JP3915260B2 - 多層板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板の製造に使用される多層板の、製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気・電子機器等に使用されるプリント配線板の製造に、多層板が用いられている。この多層板は、例えば、表面に導体回路が形成された基板の表裏に、プリプレグと呼ばれる熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸してシート状とした熱硬化性樹脂シートを積み重ね、更にその両外側に金属箔又は離型シートを配して重ねて被圧着体を形成した後、この被圧着体を平板で挟み、更に成形プレスに挟んで、加熱・加圧して製造されている。なお、生産性向上のために、上記被圧着体を、間に平板を介在させて垂直方向に複数重ね、その重ねたものを成形プレスに挟んで加熱・加圧して、一度に多数の多層板を得る方法が一般に行われている。
【0003】
また、他の方法として、プリプレグに代えて熱硬化性樹脂組成物をシート状に形成してなる樹脂フィルムを熱硬化性樹脂シートとして用いて製造する方法や、金属箔の一方の面に熱硬化性樹脂層を形成した樹脂層付き金属箔を用いて、その熱硬化性樹脂層が直接又はプリプレグ等を介して基板と接するように重ねることにより、樹脂層付き金属箔と基板とを、その外側に金属箔が配置されるように積み重ねて被圧着体を形成した後、同様に加熱・加圧して製造する方法等も検討されている。
【0004】
なお、表面に導体回路が形成された基板は、導体回路が有る部分と無い部分で厚みが異なっているため、成形プレスに挟んで加熱・加圧するときには、導体回路が有る部分と無い部分で圧力の差が生じている。そのため、得られた多層板の、圧力が相対的に低かった基板の表面に導体回路が無い部分に、気泡が残留する場合があり、成形性が低いという問題があった。そのため、一般にクッション材と呼ばれる、セルロースペーパー等の弾性を有する弾性平面体を同時に成形プレスに挟んで成形性を向上させることが行われているが、成形プレスに挟む被圧着体の数が特に多い場合や、樹脂付着量のばらつきが大きいプリプレグを用いた場合等には、依然として気泡が残留する場合があり、更に成形性が優れた多層板が得られる製造方法が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を改善するために成されたもので、その目的とするところは、熱硬化性樹脂組成物を含有する熱硬化性樹脂シートと、表面に導体回路が形成された基板と、金属箔又は離型シートとを、その外側に金属箔又は離型シートが配置されるように積み重ねた被圧着体を、平板で挟んで複数重ねて積層体を形成した後、その積層体を加熱・加圧して製造する多層板の製造方法であって、成形性が優れた多層板が得られる多層板の製造方法を提供することにある。
【0006】
また、金属箔の一方の面に熱硬化性樹脂層を形成した樹脂層付き金属箔と、表面に導体回路が形成された基板とを、その外側に金属箔が配置されるように積み重ねた被圧着体を、平板で挟んで複数重ねて積層体を形成した後、その積層体を加熱・加圧して製造する多層板の製造方法であって、成形性が優れた多層板が得られる多層板の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る多層板の製造方法は、熱硬化性樹脂組成物を含有する熱硬化性樹脂シートと、表面に導体回路が形成された基板と、金属箔又は離型シートとを、その少なくとも一方の外側に金属箔又は離型シートが配置されるように積み重ねた被圧着体を、平板で挟んで複数重ねて積層体を形成した後、その積層体を加熱・加圧して製造する多層板の製造方法において、被圧着体を平板で挟んで複数重ねて積層体を形成する方法が、被圧着体と被圧着体との間に、熱可塑性樹脂シートをも挟んで重ねる方法であることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項2に係る多層板の製造方法は、請求項1記載の多層板の製造方法において、熱硬化性樹脂シートが、熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸してなるプリプレグ、又は、熱硬化性樹脂組成物をシート状に形成してなる樹脂フィルムであることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項3に係る多層板の製造方法は、金属箔の一方の面に熱硬化性樹脂層を形成した樹脂層付き金属箔と、表面に導体回