JP2008137291A - 積層板の製造方法 - Google Patents

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Akihiko Tadamasa
明彦 忠政
Tomoyuki Abe
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Abstract

【課題】板厚の均一な積層板を得ることができる積層板の製造方法を提供する。
【解決手段】プリプレグ1、1…を複数枚重ねた積層体2あるいはプリプレグ1、1…と回路板3と重ねた積層体2を成形プレート4、4に挟んで被圧体5とする。この被圧体5を熱盤6、6間に挿入する。加熱、及び加圧する。上記成形プレート4、4の周端部4a、4a間に支持体7を挿入して成形する。成形プレート4の周端部4aが垂れ下がるのを防止することができると共に積層体2の周端部にかかる圧力を軽減することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器、電気機器に用いられる積層板の製造方法に関するものであって、プリント配線板や多層プリント配線板を製造する際に好適に用いられるものに関する。
従来から、基材に樹脂を含浸しプリプレグを作製し、このプリプレグを複数枚重ねた積層体を、厚みが均一な二枚の成形プレートに挟んで被圧体とし、この被圧体を二枚の熱盤間に挿入し、加熱、及び加圧して積層板を得る方法が知られている。しかし、被圧体を作製した際に、成形プレートの周端部が垂れ下がって積層体の周端部を押圧し、積層体の周囲よりプリプレグの樹脂が流出するため、積層板の周端部(周縁部)の板厚が中央部よりも薄くなる欠点があった。また、加熱加圧の際、積層体の周囲よりプリプレグの樹脂が流出するため、積層板の周端部(周縁部)の板厚が中央部よりも薄くなる欠点があった。さらに、回路形成後の銅張り積層板である回路板とプリプレグとを組み合わせて、加熱、及び加圧して積層板(多層プリント配線板)を作製する場合も上記と同様の理由で、積層板の周端部の板厚が中央部よりも薄くなる欠点があった。
この欠点の解決策として、厚みが中央部より周端部の方が薄い成形プレートを用いる方法や更にプリプレグの樹脂含有量が中央部よりも周端部の方を多くすることが提案されているが(例えば、特許文献1参照)、これらの方法では実際に積層板の周端部が薄くなる欠点を解決できなかった。
特開平8−198982号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、板厚の均一な積層板を得ることができる積層板の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る積層板の製造方法は、プリプレグ1、1…を複数枚重ねた積層体2あるいはプリプレグ1、1…と回路板3と重ねた積層体2を成形プレート4、4に挟んで被圧体5とし、この被圧体5を熱盤6、6間に挿入し、加熱、及び加圧する積層板の製造方法であって、上記成形プレート4、4の周端部4a、4a間に支持体7を挿入して成形することを特徴とするものである。
本発明の請求項2に係る積層板の製造方法は、請求項1において、支持体7がバネであることを特徴するものである。
本発明の請求項3に係る積層板の製造方法は、請求項1において、支持体7がプリプレグ1と同じ材質であることを特徴するものである。
請求項1の発明では、支持体7により成形プレート4の周端部4aを支持することで、成形プレート4の周端部4aが垂れ下がるのを防止することができると共に積層体2の周端部にかかる圧力を軽減することができ、積層体2の周囲よりプリプレグ1の樹脂が流出するのを防止して板厚の均一な積層板を得ることができるものである。
請求項2の発明では、支持体7のバネにより成形プレート4の周端部4aを弾性的に支持することで、成形プレート4の周端部4aが垂れ下がるのを防止することができると共に積層体2の周端部にかかる圧力を軽減することができ、積層体2の周囲よりプリプレグ1の樹脂が流出するのを防止して板厚の均一な積層板を得ることができるものである。
