口56から気体が気体・液体混合部55に導入され、液体と気体が混合し、更に微小孔シート57を通過することで、泡径の揃った大きな泡を生成させることができる。孔径は、30μmから100μm程度が望ましい。図8の微小孔シート57に限らず、連泡構造の多孔質部材であればよく、孔径30μmから100μm程度を有する焼結セラミックス板や不織布や発泡樹脂シートであってもよい。また、別の大きな泡の生成方法としては、上記の搬送ポンプより供給された液状定着液と空気口からの空気を羽根状攪拌子で攪拌しながら、液に気泡を巻き込みながら大きな泡を生成させる構成や、上記の搬送ポンプより供給された液状定着液に空気供給ポンプ等でバブリングを行い大きな泡を生成する構成も望ましい。
次に、大きな泡を分割して2つ以上に分泡化するために、大きな泡にせん断力を加えるための、図8に示すような泡状定着液生成手段50における微小な泡生成部58として、閉じた二重円筒で、内側円筒が回転可能な構成とし、外部円筒の一部より、大きな泡状定着液を供給し、内部の回転する円筒と外部円筒の隙間(ここが流路となる)を通過しながら、回転円筒によりせん断力を受ける。このせん断力により、大きな泡は微小な泡へと変化し、外側円筒に設けられた泡の出口より、所望の微小な泡径を有する泡状定着液を得ることができる。また、内側円筒にらせん状の溝を設けて、円筒内での液搬送能力を高くしてもよい。
このように、液状定着液を大きな泡径を有する液へと変化させる大きな泡生成部と、大きな泡にせん断力を加えて微小な泡を生成する微小な泡生成部を組み合わせることで、液状定着液を極めて短時間に5μmから50μm程度の微小な泡径を有する泡状定着液を生成させることができる。
次に、定着装置における定着液付与手段について説明する。
図9は定着装置における定着液付与手段の一例を示す概略構成図である。ここで、本発明の被定着材料である樹脂含有微粒子はトナー粒子である。同図の(a)に示す定着液付与手段60は、上述した泡状定着液生成手段50によって生成された所望の微小な泡の泡状定着液を樹脂含有微粒子層(トナー粒子層)へ付与するための塗布ローラ61と、塗布ローラ面に所望の微小な泡の泡状定着液の膜厚を、記録媒体上の未定着のトナー層の厚さに応じて制御し、泡状定着液の最適な膜厚の制御を行う泡状定着液膜厚制御手段70と、塗布ローラ61と対峙する位置に加圧ローラ62とを具備している。同図の(b)に示すように、塗布ローラ61上には泡状定着液の層が記録媒体上の未定着のトナー層の厚さに応じて泡状定着液膜厚制御手段70を通して形成されており、この泡状定着液膜厚制御手段70によって泡状定着液の気泡の大きさ、泡粘度及び塗布加圧力並びに未定着トナーの層厚に応じた泡状定着液の未定着トナー層での浸透時間に対して最適化した定着液層の膜厚となる。所望の微小な泡の泡状定着液は、上記のように、大きな泡を生成する大きな泡生成部と大きな泡をせん断力で分泡して微小な泡を生成する微小な泡生成部とを含んで構成されている泡状定着液生成手段50で生成され、液供給口より泡状定着液膜厚制御手段70と塗布ローラ61の間に滴下される。
ここで、樹脂含有微粒子の体積平均粒径(dv)、及び粒径分布、即ち体積平均粒径と個数平均粒径(dp)との比(dv/dp)は、コールターカウンター(コールター社製)により測定した。コールターカウンターによる測定は、アパーチャー径:100μm、媒体:イソトンII、濃度:15%、測定粒子個数:50000個の条件で行った。シェルの厚みは、コア粒子の体積平均粒径とシェル用重合性単量体の使用量とから算出した。また、樹脂含有微粒子の体積固有抵抗は、誘電体損測定器(商品名:TRS−10型、安藤電気社製)を用い、温度30℃、周波数1kHzの条件下で測定した。更に、樹脂含有微粒子の定着率は、定着部を外した市販の非磁性一成分現像改造プリンタで未定着現像サンプルを作成後、図9に示す定着装置で定着した。
次に、本発明における定着液及び定着方法の具体例について説明する。
<定着液の処方>
◇軟化剤を含有する液体
希釈溶媒:イオン交換水 53wt%
軟化剤:コハク酸ジエトキシエチル(クローダ社 クローダDES)
10wt%
炭酸プロピレン 20wt%
増粘剤:プロピレングリコール 10wt%
増泡剤:ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:1)型(松本油脂 マーポンMM) 0.5wt%
起泡剤:パルミチン酸アミン 2.5wt%
ミリスチン酸アミン 1.5wt%
ステアリン酸アミン 0.5wt%
分散剤:POE(20)ラウリルソルビタン(花王 レオドールTW−S120V) 1wt%
