JP4973202B2 - 多層回路基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属箔からなる導体パターンが形成された熱可塑性樹脂からなる複数枚の樹脂フィルムを位置決めしつつ積層し、当該積層体を加熱・加圧することにより、樹脂フィルム同士を相互に接着する多層回路基板の製造方法に関する。
金属箔からなる導体パターンが形成された熱可塑性樹脂からなる複数枚の樹脂フィルムを積層し、当該積層体を加熱・加圧することにより、樹脂フィルム同士を相互に接着する多層回路基板の製造方法が知られている。この多層回路基板の製造方法では、複数枚の樹脂フィルム同士を一括して接着するため、安価に多層回路基板を製造することができる。
また、上記多層回路基板の製造方法において加熱・加圧する際のプレス工法が、例えば特開2003−273511号公報(特許文献1)に開示されている。
特許文献1に開示されたプレス工法では、加熱・加圧時に、熱プレス板と導体パターンが形成された樹脂フィルムの積層体の間に、緩衝効果を有するプレス用部材(緩衝材)を介在させる。これによって、導体パターンの存在による積層体の厚さ分布をキャンセルして、全体に均一な圧力を印加することができる。このため、各樹脂フィルムに形成されている導体パターンの相互の位置ズレを抑制することができ、製品歩留まりを高めることができる。
特開2003−273511号公報
多層回路基板の製造において、近年、上記樹脂フィルムの積層数の増大に伴って導体パターンの存在による積層体の厚さ分布も増大する傾向にあり、緩衝材のみでは厚さ分布をカバーできなくなってきている。例えば、12μmの銅箔を用いて導体パターンを形成した樹脂フィルムを25枚積層して多層回路基板を製造する場合においては、積層体の各位置において、最大で12×25=300μmの厚さ分布が生じる。このため、積層体の加圧面内において各層の導体パターンが重なる割合の大きく異なる領域が存在すると、プレス圧力を均一にかけることができず、導体パターンの変形や相互の位置ズレが起きたり、各層の導体パターンを層間接続する導電材料の抵抗が上昇したりして、当該多層回路基板の信頼性が低下する。
そこで本発明は、金属箔からなる導体パターンが形成された熱可塑性樹脂からなる複数枚の樹脂フィルムを位置決めしつつ積層し、当該積層体を加熱・加圧することにより樹脂フィルム同士を相互に接着する多層回路基板の製造方法であって、導体パターンの変形や相互の位置ズレが起き難く、各層の導体パターンを層間接続する導電材料の抵抗上昇を抑制することができ、高い信頼性を有する多層回路基板の製造方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、金属箔からなる導体パターンが形成された熱可塑性樹脂からなるn枚(nは、複数)の樹脂フィルムを、位置決めしつつ積層し、前記位置決めされたn枚の樹脂フィルムの積層体を熱プレス板により加熱しつつ加圧することにより、前記樹脂フィルム同士を相互に接着する多層回路基板の製造方法であって、前記積層体を前記熱プレス板による加圧方向から透視した場合に、積層体の加圧面内における任意の位置で、各層の導体パターンが重なる割合である導体存在率[%]を、(m/n)×100、(mは任意の位置での導体パターンの重なり層数で、0からnまでの整数)、で定義したとき、前記積層体の加圧面内において、加圧面内における最大導体存在率より小さな導体存在率を有する低導体存在率領域に対応して、最大導体存在率を有する最大導体存在率領域に対応する部分に比して所定厚さの凸部が形成されてなる、前記樹脂フィルムとは別体のプレス圧補正シートを準備し、前記熱プレス板により加熱・加圧する際に、前記低導体存在率領域と前記凸部が対向するようにして位置決めし、熱プレス板と前記積層体の間に前記プレス圧補正シートを介在させて加圧することを特徴としている。