路が形成された基板とを、その少なくとも一方の外側に金属箔が配置されるように積み重ねた被圧着体を、平板で挟んで複数重ねて積層体を形成した後、その積層体を加熱・加圧して製造する多層板の製造方法において、被圧着体を平板で挟んで複数重ねて積層体を形成する方法が、被圧着体と被圧着体との間に、熱可塑性樹脂シートをも挟んで重ねる方法であることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項4に係る多層板の製造方法は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の多層板の製造方法において、被圧着体と被圧着体との間に、熱可塑性樹脂シートをも挟んで重ねる方法が、被圧着体と被圧着体との間に、平板に挟んだ熱可塑性樹脂シートを挟んで重ねる方法であることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項5に係る多層板の製造方法は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の多層板の製造方法において、熱可塑性樹脂シートが、フッ素系樹脂のシートであることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項6に係る多層板の製造方法は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の多層板の製造方法において、熱可塑性樹脂シートが、熱可塑性樹脂の層の両外層に、金属箔の層を形成したシートであることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る多層板の製造方法を図面に基づいて説明する。図1は本発明の請求項1及び請求項2に係る多層板の製造方法の一実施の形態を説明する分解正面図であり、図2は本発明の請求項1及び請求項2に係る多層板の製造方法の、他の実施の形態の要部を説明する分解正面図である。また、図3は本発明の請求項3に係る多層板の製造方法の一実施の形態を説明する分解正面図であり、図4は本発明の請求項3に係る多層板の製造方法の、他の実施の形態の要部を説明する分解正面図である。
【0014】
[本発明の請求項1及び請求項2に係る多層板の製造方法]
本発明の請求項1及び請求項2に係る多層板の製造方法の一実施の形態は、図1に示すように、表面に導体回路が形成された基板11の両外側に、熱硬化性樹脂シート12としての、熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸してなるプリプレグを2枚重ねると共に、その両最外層に金属箔13を積み重ねて被圧着体14を2組形成する。そして、その2組の被圧着体14,14を、被圧着体14と被圧着体14との間に、平板18及び熱可塑性樹脂シート20を挟みながら重ねて積層体10を形成した後、その積層体10を熱板19,19間に挟み、次いで加熱・加圧して、一度に2枚の多層板を製造する実施の形態である。
【0015】
被圧着体14は、熱硬化性樹脂シート12と、基板11と、金属箔13又は離型シートとを、その少なくとも一方の外側に金属箔13又は離型シートが配置されるように積み重ねたものであれば良く、例えば、図2に示すように、一方の表面に導体回路が形成されると共に他方の表面全体に金属箔13の層を有する基板11を用いて、導体回路が形成された面の側に、熱硬化性樹脂シート12を重ねると共に、表面全体に金属箔13の層を有する面の側に、離型シート15を重ねて被圧着体14を形成しても良い。なお、積層体10を形成する被圧着体14の数は特に限定するものではなく、適宜調整すれば良いが、4〜15組程度であると、生産性と成形性のバランスが優れ好ましい。
【0016】
なお、被圧着体14と被圧着体14との間に、熱可塑性樹脂シート20をも挟んで重ねることが重要である。被圧着体14と被圧着体14との間に、熱可塑性樹脂シート20を挟まない場合は、得られる多層板中に気泡が残留して成形性に問題が発生する場合がある。これは、表面に導体回路が形成された基板11は、導体回路が有る部分と無い部分で厚みが異なっているため、成形プレスに挟んで加熱・加圧するときには、導体回路が有る部分と無い部分で圧力差が生じているが、本発明によると、熱可塑性樹脂シート20中の熱可塑性樹脂が加熱によって軟化して多少流動し、両者の圧力差を緩和するため、圧力が相対的に低い基板の表面に導体回路が無い部分にも圧力がかかりやすくなり、得られる多層板に気泡が残留しにくくなると考えられる。
【0017】
