JP3329218B2 - 積層体成形用サーマルバリア - Google Patents

積層体成形用サーマルバリア

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JP3329218B2
JP3329218B2 JP01819497A JP1819497A JP3329218B2 JP 3329218 B2 JP3329218 B2 JP 3329218B2 JP 01819497 A JP01819497 A JP 01819497A JP 1819497 A JP1819497 A JP 1819497A JP 3329218 B2 JP3329218 B2 JP 3329218B2
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裕信 森
勉 一木
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Matsushita Electric Works Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気・電子機器等
に使用される金属箔張り積層体の製造に用いる、積層体
成形用サーマルバリアに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プリント配線板の製造に用いられ
る金属箔張り積層体は、例えばガラスクロス等の基材に
エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂組成物を含浸した後、乾
燥して半硬化させることによってプリプレグを製造し、
このプリプレグを所要枚数重ねるとともに、その両側に
銅箔等の金属箔を配して積層して積層物を形成し、その
積層物を成形プレスの加圧板の間に挟んで加熱・加圧す
ることにより製造されている。
【0003】また、生産性の向上のために、複数の積層
物を、必要に応じて間に金属製等の平板を介在させて重
ね、その重ねたものを成形プレスの加圧板の間に挟んで
加熱・加圧して、一度に多数の積層体を得る方法も用い
られている。
【0004】これらの加熱・加圧する方法としては、積
層物を加圧板の間に挟んで加圧板からの伝熱により加熱
しながら加圧する方法や、特表平8−506289号に
記載されたような、積層物を加圧板の間に挟んだ状態で
金属箔に給電して抵抗加熱により加熱しながら加圧する
方法が行われている。なお、抵抗加熱は、電気抵抗を有
する導体に電流を流し、ジュール効果で発生する熱によ
り加熱する方法である。
【0005】この抵抗加熱により加熱しながら加圧する
方法としては、図4に示すような、金属箔22をプリプ
レグ21の一端面部で折り曲げてプリプレグ21の表裏
に重ねた複数の積層物23・・を、間に絶縁性の平板2
4を介在させて重ね、その重ねたものを成形プレスの加
圧板25,25の間に挟んで加圧した状態で、金属箔2
2に給電することにより、各積層物23・・を抵抗加熱
によって加熱して、金属箔22及びプリプレグ21を接
着して一体化する方法が行われている。
【0006】なお、金属箔22は、間に平板24を挟ん
で隣り合う積層物23,23間で金属箔22が連続化す
るように配置されており、金属箔22の両端部に給電す
ると、複数の積層物23・・に給電されるようになって
いる。この抵抗加熱による加熱する方法の場合、金属箔
22全体が発熱するため、複数の積層物23・・全てが
ほぼ同じように発熱し、上記加圧板からの伝熱により加
熱する方法と比較して加熱時間が短く、生産性が高いと
いう特徴がある。
【0007】しかし、積層物23・・を加圧板25,2
5の間に挟んだ状態で金属箔22に給電して抵抗加熱に
より加熱しながら加圧する方法の場合、加圧板25,2
5に最も近い部分の積層物23の熱が、加圧板25,2
5に吸収されてその部分の積層体23の温度が低くな
り、硬化が不十分となる場合があるという問題又は、温
度が低い部分の硬化を進めるために、余分な加熱時間が
必要であるという問題があった。
【0008】そのため、加圧板25,25に最も近い部
分の積層物23と加圧板25の間に、サーマルバリア1
0と呼ばれる発熱体を設け、加圧板25,25に最も近
い部分の積層物23の温度を低下させない方法が検討さ
れている。
