JP2012195528A - フレキシブルプリント配線板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】内層のフレキシブル基板を撓みにくくすることができるフレキシブルプリント配線板の製造方法を提供する。
【解決手段】フレキシブル基板1が、その片面又は両面に導体パターン2を設けて矩形状に形成される。金属箔付き樹脂シート3が、少なくとも縦及び横のいずれかの長さが前記フレキシブル基板1の縦又は横の長さよりも短い矩形状の樹脂層4を、前記樹脂層4の縦及び横の長さと同じ長さ以上の縦及び横を有する矩形状の金属箔5に設けて形成される。前記金属箔付き樹脂シート3の前記樹脂層4の少なくとも縦及び横のいずれかの両端から前記フレキシブル基板1がはみ出すように、前記フレキシブル基板1の前記導体パターン2が設けられた面に前記金属箔付き樹脂シート3の前記樹脂層4を重ねて積層する。この両外側に前記金属箔5と同じ大きさ以上の離型用金属箔6を積層する。この積層物7を2枚の金属板8で挟んで加熱加圧して積層成形する。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種電子機器に用いられるフレキシブルプリント配線板の製造方法に関するものである。
従来、フレキシブルプリント配線板として、金属張りフレキシブル積層板が知られている(例えば、特許文献1参照)。この金属張りフレキシブル積層板は、樹脂付き金属箔が接着性樹脂層においてフレキシブル基板と積層一体化されて形成されている。そして、この金属張りフレキシブル積層板は、図6(a)に示すように、フレキシブル基板1の導体パターン2が設けられた面に樹脂付き金属箔(金属箔付き樹脂シート3)の接着性樹脂層(樹脂層4)を重ねて積層し、この積層物7を2枚の金属板8で挟んで加熱加圧して積層成形することによって製造することができる。
特開2009−78209号公報
しかし、従来のフレキシブルプリント配線板の製造方法では、図6(b)に示すように、内層のフレキシブル基板1が波打つように撓んでしまうという問題があった。このようにフレキシブル基板1が撓んでいると、内層の導体パターン2と外層の金属箔5とが近接する箇所が増え、フレキシブルプリント配線板の絶縁性が低下してしまう。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、内層のフレキシブル基板を撓みにくくすることができるフレキシブルプリント配線板の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係るフレキシブルプリント配線板の製造方法は、フレキシブル基板が、その片面又は両面に導体パターンを設けて矩形状に形成され、金属箔付き樹脂シートが、少なくとも縦及び横のいずれかの長さが前記フレキシブル基板の縦又は横の長さよりも短い矩形状の樹脂層を、前記樹脂層の縦及び横の長さと同じ長さ以上の縦及び横を有する矩形状の金属箔に設けて形成され、前記金属箔付き樹脂シートの前記樹脂層の少なくとも縦及び横のいずれかの両端から前記フレキシブル基板がはみ出すように、前記フレキシブル基板の前記導体パターンが設けられた面に前記金属箔付き樹脂シートの前記樹脂層を重ねて積層し、この両外側に前記金属箔と同じ大きさ以上の離型用金属箔を積層し、この積層物を2枚の金属板で挟んで加熱加圧して積層成形することを特徴とするものである。
本発明に係るフレキシブルプリント配線板の製造方法は、フレキシブル基板が、その片面又は両面に導体パターンを設けて矩形状に形成され、金属箔付き樹脂シートが、少なくとも縦及び横のいずれかの長さが前記フレキシブル基板の縦又は横の長さよりも短い矩形状の樹脂層を、前記樹脂層の縦及び横の長さと同じ長さ以上の縦及び横を有する矩形状の金属箔に設けて形成され、耐熱離型コート金属箔が、前記金属箔付き樹脂シートの前記金属箔と同じ大きさ以上の金属箔の両面に耐熱離型樹脂を塗工して形成され、前記金属箔付き樹脂シートの前記樹脂層の少なくとも縦及び横のいずれかの両端から前記フレキシブル基板がはみ出すように、前記フレキシブル基板の前記導体パターンが設けられた面に前記金属箔付き樹脂シートの前記樹脂層を重ねて積層し、この両外側に前記金属箔付き樹脂シートの前記金属箔と同じ大きさ以上の耐熱性シート材を積層し、さらに前記耐熱性シート材に前記耐熱離型コート金属箔を重ねて積層し、この積層物を2枚の金属板で挟んで加熱加圧して積層成形することを特徴とするものである。
本発明に係るフレキシブルプリント配線板の製造方法は、フレキシブル基板が、その片面又は両面に導体パターンを設けて矩形状に形成され、金属箔付き樹脂シートが、少なくとも縦及び横のいずれかの長さが前記フレキシブル基板の縦又は横の長さよりも長い矩形状の樹脂層を、前記樹脂層の縦及び横の長さと同じ長さ以上の縦及び横を有する矩形状の金属箔に設けて形成され、前記フレキシブル基板の少なくとも縦及び横のいずれかの両端から前記樹脂層がはみ出すように、前記フレキシブル基板の前記導体パターンが設けられた面に前記金属箔付き樹脂シートの前記樹脂層を重ねて積層し、この両外側に前記金属箔と同じ大きさ以上の離型用金属箔を積層し、この積層物を2枚の金属板で挟んで加熱加圧して積層成形することを特徴とするものである。
本発明に係るフレキシブルプリント配線板の製造方法は、フレキシブル基板が、その片面又は両面に導体パターンを設けて矩形状に形成され、金属箔付き樹脂シートが、少なくとも縦及び横のいずれかの長さが前記フレキシブル基板の縦又は横の長さよりも長い矩形状の樹脂層を、前記樹脂層の縦及び横の長さと同じ長さ以上の縦及び横を有する矩形状の金属箔に設けて形成され、前記フレキシブル基板の少なくとも縦及び横のいずれかの両端から前記樹脂層がはみ出すように、前記フレキシブル基板の前記導体パターンが設けられた面に前記金属箔付き樹脂シートの前記樹脂層を重ねて積層し、この両外側に前記金属箔と同じ大きさ以上の離型用金属箔を積層し、この積層物を2枚の金属板で挟んで加熱加圧して積層成形することを特徴とするものである。
本発明によれば、内層のフレキシブル基板を撓みにくくすることができるものである。