請求項3の発明では、支持体7としてプリプレグ1の切れ端や不良品を利用することができ、経済的に有利となるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明で用いるプリプレグ1は、基材に樹脂を含浸し、含浸した樹脂を半硬化して形成することができる。基材としては、例えばガラス、アスベスト等の無機繊維やポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、アクリル等の有機合成繊維や木綿等の天然繊維からなる織布、不織布、マット或いは紙又はこれらを組み合わせて用いることができる。また、含浸させる樹脂としては、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂等の単独、変成物、混合物等を用いることができる。また、含浸させる樹脂にアセトン、メチルアルコール、水等の溶剤、硬化剤、充填剤等を必要に応じて適宜添加し、樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスの状態で基材に含浸することが汎用されている。
そして、本発明では上記のプリプレグ1を用いて以下のようにして積層板を成形する。まず、複数枚のプリプレグ1、1…を上下に重ね、必要に応じて、銅箔等の金属箔10を重ねたプリプレグ1、1…の上側及び下側にさらに重ねて積層体2を作製する。ここで、重ねたプリプレグ1、1…の上側又は下側の一方のみに金属箔10を重ねると、片面金属箔張り積層板の製造することができ、重ねたプリプレグ1、1…の上側と下側の両方に金属箔10、10を重ねると、両面金属箔張り積層板の製造することができる。
次に、上記の積層体2と成形プレート4とを交互に積み重ねることにより複数枚の積層体2、2…と成形プレート4、4…からなる被圧体5を作製する。尚、図1では一部の積層体2と成形プレート4とを点線で示し、図示を省略している。この被圧体5では積層体2が上下二枚の成形プレート4、4で挟まれた状態となる。成形プレート4は、積層板より剛性が高い、ステンレス、鉄、アルミニウム、ニッケル等の単独、合金からなる、例えば鏡板を用いることができる。また、被圧体5を形成したときに、上下に隣り合う成形プレート4、4の対向する周端部4a、4aの間には支持体7を介在させるようにする。支持体7としては成形プレート4の周端部4aを支持して垂れ下がるのを防止するものであれば何でも良いが、例えば、板バネやコイルバネのような弾性体であるバネを用いることができる。そして、支持体7で成形プレート4の周端部4aの垂れ下がりを防止することで、積層体2の周端部が成形プレート4の周端部4aで押えられるのを防止し、積層体2の周囲よりプリプレグ1の樹脂が流出するのを防止することができる。
次に、積層体2と成形プレート4とを多段に重ねた上記の被圧体5を、上下に対向配置された熱盤6、6間に挿入し、この後、熱盤6、6で被圧体5を上下に挟んで加熱、加圧する。この加熱加圧により、積層体2のプリプレグ1の樹脂を硬化させて絶縁層を形成すると共にこの硬化により絶縁層と金属箔とを一体化して積層板を形成することができる。そして、本発明では、この加熱加圧の際に、支持体7により成形プレート4の周端部4aを支持することで、積層体2の周端部にかかる圧力を軽減することができる。加熱加圧の条件はプリプレグ1の樹脂の組成や厚み、被圧体5の厚みなどによって適宜調整可能であるが、例えば、圧力9.8MPa(100kgf/cm)、温度150℃、時間60分とすることができる。
本発明で得られた積層板は、支持体7により成形プレート4の周端部4aが垂れ下がるのを防止することができると共に積層体2の周端部にかかる圧力を軽減することができ、積層体2の周囲よりプリプレグ1の樹脂が流出するのを防止して均一な板厚とすることができる。そして、この積層板の金属箔10に回路形成を施すことにより、プリント配線板を形成することができる。
