JP2008169886A - 手動変速機のギヤ鳴り防止装置 - Google Patents

手動変速機のギヤ鳴り防止装置 Download PDF

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Abstract

【課題】後進段用として専用のリバースアームを備えた構成、つまり、後進段のシフトポジションが前進段のシフトポジションに対向しない形状とされたシフトゲートを有する手動変速機であっても、リバースシフト操作におけるセレクト操作がなされた時点で前進段用の同期装置を作動させてギヤ鳴りを防止可能とする手動変速機のギヤ鳴り防止装置を提供する。
【解決手段】後進段に向けてセレクト動作が行われた際のシフトアンドセレクトシャフト20の回動力を、対向するプレボークヘッド26,47a同士の当接により1速―2速用フォークシャフト47に伝達し、このフォークシャフト47をスライド移動させる。このスライド移動によりシンクロメッシュ機構を作動させ、後進段へのセレクト動作と同時に変速機構のインプットシャフトを停止させる。これにより、停止したリバースドライブギヤに対してリバースアイドラギヤを噛合させることができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、自動車等に搭載される手動変速機(マニュアルトランスミッション)のギヤ鳴り防止装置に係る。特に、本発明は、後進段用の同期装置(シンクロメッシュ機構)を備えていない手動変速機において、後進段にシフトチェンジする際のギヤ鳴りを防止するための対策に関する。
従来より、車両用の手動変速機においては、前進段には同期装置が設けられているものの、後進段には同期装置が設けられていないものが多い。その理由は、通常、前進段から後進段にシフトチェンジするリバースシフト操作は、クラッチが解放され且つ車両が停車した状態で行われるので、変速機構のインプットシャフトに設けられているリバースドライブギヤ及びカウンタシャフト(FF車両の場合にはアウトプットシャフトとも呼ばれる)に設けられているリバースドリブンギヤが共に停止状態となり、これら停止状態のギヤに対してリバースアイドラギヤの噛合動作が行われると想定されるからである。
しかしながら、実際には、上記クラッチが解放されていても、上記インプットシャフトはその慣性によって惰性回転している場合がある。特に、車両の前進走行状態から停車した直後にリバースシフト操作を行う場合にはこのような状況となる可能性が高い。このような状況で、上記リバースアイドラギヤをその軸方向に移動させて、インプットシャフトと共に回転しているリバースドライブギヤに噛合させようとすると、この回転しているリバースドライブギヤに対して、停止しているリバースアイドラギヤを噛合させる状態になるため、円滑な噛み合い動作が行われず、所謂「リバースシフトギヤ鳴り」と呼ばれる異音が発生することがあり、ドライバに違和感を与えてしまうことになる。
このリバースシフトギヤ鳴りの発生防止を目的として、リバースシフト操作時に、前進段用の同期装置を作動させてインプットシャフトの回転を低下させる機構を備えたギヤ鳴り防止装置が提案されている。
例えば下記の特許文献1や特許文献2には、前進段と後進段とを得るためのフォークシャフト(以下、後進段兼用フォークシャフトと呼ぶ)に形成されるシフトレバー係合溝を、他の前進段用のフォークシャフトのシフトレバー係合溝に対して後進段側にオフセットさせた構成が開示されている。これにより、後進段に向けてセレクト操作(シフトレバーまたはシフトアンドセレクトシャフトのインナレバーを上記後進段兼用フォークシャフトのシフトレバー係合溝に係合させる操作)した際に上記後進段兼用フォークシャフトが僅かに前進段側にスライド移動する。このため、この前進段用の同期装置による同期作動が行われ、車両が停車していることに伴って停止しているアウトプットシャフトにインプットシャフトを連繋させる状態とすることで、このインプットシャフトの回転が低下し、これにより上記リバースシフトギヤ鳴りを防止している。
具体的に図面を用いて説明すると、図9に示すように5速段及び後進段を得るフォークシャフトaのシフトレバー係合溝a1を他の前進段を得るフォークシャフト(1−2速段用のフォークシャフト及び3−4速段用のフォークシャフト)b,cのシフトレバー係合溝b1,c1に対してオフセット(オフセット量s)させる。そして、後進段にセレクト操作された際にシフトレバーdを上記シフトレバー係合溝a1に係合させてフォークシャフトaを上記オフセット分だけスライド移動(図中右側へスライド移動)させて、5速段用の同期装置を作動させる構成としている。
この場合、フォークシャフトaとしては、5速段及び後進段を得るものとして構成されているため、シフトレバーdの操作をガイドするためのシフトゲートの形状としては、図10に示すように、5速段のシフトポジション(5th)と後進段のシフトポジション(REV)とが対向することになる。尚、この図10における(1st)は1速段のシフトポジション、(2nd)は2速段のシフトポジション、(3rd)は3速段のシフトポジション、(4th)は4速段のシフトポジションをそれぞれ示している。
実開昭62−46859号公報 実開平2−74654号公報
