JP2009179390A - 内容物識別機能を備えたチューブ容器 - Google Patents

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博 原田
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Abstract

【課題】内容物の識別作業を容易かつ確実に行うことができるチューブ容器を提供する。
【解決手段】チューブ容器体2の末端を板状の封止端部6とし、この封止端部に、視覚及び触覚によって識別可能な内容物識別用マーク8を形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、内容物識別機能を備えたチューブ容器を備えたチューブ容器に関する。
チューブ容器はさまざまな流動体を収納するのに広く用いられるが、内容物の識別が特に重要となることがある。たとえばシャンプーとリンスのように異種内容物であって同時に使用するものを識別したり、あるいは、風味の異なる練り歯磨きであるとか、固さの異なるヘアケア商品など同種内容物であって、利用者の嗜好により使い分けされる場合である。
このような内容物の識別機能を担保するため、チューブ容器体の胴部に識別用の平面模様を加飾したものが知られている(特許文献1)。また視覚に代えて、又は視覚とともに触覚により識別が可能な凹凸などの立体模様を容器体の少なくとも胴部表面の一部又は全部に形成したものも知られている(特許文献2、特許文献3)。
これに対して、本出願人は、図6に示すように、チューブ容器体のシール端部に三角形・四角形などの記号を表示したり、シール端部の縁を連続波形状とすることで、それぞれ視覚或いは触覚により認識できるようにしたものを開発した(特許文献4)。
特開2005−047516 特開2004−059132 特開2005−178851 実開平7−28850 実開昭51−47748
チューブ容器体の胴部に、特許文献1のような目視用の平面模様、或いは特許文献2、特許文献3のような触知用の立体模様を形成すると、チューブ容器の胴部が内容物の使用により凹んでいくと、それらの模様も歪むことになる。そのため、視覚又は触覚による識別マークの判別が困難となるおそれがある。
そこで本出願人は、特許文献4において、内容物の消費により変形することのないシール部に視覚用識別マーク又は触覚用の識別マークを形成することを提案しており、これにより識別マークを容易に判別することができる。また、チューブ容器体の端部に識別マークを設けたから、例えば手探りでも当該マークがある位置を容易に触知することができる。
しかしながら、識別マークを上記シール部に表すときには、表示面積が限られているから、四角形などの記号も細かいものとなり、高齢者や弱視者にとっては読取にくい。同様にシール部の縁に付形する波形等の立体模様も小さく細かいものとなり、触覚による判別が困難である。例えば健視者であっても、例えば洗髪中に手探りで容器を手に取り、識別マークに指を触れることがある。あまり触覚の発達していない利用者にも適用範囲を広げるとすれば、こうした利用者が区別可能とするためには、シール部の縁の形状のパターンをあまり多くすることができない。無理をして模様のパターンを増やしても利用者が内容物の識別を誤まると却って不都合だからである。せいぜい波形などの模様付きのものとストレートな無模様のものとの2種類程度としておくのが無難である。
本発明の第1の目的は、チューブ容器体のシール部を延長して、この延長板部で形成するパネル板に視覚及び触覚により認識可能な内容物識別用マークを形成することで、その識別を確実とすることである。
本発明の第2の目的は、屈曲しにくいパネル板に内容物識別用マークを形成することで内容物の識別を容易に行うことができるチューブ容器を提供することである。
第1の手段は、先端側に開口部を有する略筒状のチューブ容器体の末端をシール部とするとともに、このシール部に視覚及び触覚によって認識可能な内容物識別用マークを形成してなる、内容物識別機能を備えたチューブ容器において、
上記シール部を筒軸方向に延出して、表裏両面をタッチ面7とするパネル板6とし、そのタッチ面に、その面外方向から指で触れて認識することが可能な内容物識別マーク8を形成している。
