JP2009177021A - 多層板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の配線領域間に導体配線が形成されていない空隙領域が形成された内層材を用い、加熱加圧成形により多層板を製造するにあたり、空隙領域が形成されている箇所に適度な圧力を均一にかけることでボイドやカスレ等の不良を抑制すると共に反りの発生も防止する。
【解決手段】基材7の少なくとも一面に複数の凸部10が形成された凸部領域11が設けられた凸状部材2を、前記凸部領域11が内層材1における空隙領域9と重なるようにして、前記内層材1、樹脂シート材3及び金属箔4からなる積層物5と共に重ねる。この状態で加熱加圧成形を施す。この場合、加熱加圧成形時に凸状部材2に設けられた凸部領域11によって、空隙領域9に適度な圧力をかけることができて樹脂フローを促進する。また、複数の凸部10のうちの一部が配線領域8と重なったとしても、他の凸部10は空隙領域9と重なっているため、空隙領域9での圧力の不均一化が抑制される。
【選択図】図1

Description

本発明は、多層プリント配線板の製造などに用いられる多層板の製造方法に関するものである。
従来、外層に銅箔等の金属箔を有し、内層に導体配線を有する多層板を製造するにあたっては、導体配線を有する内層材にプリプレグを介して金属箔を重ね合わせて積層物を形成し、多数組の積層物と成形プレートとを交互に重ね合わせて組み合わせ物を形成し、この組み合わせ物を熱盤間で加熱加圧することが行われている。これにより、プレプレグを硬化させて内層材と金属箔とを一体化させ、多層板が得られる。
ところで、近年、多層プリント配線板の多機能化の要請等に伴い、多層板を製造するにあたって、導体配線が形成された領域(配線領域)が複数形成された内層材を用いることが行われている。この場合、上記のような加熱加圧成形により多層板を製造すると、配線領域間の間隙(空隙領域)では、配線領域が形成されている箇所よりも層間厚みが大きくなり、ボイド、カスレ等の発生の原因となっていた。このような不良を防止するため、例えばプリプレグの樹脂量を増やす手法、硬化時間(ゲルタイム)を長くして樹脂フローを促進する手法、成形時の昇温速度の増大や成形圧力の増大により成形時の樹脂フローを促進する手法等が採られていたが、この場合、多層板に歪み、反り、板厚ばらつき、過剰な樹脂フローに起因する加工工程での弊害の発生等の問題が生じていた。
また、このような問題の解決を図るため、上記組み合わせ物内に、空隙領域の形状と相似する凸部を有する凸状のダミー板を積層する手法も提案されている(特許文献1参照)。しかし、この場合はダミー板の凸部において過剰な圧力がかかってやはり多層板に反りが発生する場合があり、また成形時に内層材の空隙領域とダミー板の凸部との間にずれが生じると不均一な圧力がかかることでボイドやカスレ等の発生を充分に抑制することができなくなるという問題がある。
特開2001−185849号公報
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、複数の配線領域間に導体配線が形成されていない空隙領域が形成された内層材を用い、加熱加圧成形により多層板を製造するにあたり、前記空隙領域が形成されている箇所に適度な圧力を均一にかけることでボイドやカスレ等の不良を抑制すると共に反りの発生も防止することができる多層板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、絶縁層6上の同一面内に導体配線が形成された配線領域8が複数設けられていると共に、隣り合う配線領域8間に導体配線が形成されていない空隙領域9が設けられている内層材1と、金属箔4とを、樹脂シート材3を介して積層成形する多層板の製造方法であって、基材7の少なくとも一面に複数の凸部10が形成された凸部領域11が設けられた凸状部材2を、前記凸部領域11が内層材1における空隙領域9と重なるようにして、前記内層材1、樹脂シート材3及び金属箔4からなる積層物5と共に重ね、この状態で加熱加圧成形を施す工程を含むことを特徴とする。この場合、加熱加圧成形時に凸状部材2に設けられた凸部領域11によって、空隙領域9に適度な圧力をかけることができて樹脂フローを促進すると共に、複数の凸部10のうちの一部が配線領域8と重なったとしても、他の凸部10は空隙領域9と重なっているため、空隙領域9での圧力の不均一化を抑制することができる。