しかしながら、上述した各特許文献のものでは、1本のフォークシャフト(上記フォークシャフトa)が前進段(上記構成では5速段)と後進段とを得るためのものであることを前提とし、後進段へのセレクト操作がなされた場合に、そのセレクト操作力によってこのフォークシャフトを前進段側へ僅かに移動させることで、この前進段用の同期装置を作動させる構成としている。つまり、図2に示すように、前進段のシフトポジションと後進段のシフトポジションとが対向する形状とされたシフトゲートのものにしか適用することができない技術であった。言い換えると、後進段用のフォークシャフトが前進段用としての機能も備えている構成にしか適用することができない技術であった。
従って、例えば図2に示すように、後進段のシフトポジション(REV)が前進段のシフトポジションに対向しない形状とされたシフトゲートを備えた変速機に対しては適用できない技術である。このように後進段のシフトポジション(REV)が前進段のシフトポジションに対向しない形状とされたシフトゲートを有するものでは、前進段用として設けられているフォークシャフト及びシフトフォークとは別に、後進段用として専用のリバースアーム(フォークシャフトとシフトフォークで構成される場合もある)が備えられている。このため、後進段へのセレクト操作がなされたとしても、作動する部材はリバースアームのみであり、このリバースアームは後進段用としての専用の部材であるため、上記各特許文献に開示されている技術を適用することはできない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、後進段用として専用のリバースアームを備えた構成、つまり、後進段のシフトポジションが前進段のシフトポジションに対向しない形状とされたシフトゲートを有する手動変速機であっても、リバースシフト操作におけるセレクト操作がなされた時点で前進段用の同期装置を作動させてインプットシャフトの回転を低下させ、これによってギヤ鳴りを防止可能とする手動変速機のギヤ鳴り防止装置を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、後進段に向けてセレクト動作が行われた際に、中間シャフト(シフトアンドセレクトシャフト)の回動力(セレクト方向の力)を前進段用のフォークシャフトをスライドさせる力として利用できるようにしている。つまり、中間シャフトを回動させることで、後進段用のシフト部材(リバースアーム)とは異なる前進段用のフォークシャフトを移動させることで同期装置を作動させ、これによりインプットシャフトの回転を低下させて、リバースシフト操作時のギヤ鳴りを防止している。これにより、仮に後進段用のシフト部材が、前進段用のフォークシャフトとは異なる専用のものであったとしても、後進段へのセレクト動作と同時に上記同期装置の作動によりインプットシャフトを停止させるための動作を行うことができる。
−解決手段−
具体的に、本発明は、変速動作時に軸心回りに回動するセレクト動作と軸心方向へ移動するシフト動作とを行う中間シャフトと、前進段への変速時に、上記中間シャフトが所定前進段セレクト位置へのセレクト動作を行うことによってこの中間シャフトが係合され、中間シャフトのシフト動作に伴って軸心方向へ移動して同期装置を作動させながら所定前進段への変速動作を実行する前進段用フォークシャフトと、後進段への変速時に、上記中間シャフトが後進段セレクト位置へのセレクト動作を行うことによってこの中間シャフトが係合され、中間シャフトのシフト動作に伴って後進段への変速動作を実行する後進段用シフト部材とを有する手動変速機を前提とする。この手動変速機に対し、上記前進段用フォークシャフトの少なくとも一つに、そのシャフト半径方向外側に向けて突出する第1突起を設ける一方、上記中間シャフトに、後進段用シフト部材に係合する後進段セレクト位置まで回動した際に上記第1突起に当接し、この第1突起が設けられている前進段用フォークシャフトに対して軸心方向の付勢力を与えて、この前進段用フォークシャフトを軸心方向へ移動させることにより上記同期装置を作動させる第2突起を設ける。そして、上記第1突起及び第2突起の少なくとも一方に、付勢部材によってシャフト半径方向外側に向けて付勢力を付与し、中間シャフトが上記後進段セレクト位置まで回動した後に軸心方向へ移動して後進段への変速動作が実行される際に、この突起が上記付勢部材の付勢力に抗して相手側の突起から後退し、この相手側の突起を乗り越えることで中間シャフトの後進段へのシフト動作が許容される構成としている。
この特定事項により、先ず、前進段への変速時には、中間シャフトが所定の前進段セレクト位置(例えば1速段及び2速段を選択可能とするセレクト位置)へ回動するセレクト動作が行われる。これにより、中間シャフトと1つの前進段用フォークシャフトとが係合される。その後、中間シャフトが軸心方向へ移動するシフト動作を行うことで同期装置が作動しながら所定の前進段への変速動作が実行される。
一方、後進段への変速時には、中間シャフトが後進段セレクト位置へ回動するセレクト動作が行われる。これにより、中間シャフトと後進段用シフト部材とが係合される。その後、中間シャフトが軸心方向へ移動するシフト動作を行うことで後進段への変速動作が実行される。