ポリエチレングリコールモノステアレート(花王 エマノーン3199) 1wt%
なお、分散剤は、軟化剤の希釈溶媒への溶解性を助長するために用いた。脂肪酸アミンは、脂肪酸とトリエタノールアミンにより脂肪酸アミンを合成した。
上記成分比にて、先ずは、液温120℃にて軟化剤を除いて混合攪拌し溶液を作製した。次に、軟化剤を混合し、超音波ホモジナイザーを用いて軟化剤が溶解した定着液(泡化する前の原液)を作製した。
<塗布装置>
◇大きな泡生成部
図8を基に作製した。
上記の液状定着液保存容器:PET樹脂からなるボトル
液搬送ポンプ:チューブポンプ(チューブ内径2mm、チューブ材質:シリコーンゴム)
搬送流路:内径2mmのシリコーンゴムチューブ
大きな泡を作るための微細孔シート:#400のステンレス製メッシュシート(開口部約40μm)
◇微小な泡生成部
図8を基に作製した。2重円筒の内側円筒は、回転軸に固定され、図示していない回転駆動モーターにより回転する。2重円筒の材質は、PET樹脂とした。外側円筒内径:10mm・長さ120mm、内側円筒外形:8mm・長さ100mmとした。回転数は、1000rpmから2000rpmの範囲で可変とした。
◇定着液付与手段
図9を基に作製した。上記の微小な泡生成部を用い、泡状定着液を作成し液膜厚制御用ブレードに供給する構成とした。液膜厚制御用ブレードと塗布ローラとのギャップは40μmとした。
加圧ローラ:アルミ合金製ローラ(φ10mm、長さ320mm)を芯金とし、外径Φ50mmのポリウレタン泡材(イノアック社 商品名「カラー泡EMO」)を形成したスポンジローラ
塗布ローラ:PFA樹脂を焼付け塗装したSUS製ローラ(φ30mm)
液膜厚制御用ブレード:アルミ合金製支持板に厚み1mmの並板ガラスを接着し、ガラス面を塗布ローラ側に向け、10μmから100μmの範囲で塗布ローラとガラス面の隙間を制御できるようにした。
◇定着液付与後の加圧手段
図9の加圧ローラ62による定着液付与後のトナー層加圧手段について説明する。
加圧ローラ:長さ210mm・Φ20mmアルミ合金を芯金とし、その表面にゴム硬度30度のNBRゴムを厚み10mm形成し、更にその表面に表面粗さRz5μm以下のシームレスPFAフィルム(厚み50μm)をかぶせた。
紙搬送ローラ:長さ210mm・Φ30mmのアルミ合金とした。加圧ローラと紙搬送ローラとの加圧力は、軸間の片側加重10kgfとした。
◇定着性の判断
試験用紙における黒ベタ領域に粘着テープを貼り、一定圧力で押圧して付着させた後、剥離し、粘着テープの剥離操作前後の画像濃度の比率から計算した。粘着テープ剥離前の画像濃度をID前、粘着テープ剥離後の画像濃度をID後とすると、定着率は、次式から求められる。
定着率(%)=(ID後/ID前)×100
ここで、黒ベタ領域とは、その領域内部のドットの全てにトナーを付着させるように制御した領域のことである。粘着テープ剥離操作とは、試験紙用の測定部分に粘着テープ(住友スリーエム社製スコッチメンディングテープ810−3−18)を貼り、一定圧力で押圧して付着させ、その後、一定速度で紙に沿った方向に粘着テープを剥離する一連の操作である。画像濃度は、MacBeth社製反射式画像濃度測定機を用いて測定した。定着判定は、定着率95%以上で判定した。
なお、保存性の評価は、トナー試料を密閉した容器に入れて、密閉した後、50℃に温度を制御した恒温水槽の中に沈め、一定時間経過した後に取り出して、凝集したトナーの重量を測定することによって行った。容器から取り出した試料を42メッシュの篩の上にできるだけ構造を破壊しないように移し、粉体測定機(ホソカワミクロン社製)のREOSTATで振動の強度を4.5に設定して、30秒間振動した後、篩上に残ったトナーの重量を測定し、凝集したトナーの重量とした。この凝集したトナーの重量と試料の重量とから、トナーの凝集率(重量%)を算出した。トナーの保存性は、以下の4段階で評価した。
◎:凝集率が5重量%未満
○:凝集率が5重量%以上10重量%未満
△:凝集率が10重量%以上50重量%未満
×:凝集率が50重量%以上
以下、具体例と比較例について概説する。
[具体例1]
スチレン70部及びn−ブチルアクリレート30部からなるコア用重合性単量体(得られる共重合体の計算Tg=35℃)、カーボンブラック(デグサ社製、商品名プリンテックス150T)5部、帯電制御剤(保土ケ谷化学社製、商品名スピロンブラックTRH)1部、ジビニルベンゼン0.3部、ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、AA6、Tg=94℃)0.5部、及びt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート2部を、高剪断力で混合可能なホモミキサ−(TK式、特殊機化工社製)により、6000rpmの回転数で撹拌、混合して、均一分散し、コア用混合液を得た。