上記多層回路基板の製造方法においては、積層体の加圧面内において比較的低い導体存在率となっている低導体存在率領域において、当該低導体存在率領域に対向するように最大導体存在率を有する最大導体存在率領域に対応する部分に比して所定厚さの凸部が形成されてなる、前記樹脂フィルムとは別体のプレス圧補正シートを熱プレス板と積層体の間に介在させて、加熱しながら加圧プレスする。これによって、熱プレス板による加圧時に導体存在率が低いために印加圧力が周りに較べて伝達され難い低導体存在率領域に対して、プレス圧補正シートの凸部により、前記印加圧力の周りに対する不足分を補うことができる。従って、加熱・加圧時にプレス圧補正シートを介在させない場合に較べて、積層体の加圧面内における印加圧力を均一にすることができる。このため、熱によって可塑化した樹脂の不均一な流れを抑制することができ、導体パターンの変形や相互の位置ズレを抑制することができる。また、各層の導体パターンを層間接続する導電材料に対しても、均一で十分な圧力を印加することができ、低導体存在率領域にある導電材料の抵抗上昇を抑制することができる。
以上のようにして、上記多層回路基板の製造方法は、金属箔からなる導体パターンが形成された熱可塑性樹脂からなる複数枚の樹脂フィルムを位置決めしつつ積層し、当該積層体を加熱・加圧することにより樹脂フィルム同士を相互に接着する多層回路基板の製造方法であって、導体パターンの変形や相互の位置ズレが起き難く、各層の導体パターンを層間接続する導電材料の抵抗上昇を抑制することができ、高い信頼性を有する多層回路基板の製造方法とすることができる。
請求項2に記載のように、前記導体存在率は、CAD(Computer Aided Design)による前記n枚の樹脂フィルムにおける導体パターンの図面から計算して求めることが好ましい。これによれば、複雑な導体パターンが各層に渡って形成される多層回路基板であっても、正確かつ簡単に導体存在率を計算することができる。
請求項3に記載のように、前記プレス圧補正シートは、前記凸部に対応する金属パターンが形成された樹脂シートからなることが好ましい。この場合には、前記低導体存在率領域が複雑なパターン形状になる場合であっても、これに対応するプレス圧補正シートの凸部を、エッチングによる金属パターンとして容易に形成することができる。
この場合、例えば請求項4に記載のように、前記金属パターンが、前記金属箔からなっていてもよい。これによれば、プレス圧補正シートの凸部に対応する金属パターンが、樹脂フィルムの導体パターンと同じ材質の金属箔で構成されるため、他の材料を用いる場合に較べて、より簡単に積層体の加圧面内における印加圧力を均一にすることができる。
また、この場合には、例えば請求項5に記載のように、前記プレス圧補正シートを、前記熱プレス板と前記積層体の間に複数枚介在させて加圧することで、低導体存在率領域における印加圧力の周りに対する必要な不足分を補うことができる。
さらに、この場合、低導体存在率領域における印加圧力の過剰補正とならないよう、請求項6に記載のように、前記低導体存在率領域における導体パターンの重なり最大層数と前記熱プレス板と前記積層体の間に介在する前記プレス圧補正シートの枚数の和が、前記積層体の加圧面内における導体パターンの重なり最大層数より小さく設定されることが好ましい。
上記多層回路基板の製造方法においては、請求項7に記載のように、前記プレス圧補正シートと前記熱プレス板の間に、緩衝部材を配置することが好ましい。プレス圧補正シートと緩衝部材を併用することで、積層体の加圧面内における印加圧力の均一性をより高めることができる。
本発明は、金属箔からなる導体パターンが形成された熱可塑性樹脂からなるn枚(nは、複数)の樹脂フィルムを、位置決めしつつ積層し、前記位置決めされたn枚の樹脂フィルムの積層体を熱プレス板により加熱しつつ加圧することにより、前記樹脂フィルム同士を相互に接着する多層回路基板の製造方法に関する。
本発明は、前記積層体を前記熱プレス板による加圧方向から透視した場合に、積層体の加圧面内における任意の位置で、各層の導体パターンが重なる割合である導体存在率[%]を、
(m/n)×100、(mは任意の位置での導体パターンの重なり層数で、0からnまでの整数)、
で定義したとき、前記積層体の加圧面内において、加圧面内における最大導体存在率より小さな導体存在率を有する低導体存在率領域に対応して、前記低導体存在率領域に対向するように所定厚さの凸部が形成されてなるプレス圧補正シートを準備し、前記熱プレス板により加熱・加圧する際に、前記低導体存在率領域と前記凸部を位置決めするようにして、熱プレス板と前記積層体の間に前記プレス圧補正シートを介在させて加圧することを特徴としている。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図に基づいて説明する。