この後進段への変速動作時にあっては、上記中間シャフトのセレクト動作(回動動作)が行われた際に、この中間シャフトに設けられている第2突起が、前進段用フォークシャフトに設けられている第1突起に当接することになる。この当接により、前進段用フォークシャフトには、軸心方向の付勢力が与えられ、この付勢力により前進段用フォークシャフトは軸心方向へ僅かに移動する。この前進段用フォークシャフトの移動に伴って同期装置が作動することになる。そして、例えば変速機構のインプットシャフトに備えられた同期装置を作動させる構成とした場合には、前進段のギヤがインプットシャフトに同期装置を介して連繋(摩擦接触)されることになる。つまり、インプットシャフトは、同期装置、上記前進段のギヤ、アウトプットシャフトに回転一体に設けられているギヤを介してアウトプットシャフトに連繋されることになる。また、変速機構のアウトプットシャフトに備えられた同期装置を作動させる構成とした場合には、前進段のギヤがアウトプットシャフトに同期装置を介して連繋(摩擦接触)されることになる。つまり、アウトプットシャフトは、同期装置、上記前進段のギヤ、インプットシャフトに回転一体に設けられているギヤを介してインプットシャフトに連繋されることになる。
そして、後進段への変速動作時には車両は停車状態であり、アウトプットシャフトも停止している。このため、インプットシャフトが惰性回転している状況であっても、上述した動作によりアウトプットシャフトに連繋されるインプットシャフトは強制的に停止または減速される(アウトプットシャフトの回転に合わされる)ことになる。従って、インプットシャフトに回転一体に設けられているリバースドライブギヤが停止または減速した状態でリバースアイドラギヤを噛合させることができ、円滑な噛み合い動作が行われてギヤ鳴りの発生が防止できる。
そして、中間シャフトが上記後進段セレクト位置から軸心方向へシフト動作して後進段への変速動作が実行される際には、上記第1突起または第2突起が相手側の突起を乗り越えることで中間シャフトの後進段へのシフト動作(軸心方向の移動)が許容されるため、この後進段への変速動作は上記各突起による悪影響を受けることなく円滑に行われる。
上記突起同士の当接により前進段用フォークシャフトを軸心方向に移動させるための構成として、具体的には、中間シャフトが後進段セレクト位置まで回動した際に、この中間シャフトに対して後進段への移動方向とは反対側への移動を阻止するストッパ機構を設けている。
この特定事項によれば、中間シャフトが後進段セレクト位置まで回動した際には、この中間シャフトが後進段への移動方向とは反対側へ移動することをストッパ機構が阻止することになる。つまり、第1突起と第2突起との当接によるこの両者の相対的な移動量は全て前進段用フォークシャフトの軸心方向への移動量として得られることになる。このため、この前進段用フォークシャフトの移動に伴う同期装置の作動を確実に行わせることができる。また、第1突起と第2突起との当接に伴う前進段用フォークシャフトの軸心方向への移動量を高い精度で規定することができ、上記インプットシャフトを強制停止させるための同期装置の作動位置を高い精度で管理することができる。つまり、このインプットシャフトを強制停止させるための同期装置の作動位置としては、シンクロナイザリングと前進段用ギヤのコーンとが摺接状態となる位置に留めておくことが望ましく、同期装置のスリーブが前進段用ギヤのクラッチギヤに噛み合う状態(シンクロメッシュ機構の噛み合い動作)は避けるべきである。このように、同期装置のスリーブのスライド移動量には高い精度が要求される。上述した如く、中間シャフトが反対方向(後進段への移動方向とは反対側)へ移動することをストッパ機構によって阻止することで、上記スリーブのスライド移動量を高い精度で得ることができ、本発明に係るギヤ鳴り装置の信頼性の向上を図ることができる。
上記目的を達成するための他の解決手段としては以下の構成も挙げられる。先ず、変速動作時に軸心回りに回動するセレクト動作と軸心方向へ移動するシフト動作とを行う中間シャフトと、前進段への変速時に、上記中間シャフトが所定前進段セレクト位置へのセレクト動作を行うことによってこの中間シャフトが係合され、中間シャフトのシフト動作に伴って軸心方向へ移動して同期装置を作動させながら所定前進段への変速動作を実行する複数の前進段用フォークシャフトと、後進段への変速時に、上記中間シャフトが後進段セレクト位置へのセレクト動作を行うことによってこの中間シャフトが係合され、中間シャフトのシフト動作に伴って後進段への変速動作を実行する後進段用シフト部材とを有する手動変速機を前提とする。この手動変速機に対し、上記複数の前進段用フォークシャフトのうちの少なくとも2本の前進段用フォークシャフトに、そのシャフト半径方向外側に向けて突出する第1突起をそれぞれ設ける一方、上記中間シャフトに、後進段用シフト部材に係合する後進段セレクト位置まで回動した際に上記各第1突起にそれぞれ当接し、これら第1突起が設けられている各前進段用フォークシャフトに対して軸心方向の付勢力を与えて、これら前進段用フォークシャフトを軸心方向へ移動させることにより複数の同期装置を作動させる複数の第2突起を設ける。そして、上記互いに当接する第1突起及び第2突起の少なくとも一方に、付勢部材によってシャフト半径方向外側に向けて付勢力を付与し、中間シャフトが上記後進段セレクト位置まで回動した後に軸心方向へ移動して後進段への変速動作が実行される際に、上記付勢部材の付勢力に抗して相手側の突起から後退し、この相手側の突起を乗り越えることで中間シャフトの後進段へのシフト動作が許容される構成としている。