上記凸部10の径Dは、空隙領域9の幅Wの5〜20%の範囲であることが好ましい。この場合、凸部領域11によってかけられる圧力の更なる均一化を図ると共に、複数の凸部10のうちの一部が配線領域8と重なった場合の圧力の不均一化を更に抑制することができる。
また、上記凸部領域11の面積は、上記空隙領域9の面積の70〜100%の範囲であることが好ましい。この場合、凸部領域11によってかけられる圧力の更なる均一化を図ると共に、複数の凸部10のうちの一部が配線領域8と重なった場合の圧力の不均一化を更に抑制することができる。
また、上記凸部10の突出寸法は18μm以上であることが好ましく、またこの厚みは上記配線領域8内の導体配線の厚みに35μmを加えた厚み以下であることが好ましい。この場合、凸部領域11によってかけられる圧力の更なる適正化を図ることができる。
本発明によれば、加熱加圧成形の際、内層材1の空隙領域9が形成されている箇所に、凸状部材2の凸部領域11によって適度且つ均一な圧力をかけて樹脂フローを促進し、多層板にボイドやカスレ等の不良が生じることを抑制することができる。また、凸部領域11と空隙領域9との間にずれが生じた場合であっても、ボイドやカスレ等の不良を抑制すると共に、多層板の反りの発生を抑制することができる。
以下、本発明の実施をするための最良の形態について説明する。
図1に実施の形態の一例を示す。本発明では、配線領域8と空隙領域9が設けられている内層材1と、金属箔4とを、樹脂シート材3を介して重ねた積層物5を加熱加圧成形することで多層板を得るにあたり、凸部領域11が設けられた凸状部材2を積層物5と重ねた状態で加熱加圧成形を行う。
内層材1は、図3(a)にも示すように、絶縁層6の少なくとも一面に導体配線が形成されたものである。内層材1の具体例としては、金属箔張積層板にサブトラクティブ法等の適宜のプリント配線技術を適用して導体配線を形成したものを挙げることができる。この金属箔張積層板は絶縁基板の一面又は両面に金属箔が積層されたものである。この金属箔としては厚み18〜70μmの銅箔などが使用される。また絶縁基板はプリプレグの硬化物などで形成することができ、その厚みは例えば1.4〜1.96mmとすることができる。このプリプレグとしては、紙基材、ガラス基材(ガラスクロス、ガラスマットなど)、合成樹脂繊維基材(ポリエステル繊維、アラミド繊維など)などの補強基材に、エポキシ樹脂やフェノール樹脂、ポリイミド樹脂などの樹脂、あるいはこれを含む樹脂組成物を含浸して半硬化したものを用いることができる。
この内層材1には、導体配線が形成されている配線領域8を同一面内に複数設ける。このとき、隣り合う配線領域8の間には、導体配線が形成されていない空隙領域9が設けられる。空隙領域9の幅W(隣り合う配線領域8間の間隔に相当する)は、1〜10cmの範囲とすることができる。
また、凸状部材2は、図3(b)及び(c)にも示すように、基材7の少なくとも一面に複数の凸部10が形成された凸部領域11を設けたものである。基材7は例えば絶縁性のシート材で、凸部10は例えば金属で形成することができる。この凸状部材2は、例えば上記内層材1を作製する場合と同様に金属箔張積層板にサブトラクティブ法等の適宜のプリント配線技術を利用して、導体配線の代わりに複数の凸部10を形成することで、作製することができる。
この凸状部材2の凸部領域11は、複数の凸部10が間隔をあけて形成されている領域である。この凸部領域11は、内層材1における空隙領域9と重なる領域に設けられる。本実施形態では凸部10は平面視真円状に形成されているが、凸部10の形状はこれに限られず、多角形状や、その他適宜の形状に形成することができる。
