JPH1126938A - 内層回路入り積層板の製造方法 - Google Patents

内層回路入り積層板の製造方法

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JPH1126938A
JPH1126938A JP17337697A JP17337697A JPH1126938A JP H1126938 A JPH1126938 A JP H1126938A JP 17337697 A JP17337697 A JP 17337697A JP 17337697 A JP17337697 A JP 17337697A JP H1126938 A JPH1126938 A JP H1126938A
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JP
Japan
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circuit
metal foil
adhesive
inner layer
laminated board
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JP17337697A
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English (en)
Inventor
Hideto Misawa
英人 三澤
Toshiyuki Higashida
利之 東田
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エッチング時の歩留まりが優れた、内層回路
入り積層板の製造方法を提供する。 【解決手段】 2枚の両面金属箔張り基板10の一方の
面を、接着剤層20を介して互いに接着して接着体30
を形成した後、接着体30の表面に露出する部分の金属
箔11をエッチングして回路15を形成し、次いでその
回路15と接するようにプリプレグ40を積層すると共
に、更にその外側にシート体50を積層した後、加熱・
加圧することにより、その中央部に接着剤層20を有す
る圧着体60を形成し、次いで、その圧着体60を接着
剤層20で分離することにより、2枚の内層回路入り積
層板70を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板の
製造に使用される、内層回路入り積層板の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】電気・電子機器等に用いられるプリント
配線板の製造に、内層回路入り積層板が使用されてい
る。この内層回路入り積層板のうち、内部に1層の回路
を有する内層回路入り積層板は、例えば、以下のような
方法で製造されている。
【0003】材料として図3(a)に示すような、片面
金属箔張り基板10を用いて、金属箔11表面の所定の
部分に図示しないエッチングレジストを施し、次いで、
そのエッチングレジストで覆われていない露出した部分
の金属箔11をエッチングした後、エッチングレジスト
を剥離することにより、図3(b)に示すように、回路
15を基板10の表面に形成する。次いで、図3(c)
に示すように、基板10の表裏に、一般にプリプレグ4
0と呼ばれる熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸してシー
ト状とした接着シートを積層し、更にその両外側に銅箔
等のシート体50を積層した後、この積層物を平板に挟
み、更に成形プレスの加圧板に挟んで、加熱・加圧して
一体化することにより、図3(d)に示すような、内層
に回路15を有する内層回路入り積層板を製造する。
【0004】また、他の方法としては、材料として図4
(a)に示すような、両面金属箔張り基板10を用い
て、一方の面の所定の部分と他方の面全面に、図示しな
いエッチングレジストを施し、次いで、そのエッチング
レジストで覆われていない露出した部分の金属箔11を