図2に本発明の他の実施の形態を示す。上記の図1の実施の形態では積層体2をプリプレグ1と金属箔10とで形成したが、この実施の形態では、プリプレグ1と回路板3と金属箔10とで積層体2を形成している。その他の構成は図1のものと同様である。すなわち、回路板3の上面及び下面に一枚あるいは複数枚のプリプレグ1を重ね、このプリプレグ1の上側及び下側に金属箔10を重ねるようにして積層体2を形成している。ここで、回路板3としては片面または両面銅張り積層板などに回路形成を施して、絶縁層の表面に回路(パターン)を有するものを用いることができる。回路板3の回路は上面と下面の両方に形成されていても、上面又は下面の片方に形成されていてもいずれでもよい。また、金属箔10は必要に応じて用いることができ、例えば、回路が回路板3の片面のみに形成されて、もう一方の片面の全面が金属層である場合は、金属箔10は必要でない。
そして、回路板3を用いて積層体2を形成した場合も、上記と同様にして積層板を製造する。すなわち、積層体2と成形プレート4とを交互に積み重ねることにより複数枚の積層体2、2…と成形プレート4、4…からなる被圧体5を作製する。尚、図2では一部の積層体2と成形プレート4とを点線で示し、図示を省略している。この被圧体5にも上下に隣り合う成形プレート4、4の対向する周端部4a、4aの間には支持体7を介在させるようにする。次に、被圧体5を上下に対向配置された熱盤6、6間に挿入し、この後、熱盤6、6で被圧体5を上下に挟んで加熱、加圧する。このようにして内層の回路と外層の金属箔10を有する多層の積層板を得ることができ、外層の金属箔10に回路形成を施すことにより多層プリント配線板を形成することができる。
図3に他の実施の形態を示す。上記の図1の実施の形態では支持体7をバネで形成したが、この実施の形態では、バネの代わりに、支持体7としてプリプレグ1と同じ材質のものを用いるようにしている。その他の構成は図1と同様である。このような支持体7は、例えば、プリプレグ1の切れ端(裁断くず)や不良品を利用することができ、これら切れ端や不良品を適当な大きさに切断して所定の枚数重ねて支持体7を形成することができる。もちろん、プリプレグ1の切れ端や不良品を利用するだけでなく、プリプレグ1を作製する材料を用いて別途支持体7を形成することもできる。
そして、支持体7をプリプレグ1と同じ材質で形成した場合も、上記と同様にして積層板を製造する。すなわち、積層体2と成形プレート4とを交互に積み重ねることにより複数枚の積層体2、2…と成形プレート4、4…からなる被圧体5を作製する。尚、図3では一部の積層体2と成形プレート4とを点線で示し、図示を省略している。この被圧体5にも上下に隣り合う成形プレート4、4の対向する周端部4a、4aの間に支持体7を介在させるようにする。次に、被圧体5を上下に対向配置された熱盤6、6間に挿入し、この後、熱盤6、6で被圧体5を上下に挟んで加熱、加圧する。このようにして上記と同様の積層板を得ることができる。
図4に他の実施の形態を示す。この実施の形態では、上記の図2の実施の形態において、支持体7としてバネの代わりに、図3のものと同様にプリプレグ1と同じ材質のものを用いるようにしている。その他の構成は図2と同様である。また、図4では一部の積層体2と成形プレート4とを点線で示し、図示を省略している。
本発明の実施の形態の一例を示し、一部を省略した概略図である。 本発明の他の実施の形態の一例を示し、一部を省略した概略図である。 本発明の他の実施の形態の一例を示し、一部を省略した概略図である。 本発明の他の実施の形態の一例を示し、一部を省略した概略図である。
符号の説明
1 プリプレグ
2 積層体
3 回路板
4 成形プレート
4a 周端部
5 被圧体
6 熱盤
7 支持体

Claims (3)

  1. プリプレグを複数枚重ねた積層体あるいはプリプレグと回路板と重ねた積層体を成形プレートに挟んで被圧体とし、この被圧体を熱盤間に挿入し、加熱、及び加圧する積層板の製造方法であって、上記成形プレートの周端部間に支持体を挿入して成形することを特徴とする積層板の製造方法。
  2. 支持体がバネであることを特徴とする請求項1に記載の積層板の製造方法。
  3. 支持体がプリプレグと同じ材質であることを特徴とする請求項1に記載の積層板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105216361A (zh) * 2015-11-10 2016-01-06 张沙 复合板成型机
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