この特定事項によれば、後進段への変速動作時にあっては、上記中間シャフトのセレクト動作(回動動作)が行われた際に、この中間シャフトに設けられている各第2突起が、複数の前進段用フォークシャフトに設けられている各第1突起にそれぞれ当接することになる。これら当接により、複数の前進段用フォークシャフトに、軸心方向の付勢力が与えられ、この付勢力により各前進段用フォークシャフトは軸心方向へ僅かに移動する。これら前進段用フォークシャフトの移動に伴って、それぞれに対応した同期装置が共に作動することになる。そして、例えば変速機構のインプットシャフトに備えられた複数の同期装置を作動させる構成とした場合には、前進段の複数のギヤがインプットシャフトに各同期装置を介して連繋(摩擦接触)されることになる。つまり、インプットシャフトは、複数の同期装置、上記複数の前進段のギヤ、アウトプットシャフトに回転一体に設けられている複数のギヤを介してアウトプットシャフトに連繋されることになる。また、例えば変速機構のインプットシャフトに備えられた同期装置とアウトプットシャフトに備えられた同期装置を作動させる構成とした場合には、上述した如く、インプットシャフトに備えられた同期装置の作動によって、インプットシャフトは、同期装置、上記前進段のギヤ、アウトプットシャフトに回転一体に設けられているギヤを介してアウトプットシャフトに連繋される一方、アウトプットシャフトに備えられた同期装置の作動によって、アウトプットシャフトは、同期装置、上記前進段のギヤ、インプットシャフトに回転一体に設けられているギヤを介してインプットシャフトに連繋されることになる。
そして、後進段への変速動作時には車両は停車状態であり、アウトプットシャフトも停止している。このため、インプットシャフトが惰性回転している状況であっても、上述した動作によりアウトプットシャフトに連繋されるインプットシャフトは強制的に停止または減速される(アウトプットシャフトの回転に合わされる)ことになる。特に、本解決手段では、複数の同期装置を介してインプットシャフトがアウトプットシャフトに連繋されるため、インプットシャフトは迅速且つ確実に停止または減速されることになる。このため、インプットシャフトに回転一体に設けられているリバースドライブギヤが停止または減速した状態でリバースアイドラギヤを噛合させることができ、円滑な噛み合い動作が行われてギヤ鳴りの発生が防止できる。
そして、本解決手段の場合にも、中間シャフトが上記後進段セレクト位置から軸心方向へシフト動作して後進段への変速動作が実行される際には、上記第1突起または第2突起が相手側の突起を乗り越えることで中間シャフトの後進段へのシフト動作(軸心方向の移動)が許容されるため、この後進段への変速動作は上記各突起による悪影響を受けることなく円滑に行われる。
上記各突起同士の当接状態としてより具体的には、各前進段用フォークシャフトに設けられた各第1突起が、中間シャフトが後進段セレクト位置まで回動した際に、各第2突起に対して中間シャフトの軸心方向の両外側または両内側にそれぞれ当接する構成としている。
この構成によれば、上記中間シャフトのセレクト動作(回動動作)が行われて後進段セレクト位置に達した際には、一方の第2突起はこれに当接する第1突起を中間シャフトの軸心方向の外側または内側となる一方側に押圧し、また他方の第2突起はこれに当接する第1突起を中間シャフトの軸心方向の外側または内側となる他方側(上記一方の第2突起が第1突起を押圧する方向とは逆向き方向)に押圧する。これにより、これら第1突起が設けられた各前進段用フォークシャフトは互いに反対方向へ移動することで、それぞれに対応した同期装置を作動させることになる。この場合、上記一方の第2突起にあってはこれに当接する第1突起からの反力が、他方の第2突起にあってはこれに当接する第1突起からの反力がそれぞれ作用することになるが、これら反力は互いに逆方向であるために相殺されることになり、この反力によって中間シャフトが軸心方向へ移動してしまって同期装置の作動位置が不安定になるといったことが阻止できる。このため、中間シャフトを所定位置に位置決めするためのストッパ機構が必要なくなる。このように、本解決手段では、上述した複数の同期装置の作動によるインプットシャフトの迅速且つ確実な停止動作と、ストッパ機構を不要にすることによる構成の簡素化とを図ることができる。
中間シャフトにセレクト動作を行わせる際の操作力(例えばシフトレバーに加える力)を軽減するための構成として以下のものが挙げられる。つまり、中間シャフトにシャフト半径方向外側に延びる操作レバーを備えさせ、セレクト動作時に、この操作レバーの操作力点に回動動作のための操作力が作用するようにする。そして、この操作力点と中間シャフトの軸心位置との間の距離を、中間シャフトが後進段セレクト位置に回動された際に第2突起が第1突起に当接する当接点と中間シャフトの軸心位置との間の距離よりも長く設定している。
この構成によれば、第2突起が第1突起に当接する当接点と中間シャフトの軸心位置との間の距離と、上記操作レバーの操作力点と中間シャフトの軸心位置との間の距離との比だけ、セレクト操作力を増幅して第1突起に対する第2突起の押圧力が得られる。この押圧力は同期装置を作動させるべく前進段用フォークシャフトを軸心方向へ移動させるための力である。このため、比較的小さな操作力で上記ギヤ鳴り防止のための同期装置の作動を行うことができ、上記ギヤ鳴り防止装置を備えさせたことで大きな操作力(セレクト操作力)が必要になってしまうといったことを抑制でき、操作性の悪化を回避できる。