エッチングした後、エッチングレジストを剥離すること
により、図4(b)に示すように、回路15を基板10
の一方の面に形成する。次いで、図4(c)に示すよう
に、形成した回路15と接するようにプリプレグ40を
積層し、更にその外側に銅箔等のシート体50を積層し
た後、この積層物を平板に挟み、更に成形プレスの加圧
板に挟んで、加熱・加圧して一体化することにより、図
4(d)に示すような、内層回路入り積層板を製造す
る。
【0005】近年の電子機器の高機能化等に伴い、板厚
の薄いプリント配線板が要求されており、そのために、
厚みの薄い金属箔張り基板10を用いて板厚を薄くした
内層回路入り積層板が要求されている。
【0006】しかし、厚みの薄い金属箔張り基板10を
用いて内層回路入り積層板を製造しようとすると、上記
図3に示すような片面金属箔張り基板10を用いる方法
の場合、回路15を形成する途中及び形成した後の基板
10は、回路15を形成する前の基板10と比較して、
強度の高い金属箔11の面積が少ないため腰が弱く、エ
ッチングの方法として、回転する複数のロール上に基板
10を配置して水平に搬送しながら、エッチング液を基
板10の表裏からスプレーする方法によりエッチングす
ると、基板10の端部がスプレー圧の低い側に曲がり、
ロールから外れ落下したり、端部が折れてなくなる場合
があるという問題があった。
【0007】また、上記図4に示すような両面金属箔張
り基板10を用いる方法の場合、回路15を形成した面
は、金属箔11が除去されることによって伸びるため、
回路15を形成する途中及び形成した後の基板10には
大きな反りが発生し、上記と同様にしてエッチングする
と、その反りにより基板10の端部がロールの外側に飛
び出して落下したり、端部が折れてなくなる場合がある
という問題があった。
【0008】そのため、厚みの薄い金属箔張り基板10
を用いて、エッチング液を基板10の表裏からスプレー
する方法により回路を形成する場合に、基板10がロー
ルから外れて落下したり、端部が折れてなくなるという
問題が発生し難く、エッチング時の歩留まりが高い、内
層回路入り積層板の製造方法が望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を改善するために成されたもので、その目的とするとこ
ろは、金属箔張り基板にエッチング液をスプレーする方
法により回路を形成して製造する内層回路入り積層板の
製造方法であって、エッチング時の歩留まりが優れた、
内層回路入り積層板の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
内層回路入り積層板の製造方法は、内層に回路を有する
内層回路入り積層板の製造方法であって、下記の[ア]
〜[エ]の工程を備えることを特徴とする。 [ア]2枚の両面金属箔張り基板の一方の面を、接着剤
層を介して互いに接着して接着体を形成する工程と、
[イ]接着体の表面に露出する部分の金属箔をエッチン
グして回路を形成する工程と、[ウ]熱硬化性樹脂組成
物を基材に含浸したプリプレグを、上記回路と接するよ
うに積層すると共に、更にそのプリプレグの外側にシー
ト体を積層した後、加熱・加圧して一体化することによ
り、その中央部に接着剤層を有する圧着体を形成する工
程と、[エ]上記圧着体を接着剤層で分離することによ
り、2枚の内層回路入り積層板を製造する工程。
【0011】本発明の請求項2に係る内層回路入り積層
板の製造方法は、請求項1記載の内層回路入り積層板の
製造方法において、プリプレグを積層する回路が、粗面
化処理された回路であることを特徴とする。
【0012】本発明の請求項3に係る内層回路入り積層
板の製造方法は、請求項1又は請求項2記載の内層回路
入り積層板の製造方法において、両面金属箔張り基板の
他方の面に張られた金属箔が、露出する面が粗面化され
た金属箔であることを特徴とする。
【0013】本発明の請求項4に係る内層回路入り積層
板の製造方法は、請求項1から請求項3のいずれかに記
載の内層回路入り積層板の製造方法において、シート体
が、銅箔であることを特徴とする。