本発明に係るフレキシブルプリント配線板の製造方法の一例を示すものであり、(a)は加熱加圧前の断面図、(b)は加熱加圧後の断面図である。 本発明に係るフレキシブルプリント配線板の製造方法の他の一例を示すものであり、(a)は加熱加圧前の断面図、(b)は加熱加圧後の断面図である。 本発明に係るフレキシブルプリント配線板の製造方法の他の一例を示すものであり、(a)は加熱加圧前の断面図、(b)は加熱加圧後の断面図である。 本発明に係るフレキシブルプリント配線板の製造方法の他の一例を示すものであり、(a)は加熱加圧前の断面図、(b)は加熱加圧後の断面図である。 本発明に係るフレキシブルプリント配線板を多段式成形プレス装置を用いて製造する方法の一例を示す断面図である。 従来のフレキシブルプリント配線板の製造方法の一例を示すものであり、(a)は加熱加圧前の断面図、(b)は加熱加圧後の断面図である。 従来のフレキシブルプリント配線板の製造方法の他の一例を示すものであり、(a)は加熱加圧前の断面図、(b)は加熱加圧後の断面図である。 従来のフレキシブルプリント配線板の製造方法の他の一例を示すものであり、(a)は加熱加圧前の断面図、(b)は加熱加圧後の断面図である。 従来のフレキシブルプリント配線板の製造方法の他の一例を示すものであり、(a)は加熱加圧前の断面図、(b)は加熱加圧後の断面図である。 従来のフレキシブルプリント配線板の製造方法の他の一例を示すものであり、(a)は加熱加圧前の断面図、(b)は加熱加圧後の断面図である。 従来のフレキシブルプリント配線板を多段式成形プレス装置を用いて製造する方法の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(実施形態1)
本実施形態のフレキシブルプリント配線板の製造方法の一例を図1に示す。この方法ではまず、次のようなフレキシブル基板1、金属箔付き樹脂シート3、離型用金属箔6及び金属板8を用意する。
すなわち、フレキシブル基板1としては、その片面又は両面に導体パターン2を設けて矩形状に形成されたものを用いる。このようなフレキシブル基板1は、矩形状の片面又は両面金属張積層板にフォトエッチング法を使用して製造することができる。片面又は両面金属張積層板としては、例えば、ポリイミドフィルム又はポリエステルフィルム等の絶縁フィルム(厚さ5〜50μm)の片面又は両面に銅箔等の金属箔(厚さ5〜175μm)を設けて形成されたものを用いることができる。フレキシブル基板1の大きさは250〜510mm×250〜615mmであることが好ましい。なお、以下ではフレキシブル基板1としてその両面に導体パターン2を設けて形成されたものを用いる場合について説明する。
また金属箔付き樹脂シート3としては、矩形状の樹脂層4(厚さ12〜200μm)をBステージ状態(半硬化状態)で矩形状の銅箔等の金属箔5(厚さ5〜175μm)に設けて形成されたものを用いる。樹脂層4は、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を金属箔5の片面に塗布し、これをBステージ状態まで加熱乾燥して設けることができる。ただし、樹脂層4の少なくとも縦及び横のいずれかの長さはフレキシブル基板1の縦又は横の長さよりも短い。図1では樹脂層4の横の長さがフレキシブル基板1の横の長さよりも短くしているが、樹脂層4の縦の長さがフレキシブル基板1の縦の長さよりも短くしてもよく、さらに樹脂層4の縦及び横の長さがフレキシブル基板1の縦及び横の長さよりも短くしてもよい。また金属箔5は、樹脂層4の縦及び横の長さと同じ長さ以上の縦及び横を有している。これは、金属箔5の縦及び横の長さが樹脂層4の縦及び横の長さよりも長い場合、金属箔5の縦の長さが樹脂層4の縦の長さよりも長く、金属箔5の横の長さが樹脂層4の横の長さと同じである場合、金属箔5の縦の長さが樹脂層4の縦の長さと同じで、金属箔5の横の長さが樹脂層4の横の長さよりも長い場合、金属箔5の縦及び横の長さが樹脂層4の縦及び横の長さと同じである場合を意味する。樹脂層4の大きさは240〜500mm×250〜615mmであることが好ましく、金属箔5の大きさは250〜510mm×250〜615mmであることが好ましい。そして、樹脂層4は、この樹脂層4の四辺から金属箔5がはみ出し、樹脂層4の四辺と金属箔5の四辺とがそれぞれ平行となるように設けられている。金属箔付き樹脂シート3において、金属箔5は5〜10mm程度樹脂層4からはみ出しているのが好ましい。
また離型用金属箔6としては、金属箔付き樹脂シート3の金属箔5と同じ大きさ以上の銅箔等の金属箔(厚さ5〜175μm)を用いることができる。
また金属板8としては、離型用金属箔6よりも大きなSUS301等のステンレス(厚さ0.7〜2.5mm)を用いることができる。
次に、金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4の少なくとも縦及び横のいずれかの両端からフレキシブル基板1がはみ出すように、フレキシブル基板1の導体パターン2が設けられた面に金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4を重ねて積層する。図1では金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4の横の両端からフレキシブル基板1がはみ出すようにしているが、金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4の縦の両端からフレキシブル基板1がはみ出すようにしてもよく、さらに金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4の四辺からフレキシブル基板1がはみ出すようにしてもよい。フレキシブル基板1は5〜10mm程度樹脂層4からはみ出しているのが好ましい。
そして、図1に示すように、フレキシブル基板1に金属箔付き樹脂シート3を積層し、この両外側に離型用金属箔6を積層し、この積層物7を2枚の金属板8で挟んで加熱加圧して積層成形することによって、フレキシブルプリント配線板を製造することができる。このときの積層成形は、13.3kPa以下の真空下において、170〜195℃、2.0〜3.0MPa、60〜100分の条件で行うことが好ましい。
また上記の積層成形は、図5に示すような上下の熱板11,12を備えて形成された多段式成形プレス装置を用いて行うことができる。すなわち、下の熱板12の上面に搬送板13を設置し、この搬送板13の上面にクラフト紙等のクッション材14を設置した後、このクッション材14の上面に金属板8を介して上記の積層物7を複数段設置する。そして、最上段の積層物7の金属板8の上面にクッション材14を設置した後、このクッション材14に上の熱板11を近接させ、上下の熱板11,12で複数の積層物7を加熱加圧して積層成形することによって、一度に複数枚のフレキシブルプリント配線板を製造することができる。このときの積層成形も上記と同様の条件で行うことが好ましい。なお、積層成形が終了すると、上下の熱板11,12を離間させ、複数枚のフレキシブルプリント配線板を搬送板13上に載せたままこの搬送板13を次の工程(例えば外層の導体パターンを形成する工程)の場所に搬送する。