図1は、上記導体存在率を説明するための図で、金属箔からなる導体パターン2が形成された熱可塑性樹脂1からなる7枚の樹脂フィルム10a〜10gを位置決めして積層する様子を示した、積層体20の模式的な断面図である。尚、図1における符号3は導電ペーストで、樹脂フィルム10a〜10gの加熱・加圧による貼り合わせと同時に焼結して、後述する各層の導体パターン2を層間接続する図5の導電材料3aとなる。また、白抜き矢印は、加圧方向を示している。
以下の説明においては、7枚の樹脂フィルム10a〜10gの積層を例にするが、樹脂フィルムの積層数はこれに限らず、任意の複数枚の積層であってよい。近年の多層回路基板の製造においては、樹脂フィルムの積層数が増大する傾向にあり、樹脂フィルムの積層数が20枚以上である多層回路基板が製造されるようになってきている。
図1の積層体20における一点鎖線Aの位置では、7枚の樹脂フィルム10a〜10gの導体パターン2が全て重なっており、導体パターン2の重なり層数は7となる。従って、導体存在率[%]は、(7/7)×100=100[%]となる。積層体20における二点鎖線Bの位置では、5枚の樹脂フィルム10a〜10eの導体パターン2が重なっており、導体パターン2の重なり層数は5となる。従って、導体存在率[%]は、(5/7)×100=71[%]となる。図1において、符号30で示した領域は、積層体20の加圧面内において、加圧面内における最大導体存在率(100[%])より小さな導体存在率(71[%]以下)を有する上記低導体存在率領域に相当する。
図2は、実際に製造される多層回路基板の積層体20aについて、加圧面内における上記導体存在率の分布を濃淡でイメージ化して示した図である。
図2に表した導体存在率の分布は、CAD(Computer Aided Design)による24枚の樹脂フィルムにおける導体パターンの図面から計算して求めたものである。このように、CADによる導体パターンの図面を用いれば、複雑な導体パターンが各層に渡って形成される多層回路基板であっても、正確かつ簡単に導体存在率を計算することができる。
図3は、図1の積層体20を熱プレス板80により加熱・加圧する際の各部材の配置関係を示した模式的な断面図である。図4は、積層体20の加熱・加圧時の様子を示した模式的な断面図である。黒塗り矢印は、印加圧力を示している。また、図5は、最終的に製造された多層回路基板100の模式的な断面図である。
図3と図4に示す積層体20の加熱・加圧工程では、プレス圧補正シート40が準備されており、熱プレス板80と積層体20の間にプレス圧補正シート40を介在させて、加熱・加圧する。
プレス圧補正シート40は、積層体20の加圧面内における前述した低導体存在率領域30に対応して、所定厚さの凸部42を形成したものである。図3に示すプレス圧補正シート40では、樹脂シート41の表面に、凸部42が金属パターンで形成されている。プレス圧補正シート40は、低導体存在率領域30に対応した所定厚さの凸部42が形成されているものであれば別の構成であってもよいが、上記構成とすることで、低導体存在率領域30が複雑なパターン形状になる場合であっても、これに対応するプレス圧補正シート40の凸部42を、エッチングによる金属パターンとして容易に形成することができる。
図3の配置関係に示すように、熱プレス板80により積層体20を加熱・加圧する際に、積層体20の低導体存在率領域30とプレス圧補正シート40の凸部42を概略位置決めするようにして、熱プレス板80と積層体20の間にプレス圧補正シート40を介在させる。尚、図3の配置では、熱プレス板80、積層体20およびプレス圧補正シート40の間に、それぞれ、離型フィルム50,60,70が配置されている。また、符号90は、繊維状金属の成形体等からなる緩衝部材である。
図4に示す加熱・加圧工程では、位置決めされた積層体20の低導体存在率領域30とプレス圧補正シート40の凸部42を対向させて、加熱しながら加圧プレスする。これによって、図3に示す各樹脂フィルム10a〜10gの熱可塑性樹脂1同士が接着すると共に、導電ペースト3が焼結して、図5に示す導電材料3aとなる。また、