【0014】本発明の請求項5に係る内層回路入り積層
板の製造方法は、請求項1から請求項3のいずれかに記
載の内層回路入り積層板の製造方法において、シート体
が、一方の面に金属箔層を有し、他方の面及び/又は内
層に回路を有する金属箔張り基板であることを特徴とす
る。
【0015】本発明の請求項6に係る内層回路入り積層
板の製造方法は、請求項1から請求項5のいずれかに記
載の内層回路入り積層板の製造方法において、両面金属
箔張り基板の絶縁部の厚みが、0.04〜0.5mmで
あることを特徴とする。
【0016】本発明の請求項7に係る内層回路入り積層
板の製造方法は、請求項1から請求項6のいずれかに記
載の内層回路入り積層板の製造方法において、2枚の両
面金属箔張り基板を互いに接着する接着剤が、金属シー
トの両面に接着剤の層を形成した接着剤であることを特
徴とする。
【0017】本発明によると、1枚の両面金属箔張り基
板と比較して腰が強い接着体を形成した後、この接着体
にエッチング液をスプレーする方法により回路を形成す
るため、端部がスプレー圧の低い側に曲がりにくいと共
に、両方の面が略同じようにエッチングされるため、反
りが大きくなりにくく、エッチング時に、ロールから外
れて落下したり、端部が折れてなくなるという問題が発
生し難くなって、歩留まりが優れたエッチングが可能と
なる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係る内層回路入り積層板
の製造方法を図面に基づいて説明する。図1及び図2
は、本発明に係る内層回路入り積層板の製造方法の、一
実施の形態の工程を説明する断面図である。
【0019】本発明に係る内層回路入り積層板の製造方
法の一実施の形態は、図1(a)に示すような、2枚の
両面金属箔張り基板10,10と、接着剤25を用い
る。
【0020】本発明で用いる両面金属箔張り基板10
は、その両面に金属箔11の層を有する板であれば特に
限定するものではなく、例えば、エポキシ樹脂系、フェ
ノール樹脂系、ポリイミド樹脂系、不飽和ポリエステル
樹脂系、ポリフェニレンエーテル樹脂系等の熱硬化性樹
脂や、これらの熱硬化性樹脂に無機充填材等を配合した
熱硬化性樹脂組成物のシートの両面に、銅箔等の金属箔
11が張られている板や、ガラス等の無機質繊維又はポ
リエステル、ポリアミド、木綿等の有機質繊維のクロ
ス、ペーパー等の基材を、上記熱硬化性樹脂等で接着
し、両面に銅箔等の金属箔11が張られている板が挙げ
られる。
【0021】この基板10の内部には、回路やその壁面
に金属皮膜を備えた穴等を有していてもよい。なお、金
属箔11としては、銅箔や、ステンレス箔等が挙げられ
るが、電気的信頼性より、銅箔が好ましく、その厚みと
しては、0.01〜0.07mmのものが一般的であ
る。なお、基板10の一方の面の金属箔11と、他方の
面の金属箔11の厚み及び材質は、同じでも良く、異な
っていても良い。
【0022】また、基板10の厚みとしては、特に限定
するものではないが、表面の金属箔11の層を除いた絶
縁部の厚みが0.04〜0.5mmの場合、回路を形成
する途中及び形成した後の基板10の腰が特に弱いた
め、本発明の製造方法を用いると、エッチング時の歩留
まりが優れるという効果が特に大きく好ましい。
【0023】また、用いる接着剤25としては、後のエ
ッチングの工程(工程[イ])や取り扱い等において、
接着した2枚の両面金属箔張り基板10,10が剥がれ
ない程度であり、かつ、後の圧着体を接着剤層で分離す
る工程(工程[エ])では分離可能な程度の接着強度を
有する接着剤25を用いる。なお、この強度としては、
0.1〜0.5kg/cm程度の強度であると、作業性
等が優れ好ましい。
【0024】この接着剤25は、シート状のものでも良
く、液状のものでも良い。なお、金属シートの両面に接
着剤の層を形成した接着剤25であると、後工程で得ら
れる接着体の腰が特に強くなって、エッチングの工程
で、特に歩留まりが優れると共に、圧着体を接着剤層で
分離する工程で、分離する作業性が優れ好ましい。な