上記のように、本実施形態では図1に示すような状態で加熱加圧するので、金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4から一部の樹脂15が、フレキシブル基板1が収縮する向きとは逆向きである周囲に溶け出し、さらにこの樹脂15を介して金属箔付き樹脂シート3の金属箔5及び離型用金属箔6の両端でフレキシブル基板1の両端が押さえつけられる。これによってフレキシブルプリント配線板において内層のフレキシブル基板1が収縮することを抑制することができる。よって、内層のフレキシブル基板1を撓みにくくすることができるものである。
(実施形態2)
本実施形態のフレキシブルプリント配線板の製造方法の一例を図2に示す。この方法ではまず、次のようなフレキシブル基板1、金属箔付き樹脂シート3、耐熱性シート材10、耐熱離型コート金属箔9及び金属板8を用意する。
すなわち、フレキシブル基板1としては、その片面又は両面に導体パターン2を設けて矩形状に形成されたものを用いる。このようなフレキシブル基板1は、矩形状の片面又は両面金属張積層板にフォトエッチング法を使用して製造することができる。片面又は両面金属張積層板としては、例えば、ポリイミドフィルム又はポリエステルフィルム等の絶縁フィルム(厚さ5〜50μm)の片面又は両面に銅箔等の金属箔(厚さ5〜175μm)を設けて形成されたものを用いることができる。フレキシブル基板1の大きさは250〜510mm×250〜615mmであることが好ましい。なお、以下ではフレキシブル基板1としてその両面に導体パターン2を設けて形成されたものを用いる場合について説明する。
また金属箔付き樹脂シート3としては、矩形状の樹脂層4(厚さ12〜200μm)をBステージ状態(半硬化状態)で矩形状の銅箔等の金属箔5(厚さ5〜175μm)に設けて形成されたものを用いる。樹脂層4は、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を金属箔5の片面に塗布し、これをBステージ状態まで加熱乾燥して設けることができる。ただし、樹脂層4の少なくとも縦及び横のいずれかの長さはフレキシブル基板1の縦又は横の長さよりも短い。図2では樹脂層4の横の長さがフレキシブル基板1の横の長さよりも短くしているが、樹脂層4の縦の長さがフレキシブル基板1の縦の長さよりも短くしてもよく、さらに樹脂層4の縦及び横の長さがフレキシブル基板1の縦及び横の長さよりも短くしてもよい。また金属箔5は、樹脂層4の縦及び横の長さと同じ長さ以上の縦及び横を有している。これは、金属箔5の縦及び横の長さが樹脂層4の縦及び横の長さよりも長い場合、金属箔5の縦の長さが樹脂層4の縦の長さよりも長く、金属箔5の横の長さが樹脂層4の横の長さと同じである場合、金属箔5の縦の長さが樹脂層4の縦の長さと同じで、金属箔5の横の長さが樹脂層4の横の長さよりも長い場合、金属箔5の縦及び横の長さが樹脂層4の縦及び横の長さと同じである場合を意味する。樹脂層4及び金属箔5の大きさは250〜510mm×250〜615mmであることが好ましい。そして、樹脂層4は、金属箔5の片面の全面に設けられている。
また耐熱性シート材10としては、金属箔付き樹脂シート3の金属箔5と同じ大きさ以上のものであれば特に限定されるものではないが、例えば、フッ素樹脂フィルム(厚さ12〜200μm)等を用いることができる。
また耐熱離型コート金属箔9としては、金属箔付き樹脂シート3の金属箔5と同じ大きさ以上のアルミ箔等の金属箔(厚さ20〜150μm)の両面に耐熱離型樹脂を塗工して耐熱離型樹脂層(図2では図示省略、厚さ20〜130μm)を設けて形成されたものを用いることができる。例えば、旭硝子(株)製「アフレックス」等を用いることができる。
また金属板8としては、耐熱離型コート金属箔9よりも大きなSUS301等のステンレス(厚さ0.7〜2.5mm)を用いることができる。
次に、金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4の少なくとも縦及び横のいずれかの両端からフレキシブル基板1がはみ出すように、フレキシブル基板1の導体パターン2が設けられた面に金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4を重ねて積層する。図2では金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4の横の両端からフレキシブル基板1がはみ出すようにしているが、金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4の縦の両端からフレキシブル基板1がはみ出すようにしてもよく、さらに金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4の四辺からフレキシブル基板1がはみ出すようにしてもよい。フレキシブル基板1は5〜10mm程度樹脂層4からはみ出しているのが好ましい。
そして、図2に示すように、フレキシブル基板1に金属箔付き樹脂シート3を積層し、この両外側に耐熱性シート材10を積層し、さらにこの耐熱性シート材10に耐熱離型コート金属箔9を重ねて積層し、この積層物7を2枚の金属板8で挟んで加熱加圧して積層成形することによって、フレキシブルプリント配線板を製造することができる。このときの積層成形は、13.3kPa以下の真空下において、170〜195℃、2.0〜3.0MPa、60〜100分の条件で行うことが好ましい。
また上記の積層成形は、実施形態1と同様に図5に示すような多段式成形プレス装置を用いて行うことができる。
本実施形態では図2に示すような状態で加熱加圧するので、金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4から一部の樹脂15が、フレキシブル基板1が収縮する向きとは逆向きである周囲に溶け出し、さらにこの樹脂15を介して耐熱性シート材10及び耐熱離型コート金属箔9の両端でフレキシブル基板1の両端が押さえつけられる。これによってフレキシブルプリント配線板において内層のフレキシブル基板1が収縮することを抑制することができる。よって、内層のフレキシブル基板1を撓みにくくすることができるものである。
(実施形態3)
本実施形態のフレキシブルプリント配線板の製造方法の一例を図3に示す。この方法ではまず、次のようなフレキシブル基板1、金属箔付き樹脂シート3、離型用金属箔6及び金属板8を用意する。
すなわち、フレキシブル基板1としては、その片面又は両面に導体パターン2を設けて矩形状に形成されたものを用いる。このようなフレキシブル基板1は、矩形状の片面又は両面金属張積層板にフォトエッチング法を使用して製造することができる。片面又は両面金属張積層板としては、例えば、ポリイミドフィルム又はポリエステルフィルム等の絶縁フィルム(厚さ5〜50μm)の片面又は両面に銅箔等の金属箔(厚さ5〜175μm)を設けて形成されたものを用いることができる。フレキシブル基板1の大きさは250〜510mm×250〜615mmであることが好ましい。なお、以下ではフレキシブル基板1としてその両面に導体パターン2を設けて形成されたものを用いる場合について説明する。
