JP4802541B2 - 金属箔張り積層板および多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、電気・電子機器、通信機器等に使用される多層プリント配線板の製造方法に関するものである。
従来プリント配線板の製造に用いられる多層板は、例えばガラスクロス等の基材にエポキシ樹脂組成物等の熱硬化性樹脂組成物を含浸した後、加熱乾燥して半硬化させることによってプリプレグを作製し、このプリプレグを所要枚数重ねるとともに、銅箔等の金属箔をその片側又は両側に配して積層し、加熱加圧して成形を行うことによって金属張積層板を作製する。
そしてその金属張積層板の表面の金属箔をエッチングして表面に導体回路及びプリント配線板を製造するとき用いるガイドマークを形成した内層用基板を作製した後、必要に応じて粗面化処理を行い、次いでその導体回路等を形成した内層用基板に、上記と同様にして作製したプリプレグをその片側又は両側に所要枚数重ねるとともに、必要に応じて金属箔をその片側又は両側に配して積層し、加熱加圧して成形することによって製造を行っている。
近年、実装部品の高密度化に伴い、キャパシタや抵抗を基板に内蔵する部品内臓基板の技術が進んでいる。このキャパシタ層の形成に用いられてきた積層板は、一般的にガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させたFR−4材を用い、その両面に銅箔を張り付けたものである。このとき、高い静電容量を確保するためにFR−4材の絶縁層厚みの薄型化が試みられてきた。
これらの多層プリント配線板のキャパシタ層に用いられる0.06mm以下の金属張積層板の作製に使用される金属箔は70μm以下のDI(両面粗化)箔またはRT(リバーストリートメント)箔が一般的に用いられている。また、光沢面に直接施す金属箔粗化処理は、1〜2μmのものを用いることが一般的である。
静電容量の安定化のため金属箔の基材側の粗さは1〜2μmのものを用いることが一般的であるが、金属箔の引き剥がし強さが低く、IPC−TM650に規定される はんだ288℃ 10秒フロートの耐熱試験時等において、金属箔と基材の界面にてふくれ(デラミネーション)が発生する問題があった。また金属箔の引き剥がし強さと、はんだ288℃ 10秒フロートの耐熱性を改善するために、金属箔の基材側の粗さを5μm以上のものを用いた場合、耐電圧特性が低下する場合があった。
金属張積層板を構成する金属箔には、絶縁層との密着性向上のためにアンカー効果を得るための凹凸を持つ粗化処理が施されている。 金属張積層板の絶縁層厚が薄くなるほど、金属箔の粗化処理先端が接近することになり、そこに異常成長した粗化処理部が存在したり、粗化処理前の銅箔表面に異常突起等が発生していると、電圧を印加した際に、銅箔面同士が局部的に短絡することとなり、耐電圧特性、絶縁信頼性の大きな問題となる。
前記課題を解決するために検討を重ねた結果、本発明は前記問題点を改善するために成されたものである。金属張積層板の作製に用いる金属箔の未処理面(光沢面)の整面方法、粗化面粗さの最適化により、耐電圧試験における耐電圧不具合を解消でき、耐熱性も維持できる範囲を見出し、課題を解決した。
本発明の請求項1に金属張積層板の製造方法は、基材厚みが0.06mm以下の平織りのガラスクロスに熱硬化性樹脂組成物を含浸した後、金属箔と積層し、加熱加圧して作製する金属張積層板の製造方法において、金属箔の未処理面(光沢面)をめっき処理にて表面粗さ(Rz)を2.0μm以下に平滑化し、粗化処理粗さ(Rz)が2.0〜3.5μmである金属箔を用いることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る多層板の製造方法は、請求項1記載の金属張積層板を用いた内層回路板を1層は構成材に含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
本発明の金属箔の未処理面(光沢面)をめっき処理により粗さ(Rz)2.0μm以下の均一な表面にし、その表面に粗化処理粗さ(Rz)を2.0〜3.5μmに施すことを特徴とした金属張積層板を用いた多層プリント配線板は、耐電圧特性及び耐熱性に優れた多層プリント配線板を得ることができる。
本発明に係る金属張積層板及び多層プリント配線板は、基材厚みが0.06mm以下で、金属箔の未処理面(光沢面)をめっき処理にて表面粗さ(Rz)を2.0μm以下に平滑化し、その面に粗化処理粗さ(Rz)が2.0〜3.5μmの粗化処理を施した金属箔を用いて加熱加圧して作製する金属張積層板をエッチングして表面に導体回路を形成した内層回路板と、厚み200μm以下のガラスクロスに熱硬化性樹脂組成物を含浸して作製するプリプレグを所定枚数積層した後、加熱加圧して得られる。
金属張積層板の作製に用いる金属箔の未処理面(光沢面)をめっき処理にて表面粗さ(Rz)を2.0μm以下に平滑化し、その面に粗化処理粗さ(Rz)が2.0〜3.5μmの粗化処理を施した金属箔を用いることが重要である。
