JPH1191035A - 積層板の製造方法 - Google Patents

積層板の製造方法

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JPH1191035A
JPH1191035A JP9259042A JP25904297A JPH1191035A JP H1191035 A JPH1191035 A JP H1191035A JP 9259042 A JP9259042 A JP 9259042A JP 25904297 A JP25904297 A JP 25904297A JP H1191035 A JPH1191035 A JP H1191035A
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JP
Japan
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metal plate
laminate
metal foil
plate
flat body
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JP9259042A
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English (en)
Inventor
Hironobu Mori
裕信 森
Tsutomu Ichiki
勉 一木
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱硬化性樹脂を基材に含浸したプリプレグ1
1を有する被圧着体12と、シート状平面体20との、
それぞれの一端面部で金属箔15を折り曲げることによ
り、間に平面体20を挟んで隣り合う被圧着体12,1
2間で金属箔15が連続化するように、被圧着体12、
平面体20及び金属箔15を重ねて積層体を形成した
後、金属箔15に給電し、抵抗加熱により積層体を加熱
すると共に、加圧して製造する積層板の製造方法であっ
て、平面体20を繰り返し使用することができる回数が
優れ、かつ、表面に凹凸が形成されにくいと共に、表面
粗さが優れた積層板が得られる、積層板の製造方法を提
供する。 【解決手段】 平面体20が、一方の面に第一の金属板
21が露出すると共に、他方の面にその第一の金属板2
1と電気的に絶縁された第二の金属板22が露出する平
面体20である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板の
製造に用いられる積層板の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板の製造に用いられる金属
箔張りの積層板は、例えばガラスクロス等の基材にエポ
キシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸した後、乾燥して半硬
化させて製造したプリプレグを所要枚数と、必要に応じ
て導体回路を形成した内層板を重ねて被圧着体を形成
し、その両外側に金属箔を配して積層した後、この積層
物を金属製等の平板に挟んで積層体を形成し、更にこの
積層体を成形プレスの加圧板に挟んで、加熱・加圧する
ことにより、被圧着体及び金属箔を接着して製造されて
いる。
【0003】なお、生産性の向上のために、複数の積層
物を、間に平板を介在させて重ね、その重ねた積層体を
成形プレスの加圧板の間に挟んで加熱・加圧することに
より、一度に多数の積層板を得る方法も用いられてい
る。
【0004】これらの加熱・加圧する方法としては、加
熱した加圧板の間に積層体を挟んで加圧板からの伝熱に
より加熱しながら加圧する方法や、特表平8−5062
89号に記載されたような、積層体を加圧板の間に挟ん
だ状態で金属箔に給電して、抵抗加熱により加熱しなが
ら加圧する方法が行われている。なお、抵抗加熱は、電
気抵抗を有する導電体に電流を流し、ジュール効果で発
生する熱により加熱する方法である。
【0005】この抵抗加熱により加熱しながら加圧する
方法としては、例えば図3に示すような、プリプレグ3
1等を所要枚数重ねて形成した被圧着体32と、シート
状平面体35との、それぞれの一端面部で金属箔33を
折り曲げることにより、間に平面体35を挟んで隣り合
う被圧着体32,32間で金属箔33が連続化するよう