また金属箔付き樹脂シート3としては、矩形状の樹脂層4(厚さ12〜200μm)をBステージ状態(半硬化状態)で矩形状の銅箔等の金属箔5(厚さ5〜175μm)に設けて形成されたものを用いる。樹脂層4は、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を金属箔の片面に塗布し、これをBステージ状態まで加熱乾燥して設けることができる。ただし、樹脂層4の少なくとも縦及び横のいずれかの長さはフレキシブル基板1の縦又は横の長さよりも長い。図3では樹脂層4の横の長さがフレキシブル基板1の横の長さよりも長くしているが、樹脂層4の縦の長さがフレキシブル基板1の縦の長さよりも長くしてもよく、さらに樹脂層4の縦及び横の長さがフレキシブル基板1の縦及び横の長さよりも長くしてもよい。また金属箔5は、樹脂層4の縦及び横の長さと同じ長さ以上の縦及び横を有している。これは、金属箔5の縦及び横の長さが樹脂層4の縦及び横の長さよりも長い場合、金属箔5の縦の長さが樹脂層4の縦の長さよりも長く、金属箔5の横の長さが樹脂層4の横の長さと同じである場合、金属箔5の縦の長さが樹脂層4の縦の長さと同じで、金属箔5の横の長さが樹脂層4の横の長さよりも長い場合、金属箔5の縦及び横の長さが樹脂層4の縦及び横の長さと同じである場合を意味する。樹脂層4の大きさは260〜520mm×250〜615mmであることが好ましく、金属箔5の大きさは270〜530mm×250〜615mmであることが好ましい。そして、樹脂層4は、この樹脂層4の四辺から金属箔5がはみ出し、樹脂層4の四辺と金属箔5の四辺とがそれぞれ平行となるように設けられている。金属箔付き樹脂シート3において、金属箔5は5〜10mm程度樹脂層4からはみ出しているのが好ましい。
また離型用金属箔6としては、金属箔付き樹脂シート3の金属箔5と同じ大きさ以上の銅箔等の金属箔(厚さ5〜175μm)を用いることができる。
また金属板8としては、離型用金属箔6よりも大きなSUS301等のステンレス(厚さ0.7〜2.5mm)を用いることができる。
次に、フレキシブル基板1の少なくとも縦及び横のいずれかの両端から金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4がはみ出すように、フレキシブル基板1の導体パターン2が設けられた面に金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4を重ねて積層する。図3ではフレキシブル基板1の横の両端から金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4がはみ出すようにしているが、フレキシブル基板1の縦の両端から金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4がはみ出すようにしてもよく、さらにフレキシブル基板1の四辺から金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4がはみ出すようにしてもよい。金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4は5〜10mm程度フレキシブル基板1からはみ出しているのが好ましい。
そして、図3に示すように、フレキシブル基板1に金属箔付き樹脂シート3を積層し、この両外側に離型用金属箔6を積層し、この積層物7を2枚の金属板8で挟んで加熱加圧して積層成形することによって、フレキシブルプリント配線板を製造することができる。このときの積層成形は、13.3kPa以下の真空下において、170〜195℃、2.0〜3.0MPa、60〜100分の条件で行うことが好ましい。
また上記の積層成形は、実施形態1と同様に図5に示すような多段式成形プレス装置を用いて行うことができる。
本実施形態では図3に示すような状態で加熱加圧するので、金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4から一部の樹脂15が、フレキシブル基板1が収縮する向きとは逆向きである周囲に溶け出し、この樹脂15によってフレキシブル基板1の両端が引っ張られる。これによってフレキシブルプリント配線板において内層のフレキシブル基板1が収縮することを抑制することができる。よって、内層のフレキシブル基板1を撓みにくくすることができるものである。
(実施形態4)
本実施形態のフレキシブルプリント配線板の製造方法の一例を図4に示す。この方法ではまず、次のようなフレキシブル基板1、金属箔付き樹脂シート3、離型用金属箔6及び金属板8を用意する。
すなわち、フレキシブル基板1としては、その片面又は両面に導体パターン2を設けて矩形状に形成されたものを用いる。このようなフレキシブル基板1は、矩形状の片面又は両面金属張積層板にフォトエッチング法を使用して製造することができる。片面又は両面金属張積層板としては、例えば、ポリイミドフィルム又はポリエステルフィルム等の絶縁フィルム(厚さ5〜50μm)の片面又は両面に銅箔等の金属箔(厚さ5〜175μm)を設けて形成されたものを用いることができる。フレキシブル基板1の大きさは250〜510mm×250〜615mmであることが好ましい。なお、以下ではフレキシブル基板1としてその両面に導体パターン2を設けて形成されたものを用いる場合について説明する。
また金属箔付き樹脂シート3としては、矩形状の樹脂層4(厚さ12〜200μm)をBステージ状態(半硬化状態)で矩形状の銅箔等の金属箔5(厚さ5〜175μm)に設けて形成されたものを用いる。樹脂層4は、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を金属箔5の片面に塗布し、これをBステージ状態まで加熱乾燥して設けることができる。ただし、樹脂層4の少なくとも縦及び横のいずれかの長さはフレキシブル基板1の縦又は横の長さよりも長い。図4では樹脂層4の横の長さがフレキシブル基板1の横の長さよりも長くしているが、樹脂層4の縦の長さがフレキシブル基板1の縦の長さよりも長くしてもよく、さらに樹脂層4の縦及び横の長さがフレキシブル基板1の縦及び横の長さよりも長くしてもよい。また金属箔5は、樹脂層4の縦及び横の長さと同じ長さ以上の縦及び横を有している。これは、金属箔5の縦及び横の長さが樹脂層4の縦及び横の長さよりも長い場合、金属箔5の縦の長さが樹脂層4の縦の長さよりも長く、金属箔5の横の長さが樹脂層4の横の長さと同じである場合、金属箔5の縦の長さが樹脂層4の縦の長さと同じで、金属箔5の横の長さが樹脂層4の横の長さよりも長い場合、金属箔5の縦及び横の長さが樹脂層4の縦及び横の長さと同じである場合を意味する。樹脂層4及び金属箔5の大きさは260〜520mm×250〜615mmであることが好ましい。そして、樹脂層4は、金属箔5の片面の全面に設けられている。