【0009】このサーマルバリア10の構造は一般に、
図5に示すように、銅箔等の導電シート12を絶縁板1
1・・の一端面部で折り曲げることにより絶縁板11・
・の間に配置して、絶縁板11・・間で導電シート12
が連続化するように複数の絶縁板11・・を重ね、更に
その重ねたものを、金属製の外装板14,14に挟んで
固定して一体化すると共に、導電シート12の両端部を
上側の外装板14と下側の外装板14にそれぞれ接続し
て、上側の外装板14と下側の外装板14の間に給電す
ると、抵抗加熱によって発熱するようになっている。
【0010】しかし、サーマルバリア10を繰り返し積
層体製造のための加熱・加圧に使用すると、導電シート
12の絶縁板11の一端面部で折り曲げた部分が切断
し、電流が流れにくくなるという問題や、その切断した
部分でスパークが発生して、絶縁板11が溶融変形した
り、絶縁板11から発火する場合があるという問題があ
った。そのため、繰り返し使用しても、導電シート12
が切断しにくい積層体成形用サーマルバリアが求められ
ている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を改善するために成されたもので、その目的とするとこ
ろは、導電シートを絶縁板の一端面部で折り曲げて絶縁
板の間に配置することにより、絶縁板間で導電シートが
連続化するように複数の絶縁板を重ね、導電シートに給
電して抵抗加熱により絶縁板を加熱可能に形成してなる
サーマルバリアであって、繰り返し使用しても、導電シ
ートが切断しにくい積層体成形用サーマルバリアを提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
積層体成形用サーマルバリアは、導電シートを絶縁板の
一端面部で折り曲げて絶縁板の間に配置することによ
り、絶縁板間で導電シートが連続化するように複数の絶
縁板を重ね、導電シートに給電して抵抗加熱により絶縁
板を加熱可能に形成してなる積層体成形用サーマルバリ
アおいて、導電シートが、金属シートに絶縁体の層を形
成した導電シートであることを特徴とする。
【0013】本発明の請求項2に係る積層体成形用サー
マルバリアは、請求項1記載の積層体成形用サーマルバ
リアにおいて、絶縁体の層が、熱硬化性樹脂の層である
ことを特徴とする。
【0014】本発明の請求項3に係る積層体成形用サー
マルバリアは、請求項1又は請求項2記載の積層体成形
用サーマルバリアにおいて、絶縁体の層が、無機系基材
含有熱硬化性樹脂の層であることを特徴とする。
【0015】本発明の請求項4に係る積層体成形用サー
マルバリアは、請求項1から請求項3のいずれかに記載
の積層体成形用サーマルバリアにおいて、金属シートに
絶縁体の層を形成する方法が、導電シートのうち、絶縁
板の一端面部で折り曲げる部分を除く部分に絶縁体層未
形成部を残しながら、金属シートに絶縁体の層を形成す
る方法であることを特徴とする。
【0016】本発明の請求項5に係る積層体成形用サー
マルバリアは、導電シートを絶縁板の一端面部で折り曲
げて絶縁板の間に配置することにより、絶縁板間で導電
シートが連続化するように複数の絶縁板を重ね、導電シ
ートに給電して抵抗加熱により絶縁板を加熱可能に形成
してなる積層体成形用サーマルバリアおいて、導電シー
トが、その導電シートのうち、絶縁板の一端面部で折り
曲げる部分に第一の導電シートを配し、絶縁板の一端面
部で折り曲げる部分を除く部分に第二の導電シートを配
し、第一の導電シートと第二の導電シートが摺動可能に
接触している導電シートであることを特徴とする。
【0017】本発明の請求項6に係る積層体成形用サー
マルバリアは、請求項1から請求項5のいずれかに記載
の積層体成形用サーマルバリアにおいて、複数の絶縁板
及び導電シートが、金属製の外装板に挟持されているこ
とを特徴とする。
【0018】本発明によると、積層体成形用サーマルバ
リアに、金属シートに絶縁体の層が形成された導電シー
ト、又は第一の導電シートと第二の導電シートが摺動可
能に接触している導電シートを用いているため、サーマ
ルバリアが発熱して導電シートと絶縁板の熱膨張率の差
による大きなストレスが繰り返し導電シートに加わった
場合であっても、その絶縁体の層が導電シートの強度を
補強する、又は第一の導電シートと第二の導電シートが
摺動して熱膨張の差を吸収して切断しにくくなる。なお