に、被圧着体32、平面体35及び金属箔33を重ねて
積層体を形成した後、その積層体を絶縁板36,36で
挟み、更に成形プレスの加圧板39,39の間に挟んで
加圧した状態で金属箔33に給電し、抵抗加熱により各
被圧着体32を加熱する方法が行われている。
【0006】この方法の場合、金属箔33が、間に平面
体35を挟んで隣り合う被圧着体32間で連続化するよ
うに配置されているため、金属箔33の両端部に給電す
ると、電流が流れた部分の金属箔33全体が発熱し、複
数の被圧着体32・・全てがほぼ同じように発熱するよ
うになっている。そのため、この抵抗加熱により加熱す
る方法は、上記加圧板からの伝熱により加熱する方法と
比較して加熱時間が短く済み、生産性が高いという特徴
があり増加しつつある。
【0007】なお、上記被圧着体32・・間に配置され
た平面体35の表裏が導通していると、その導通してい
る部分に電流が流れてしまい、金属箔33の一部は電流
が流れにくくなる。そして、その電流が流れにくくなっ
た部分の被圧着体32は加熱不足となって、得られる積
層板の特性が低下するため、被圧着体32間に配置する
平面体35には絶縁性が要求されている。更に、凹凸を
有する内層板等を挟んで加圧しても、変形しない強度が
要求されている。そのため、絶縁性及び強度を兼ね備え
た平面体35として、金属板の表面に、酸化金属やフッ
素樹脂等の絶縁層を形成した平面体35が、抵抗加熱に
より加熱する方法には一般に用いられている。
【0008】なお、上記プリプレグ31中の熱硬化性樹
脂は、半硬化状態(Bステージ状態)のため一般に脆
く、取り扱い等においてプリプレグ31に大きな力が加
わると熱硬化性樹脂が割れ、その熱硬化性樹脂の割れた
粉がプリプレグ31から剥がれる場合があった。そして
この熱硬化性樹脂が割れたり、剥がれたプリプレグ31
を用いて積層板を製造しようとすると、作業中に樹脂組
成物の破断された粉が浮遊して、平面体35の表面に付
着し、抵抗加熱により加熱するとその付着した粉も硬化
して、平面体35の表面に微細な熱硬化性樹脂の硬化物
が形成される場合があった。
【0009】この表面に微細な熱硬化性樹脂の硬化物が
形成された平面体35を用いて積層板を製造すると、得
られた積層板の、その硬化物に対応する部分の表面に、
凹凸が形成される場合があった。そして、この凹凸が形
成された積層板表面の外層の金属箔をエッチングして導
体回路を形成すると、凹部が形成された部分が過剰にエ
ッチングされて導体回路に断線不良が発生する場合があ
り、導体回路の歩留まりが低いという問題があった。
【0010】そのため、平面体35を、不織布研磨材
(バフ)や研磨粒材(スクラブ)等で機械的に表面を削
って研磨することにより、表面に付着した熱硬化性樹脂
の硬化物を除去した後、平面体35を用いることが検討
されている。しかしこの場合、平面体35表面の絶縁層
も徐々に除去されて絶縁性が低下してしまい、金属箔3
3全体が均一に抵抗発熱し難くなるため、得られる積層
板の特性が低くなる場合があるという問題があり、平面
体35を繰り返し使用することができる回数が少ないと
いう問題があった。
【0011】また、金属板の表裏にフッ素樹脂フィルム
等の絶縁フィルムを重ねた平面体35を用いて、絶縁フ
ィルムを交換しながら製造することも検討されている
が、この方法の場合、得られる積層板の表面粗さが大き
いという問題があった。
【0012】そのため、平面体35を繰り返し使用する
ことができる回数が優れ、かつ、表面に凹凸が形成され
にくいと共に、表面粗さが優れた積層板が得られる、積
層板の製造方法が求められている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を改善するために成されたもので、その目的とするとこ
ろは、金属箔に給電して抵抗加熱により加熱すると共
に、加圧して製造する積層板の製造方法であって、平面
体を繰り返し使用することができる回数が優れ、かつ、
表面に凹凸が形成されにくいと共に、表面粗さが優れた
積層板が得られる、積層板の製造方法を提供することに
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
積層板の製造方法は、熱硬化性樹脂を基材に含浸したプ
リプレグを有する被圧着体と、一方の面に第一の金属板
が露出すると共に、他方の面にその第一の金属板と電気