また離型用金属箔6としては、金属箔付き樹脂シート3の金属箔5と同じ大きさ以上の銅箔等の金属箔(厚さ5〜175μm)を用いることができる。
また金属板8としては、離型用金属箔6よりも大きなSUS301等のステンレス(厚さ0.7〜2.5mm)を用いることができる。
次に、フレキシブル基板1の少なくとも縦及び横のいずれかの両端から金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4がはみ出すように、フレキシブル基板1の導体パターン2が設けられた面に金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4を重ねて積層する。図4ではフレキシブル基板1の横の両端から金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4がはみ出すようにしているが、フレキシブル基板1の縦の両端から金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4がはみ出すようにしてもよく、さらにフレキシブル基板1の四辺から金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4がはみ出すようにしてもよい。金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4は5〜10mm程度フレキシブル基板1からはみ出しているのが好ましい。
そして、図4に示すように、フレキシブル基板1に金属箔付き樹脂シート3を積層し、この両外側に離型用金属箔6を積層し、この積層物7を2枚の金属板8で挟んで加熱加圧して積層成形することによって、フレキシブルプリント配線板を製造することができる。このときの積層成形は、13.3kPa以下の真空下において、170〜195℃、2.0〜3.0MPa、60〜100分の条件で行うことが好ましい。
また上記の積層成形は、実施形態1と同様に図5に示すような多段式成形プレス装置を用いて行うことができる。
本実施形態では図4に示すような状態で加熱加圧するので、金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4から一部の樹脂15が、フレキシブル基板1が収縮する向きとは逆向きである周囲に溶け出し、この樹脂15によってフレキシブル基板1の両端が引っ張られる。これによってフレキシブルプリント配線板において内層のフレキシブル基板1が収縮することを抑制することができる。よって、内層のフレキシブル基板1を撓みにくくすることができるものである。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
次のようなフレキシブル基板1、金属箔付き樹脂シート3、離型用金属箔6及び金属板8を用意した。
すなわち、フレキシブル基板1としては、その両面に導体パターン2を設けて矩形状に形成されたものを用いた。このフレキシブル基板1は、矩形状の両面金属張積層板にフォトエッチング法を使用して製造されたものである。両面金属張積層板は、ポリイミドフィルム(厚さ25μm)の両面に銅箔(厚さ12μm)を設けて形成されたものである。フレキシブル基板1の大きさは、表1に示すように、510mm×615mmである。
また金属箔付き樹脂シート3としては、矩形状の樹脂層4(厚さ25μm)をBステージ状態で矩形状の金属箔5(銅箔、厚さ18μm)に設けて形成されたものを用いた。樹脂層4は、エポキシ樹脂を金属箔5の片面に塗布し、これをBステージ状態まで加熱乾燥して設けた。ただし、表1に示すように、樹脂層4の横の長さ(500mm)はフレキシブル基板1の横の長さ(510mm)よりも短い。また金属箔5は、樹脂層4の縦及び横の長さよりも長い縦及び横を有している。樹脂層4の大きさは500mm×615mmであり、金属箔5の大きさは510mm×615mmである。そして、樹脂層4は、この樹脂層4の四辺から金属箔5が5mmずつはみ出し、樹脂層4の四辺と金属箔5の四辺とがそれぞれ平行となるように設けられている。
また離型用金属箔6としては、金属箔付き樹脂シート3の金属箔5よりも大きな銅箔(横530mm×縦650mm、厚さ18μm)を用いた。
また金属板8としては、離型用金属箔6よりも大きなSUS301(厚さ1.0mm)を用いた。
次に、図1に示すように、金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4の横の両端からフレキシブル基板1が5mmずつはみ出すように、フレキシブル基板1の導体パターン2が設けられた面に金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4を重ねて積層した。
そして、図1に示すように、フレキシブル基板1に金属箔付き樹脂シート3を積層し、この両外側に離型用金属箔6を積層し、この積層物7を2枚の金属板8で挟んで加熱加圧して積層成形することによって、フレキシブルプリント配線板を製造した。
具体的には、上記の積層成形は、図5に示すような上下の熱板11,12を備えて形成された多段式成形プレス装置を用いて行った。すなわち、下の熱板12の上面に搬送板13を設置し、この搬送板13の上面にクッション材14(クラフト紙)を設置した後、このクッション材14の上面に金属板8を介して上記の積層物7を複数段設置した。そして、最上段の積層物7の金属板8の上面にクッション材14(クラフト紙)を設置した後、このクッション材14に上の熱板11を近接させ、上下の熱板11,12で複数の積層物7を加熱加圧して積層成形することによって、一度に複数枚のフレキシブルプリント配線板を製造した。このときの積層成形は、13.3kPa以下の真空下において、175℃、2.0MPa、60分の条件で行った。
そして、上記のようにして得られたフレキシブルプリント配線板の断面観察を行ったところ、いずれのフレキシブルプリント配線板についても、図1(b)のように内層のフレキシブル基板1が撓んでいないことが確認された。
(実施例2)
次のようなフレキシブル基板1、金属箔付き樹脂シート3、耐熱性シート材10、耐熱離型コート金属箔9及び金属板8を用意した。