なお、熱可塑性樹脂シート20を、積層体10と熱板19の間に挟んだ場合も、得られる多層板に気泡が残留しにくくなる効果が多少有るが、重ねる被圧着体14の数が多い場合、中央部分に配置する被圧着体14中の熱硬化性樹脂組成物が溶融するときには、それより熱板19に近い部分の被圧着体14中の熱硬化性樹脂組成物の硬化が進んでいて、中央部分に配置する被圧着体14には熱可塑性樹脂シート20による上記圧力緩和の効果を伝え難くなっているため、中央部分に配置する被圧着体14には気泡が残留する場合がある。
【0018】
上記熱可塑性樹脂シート20は、熱可塑性樹脂を用いてシート状に形成したものであり、四フッ化エチレン樹脂等のフッ素系樹脂や、ポリフェニレンエーテル樹脂等、加熱時の温度に耐える熱可塑性樹脂を用いてシート状に形成したものである。なお、フッ素系樹脂のシートの場合、耐熱性が優れるため、繰り返し使用できる回数が比較的多く好ましい。また、例えばガラス基材フッ素樹脂積層板のように、この熱可塑性樹脂がガラスクロス等により補強されているシートの場合、特に繰り返し使用できる回数が多くなり好ましい。なお、熱可塑性樹脂シート20の厚みは、積み重ねようとする被圧着体14の数や、加熱・加圧時の圧力に応じて適宜調整すれば良いが、一般的には、0.1〜2mm程度である。
【0019】
なお、熱可塑性樹脂シート20が、熱可塑性樹脂の層の両外層に、金属箔の層を形成したシートであると、熱可塑性樹脂シート20中の熱可塑性樹脂が加熱によって軟化しても、平板18等には付着しにくくなるため、平板18の洗浄が容易となり好ましい。
【0020】
また、被圧着体14と被圧着体14との間に、熱可塑性樹脂シート20を挟む方法が、図1に示すように、被圧着体14と被圧着体14との間に、平板18に挟んだ熱可塑性樹脂シート20を挟んで重ねる方法の場合、得られる多層板の表面粗度が優れ好ましいが、被圧着体14の表面に離型シートが配置される場合、その部分は熱可塑性樹脂シート20と離型シートが直接接するようにしても良い。
【0021】
なお、被圧着体14の数が3組以上の場合には、被圧着体14と被圧着体14の間の少なくとも1ヶ所に熱可塑性樹脂シート20を挟んでいれば、成形性が優れた多層板が得られるが、全ての被圧着体14と被圧着体14の間に熱可塑性樹脂シート20を挟んだ場合、特に成形性が優れた多層板が得られ好ましい。
【0022】
本発明に用いられる基板11としては、少なくとも一方の表面に導体回路が形成された板であればよく、例えば、エポキシ樹脂系、フェノール樹脂系、ポリイミド樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系等の熱硬化性樹脂や、これらの熱硬化性樹脂に無機充填材等を配合したもののシートの片面又は両面に金属箔が張られている板や、ガラス等の無機質繊維やポリエステル、ポリアミド、木綿等の有機質繊維のクロス、ペーパー等の基材を、上記熱硬化性樹脂等で接着し、片面又は両面に金属箔が張られている板等を用いて、金属箔をエッチングして導体回路を形成したもの、及び、金属箔が張られていない板の表面に金属メッキを行い、導体回路を形成したもの等が挙げられる。なお、1組の被圧着体14内に重ねる基板11の枚数としては、特に限定するものではなく、形成しようとする導体層の数に応じて適宜調整すれば良い。
【0023】
また、本発明に用いられる熱硬化性樹脂シート12は、熱硬化性樹脂組成物を含有するシートであり、熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸してなるプリプレグや、熱硬化性樹脂組成物をシート状に形成してなる樹脂フィルムが挙げられ、これらを組み合わせて用いても良い。なおプリプレグを用いた場合、厚みの均一な絶縁層を形成することができ好ましく、樹脂フィルムを用いた場合、薄い絶縁層を形成することができ好ましい。この熱硬化性樹脂シート12を用いる枚数としては、特に限定するものではなく、形成しようとする絶縁層の厚みに応じて適宜調整すれば良い。
【0024】
この熱硬化性樹脂シート12に用いられる熱硬化性樹脂組成物としては、エポキシ樹脂系、フェノール樹脂系、ポリイミド樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系等の単独、変性物、混合物のように、熱硬化性樹脂組成物全般を用いることができる。この熱硬化性樹脂組成物中には、熱硬化性樹脂を必須として含有し、必要に応じてその熱硬化性樹脂の硬化剤、硬化促進剤及び無機充填材等を含有することができる。なお、熱硬化性樹脂組成物がエポキシ樹脂系の場合、電気特性及び接着性のバランスが優れた多層板が得られ好ましい。