一方、メチルメタクリレート(得られる重合体の計算Tg=105℃)5部と水100部と帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロンE−84)0.01部とを超音波乳化機にて微分散化処理して、シェル用重合性単量体の水分散液を得た。シェル用重合性単量体の液滴の粒径は、得られた液滴を1%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液中に濃度3%で加え、マイクロトラック粒径分布測定器で測定したところ、D90が1.6μmであった。
他方、イオン交換水250部に塩化マグネシウム(水溶性多価金属塩)9.8部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム(水酸化アルカリ金属)6.9部を溶解した水溶液を撹拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムのコロイド(難水溶性金属水酸化物のコロイド)分散液を調製した。生成した上記コロイドの粒径分布をマイクロトラック粒径分布測定器(日機装社製)で測定したところ、粒径は、D50(個数粒径分布の50%累積値)が0.38μmで、D90(個数粒径分布の90%累積値)が0.82μmであった。このマイクロトラック粒径分布測定器による測定においては、測定レンジ=0.12〜704μm、測定時間=30秒間、媒体=イオン交換水の条件で行った。
上記により得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液に、上記コア用重合性単量体を含む混合液を投入し、TK式ホモミキサを用いて8000rpmの回転数で高剪断撹拌して、液滴を造粒した。この造粒した単量体混合物を含む水分散液を、撹拌翼を装着した反応器に入れ、65℃で重合反応を開始させ、重合転化率がほぼ100%に達したときに、前記で準備したシェル用重合性単量体の水分散液と、1%過硫酸カリウム水溶液1部を添加し、5時間反応を継続した後、反応を停止し、コア・シェル型構造の重合体粒子を含む水分散液を得た。
シェル用重合性単量体を添加する直前に、コア粒子を取り出して測定したコア粒子の体積平均粒径(dv)は5.82μmであり、体積平均粒径(dv)/個数平均粒径(dp)は1.32であった。また、得られた重合体粒子のrl/rsは1.12で、トルエン不溶解分は3%であった。
上記により得た重合体粒子の水分散液を撹拌しながら、硫酸により系のpHを4以下にして酸洗浄(25℃、10分間)を行い、濾過により水を分離した後、新たにイオン交換水500部を加えて再スラリー化し水洗浄を行った。その後、再度、脱水と水洗浄を数回繰り返し行って、固形分を濾過分離した後、乾燥機にて50℃で一昼夜乾燥を行い、重合体粒子(重合トナー)を得た。
上記により得られたコア・シェル型構造の重合トナー100部に、疎水化処理したコロイダルシリカ(商品名:R−972、日本アエロジル社製)0.3部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合して非磁性一成分現像剤(単に、現像剤またはトナーということがある)を調製した。このようにして得られた現像剤の体積固有抵抗を測定したところ、11.25[logΩ・cm]であった。
比較例1として、上記の具体例1のシェル部材料のみでのトナーを同様の寸法で作製した。また、比較例2として、市販のトナー(リコーMP2500)用ブラックトナーも比較のため使用した。
評価法として「定着に必要な塗布定着ニップ時間」を計測した。この「定着に必要な塗布定着ニップ時間」とは、図9の加圧ローラ62と塗布ローラ61で形成され、図示されていない加圧機構により形成される接触長さ(ニップ)の長さを一定にして、未定着トナー付着紙の通紙速度を変えて紙の各部分がそのニップを通過するに要する時間を変え、ある時間以上であれば、定着できるかという下限時間を測定するものである。測定は5回測定の平均値とした。
比較例1 必要ニップ時間 320[ms]
比較例2 必要ニップ時間 300[ms]
[具体例2]
上記具体例1において、マクロモノマーの量を3部に代えた他は、具体例1と同様にして重合体粒子及び現像剤を得た。結果を下記の表1に示した。画像評価では、画像濃度が高く、カブリやムラの無い、解像度の極めて良好な画像が得られた。
[具体例3]