本発明では、後進段に向けてセレクト動作が行われた際に、中間シャフトの回動力を利用することで、後進段用のシフト部材とは異なる前進段用のフォークシャフトを移動させ、これにより、前進段用の同期装置を作動させるようにしている。これにより変速機構のインプットシャフトの回転を低下または停止させることができ、リバースシフト操作のギヤ鳴りを防止できる。このため、仮に後進段用のシフト部材が、前進段用のフォークシャフトとは異なる専用のものであったとしても、つまり、後進段のシフトポジションが前進段のシフトポジションに対向しない形状とされたシフトゲートを備えた変速機であったとしても、セレクト動作と同時に同期装置の作動によりインプットシャフトを減速または停止させてギヤ鳴りを防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、前進6速段、後進1速段の同期噛み合い式手動変速機(マニュアルトランスミッション)に本発明を適用した場合について説明する。また、以下の実施形態では、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両に搭載された手動変速機について説明する。
(第1実施形態)
−手動変速機のギヤレイアウト−
図1は本実施形態に係る手動変速機のギヤレイアウトの一部を断面で示した側面図である。この図1に示すギヤレイアウトは、図示しないトランスミッションケース内に収容されていると共に、互いに平行に配置されたインプットシャフト1、アウトプットシャフト2及びリバースシャフト3(図1では仮想線で示している)がトランスミッションケースによって回転自在に支持されている。
上記インプットシャフト1は、図示しないエンジンのクランクシャフトにクラッチ機構を介して連結されており、このクラッチ機構の係合動作によりエンジンの回転駆動力が入力されるようになっている。
上記インプットシャフト1とアウトプットシャフト2との間には、前進1速段〜前進6速段及び後進段の各変速段を成立させるための複数の変速ギヤ列4〜10が設けられている。具体的には、前進段用のギヤ列として、図1において右側から軸心方向左側に向かって、1速ギヤ列4、2速ギヤ列5、3速ギヤ列6、4速ギヤ列7、5速ギヤ列8及び6速ギヤ列9が順に配設されている。また、後進段用のギヤ列として、リバースギヤ列10が配設されている。
1速ギヤ列4は、インプットシャフト1に回転一体に取り付けられた1速ドライブギヤ4aと、アウトプットシャフト2に対して相対回転自在に組み付けられた1速ドリブンギヤ4bとを備えており、これら1速ドライブギヤ4aと1速ドリブンギヤ4bとは互いに噛み合っている。
2速ギヤ列5は、インプットシャフト1に回転一体に取り付けられた2速ドライブギヤ5aと、アウトプットシャフト2に対して相対回転自在に組み付けられた2速ドリブンギヤ5bとを備えており、これら2速ドライブギヤ5aと2速ドリブンギヤ5bとは互いに噛み合っている。
3速ギヤ列6は、インプットシャフト1に相対回転自在に組み付けられた3速ドライブギヤ6aと、アウトプットシャフト2に回転一体に取り付けられた3速ドリブンギヤ6bとを備えており、これら3速ドライブギヤ6aと3速ドリブンギヤ6bとは互いに噛み合っている。
4速ギヤ列7は、インプットシャフト1に相対回転自在に組み付けられた4速ドライブギヤ7aと、アウトプットシャフト2に回転一体に取り付けられた4速ドリブンギヤ7bとを備えており、これら4速ドライブギヤ7aと4速ドリブンギヤ7bとは互いに噛み合っている。
5速ギヤ列8は、インプットシャフト1に相対回転自在に組み付けられた5速ドライブギヤ8aと、アウトプットシャフト2に回転一体に取り付けられた5速ドリブンギヤ8bとを備えており、これら5速ドライブギヤ8aと5速ドリブンギヤ8bとは互いに噛み合っている。
6速ギヤ列9は、インプットシャフト1に相対回転自在に組み付けられた6速ドライブギヤ9aと、アウトプットシャフト2に回転一体に取り付けられた6速ドリブンギヤ9bとを備えており、これら6速ドライブギヤ9aと6速ドリブンギヤ9bとは互いに噛み合っている。
上記各変速ギヤ列の切り換え動作(変速動作)は、3つのシンクロメッシュ機構(同期装置)11,12,13によって行われる。
第1のシンクロメッシュ機構11は、1速ドリブンギヤ4bと2速ドリブンギヤ5bとの間におけるアウトプットシャフト2上に設けられている。つまり、この第1のシンクロメッシュ機構11が1速ドリブンギヤ4b側に作動すると、この1速ドリブンギヤ4bがアウトプットシャフト2に回転一体に連結され、1速ドライブギヤ4aと1速ドリブンギヤ4bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われることになる(1段変速)。一方、第1のシンクロメッシュ機構11が2速ドリブンギヤ5b側に作動すると、この2速ドリブンギヤ5bがアウトプットシャフト2に回転一体に連結され、2速ドライブギヤ5aと2速ドリブンギヤ5bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われることになる(2段変速)。