すなわち、フレキシブル基板1としては、その両面に導体パターン2を設けて矩形状に形成されたものを用いた。このフレキシブル基板1は、矩形状の両面金属張積層板にフォトエッチング法を使用して製造されたものである。両面金属張積層板は、ポリイミドフィルム(厚さ25μm)の両面に銅箔(厚さ12μm)を設けて形成されたものである。フレキシブル基板1の大きさは、表1に示すように、510mm×615mmである。
また金属箔付き樹脂シート3としては、矩形状の樹脂層4(厚さ25μm)をBステージ状態で矩形状の金属箔5(銅箔、厚さ18μm)に設けて形成されたものを用いた。樹脂層4は、エポキシ樹脂を金属箔5の片面に塗布し、これをBステージ状態まで加熱乾燥して設けた。ただし、表1に示すように、樹脂層4の横の長さ(500mm)はフレキシブル基板1の横の長さ(510mm)よりも短い。また金属箔5は、樹脂層4の縦及び横の長さと同じ長さの縦及び横を有している。樹脂層4及び金属箔5の大きさは500mm×615mmである。つまり、樹脂層4は、金属箔5の片面の全面に設けられている。
また耐熱性シート材10としては、金属箔付き樹脂シート3の金属箔5よりも大きなフッ素樹脂フィルム(旭硝子(株)製「アフレックス」、横550mm×縦650mm、厚さ25μm)を用いた。
また耐熱離型コート金属箔9としては、金属箔付き樹脂シート3の金属箔5と同じ大きさのアルミ箔(厚さ30μm)の両面に耐熱離型樹脂を塗工して形成されたサン・アルミニウム工業(株)製「セパニウム30MBS」を用いた。
また金属板8としては、耐熱離型コート金属箔9よりも大きなSUS301(厚さ1.0mm)を用いた。
次に、図2に示すように、金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4の横の両端からフレキシブル基板1が5mmずつはみ出すように、フレキシブル基板1の導体パターン2が設けられた面に金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4を重ねて積層した。
そして、図2に示すように、フレキシブル基板1に金属箔付き樹脂シート3を積層し、この両外側に耐熱性シート材10を積層し、さらにこの耐熱性シート材10に耐熱離型コート金属箔9を重ねて積層し、この積層物7を2枚の金属板8で挟んで加熱加圧して積層成形することによって、フレキシブルプリント配線板を製造した。
具体的には、上記の積層成形は、実施例1と同様に図5に示すような上下の熱板11,12を備えて形成された多段式成形プレス装置を用いて行った。
そして、上記のようにして得られたフレキシブルプリント配線板の断面観察を行ったところ、いずれのフレキシブルプリント配線板についても、図2(b)のように内層のフレキシブル基板1が撓んでいないことが確認された。
(実施例3)
次のようなフレキシブル基板1、金属箔付き樹脂シート3、離型用金属箔6及び金属板8を用意した。
すなわち、フレキシブル基板1としては、その両面に導体パターン2を設けて矩形状に形成されたものを用いた。このフレキシブル基板1は、矩形状の両面金属張積層板にフォトエッチング法を使用して製造されたものである。両面金属張積層板は、ポリイミドフィルム(厚さ25μm)の両面に銅箔(厚さ12μm)を設けて形成されたものである。フレキシブル基板1の大きさは、表1に示すように、480mm×615mmである。
また金属箔付き樹脂シート3としては、矩形状の樹脂層4(厚さ25μm)をBステージ状態で矩形状の金属箔5(銅箔、厚さ18μm)に設けて形成されたものを用いた。樹脂層4は、エポキシ樹脂を金属箔5の片面に塗布し、これをBステージ状態まで加熱乾燥して設けた。ただし、表1に示すように、樹脂層4の横の長さ(500mm)はフレキシブル基板1の横の長さ(480mm)よりも長い。また金属箔5は、樹脂層4の縦及び横の長さよりも長い縦及び横を有している。樹脂層4の大きさは500mm×615mmであり、金属箔5の大きさは510mm×615mmである。そして、樹脂層4は、この樹脂層4の対向する二辺から金属箔5が5mmずつはみ出し、樹脂層4の四辺と金属箔5の四辺とがそれぞれ平行となるように設けられている。
また離型用金属箔6としては、金属箔付き樹脂シート3の金属箔5よりも大きな銅箔(横530mm×縦650mm、厚さ18μm)を用いた。
また金属板8としては、離型用金属箔6よりも大きなSUS301(厚さ1.0mm)を用いた。
次に、図3に示すように、フレキシブル基板1の横の両端から金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4が10mmずつはみ出すように、フレキシブル基板1の導体パターン2が設けられた面に金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4を重ねて積層した。
そして、図3に示すように、フレキシブル基板1に金属箔付き樹脂シート3を積層し、この両外側に離型用金属箔6を積層し、この積層物7を2枚の金属板8で挟んで加熱加圧して積層成形することによって、フレキシブルプリント配線板を製造した。
具体的には、上記の積層成形は、実施例1と同様に図5に示すような上下の熱板11,12を備えて形成された多段式成形プレス装置を用いて行った。
そして、上記のようにして得られたフレキシブルプリント配線板の断面観察を行ったところ、いずれのフレキシブルプリント配線板についても、図3(b)のように内層のフレキシブル基板1が撓んでいないことが確認された。
(実施例4)
次のようなフレキシブル基板1、金属箔付き樹脂シート3、離型用金属箔6及び金属板8を用意した。
すなわち、フレキシブル基板1としては、その両面に導体パターン2を設けて矩形状に形成されたものを用いた。このフレキシブル基板1は、矩形状の両面金属張積層板にフォトエッチング法を使用して製造されたものである。両面金属張積層板は、ポリイミドフィルム(厚さ25μm)の両面に銅箔(厚さ12μm)を設けて形成されたものである。フレキシブル基板1の大きさは、表1に示すように、480mm×615mmである。
また金属箔付き樹脂シート3としては、矩形状の樹脂層4(厚さ25μm)をBステージ状態で矩形状の金属箔5(銅箔、厚さ18μm)に設けて形成されたものを用いた。樹脂層4は、エポキシ樹脂を金属箔5の片面に塗布し、これをBステージ状態まで加熱乾燥して設けた。ただし、樹脂層4の横の長さ(500mm)はフレキシブル基板1の横の長さ(480mm)よりも長い。また金属箔5は、樹脂層4の縦及び横の長さと同じ長さの縦及び横を有している。樹脂層4及び金属箔5の大きさは500mm×615mmである。つまり、樹脂層4は、金属箔5の片面の全面に設けられている。
また離型用金属箔6としては、金属箔付き樹脂シート3の金属箔5よりも大きな銅箔(横530mm×縦650mm、厚さ18μm)を用いた。
また金属板8としては、離型用金属箔6よりも大きなSUS301(厚さ1.0mm)を用いた。