上記具体例1において、マクロモノマーをアクリレート系のマクロモノマー(AA2、東亜合成化学工業社製、Tg=約90℃)に代えた他は、具体例1と同様にして重合トナー及び現像剤を得た。結果を下記の表1に示した。
[具体例4]
上記具体例1においてシェル用重合性単量体としてメチルメタクリレート5部をメチルメタクリレート1.8部及びブチルアクリレート0.2部に変えた他は、具体例1と同様にして重合トナー及び現像剤を得た。結果を下記の表1に示した。
[具体例5]
上記具体例1において、シェル用重合性単量体として用いたメチルメタクリレート5部の代わりにスチレン2部を用い、かつシェル用重合性単量体を添加する直前にメタノール20部を添加した他は、具体例1と同様にして重合トナー及び現像剤を得た。結果を下記の表1に示した。
Figure 2009180774
[具体例6]
酸化ポリエチレン(密度0.99、Melt flow index(MFI):メルトフローインデックス 1000(g/10min))、100部、カーボンブラック(デグサ社製、商品名プリンテックス150T)、10部を混合し、ロールミルを用いて150℃30分間十分混練したのちジェット粉砕機により、3−10μmの粒子を得た。この粒子をスチレンブタジエン共重合体(15:85wt%比)のメチルエチルケトン10%溶液に十分分散した液を作製し、スプレードライヤーを用いて5−15μmのトナーとした。本実施の形態でも、20−30msecでの定着が可能であった。定着評価をクリアした。
[具体例7]
コア材として、
純水 97wt%
寒天 2wt%
染料(保土ヶ谷化学 青色1号) 1wt%
の割合で上記を50℃にて混合溶解する。
油性分散媒として、
酢酸ブチル 80wt%
硬質塩化ビニル樹脂ペレット(信越化学) 10wt%
モノオレイン酸ソルビタン(Span80) 10wt%
の割合で上記を混合溶解する。油性分散媒を50℃に加温し、ホモミキサにて液を撹拌しながら、油性分散媒7に対し、コア材3を徐々に添加し、10分撹拌する。その後、油性分散媒の液温を5℃まで下げる。この作業により、油性分散媒中に、粒子径3ミクロンのコア材微粒子が分散した液ができる。
次に、水性分散媒として、
純水 90wt%
モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(tween20)
10wt%
の割合で上記を混合溶解する。
この水性分散媒を30℃に加温し、ホモミキサにて液を撹拌しながら、水性分散媒8に対し、コア材微粒子が分散した上記油性分散媒2を徐々に添加し、10分間撹拌する。その後、水性分散媒液を80℃まで加温し、ゆっくり撹拌しながら60分間撹拌し、油性分散媒中の酢酸ブチルを揮発させる。この作業により、水性分散媒中に、コアとして水性インクでシェルとして硬質塩化ビニルからなるマイクロカプセル(平均粒径8ミクロン)が分散した液ができる。その後、ろ過と洗浄を3回繰り返したのち、自然乾燥により、コアとして水性インクでシェルとして硬質塩化ビニルからなるマイクロカプセル(平均コア径3ミクロン、シェル厚み2.5ミクロン)の粉末(トナー)の作製が完了する。樹脂で被覆した50メッシュのガラスビーズをキャリアビーズとしてカスケード現像法と同様の形で作製したトナーを紙上に密に配置させ、未定着サンプルを作製した。
これも図9の定着装置を用いて定着を行った。定着性の評価は、色については、インクによる発色の確認で行い。また、外殻部分の定着性は、貼り付けた後剥離した粘着テープの面の付着物を観察した。具体例a〜eは、上記具体例1〜5のトナーを用いて図9の加圧ローラを通過させたものである。定着液塗布したものは、水溶性の染料を塗布したごとくが発色していた。また、粘着テープ上の剥離物も光学顕微鏡では確認できなかった。これに対し、加圧ローラのみのものは、ほとんど発色せず、粘着テープにトナーがそのまま接着した。また、図9の定着装置で、加圧ローラを通さないもので、比較を行った。剥離した粘着テープ上へはトナーは、ほとんど付かなかったが、濁った色となっていた。
比較例a〜eは、上記具体例1〜5のトナーを用い、図9の定着装置で、加圧ローラを通さなかった。
(粒状度の評価方法)
ざらつきの物理的評価値は粒状度(granularity)である。ノイズは濃度変動の周波数特性であるウィナースペクトラム(Wiener Spectrum)によって測定できる。平均値が0である濃度変動成分をf(x)とすると
F(u)=∫f(x)exp(−2πiux)dx
WS(u)=F(u)2
ここで、uは空間周波数である。
粒状度(GS)は、WSと視覚の周波数特性(Visual Transfer Function:VTF)の積を積分した値で、以下の式で表される。