一般的に電解金属箔の光沢面は凹凸があり、この光沢面に直接粗化処理を施した場合、粗化処理に異常析出等の発生が見られる。この光沢面の凹凸等により粗化形状の成長にばらつきを生じさせ、異常析出を誘発させることが確認されている。これらのことから金属箔の未処理面(光沢面)をめっき処理にて表面粗さ(Rz)を2.0μm以下に平滑化する必要がある。
未処理面に施す粗化処理粗さ(Rz)が1〜2μmの金属箔の場合、表面には必要に応じて防錆処理、シランカップリング処理を施すが、アンカー効果が得られないため引き剥がし強さが低く、IPC−TM650に規定される はんだ288℃ 10秒フロートの耐熱試験時において金属箔と基材の界面にてふくれ(デラミネーション)が発生しやすい。また、粗化処理粗さが5μm以上の金属箔の場合、耐電圧試験において耐電圧不具合が発生する問題がある。
用いる熱硬化性樹脂組成物は耐熱性、信頼性の関係から、高Tg・高熱分解温度の特性を有したものが好ましい。また所定の板厚を得るために必要な樹脂分を適度な範囲に製造することが好ましい。
特許文献1に記載の『物理研磨することで表面粗さ(Rz)0.5〜3.0μmに整面することで異常析出状態のない粗化処理が可能』とあるが、この範囲では平滑化はされたとは言えず、耐電圧特性の向上には不十分といえる。
特開2004−249480号公報
本発明に用いられる熱硬化性樹脂組成物としては、金属張積層板の製造に用いる熱硬化性樹脂組成物及びプリプレグの製造に用いる熱硬化性樹脂組成物共に、エポキシ樹脂系、フェノール樹脂系、ポリイミド樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポリフェニレンエーテル樹脂系等の単独、変性物、混合物のように、熱硬化性樹脂全般を用いることができる。
なお、金属張積層板の製造に用いる熱硬化性樹脂組成物及びプリプレグの製造に用いる熱硬化性樹脂組成物の種類は、同じでもよく異なってもよい。
この熱硬化性樹脂組成物中には、熱硬化性樹脂を必須として含有し、必要に応じてその熱硬化性樹脂の硬化剤、硬化促進剤、無機充填材及び溶剤等を含有することができる。なおエポキシ樹脂等のように自己硬化性の低い熱硬化性樹脂は、その樹脂を硬化するための硬化剤等も含有することが必要である。
なお、熱硬化性樹脂組成物が、エポキシ樹脂系の場合、電気特性及び接着性のバランスが良好であり好ましい。エポキシ樹脂系の樹脂組成物に含有するエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、及びこれらのエポキシ樹脂構造体中の水素原子の一部をハロゲン化することにより難燃化したエポキシ樹脂等が挙げられる。
また、このエポキシ樹脂系の樹脂組成物に含有する硬化剤としては、例えばジシアンジアミド、脂肪族ポリアミド等のアミド系硬化剤や、アンモニア、トリエチルアミン、ジエチルアミン等のアミン系硬化剤や、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、p−キシレン−ノボラック樹脂等のフェノール系硬化剤や、酸無水物類等が挙げられる。
なお、上記熱硬化性樹脂組成物に含有することができる無機充填材としては、シリカ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、タルク等の無機質粉末充填材や、ガラス繊維、パルプ繊維、合成繊維、セラミック繊維等の繊維質充填材が挙げられ、また、上記熱硬化性樹脂組成物に含有することができる溶剤としてはN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。
この熱硬化性樹脂組成物をガラスクロスに含浸する方法としては特に限定するものではなく、一般の方法が適用可能である。なお、熱硬化性樹脂組成物をガラスクロスに含浸した後、必要に応じて加熱乾燥していてもよい。
本発明に用いられる金属箔としては銅、アルミニウム、真鍮、ニッケル等の単独、合金、複合の金属箔を用いることができ、金属箔の代わりに金属箔が積層成形された片面金属張積層板、両面金属張積層板を用いることもできる。
なお、この金属箔は、金属張積層板の作製のみに用いることに限定するものではなく、内層用基板とプリプレグとを積層したその積層物の片側又は両側に積層して用いてもよい。この金属箔の厚みとしては、金属張積層板の作製に用いる場合70mm以下が一般的であり、内層用基板とプリプレグとを積層したその積層物の片側又は両側に積層する場合は、0.003〜0.035mmが一般的である。
金属張積層板を製造するときの加熱加圧する条件、及び内層用基板とプリプレグとを積層した後の加熱加圧する条件としては、熱硬化性樹脂組成物が硬化する条件で適宜調整して加熱加圧すればよいが、加圧の圧力が高いと導体回路の寸法収縮のばらつきが大きくなる場合があるため、成形性を満足する範囲内で、できるだけ低圧で加圧することが好ましい。なお、加熱加圧を300Torr以下の減圧雰囲気下で行うと、成形性が良好となり好ましい。