的に絶縁された第二の金属板が露出するシート状平面体
との、それぞれの一端面部で金属箔を折り曲げることに
より、間に平面体を挟んで隣り合う被圧着体間で金属箔
が連続化するように、被圧着体、平面体及び金属箔を重
ねて積層体を形成した後、金属箔に給電し、抵抗加熱に
より積層体を加熱すると共に、加圧して製造することを
特徴とする。
【0015】本発明の請求項2に係る積層板の製造方法
は、請求項1記載の積層板の製造方法において、平面体
が、第一の金属板と第二の金属板を、絶縁層を介して接
着した接着物であることを特徴とする。
【0016】本発明の請求項3に係る積層板の製造方法
は、請求項1記載の積層板の製造方法において、平面体
が、第一の金属板と第二の金属板の間に、絶縁シートを
挟んで積載した積載物であることを特徴とする。
【0017】本発明の請求項4に係る積層板の製造方法
は、請求項3記載の積層板の製造方法において、絶縁シ
ートが、フッ素樹脂フィルムであることを特徴とする。
【0018】本発明の請求項5に係る積層板の製造方法
は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の積層板の
製造方法において、第一の金属板及び第二の金属板が、
ステンレス板であることを特徴とする。
【0019】本発明によると、平面体の表面に露出する
部分が金属板であるため、不織布研磨材等で機械的に表
面を削って研磨しても、第一の金属板と第二の金属板の
間の絶縁性が低下しにくくなっている。そのため、平面
体を研磨しながら使用することが可能となり、平面体を
繰り返し使用することができる回数が優れると共に、得
られる積層板の表面に凹凸が形成されにくくなる。更
に、平面体の表面部分の金属板は、加熱・加圧時、軟化
や変形等が起きにくいため、表面粗さが優れた積層板を
得ることが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明に係る積層板の製造方法を
図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る積層板の
製造方法の一実施の形態を説明する断面図であり、図2
は本発明に係る積層板の製造方法の他の実施の形態の、
平面体を説明する断面図である。
【0021】本発明に係る積層板の製造方法の一実施の
形態は、図1に示すように、熱硬化性樹脂を基材に含浸
したプリプレグ11を有する被圧着体12と、シート状
平面体20との、それぞれの一端面部で金属箔15を折
り曲げることにより、間に平面体20を挟んで隣り合う
被圧着体12,12間で金属箔15が連続化するよう
に、被圧着体12、平面体20及び金属箔15を重ねて
積層体を形成する。次いで、その積層体を平面体20,
20で挟み、更に成形プレスの加圧板19,19の間に
挟んで加圧した状態で、金属箔15に給電し、抵抗加熱
により積層体を加熱すると共に、加圧して製造する積層
板の製造方法である。
【0022】なお、被圧着体12,12間に挟んだ平面
体20は、一方の面に第一の金属板21が露出すると共
に、その第一の金属板21と絶縁層25を介して接着し
た第二の金属板22が他方の面に露出する接着物となっ
ており、一方の面に露出する第一の金属板21と、他方
の面に露出する第二の金属板22が電気的に絶縁されて
いる。
【0023】このように、平面体20が、一方の面に第
一の金属板21が露出すると共に、他方の面にその第一
の金属板21と電気的に絶縁された第二の金属板22が
露出する平面体20であることが重要である。このよう
な平面体20でない場合には、平面体20を繰り返し使
用することができる回数が少なくなったり、得られる積
層板の表面に凹凸が形成されやすくなったり、得られる
積層板の表面粗さが大きくなる。
【0024】なお、一方の面に第一の金属板21が露出
すると共に、他方の面にその第一の金属板21と電気的
に絶縁された第二の金属板22が露出する平面体20と
しては、上記のような、第一の金属板21と第二の金属
板22を、絶縁層25を介して接着した接着物に限定す
るものではなく、図2に示すような、第一の金属板21
と第二の金属板22の間に、絶縁シート26を挟んで積
載した積載物でも良い。このような積載物の場合、加熱
・加圧を繰り返して絶縁シート26の部分の特性等が低
下したときには、この絶縁シート26のみを取り替える
ことにより、更に繰り返し平面体20を使用することが
