JP2009174684A - 手動変速機の同期装置の作動制限装置 - Google Patents

手動変速機の同期装置の作動制限装置 Download PDF

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Abstract

【課題】同期装置のスリーブと2つの後進段用メインギヤの一方とが一体に設けられた同期装置において、リバースシフト操作時に軸線方向に摺動する後進段用アイドラギヤが後進段用メインギヤに噛合する際に、スリーブと一体に設けられた後進段用メインギヤが後進段用アイドラギヤの上記摺動の影響を受けてスライド移動されることを防止する。
【解決手段】シフトインナーレバーのアーム部21bがヘッド22aに係合可能な位置に配置されているとき、ヘッド22aとの対向位置に押圧部材60の球体63が配置されるように、連通孔64のアーム部21bに対する形成位置が設定されている。また、押圧部材60の球体61のシフトインナーレバーの筒部21a側への脱出が規制面21eによって規制されているとき、押圧部材60の球体63はその対向位置に配置されるヘッド22aの接近移動を当該ヘッド22aを押圧することによって規制する。
【選択図】図11

Description

本発明は、自動車等の車両に搭載される手動変速機(マニュアルトランスミッション)の同期装置の作動制限装置に関する。特に、同期装置のスリーブ等の移動部材と後進段用メインギヤとが一体に設けられた、手動変速機の同期装置の作動制限装置に関する。
車両用の手動変速機は、複数段の変速ギヤ列を有している。運転者が操作するシフトレバーによって変速ギヤ列を切換えて各段のギヤを噛合させることで、エンジン等の内燃機関の動力が変換して取り出される。このようなギヤ式の手動変速機においては、変速比を切換える方式によって、選択摺動式、常時噛合い式等がある。
選択摺動式の手動変速機は、内燃機関側のクラッチによって内燃機関と断続するインプットシャフトと、このインプットシャフトに平行に配設されたカウンタシャフト(FF車両の場合にはアウトプットシャフトとも呼ばれる)と、同じくインプットシャフトに平行に配設されたリバースアイドラシャフトとにそれぞれ各ギヤを有する。リバースアイドラシャフトのリバースアイドラギヤ(後進段用アイドラギヤ)は、車両の停止状態でも操作されるように構成されている。運転者のシフトレバーの操作力により、リバースアイドラギヤが軸線方向に摺動されると、当該リバースアイドラギヤは、2つの後進段用メインギヤである、インプットシャフトのドライブギヤおよびカウンタシャフトのドリブンギヤに噛み合って、インプットシャフト側からカウンタシャフト側へ動力の伝達がなされる。
一方、常時噛合い式の手動変速機は、必要な変速段数分のギヤ対が相互に常時噛合されており、各ギヤ対の一方においてシャフトとギヤの間が空転する構造となっている。そして、必要な変速比の得られるギヤ対の空転構造側において、シャフトに対して空転しているギヤがスリーブによってそのシャフトに固定され、インプットシャフト側からカウンタシャフト側への動力伝達がなされるようになっている。
自動車等の車両の手動変速機では、リバースギヤ列のみに選択摺動式を採用し、その他のギヤ列に常時噛合い式を採用することが多い(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、自動車等の車両の手動変速機においては、シフトレバーのセレクト操作およびシフト操作によって、選択された変速段のシフトフォークをスライドさせて当該変速段を成立させる操作機構が知られている。例えば特許文献2に開示されている操作機構は、シフトレバーのシフト操作に応じて軸線方向に移動し、シフトレバーのセレクト操作に応じて軸線回りに回動するシフトセレクトシャフトと、このシフトセレクトシャフトと一体に移動し回動してフォークシャフトのシフトヘッドに係合するシフトインナーレバーとを備え、前記シフトインナーレバーがシフトセレクトシャフトとともに軸線方向へスライドすることで、選択された変速段の同期装置が作動して当該変速段が成立する。また、シフトインナーレバーの両側部にインターロック部材が摺接するようにして設けられている。このインターロック部材は、同時に2つ以上のシフトヘッドの通過を規制することで複数段のギヤ列の二重噛み合いを防止する。
特開平6−341548号公報 特開2007−132358号公報
上記特許文献に開示されている選択摺動式のリバースギヤ列では、同期装置の作動に際してスライドするスリーブとリバースドリブンギヤとが一体に設けられている。そのため、リバースシフト操作によりリバースアイドラギヤが軸線方向に移動してリバースドリブンギヤに噛合する際に、リバースアイドラギヤとの摺動抵抗や噛合直前での歯当たりによってリバースドリブンギヤおよびこれと一体のスリーブが軸線方向に少しスライドしてしまうことがある。勿論、スリーブは、インターロック部材の二重噛合い防止機能などによって大きく移動することはないが、インターロック部材とシフトヘッドとの間には機構上円滑な摺動に必要な隙間(遊び)が設けられており、この隙間量相当分だけスライドし得る。この場合、同期装置が若干作動し、インプットシャフトが惰性回転していれば、同期装置の構成部品(例えばコーン)が消耗する。
多くの自動車では、リバースシフト時のギヤ鳴りを防止するために、リバースシフト操作に際して同期装置を作動させてインプットシャフトの惰性回転を止める機構を備えているが、このように意図的に作動させる同期装置と、リバースドリブンギヤと一体に設けられているスリーブを構成部材として有する同期装置とが別異のものであれば、後者の同期装置の構成部品は無駄に消耗されてしまうことになる。
本発明は上記課題に鑑みて創案されたものであり、同期装置のスリーブ等の移動部材と2つの後進段用メインギヤの何れか一方とが一体に設けられた同期装置において、リバースシフト操作時に軸線方向に摺動する後進段用アイドラギヤが他の2つの後進段用メインギヤに噛合する際に、上記移動部材と一体に設けられたメインギヤが後進段用アイドラギヤの上記摺動によってスライド移動されることを防止ないし抑制することを可能とした手動変速機の同期装置の作動制限装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するための手段として、本発明の手動変速機の同期装置の作動制限装置は、セレクト操作に応じて軸線回りに回動し、シフト操作に応じて軸線方向へ移動するシフトセレクトシャフトと、前記シフトセレクトシャフトに固定された基部およびこの基部から径方向に延在したアーム部を有するシフトインナーレバーと、前記アーム部が選択的に係合可能に配置されるように、前記アーム部の回動経路を挟んで配設された各一対の前進段用係合片を有し、前記シフトセレクトシャフトの軸線方向への移動が同期装置の作動および前進段への変速動作の実行に連動される複数の前進段用係合部と、前記アーム部が選択的に係合可能に配置されるように、前記複数の前進段用係合部の端位置にある前進段用係合片に並べられた後進段用係合片を有し、前記シフトセレクトシャフトの軸線方向一方への移動が後進段への変速動作の実行に連動される後進段用係合部と、軸線方向へ移動不能に設けられつつ、前記シフトインナーレバーの基部に対しては軸線方向に相対移動可能に且つ軸線回りに相対回動不能に外嵌され、軸線方向へ移動される1つの係合片の通過のみを許容する係合片通路が形成されたインターロック部材と、を備える。そして、前記インターロック部材の前記前進段用係合片に臨む端面の一方と前記シフトインナーレバーの基部に臨む内面とを連通する前記インターロック部材内に形成された連通孔と、前記連通孔に移動自在に嵌入された押圧部材と、前記シフトインナーレバーのアーム部が軸線方向中立位置にあるとき前記押圧部材の一端部のシフトインナーレバーの基部側への脱出を許容する一方、前記シフトインナーレバーのアーム部が軸線方向中立位置から軸線方向後進段用係合片側へ移動するとき前記脱出を規制するように、前記シフトインナーレバーの基部に形成された、脱出凹部および規制面と、を備えている。また、前記シフトインナーレバーのアーム部が後進段用係合片に係合可能な位置に配置されているとき、後進段用ギヤの軸線方向への摺動に伴って前記インターロック部材側へ接近し得る前進段用係合片との対向位置に前記押圧部材の他端部が配置されるように、前記連通孔の前記アーム部に対する形成位置が設定されている。さらに、前記押圧部材の一端部のシフトインナーレバーの基部側への脱出が許容されているとき、当該押圧部材の他端部はその対向位置に配置される前進段用係合片の移動を規制せず、前記押圧部材の一端部のシフトインナーレバーの基部側への脱出が規制されているとき、当該押圧部材の他端部はその対向位置に配置される前進段用係合片の接近移動を当該前進段用係合片を押圧することによって規制するように構成されている。