この凸部10は、内層材1の空隙領域9に均一な圧力を加えるために、凸部領域11内に均一に分散するように形成することが好ましい。本実施形態では凸部10は千鳥状に均一に分散するように形成されている。
また、凸部10の径D(図4参照)は、空隙領域9の幅Wの5〜20%の範囲であることが好ましい。この径Dが空隙領域9の幅Wの5%に満たないと空隙領域9に充分な圧力が加わらず、ボイド、カスレ等を充分に抑制できなくなるおそれがあり、また20%を超えると内層材1の空隙領域9にかかる圧力が大きくなって多層板に反りが発生するおそれがある。また、この凸部10の径Dは特に5〜7mmの範囲であることが好ましい。この場合、特に空隙領域9に係る圧力の適正化と均一化とを図ることができる。
また、凸部領域11内で隣接する凸部10同士の間の間隔S(図4参照)は1〜5mmの範囲であることが好ましい。この場合、空隙領域9に充分に均一な圧力をかけて、不良発生を充分に抑制することができる。前記間隔Sが1mmに満たないと空隙領域9にかかる圧力が過剰となって多層板に反り等が発生するおそれが生じる。またこの間隔Sが5mmを超えると空隙領域9にかかる圧力を充分に均一にすることができず、ボイド等の不良を充分に抑制できなくなるおそれがある。
また、凸部領域11の面積に対する、この凸部領域11内の凸部10の表面の総面積の割合は、40〜70%の範囲であることが好ましい。この割合が70%を超えると空隙領域9にかかる圧力が過剰となって多層板に反り等が発生するおそれが生じる。またこの割合が40%に満たないと空隙領域9にかかる圧力を充分に均一にすることができず、ボイド等の不良を充分に抑制できなくなるおそれがある。
また、凸部領域11の面積は、空隙領域9の面積の70〜100%の範囲とすることが好ましい。このとき、凸部領域11は、空隙領域9と合致する領域16の内側に形成することが好ましい。すなわち、凸部領域11の面積が空隙領域9の面積の100%である場合には、凸部領域11は空隙領域9と合致する領域16に完全に重なり、凸部領域11の面積が空隙領域9の面積の100%未満である場合には、凸部領域11は空隙領域9と合致する領域16の内側に配置されることとなる。
このように凸部領域11の面積が空隙領域9の面積の100%以下であると、凸部領域11を空隙領域9からはみ出すことなく重ねることが可能となり、不良の発生を防止することができる。ここで、本発明では凸部領域11と空隙領域9との間にずれが生じても後述するように不良の発生を抑制することができるが、不良の発生を充分に抑制するためには、凸部領域11が空隙領域9にはみ出すことなく重なることが望ましいものである。また、凸部領域11の面積が小さいと空隙領域9に充分に均一な圧力をかけることが困難になる場合があるが、この面積が空隙領域9の面積の70%以上であると、空隙領域9に充分に均一な圧力をかけて、不良発生を充分に抑制することができる。
また、凸部10の突出寸法(厚み)は18μm以上であることが好ましく、またこの厚みは、内層材1における配線領域8内の導体配線の厚みに35μmを加えた厚み以下であることが好ましい。この場合、凸部領域11によって空隙領域9にかけられる圧力の更なる適正化を図ることができる。ここで、前記厚みが18μmに満たないと凸部領域11によって空隙領域9にかけられる圧力が小さくなってボイドやカスレ等の不良の発生を充分に抑制することができなくなるおそれがあり、また導体配線の厚みに35μmを加えた厚みを超えると、空隙領域9にかかる圧力が大きくなって多層板の反りを充分に抑制することができなくなるおそれがある。
また、樹脂シート材3及び金属箔4としては、多層プリント配線板の製造に使用可能なものであれば適宜のものを使用することができる。
このうち、樹脂シート材3としては、半硬化状態の熱硬化性樹脂をシート状に成形したものを挙げることができる。その一例として、プリプレグを挙げることができる。具体的には、上記の内層材1を製造するためのプリプレグと同様のものを用いることができる。このとき、特にプリプレグを構成する基材としてガラス基材を、樹脂としてエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂などの樹脂を、それぞれ用いるのが好ましい。また、このプリプレグの樹脂量は40〜75%、厚みは0.04〜0.2mmのものを使用することができる。またプリプレグは複数枚重ねたものを使用することができる。