可能となり好ましい。
【0025】この絶縁シート26としては、加熱・加圧
時の温度及び圧力に耐えるシート状絶縁物であれば特に
限定するものではなく、例えば、フッ素樹脂フィルム、
ポリイミドフィルム等の有機系シートや、セラミックシ
ート等の無機系シートが挙げられ、複数種類を同時に用
いても良い。なお、フッ素樹脂フィルムの場合、取り扱
い性と繰り返し使用回数のバランスが優れ好ましい。
【0026】なお、このような積載物の場合、第一の金
属板21及び第二の金属板22と絶縁シート26を分離
した後、第一の金属板21及び第二の金属板22をそれ
ぞれ、不織布研磨材や研磨粒材等で機械的に表面を削っ
て研磨することにより、表面に付着した熱硬化性樹脂の
硬化物を除去する。
【0027】また、平面体20が、図1に示すような第
一の金属板21と第二の金属板22を、絶縁層25を介
して接着した接着物の場合、第一の金属板21と第二の
金属板22と絶縁層25が一体化しているため、取り扱
いやすく好ましい。この絶縁層25としても、加熱・加
圧時の温度及び圧力に耐える絶縁物であれば特に限定す
るものではなく、例えば、ゴム系、エポキシ樹脂系等の
絶縁性接着剤を硬化させたものや、ガラスクロス等の補
強材にゴム系、エポキシ樹脂系等の絶縁性接着剤を付着
させたものを硬化させたものや、ポリイミドフィルム等
の有機系シートや、セラミックシート等の無機系シート
が挙げられる。なお、有機系シートや無機系シートの場
合には、これらと、第一の金属板21及び第二の金属板
22を、絶縁性又は導電性の接着剤で接着して一体化す
ることにより、平面体20を製造する。
【0028】また、第一の金属板21及び第二の金属板
22としては、加熱・加圧時の温度及び圧力に耐える金
属板であり、かつ、不織布研磨材等の機械的な研磨にも
耐える金属板であれば特に限定するものではなく、例え
ば、ステンレス板、鉄板、アルミニウム板等が挙げられ
る。なお、第一の金属板21及び第二の金属板22がス
テンレス板であると、錆にくいため取り扱いやすく好ま
しい。
【0029】また、第一の金属板21及び第二の金属板
22の露出する面の十点平均粗さ(Rz)の値が、3μ
m以下であると、得られる積層板の表面粗さが特に優れ
好ましい。3μmを越える場合、第一の金属板21及び
/又は第二の金属板22表面の凹凸によって、得られる
積層板の表面粗さが大きくなる場合がある。
【0030】また、第一の金属板21及び第二の金属板
22の厚みとしては、0.3〜2mmが好ましい。0.
3mm未満の場合は強度が低くなるため、被圧着体とし
てプリプレグの間に内層板を挟んで重ねたものを用いた
ときに、得られる積層板の表面に、内層回路の浮き出し
が発生する場合がある。また、2mmを越える場合は、
加熱時にこの金属板から放熱しやすくなって加熱しにく
くなるため、生産性が低下する場合がある。
【0031】なお、上記の平面体20は、導電層とし
て、第一の金属板21及び第二の金属板22を有する実
施の形態を説明したが、導電層は2層に限定するもので
はなく、第一の金属板21と第二の金属板22が電気的
に絶縁されていれば、第一の金属板21及び第二の金属
板22の間に他の金属板を挟んでいても良い。
【0032】本発明の被圧着体12は、熱硬化性樹脂を
基材に含浸したプリプレグ11を、その表面及び/又は
内部に有するものであり、プリプレグ11を所要枚数
と、必要に応じて導体回路を形成した内層板等を重ねた
ものである。
【0033】本発明に用いられる基材としては、ガラス
等の無機質繊維やポリエステル、ポリアミド、ポリアク
リル、ポリイミド等の有機質繊維や、木綿等の天然繊維
の織布、不織布、紙等を用いることができる。なお、ガ
ラス繊維製の織布(ガラスクロス)を用いると、得られ
る積層板の耐熱性、耐湿性が優れ好ましい。なお、基材
の厚みとしては0.04〜0.3mmのものが一般的に
使用される。
【0034】また、本発明に用いられる熱硬化性樹脂と
しては、エポキシ樹脂系、フェノール樹脂系、ポリイミ
ド樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポリフェニレン
エーテル樹脂系等の単独、変性物、混合物のように、熱
硬化性樹脂全般を用いることができる。
【0035】この熱硬化性樹脂中には、熱硬化性樹脂を
必須として含有し、必要に応じてその熱硬化性樹脂の硬