図4に示す加熱・加圧工程では、熱プレス板80による加圧時に導体存在率が低いために印加圧力が周りに較べて伝達され難い低導体存在率領域30に対して、プレス圧補正シート40の凸部42により、印加圧力の周りに対する不足分を補うことができる。従って、加熱・加圧時にプレス圧補正シート40を介在させない場合に較べて、積層体20の加圧面内における印加圧力を均一にすることができる。このため、熱によって可塑化した樹脂1の不均一な流れを抑制することができ、導体パターン2の変形や相互の位置ズレを抑制することができる。また、各層の導体パターン2を層間接続する導電材料3a(導電ペースト3)に対しても、均一で十分な圧力を印加することができ、低導体存在率領域30にある導電材料3aの抵抗上昇を抑制することができる。
以上のようにして、図5に示す多層回路基板100が製造される。尚、上記方法により製造された多層回路基板100の表面には、プレス圧補正シート40の凸部42に対応した凹部142が形成される。
尚、上記多層回路基板100の製造方法においては、図3と図4に示したように、プレス圧補正シート40と熱プレス板80の間に、緩衝部材90を配置することが好ましい。プレス圧補正シート40と緩衝部材90を併用することで、積層体20の加圧面内における印加圧力の均一性をより高めることができる。
図6は、図2に示した積層体20aの加熱・加圧時に用いるプレス圧補正シートの一例で、プレス圧補正シート40aの凸部42aのパターン形状を示した平面図である。図6に示すプレス圧補正シート40aは、樹脂シート41の表面に、黒く塗りつぶした凸部42aを金属パターンで形成したものである。図6の凸部42aは、図2の積層体20aにおいて淡く示した低導体存在率領域に対応して配置されている。図6に示すように、凸部42aが複雑なパターン形状複雑なパターン形状になる場合であっても、エッチングによる金属パターンとして容易に形成することができる。
尚、図3と図6に示すプレス圧補正シート40,40aの凸部42,42aの金属パターンは、図1に示す樹脂フィルム10a〜10gの導体パターン2と同じ金属箔からなっていてもよい。この場合には、図3に示す配置関係において、プレス圧補正シート40の凸部42に対応する金属パターンが、樹脂フィルム10a〜10gの導体パターン2と同じ材質の金属箔で構成されるため、他の材料を用いる場合に較べて、図4に示す加熱・加圧工程において、より簡単に積層体20の加圧面内における印加圧力を均一にすることができる。
また、上記のようにプレス圧補正シート40の凸部42を樹脂フィルム10a〜10gの導体パターン2と同じ金属箔で形成する場合には、図3と図4の工程において、プレス圧補正シート40を熱プレス板80と積層体20の間に複数枚介在させて加圧することで、低導体存在率領域30における印加圧力の周りに対する必要な不足分を補うことができる。さらに、この場合には、低導体存在率領域30における印加圧力の過剰補正とならないよう、低導体存在率領域30における導体パターン2の重なり最大層数と熱プレス板80と積層体20の間に介在するプレス圧補正シート40の枚数の和が、積層体20の加圧面内における導体パターン2の重なり最大層数より小さく設定されることが好ましい。
次に、上記プレス圧補正シートの凸部を樹脂フィルムの導体パターンと同じ金属箔で形成し、プレス圧補正シートを熱プレス板と積層体の間に複数枚介在させて加熱・加圧した場合において、製造された多層回路基板が示す特性について説明する。
図7は、既述した製法の加熱・加圧工程(図4)において使用されたプレス圧補正シート40の枚数と、製造された多層回路基板100に形成された凹部142の深さとの関係を示す図である。なお、加熱・加圧工程において、加熱・加圧する前の積層体20における図1に示したAの位置とBの位置での厚さの差は、およそ100μmであった。
図7に示すように、プレス圧補正シート40の枚数が0枚であるとき、すなわち、先の加熱・加圧工程において、プレス圧補正シート40を使用することなく、積層体20に対し熱プレス板80から圧力を印加したとき、製造される多層回路基板に形成された凹部の深さは46μmであった。この場合においては、プレス圧補正シート40を使用しないため、基本的に、多層回路基板100の裏面に凹部142は形成されない。そのため、積層体20の下表面が全体的に46%だけ圧縮されて、54μmの厚さを有する多層回路基板が製造される。また、プレス圧補正シートの枚数が1枚あるいは2枚であるとき、すなわち、プレス圧補正シート40を1枚あるいは2枚使用して低導体存在率領域30に印加される圧力を高めたとき、低導体存在率領域30に形成された凹部142の深さは、それぞれ、51μmと54.5μmであった。いずれの場合も、プレス圧補正シート40を使用しない場合よりも深い凹部142が形成されたため、この部位に印加された圧力は、プレス圧補正シート40により高められたこととなる。さらには、プレス圧補正シート40の枚数が多いほど、低導体存在率領域30に印加される圧力を高める効果が高くなる。