また、金属箔4としては、例えば上記内層材1の製造に使用される金属箔と同様のものを用いることができる。特に厚み5〜70μmの銅箔を用いることが好ましい。
また、加熱加圧成形時には、通常の多層プリント配線板の成形と同様に、成形プレート15やクッション材13を使用することができる。
成形プレート15としては、例えばステンレス鋼製のものを使用することができる。この場合、成形プレート15の厚みは1.0〜2.0mmが好ましい。
クッション材13としては、例えばクラフト紙を1枚あるいは複数枚重ねたものを挙げることができる。この場合、クッション材13の厚みは2〜4mmが好ましい。
そして、本発明では多層板を以下の方法で製造することができる。
まず、内層材1における導体配線が形成されている面に、プリプレグ等の樹脂シート材3を介して金属箔4を重ね合せて、積層物5を構成する。図1に示す実施形態では内層材1の両面に導体配線が形成されているため、内層材1の両側にそれぞれ樹脂シート材3及び金属箔4を配置することができる。このとき内層材1と金属箔4の間に介在させる樹脂シート材3は一枚であっても良いし、2〜5枚程度の複数枚であっても良い。
次に、積層物5、凸状部材2、及び成形プレート15を重ね合わせて、上下多段の組み合わせ物12を形成する。このとき、積層物5又は凸状部材2と、成形プレート15とを交互に重ね合せる。また、この組み合わせ物12の積層方向の両端には成形プレート15が配置されるようにする。成形プレート15間における凸状部材2が配置される箇所では、成形プレート15間に凸状部材2をそのまま配置しても良いが、成形プレート15と凸状部材2との間に離型シートを介在させても良く、また積層物5と同様に成形プレート15と凸状部材2との間に樹脂シート材3及び金属箔4を介在させても良い。
このとき組み合わせ物12内の凸状部材2は、内層材1の空隙領域9にかかる圧力を適性化できる範囲内で適宜の個数配置される。このような範囲内であれば、組み合わせ物12内で積層物5と凸状部材2とを交互に配置しても良く、また凸状部材2の間に二つ又はそれ以上の複数の積層物5が配置されるようにしても良い。図1に示す実施形態では、組み合わせ物12の積層方向の両端における各成形プレート15間にそれぞれ凸状部材2を配置すると共に、組み合わせ物12内で凸状部材2同士の間に二つの積層物5が配置されるようにしている。
このように組み合わせ物12内に凸状部材2を配置する際は、凸状部材2の凸部領域11と内層材1の空隙領域9とが重なるようにする。図1に示す実施形態では、内層材1として両面に二つの配線領域8が形成されると共に表裏の同一位置に同一寸法の空隙領域9が形成されたものを用いているので、凸状部材2としては、前記空隙領域9に応じた一つの凸部領域11が両面にそれぞれ形成されたものを用い、この凸部領域11が空隙領域9と重なるように配置されている。尚、組み合わせ物12の両端に配置されている凸状部材2については、この凸状部材2の外側には内層材1が配置されないため、凸状部材2の両面のうち内側にのみ凸部領域11が形成されたものを用いても良い。
また、内層材1における空隙領域9の位置、寸法、数が変更された場合には、それに応じて凸状部材2に形成される凸部領域11の位置、寸法、数も変更する。例えば図2(a)や図2(b)では内層材1の両面にそれぞれ二つの空隙領域9が形成されるため、それに応じて凸部領域11として一面又は両面にそれぞれ二つの凸部領域11が形成されたものを用いる。また、図2(c)のように内層材1の一面には二つの空隙領域9が形成され、他面には配線領域8は一つのみで、空隙領域9が形成されていない場合には、内層材1の空隙領域9が形成されている面側に配置される凸状部材2については、前記内層材1側の面に空隙領域9に対応する二つの凸部領域11を形成し、内層材1の空隙領域9が形成されていない面側に配置される凸状部材2については、前記内層材1側の面に凸部領域11を形成しないようにしている。