第2のシンクロメッシュ機構12は、3速ドライブギヤ6aと4速ドライブギヤ7aとの間におけるインプットシャフト1上に設けられている。つまり、この第2のシンクロメッシュ機構12が3速ドライブギヤ6a側に作動すると、この3速ドライブギヤ6aがインプットシャフト1に回転一体に連結され、3速ドライブギヤ6aと3速ドリブンギヤ6bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われることになる(3段変速)。一方、第2のシンクロメッシュ機構12が4速ドライブギヤ7a側に作動すると、この4速ドライブギヤ7aがインプットシャフト1に回転一体に連結され、4速ドライブギヤ7aと4速ドリブンギヤ7bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われることになる(4段変速)。
第3のシンクロメッシュ機構13は、5速ドライブギヤ8aと6速ドライブギヤ9aと間におけるインプットシャフト1上に設けられている。つまり、この第3のシンクロメッシュ機構13が5速ドライブギヤ8a側に作動すると、この5速ドライブギヤ8aがインプットシャフト1に回転一体に連結され、5速ドライブギヤ8aと5速ドリブンギヤ8bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われることになる(5段変速)。一方、第3のシンクロメッシュ機構13が6速ドライブギヤ9a側に作動すると、この6速ドライブギヤ9aがインプットシャフト1に回転一体に連結され、6速ドライブギヤ9aと6速ドリブンギヤ9bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われることになる(6段変速)。
このようにして、前進時には、シフトチェンジ動作時を除いて、上記インプットシャフト1の回転駆動力が、上述したシンクロメッシュ機構11,12,13のうちの何れか一つの作動によって選択された一つの変速ギヤ列4〜9を介してアウトプットシャフト2へ伝達される。尚、本実施形態におけるシンクロメッシュ機構11,12,13はダブルコーン式のものを採用しているがその他の方式のものを採用してもよい。
一方、リバースギヤ列10は、上記インプットシャフト1に回転一体に取り付けられたリバースドライブギヤ10aと、アウトプットシャフト2に回転一体に組み付けられたリバースドリブンギヤ10bと、上記リバースシャフト3に対してスライド移動自在に組み付けられたリバースアイドラギヤ10c(図1では仮想線で示している)とを備えている。これらギヤ10a,10b,10cは前進時には動力伝達を行っておらず、後進時においては、全てのシンクロメッシュ機構11,12,13が中立状態に設定され、リバースアイドラギヤ10cがリバースシャフト3の軸心方向に移動することによって、上記リバースドライブギヤ10aとリバースドリブンギヤ10bとの両方に噛み合うことで、リバースドライブギヤ10aの回転方向を逆転させてリバースドリブンギヤ10bに伝達することになる。これにより、アウトプットシャフト2が上記前進段の場合とは逆方向に回転し、駆動輪は後退方向に回転する。尚、上記リバースドリブンギヤ10bは上記第1のシンクロメッシュ機構11の外周側に回転一体に配設されている。
このようにして所定の変速比で変速または逆回転されてアウトプットシャフト2に伝達された回転駆動力は、ファイナルドライブギヤ15aとファイナルドリブンギヤ15bとから成るファイナルリダクションギヤ列15の終減速比によって減速された後、ディファレンシャル装置16へ伝達される。これによって、駆動輪(図示省略)が前進方向または後進方向に回転する。
−シフトパターン−
図2は、本実施形態における6速マニュアルトランスミッションのシフトパターン(シフトゲート形状)の概略を示している。シフトレバーL(図中仮想線で示す)は、図2に矢印Xで示す方向のセレクト操作と、セレクト操作方向に直交する矢印Yで示す方向のシフト操作とが行い得る形状に構成されている。
セレクト操作方向には、1速―2速セレクト位置P1,3速―4速セレクト位置P2,5速―6速セレクト位置P3及びリバースセレクト位置P4が一列に並んでいる。
上記1速―2速セレクト位置P1でのシフト操作(矢印Y方向の操作)により、シフトレバーLを1速位置1stまたは2速位置2ndに動かすことができる。1速位置1stに操作された場合、上記第1のシンクロメッシュ機構11は1速ドリブンギヤ4b側に作動し、この1速ドリブンギヤ4bがアウトプットシャフト2に回転一体に連結される。また、2速位置2ndに操作された場合、上記第1のシンクロメッシュ機構11は2速ドリブンギヤ5b側に作動し、この2速ドリブンギヤ5bがアウトプットシャフト2に回転一体に連結される。
同様に、3速−4速セレクト位置P2でのシフト操作により、シフトレバーLを3速位置3rdまたは4速位置4thに動かすことができる。3速位置3rdに操作された場合、上記第2のシンクロメッシュ機構12は3速ドライブギヤ6a側に作動し、この3速ドライブギヤ6aがインプットシャフト1に回転一体に連結される。また、4速位置4thに操作された場合、上記第2のシンクロメッシュ機構12は4速ドライブギヤ7a側に作動し、この4速ドライブギヤ7aがインプットシャフト1に回転一体に連結される。