【0025】
また、上記基材としては、ガラス等の無機質繊維や、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル、ポリイミド等の有機質繊維や、木綿等の天然繊維の織布、不織布、紙等を用いることができる。なお、ガラス繊維製の織布(ガラスクロス)を用いると、得られる多層板の耐熱性、耐湿性が優れ好ましい。なお、基材の厚みとしては0.04〜0.3mmのものが一般的に使用される。
【0026】
熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸してプリプレグを製造する方法としては、特に限定するものではなく例えば、上記熱硬化性樹脂組成物を溶剤で粘度調整したワニスに、上記基材を浸漬して含浸した後、必要に応じて加熱乾燥して半硬化して製造したり、溶剤を用いずに、熱硬化性樹脂組成物を加熱溶融させて基材に含浸して製造する。このプリプレグ中の樹脂量は、プリプレグの重量(熱硬化性樹脂組成物及び基材の合計重量)100重量部に対し、40〜70重量部であると好ましい。40重量部未満の場合は、得られる多層板の耐熱性が低下する場合があり、70重量部を超える場合は、得られる多層板の板厚のばらつきが大きくなる場合がある。
【0027】
また、熱硬化性樹脂組成物をシート状に形成してなる樹脂フィルムを製造する方法としては例えば、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等の熱硬化性樹脂組成物に対して不溶のシートに、熱硬化性樹脂組成物を5〜700μmの厚みに塗布し、必要に応じて乾燥した後、シートを剥離して製造する、一般にキャステング法と呼ばれる方法により製造する。
【0028】
また、本発明に用いられる金属箔13としては、金属製の箔であれば特に限定するものではなく、銅、アルミニウム、真鍮、ニッケル等の単独、合金、複合の箔を用いることができる。この金属箔13の厚みとしては、5〜70μmが一般的である。なお、金属箔13に代えて、フッ素樹脂フィルム等の離型シートを重ねても良い。なお、離型シートを重ねた場合、加熱・加圧した後、離型シートを剥がして多層板は使用される。
【0029】
また、本発明に用いられる平板18としては、加熱・加圧時の温度及び圧力に耐える金属等を用いて板状に形成したものであり、例えば鉄板やステンレス板等が挙げられる。なお、金属板の表面を絶縁処理したものでも良い。この平板18の厚みは、0.8〜2mm程度が一般的である。
【0030】
積層体10を加熱・加圧する条件としては、熱硬化性樹脂シート12中の熱硬化性樹脂組成物が硬化する条件で適宜調整して加熱・加圧すればよいが、加圧の圧力があまり低いと得られる多層板の内部に気泡が残留する場合があるため、成形性を満足する条件で加圧することが好ましい。なお、加熱・加圧を300Torr以下の減圧雰囲気下で行うと、得られる多層板内部の気泡の残留が特に少なくなり好ましい。なお、積層体10と熱板19の間には、必要に応じて、セルロースペーパーやアラミド繊維ペーパー等のクッション材や熱伝導調整材を挟んで加熱・加圧してもよく、また、積層体10と熱板19の間や、被圧着体14と被圧着体14の間には、熱硬化性樹脂シート12を金属箔13の間に挟んだものを挟んで加熱・加圧してもよい。被圧着体14と被圧着体14の間に、熱硬化性樹脂シート12を金属箔13の間に挟んだものを挟んで加熱・加圧した場合、特に得られる多層板に気泡が残留しにくくなり好ましい。
【0031】
なお、上記実施の形態は、予め被圧着体14を形成した後、平板18と熱可塑性樹脂シート20とを挟んで重ねて積層体10を形成する方法を説明したが、本発明は積層体10の形状が同じになる方法であれば、別の方法も含むものである。この別の方法としては、例えば図1に示す構成の場合、平板18の上に金属箔13を重ねた後、熱硬化性樹脂シート12を所要枚数重ね、次いで基板11、熱硬化性樹脂シート12、金属箔13を順に重ねて被圧着体14を形成した後、平板18、熱可塑性樹脂シート20、平板18を順に重ね、次いで金属箔13、熱硬化性樹脂シート12、基板11、熱硬化性樹脂シート12、金属箔13と、下側の熱板19に対応する部分から上側の熱板19に対応する部分に向かって、順番に重ねる方法が挙げられる。
【0032】
[本発明の請求項3に係る多層板の製造方法]