また、本発明の手動変速機の同期装置の作動制限装置は、次のように構成されていてもよい。すなわち、本発明の手動変速機の同期装置の作動制限装置は、セレクト操作に応じて軸線回りに回動し、シフト操作に応じて軸線方向へ移動するシフトセレクトシャフトと、前記シフトセレクトシャフトに固定された基部およびこの基部から径方向に延在したアーム部を有するシフトインナーレバーと、前記アーム部が選択的に係合可能に配置されるように、前記アーム部の回動経路を挟んで配設された各一対の前進段用係合片を有し、前記シフトセレクトシャフトの軸線方向への移動が同期装置の作動および前進段への変速動作の実行に連動される複数の前進段用係合部と、前記アーム部が選択的に係合可能に配置されるように、前記複数の前進段用係合部の端位置にある前進段用係合片に並べられて前記アーム部の回動経路を挟んで配設された前進段用係合片および後進段用係合片を有し、前記シフトセレクトシャフトの軸線方向前進段用係合片側への移動が同期装置の作動および前進段への変速動作の実行に連動され、同軸線方向後進段用係合片側への移動が後進段への変速動作の実行に連動される前後進段兼用係合部と、軸線方向へ移動不能に設けられつつ、前記シフトインナーレバーの基部に対しては軸線方向に相対移動可能に且つ軸線回りに相対回動不能に外嵌され、軸線方向へ移動される1つの係合片の通過のみを許容する係合片通路が形成されたインターロック部材と、を備える。そして、前記インターロック部材の前記前進段用係合片に臨む端面の一方と前記シフトインナーレバーの基部に臨む内面とを連通する前記インターロック部材内に形成された連通孔と、前記連通孔に移動自在に嵌入された押圧部材と、前記シフトインナーレバーのアーム部が軸線方向中立位置にあるとき前記押圧部材の一端部のシフトインナーレバーの基部側への脱出を許容する一方、前記シフトインナーレバーのアーム部が軸線方向中立位置から軸線方向後進段用係合片側へ移動するとき前記脱出を規制するように、前記シフトインナーレバーの基部に形成された、脱出凹部および規制面と、を備えている。また、前記シフトインナーレバーのアーム部が後進段用係合片に係合可能な位置に配置されているとき、後進段用ギヤの軸線方向への摺動に伴って前記インターロック部材側へ接近し得る前進段用係合片との対向位置に前記押圧部材の他端部が配置されるように、前記連通孔の前記アーム部に対する形成位置が設定されている。さらに、前記押圧部材の一端部のシフトインナーレバーの基部側への脱出が許容されているとき、当該押圧部材の他端部はその対向位置に配置される前進段用係合片の移動を規制せず、前記押圧部材の一端部のシフトインナーレバーの基部側への脱出が規制されているとき、当該押圧部材の他端部はその対向位置に配置される前進段用係合片の接近移動を当該前進段用係合片を押圧することによって規制するように構成されている。
上記の構成を備える手動変速機の同期装置の作動制限装置によれば、運転者がシフトレバーをリバースセレクト位置に配置することで、シフトインナーレバーのアームが後進段用係合片に係合可能な位置に配置されるとき、後進段用ギヤの軸線方向への摺動に伴ってインターロック部材側へ接近し得る前進段用係合片(以下、この係合片を「接近前進段用係合片」ともいう。)との対向位置に押圧部材の他端部が配置される。そして、運転者がシフトレバーをリバースシフト操作することで、シフトインナーレバーが軸線方向中立位置から軸線方向後進段用係合片側へ移動するとき、押圧部材の一端部のシフトインナーレバーの基部側への脱出が規制され、逃げ場を失った押圧部材は、その他端部の対向位置にある接近前進段用係合片の接近移動を規制するように働く。
これにより、接近前進段用係合片と連動する後進段用アイドラギヤおよびこれと一体に移動する同期装置のスリーブ等の部材の移動も規制され、リバースシフト操作時に作動させることを要しない同期装置の作動を防止することができる。この結果、リバースシフト操作が行われて軸線方向にスライド移動する後進段用アイドラギヤが2つの後進段用メインギヤに噛合する際に、当該後進段用メインギヤの一方と共にスライド移動してしまうことが防止ないし抑制されるので、同期装置を作動させてその構成部品を無駄に消耗させてしまうことも防止ないし抑制される。
なお、シフトインナーレバーが軸線方向中立位置にあるとき、すなわち、セレクト操作が行われるときは、押圧部材の一端部は、シフトインナーレバーの基部側へ脱出することができ、押圧部材の他端部がその対向位置に配置される前進段用係合片の移動を規制しない。このことから、インターロック部材と当該前進段用係合片との間に適度な隙間(遊び)を確保でき、インターロック部材と当該前進段用係合片との間での円滑な摺動が維持される。また、そのような押圧部材であることにより、運転者がセレクト操作する際に操作荷重が増加することもほとんどない。
また、本発明の手動変速機の同期装置の作動制限装置は、上記何れかの構成において、前記押圧部材は、両端に配置された2個の球体と、これら球体の間に配置された弾性部材と、を備えるものとすることができる。
前記押圧部材がそのような構成を備えていれば、押圧部材の両端部における摺動抵抗が低減されるとともに、押圧部材の円滑な作動が確保される。
また、本発明の手動変速機の同期装置の作動制限装置は、上記何れかの構成において、前記押圧部材は、両端部に球面状部を有する非弾性部材からなるものとすることができる。
かかる構成によっても、両端部が球面状部であることにより、プレボーグ部材の両端部における摺動抵抗が低減される。また、非弾性部材からなるため、接近前進段用係合片の接近移動を一定の位置において確実に制限することができる。
本発明に係る手動変速機の同期装置の作動制限装置によれば、リバースシフト操作が行われて軸線方向に摺動する後進段用アイドラギヤが2つの後進段用メインギヤに噛合する際に、後進段用メインギヤの一方がスライド移動してしまうことが防止ないし抑制される。これにより、その後進段用メインギヤと一体に設けられた移動部材を有する同期装置が作動して構成部品を無駄に消耗してしまうことが防止ないし抑制される。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本発明の第1の実施の形態では、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両に搭載された、前進6速段、後進1速段の同期噛み合い式手動変速機(マニュアルトランスミッション)を例に挙げて説明する。
<手動変速機のギヤレイアウト>
図1は本発明の実施の形態における手動変速機のギヤレイアウトの一部を断面で示した図であり、図2は、図1のP矢視によるリバースギヤ列の配置を示した概略図である。この図1および図2に示すギヤレイアウトは、図示しないトランスミッションケース内に収容されており、互いに平行に配置されたインプットシャフト1、アウトプットシャフト2およびリバースシャフト3が、図示しないトランスミッションケースによって回転自在に支持されている。
インプットシャフト1は、図示しないエンジンのクランクシャフトにクラッチ機構を介して連結されており、このクラッチ機構の係合動作によりエンジンの回転駆動力が入力されるようになっている。
インプットシャフト1とアウトプットシャフト2との間には、前進1速段〜前進6速段および後進段の各変速段を成立させるための複数の変速ギヤ列4〜10が設けられている。具体的には、前進段用のギヤ列として、図1において右側から順に軸線方向左側に向かって、1速ギヤ列4、2速ギヤ列5、3速ギヤ列6、4速ギヤ列7、5速ギヤ列8および6速ギヤ列9が配設されている。また、後進段用のギヤ列として、リバースギヤ列10が配設されている。
1速ギヤ列4は、インプットシャフト1に相対回転不能に取り付けられた1速ドライブギヤ4aと、アウトプットシャフト2に対して相対回転自在に組み付けられた1速ドリブンギヤ4bとを備えており、これら1速ドライブギヤ4aと1速ドリブンギヤ4bとは互いに噛み合っている。
2速ギヤ列5は、インプットシャフト1に相対回転不能に取り付けられた2速ドライブギヤ5aと、アウトプットシャフト2に対して相対回転自在に組み付けられた2速ドリブンギヤ5bとを備えており、これら2速ドライブギヤ5aと2速ドリブンギヤ5bとは互いに噛み合っている。
3速ギヤ列6は、インプットシャフト1に相対回転自在に組み付けられた3速ドライブギヤ6aと、アウトプットシャフト2に相対回転不能に取り付けられた3速ドリブンギヤ6bとを備えており、これら3速ドライブギヤ6aと3速ドリブンギヤ6bとは互いに噛み合っている。
4速ギヤ列7は、インプットシャフト1に相対回転自在に組み付けられた4速ドライブギヤ7aと、アウトプットシャフト2に相対回転不能に取り付けられた4速ドリブンギヤ7bとを備えており、これら4速ドライブギヤ7aと4速ドリブンギヤ7bとは互いに噛み合っている。
5速ギヤ列8は、インプットシャフト1に相対回転自在に組み付けられた5速ドライブギヤ8aと、アウトプットシャフト2に相対回転不能に取り付けられた5速ドリブンギヤ8bとを備えており、これら5速ドライブギヤ8aと5速ドリブンギヤ8bとは互いに噛み合っている。
6速ギヤ列9は、インプットシャフト1に相対回転自在に組み付けられた6速ドライブギヤ9aと、アウトプットシャフト2に相対回転不能に取り付けられた6速ドリブンギヤ9bとを備えており、これら6速ドライブギヤ9aと6速ドリブンギヤ9bとは互いに噛み合っている。
上記各変速ギヤ列の切り換え動作(変速動作)は、3つのシンクロメッシュ機構(同期装置)11,12,13によって行われる。
第1のシンクロメッシュ機構11は、1速ドリブンギヤ4bと2速ドリブンギヤ5bとの間におけるアウトプットシャフト2上に設けられている。この第1のシンクロメッシュ機構11が1速ドリブンギヤ4b側に作動すると、1速ドリブンギヤ4bがアウトプットシャフト2に相対回転不能に連結され、1速ドライブギヤ4aと1速ドリブンギヤ4bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われるようになる(1段変速)。一方、第1のシンクロメッシュ機構11が2速ドリブンギヤ5b側に作動すると、2速ドリブンギヤ5bがアウトプットシャフト2に相対回転不能に連結され、2速ドライブギヤ5aと2速ドリブンギヤ5bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われるようになる(2段変速)。
第2のシンクロメッシュ機構12は、3速ドライブギヤ6aと4速ドライブギヤ7aとの間におけるインプットシャフト1上に設けられている。この第2のシンクロメッシュ機構12が3速ドライブギヤ6a側に作動すると、3速ドライブギヤ6aがインプットシャフト1に相対回転不能に連結され、3速ドライブギヤ6aと3速ドリブンギヤ6bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われるようになる(3段変速)。一方、第2のシンクロメッシュ機構12が4速ドライブギヤ7a側に作動すると、4速ドライブギヤ7aがインプットシャフト1に相対回転不能に連結され、4速ドライブギヤ7aと4速ドリブンギヤ7bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われるようになる(4段変速)。