導電シートとして、金属部を厚くした金属シート単独の
導電シートを用いた場合、強度を補強する効果はある
が、電気が流れやすくなって、抵抗発熱しにくくなり、
サーマルバリアとしての発熱効果が低下するため実用的
でない。
【0019】なお、本発明の積層体成形用サーマルバリ
アとは、積層物を加熱して積層体を成形するための加熱
において、複数の積層物を重ねたものの外側に配置し、
積層物から外部に放散する熱を防ぐ発熱体を表すもので
ある。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明に係る積層体成形用サーマ
ルバリアを図面に基づいて説明する。図1は本発明の請
求項1に係る積層体成形用サーマルバリアの一実施の形
態を説明する図であり、図2は本発明の請求項1に係る
積層体成形用サーマルバリアの他の実施の形態を説明す
る図である。図3は本発明の請求項5に係る積層体成形
用サーマルバリアの一実施の形態を説明する図である。
図4は本発明に係る積層体成形用サーマルバリアを用い
た金属箔張り積層体の製造方法を説明する図である。
【0021】[本発明の請求項1に係る積層体成形用サ
ーマルバリア]本発明の請求項1に係る積層体成形用サ
ーマルバリアの一実施の形態は、図1に示すように、3
枚の絶縁板11・・と1枚の導電シート12を、2枚の
金属製の外装板14,14で挟持した実施の形態であ
る。なお導電シート12を、絶縁板11・・の一端面部
で折り曲げて絶縁板11・・の間及び絶縁板11と外装
板14の間に配置することにより、全ての絶縁板11・
・間で一枚の導電シート12が連続化するように複数の
絶縁板11・・が重ねられている。
【0022】また、導電シート12の両端部は、上側の
外装板14と下側の外装板14にそれぞれ接続されてお
り、上側の外装板14と下側の外装板14の間に給電す
ると、導電シート12に給電されて、抵抗加熱によりサ
ーマルバリア10が発熱するようになっている。
【0023】なお、導電シート12は、金属シート12
1の一方の面に絶縁体の層122を形成した導電シート
12である。そのため、このサーマルバリア10を繰り
返し使用しても、導電シート12が切断しにくくなって
いる。これは、サーマルバリア10が発熱した場合に、
導電シート12及び絶縁板11・・が膨張する。このと
き、導電シート12と絶縁板11・・の熱膨張率が異な
るため、この差によるストレスが導電シート12及び絶
縁板11・・に加わり、従来の金属シート121単独の
場合には、絶縁板11・・と比較して厚みが薄く強度の
弱い導電シートが切断すると考えられる。しかし、導電
シート12に絶縁体の層122を形成していると、その
絶縁体の層122が導電シート12の強度を補強して、
切断しにくくなると考えられる。
【0024】なお、絶縁体の層122を形成しない、厚
みの厚い金属シート121単独の導電シート12を用い
た場合、同様に強度を補強する効果はあるが、電気が流
れやすくなって抵抗発熱しにくくなり、同じ発熱量を得
ようとすると導電シート12の長さを長くする必要があ
り、サーマルバリア10が厚くなって作業性が低下する
という問題や、温度の調整が困難になるという問題があ
る。
【0025】なお、絶縁体の層122は、金属シート1
21の一方の面に形成することに限定するものではな
く、金属シート121に給電可能になっていれば両面に
形成していてもよい。また、2枚の金属シート121の
間に絶縁体の層122を形成したような導電シート12
でもよい。
【0026】また、絶縁体の層122は、金属シート1
21の全面に形成することに限定するものではなく、図
2に示すように、導電シート12のうち、絶縁板11の
一端面部で折り曲げる部分には絶縁体の層122を形成
し、絶縁板11の一端面部で折り曲げる部分を除く部分
には絶縁体の層122を形成しない(絶縁体層未形成部
を残す)ようにしてもよい。
【0027】導電シート12を構成する金属シート12
1としては、導電性があれば特に限定するものではな
く、銅、アルミニウム、真鍮、ニッケル等の単独、合
金、複合の箔を用いることができる。この厚みとして
は、0.035〜0.070mm程度が抵抗加熱するた
めには好ましい。なお、金属シート121は、短い長さ
のシートを貼り合わせて長尺化したシートでもよい。
【0028】導電シート12を構成する絶縁体の層12