このように、低導体存在率領域30に印加される圧力が高められると、低導体存在率領域30内にある導電材料3aのビッカース硬度も向上する。
図8は、既述した製法の加熱・加圧工程(図4)において使用されたプレス圧補正シート40の枚数と、製造された多層回路基の低導体存在率領域30内にある導電材料3aのビッカース硬度との関係を示す図である。
図8に示すように、プレス圧補正シート40の枚数が0枚であるとき、製造される多層回路基板100の低導体存在率領域30内にある導電材料3aのビッカース硬度は110〜155HVであった。また、プレス圧補正シートの枚数が1枚あるいは2枚であるとき、低導体存在率領域30内にある導電材料3aのビッカース硬度は、それぞれ、130〜175HVと145〜205HVであった。いずれの場合も、プレス圧補正シート40を使用しない場合よりも低導体存在率領域30内にある導電材料3aのビッカース硬度が増大している。
このようにビッカース硬度が増大することは、低導体存在率領域30内にある導電材料3aの形成材料である導体ペースト3に対し、十分に大きな圧力が印加されたことを意味する。すなわち、導体ペースト3に対して十分に大きな圧力が印加されていれば、導体ペースト3の金属粒子同士が強く結合して、低導体存在率領域30内にある導電材料3aのビッカース硬度が増大するとともに、電気抵抗値も小さくなる。
図9は、既述した製法の加熱・加圧工程(図4)において使用されたプレス圧補正シート40の枚数の別に、多層回路基板100の低導体存在率領域30内にある導電材料3aの通電試験による電気抵抗値の増加態様を示す図である。尚、この通電試験では、当該多層回路基板の温度を、−55℃〜125℃の範囲で、低温から高温へ1000回変化させた後の電気抵抗値の変動幅を計測している。
図9に示すように、プレス圧補正シート40の枚数が0枚であるとき、低導体存在率領域30内にある導電材料3aの電気抵抗値は、0.01Ω〜0.30Ωの変動幅に収まった。このときの導電材料3aは、先の加熱・加圧工程においてプレス圧補正シート40が使用されておらず、導電ペースト3に対して十分に大きな圧力が印加されずに形成されている。従って、導電材料3aを構成する金属粒子が強く結合していないため、温度変化が繰り返されることによって、導電材料3aの電気抵抗値の変動幅が大きくなったと考えられる。電気抵抗値が大きく変動した試料を調べると、導電材料3a内部に亀裂が生じているものがあった。すなわち、このような亀裂発生によって、導電材料3aの電気抵抗値が変動したと考えられる。また、プレス圧補正シート40を1枚あるいは2枚使用することにより低導体存在率領域30に印加される圧力を高めたとき、低導体存在率領域30に形成された導電材料3aの電気抵抗値は、それぞれ、0.01〜0.15Ωと0.01〜0.02Ωの変動幅に収まった。このときの導電材料3aは、先の加熱・加圧工程において、プレス圧補正シート40が使用されているため、導電ペースト3に対して十分に大きな圧力が印加されて形成されている。そのため、導電材料3aを構成する金属粒子が強く結合し、温度変化が繰り返されても、熱膨張係数の違いに起因する導電材料3aに亀裂が生じることは少ない。すなわち、導電材料3aの電気抵抗値がばらつくことは少ない。したがって、導電材料3aの電気抵抗値の変動幅は小さくなっている。
以上示したように、上記した多層回路基板の製造方法は、金属箔からなる導体パターンが形成された熱可塑性樹脂からなる複数枚の樹脂フィルムを位置決めしつつ積層し、当該積層体を加熱・加圧することにより樹脂フィルム同士を相互に接着する多層回路基板の製造方法であって、導体パターンの変形や相互の位置ズレが起き難く、各層の導体パターンを層間接続する導電材料の抵抗上昇を抑制することができ、高い信頼性を有する多層回路基板の製造方法となっている。