次に、図4に示すように、フレキシブル基板1の横の両端から金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4が10mmずつはみ出すように、フレキシブル基板1の導体パターン2が設けられた面に金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4を重ねて積層した。
そして、図4に示すように、フレキシブル基板1に金属箔付き樹脂シート3を積層し、この両外側に離型用金属箔6を積層し、この積層物7を2枚の金属板8で挟んで加熱加圧して積層成形することによって、フレキシブルプリント配線板を製造した。
具体的には、上記の積層成形は、実施例1と同様に図5に示すような上下の熱板11,12を備えて形成された多段式成形プレス装置を用いて行った。
そして、上記のようにして得られたフレキシブルプリント配線板の断面観察を行ったところ、いずれのフレキシブルプリント配線板についても、図4(b)のように内層のフレキシブル基板1が撓んでいないことが確認された。
(比較例1)
実施例1と同様のフレキシブル基板1、金属箔付き樹脂シート3及び金属板8を用意したが、離型用金属箔6は用意しなかった。
次に、図6に示すように、金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4の横の両端からフレキシブル基板1が5mmずつはみ出すように、フレキシブル基板1の導体パターン2が設けられた面に金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4を重ねて積層した。
そして、図6に示すように、フレキシブル基板1に金属箔付き樹脂シート3を積層した積層物7を2枚の金属板8で挟んで加熱加圧して積層成形することによって、フレキシブルプリント配線板を製造した。
具体的には、上記の積層成形は、図11に示すような上下の熱板11,12を備えて形成された多段式成形プレス装置を用いて行った。すなわち、下の熱板12の上面に搬送板13を設置し、この搬送板13の上面にクッション材14(クラフト紙)を設置した後、このクッション材14の上面に金属板8を介して上記の積層物7を複数段設置した。そして、最上段の積層物7の金属板8の上面にクッション材14(クラフト紙)を設置した後、このクッション材14に上の熱板11を近接させ、上下の熱板11,12で複数の積層物7を加熱加圧して積層成形することによって、一度に複数枚のフレキシブルプリント配線板を製造した。このときの積層成形は、13.3kPa以下の真空下において、175℃、2.0MPa、60分の条件で行った。
そして、上記のようにして得られたフレキシブルプリント配線板の断面観察を行ったところ、いずれのフレキシブルプリント配線板についても、図6(b)のように内層のフレキシブル基板1が波打つように撓んでいることが確認された。
(比較例2)
実施例1と同様のフレキシブル基板1、離型用金属箔6及び金属板8を用意し、実施例1と大きさの異なる金属箔付き樹脂シート3を用意した。
すなわち、金属箔付き樹脂シート3としては、矩形状の樹脂層4(厚さ25μm)をBステージ状態で矩形状の金属箔5(銅箔、厚さ12μm)に設けて形成されたものを用いた。樹脂層4は、エポキシ樹脂を金属箔5の片面に塗布し、これをBステージ状態まで加熱乾燥して設けた。ただし、表1に示すように、樹脂層4の横の長さ(500mm)はフレキシブル基板1の横の長さ(510mm)よりも短い。また金属箔5は、樹脂層4の縦及び横の長さと同じ長さの縦及び横を有している。樹脂層4及び金属箔5の大きさは500mm×615mmである。つまり、樹脂層4は、金属箔5の片面の全面に設けられている。
次に、図7に示すように、金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4の横の両端からフレキシブル基板1が5mmずつはみ出すように、フレキシブル基板1の導体パターン2が設けられた面に金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4を重ねて積層した。
そして、図7に示すように、フレキシブル基板1に金属箔付き樹脂シート3を積層し、この両外側に離型用金属箔6を積層し、この積層物7を2枚の金属板8で挟んで加熱加圧して積層成形することによって、フレキシブルプリント配線板を製造した。
具体的には、上記の積層成形は、実施例1と同様に図5に示すような上下の熱板11,12を備えて形成された多段式成形プレス装置を用いて行った。
そして、上記のようにして得られたフレキシブルプリント配線板の断面観察を行ったところ、いずれのフレキシブルプリント配線板についても、図7(b)のように内層のフレキシブル基板1が波打つように撓んでいることが確認された。
(比較例3)
実施例2と同様のフレキシブル基板1、金属箔付き樹脂シート3、耐熱性シート材10及び金属板8を用意したが、耐熱離型コート金属箔9は用意しなかった。
次に、図8に示すように、金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4の横の両端からフレキシブル基板1が5mmずつはみ出すように、フレキシブル基板1の導体パターン2が設けられた面に金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4を重ねて積層した。
そして、図8に示すように、フレキシブル基板1に金属箔付き樹脂シート3を積層し、この両外側に耐熱性シート材10を積層し、この積層物7を2枚の金属板8で挟んで加熱加圧して積層成形することによって、フレキシブルプリント配線板を製造した。
具体的には、上記の積層成形は、実施例1と同様に図5に示すような上下の熱板11,12を備えて形成された多段式成形プレス装置を用いて行った。
そして、上記のようにして得られたフレキシブルプリント配線板の断面観察を行ったところ、いずれのフレキシブルプリント配線板についても、図8(b)のように内層のフレキシブル基板1が波打つように撓んでいることが確認された。
(比較例4)
実施例1と大きさの異なるフレキシブル基板1を用意し、実施例1と同様の金属箔付き樹脂シート3、離型用金属箔6及び金属板8を用意した。
すなわち、フレキシブル基板1としては、その両面に導体パターン2を設けて矩形状に形成されたものを用いた。このフレキシブル基板1は、矩形状の両面金属張積層板にフォトエッチング法を使用して製造されたものである。両面金属張積層板は、ポリイミドフィルム(厚さ25μm)の両面に銅箔(厚さ12μm)を設けて形成されたものである。フレキシブル基板1の大きさは、表1に示すように、500mm×615mmである。