2としては、絶縁性があれば特に限定するものではな
く、熱硬化性樹脂の層、無機系基材含有熱硬化性樹脂の
層、セラミックの層等が挙げられる。この厚みとして
は、0.020〜0.10mm程度が好ましい。なお、
絶縁体の層122が熱硬化性樹脂の層の場合、金属シー
ト121との接着強度が優れ好ましい。また、無機系基
材含有熱硬化性樹脂の層の場合、金属シート121との
接着強度が優れると共に、補強効果が大きいため特に切
断しにくく好ましい。
【0029】また、絶縁板11としては、絶縁性の板で
あれば特に限定するものではなく、エポキシ樹脂系、フ
ェノール樹脂系、ポリイミド樹脂系、不飽和ポリエステ
ル樹脂系、ポリフェニレンエーテル樹脂系等の熱硬化性
樹脂の板や、ガラスクロス等の無機系基材を上記熱硬化
性樹脂で接着した板や、表面を絶縁処理した金属板等が
挙げられる。この厚みとしては、1〜3mm程度が好ま
しい。なお、1つのサーマルバリア10に用いる絶縁板
11の枚数は特に限定するものではなく、発熱したい量
や、用いる絶縁板11の厚み等に応じて調整する。
【0030】外装板14としては、板状の物であれば特
に限定するものではなく、絶縁性の板でもよく導電性の
板でもよい。なお、金属製の板の場合、繰り返し使用し
ても表面に傷や凹凸が発生しにくく好ましい。また、導
電性の板で外装板14を形成すると共に、導電シート1
2の両端部をそれぞれ一方の外装板14と他方の外装板
14に接続したサーマルバリアの場合、このサーマルバ
リアを介して、製造しようとする金属箔張り積層体の部
分に給電可能となり好ましい。
【0031】そしてこの積層体成形用サーマルバリア1
0を使用して金属箔張り積層体を製造する場合には、特
に限定するものではないが、図4に示すように、基材に
エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂組成物を含浸した後、乾
燥して半硬化させることによって製造したプリプレグ2
1と、金属箔22と、絶縁性の平板24を用いる。そし
て、プリプレグ21の一端面部で金属箔22を折り曲げ
て、プリプレグ21の表裏に金属箔22を重ねて積層物
23・・を形成する。なお、プリプレグ21に代えて、
複数のプリプレグ21の間に導体回路を備えた内層回路
板を挟んだものでもよい。
【0032】そして、複数の積層物23・・を重ねて複
数の金属箔張り積層体を同時に製造する場合には、絶縁
性の平板24の一端面部で金属箔22を折り曲げること
により、隣り合う積層物23,23間で金属箔22が連
続化するように複数の平板24・・と複数の積層物23
・・を重ねる。
【0033】そしてその重ねたものを、サーマルバリア
10,10で両面から挟み、更に成形プレスの金属製加
圧板25,25の間に挟む。次いで、加圧板25,25
間を加圧した状態で、加圧板25からサーマルバリア1
0に給電して、サーマルバリア10の外装板を介してサ
ーマルバリア10内の金属シートに給電すると共に、金
属箔22に給電する。すると、サーマルバリア10内の
絶縁板及びプリプレグ21が抵抗加熱により加熱され
る。この加熱による硬化反応と、加圧板25,25間の
加圧圧力により、金属箔22及びプリプレグ21が一体
化して金属箔張り積層体が得られる。
【0034】なお、サーマルバリア10と積層物23の
間や、サーマルバリア10と加圧板25の間に、セルロ
ースペーパーやアラミド繊維ペーパー等のクッション材
や熱伝導調整材等を挟んで加熱・加圧するようにしても
よい。
【0035】なお、上記プリプレグ21に用いる熱硬化
性樹脂組成物としては、エポキシ樹脂系、フェノール樹
脂系、ポリイミド樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、
ポリフェニレンエーテル樹脂系等の単独、変性物、混合
物のように、熱硬化性樹脂組成物全般を用いることがで
きる。
【0036】また、プリプレグ21に用いる基材として
は、ガラス等の無機質繊維やポリエステル、ポリアミ
ド、ポリアクリル、ポリイミド等の有機質繊維や、木綿
等の天然繊維の織布、不織布、紙等を用いることができ
る。なお、ガラス繊維製の織布(ガラスクロス)が耐熱
性、耐湿性に優れ好ましい。
【0037】熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸してプリ
プレグ21を製造する方法としては特に限定するもので
はなく、一般の方法が使用できる。また、プリプレグ2
1の樹脂比率も、特に限定するものではないが、熱硬化
性樹脂組成物及び基材の合計100重量部に対し、40
〜70重量部が一般的である。
【0038】また、本発明に用いる金属箔22も、特に
限定するものではなく、銅、アルミニウム、真鍮、ニッ
ケル等の単独、合金、複合の箔を用いることができる。
この金属箔22の厚みとしては、0.012〜0.07
0mmが一般的である。なお、金属箔22の片面に、熱
硬化性樹脂組成物の層が形成されている箔を用いてもよ
い。
【0039】[本発明の請求項5に係る積層体成形用サ
ーマルバリア]本発明の請求項5に係る積層体成形用サ
ーマルバリアの一実施の形態は、図3に示すように、3
枚の絶縁板11・・と1枚の導電シート12を、2枚の
金属製の外装板14,14で挟持した実施の形態であ
る。なお導電シート12を、絶縁板11・・の一端面部
で折り曲げて絶縁板11・・の間及び絶縁板11と外装
板14の間に配置することにより、全ての絶縁板11・
・間で一枚の導電シート12が連続化するように複数の
絶縁板11・・が重ねられている。
【0040】なお、導電シート12は、その導電シート
12のうち、絶縁板11・・の一端面部で折り曲げる部
分に第一の導電シート12aを配し、絶縁板11・・の
一端面部で折り曲げる部分を除く部分に第二の導電シー
ト12bを配し、第一の導電シート12aと第二の導電
シート12bが摺動可能に接触している導電シート12
である。
【0041】そのため、このサーマルバリア10を繰り
返し使用しても、導電シート12が切断しにくくなって
いる。これは、サーマルバリア10が発熱した場合に、
導電シート12及び絶縁板11・・が膨張する。このと
き、導電シート12と絶縁板11・・の熱膨張率が異な
るため、この差によるストレスが導電シート12及び絶
縁板11・・に加わり、従来の連続した導電シートの場
合には、絶縁板11・・と比較して厚みが薄く強度の弱
い導電シートが切断すると考えられる。しかし、上記の
ように形成していると、第一の導電シート12aと第二
の導電シート12bが摺動して熱膨張の差を吸収して、
切断しにくくなると考えられる。
【0042】なお、第一の導電シート12aと第二の導
電シート12bを摺動可能に接触させる方法としては、
例えば、折り曲げた第一の導電シート12aが平面に戻
ろうとする復元力を用いて第一の導電シート12aを、
2枚の第二の導電シート12b・・に接触させると、そ
の復元力によって第一の導電シート12aと第二の導電
シート12bの接続が保たれると共に、摺動可能にな
る。
【0043】第一の導電シート12a及び第二の導電シ
ート12bとしては、導電性があれば特に限定するもの
ではなく、銅、アルミニウム、真鍮、ニッケル等の単
独、合金、複合の箔を用いることができる。この厚みと
しては、0.035〜0.070mm程度が抵抗加熱す
るためには好ましい。なお、第一の導電シート12a及
び第二の導電シート12bは、同じ種類でもよく、異な
っていてもよい。なお、第一の導電シート12aに、本
発明の請求項1に係る積層体成形用サーマルバリアの実
施の形態と同様の絶縁体の層を形成していると、特に切
断しにくく好ましい。
【0044】また、サーマルバリア10に用いる絶縁板
11、外装板14としては、本発明の請求項1に係る積
層体成形用サーマルバリアの実施の形態と同様のものが
挙げられる。また、この積層体成形用サーマルバリア1
0を使用して金属箔張り積層体を製造する方法、及びそ
れに用いるプリプレグ、金属箔等も、本発明の請求項1
に係る積層体成形用サーマルバリアの実施の形態と同様
の方法、及びものが挙げられる。
【0045】
【実施例】
(実施例1)基材にエポキシ樹脂組成物を含浸した後、
乾燥して半硬化させることによって製造した厚み0.2
mmのプリプレグ[松下電工株式会社製、商品名R16
61]と、厚み18μmの銅箔を用いて銅張り積層体を
繰り返し製造した。
【0046】その方法としては、図4に示すような、銅
箔をプリプレグの一端面部で折り曲げてプリプレグの表
裏に重ねた2つの積層物を、間に平板(アルミニウムの
表面を絶縁処理した板、厚み2mm)を介在させて重
ね、その重ねたものを間に同様の平板を介在させて積層