本手段では、チューブ容器体のシール部を、内容物識別用マークの形成代として延長し、マーク表示用兼触知用のパネル板として活用することを提案している。この提案では、パネル板の面積全体をタッチ面或いは表示面として識別マークを表すことができる。これにより、触覚又は視覚がさほど敏感でない利用者でも確実に識別マークを認識できる。これは、例えば一連の2つの印と3つの印とで内容物を識別するときでも、それらの印がシール部の縁に切欠として穿設してある場合と、パネル板に穿孔として配列してある場合とでは、後者の方が読取りの間違いを起こしにくいということである。
「シール部」は、先端側に注出口を有する筒状のチューブ容器体のうち、末端(注出口と反対側の端部をいう)に存する端部である。本発明においては、識別用マークを形成するに必要な筒軸方向の長さと横巾とを有している。
「内容物識別用マーク」は、一つ又は複数の識別記号からなり、視覚及び触覚の双方によって位置、形状、サイズ或いは個数などを認識することができるものとする。触覚により識別可能とするため、内容物識別用マークは、立体的な形状を有する構造を有するものとする。一例として、シール部の適所を凹没させ、表凹裏凸或いは表凸裏凹の突起部(図示せず)としてもよい。しかしながら、視覚によって識別しやすい態様として、シール部と垂直な方向からマークの輪郭を視認できる形状とすることが好適である。例えば図1〜図5に示す貫通孔である。
「視覚及び触覚によって識別可能な」とあるのは、少なくとも視覚及び触覚によってマークの存在を認識することができる程度の大きさであることをいう。もっとも一人の人間によって視覚及び触覚双方で認識できることを要しない。触覚の発達した利用者にとっては触覚によって、通常の視覚を有する利用者は視覚によってそれぞれマークを認識することができればよい。
「パネル板」は、上記識別用マークを形成するための手段であり、表裏両面をタッチ面としている。すなわち、表側及び裏側のどちらからでも識別用マークを触知することができる。タッチ面はマーク表示面を兼ねている。パネル板は、チューブ容器体の胴部(内容物を収納している部分)と同一の材料で一体に形成されていることが望ましい。しかしながら別体であっても構わない。
第2の手段は、第1の手段を有し、かつ
上記パネル板6を、少なくともチューブ容器体2の胴部よりも屈曲しにくい厚板状としている。
本手段では、内容物識別用マークを指で触知するために有利な構造として、胴部より屈曲しにくいパネル板を提案している。これにより指をパネル板にしっかりと当接することができ、マークを触知し易い。屈曲しにくいと言っても胴部との比較の問題であり、全く屈曲しないという意味ではない。上記の構成は、具体的にはチューブ容器体形成用の筒材料を末端部で表裏2枚に重ね合せることで実現できる。
第3の手段は、第1の手段又は第2の手段を有し、かつ
上述の内容物識別用マーク8は、少なくとも個数によって内容物を識別することが可能な貫通孔10で形成している。
本手段では、内容物識別用マークを貫通孔とすることを提案している。この構成では、孔のない場所では指先に触れるパネル板の感触があり、孔のある場所では指先に触れるパネル板の感触がないのであるから、孔の個数を探知することが容易である。「少なくとも個数によって」識別できるとしたのは、例えば個数と形状との組み合わせ、個数と大きさとの組み合わせなどにより内要物を識別するパターンを含む意味である。なお、複数の貫通孔をパネル板に穿設するときには、図1又は図5の如く複数の孔を容器の巾方向に配置すると、パネル板上を巾方向にスライドするだけで全ての貫通孔を触知することができるので、好適である。
貫通孔の個数で内容物を識別するようにしたのは、孔の形や位置に比べて区別が容易だからである。従来の技術として、シール部に壁のフックなどに留めるための係止孔を設けたものが知られているが(特許文献5)、この孔には、内容物の識別という用途はない。
第4の手段は、第3の手段を有し、かつ
上記内容物識別用マーク8は、複数の貫通孔10の組み合わせにより形成される。
複数の貫通孔を組み合わせることでより多くの事柄を提供することができる。一つの孔だけであると、特許文献5の係止用孔と区別しにくいが、複数の孔をパネル板に穿設すればそういうこともない。
第5の手段に係る発明は、上述の内容物識別用マーク8は、少なくとも形状によって内容物を識別することが可能な貫通孔10で形成している。