本発明の請求項3に係る多層板の製造方法の一実施の形態は、図3に示すように、表面に導体回路が形成された基板11の両外側に、金属箔13の一方の面に熱硬化性樹脂層17を形成した樹脂層付き金属箔16を、その熱硬化性樹脂層17が基板11と接するように重ねることにより、その両方の外側に金属箔13が配置されるように積み重ねて被圧着体14を2組形成する。そして、その2組の被圧着体14,14を、被圧着体14と被圧着体14との間に、平板18及び熱可塑性樹脂シート20を挟みながら重ねて積層体10を形成した後、その積層体10を熱板19,19間に挟み、次いで加熱・加圧して、一度に2枚の多層板を製造する実施の形態である。
【0033】
なお、被圧着体14と被圧着体14との間に、熱可塑性樹脂シート20をも挟んで重ねることが重要である。被圧着体14と被圧着体14との間に、熱可塑性樹脂シート20を挟まない場合は、本発明の請求項1及び請求項2に係る多層板の製造方法の場合と同様に、得られる多層板中に気泡が残留して成形性に問題が発生する場合がある。
【0034】
なお、熱可塑性樹脂シート20の材質・厚みや、熱可塑性樹脂シート20を用いる枚数等は、本発明の請求項1及び請求項2に係る多層板の製造方法の場合と同様のもの等が挙げられる。
【0035】
また、本発明に用いられる樹脂層付き金属箔16は、金属箔13の一方の面に熱硬化性樹脂層17を形成したものであり、上記熱硬化性樹脂シート12に用いられるものと同様の熱硬化性樹脂組成物を、金属箔13の一方の面に5〜300μmの厚みに塗布した後、必要に応じて乾燥して製造したものである。なお、用いる金属箔13や基板11、及び積層体10を加熱・加圧する条件としては、本発明の請求項1及び請求項2に係る多層板の製造方法の場合と同様のもの等が挙げられる。
【0036】
なお、被圧着体14は、樹脂層付き金属箔16と、基板11とを、その少なくとも一方の外側に金属箔13が配置されるように積み重ねたものであれば良く、例えば、図4(a)に示すように、一方の表面に導体回路が形成されると共に他方の表面全体に金属箔13の層を有する基板11の、導体回路が形成された面の側に、樹脂層付き金属箔16を、その熱硬化性樹脂層17が基板11と接するように重ねて被圧着体14を形成しても良く、図4(b)に示すように、樹脂層付き金属箔16と基板11との間に、上記熱硬化性樹脂シート12を挟んで重ねて被圧着体14を形成しても良い。
【0037】
【実施例】
(実施例1)
表面に導体回路が形成された基板として、厚み0.1mmの銅張り積層板[松下電工株式会社製、品名R1766]の表面の銅箔(厚み70μm)をエッチングして導体回路を形成した基板を用いた。また、プリプレグとして、エポキシ樹脂系樹脂組成物をガラスクロス(基材)に含浸した厚み0.1mmのプリプレグ[松下電工株式会社製、品名 R1661GG]、金属箔として厚み18μmの銅箔[日鉱グールドフォイル株式会社製]を用いた。また、平板として、厚み1mmのステンレス板、熱可塑性樹脂シートとして、厚み80μmの四塩化フッ素系樹脂フィルムを用いた。
【0038】
そして、表面に導体回路が形成された基板の両外側に、プリプレグを1枚重ねると共に、その両最外層に銅箔を積み重ねて形成した被圧着体を、平板と熱可塑性樹脂シートを挟みながら6組重ねて積層体を形成した。なお、上記熱可塑性樹脂シート3枚を重ねて平板に挟んだものを、それぞれの被圧着体と被圧着体との間に挟んで重ねて積層体を形成した。
【0039】
次いで積層体を熱板で挟み、最高温度170℃、圧力3.0MPaで90分加熱・加圧して多層板を得た。なお、積層体と熱板の間には、クッション材として190g/平方mのクラフト紙[株式会社巴川製作所製]を5枚挟んで加熱・加圧した。
【0040】
(実施例2)
熱可塑性樹脂シートとして、厚み0.2mmのガラス基材フッ素樹脂両面銅張り積層板[松下電工株式会社製、品名R4737、銅箔厚み18μm]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして多層板を得た。
【0041】
(実施例3)
熱可塑性樹脂シートとして、厚み80μmの四塩化フッ素系樹脂フィルムを3枚重ねたものの両外層に、厚み18μmの銅箔を配したものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして多層板を得た。
【0042】
(実施例4)
熱可塑性樹脂シートとして、厚み80μmの四塩化フッ素系樹脂フィルムを3枚重ねたものの両外層に、厚み18μmの銅箔を配した後、加熱・加圧して、四塩化フッ素系樹脂フィルムと銅箔を一体化したものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして多層板を得た。
【0043】
(実施例5)