お、この接着剤25に用いられる金属シートとしては、
銅箔又はアルミニウム箔又はこれらの複合箔が好まし
く、その厚みとしては、0.01〜0.07mmが好ま
しい。
【0025】そして、上記接着剤25を用いて、2枚の
両面金属箔張り基板10,10を互いに接着することに
より、図1(b)に示すような、2枚の両面金属箔張り
基板10,10の一方の面を、接着剤層20を介して互
いに接着した接着体30を形成する(工程[ア])。
【0026】なお、2枚の両面金属箔張り基板10,1
0の間に隙間があいていると、後工程でその隙間の部分
にエッチング液等が浸み込み、その部分の金属箔11が
ダメージを受ける場合があるため、できるだけ隙間が無
いように形成すると好ましい。なお、隙間のうち、その
周囲には接着剤層20が形成されて、その部分にはエッ
チング液等が浸み込まない部分の場合には、接着剤層2
0が形成されていなくても良い。
【0027】次いで、接着体30の両方の面に露出する
金属箔11のうち、回路の形成を予定する部分の表面
に、図示しないエッチングレジストを施した後、そのエ
ッチングレジストで覆われていない露出する部分の金属
箔11をエッチングし、次いで、エッチングレジストを
剥離することにより、図1(c)に示すように、接着体
30の両方の面に、回路15を形成する(工程
[イ])。
【0028】このエッチングの方法としては、接着体3
0にエッチング液をスプレーする方法で行うと、エッチ
ングの速度が優れ好ましい。なお、接着体30は、1枚
の両面金属箔張り基板10と比較して腰が強いため、端
部がスプレー圧の低い側に曲がりにくいと共に、両方の
面が略同じようにエッチングされるため、反りが大きく
なりにくく、エッチング時に、ロールから外れて落下し
たり、端部が折れてなくなるという問題が発生し難くな
って、歩留まりが優れたエッチングが可能となる。
【0029】次いで、図1(d)に示すように、熱硬化
性樹脂組成物を基材に含浸したプリプレグ40を、接着
体30の表面に形成した回路15と接するように積層す
ると共に、更にそのプリプレグ40の外側にシート体5
0を積層する。次いで、加熱・加圧して一体化すること
により、図2(a)に示すような、その中央部に接着剤
層20を有する圧着体60を形成する(工程[ウ])。
なお、積層するプリプレグ40は、1枚に限定するもの
ではなく、形成しようとする絶縁層の厚みに応じて適宜
調整可能である。
【0030】本発明に用いるプリプレグ40は、熱硬化
性樹脂組成物を基材に含浸した接着シートであり、熱硬
化性樹脂としては、エポキシ樹脂系、フェノール樹脂
系、ポリイミド樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポ
リフェニレンエーテル樹脂系等の単独、変性物、混合物
のように、熱硬化性樹脂全般を用いることができる。こ
の熱硬化性樹脂組成物中には、熱硬化性樹脂を必須とし
て含有し、必要に応じてその熱硬化性樹脂の硬化剤、硬
化促進剤及び無機充填材等を含有することができる。な
おエポキシ樹脂等のように自己硬化性の低い熱硬化性樹
脂は、その樹脂を硬化するための硬化剤等も含有するこ
とが必要である。
【0031】また、プリプレグ40に用いられる基材と
しては、ガラス等の無機質繊維やポリエステル、ポリア
ミド、ポリアクリル、ポリイミド等の有機質繊維や、木
綿等の天然繊維の織布、不織布、紙等を用いることがで
きる。なお、ガラス繊維製の織布(ガラスクロス)を用
いると、得られる内層回路入り積層板の耐熱性、耐湿性
が優れ好ましい。なお、基材の厚みとしては0.04〜
0.3mmのものが一般的に使用される。
【0032】熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸してプリ
プレグ40を製造する方法としては特に限定するもので
はなく、例えば、熱硬化性樹脂組成物を溶剤で粘度調整
したワニスに、基材を浸漬して含浸した後、加熱乾燥す
ることにより半硬化して製造したり、室温で固体状の熱
硬化性樹脂組成物を、加熱溶融させて粘度を低下させた
状態で、基材に含浸した後、冷却することにより固化し