例えば図1の如き多角形の孔と図5の如き円形の孔とで内容物を識別することができる。「少なくとも形状によって」とは、形状と個数、形状と向きなどの組み合わせを含む意味である。例えば芳香性整髪料を識別するときに、孔形は男性用、女性用の別を表わし、孔数は香りの強さ(或いは種類)を表わすなどの識別パターンが考えられる。向きを変えるときには、図1の如く複数の三角形のうちの一つ又は二以上を反転させ、それにより特別の意味を表わすようなことが可能である。また好適な一例として、貫通孔を非円形状とし、正三角形(△)と逆三角形、或いは正立正方形(□)とひし形(◇)などのパターンで識別することも考えられる。
第1の手段に係る発明によれば、次の効果を奏する。
○内容物識別用マークを視覚及び触覚で認識可能としたから、健視者及び弱視者の双方にとっても内容物の識別が可能である。
○シール部を延長して、表裏両面をタッチ面とするパネル板としたから、とくに視力又は触覚に優れた利用者でなくても、容易に内容物を識別することができる。
第2の手段に係る発明によれば、シール部を胴部よりも固くかつフラットな板部としたから、内容物識別用マークの形状及び大きさを触知し易い。
第3の手段又は第5の手段に係る発明によれば、内容物識別用マーク8を貫通孔10で形成したので、視覚でも触覚でも単なる凹凸より明瞭に認識できる。
第4の手段又は第5の手段に係る発明によれば、内容物識別用マーク8を複数の貫通孔10で形成したので、より多くの種類の内容物を識別可能となる。
図1から図5は本発明の第1の実施形態に係る内容物識別機能付きのチューブ容器を倒立状態で示している。
このチューブ容器は、チューブ容器体2とキャップ20とで形成している。まず本発明の構成のうち従来既知の部分を簡単に説明すると、チューブ容器体2は、筒状の胴部4の先端に図示しない口頸部を有しており、末端部を加熱し押し潰してパネル板6としている。キャップ20は、蓋本体22と蓋板24とを後部のヒンジで枢着し、蓋本体の裏面から、蓋本体の表側に注出口を開口する嵌合筒を垂下し、この嵌合筒を上記口頸部に嵌合している。
本発明においては、上記パネル板6は、チューブ容器体の筒軸方向Oに長く肉厚な部分である。パネル板6の表裏両面は、マーク表示面を兼ねたタッチ面7として平坦に形成するとよい。パネル板6は、チューブ容器体の胴部からタブ(摘み板)状に外方へ延びており、このパネル板6を2本の指で摘み、両指の指腹をタッチ面7に滑らせて識別用マークを認識するようにしている。パネル板6の延出巾は、平均的な利用者の指腹の長さと同程度とすることができ、そうすると指腹の全体でマークを触知することができるので、識別作業をより的確に行うことが可能となる。
上記パネル板6は、筒状のチューブ本体形成用素材の筒壁の表壁部分w及び裏壁部分wを加熱により押潰し、図2に示すように重ね合わせることにより形成することができる。また他の成形法としてブロー成形も可能である。この場合には、容器体のうちパネル板に相当するテール部分を除く部分が膨張するように金型を形成し、かつそのテール部分を打抜き冶具で打抜くことができるようにすればよい。パネル板6は、チューブ容器体の胴部、即ち内容物を収納している部分からタブ(摘み板)状に外方へ延びている。
そして押し潰した後に複数の貫通孔10を打抜きにより穿設し、これら貫通孔により内容物識別用マーク8を形成する。
図示例では、複数の打ち抜き孔を幅方向(筒軸Oと直角方向をいうものとする)への孔列として配列している。この構成では貫通孔が整然と配列しており、孔の数が一目で目に入るので、識別用マークとして好適である。また触覚により孔を探知するときには、巾方向に指をスライドさせるだけで全ての孔に触れることができ、使い勝手がよい。しかしながら、必ずしも直線状の配置に限られるわけではない。
なお、貫通孔穿設箇所以外のパネル板はシール部としての機能を有する。シール性を担保するために各貫通孔10の周囲には十分なシール代をとるとよい。図示例のように複数の貫通孔を巾方向に一列に配列し、かつ各孔の大きさを同程度とすると、パネル板の筒軸方向O両端部にシール用のアローアンスをとり易い。
上記貫通孔10の個数、位置、大きさなどを適宜組み合わせて内容物に関する事柄を識別可能とする。