化剤、硬化促進剤及び無機充填材等を含有することがで
きる。なおエポキシ樹脂等のように自己硬化性の低い熱
硬化性樹脂は、その樹脂を硬化するための硬化剤等も含
有することが必要である。
【0036】熱硬化性樹脂を基材に含浸してプリプレグ
11を製造する方法としては特に限定するものではな
く、例えば、上記熱硬化性樹脂を溶剤で粘度調整したワ
ニスに、上記基材を浸漬して含浸した後、加熱乾燥する
ことにより半硬化して製造したり、室温で固体状の熱硬
化性樹脂を、加熱溶融させて粘度を低下させた状態で、
基材に含浸した後、冷却することにより固化して製造す
る。
【0037】なお、プリプレグ11中の樹脂量は、プリ
プレグ11の重量(熱硬化性樹脂及び基材の合計重量)
100重量部に対し、40〜70重量部であると好まし
い。40重量部未満の場合は、得られる積層板の耐熱性
が低下する場合があり、70重量部を超える場合は、得
られる積層板の板厚のばらつきが大きくなる場合があ
る。
【0038】また、本発明に用いる金属箔15として
は、銅、アルミニウム、真鍮、ニッケル等の単独、合
金、複合の金属箔15を用いることができ、この金属箔
15の厚みとしては、0.012〜0.070mmのも
のが一般的に使用される。なお、この金属箔15がプリ
プレグ11と直接接触した部分は、加熱・加圧すること
によって接着し、この金属箔15が積層板の表面の導電
層となる。
【0039】積層体を加熱・加圧する条件としては、プ
リプレグ11中の熱硬化性樹脂が硬化する条件で適宜調
整して加熱・加圧すればよいが、加圧の圧力があまり低
いと得られる積層板の内部に気泡が残留する場合がある
ため、成形性を満足する条件で加圧することが好まし
い。
【0040】なお、上記実施の形態は、被圧着体12間
に挟んだ平面体20と同様の平面体20,20で積層体
を挟み、更に成形プレスの加圧板19,19の間に挟ん
だ実施の形態を説明したが、積層体を挟む部分の平板
は、被圧着体12間に挟んだ平面体20と同様のものに
限定するものではなく、一枚の金属板と絶縁シートを積
載したものを、金属板が金属箔15と接するように積層
して用いても良い。
【0041】更に加圧板19と積層体の間には、必要に
応じて、セルロースペーパーやアラミド繊維ペーパー等
のクッション材や熱伝導調整材等を挟み、加熱・加圧す
るようにしてもよい。
【0042】また、上記実施の形態は、予め被圧着体1
2や平面体20を形成した後、被圧着体12、平面体2
0及び金属箔15を重ねる方法を説明したが、本発明は
重ねた後の形状が同じになる方法であれば、別の方法も
含むものである。この別の方法としては、例えば、第一
の金属板21の上に絶縁シート26を重ね、その上に第
二の金属板22を重ねて平面体20を形成した後、その
上に金属箔15を重ね、次いでプリプレグ11を所要枚
数順々に重ねて被圧着体12を形成した後、金属箔15
を重ね、次いで、第一の金属板21、絶縁シート26、
第二の金属板22・・と、一方の加圧板19の側から他
方の加圧板19に向かって、順番に重ねる方法が挙げら
れる。
【0043】
【実施例】
(実施例1)熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂(エポ
キシ当量が500であるテトラブロモビスフェノールA
型エポキシ樹脂[東都化成株式会社製、商品名YDB−
500])を固形分として80重量部と、硬化剤(ジシ
アンジアミド[日本カーバイド株式会社製])を3重量
部と、硬化促進剤(2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル[四国化成株式会社製])を0.2重量部配合して混
合したエポキシ樹脂系熱硬化性樹脂を使用した。
【0044】そして、溶剤を加えて粘度調整した上記熱
硬化性樹脂に、基材として厚さ0.19mmのガラスク
ロス[旭シュエーベル株式会社製、商品名7628]を
用いて、浸漬して含浸し、次いで、最高温度180℃で
加熱乾燥して、樹脂量が45重量%、170℃のゲルタ
イムが150秒のプリプレグを作製した。
【0045】また、平面体として、厚み1mmのステン
レス板の間に厚み0.1mmのフッ素樹脂フィルムを挟
むことにより、第一のステンレス板が一方の面に露出す
ると共に、第二のステンレス板が他方の面に露出し、か
つ、その表裏に露出するステンレス板が相互に電気的に