て製造する。なお、プリプレグ40中の樹脂量は、プリ
プレグ40の重量(熱硬化性樹脂組成物及び基材の合計
重量)100重量部に対し、40〜70重量部であると
好ましい。40重量部未満の場合は、得られる内層回路
入り積層板の耐熱性が低下する場合があり、70重量部
を超える場合は、得られる内層回路入り積層板の板厚の
ばらつきが大きくなる場合がある。
【0033】また、圧着体60の形成に用いられるシー
ト体50としては、銅、アルミニウム、真鍮、ニッケル
等の単独、合金、複合の金属箔や、フッ素樹脂フィルム
等の離型シートを用いることができる。なお、金属箔と
しては、電気的信頼性より、銅箔が好ましく、その厚み
としては、0.012〜0.070mmのものが一般的
に使用される。
【0034】なお、シート体50として、一方の面に金
属箔層を有し、他方の面及び/又は内層に回路を有する
金属箔張り基板を用いることも可能である。この場合、
この基板の上記他方の面を、プリプレグ40と接する側
に配して積層すると、内層の回路が複数の層に形成され
た多層の内層回路入り積層板を製造することが可能とな
り好ましい。
【0035】なお、回路15の表面を、過硫酸アンモニ
ウムを含む粗面化処理液や、酸化剤とアルカリを含む一
般に黒化処理液と呼ばれる液等で化学的に粗面化した
後、プリプレグ40を積層するようにすると、得られる
内層回路入り積層板の内層の回路15とプリプレグ40
が硬化した絶縁層の間の接着強度が向上すると共に、得
られる内層回路入り積層板の吸湿耐熱性が向上し好まし
い。なお、回路15を形成した後、粗面化する代わり
に、露出する面が粗面化された金属箔を張った両面金属
箔張り基板10を、接着体30を形成する材料として用
いることも可能である。この場合、得られる内層回路入
り積層板の内層の回路15とプリプレグ40が硬化した
絶縁層の間の接着強度が向上すると共に、粗面化処理時
に発生するトラブル等を防止することが可能となり好ま
しい。なお、露出する面が粗面化された金属箔を張った
両面金属箔張り基板10の、接着剤層20を介して接着
する面の金属箔は、露出する面が粗面化された金属箔で
も良く、露出する面が平滑な金属箔でも良い。
【0036】次いで、図2(b)に示すように、圧着体
60を接着剤層20で分離することにより、2枚の内層
回路入り積層板70を製造する(工程[エ])。する
と、エッチング時の歩留まりが優れた、内層回路入り積
層板70が得られる。また、1度のエッチング等で2枚
の内層回路入り積層板70が得られるため、生産性が高
いという効果も得られる。
【0037】なお、内層回路入り積層板70の表面に、
接着剤層20の残滓が残った場合には、機械的に研磨し
て除去したり、デスミアに用いられる樹脂溶解液等で処
理して除去を行ってからプリント配線板の製造に用いる
と、プリント配線板の表面に形成しようとする回路の歩
留まりが高くなり好ましい。
【0038】
【実施例】
(実施例1)両面金属箔張り基板として、銅箔厚さ0.
035mm、絶縁部の厚み0.4mmのエポキシ樹脂両
面銅張り基板[松下電工株式会社製、品名 R176
6]を、100枚用いた。そして、この基板をエポキシ
樹脂系接着剤を用いて2枚ずつ接着して、2枚の両面銅
張り基板の一方の面を、接着剤層を介して互いに接着し
た接着体を50枚形成した(工程[ア])。
【0039】次いで、接着体の両面に、厚み0.03m
m、ネガタイプ、アルカリ現像型のシート状感光性レジ
スト[東京応化工業株式会社製、品名 AF−730]
を貼り付けた後、所定形状のパターンを形成したマスク
フィルムを接触させ、次いで、UV光を照射して露光し
た後、炭酸ナトリウム水溶液で現像して、回路の形成を
予定する部分の接着体表面に、エッチングレジストを施
した。次いで、エッチング液として塩化第2銅エッチン
グ液を用いて、このエッチング液をスプレーする方法で
接着体の表面に露出する部分の金属箔をエッチングした
後、水酸化ナトリウム水溶液で残るエッチングレジスト
を剥離して、回路を形成した(工程[イ])。
【0040】このとき、接着体がロールから外れて落下