例えば孔の個数で事柄を示す例を図1、図3、図4に示している。例えばヘアケア用商品であって、ハードな髪形用に図1のマークを、ソフトな髪形用に図3のマークを、中間程度の髪形に図4のマークをそれぞれ対応させるということが可能である。もう少し詳しく説明すると、この図示例では、N種の内容物を識別するときに、ほぼ同じサイズの貫通孔を、等間隔を存して巾方向に配列できるようにパネル板の大きさを設計している。そして各種内容物に対応して1からNまでの所定の個数の同寸の貫通孔をパネル板に穿設するようにしている。
また、孔の位置で事柄を示すときには、パネル板の幅方向中間部と、幅方向端部というように区別することができる。
孔の形状については、多角形を含む非円形、円形などさまざまな形を組み合わせることで事柄を表示することができる。また本実施形態では、孔の図形を筒軸方向に非対照な図形、図示例では三角形とし、一つの孔を逆三角形、他の孔を正三角形という如く向きを反転させている。図示例において図形を反転したのは、シール部上の限られたスペースに所用数の三角形を配置するためである。もっとも図形を上記の如く上下方向反転することでさらに多くの事柄を表示することも可能である。
孔の大きさは、単独では事柄を表示しにくい。特別に触覚が鋭敏な利用者でない限り、触覚から孔の大きさを確定することは困難だからである。しかしながら、例えば大きさと位置とを組み合わせることにより事柄を表すことは可能である。小円→大円→小円のように孔の列を配置するという如くである。
上記構成において、視力のよい利用者は、通常は、パネル板6に穿設した貫通孔10からなる内容物識別用マークを目視により見て内容物を識別することができる。もっともなんらかの事情でマークを目視できない場合には、パネル板6を触って内容物を識別することができる。また、視力の弱い利用者については、一般的に触覚により内容物の識別を行うことができる。この場合において、シール部は比較的固い厚板状なので指で触れても変形しにくく、確実に内容物を識別することができる。
図5は、抜打ち孔の変形例を示すものであり、貫通孔を円形としたものである。この例では多数の貫通孔をパネル板6に穿設している。このような場合には、この端部の封止が不十分にならないように、孔の面積に対して孔以外のシール部分の面積を十分にとるものとする。この貫通孔10を壁などから突出した係止棒Bに係止させることができる。
本発明の第1の実施形態に係るチューブ容器の斜視図である。 図1の容器の要部拡大断面図である。 図1の容器の変形例を示す要部正面図である。 図1の容器の他の変形例を示す要部正面図である。 図1の容器のさらに他の変形例を示す斜視図である。 従来の容器の説明斜視図である。
符号の説明
2…チューブ容器体 4…胴部 6…パネル板 7…タッチ面
8…内容物識別用マーク 10…貫通孔
20…キャップ 22…蓋本体 24…蓋板

Claims (5)

  1. 先端側に開口部を有する略筒状のチューブ容器体の末端をシール部とするとともに、このシール部に視覚及び触覚によって認識可能な内容物識別用マークを形成してなる、内容物識別機能を備えたチューブ容器において、
    上記シール部を筒軸方向に延出して、表裏両面をタッチ面7とするパネル板6とし、そのタッチ面に、その面外方向から指で触れて認識することが可能な内容物識別マーク8を形成したことを特徴とする、内容物識別機能を備えたチューブ容器。
  2. 上記パネル板6を、少なくともチューブ容器体2の胴部よりも屈曲しにくい厚板状としたことを特徴とする、請求項1に記載の内容物識別機能を備えたチューブ容器。
  3. 上述の内容物識別用マーク8は、少なくとも個数によって内容物を識別することが可能な貫通孔10で形成したことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の内容物識別機能を備えたチューブ容器。
  4. 上記内容物識別用マーク8は、複数の貫通孔10の組み合わせにより形成されることを特徴とする、請求項3記載の内容物識別機能を備えたチューブ容器。
  5. 上述の内容物識別用マーク8は、少なくとも形状によって内容物を識別することが可能な貫通孔10で形成したことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の内容物識別機能を備えたチューブ容器。

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