また、5速―6速セレクト位置P3でのシフト操作により、シフトレバーLを5速位置5thまたは6速位置6thに動かすことができる。5速位置5thに操作された場合、上記第3のシンクロメッシュ機構13は5速ドライブギヤ8a側に作動し、この5速ドライブギヤ8aがインプットシャフト1に回転一体に連結される。また、6速位置6thに操作された場合、上記第3のシンクロメッシュ機構13は6速ドライブギヤ9a側に作動し、この6速ドライブギヤ9aがインプットシャフト1に回転一体に連結される。
更に、リバースセレクト位置P4でのシフト操作により、シフトレバーLをリバース位置REVに動かすことができる。このリバース位置REVに操作された場合、上記全てのシンクロメッシュ機構11,12,13が中立状態となると共に、上記リバースアイドラギヤ10cがリバースシャフト3の軸心方向に移動して上記リバースドライブギヤ10a及びリバースドリブンギヤ10bに噛み合うことになる。
−セレクト・シフト機構−
次に、上述の如きシフトレバーLを操作することで前進1速段〜前進6速段及び後進段の各変速段を成立させるために上記シフトレバーLの操作力を各シンクロメッシュ機構11,12,13や後述するリバースアーム50(図5参照)に選択的に伝達するためのセレクト・シフト機構について説明する。
このセレクト・シフト機構の概略構成としては、上記シフトレバーLは図示しないセレクトケーブル及びシフトケーブルによりシフトアンドセレクトシャフト20(図3参照)に連結されている。これにより、シフトレバーLに対するセレクト操作力(図2に矢印Xで示す方向の操作力)がセレクトケーブルを経てシフトアンドセレクトシャフト20の回動力として、また、シフトレバーLに対するシフト操作力(図2に矢印Yで示す方向の操作力)がシフトケーブルを経てシフトアンドセレクトシャフト20の軸心方向のスライド移動力としてそれぞれ伝達されるようになっている。また、各シンクロメッシュ機構11,12,13に備えられている各スリーブ12a(図4参照)にはそれぞれに対応して配設されたシフトフォーク30(図3及び図4では3本のシフトフォークのうちの1本のみを示している)が係合されており、これらシフトフォーク30の基端部分は、それぞれに対応して設けられたフォークシャフト40(図3及び図4では3本のフォークシャフトのうちの1本のみを示している)によってそれぞれ支持されている。そして、上記シフトアンドセレクトシャフト20の上記回動によるセレクト動作によって1本のフォークシャフト40が操作力伝達可能に選択され、シフトアンドセレクトシャフト20の上記スライド移動によるシフト動作によって、この選択された1本のフォークシャフト40のスライド移動により、このフォークシャフト40に設けられた1本のシフトフォーク30を介して所定の一つのシンクロメッシュ機構11(12,13)を作動させる構成となっている。以下、具体的に説明する。
図3は、セレクト・シフト機構の一部をシフトアンドセレクトシャフト20の軸心方向から見た断面図である。この図3に示すように、シフトアンドセレクトシャフト20には、その半径方向外側に延びるインナレバー21が一体形成されている。また、上述した如く、シフトアンドセレクトシャフト20は、セレクトケーブル及びシフトケーブルによってシフトレバーLに連結されており、このシフトレバーLの操作力が各ケーブルにより伝達可能となっている。
具体的には、シフトレバーLが、図2に矢印Xで示すセレクト方向に操作されると、その操作力がセレクトケーブルによりシフトアンドセレクトシャフト20に伝達されてこのシフトアンドセレクトシャフト20が回動し、そのシフトレバーLの操作位置に応じた回動姿勢となる。図3に示すものではシフトレバーLが3速―4速セレクト位置P2に操作された場合の回動姿勢を示している。
また、シフトレバーLが、図2に矢印Yで示すシフト方向に操作されると、その操作力がシフトケーブルによりシフトアンドセレクトシャフト20に伝達されてこのシフトアンドセレクトシャフト20がその軸心方向(図3の紙面に直交する方向)にスライド移動し、そのシフトレバーLの操作位置に応じたスライド位置となる。
一方、各シンクロメッシュ機構11,12,13に対応して配設された各フォークシャフト40(図3では3速―4速用のフォークシャフト40のみを示している)には、上記シフトアンドセレクトシャフト20のインナレバー21に係合可能となる略コ字状の凹部で成るヘッド22〜25がそれぞれ形成されている。図3における符号22は1速―2速用フォークシャフトに形成されたヘッドを、符号23は3速―4速用フォークシャフトに形成されたヘッドを、符号24は5速―6速用フォークシャフトに形成されたヘッドをそれぞれ示している。また、符号25は、後進段用のリバースアーム50(図5参照)に形成されたヘッドを示している。何れの変速段も成立していない状態では、各ヘッド22〜25は互い隣接して配置されており、シフトアンドセレクトシャフト20の回動に伴って上記インナレバー21は各ヘッド22〜25間を選択移動可能となっている。