第3のシンクロメッシュ機構13は、5速ドライブギヤ8aと6速ドライブギヤ9aと間におけるインプットシャフト1上に設けられている。この第3のシンクロメッシュ機構13が5速ドライブギヤ8a側に作動すると、この5速ドライブギヤ8aがインプットシャフト1に相対回転不能に連結され、5速ドライブギヤ8aと5速ドリブンギヤ8bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われるようになる(5段変速)。一方、第3のシンクロメッシュ機構13が6速ドライブギヤ9a側に作動すると、6速ドライブギヤ9aがインプットシャフト1に相対回転不能に連結され、6速ドライブギヤ9aと6速ドリブンギヤ9bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われるようになる(6段変速)。
このようにして、前進時には、シフトチェンジ動作時を除いて、インプットシャフト1の回転駆動力が、シンクロメッシュ機構11,12,13のうちの何れか一つの作動によって選択された一つの変速ギヤ列4〜9を介してアウトプットシャフト2へ伝達される。
一方、リバースギヤ列10は、図1および図2に示すように、インプットシャフト1に相対回転不能に取り付けられたリバースドライブギヤ10aと、アウトプットシャフト2に相対回転不能に取り付けられたリバースドリブンギヤ10bと、リバースシャフト3に対してスライド移動自在に組み付けられたリバースアイドラギヤ10c(後進段用アイドラギヤ)とを備えている。これらギヤ10a,10b,10cは前進時には非噛合状態にあって動力伝達は行われない。一方、後進時には全てのシンクロメッシュ機構11,12,13が中立状態に設定され、リバースアイドラギヤ10cがリバースシャフト3の軸線方向に移動して、リバースドライブギヤ10a(第1の後進段用メインギヤ)およびリバースドリブンギヤ10b(第2の後進段用メインギヤ)の両方のギヤに噛合することで、リバースドライブギヤ10aの回転駆動力が逆転されてリバースドリブンギヤ10bに伝達される。これにより、アウトプットシャフト2が上記前進段の場合とは逆方向に回転し、駆動輪は後退方向に回転する。なお、リバースドリブンギヤ10bは第1のシンクロメッシュ機構11のスリーブ11aと一体に設けられている。
このようにして所定の変速比で変速または逆回転されてアウトプットシャフト2に伝達された回転駆動力は、ファイナルドライブギヤ15aとファイナルドリブンギヤ15bとからなるファイナルリダクションギヤ列15の終減速比によって減速された後、ディファレンシャル装置16へ伝達される。これによって、図示しない駆動輪が前進方向または後進方向に回転する。
<シフトパターン>
図3は、本実施の形態における6速マニュアルトランスミッションのシフトパターンであるシフトゲート形状の概略を示している。図中2点鎖線で示すシフトレバーLは、図3に矢印Xで示す方向のセレクト操作と、セレクト操作方向に直交する矢印Yで示す方向のシフト操作とが行い得る形状になっている。
セレクト操作方向には、1速―2速セレクト位置P1、3速―4速セレクト位置P2、5速―6速セレクト位置P3およびリバースセレクト位置P4が一列に並んでいる。
1速―2速セレクト位置P1でのシフト操作(矢印Y方向の操作)により、シフトレバーLを1速位置1stまたは2速位置2ndに動かすことができる。1速位置1stに操作された場合、第1のシンクロメッシュ機構11は1速ドリブンギヤ4b側に作動し、この1速ドリブンギヤ4bがアウトプットシャフト2に相対回転不能に連結される。また、2速位置2ndに操作された場合、上記第1のシンクロメッシュ機構11は2速ドリブンギヤ5b側に作動し、この2速ドリブンギヤ5bがアウトプットシャフト2に相対回転不能に連結される。
同様に、3速−4速セレクト位置P2でのシフト操作により、シフトレバーLを3速位置3rdまたは4速位置4thに動かすことができる。3速位置3rdに操作された場合、第2のシンクロメッシュ機構12は3速ドライブギヤ6a側に作動し、この3速ドライブギヤ6aがインプットシャフト1に相対回転不能に連結される。また、4速位置4thに操作された場合、第2のシンクロメッシュ機構12は4速ドライブギヤ7a側に作動し、この4速ドライブギヤ7aがインプットシャフト1に相対回転不能に連結される。
また、5速―6速セレクト位置P3でのシフト操作により、シフトレバーLを5速位置5thまたは6速位置6thに動かすことができる。5速位置5thに操作された場合、第3のシンクロメッシュ機構13は5速ドライブギヤ8a側に作動し、この5速ドライブギヤ8aがインプットシャフト1に相対回転不能に連結される。また、6速位置6thに操作された場合、第3のシンクロメッシュ機構13は6速ドライブギヤ9a側に作動し、この6速ドライブギヤ9aがインプットシャフト1に相対回転不能に連結される。
更に、リバースセレクト位置P4でのシフト操作により、シフトレバーLをリバース位置REVに動かすことができる。このリバース位置REVに操作された場合、上記全てのシンクロメッシュ機構11,12,13が中立状態となると共に、上記リバースアイドラギヤ10cがリバースシャフト3の軸線方向に移動して上記リバースドライブギヤ10aおよびリバースドリブンギヤ10bに噛み合うことになる。
<セレクト・シフト機構>
次に、上述したシフトレバーLを操作することで前進1速段〜前進6速段および後進段の各変速段を成立させるために、シフトレバーLの操作力を各シンクロメッシュ機構11,12,13や後述するリバースアーム50(図5参照)に選択的に伝達するためのセレクト・シフト機構について説明する。なお、このセレクト・シフト機構には、手動変速機の同期装置の作動制限装置の構成要素が含まれている。
このセレクト・シフト機構では、シフトレバーLは図示しないセレクトケーブルおよびシフトケーブルによりシフトセレクトシャフト20(図4参照)に連結されている。シフトセレクトシャフト20はセレクト操作に応じて軸線回り(図4に矢印Mで示す方向)に回動し、シフト操作に応じて軸線方向(図4に記号Nで示す紙面垂直方向)へスライド移動するようになっている。すなわち、シフトレバーLに対するセレクト操作力(図3に矢印Xで示す方向の操作力)がセレクトケーブルを経てシフトセレクトシャフト20の軸線回りの回動力として伝達されるようになっている。また、シフトレバーLに対するシフト操作力(図3に矢印Yで示す方向の操作力)がシフトケーブルを経てシフトセレクトシャフト20の軸線方向のスライド移動力として伝達されるようになっている。
また、各シンクロメッシュ機構11,12,13が備える各スリーブ11a,12a,13a(図1参照)にはそれぞれに対応して配設されたシフトフォーク30,31,32が係合されており、これらシフトフォーク30,31,32の基端部分は、それぞれに対応して設けられた前進段用のフォークシャフト40,41,42によってそれぞれ支持されている。そして、セレクト操作に応じたシフトセレクトシャフト20の軸線回りの回動によって1本のフォークシャフト40,41,42又はリバースアーム50がシフト操作力伝達可能に選択され、シフト操作に応じたシフトセレクトシャフト20のスライド移動によって、選択された1本のフォークシャフト40,41,42が軸線方向にスライド移動し又は後述するリバースアーム50が回動する。そして、フォークシャフト40,41,42に設けられたシフトフォーク30,31,32を介して何れか1つのシンクロメッシュ機構11,12,13が作動し又はリバースアイドラギヤ10cがリバースドライブギヤ10aおよびリバースドリブンギヤ10bに噛合する。
図4は、上記セレクト・シフト機構の一部をシフトセレクトシャフト20の軸線方向から視た図である。シフトインナーレバー21は、シフトセレクトシャフト20の外周に外嵌固定された筒部(基部)21aと、この筒部21aから径方向に延在したアーム部21bとを有している。シフトインナーレバー21の筒部21aには、軸線方向に相対移動可能に且つ軸線回りに相対回動不能にインターロックプレート(インターロック部材)26が外嵌されている。このインターロックプレート26には、シフトインナーレバー21のアーム部21bの回動両側に摺接する相対向する一対の案内面からなる係合片通路26cが軸線方向に延在して形成されている。そして、この係合片通路26cの案内面同士の間隔は、シフトインナーレバー21のアーム部21bよって軸線方向に移動されるヘッド22a〜24b,25a(「ヘッド22a〜24b,25a」については後に詳述する。)が同時に複数個通過することを規制するもの、つまり、1つのヘッドの通過のみを許容するように設定されている。なお、インターロックプレート26は、既述したように、シフトインナーレバー21の筒部21aに対して軸線方向に移動可能であるが、トランスミッションケースC(シフトインナーレバー21以外のもの)に対しては軸線方向に移動不能に設けられている。
また、シフトレバーLが、図3に矢印Xで示すセレクト方向にセレクト操作されると、その操作力がセレクトケーブルによりシフトセレクトシャフト20に伝達されてシフトセレクトシャフト20は回動され、そのシフトレバーLの操作位置に応じた回動位置をとる。図4では、シフトレバーLが3速―4速セレクト位置P2に操作されたときのシフトセレクトシャフト20およびシフトインナーレバー21の回動位置を示している。
また、シフトレバーLが、図3に矢印Yで示すシフト方向にシフト操作されると、その操作力がシフトケーブルによりシフトセレクトシャフト20に伝達されてこのシフトセレクトシャフト20が軸線方向(図4の紙面に直交する方向)にスライド移動し、そのシフトレバーLの操作位置に応じたスライド位置をとる。
一方、各シンクロメッシュ機構11,12,13に対応して配設された各フォークシャフト40,41,42には、シフトインナーレバー21のアーム部21bの回動経路を挟んで配設された各一対のヘッド(前進段用係合片)22a〜24a,22b〜24b(以下この符号を「22a〜24b」と記す。)を有する前進段用係合部22〜24がそれぞれ配置されている。これらヘッド22a〜24bには、セレクト操作に応じてシフトインナーレバー21のアーム部21bが選択的に係合可能に配置され、選択されたヘッド22a〜24bは、同アーム部21bによってシフトセレクトシャフト20の軸線方向に係合移動される。各一対のヘッド22a〜24bの中立位置から上記軸線方向への移動、つまり、各一対のヘッドを有する各前進段用係合部22〜24の中立位置から上記軸線方向への移動は、同期装置の作動およびその後の前進段への変速動作の実行にそれぞれ連動するようになっている。なお、ヘッド22a,22b,23a,23b,24a,24b,25aのアーム部21bによる係合移動は、それぞれ順に、1段変速、2段変速、3段変速、4段変速、5段変速、6段変速、後進段変速に連動する。