GS=exp(−1.8<D>)∫WS(u)1/2VTF(u)du
exp(−1.8<D>)は濃度と人の知覚する明るさの差を補正するための係数である。<D>は濃度の平均値を表す。粒状度は画像のなめらかさの主観評価と高い相関がある。粒状度の値が小さいほど滑らかな高画質となり、逆に大きいとざらついたプアな画像品質となる。2値のハーフトーン画像を用い、図9の定着装置で、下記の表2に示すように、加圧ローラを通した具体例a〜eと、加圧ローラを通さない比較例a〜eをそれぞれ得た。次に、大日本スクリーン社のGenaScan5000スキャナで1000dpiにて読み込み、画像データを得た。画像データから、濃度分布に変換し、前述した式にて粒状度を評価した。粒状度は0.60以下が望ましい。よって、下記の表2から、加圧ローラを通したほうが望ましいことがわかる。
Figure 2009180774
図10は別の発明の画像形成装置の構成を示す概略図である。同図に示す画像形成装置は複写機又はプリンタであってもよい。図10の(a)はカラー電子写真のタンデム方式の画像形成装置全体の概略図であり、図10の(b)は図10の(a)の画像形成装置の1つの画像形成ユニットの構成を示す図である。図10の(a),(b)に示す画像形成装置80はトナー像担持体として中間転写ベルト81を有する。この中間転写ベルト81は、3つの支持ローラ82〜84に張架されており、図中の矢印Aの方向に回転する。この中間転写ベルト81に対しては、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像形成ユニット85〜88が配列されている。これら画像形成ユニットの上方には、図示していない露光装置が配置されている。例えば、画像形成装置が複写機である場合には、スキャナで原稿の画像情報を読み込み、この画像情報に応じて、各感光体ドラム上に静電潜像を書き込むための各露光L1〜L4が露光装置により照射される。中間転写ベルト81を挟んで中間転写ベルト81の支持ローラ84に対向する位置には、二次転写装置89が設けられている。二次転写装置89は、2つの支持ローラ90,91の間に張架された二次転写ベルト92で構成されている。なお、二次転写装置89としては、転写ベルト以外に転写ローラを用いてもよい。また、中間転写ベルト81を挟んで中間転写ベルト81の支持ローラ82に対向する位置には、ベルトクリーニング装置93が配置されている。ベルトクリーニング装置93は、中間転写ベルト81上に残留するトナーを除去するために配置されている。
記録媒体としての記録紙94は、一対の給紙ローラ95で二次転写部へ導かれ、トナー像を記録紙94に転写する際に、二次転写ベルト92を中間転写ベルト81に押し当てることによって、トナー像の転写を行う。トナー像が転写された記録紙94は、二次転写ベルト92によって搬送され、記録紙94に転写された未定着のトナー像は、図示していない露光装置からの画像情報に基づいて泡状の定着液の膜厚を制御する本発明の定着装置によって定着される。すなわち、記録紙94に転写された未定着のトナー像には、図示していない露光装置からの画像情報、例えばカラー画像又は黒ベタ画像に基づいて泡状定着液層の膜厚が制御されたトナーの定着装置から供給される本発明における泡状定着液が付与され、泡状定着液に含まれる、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる部剤(軟化剤)によって、未定着のトナー像を、記録紙94に定着させる。
次に、画像形成ユニットについて説明する。図10の(b)に示すように、画像形成ユニット85〜88には、感光体ドラム96の周辺に、帯電装置97、現像装置98、クリーニング装置99及び除電装置100が配置されている。また、中間転写ベルト81を介して、感光体ドラム96に対向する位置に、一次転写装置101が設けられている。また、帯電装置97は、帯電ローラを採用した接触帯電方式の帯電装置である。帯電装置97は、帯電ローラを感光体ドラム96に接触させて、感光体ドラム96に電圧を印加することにより、感光体ドラム96の表面を一様に帯電する。この帯電装置97としては、非接触のスコロトロン等を採用した非接触帯電方式の帯電装置を採用することもできる。また、現像装置98は、現像剤中のトナーを感光体ドラム96上の静電潜像に付着させ、静電潜像を可視化させる。ここで、各色に対応するトナーは、それぞれの色に着色された樹脂材料からなり、これらの樹脂材料は、本発明の被定着材料であって、本発明における定着液により溶解又は膨潤する。なお、現像装置98は、図示しない攪拌部及び現像部を有し、現像に使用されなかった現像剤は、攪拌部に戻され、再利用される。