このように構成される組み合わせ物12の上下の両端の外側にそれぞれクッション材13を配置し、これを図1に示すように上下一対の熱盤14,14の間に配置し、熱盤14,14で挟持して加熱加圧成形する。この加熱加圧成形により、樹脂シート材3を硬化させて絶縁層6を形成すると共にこの絶縁層6を介して内層材1と金属箔4とを接合することによって、多層板を形成することができる。ここで、加熱加圧成形の条件は一度に製造する多層板の枚数や樹脂シート材3の硬化温度や内層材1の厚みなどに応じて適宜設定可能であるが、例えば、温度120〜200℃、圧力0.49〜4.9MPa、時間130〜200分とすることができる。この後、冷却すると共に熱盤14,14の間から多層板を取り出すことによって成形を終了する。
本発明では、上記のように加熱加圧成形時に凸状部材2を、内層材1、樹脂シート材3及び金属箔4からなる積層物5と共に重ねている。このため、凸状部材2に形成された凸部領域11によって内層材1における空隙領域9が形成されている箇所に適度な圧力を均一にかけることができる。その結果、加熱加圧成形時に、樹脂シート材3に起因する溶融樹脂が空隙領域9へ流入することを促進し、多層板におけるボイドやカスレ等の不良の発生を抑制することができる。また、凸部領域11には複数の凸部10が分散して形成されているため、空隙領域9にかかる圧力が過剰になることを防止することができ、その結果、多層板に反り等の不良が発生することも抑制することができる。
また、加熱加圧成形時に内層材1の空隙領域9と凸状部材2の凸部領域11との間で位置ずれが生じたとしても、上記の通り凸部領域11には複数の凸部10が分散して形成されているため、凸部10と配線領域8とが重なる結果生じる空隙領域9での圧力の不均一化は限定的なものとなる。このため、前記位置ずれが生じても多層板におけるボイドやカスレ等の不良の発生を充分に抑制することができると共に、多層板の反りの発生も充分に抑制することが可能となる。
以下、実施例を提示することにより、本発明を更に詳述する。
(実施例1〜15)
松下電工株式会社製の両面銅張積層板(品番R1766)を用い、この両面にエッチング処理を施して導体配線を形成して、内層材1を得た。この内層材1は、平面視寸法500mm×400mm、厚み1mm絶縁層6の両面に、厚み35μmの導体配線が形成されたものである。またこの内層材1の両面にはそれぞれ二つの配線領域8を形成すると共に、各配線領域8間に幅30mm、長さ380mmの空隙領域9を形成した。
また、凸状部材2としては、松下電工株式会社製の両面銅張積層板(品番R1766)の両面にエッチング処理を施して複数の凸部10を形成したものを用いた。このとき凸部10は、凸部領域11内で千鳥状に均一に分散するように形成した。各実施例における凸部10及び凸部領域11の構成は、表1に示す通りである。
また、樹脂シート材3としては、松下電工株式会社製のプリプレグ(R1661GG0.1)を1枚用いた。
また、金属箔4としては厚み18μmの銅箔を、成形プレート15としてはSUS301製、厚み1.0mmのものを、クッション材13としては一枚当たり190g/m2のクラフト紙を六枚重ねて一セットとしたものを、それぞれ用いた。
そして、内層材1の両側に樹脂シート材3及び金属箔4を重ねた積層物5、凸状部材2、及び成形プレート15を重ねて、組み合わせ物12を構成した。このとき一つの凸状部材2、五つの積層物5、一つの凸状部材2、五つの積層物5、一つの凸状部材2の順で、積層物5及び凸状部材2を成形プレート15を介して重ね合わせ、更に上下の両端に成形プレート15を配置した。このとき実施例5では凸状部材2を意図的にずらして凸状部材2の凸部領域11が積層物5中の内層材1の空隙領域9からはみ出してこの凸部領域11の幅1.5mmの部分(面積570mm2)が配線領域8に重なるようにし、また実施例11では凸状部材2の凸部領域11の面積が積層物5中の内層材1の空隙領域9の面積よりも大きいため、凸状部材2の凸部領域11は必然的に積層物5中の内層材1の空隙領域9からはみ出して凸部領域11の一部が配線領域8と重なった。それ以外の実施例では、凸状領域が空隙領域9からはみ出すことなく重なるようにした。