したり、端部が折れてなくなるという問題が発生してお
らず、表1に示したように、エッチング時の歩留まりは
100%であった。また、回路を形成した後の接着体の
反りの大きさを測定したところ、5枚の平均が3mmで
あった。
【0041】次いで、回路を形成した接着体を、亜塩素
酸ナトリウムを100g/リットル、水酸化ナトリウム
を43g/リットル、リン酸ナトリウムを15g/リッ
トル含有する75℃の酸化処理液に5分浸漬した後、水
洗して、回路を粗面化処理した。
【0042】次いで、エポキシ樹脂系熱硬化性樹脂組成
物をガラスクロス(基材)に含浸した厚み0.1mmの
プリプレグ[松下電工株式会社製、品名 R1661]
を、上記回路と接するように表裏2枚ずつ積層し、更に
そのプリプレグの外側に、シート体として厚み0.03
5mmの銅箔を積層した。次いで、最高温度170℃、
最高圧力3MPaの条件で90分加熱・加圧して一体化
することにより、その中央部に接着剤層を有する圧着体
を形成した(工程[ウ])。
【0043】次いで、得られた圧着体を接着剤層でそれ
ぞれ2枚の内層回路入り積層板に分離することにより、
100枚の内層回路入り積層板を得た(工程[エ])。
【0044】
【表1】
【0045】(実施例2)両面金属箔張り基板として、
一方の面の銅箔が、露出する面が粗面化された厚さ0.
035mmの銅箔であり、他方の面の銅箔が、露出する
面が平滑な厚さ0.035mmの銅箔である、絶縁部の
厚み0.4mmのエポキシ樹脂両面銅張り基板[松下電
工株式会社製、品名 R1768]を用いたこと、及
び、露出する面が粗面化された銅箔が両面に露出するよ
うに接着して接着体を形成したこと、及び、酸化処理液
で回路を粗面化処理しなかったこと以外は、実施例1と
同様にして内層回路入り積層板を得た。なお、エッチン
グ時の歩留まりは、同様に100%であった。また、回
路を形成した後の接着体の反りの大きさを同様に測定し
たところ、3mmであった。
【0046】(実施例3)シート体として、一方の面に
厚み0.035mmの銅箔層を有し、他方の面及び内層
に、厚み0.035mmの銅箔製回路を有する4層銅箔
張り基板を用いて、この基板の上記他方の面を、プリプ
レグと接する側に配して積層したこと以外は、実施例1
と同様にして6層の内層回路入り積層板を得た。なお、
エッチング時の歩留まりは、同様に100%であった。
また、回路を形成した後の接着体の反りの大きさを同様
に測定したところ、2mmであった。
【0047】(実施例4)両面銅張り基板を接着する接
着剤として、厚み0.03mmのアルミニウム箔の両面
に、エポキシ樹脂系接着剤の層を0.005mmの厚み
形成した接着剤を用いたこと以外は、実施例1と同様に
して内層回路入り積層板を得た。なお、エッチング時の
歩留まりは、同様に100%であった。また、回路を形
成した後の接着体の反りの大きさを同様に測定したとこ
ろ、2mmであった。
【0048】(比較例1)接着体を形成する工程(工程
[ア])を行わないこと、及び、両面銅張り基板の、一
方の面の回路の形成を予定する部分の表面にエッチング
レジストを施すと共に、他方の面全体にエッチングレジ
ストを施した後、エッチング液をスプレーする方法で実
施例1と同様にエッチングして、基板の上記他方の面全
体に銅箔を残しながら、一方の面に回路を形成したこ
と、及び、粗面化処理とプリプレグの積層を、基板の表
面に形成した回路に対して行ったこと、及び、接着剤層
で分離する工程(工程[エ])を行わないこと以外は、
実施例1と同様にして内層回路入り積層板を得た。
【0049】なお、エッチング時に、基板がロールから
外れて落下したり、端部が折れてなくなるという問題が
一部発生しており、エッチング時の基板の歩留まりは8
5%であった。また、回路を形成した後の基板の反りの
大きさを同様に測定したところ、30mmであった。
【0050】(結果のまとめ)表1に示したように、従
来の方法である比較例1と比べて、各実施例は、エッチ
ング時の歩留まりが優れていることが確認された。な
お、プリプレグやシート体を積層する作業性について