さらに、上記複数の前進段用係合部22〜24の端位置にあるヘッド22aにヘッド(後進段用係合片)25aが並べて配設されている。このヘッド25aにも、セレクト操作に応じてシフトインナーレバー21のアーム部21bが選択的に係合可能に配置され、同アーム部21bによってシフトセレクトシャフト20の軸線方向に係合移動される。このヘッド25aおよびこれを有する後進段用係合部25の上記軸線方向一方(アーム部21bがヘッド25aを係合する方向)への移動は後進段への変速動作の実行に連動するようになっている。ヘッド25aを有する後進段用係合部25は、リバースアイドラギヤ10cの軸線方向へのスライド移動と連動する後進段用変速動作伝達部に設けられており、ヘッド25aが軸線方向へ移動されることにより、後進段用変速動作伝達部を介してリバースアイドラギヤ10cが軸線方向へスライド移動される。これにより、リバースアイドラギヤ10cは、リバースドライブギヤ10aおよびリバースドリブンギヤ10bの両方のギヤに噛合わされ、後進段への変速動作が実行される。
上記後進段用変速動作伝達部の例を図5に示す。すなわち、図5に示す後進段用変速動作伝達部の例は、リバースアーム50、リバースアイドラギヤ10cに形成されたフランジ10d等で構成される。この図に示すように、リバースアーム50は、上端部にシフトインナーレバー21のアーム部21bに係合するヘッド25aおよび補助ヘッド25bを備え、下端部にシフトフォーク部51を備えている。リバースアーム50の長手方向の略中央部分が図示しないトランスミッションケースによって回動自在に支持されている。そして、このリバースアーム50のシフトフォーク部51は、リバースアイドラギヤ10cに形成されたフランジ10dに係合されている。
シフトレバーLがリバースセレクト位置P4にセレクト操作されることでリバースアーム50のヘッド25にシフトインナーレバー21のアーム部21bが係合した状態から、シフトレバーLがリバース位置REVへシフト操作されると、その操作力がシフトケーブルによりシフトアンドセレクトシャフト20に伝達され、このシフトアンドセレクトシャフト20がその軸心方向にスライド移動(シフト動作)する。これにより、アーム部21bが係合しているリバースアーム50が回動してリバースアイドラギヤ10cがリバースシャフト3の軸心方向に移動することになり、このリバースアイドラギヤ10cが上記リバースドライブギヤ10aとリバースドリブンギヤ10bとの両方に噛み合うことで後進段変速が成立することになる。
図4における符号22は1速―2速用フォークシャフトに形成された前進段用係合部を、符号23は3速―4速用フォークシャフトに形成された前進段用係合部を、符号24は5速―6速用フォークシャフトに設けられた前進段用係合部をそれぞれ示している。また、符号25は、リバースアーム50の上端部に設けられた後進段用係合部を示している。シフトレバーLが、中立位置(本実施形態では、3速―4速セレクト位置P2)にあり、何れの変速段も成立していない状態では、シフトインナーレバー21のアーム部21bも軸線方向および回動方向中立位置にあり、各ヘッド22a〜24b,25aは同アーム部21bの回動経路の両側に沿って隣接配置される。
そして、シフトレバーLのセレクト操作に応じてシフトセレクトシャフト20と一体にシフトインナーレバー21のアーム部21bが回動すると、このアーム部21bは、シフトレバーLのセレクト位置に応じた回動位置に配置されているヘッド22a〜24b,25aと係合可能な位置に選択的に配置される。例えば、シフトレバーLが1速―2速セレクト位置P1に操作された場合にはシフトインナーレバー21のアーム部21bは1速―2速用フォークシャフトに設けられた前進段用係合部22のヘッド22a,22bと係合可能に配置され、シフトレバーLが3速―4速セレクト位置P2に操作された場合にはアーム部21bは3速―4速用フォークシャフトに設けられた前進段用係合部23のヘッド23a,23bと係合可能に配置され、シフトレバーLが5速―6速セレクト位置P3に操作された場合にはアーム部21bは5速―6速用フォークシャフトに設けられた前進段用係合部24のヘッド24a,24bに係合可能に配置され、シフトレバーLがリバースセレクト位置P4に操作された場合にはアーム部21bは後進段用係合部25のヘッド25aに係合可能に配置される。
このようにして何れかのヘッド22a〜24b,25aにシフトインナーレバー21のアーム部21bが係合可能に配置されることで、一つのフォークシャフト40,41,42又はリバースアーム50が操作力伝達可能に選択される。この選択状態から、シフトレバーLがシフト方向Yに操作されると、その操作力がシフトケーブルによりシフトセレクトシャフト20に伝達される。これにより、シフトセレクトシャフト20がその軸線方向にスライド移動し、シフトインナーレバー21のアーム部21bが何れかのヘッド22a〜24b(前進段用係合片)に係合している場合には、その係合しているヘッド22a〜24bとともに、ヘッド22a〜24bが設けられている何れかの前進段用係合部22〜24およびこれに連動するフォークシャフト40,41,42をスライド移動させることで何れかのシンクロメッシュ機構11,12,13が作動することになる。また、シフトインナーレバー21のアーム部21bがヘッド25a(後進段用係合片)に係合している場合には、ヘッド25aとともに、このヘッド25aが設けられている後進段用係合部25を軸線方向にスライド移動させることで、これに連動して回動するリバースアーム50がリバースアイドラギヤ10cをリバースシャフト3の軸線方向に移動することになる。
例えば図4に示すようにシフトインナーレバー21のアーム部21bが3速―4速用フォークシャフト41に形成された前進段用係合部23のヘッド23a,23bに係合可能に配置されている状態からシフトレバーLが3速位置3rdにシフト操作された場合には、シフトセレクトシャフト20が図4の紙面手前側に移動する。これに伴ってアーム部21b、前進段用係合部23、フォークシャフト41およびシフトフォーク31が同方向に移動し、第2のシンクロメッシュ機構12が3速ドライブギヤ6a側に作動して3段変速が成立する。また、この図4に示す状態からシフトレバーLが4速位置4thにシフト操作された場合には、シフトセレクトシャフト20が図4の紙面奥側に移動する。これに伴ってアーム部21b、前進段用係合部23、フォークシャフト41およびシフトフォーク31も同方向に移動することで、第2のシンクロメッシュ機構12が4速ドライブギヤ7a側に作動して4段変速が成立する。
図6は、図1のD部拡大図であって、更にフォークシャフト40の周辺を詳細に示した図である。この図に示すように、フォークシャフト40には2点鎖線で示す連結部30aを介してシフトフォーク30が取り付けられており、このシフトフォーク30の先端部がシンクロメッシュ機構11のスリーブ11aに係合されている。
また、フォークシャフト40には1速段−中立位置−2速段に対応した3個のロックボール溝40A,40B,40Cが形成され、これらロックボール溝40A,40B,40Cの何れかに、フォークシャフト40側に押圧されている1個のロックボール44が選択的に嵌入され得るようになっている。ロックボール44は、トランスミッションケースCに形成された孔C1の内部に収容され、同じく孔C1に収容されて孔C1のプラグ45によって係止された圧縮状態のコイルスプリング46によりフォークシャフト40側に押圧されている。これらの構成により、ギヤ抜け防止と節度感が得られるようになっている。
フォークシャフト40が上記中立位置から軸線方向へ僅かに移動すると、ロックボール44がロックボール溝40Bから完全に離脱しない限り、ロックボール44がロックボール溝40B側に押圧されていることによりフォークシャフト40およびこれに固定されている前進段用係合部22(ヘッド22a,22b)に対し、中立位置に復帰させようとする中立位置復帰力が作用する。
同様に、フォークシャフト41,42にも上記ロックボール44等からなる機構が設けられている。
図6に示すように、シンクロメッシュ機構11においては、アウトプットシャフト2にスプライン嵌合されたシンクロナイザハブ17の外径側に、周方向に等間隔をおいて複数のシンクロナイザーキー18が配設されている。各シンクロナイザーキー18の中央部には外周側に突出して形成された突起18aが、スリーブ11aの内周面に形成された周方向の溝11bに係合されている。シンクロナイザーキー18は、シンクロナイザハブ17の内部に配設されたキースプリング19によってスリーブ11aの内周面に押し付けられている。シンクロメッシュ機構11の1速ギヤ列4側には、シンクロナイザーキー18の一側面によって軸線方向に押圧可能に配置されたアウターコーン48Aと、内周側が1速ドリブンギヤ4bにスプライン嵌合され、外周側がアウターコーン48Aの内周傾斜面に摩擦係合可能に配置されたインナーコーン49Aとが設けられている。これらアウターコーン48Aおよびインナーコーン49Aは、アウトプットシャフト2と軸心が一致するように取り付けられている。
また、シンクロメッシュ機構11の2速ギヤ列5側には、シンクロナイザーキー18の他側面によって軸線方向に押圧可能に配置されたアウターコーン48Bと、シンクロナイザハブ17に相対回転不能に係止されたインナーコーン49Bと、アウターコーン48Aとインナーコーン49Bとの間に摩擦係合可能に配置され、2速ドリブンギヤ5bに相対回転不能に係止されたシンクロナイザリングSとが設けられている。これらアウターコーン48B、インナーコーン49BおよびシンクロナイザリングSは、アウトプットシャフト2と軸心が一致するように取り付けられている。