次に、図9に示すように、金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4の横の両端とフレキシブル基板1の両端とを揃えて、フレキシブル基板1の導体パターン2が設けられた面に金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4を重ねて積層した。
そして、図9に示すように、フレキシブル基板1に金属箔付き樹脂シート3を積層し、この両外側に離型用金属箔6を積層し、この積層物7を2枚の金属板8で挟んで加熱加圧して積層成形することによって、フレキシブルプリント配線板を製造した。
具体的には、上記の積層成形は、実施例1と同様に図5に示すような上下の熱板11,12を備えて形成された多段式成形プレス装置を用いて行った。
そして、上記のようにして得られたフレキシブルプリント配線板の断面観察を行ったところ、いずれのフレキシブルプリント配線板についても、図9(b)のように内層のフレキシブル基板1が波打つように撓んでいることが確認された。
(比較例5)
比較例4と同様のフレキシブル基板1、離型用金属箔6及び金属板8を用意し、比較例4と大きさの異なる金属箔付き樹脂シート3を用意した。
すなわち、金属箔付き樹脂シート3としては、矩形状の樹脂層4(厚さ25μm)をBステージ状態で矩形状の金属箔5(銅箔、厚さ18μm)に設けて形成されたものを用いた。樹脂層4は、エポキシ樹脂を金属箔5の片面に塗布し、これをBステージ状態まで加熱乾燥して設けた。ただし、表1に示すように、樹脂層4の横の長さ(500mm)はフレキシブル基板1の横の長さ(500mm)と同じである。また金属箔5は、樹脂層4の縦及び横の長さと同じ長さの縦及び横を有している。樹脂層4及び金属箔5の大きさは500mm×615mmである。つまり、樹脂層4は、金属箔5の片面の全面に設けられている。
次に、図10に示すように、金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4の横の両端とフレキシブル基板1の両端とを揃えて、フレキシブル基板1の導体パターン2が設けられた面に金属箔付き樹脂シート3の樹脂層4を重ねて積層した。
そして、図10に示すように、フレキシブル基板1に金属箔付き樹脂シート3を積層し、この両外側に離型用金属箔6を積層し、この積層物7を2枚の金属板8で挟んで加熱加圧して積層成形することによって、フレキシブルプリント配線板を製造した。
具体的には、上記の積層成形は、実施例1と同様に図5に示すような上下の熱板11,12を備えて形成された多段式成形プレス装置を用いて行った。
そして、上記のようにして得られたフレキシブルプリント配線板の断面観察を行ったところ、いずれのフレキシブルプリント配線板についても、図10(b)のように内層のフレキシブル基板1が波打つように撓んでいることが確認された。
Figure 2012195528
上記のように、比較例1〜5のフレキシブルプリント配線板では内層のフレキシブル基板1が撓んでいるのに対し、実施例1〜4のフレキシブルプリント配線板では内層のフレキシブル基板1は撓んでいないことが確認された。
1 フレキシブル基板
2 導体パターン
3 金属箔付き樹脂シート
4 樹脂層
5 金属箔
6 離型用金属箔
7 積層物
8 金属板
9 耐熱離型コート金属箔
10 耐熱性シート材

Claims (4)

  1. フレキシブル基板が、その片面又は両面に導体パターンを設けて矩形状に形成され、金属箔付き樹脂シートが、少なくとも縦及び横のいずれかの長さが前記フレキシブル基板の縦又は横の長さよりも短い矩形状の樹脂層を、前記樹脂層の縦及び横の長さと同じ長さ以上の縦及び横を有する矩形状の金属箔に設けて形成され、前記金属箔付き樹脂シートの前記樹脂層の少なくとも縦及び横のいずれかの両端から前記フレキシブル基板がはみ出すように、前記フレキシブル基板の前記導体パターンが設けられた面に前記金属箔付き樹脂シートの前記樹脂層を重ねて積層し、この両外側に前記金属箔と同じ大きさ以上の離型用金属箔を積層し、この積層物を2枚の金属板で挟んで加熱加圧して積層成形することを特徴とするフレキシブルプリント配線板の製造方法。
  2. フレキシブル基板が、その片面又は両面に導体パターンを設けて矩形状に形成され、金属箔付き樹脂シートが、少なくとも縦及び横のいずれかの長さが前記フレキシブル基板の縦又は横の長さよりも短い矩形状の樹脂層を、前記樹脂層の縦及び横の長さと同じ長さ以上の縦及び横を有する矩形状の金属箔に設けて形成され、耐熱離型コート金属箔が、前記金属箔付き樹脂シートの前記金属箔と同じ大きさ以上の金属箔の両面に耐熱離型樹脂を塗工して形成され、前記金属箔付き樹脂シートの前記樹脂層の少なくとも縦及び横のいずれかの両端から前記フレキシブル基板がはみ出すように、前記フレキシブル基板の前記導体パターンが設けられた面に前記金属箔付き樹脂シートの前記樹脂層を重ねて積層し、この両外側に前記金属箔付き樹脂シートの前記金属箔と同じ大きさ以上の耐熱性シート材を積層し、さらに前記耐熱性シート材に前記耐熱離型コート金属箔を重ねて積層し、この積層物を2枚の金属板で挟んで加熱加圧して積層成形することを特徴とするフレキシブルプリント配線板の製造方法。
  3. フレキシブル基板が、その片面又は両面に導体パターンを設けて矩形状に形成され、金属箔付き樹脂シートが、少なくとも縦及び横のいずれかの長さが前記フレキシブル基板の縦又は横の長さよりも長い矩形状の樹脂層を、前記樹脂層の縦及び横の長さと同じ長さ以上の縦及び横を有する矩形状の金属箔に設けて形成され、前記フレキシブル基板の少なくとも縦及び横のいずれかの両端から前記樹脂層がはみ出すように、前記フレキシブル基板の前記導体パターンが設けられた面に前記金属箔付き樹脂シートの前記樹脂層を重ねて積層し、この両外側に前記金属箔と同じ大きさ以上の離型用金属箔を積層し、この積層物を2枚の金属板で挟んで加熱加圧して積層成形することを特徴とするフレキシブルプリント配線板の製造方法。
  4. フレキシブル基板が、その片面又は両面に導体パターンを設けて矩形状に形成され、金属箔付き樹脂シートが、少なくとも縦及び横のいずれかの長さが前記フレキシブル基板の縦又は横の長さよりも長い矩形状の樹脂層を、前記樹脂層の縦及び横の長さと同じ長さ以上の縦及び横を有する矩形状の金属箔に設けて形成され、前記フレキシブル基板の少なくとも縦及び横のいずれかの両端から前記樹脂層がはみ出すように、前記フレキシブル基板の前記導体パターンが設けられた面に前記金属箔付き樹脂シートの前記樹脂層を重ねて積層し、この両外側に前記金属箔と同じ大きさ以上の離型用金属箔を積層し、この積層物を2枚の金属板で挟んで加熱加圧して積層成形することを特徴とするフレキシブルプリント配線板の製造方法。
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