も、各実施例は、反りが大きな基板に対して積層する比
較例1と比べ、優れていることが確認された。
【0051】
【発明の効果】本発明に係る内層回路入り積層板の製造
方法によると、2枚の両面金属箔張り基板の一方の面
を、接着剤層を介して互いに接着して接着体を形成した
後、接着体表面の金属箔をエッチングして回路を形成す
るため、エッチング液をスプレーする方法により回路を
形成する場合であっても、エッチング時の歩留まりが優
れた、内層回路入り積層板の製造が可能となる。
【0052】本発明の請求項2及び請求項3に係る内層
回路入り積層板の製造方法によると、上記の効果に加
え、内層の回路とプリプレグが硬化した絶縁層の間の接
着強度が優れると共に、吸湿耐熱性が優れた、内層回路
入り積層板の製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内層回路入り積層板の製造方法
の、一実施の形態の工程を説明する断面図である。
【図2】本発明に係る内層回路入り積層板の製造方法
の、一実施の形態の工程を説明する断面図である。
【図3】従来の内層回路入り積層板の製造方法の、工程
を説明する断面図である。
【図4】従来の内層回路入り積層板の製造方法の、他の
工程を説明する断面図である。
【符号の説明】
10 基板 11 金属箔 15 回路 20 接着剤層 25 接着剤 30 接着体 40 プリプレグ 50 シート体 60 圧着体 70 内層回路入り積層板

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内層に回路を有する内層回路入り積層板
    の製造方法であって、下記の[ア]〜[エ]の工程を備
    えることを特徴とする内層回路入り積層板の製造方法。 [ア]2枚の両面金属箔張り基板の一方の面を、接着剤
    層を介して互いに接着して接着体を形成する工程と、
    [イ]接着体の表面に露出する部分の金属箔をエッチン
    グして、回路を形成する工程と、[ウ]熱硬化性樹脂組
    成物を基材に含浸したプリプレグを、上記回路と接する
    ように積層すると共に、更にそのプリプレグの外側にシ
    ート体を積層した後、加熱・加圧して一体化することに
    より、その中央部に接着剤層を有する圧着体を形成する
    工程と、[エ]上記圧着体を接着剤層で分離することに
    より、2枚の内層回路入り積層板を製造する工程。
  2. 【請求項2】 プリプレグを積層する回路が、粗面化処
    理された回路であることを特徴とする請求項1記載の内
    層回路入り積層板の製造方法。
  3. 【請求項3】 両面金属箔張り基板の他方の面に張られ
    た金属箔が、露出する面が粗面化された金属箔であるこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2記載の内層回路入
    り積層板の製造方法。
  4. 【請求項4】 シート体が、銅箔であることを特徴とす
    る請求項1から請求項3のいずれかに記載の内層回路入
    り積層板の製造方法。
  5. 【請求項5】 シート体が、一方の面に金属箔層を有
    し、他方の面及び/又は内層に回路を有する金属箔張り
    基板であることを特徴とする請求項1から請求項3のい
    ずれかに記載の内層回路入り積層板の製造方法。
  6. 【請求項6】 両面金属箔張り基板の絶縁部の厚みが、
    0.04〜0.5mmであることを特徴とする請求項1
    から請求項5のいずれかに記載の内層回路入り積層板の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 2枚の両面金属箔張り基板を互いに接着
    する接着剤が、金属シートの両面に接着剤の層を形成し
    た接着剤であることを特徴とする請求項1から請求項6
    のいずれかに記載の内層回路入り積層板の製造方法。
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