例えば、シフトレバーLが1速−2速セレクト位置P1から2速位置2ndへシフト操作されると、その操作力がスリーブ11aに伝達され、スリーブ11aは、2速ギヤ列5側にスライド移動される。すると、キースプリング19の弾性力によってスリーブ11aの内周に係合されているシンクロナイザーキー18は、スリーブ11aとともに移動し、その側面がアウターコーン48Bを押圧移動する。これにより、アウターコーン48Bとインナーコーン49BとでシンクロナイザリングSを挟む力が発生し、これらの間で摩擦が発生すると同時に、シンクロナイザリングSが2速ドリブンギヤ5bに係止され、インナーコーン49Bがシンクロナイザハブ17に係止されていることから、同期作動が始まる。さらにスリーブ11aが同方向へ移動すると、アウターコーン48Bとインナーコーン49BがシンクロナイザリングSを挟む摩擦力が強くなって同期は完了し、なおもスリーブ11aが移動して、2速ドリブンギヤ5bに一体に並設されたクラッチギヤ5bGに噛合することで、2速段への変速動作が完了する。
<手動変速機の同期装置の作動制限装置>
次に、本発明の実施の形態に係る手動変速機の同期装置の作動制限装置(以下単に「作動制限装置」ともいう。)の特徴部分について説明する。この作動制限装置は、リバースドリブンギヤ10bと一体に設けられた、作動時にスライド移動されるスリーブ11aを備えた同期装置の当該スリーブ11aのスライド移動をリバースシフト操作時に制限するものである。
図7(a)はシフトインナーレバー21を軸線に直交する方向から視た図、図7(b)はシフトインナーレバー21を軸線方向から視た図である。既述したように、シフトインナーレバー21は、シフトセレクトシャフト20に外嵌固定される筒部21aと、この筒部21aから径方向に延在したアーム部21bを有している。筒部21aの外周面には、途中位置からヘッド25aに臨む端面21Sに亘って脱出凹部21cが形成されている。
筒部21aの外周面のうち上記脱出凹部21cが形成されていない領域はシフトインナーレバー21のアーム部21aが軸線方向中立位置から軸線方向ヘッド25a側へ移動するとき、後述する押圧部材60の一端部の筒部21a側への脱出を規制する規制面21eとなる。一方、上記脱出凹部21cは、シフトインナーレバー21のアーム部21bが軸線方向中立位置にあるとき、上記脱出を許容するように形成されている。なお、本明細書においては、上記脱出凹部21cとして、図7に示すような軸線方向に延在した溝である押圧部材脱出溝(以下「押圧部材脱出溝21c」という。)を例に挙げて説明する。
図8は、上記シフトインナーレバー21の筒部21aにインターロックプレート26が外嵌された状態を示す図であって、軸線を含む面で切断した断面図である。インターロックプレート26は、既述したように、シフトインナーレバー21の筒部21aに外嵌されており、1つのヘッドの通過のみを許容する係合片通路26c(図4参照)を有する。これにより同時に複数の前進段用係合部22〜24がアーム部21bにより係合移動されて同時に複数の変速段が成立することが防止される。
また、インターロックプレート26内には、ヘッド22a〜24bに臨む周端面26Sの一方とシフトインナーレバー21の筒部21aに臨む内面とを連通する連通孔64が形成されており、この連通孔64には、後述する押圧部材60が移動自在に嵌入されている。
図9(a)〜図11(a)は、図4において、シフトインナーレバー21の筒部21aとインターロックプレート26との境界面に沿って切断した円筒面を中心側から視た展開図である。図9(b)〜図11(b)は、各図9(a)〜図11(a)において、軸線を含む面で切断した断面図であって、押圧部材60およびその周囲を示したものである。
図9および図10は、シフトインナーレバー21のアーム部21bが、軸線方向中立位置にある状態を示している。つまり、図3においてシフトレバーLが各セレクト位置P1〜P4が一列に並ぶ線上にあり、これに応じた位置にシフトインナーレバー21のアーム部21bが配置されている状態を示している。この状態では、押圧部材60の一端部(後述する球体61)の筒部21a側への脱出が許容されるように、押圧部材脱出溝21cが形成されている。
シフトレバーLが3速―4速セレクト位置P2に配置されて、図9に示すように、シフトインナーレバー21のアーム部21bが回動方向中立位置でヘッド23a,23bに係合可能な位置に配置されているとき、押圧部材60の他端部(後述する球体63)はヘッド24aとの対向位置に配置される。また、シフトレバーLがリバースセレクト位置P4に配置され、図10〜図11に示すように、シフトインナーレバー21のアーム部21bがヘッド25aに係合可能な回動位置に配置されるとき、押圧部材60の他端部がヘッド22aとの対向位置に配置されるように、連通孔64のアーム部21bに対する形成位置が設定されている。ヘッド22aは、後進段用ギヤの1つであるリバースアイドラギヤ10cの摺動時に、リバースアイドラギヤとの摺動抵抗や噛合直前での歯当たりによって軸線方向にスライド移動し得るリバースドリブンギヤ5bと一体に設けられたスリーブ11aと、シフトフォーク30、フォークシャフト40等を介して連動し、リバースシフト操作時にインターロックプレート26側へ接近し得るヘッド(前進段用係合片)である。
図11は、シフトインナーレバー21のアーム部21bが、軸線方向中立位置から軸線方向一方(リバースシフト操作に応じてシフトセレクトシャフト20が中立位置から移動する方向と同じ方向)へ移動したときの状態を示している。この状態では、押圧部材60の一端部(後述する球体61)の筒部21a側への脱出が規制されるように、押圧部材脱出溝21cの形成範囲が設定されている。つまり、この状態では、連通孔64の筒部21a側の一部又は前部が上記規制面21eによって閉塞される。
また、押圧部材脱出溝(脱出凹部)21cの端面21Sと反対側の端部近傍には、当該端部に向かって溝深さ(凹み深さ)が浅くなった傾斜部21dが形成されている。これにより、シフトインナーレバー21のアーム部21bが軸線方向中立位置に復帰する際に、シフトインナーレバー21の筒部21a側へ脱出した押圧部材60の一端部(球体61)の連通孔64内への復帰動作が円滑に行われる。
図9〜図11に示すように、押圧部材60は、例えば、2個の球体61、63と、これら球体61、63の間に配置された弾性部材であるコイルスプリング62とで構成されている。コイルスプリング62は、押圧部材60の一端部である球体61の筒部21a側への脱出が規制面21eによって規制されているときに、両球体61、63を相離反する方向へ押圧し、シンクロメッシュ機構11が2速段側へ作動しないようにシンクロメッシュ機構11のスリーブ11aと連動するヘッド22aのインターロックプレート26側への接近移動を当該ヘッド22aを球体63によって押圧することで規制する。つまり、そうなるようにコイルスプリング62の弾性係数、自然長および撓み量が設定されている。また、コイルスプリング62の弾性係数、自然長および撓み量は、球体61の筒部21a側への脱出が規制面21eによって規制されているときに、球体63がヘッド22aを押圧し過ぎてシンクロメッシュ機構11が1速段側へ作動することがないようにも設定されている。
以下、図9〜図11に基づいてリバースシフト操作時における上記押圧部材60等の動作について詳述する。
図9は、シフトレバーL(図3参照)が3速―4速セレクト位置P2にあり、シフトインナーレバー21のアーム部21bが軸線方向中立位置にあるときにおける押圧部材60、ヘッド22a〜24b,25a,25b等の状態を示している。このとき、押圧部材60の球体63は、ヘッド24aと対向する回動位置にあるが、押圧部材60のもう一方の球体61がシフトインナーレバー21の筒部21a側への脱出が許容されコイルスプリング62は非圧縮状態にあるため、球体63は、ヘッド24aと軽く接触し得るものの、当該ヘッド24aの移動を規制することはない。なお、シフトインナーレバー21のアーム部21bがヘッド24a、24bとの対向位置に配置されたときに、球体63や押圧部材60全体がインターロックプレート26の連通孔64から脱落しないように、押圧部材60の球体63を回動方向に摺動自在に係止して上記脱落を防止する脱落防止ガイド70がインターロックプレート26の上記周端面26Sと若干の隙間(好ましくは、球体63の半径以下の隙間)をおいて設置されている。
図10は、シフトレバーLが3速―4速セレクト位置P2からリバースセレクト位置P4に向かってセレクト操作される際における押圧部材60、ヘッド22a〜24b,25a,25b等の状態を示している。このとき、シフトレバーLのセレクト操作に応じて、シフトセレクトシャフト20に当該セレクト操作力が伝達され、これにより、シフトセレクトシャフト20に固定されているシフトインナーレバー21およびこの筒部21aに相対回転不能に外嵌されているインターロックプレート26が一体に回動される。この状態では、引き続きアーム部21bが軸線方向中立位置にあることから、球体61はシフトインナーレバー21の筒部21a側への脱出を許容されており、球体63はヘッド22a,23a等と軽く接触し得るものの、当該ヘッド22a,23aの移動を規制することはない。
図11は、シフトレバーLのリバース位置REVへのリバースシフト操作時における押圧部材60、ヘッド22a〜24b,25a,25b等の状態を示している。このとき、シフトレバーLのリバース位置REVへのリバースシフト操作に応じて、シフトセレクトシャフト20に当該リバースシフト操作力が伝達され、これにより、シフトセレクトシャフト20およびこれに固定されているシフトインナーレバー21が軸線方向へスライド移動される。シフトインナーレバー21が軸線方向へスライド移動されるのに伴って、そのアーム部21bがヘッド25aに係合し、このヘッド25aおよびこのヘッド25aが設けられた後進段用係合部25が軸線方向へスライド移動してリバースアーム50を回動させ、これにより後進段への変速動作が実行される。このとき、押圧部材60の球体61のシフトインナーレバー21の筒部21a側への脱出が筒部21aの規制面21eによって規制され、もう一方の球体63はシンクロメッシュ機構11を(1速ドリブンギヤ4b側へ)作動させない程度にヘッド22aに当接する。