攪拌部におけるトナーの濃度は、トナー濃度センサによって検出され、トナーの濃度が、一定であるように制御されている。更に、一次転写装置101は、感光体ドラム96上で可視化されたトナーを中間転写ベルト81に転写する。ここでは、一次転写装置101としては、転写ローラを採用しており、転写ローラを、中間転写ベルト81を挟んで感光体ドラム96に押し当てている。一次転写装置101としては、導電性ブラシ、非接触のコロナチャージャー等を採用することもできる。また、クリーニング装置99は、感光体ドラム96上の不要なトナーを除去する。クリーニング装置99としては、感光体ドラム96に押し当てられる先端を備えたブレードを用いることができる。ここで、クリーニング装置99によって回収されたトナーは、図示しない回収スクリュー及びトナーリサイクル装置によって、現像装置98に回収され、再利用される。更に、除電装置100は、ランプで構成されており、光を照射して感光体ドラム96の表面電位を初期化する。
なお、本発明は上記実施の形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
本発明の原理における定着液付与後の樹脂含有微粒子の定着の様子を示す概略断面図である。 拡散方程式を用いて計算した概略図である。 単層の被定着材料である樹脂含有微粒子の軟化の様子を示す概略図である。 本発明の被定着材料である樹脂含有微粒子の軟化の様子を示す概略図である。 単層の被定着材料である樹脂含有微粒子を媒体に定着させる様子を示す図である。 カプセルトナーを媒体に定着させる様子を示す図である。 本発明の被定着材料である樹脂含有微粒子を媒体に定着させる様子を示す図である。 本発明の定着装置における泡状定着液生成手段の構成を示す概略図である。 本発明の定着装置における定着液付与手段の一例を示す概略構成図である。 別の発明の画像形成装置の構成を示す概略図である。 従来の定着装置において生じたオフセットの様子を示す概略断面図である。 従来の定着装置において塗布ローラ上の定着液層の厚みが未定着トナー層よりも十分厚い場合の定着の様子を示す概略断面図である。
符号の説明
30;樹脂含有微粒子、31;外郭層、32;コア部、
50;泡状定着液生成手段、60;定着液付与手段、
61;塗布ローラ、62;加圧ローラ、70;液膜厚制御用ブレード、
80;画像形成装置。

Claims (8)

  1. 軟化剤を含有した定着液により少なくとも一部を溶解又は膨潤可能であって少なくとも一層の外郭層と、最内側の該外郭層の内側のコア部とを有することを特徴とする被定着材料。
  2. 前記コア部には、前記定着液により溶解又は膨潤可能である軟質固体状物質を有することを特徴とする請求項1記載の被定着材料。
  3. 前記コア部には、色材を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の被定着材料。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の被定着材料を軟化させる軟化剤を含有した定着液を定着液付与手段によって媒体上の前記被定着材料に付与して前記被定着材料を媒体に定着することを特徴とする定着方法。
  5. 前記定着液は、泡状定着液生成手段によって泡化した泡状定着液であることを特徴とする請求項4記載の定着方法。
  6. 前記定着液を媒体上の前記被定着材料に付与した後に加圧することを特徴とする請求項4又は5に記載の定着方法。
  7. 樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで樹脂を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の被定着材料を軟化させる軟化剤を含有した定着液を媒体上の前記被定着材料に付与する定着液付与手段を有することを特徴とする定着装置。
  8. 樹脂と色剤を含有する共に、前記樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで前記樹脂を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の被定着材料を含む現像剤で静電記録プロセスを行い媒体上に未定着トナー画像を形成する画像形成手段と、
    請求項7記載の定着装置により前記未定着トナー画像を媒体に定着させる定着手段と
    を具備することを特徴とする画像形成装置。
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