次に、この組み合わせ物12の上下にクッション材13を配置し、熱盤14,14間で加熱加圧成形した。この成形時には、まず熱盤14,14を成形開始時から5分間かけて50℃から120℃に昇温し、次に120℃の温度を10分間維持し、次に30分間かけて120℃から180℃に昇温し、次に180℃の温度に維持した。また、まず熱盤14,14から組み合わせ物12にかけられる圧力は、成形開始時から20分間は約0.5MPa(5kg/cm2)に維持し、次に10分間かけて約0.5MPa(5kg/cm2)から約2.9MPa(30kg/cm2)に昇圧し、次に成形終了まで約2.9MPa(30kg/cm2)に維持した。
上記成形終了後、熱盤14,14を冷却してから、多層板を取り出した。
(比較例1)
実施例1において、凸状部材2には、凸部領域11全体に亘る一つの凸部10を形成した。それ以外は実施例1と同一の条件で、多層板を作製した。
(比較例2)
比較例1において、凸状部材2を意図的にずらして凸状部材2の凸部10が積層物5中の内層材1の空隙領域9からはみ出してこの凸部10の幅1.5mmの部分(面積570mm2)が配線領域8に重なるようにした。それ以外は比較例1と同一の条件で、多層板を作製した。
(評価試験)
各実施例及び各比較例で製造された多層板の反りを、静置法(JIS C6481 5.22)で測定した。
また、この各多層板の空隙領域9における絶縁層6内のボイドの個数及びこのボイドの最大寸法を、顕微鏡観察により測定した。
これらの結果を表1に示す。この結果から明らかなように、空隙領域9と相似する形状を有する凸部10を形成した比較例1,2に対して、複数の凸部10からなる凸部領域11を形成した実施例1〜15では、ボイドの発生の抑制と反りの発生の抑制とを為すことができた。
本発明の実施の形態の一例を示す概略の断面図である。 (a)乃至(c)は本発明の他の実施形態における積層物と凸状部材との重ね合わせ構造を示す概略の断面図である。 (a)は内層材の例を示す平面図、(b)及び(c)は凸状部材の例を示す平面図である。 凸状部材における凸部の配列の例を示す平面図である。
符号の説明
1 内層材
2 凸状部材
3 樹脂シート材
4 金属箔
5 積層物
6 絶縁層
7 基材
8 配線領域
9 空隙領域
10 凸部
11 凸部領域
D 径
W 幅

Claims (4)

  1. 絶縁層上の同一面内に導体配線が形成された配線領域が複数設けられていると共に、隣り合う配線領域間に導体配線が形成されていない空隙領域が設けられている内層材と、金属箔とを、樹脂シート材を介して積層成形する多層板の製造方法であって、
    基材の少なくとも一面に複数の凸部が形成された凸部領域が設けられた凸状部材を、前記凸部領域が内層材における空隙領域と重なるようにして、前記内層材、樹脂シート材及び金属箔からなる積層物と共に重ね、この状態で加熱加圧成形を施す工程を含むことを特徴とする多層板の製造方法。
  2. 上記凸部の径が、空隙領域の幅の5〜20%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の多層板の製造方法。
  3. 上記凸部領域の面積が、上記空隙領域の面積の70〜100%の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層板の製造方法。
  4. 上記凸部の突出寸法が、18μm以上であり、且つ上記配線領域内の導体配線の厚みに35μmを加えた厚み以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の多層板の製造方法。
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