そして、リバースアイドラギヤ10cが軸線方向に移動してリバースドリブンギヤ10bに噛合する際に、リバースドリブンギヤ10bが軸線方向にスライド移動しようとしても、球体63がヘッド22aのインターロックプレート26側への接近移動を当該ヘッド22aを押圧することで規制し、シンクロメッシュ機構11の(2速ドリブンギヤ5b側への)作動を防止する。
この結果、リバースシフト操作が行われてリバースアイドラギヤ10cがリバースドリブンギヤ10bに噛合する際に、リバースドリブンギヤ10bとともに、スリーブ11aがスライド移動することが規制され、シンクロメッシュ機構11を作動させてその構成部品であるアウターコーン48B、インナーコーン49B等を無駄に消耗させてしまうことが防止ないし抑制される。
シフトレバーLのリバース位置REVからリバースセレクト位置P4へのシフト解除操作時においては、シフトレバーLの当該操作に応じて、シフトセレクトシャフト20に当該操作力が伝達され、これにより、シフトセレクトシャフト20およびこれに固定されているシフトインナーレバー21が軸線方向中立位置側へスライド移動される。このとき、シフトインナーレバー21のアーム部21bが軸線方向中立位置に復帰され、押圧部材60の球体61は、押圧部材脱出溝21cへの脱出が再び許容される。シフトインナーレバー21の同方向へのスライド移動に伴って、アーム部21bのヘッド25aへの係合が解除され後進段用係合部25は図示しない中立位置復帰機構によって中立位置に復帰され、リバースアイドラギヤ10cは、リバースドライブギヤ10aおよびリバースドリブンギヤ10bから離脱される。
[第2の実施の形態]
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態における構成と同様の構成については、同一符号を付してその説明を省略する。
第2の実施の形態では、図12に示すように、前進段(5速段)のシフトポジションと後進段のシフトポジションとが対向配置されているシフトゲートが適用された手動変速機の同期装置の作動制限装置について説明する。
図13は、第2の実施の形態に係るセレクト・シフト機構の一部をシフトセレクトシャフト20の軸線方向から視た図である。シフトレバーLが、図12に矢印Xで示すセレクト方向にセレクト操作されると、その操作力がセレクトケーブルによりシフトセレクトシャフト20に伝達されてシフトセレクトシャフト20は(図13で矢印Mで示す方向へ)回動され、そのシフトレバーLの操作位置に応じた回動位置をとる。図13では、シフトレバーLが3速―4速セレクト位置P12に操作されたときのシフトセレクトシャフト20およびシフトインナーレバー21の回動位置を示している。
シフトレバーLが、図12に矢印Yで示すシフト方向にシフト操作されると、その操作力がシフトケーブルによりシフトセレクトシャフト20に伝達されてこのシフトセレクトシャフト20が軸線方向(図13で記号Nで示す紙面垂直方向)にスライド移動し、そのシフトレバーLの操作位置に応じたスライド位置をとる。
3つのシンクロメッシュ機構11,12,13(但し、シンクロメッシュ機構13は、5段変速時にのみ作動される。)に対応して配設された各フォークシャフト41(図13では3速―4速用のフォークシャフトのみを示している。)には、シフトインナーレバー21のアーム部21bの回動経路を挟んで配設された各一対のヘッド(前進段用係合片)91a,91b,92a,92b(以下この符号を「91a〜92b」と記す。図15も参照。)を有する前進段用係合部91,92がそれぞれ配置されている。また、同様にアーム部21bの回動経路を挟んで配設された一対のヘッド(前進段用係合片)93aおよびヘッド(後進段用係合片)93bを有する前後進段兼用係合部93が配置されている。ヘッド91a〜92b,93a,93bには、セレクト操作に応じて選択的にシフトインナーレバー21のアーム部21bが係合可能に配置され、選択されたヘッド91a〜92b,93a,93bは、同アーム部21bによって中立位置からシフトセレクトシャフト20の軸線方向に係合移動される。ヘッド91a〜92b(前進段用係合片)の軸線方向への移動は、シンクロメッシュ機構(同期装置)の作動およびその後の前進段への変速動作の実行に連動されるようになっている。また、ヘッド93a(前進段用係合片)の軸線方向の一方(インターロックプレート26から離反する方向)への移動もシンクロメッシュ機構(同期装置)の作動およびその後の前進段(5速段)への変速動作の実行に連動されるようになっている。一方、ヘッド93b(後進段用係合片)の軸線方向の他方(インターロックプレート26から離反する方向)への移動は、後進段への変速動作の実行に連動されるようになっている。なお、ヘッド91a,91bは1速―2速用フォークシャフト40に設けられており、ヘッド92a,92bは3速―4速用フォークシャフト41に設けられている。また、ヘッド91a,91b,92a,92b,93a,93bのアーム部21bによる係合移動は、それぞれ順に、1段変速、2段変速、3段変速、4段変速、5段変速、後進段変速に連動する。
また、前後進段兼用係合部93(ヘッド93a,93b)はフォークシャフト42に設けられており、このフォークシャフト42には、シフトフォーク32のほか、リバースアイドラギヤ10cの軸線方向へのスライド移動と連動する後進段用変速動作伝達部が連結されている。
なお、本実施の形態における、前進5速段、後進1速段の同期噛み合い式手動変速機のギヤレイアウトとしては、図14に示すように、第1の実施の形態におけるギヤレイアウト(図1)において6速ギヤ列9等が省略されたものを採用することができる。
図15(a)〜図17(a)は、図13において、シフトインナーレバー21の筒部21aとインターロックプレート26との境界面に沿って切断した円筒面を中心側から視た展開図である。図15(b)〜図17(b)は、各図15(a)〜図17(a)において、軸線を含む面で切断した断面図であって、押圧部材60およびその周囲を示したものである。
図15および図16は、シフトインナーレバー21のアーム部21bが、軸線方向中立位置にある状態を示している。つまり、図12において各セレクト位置P11〜P13が一列に並ぶ線上にシフトレバーLがあり、これに応じた位置にシフトインナーレバー21のアーム部21bが配置されている状態を示している。この状態では、押圧部材60の一端部(球体61)の筒部21a側への脱出が許容されるように、押圧部材脱出溝21ccが形成されている。なお、本実施の形態においては、押圧部材脱出溝21ccは、筒部21aの外周面において、途中位置からヘッド93bに臨む端面21SSに亘って形成されている。筒部21aの外周面のうち押圧部材脱出溝21ccが形成されていない領域はシフトインナーレバー21のアーム部21aが軸線方向中立位置から軸線方向ヘッド91b側(後進段用係合片側)へ移動したとき、押圧部材60の一端部(球体61)の筒部21a側への脱出を規制する規制面21eとなる。一方、押圧部材脱出溝21ccは、シフトインナーレバー21のアーム部21bが軸線方向中立位置にあるとき、上記脱出を許容するように形成されている。
また、シフトレバーLが3速―4速セレクト位置P12に配置されて、図15に示すように、シフトインナーレバー21のアーム部21bが回動方向中立位置でヘッド92a,92bに係合可能な位置に配置されているとき、押圧部材60の他端部(球体63)は脱落防止ガイド70との対向位置に配置される。また、シフトレバーLが5速−リバースセレクト位置P13(リバースセレクト位置P13)に配置され、図16〜図17に示すように、同アーム部21bがヘッド93b(後進段用係合片)に係合可能な回動位置に配置されるとき、押圧部材60の他端部がヘッド91aとの対向位置に配置されるように、連通孔64のアーム部21bに対する形成位置が設定されている。ヘッド91aは、後進段用ギヤであるリバースアイドラギヤ10cの摺動時に、リバースアイドラギヤとの摺動抵抗や噛合直前での歯当たりによって軸線方向にスライド移動し得るリバースドリブンギヤ5bと一体に設けられたスリーブ11aと、シフトフォーク30、フォークシャフト40等を介して連動し、リバースシフト操作時にインターロックプレート26側へ接近し得るヘッド(前進段用係合片)である。
図17は、シフトインナーレバー21のアーム部21bが、軸線方向中立位置から軸線方向一方(リバースシフト操作に応じてシフトセレクトシャフト20が中立位置から移動する方向と同じ方向)へ移動したときの状態を示している。この状態では、押圧部材60の一端部(球体61)の筒部21a側への脱出が規制されるように、押圧部材脱出溝21ccの形成範囲が設定されている。つまり、この状態では、連通孔64の筒部21a側の一部又は前部が上記規制面21eによって閉塞される。
コイルスプリング62は、球体61の筒部21a側への脱出が規制面21eによって規制されているときに、両球体61、63を相離反する方向へ押圧し、シンクロメッシュ機構11が2速段側へ作動しないようにシンクロメッシュ機構11のスリーブ11aと連動するヘッド91aのインターロックプレート26側への接近動作を当該ヘッド91aを球体63によって押圧することによって規制する。つまり、そうなるようにコイルスプリング62の弾性係数、自然長および撓み量が設定されている。また、コイルスプリング62の弾性係数、自然長および撓み量は、球体61の筒部21a側への脱出が規制面21eによって規制されているときに、球体63がヘッド91aを押圧し過ぎてシンクロメッシュ機構11が1速段側へ作動することがないようにも設定されている。
以下、図15〜図17に基づいてリバースシフト操作時における上記押圧部材60等の動作について詳述する。
図15は、シフトレバーL(図12参照)が3速―4速セレクト位置P12にあり、シフトインナーレバー21のアーム部21bが軸線方向中立位置にあるときにおける押圧部材60、ヘッド91a〜93b等の状態を示している。このとき、押圧部材60の球体63は、脱落防止ガイド70と対向する回動位置にある。