導体存在率を説明するための図で、金属箔からなる導体パターン2が形成された熱可塑性樹脂1からなる7枚の樹脂フィルム10a〜10gを位置決めして積層する様子を示した、積層体20の模式的な断面図である。 実際に製造される多層回路基板の積層体20aについて、加圧面内における導体存在率の分布を濃淡でイメージ化して示した図である。 積層体20を熱プレス板80により加熱・加圧する際の各部材の配置関係を示した模式的な断面図である。 積層体20の加熱・加圧時の様子を示した模式的な断面図である。 最終的に製造された多層回路基板100の模式的な断面図である。 図2に示した積層体20aの加熱・加圧時に用いるプレス圧補正シートの一例で、プレス圧補正シート40aの凸部42aのパターン形状を示した平面図である。 図4の加熱・加圧工程において使用されたプレス圧補正シート40の枚数と、製造された多層回路基板100に形成された凹部142の深さとの関係を示す図である。 図4の加熱・加圧工程において使用されたプレス圧補正シート40の枚数と、製造された多層回路基の低導体存在率領域30内にある導電材料3aのビッカース硬度との関係を示す図である。 図4の加熱・加圧工程において使用されたプレス圧補正シート40の枚数の別に、多層回路基板100の低導体存在率領域30内にある導電材料3aの通電試験による電気抵抗値の増加態様を示す図である。
符号の説明
10a〜10g 樹脂フィルム
1 熱可塑性樹脂
2 導体パターン
3 導電ペースト
3a 導電材料
20,20a 積層体
30 低導体存在率領域
40,40a プレス圧補正シート
41 樹脂シート
42,42a 凸部
50,60,70 離型フィルム
80 熱プレス板
90 緩衝部材
100 多層回路基板
142 凹部

Claims (7)

  1. 金属箔からなる導体パターンが形成された熱可塑性樹脂からなるn枚(nは、複数)の樹脂フィルムを、位置決めしつつ積層し、
    前記位置決めされたn枚の樹脂フィルムの積層体を熱プレス板により加熱しつつ加圧することにより、前記樹脂フィルム同士を相互に接着する多層回路基板の製造方法であって、
    前記積層体を前記熱プレス板による加圧方向から透視した場合に、積層体の加圧面内における任意の位置で、各層の導体パターンが重なる割合である導体存在率[%]を、
    (m/n)×100、(mは任意の位置での導体パターンの重なり層数で、0からnまでの整数)、
    で定義したとき、
    前記積層体の加圧面内において、加圧面内における最大導体存在率より小さな導体存在率を有する低導体存在率領域に対応して、最大導体存在率を有する最大導体存在率領域に対応する部分に比して所定厚さの凸部が形成されてなる、前記樹脂フィルムとは別体のプレス圧補正シートを準備し、
    前記熱プレス板により加熱・加圧する際に、前記低導体存在率領域と前記凸部が対向するようにして位置決めし、熱プレス板と前記積層体の間に前記プレス圧補正シートを介在させて加圧することを特徴とする多層回路基板の製造方法。
  2. 前記導体存在率を、CAD(Computer Aided Design)による前記n枚の樹脂フィルムにおける導体パターンの図面から計算して求めることを特徴とする請求項1に記載の多層回路基板の製造方法。
  3. 前記プレス圧補正シートが、前記凸部に対応する金属パターンが形成された樹脂シートからなることを特徴とする請求項1または2に記載の多層回路基板の製造方法。
  4. 前記金属パターンが、前記金属箔からなることを特徴とする請求項3に記載の多層回路基板の製造方法。
  5. 前記プレス圧補正シートを、前記熱プレス板と前記積層体の間に複数枚介在させて加圧することを特徴とする請求項4に記載の多層回路基板の製造方法。
  6. 前記低導体存在率領域における導体パターンの重なり最大層数と前記熱プレス板と前記積層体の間に介在する前記プレス圧補正シートの枚数の和が、前記積層体の加圧面内における導体パターンの重なり最大層数より小さく設定されることを特徴とする請求項5に記載の多層回路基板の製造方法。
  7. 前記プレス圧補正シートと前記熱プレス板の間に、緩衝部材を配置することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに一項に記載の多層回路基板の製造方法。
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