表面に導体回路が形成された基板の両外側に、銅箔の一方の面に厚み0.1mmのエポキシ樹脂系樹脂層を形成した樹脂層付き銅箔を、その樹脂層が基板と接するように重ねることにより、その両方の外側に銅箔が配置されるように積み重ねて形成した被圧着体を用いたこと以外は、実施例1と同様にして多層板を得た。
【0044】
(比較例)
熱可塑性樹脂シートを挟まずに重ねて積層体を形成したこと以外は、実施例1と同様にして多層板を得た。
【0045】
(評価・結果)
各実施例及び比較例で得られた多層板の成形性を評価した。その方法は、多層板の最外層の銅箔をエッチングして除去した後、目視で6枚観察して、内部に気泡が残留している多層板の枚数を求めた。その結果は、各実施例で得られた多層板には気泡が確認されなかったが、比較例で得られた多層板には6枚とも気泡が確認され、各実施例で得られた多層板は比較例と比べて、成形性が優れていることが確認された。
【0046】
【発明の効果】
本発明に係る多層板の製造方法は、被圧着体と被圧着体との間に、熱可塑性樹脂シートをも挟んで重ねるため、成形性が優れた多層板を得ることが可能となる。
【0047】
本発明の請求項4に係る多層板の製造方法は、上記の効果に加え、表面粗度が優れた多層板を得ることが可能となる。
【0048】
本発明の請求項5に係る多層板の製造方法は、上記の効果に加え、熱可塑性樹脂シートを繰り返し使用できる回数が比較的多いため、生産性が優れた製造が可能となる。
【0049】
本発明の請求項6に係る多層板の製造方法は、上記の効果に加え、平板等の洗浄が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1及び請求項2に係る多層板の製造方法の一実施の形態を説明する分解正面図である。
【図2】本発明の請求項1及び請求項2に係る多層板の製造方法の、他の実施の形態の要部を説明する分解正面図である。
【図3】本発明の請求項3に係る多層板の製造方法の一実施の形態を説明する分解正面図である。
【図4】本発明の請求項3に係る多層板の製造方法の、他の実施の形態の要部を説明する分解正面図である。
【符号の説明】
10 積層体
11 基板
12 熱硬化性樹脂シート
13 金属箔
14 被圧着体
15 離型シート
16 樹脂層付き金属箔
17 熱硬化性樹脂層
18 平板
19 熱板
20 熱可塑性樹脂シート

Claims (6)

  1. 熱硬化性樹脂組成物を含有する熱硬化性樹脂シートと、表面に導体回路が形成された基板と、金属箔又は離型シートとを、その少なくとも一方の外側に金属箔又は離型シートが配置されるように積み重ねた被圧着体を、平板で挟んで複数重ねて積層体を形成した後、その積層体を加熱・加圧して製造する多層板の製造方法において、
    被圧着体を平板で挟んで複数重ねて積層体を形成する方法が、被圧着体と被圧着体との間に、熱可塑性樹脂シートをも挟んで重ねる方法であることを特徴とする多層板の製造方法。
  2. 熱硬化性樹脂シートが、熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸してなるプリプレグ、又は、熱硬化性樹脂組成物をシート状に形成してなる樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1記載の多層板の製造方法。
  3. 金属箔の一方の面に熱硬化性樹脂層を形成した樹脂層付き金属箔と、表面に導体回路が形成された基板とを、その少なくとも一方の外側に金属箔が配置されるように積み重ねた被圧着体を、平板で挟んで複数重ねて積層体を形成した後、その積層体を加熱・加圧して製造する多層板の製造方法において、
    被圧着体を平板で挟んで複数重ねて積層体を形成する方法が、被圧着体と被圧着体との間に、熱可塑性樹脂シートをも挟んで重ねる方法であることを特徴とする多層板の製造方法。
  4. 被圧着体と被圧着体との間に、熱可塑性樹脂シートをも挟んで重ねる方法が、被圧着体と被圧着体との間に、平板に挟んだ熱可塑性樹脂シートを挟んで重ねる方法であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の多層板の製造方法。
  5. 熱可塑性樹脂シートが、フッ素系樹脂のシートであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の多層板の製造方法。
  6. 熱可塑性樹脂シートが、熱可塑性樹脂の層の両外層に、金属箔の層を形成したシートであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の多層板の製造方法。
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