図16は、シフトレバーLが3速―4速セレクト位置P12から5速―リバースセレクト位置P13に向かってセレクト操作される際における押圧部材60、ヘッド91a〜93b等の状態を示している。このとき、シフトレバーLのセレクト操作に応じて、シフトセレクトシャフト20に当該セレクト操作力が伝達され、これにより、シフトセレクトシャフト20に固定されているシフトインナーレバー21およびこの筒部21aに相対回転不能に外嵌されているインターロックプレート26が一体に回動される。この状態では、引き続きアーム部21bが軸線方向中立位置にあることから、球体61はシフトインナーレバー21の筒部21a側への脱出を許容されており、球体63はヘッド91aと軽く接触し得るものの、当該ヘッド91aの移動を規制することはない。
図17は、シフトレバーLのリバース位置REVへのリバースシフト操作時における押圧部材60、ヘッド91a〜93b等の状態を示している。このとき、シフトレバーLのリバース位置REVへのリバースシフト操作に応じて、シフトセレクトシャフト20に当該リバースシフト操作力が伝達され、これにより、シフトセレクトシャフト20およびこれに固定されているシフトインナーレバー21が軸線方向へスライド移動される。シフトインナーレバー21が軸線方向へスライド移動されるのに伴って、そのアーム部21bがヘッド93bに係合し、このヘッド93bおよびこのヘッド93bが設けられた前後進段兼用係合部93を軸線方向へスライド移動して後進段用変速動作伝達部を作動して、これにより後進段への変速動作が実行される。このとき、押圧部材60の球体61のシフトインナーレバー21の筒部21a側への脱出が筒部21aの規制面21eによって規制され、もう一方の球体63はシンクロメッシュ機構11を(1速ドリブンギヤ4b側へ)作動させない程度にヘッド91aに当接する。
そして、リバースアイドラギヤ10cが軸線方向に移動してリバースドリブンギヤ10bに噛合する際に、リバースドリブンギヤ10bが軸線方向にスライド移動しようとしても、球体63がヘッド91aのインターロックプレート26側への接近移動を当該ヘッド22aを押圧することで規制し、シンクロメッシュ機構11の(2速ドリブンギヤ5b側への)作動を防止する。
この結果、リバースシフト操作が行われてリバースアイドラギヤ10cがリバースドリブンギヤ10bに噛合する際に、リバースドリブンギヤ10bとともに、スリーブ11aがスライド移動することが規制され、シンクロメッシュ機構11を作動させてその構成部品であるアウターコーン48B、インナーコーン49B等を無駄に消耗させてしまうことが防止ないし抑制される。
シフトレバーLのリバース位置REVからリバースセレクト位置P13へのシフト解除操作時においては、シフトレバーLの当該操作に応じて、シフトセレクトシャフト20に当該操作力が伝達され、これにより、シフトセレクトシャフト20およびこれに固定されているシフトインナーレバー21が軸線方向中立位置側へスライド移動される。このとき、シフトインナーレバー21のアーム部21bが軸線方向中立位置に復帰され、押圧部材60の球体61は、押圧部材脱出溝21ccへの脱出が再び許容される。シフトインナーレバー21の同方向へのスライド移動に伴って、アーム部21bのヘッド93bへの係合が解除され後進段用係合部93は図示しない中立位置復帰機構によって中立位置に復帰され、リバースアイドラギヤ10cは、リバースドライブギヤ10aおよびリバースドリブンギヤ10bから離脱される。
[第3の実施の形態]
以下、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態では、第1の実施の形態における構成との相違点について主に説明し、第1の実施の形態と同様の構成については、同一符号を付してその説明を省略する。
図18(a)〜図20(a)は、図4において、シフトインナーレバー21の筒部21aとインターロックプレート26との境界面に沿って切断した円筒面を中心側から視た展開図である。図18(b)〜図20(b)は、各図18(a)〜図20(a)の状態において、軸線を含む面で切断した断面図であって、押圧部材80およびその周囲を示したものである。
本実施の形態では、図示するように、押圧部材80の構成が第1の実施の形態に係る押圧部材60と相違している。すなわち、本実施の形態に係る押圧部材80は、両端に球面状部80a、80bを有する円柱状体からなる。この円柱状体は、スプリング等の弾性体を含まない非弾性部材であり、例えば、金属、樹脂等により製作される。
図18〜図20に基づいてリバースシフト操作時における上記押圧部材80等の動作について説明する。
図18は、シフトレバーL(図3参照)が3速―4速セレクト位置P2にあり、シフトインナーレバー21のアーム部21bが軸線方向中立位置にあるときにおける押圧部材80、ヘッド22a〜24b,25a,25b等の状態を示している。このとき、押圧部材80の一端部である球面状部80aは、シフトインナーレバー21の筒部21a側への脱出が許容されているため、押圧部材80の他端部である周端面26S側の球面状部80bは、ヘッド24aと軽く接触し得るものの、当該ヘッド24aの移動を規制することはない。なお、シフトインナーレバー21のアーム部21bがヘッド24a、24bとの対向位置に配置されたときに、押圧部材80がインターロックプレート26の連通孔64から脱落しないように、押圧部材80の他端部を回動方向に摺動自在に係止して上記脱落を防止する脱落防止ガイド70がインターロックプレート26の上記周端面26Sと若干の隙間(好ましくは、球面状部80bの半径以下の隙間)をおいて設置されている。
図19は、シフトレバーLが3速―4速セレクト位置P2からリバースセレクト位置P4に向かってセレクト操作される際における押圧部材80、ヘッド22a〜24b,25a,25b等の状態を示している。このとき、シフトレバーLのセレクト操作に応じて、シフトセレクトシャフト20に当該セレクト操作力が伝達され、これにより、シフトセレクトシャフト20に固定されているシフトインナーレバー21およびこの筒部21aに相対回転不能に外嵌されているインターロックプレート26が一体に回動される。この状態では、引き続きアーム部21bが軸線方向中立位置にあることから、押圧部材80の球面状部80aは、シフトインナーレバー21の筒部21a側への脱出を許容されており、押圧部材80の球面状部80bはヘッド22a,23a等と軽く接触し得るものの、当該ヘッド22a,23aの移動を規制することはない。
図20は、シフトレバーLのリバース位置REVへのリバースシフト操作時における押圧部材80、ヘッド22a〜24b,25a,25b等の状態を示している。このとき、シフトレバーLのリバース位置REVへのリバースシフト操作に応じて、シフトセレクトシャフト20に当該リバースシフト操作力が伝達され、これにより、シフトセレクトシャフト20およびこれに固定されているシフトインナーレバー21が軸線方向へスライド移動される。シフトインナーレバー21が軸線方向へスライド移動されるのに伴って、そのアーム部21bがヘッド25aに係合し、このヘッド25aおよびこのヘッド25aが設けられた後進段用係合部25を軸線方向へスライド移動させてリバースアーム50を回動させ、これにより後進段への変速動作が実行される。このとき、押圧部材80の球面状部80aのシフトインナーレバー21の筒部21a側への脱出が筒部21aの規制面21eによって規制され、もう一方の球面状部80bはシンクロメッシュ機構11を(1速ドリブンギヤ4b側へ)作動させない程度にヘッド22aに当接する。
そして、リバースアイドラギヤ10cが軸線方向に移動してリバースドリブンギヤ10bに噛合する際に、リバースドリブンギヤ10bが軸線方向にスライド移動しようとしても、押圧部材80の他端部がヘッド22aのインターロックプレート26側への接近移動を当該ヘッド22aを押圧することで規制し、シンクロメッシュ機構11の(2速ドリブンギヤ5b側への)作動を防止する。
シフトレバーLのリバース位置REVからリバースセレクト位置P4へのシフト解除操作時においては、シフトレバーLの当該操作に応じて、シフトセレクトシャフト20に当該操作力が伝達され、これにより、シフトセレクトシャフト20およびこれに固定されているシフトインナーレバー21が軸線方向中立位置側へスライド移動される。このとき、シフトインナーレバー21のアーム部21bが軸線方向中立位置に復帰され、押圧部材80の球面状部80a(一端部)は、押圧部材脱出溝21cへの脱出が再び許容される。シフトインナーレバー21の同方向へのスライド移動に伴って、アーム部21bのヘッド25aへの係合が解除され後進段用係合部25は図示しない中立位置復帰機構によって中立位置に復帰され、リバースアイドラギヤ10cは、リバースドライブギヤ10aおよびリバースドリブンギヤ10bから離脱される。
なお、第3の実施の形態においては、第1の実施の形態における球体61,63、コイルスプリングからなる押圧部材60を円柱状体からなる上記押圧部材80に置き換えて構成したものを例に挙げて説明したが、第2の実施の形態における押圧部材60を円柱状体からなる押圧部材80に置き換えたものであってもよく、この場合も同様の作用効果が奏される。
本発明は、自動車に搭載される手動変速機の同期装置の作動制限装置として適用することが可能である。