体成形用サーマルバリアで挟み、次いで成形プレスの金
属製加圧板の間に挟んで加圧した状態で加圧板に給電す
ることにより、サーマルバリア及び銅箔に給電し、抵抗
加熱により加熱して銅張り積層体を製造する工程を1サ
イクルとして繰り返し行った。
【0047】用いた積層体成形用サーマルバリアとして
は、図1に示すような、3枚の絶縁板(アルミニウムの
表面を絶縁処理した板、厚み2mm)と1枚の導電シー
トを、2枚の外装板(アルミニウム製、厚み3mm)で
挟持すると共に、導電シートを絶縁板の一端面部で折り
曲げて絶縁板の間及び絶縁板と外装板の間に配置するこ
とにより、全ての絶縁板間で一枚の導電シートが連続化
するように複数の絶縁板が重ねられているサーマルバリ
アを用いた。なお、導電シートの両端部は、上側の外装
板と下側の外装板にそれぞれ接続されている。
【0048】なお、導電シートとしては、銅箔の一方の
面全体にポリイミド樹脂を塗布した後硬化させて、厚み
70μmの銅箔に厚み50μmのポリイミド樹脂の層を
形成した導電シートを用いた。
【0049】上記の銅張り積層体の製造のための加熱・
加圧を繰り返したところ、50サイクル目の繰り返しで
導電シートが切断して、その切断した部分でスパークが
発生した。
【0050】(実施例2)導電シートとして、銅箔の一
方の面全体に、厚み60μmのガラスクロスにエポキシ
樹脂を含浸した樹脂含浸基材を接着して、厚み70μm
の銅箔に厚み60μmの無機系基材含有熱硬化性樹脂の
層を形成した導電シートを用いたこと以外は実施例1と
同様にして銅張り積層体の製造を繰り返したところ、1
00サイクル繰り返しても導電シートは切断されなかっ
た。
【0051】(実施例3)導電シートとして、銅箔の一
方の面のうち、絶縁板の一端面部で折り曲げる部分にポ
リイミド樹脂の層を形成し、それ以外の部分は形成しな
い導電シートを用いたこと以外は実施例1と同様にして
銅張り積層体の製造を繰り返したところ、60サイクル
目の繰り返しで導電シートが切断して、その切断した部
分でスパークが発生した。
【0052】(実施例4)導電シートとして、銅箔の一
方の面のうち、絶縁板の一端面部で折り曲げる部分にガ
ラスクロスにエポキシ樹脂を含浸した樹脂含浸基材を接
着して、厚み60μmの無機系基材含有熱硬化性樹脂の
層を形成した導電シートを用いたこと以外は実施例3と
同様にして銅張り積層体の製造を繰り返したところ、1
00サイクル繰り返しても導電シートは切断されなかっ
た。
【0053】(実施例5)導電シートとして、その導電
シートのうち、絶縁板の一端面部で折り曲げる部分に厚
み70μmの第一の銅箔を配し、絶縁板の一端面部で折
り曲げる部分を除く部分に、第一の銅箔とは別の厚み7
0μmの第二の銅箔を配し、第一の銅箔と第二の銅箔を
摺動可能に接触させたシートを用いたこと以外は実施例
1と同様にして銅張り積層体の製造を繰り返したとこ
ろ、100サイクル繰り返しても導電シートは切断され
なかった。
【0054】なお、第一の銅箔と第二の銅箔を摺動可能
に接触させる方法としては、折り曲げた第一の銅箔を2
枚の第二の銅箔に接触させ、第一の銅箔の復元力によっ
て摺動可能に接触させた。
【0055】(比較例)導電シートとして、厚み70μ
mの銅箔単独の導電シートを用いたこと以外は実施例1
と同様にして銅張り積層体の製造を繰り返したところ、
5サイクル目の繰り返しで導電シートが切断して、その
切断した部分でスパークが発生した。
【0056】(結果のまとめ)実施例1〜5は、比較例
と比較して、導電シートが切断しにくいことが確認され
た。また、絶縁体の層が無機系基材含有熱硬化性樹脂の
層である実施例2及び実施例4は、実施例1及び実施例
3と比較して、特に導電シートが切断しにくいことが確
認された。
【0057】
【発明の効果】本発明の請求項1から請求項4に係る積
層体成形用サーマルバリアは、金属シートに絶縁体の層
を形成した導電シートを用いているため、繰り返し使用
しても、導電シートが切断しにくくなる。
【0058】本発明の請求項5に係る積層体成形用サー
マルバリアは、第一の導電シートと第二の導電シートが
摺動可能に接触している導電シートを用いているため、
繰り返し使用しても、導電シートが切断しにくくなる。
【0059】本発明の請求項6に係る積層体成形用サー
マルバリアは、上記の効果に加え、繰り返し使用しても