金属張積層板表面の金属箔をエッチングする方法としては特に限定するものではなく、金属箔及びそのエッチングに用いるエッチングレジストにより一般の方法が適用可能である。
(実施例1)
熱硬化性樹脂組成物として、下記のエポキシ樹脂2種類、硬化剤、硬化促進剤及び溶剤よりなるエポキシ樹脂系樹脂組成物を使用した。
・エポキシ樹脂1:ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂[大日本インキ化学工業株式会社製、エピクロンN868(商品名)を使用した]50重量部。
・エポキシ樹脂2:ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂[住友化学工業株式会社、ESB−400(商品名)を使用した]50重量部。
・硬化剤:ビスフェノールAノボラック樹脂[ジャパンエポキシレジン株式会社製、YLH−129(商品名)]を40重量部。
・硬化促進剤:1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール1重量部。
・溶剤:メチルエチルケトンを90重量部。
この樹脂組成物を、ガラスクロス(#106タイプ:重量25g/m)に、乾燥後の熱硬化性樹脂組成物の量が、熱硬化性樹脂組成物及びガラスクロスの合計100重量部に対し、70重量部となるように調整して含浸した後、最高温度165℃で乾燥してプリプレグを作製した。
次いで得られたプリプレグの両側に厚み35μmの銅箔(未処理面(光沢面)をめっき処理にて表面粗さ(Rz)を2.0μm以下に平滑化し、その面に粗化処理粗さ(Rz)が2.8μmの粗化処理品)を配して積層した後、この積層物を金属プレートで挟み、最高温度180℃、圧力3.0MPaで90分加熱加圧して成形して両面銅張積層板を作製した。
次いで得られた両面銅張積層板両側に所定枚数のプリプレグを重ね、最高温度180℃、圧力2.5MPaで90分加熱加圧して成形し、多層板を作製した。
(実施例2)
35μmの銅箔(リバーストリートメント箔:未処理面(光沢面)をめっき処理にて表面粗さ(Rz)を2.0μm以下に平滑化し、その面に粗化処理粗さ(Rz)が3.4μmの粗化処理品)を配して積層したこと以外は実施例1と同様にして両面銅張積層板を得て、さらに多層板を作成した。
(比較例1)
35μmの銅箔(リバーストリートメント箔:未処理面(光沢面)へのめっき処理無し、粗化処理粗さ(Rz)2〜3.5μm)を配して積層したこと以外は実施例1と同様にして両面銅張積層板を得て、さらに多層板を作成した。
(比較例2)
35μmの銅箔(リバーストリートメント箔:未処理面(光沢面)へのめっき処理無し、粗化処理粗さ(Rz)1〜2μm)を配して積層したこと以外は実施例1と同様にして両面銅張積層板を得て、多層板を作成した。
(比較例3)
35μmの銅箔(リバーストリートメント箔:未処理面(光沢面)へのめっき処理無し、粗化処理粗さ(Rz)5〜6μm)を配して積層したこと以外は実施例1と同様にして両面銅張積層板を得て、多層板を作成した。
(評価)
多層板の断面より、粗化処理粗さを測定した。
実施例1及び比較例1〜3で得られた多層板について、吸湿処理(PCT1.5hr)後288℃ 10秒フロートのはんだ耐熱試験を行った。
実施例1及び比較例1〜3で得られた両面銅張積層板について、JIS−C6481に準拠して銅箔引き剥がし強さの測定を行った。
実施例1及び比較例1〜3で得られた両面銅張積層板について、〜500V、〜2000Vの耐電圧試験を行った。
結果は表1に示した通り、実施例1に比べ比較例1は、耐熱性は同等で、500Vの耐電圧試験は異常は見られないが、2000Vの耐電圧試験で異常が確認された。粗化処理粗さは同等であるが、未処理面(光沢面)をめっき処理にて表面粗さ(Rz)を2.0μm以下に平滑化した実施例1は良好な耐電圧特性を示した。
また、実施例1に比べ比較例2は、粗化処理粗さが小さいことから銅箔引き剥がし強さが低く、はんだ耐熱性及び耐電圧試験で異常が確認された。
また、実施例1に比べ比較例3は、粗化処理粗さが大きく、銅箔引き剥がし強さが強く、はんだ耐熱性に優れるが、500Vの耐電圧試験で以上が確認された。
Figure 0004802541

Claims (1)

  1. 平織りのガラスクロスに熱硬化性樹脂組成物を含浸した後、金属箔と積層し、次いで加熱加圧して作製する、絶縁層厚みが0.06mm以下の金属箔張り積層板の製造方法において、前記金属箔として、その未処理面(光沢面)をめっき処理にて表面粗さ(Rz)を2.0μm以下に平滑化し、その面に表面粗さ(Rz)が2.0〜3.5μmの粗化処理が施されている金属箔を用いることを特徴とする金属箔張り積層板の製造方法。
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