本発明の第1の実施の形態におけるマニュアルトランスミッションのギヤレイアウトを示す断面図である。 図1のP矢視によるリバースギヤ列の配置を示した概略図である。 6速マニュアルトランスミッションのシフトパターンの概略を示す図である。 第1の実施の形態におけるセレクト・シフト機構の一部をシフトセレクトシャフトの軸線方向から視た図である。 後進段用変速動作伝達部の一例を示した図である。 図1のD部拡大図である。 (a)はシフトインナーレバーを軸線に直交する方向から視た図、(b)はシフトインナーレバーを軸線方向から視た図である。 シフトインナーレバーの筒部にインターロックプレートが外嵌された状態を示す図であって、軸線を含む面で切断した断面図である。 図4において、シフトインナーレバーの筒部とインターロックプレートとの境界面に沿って切断した円筒面を中心側から見た展開図であって、シフトインナーレバーのアーム部が、軸線方向中立位置にある状態を示す図である。 図4において、シフトインナーレバーの筒部とインターロックプレートとの境界面に沿って切断した円筒面を中心側から見た展開図であって、シフトインナーレバーのアーム部が、リバースセレクト位置への回動途中位置にある状態を示す図である。 図4において、シフトインナーレバーの筒部とインターロックプレートとの境界面に沿って切断した円筒面を中心側から見た展開図であって、シフトインナーレバーのアーム部が、リバースセレクト位置に移動している状態を示す図である。 5速マニュアルトランスミッションのシフトパターンの概略を示す図である。 第2の実施の形態におけるセレクト・シフト機構の一部をシフトセレクトシャフトの軸線方向から視た図である。 本発明の第2の実施の形態におけるマニュアルトランスミッションのギヤレイアウトを示す断面図である。 図13において、シフトインナーレバーの筒部とインターロックプレートとの境界面に沿って切断した円筒面を中心側から見た展開図であって、シフトインナーレバーのアーム部が、軸線方向中立位置にある状態を示す図である。 図13において、シフトインナーレバーの筒部とインターロックプレートとの境界面に沿って切断した円筒面を中心側から見た展開図であって、シフトインナーレバーのアーム部が、リバースセレクト位置への回動途中位置にある状態を示す図である。 図13において、シフトインナーレバーの筒部とインターロックプレートとの境界面に沿って切断した円筒面を中心側から見た展開図であって、シフトインナーレバーのアーム部が、リバースセレクト位置に移動している状態を示す図である。 図4において、シフトインナーレバーの筒部とインターロックプレートとの境界面に沿って切断した円筒面を中心側から見た展開図であって、シフトインナーレバーのアーム部が、軸線方向中立位置にある状態を示す第3の実施の形態に係る図である。 図4において、シフトインナーレバーの筒部とインターロックプレートとの境界面に沿って切断した円筒面を中心側から見た展開図であって、シフトインナーレバーのアーム部が、リバースセレクト位置への回動途中位置にある状態を示す第3の実施の形態に係る図である。 図4において、シフトインナーレバーの筒部とインターロックプレートとの境界面に沿って切断した円筒面を中心側から見た展開図であって、シフトインナーレバーのアーム部が、リバースセレクト位置に移動している状態を示す第3の実施の形態に係る図である。
符号の説明
10c リバースアイドラギヤ(後進段用ギヤ)
11〜13 シンクロメッシュ機構(同期装置)
20 シフトセレクトシャフト
21 シフトインナーレバー
21a シフトインナーレバーの筒部(基部)
21b シフトインナーレバーのアーム部
21c 押圧部材脱出溝(脱出凹部)
21e 規制面
22〜24 前進段用係合部
22a〜24b ヘッド(前進段用係合片)
25 後進段用係合部
25a ヘッド(後進段用係合片)
26 インターロックプレート(インターロック部材)
26c 係合片通路
26S 前進段用ヘッドに臨む端面の一方
60 押圧部材
61,63 球体
62 コイルスプリング(弾性部材)
64 連通孔
80 押圧部材
80a,80b 球面状部
91a〜93a ヘッド(前進段用係合片)
93 前後進段兼用係合部
93b ヘッド(後進段用係合片)

Claims (4)

  1. セレクト操作に応じて軸線回りに回動し、シフト操作に応じて軸線方向へ移動するシフトセレクトシャフトと、
    前記シフトセレクトシャフトに固定された基部およびこの基部から径方向に延在したアーム部を有するシフトインナーレバーと、
    前記アーム部が選択的に係合可能に配置されるように、前記アーム部の回動経路を挟んで配設された各一対の前進段用係合片を有し、前記シフトセレクトシャフトの軸線方向への移動が同期装置の作動および前進段への変速動作の実行に連動される複数の前進段用係合部と、
    前記アーム部が選択的に係合可能に配置されるように、前記複数の前進段用係合部の端位置にある前進段用係合片に並べられた後進段用係合片を有し、前記シフトセレクトシャフトの軸線方向一方への移動が後進段への変速動作の実行に連動される後進段用係合部と、
    軸線方向へ移動不能に設けられつつ、前記シフトインナーレバーの基部に対しては軸線方向に相対移動可能に且つ軸線回りに相対回動不能に外嵌され、軸線方向へ移動される1つの係合片の通過のみを許容する係合片通路が形成されたインターロック部材と、
    を備える手動変速機の同期装置の作動制限装置において、
    前記インターロック部材の前記前進段用係合片に臨む端面の一方と前記シフトインナーレバーの基部に臨む内面とを連通する前記インターロック部材内に形成された連通孔と、
    前記連通孔に移動自在に嵌入された押圧部材と、
    前記シフトインナーレバーのアーム部が軸線方向中立位置にあるとき前記押圧部材の一端部のシフトインナーレバーの基部側への脱出を許容する一方、前記シフトインナーレバーのアーム部が軸線方向中立位置から軸線方向後進段用係合片側へ移動するとき前記脱出を規制するように、前記シフトインナーレバーの基部に形成された、脱出凹部および規制面と、
    を備えており、
    前記シフトインナーレバーのアーム部が後進段用係合片に係合可能な位置に配置されているとき、後進段用アイドラギヤの軸線方向への摺動に伴って前記インターロック部材側へ接近し得る前進段用係合片との対向位置に前記押圧部材の他端部が配置されるように、前記連通孔の前記アーム部に対する形成位置が設定されており、
    前記押圧部材の一端部のシフトインナーレバーの基部側への脱出が許容されているとき、当該押圧部材の他端部はその対向位置に配置される前進段用係合片の移動を規制せず、前記押圧部材の一端部のシフトインナーレバーの基部側への脱出が規制されているとき、当該押圧部材の他端部はその対向位置に配置される前進段用係合片の接近移動を当該前進段用係合片を押圧することによって規制するように構成されていることを特徴とする手動変速機の同期装置の作動制限装置。
  2. セレクト操作に応じて軸線回りに回動し、シフト操作に応じて軸線方向へ移動するシフトセレクトシャフトと、
    前記シフトセレクトシャフトに固定された基部およびこの基部から径方向に延在したアーム部を有するシフトインナーレバーと、
    前記アーム部が選択的に係合可能に配置されるように、前記アーム部の回動経路を挟んで配設された各一対の前進段用係合片を有し、前記シフトセレクトシャフトの軸線方向への移動が同期装置の作動および前進段への変速動作の実行に連動される複数の前進段用係合部と、
    前記アーム部が選択的に係合可能に配置されるように、前記複数の前進段用係合部の端位置にある前進段用係合片に並べられて前記アーム部の回動経路を挟んで配設された前進段用係合片および後進段用係合片を有し、前記シフトセレクトシャフトの軸線方向前進段用係合片側への移動が同期装置の作動および前進段への変速動作の実行に連動され、同軸線方向後進段用係合片側への移動が後進段への変速動作の実行に連動される前後進段兼用係合部と、
    軸線方向へ移動不能に設けられつつ、前記シフトインナーレバーの基部に対しては軸線方向に相対移動可能に且つ軸線回りに相対回動不能に外嵌され、軸線方向へ移動される1つの係合片の通過のみを許容する係合片通路が形成されたインターロック部材と、
    を備える手動変速機の同期装置の作動制限装置において、
    前記インターロック部材の前記前進段用係合片に臨む端面の一方と前記シフトインナーレバーの基部に臨む内面とを連通する前記インターロック部材内に形成された連通孔と、
    前記連通孔に移動自在に嵌入された押圧部材と、
    前記シフトインナーレバーのアーム部が軸線方向中立位置にあるとき前記押圧部材の一端部のシフトインナーレバーの基部側への脱出を許容する一方、前記シフトインナーレバーのアーム部が軸線方向中立位置から軸線方向後進段用係合片側へ移動するとき前記脱出を規制するように、前記シフトインナーレバーの基部に形成された、脱出凹部および規制面と、
    を備えており、
    前記シフトインナーレバーのアーム部が後進段用係合片に係合可能な位置に配置されているとき、後進段用アイドラギヤの軸線方向への摺動に伴って前記インターロック部材側へ接近し得る前進段用係合片との対向位置に前記押圧部材の他端部が配置されるように、前記連通孔の前記アーム部に対する形成位置が設定されており、
    前記押圧部材の一端部のシフトインナーレバーの基部側への脱出が許容されているとき、当該押圧部材の他端部はその対向位置に配置される前進段用係合片の移動を規制せず、前記押圧部材の一端部のシフトインナーレバーの基部側への脱出が規制されているとき、当該押圧部材の他端部はその対向位置に配置される前進段用係合片の接近移動を当該前進段用係合片を押圧することによって規制するように構成されていることを特徴とする手動変速機の同期装置の作動制限装置。
  3. 請求項1又は2に記載の手動変速機の同期装置の作動制限装置において、
    前記押圧部材は、両端に配置された2個の球体と、これら球体の間に配置された弾性部材と、を備えることを特徴とする手動変速機の同期装置の作動制限装置。
  4. 請求項1又は2に記載の手動変速機の同期装置の作動制限装置において、
    前記押圧部材は、両端部に球面状部を有する非弾性部材からなることを特徴とする手動変速機の同期装置の作動制限装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR3072439A1 (fr) * 2017-10-18 2019-04-19 Psa Automobiles Sa Boite de vitesses de vehicule automobile comportant un blocage de fourchette dans la position de point mort

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FR3072439A1 (fr) * 2017-10-18 2019-04-19 Psa Automobiles Sa Boite de vitesses de vehicule automobile comportant un blocage de fourchette dans la position de point mort

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