絶縁された積載物を用いた。なお、用いた第一のステン
レス板と第二のステンレス板の表面の十点平均粗さ(R
z)は、表裏共に2μmであった。
【0046】そして上記プリプレグを3枚重ねて被圧着
体を形成した後、この被圧着体と、上記平面体の、それ
ぞれの一端面部で銅箔(厚み18μm)を折り曲げるこ
とにより、間に平面体を挟んで隣り合う被圧着体間で銅
箔が連続化するように、10組の被圧着体と、9枚の平
面体と銅箔を重ねて積層体を形成した。
【0047】次いで、この積層体を同様の平面体で挟
み、更に成形プレスの加圧板に挟んだ後、銅箔に給電
し、抵抗加熱により積層体を最高温度185℃で50分
加熱すると共に、加圧して、厚み0.6mmの両面銅張
り積層板を10枚製造した。次いで、平面体をステンレ
ス板とフッ素樹脂フィルムに分離した後、ステンレス板
を、不織布研磨材で機械的に削って研磨することにより
洗浄した。
【0048】以上の両面銅張り積層板の製造と、洗浄を
1サイクルとして、50サイクル繰り返した。なお、平
面体は、洗浄しながら同じものを繰り返し用いた。
【0049】(実施例2)平面体として、厚み1mmの
ステンレス板2枚をエポキシ樹脂で接着することによ
り、第一のステンレス板が一方の面に露出すると共に、
第二のステンレス板が他方の面に露出し、かつ、その表
裏に露出するステンレス板が、厚み約0.2mmの絶縁
層を介して相互に電気的に絶縁された接着物を用いたこ
と以外は実施例1と同様にして洗浄しながら両面銅張り
積層板を得た。
【0050】(比較例1)平面体として、厚み2mmの
アルミニウム板の表面を酸化処理して、アルミニウム板
の表面に絶縁層を形成した平面体を用いたこと以外は実
施例1と同様にして、平面体を洗浄しながら両面銅張り
積層板を得た。
【0051】なお、この場合、40サイクル繰り返した
ときに、平面体表面の絶縁層が除去されて絶縁性が低下
し、得られた積層板の一部が硬化不足となっており、平
面体を繰り返し使用することができる回数が少ないこと
が確認された。なおそのため、40サイクル終了後に両
面銅張り積層板の製造を中止した。
【0052】(比較例2)平面体として、厚み2mmの
アルミニウム板の表面を酸化処理して、アルミニウム板
の表面に絶縁層を形成した平面体を用いたこと、及び、
平面体を不織布研磨材で機械的に削って洗浄することな
しに同じものを繰り返し用いたこと以外は実施例1と同
様にして両面銅張り積層板を得た。
【0053】(比較例3)平面体として、ステンレス板
の表裏に、厚み0.1mmのフッ素樹脂フィルムを重ね
た平面体を用いたこと、及び、平面体を不織布研磨材で
機械的に削って洗浄することなしに同じものを繰り返し
用いたこと以外は実施例1と同様にして両面銅張り積層
板を得た。
【0054】(実施例3)被圧着体として、上記プリプ
レグ2枚の間に、導体回路(厚み70μm)を形成した
厚み1.1mmの内層板を挟んで重ねたものを用いたこ
と以外は実施例1と同様にして洗浄しながら両面銅張り
積層板を得た。
【0055】(実施例4)被圧着体として、上記プリプ
レグ2枚の間に、導体回路(厚み70μm)を形成した
厚み1.1mmの内層板を挟んで重ねたものを用いたこ
と以外は実施例2と同様にして洗浄しながら両面銅張り
積層板を得た。
【0056】(比較例4)被圧着体として、上記プリプ
レグ2枚の間に、導体回路(厚み70μm)を形成した
厚み1.1mmの内層板を挟んで重ねたものを用いたこ
と以外は比較例1と同様にして洗浄しながら両面銅張り
積層板を得た。
【0057】なお、この場合も、40サイクル繰り返し
たときに、平面体表面の絶縁層が除去されて絶縁性が低
下し、得られた積層板の一部が硬化不足となっており、
平面体を繰り返し使用することができる回数が少ないこ
とが確認された。なおそのため、40サイクル終了後に
両面銅張り積層板の製造を中止した。
【0058】(比較例5)被圧着体として、上記プリプ
レグ2枚の間に、導体回路(厚み70μm)を形成した
厚み1.1mmの内層板を挟んで重ねたものを用いたこ
と以外は比較例2と同様に平面体を洗浄することなしに
両面銅張り積層板を得た。
【0059】(比較例6)被圧着体として、上記プリプ
レグ2枚の間に、導体回路(厚み70μm)を形成した
厚み1.1mmの内層板を挟んで重ねたものを用いたこ
と以外は比較例3と同様に平面体を洗浄することなしに
両面銅張り積層板を得た。