表面に傷や凹凸が発生しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に係る積層体成形用サーマル
バリアの一実施の形態を説明する図である。
【図2】本発明の請求項1に係る積層体成形用サーマル
バリアの他の実施の形態を説明する図である。
【図3】本発明の請求項5に係る積層体成形用サーマル
バリアの一実施の形態を説明する図である。
【図4】本発明に係る積層体成形用サーマルバリアを用
いた銅張り積層体の製造方法を説明する図である。
【図5】従来の積層体成形用サーマルバリアを説明する
図である。
【符号の説明】
10 サーマルバリア 11 絶縁板 12 導電シート 121 金属シート 122 絶縁体の層 14 外装板 21 プリプレグ 22 銅箔 23 積層物 24 平板 25 加圧板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−239898(JP,A) 特表 平8−506288(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 43/00 - 43/58 B32B 31/20

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電シート(12)を絶縁板(11・
    ・)の一端面部で折り曲げて絶縁板(11・・)の間に
    配置することにより、絶縁板(11・・)間で導電シー
    ト(12)が連続化するように複数の絶縁板(11・
    ・)を重ね、導電シート(12)に給電して抵抗加熱に
    より絶縁板(11・・)を加熱可能に形成してなる積層
    体成形用サーマルバリア(10)おいて、導電シート
    (12)が、金属シート(121)に絶縁体の層(12
    2)を形成した導電シート(12)であることを特徴と
    する積層体成形用サーマルバリア。
  2. 【請求項2】 絶縁体の層(122)が、熱硬化性樹脂
    の層であることを特徴とする請求項1記載の積層体成形
    用サーマルバリア。
  3. 【請求項3】 絶縁体の層(122)が、無機系基材含
    有熱硬化性樹脂の層であることを特徴とする請求項1又
    は請求項2記載の積層体成形用サーマルバリア。
  4. 【請求項4】 金属シート(121)に絶縁体の層(1
    22)を形成する方法が、導電シート(12)のうち、
    絶縁板(11・・)の一端面部で折り曲げる部分を除く
    部分に絶縁体層未形成部を残しながら、金属シート(1
    21)に絶縁体の層(122)を形成する方法であるこ
    とを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載
    の積層体成形用サーマルバリア。
  5. 【請求項5】 導電シート(12)を絶縁板(11・
    ・)の一端面部で折り曲げて絶縁板(11・・)の間に
    配置することにより、絶縁板(11・・)間で導電シー
    ト(12)が連続化するように複数の絶縁板(11・
    ・)を重ね、導電シート(12)に給電して抵抗加熱に
    より絶縁板(11・・)を加熱可能に形成してなる積層
    体成形用サーマルバリア(10)おいて、導電シート
    (12)が、その導電シート(12)のうち、絶縁板
    (11・・)の一端面部で折り曲げる部分に第一の導電
    シート(12a)を配し、絶縁板(11・・)の一端面
    部で折り曲げる部分を除く部分に第二の導電シート(1
    2b)を配し、第一の導電シート(12a)と第二の導
    電シート(12b)が摺動可能に接触している導電シー
    ト(12)であることを特徴とする積層体成形用サーマ
    ルバリア。
  6. 【請求項6】 複数の絶縁板(11・・)及び導電シー
    ト(12)が、金属製の外装板(14,14)に挟持さ
    れていることを特徴とする請求項1から請求項5のいず
    れかに記載の積層体成形用サーマルバリア。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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