【0060】(評価、結果)50サイクルの製造が可能
であった各実施例及び比較例2,3,5,6で得られた
両面銅張り積層板の外観不良率と、表面粗さを評価し
た。更に、被圧着体として、プリプレグの間に内層板を
挟んで重ねたものを用いた実施例3,4及び比較例5,
6で得られた両面銅張り積層板については、表面銅箔へ
の内層回路の浮き出し量をも評価した。
【0061】外観不良率は、得られた両面銅張り積層板
500枚の銅箔の表面に形成された、平面体の表面に付
着していた熱硬化性樹脂の硬化物により発生したと見ら
れる凹凸の有無を目視で観察し、面積0.2平方mmを
越えるものが発生している積層板の比率を求めた。
【0062】また、表面粗さは、表面粗さ計[東京精密
株式会社製、サーフコム]を用いて、JIS規格C64
81に従い十点平均粗さ(Rz)を測定した。また、内
層回路の表面銅箔への浮き出し量は、内層回路が表面銅
箔へ浮き出している部分の、内層回路が有る部分と無い
部分の段差の大きさを、表面粗さ計[東京精密株式会社
製、サーフコム]を用いて測定した。
【0063】その結果は、表1に示したように、各実施
例は、比較例2,3,5,6と比べて、外観不良率及び
表面粗さが共に優れていることが確認された。また、実
施例3,4は、比較例6と比べて、内層回路の表面銅箔
への浮き出し量が小さく優れていることが確認された。
なお、表中の「繰り返し使用性」は、平面体を繰り返し
使用することができる回数を示し、○は50回以上を表
し、×は50回未満を表す。
【0064】以上より、各実施例は、平面体を繰り返し
使用することができる回数が優れ、かつ、表面に凹凸が
形成されにくいと共に、表面粗さが優れた積層板が得ら
れるが、各比較例は、これらのうち少なくとも一つの特
性が劣ることが確認された。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明に係る積層板の製造方法は、被圧
着体間に挟んだ平面体が、一方の面に第一の金属板が露
出すると共に、他方の面にその第一の金属板と電気的に
絶縁された第二の金属板が露出する平面体であるため、
平面体を繰り返し使用することができる回数が優れ、か
つ、表面に凹凸が形成されにくいと共に、表面粗さが優
れた積層板を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層板の製造方法の一実施の形態
を説明する断面図である。
【図2】本発明に係る積層板の製造方法の他の実施の形
態の、平面体を説明する断面図である。
【図3】従来の積層板の製造方法を説明する断面図であ
る。
【符号の説明】
11,31 プリプレグ 12,32 被圧着体 15,33 金属箔 19,39 加圧板 20,35 平面体 21 第一の金属板 22 第二の金属板 25 絶縁層 26 絶縁シート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂を基材に含浸したプリプレ
    グを有する被圧着体と、一方の面に第一の金属板が露出
    すると共に、他方の面にその第一の金属板と電気的に絶
    縁された第二の金属板が露出するシート状平面体との、
    それぞれの一端面部で金属箔を折り曲げることにより、
    間に平面体を挟んで隣り合う被圧着体間で金属箔が連続
    化するように、被圧着体、平面体及び金属箔を重ねて積
    層体を形成した後、金属箔に給電し、抵抗加熱により積
    層体を加熱すると共に、加圧して製造することを特徴と
    する積層板の製造方法。
  2. 【請求項2】 平面体が、第一の金属板と第二の金属板
    を、絶縁層を介して接着した接着物であることを特徴と
    する請求項1記載の積層板の製造方法。
  3. 【請求項3】 平面体が、第一の金属板と第二の金属板
    の間に、絶縁シートを挟んで積載した積載物であること
    を特徴とする請求項1記載の積層板の製造方法。
  4. 【請求項4】 絶縁シートが、フッ素樹脂フィルムであ
    ることを特徴とする請求項3記載の積層板の製造方法。
  5. 【請求項5】 第一の金属板及び第二の金属板が、ステ
    ンレス板であることを特徴とする請求項1から請求項4
    のいずれかに記載の積層板の製造方法。
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