そして、上述したシフトレバーLのセレクト操作に伴うシフトアンドセレクトシャフト20の回動により、このシフトアンドセレクトシャフト20に形成されているインナレバー21が係合するヘッド22〜25を選択することになる。つまり、シフトレバーLが1速―2速セレクト位置P1に操作された場合にはインナレバー21は1速―2速用フォークシャフトに形成されたヘッド22に係合し、シフトレバーLが3速―4速セレクト位置P2に操作された場合にはインナレバー21は3速―4速用フォークシャフトに形成されたヘッド23に係合し、シフトレバーLが5速―6速セレクト位置P3に操作された場合にはインナレバー21は5速―6速用フォークシャフトに形成されたヘッド24に係合し(以上、シフトアンドセレクトシャフト20の4つの前進段セレクト位置)、シフトレバーLがリバースセレクト位置P4に操作された場合にはインナレバー21はリバースアーム50に形成されたヘッド25に係合することになる(シフトアンドセレクトシャフト20の後進段セレクト位置)。
そして、このようにして何れかのヘッド22〜25にインナレバー21が係合することで、一つのフォークシャフト40またはリバースアーム50が操作力伝達可能に選択される。そして、この状態から、シフトレバーLがシフト方向に操作されると、その操作力がシフトケーブルによりシフトアンドセレクトシャフト20に伝達される。これにより、シフトアンドセレクトシャフト20がその軸心方向にスライド移動(シフト動作)し、インナレバー21が何れかのフォークシャフト40に係合している場合には、その係合しているフォークシャフト40をスライド移動させることで何れかのシンクロメッシュ機構11,12,13が作動することになる(前進段)。また、インナレバー21がリバースアームに形成されたヘッド25に係合している場合には、リバースアーム50を回動させることで、リバースアイドラギヤ10cがリバースシャフト3の軸心方向に移動することになる(後進段)。
例えば図3に示すようにインナレバー21が3速―4速用フォークシャフト40に形成されたヘッド23に係合している状態からシフトレバーLが3速位置3rdにシフト操作された場合には、シフトアンドセレクトシャフト20が例えば図3の紙面手前側に移動し、これに伴ってフォークシャフト40及びシフトフォーク30も同方向に移動することで上記第2のシンクロメッシュ機構12が3速ドライブギヤ6a側に作動して上記3段変速が成立する。また、この図3に示す状態からシフトレバーLが4速位置4thにシフト操作された場合には、シフトアンドセレクトシャフト20が例えば図3の紙面奥側に移動し、これに伴ってフォークシャフト40及びシフトフォーク30も同方向に移動することで上記第2のシンクロメッシュ機構12が4速ドライブギヤ7a側に作動して上記4段変速が成立することになる。
図4は、3速―4速用フォークシャフト40とシンクロメッシュ機構12との係合部分を示す断面図である。この図に示すように、フォークシャフト40には3速段−中立−4速段に対応した3個のロックボール溝41,42,43が形成されている。これらロックボール溝41,42,43は、トランスミッションケースCに形成した孔C1の内部に収容したロックボール44が、プラグ45によって係止されたスプリング46によりフォークシャフト40に向けて押圧されている。これにより、ギヤ抜け防止と節度感を得るためのロックボール機構が構成されている。
また、フォークシャフト40には上記シフトフォーク30が取り付けられており、このシフトフォーク30の先端部がシンクロメッシュ機構12のスリーブ12aに係合されている。尚、このシンクロメッシュ機構12は、上述した如く周知のダブルコーン式のものが採用されている。尚、1速―2速用フォークシャフト(図示省略)と第1のシンクロメッシュ機構11との係合部分や、5速―6速用フォークシャフト(図示省略)と第3のシンクロメッシュ機構13との係合部分も同構成となっている。
図5は上記リバースアーム50とリバースアイドラギヤ10cとの係合部分を示す図(図3に対して直交する水平方向(右方向)から見た図)であって、このリバースアーム50に上記シフトアンドセレクトシャフト20のインナレバー21が係合した状態を示している。
この図に示すように、リバースアーム50は、上端部に上記ヘッド25が下端部にシフトフォーク部51を備えており、その長手方向の略中央部分がトランスミッションケースによって水平軸回りに回動自在に支持されている。そして、このリバースアーム50のシフトフォーク部51は、リバースアイドラギヤ10cに形成されたフランジ10dに係止されている。
このため、シフトレバーLがリバースセレクト位置P4にセレクト操作されることでリバースアーム50のヘッド25にインナレバー21が係合した状態から、シフトレバーLがリバース位置REVへシフト操作されると、その操作力がシフトケーブルによりシフトアンドセレクトシャフト20に伝達され、このシフトアンドセレクトシャフト20がその軸心方向にスライド移動(シフト動作)する。これにより、上記インナレバー21が係合しているリバースアーム50が回動してリバースアイドラギヤ10cがリバースシャフト3の軸心方向に移動することになり、このリバースアイドラギヤ10cが上記リバースドライブギヤ10aとリバースドリブンギヤ10bとの両方に噛み合うことで上記後進段変速が成立することになる。
−ギヤ鳴りの防止機構−
次に、本実施形態の特徴部分であるギヤ鳴りの防止機構(ギヤ鳴りの防止装置)について説明する。このギヤ鳴りの防止機構は、リバースシフトギヤ鳴りの発生を防止するための機構であって、リバースシフト操作時に、シンクロメッシュ機構(例えば第1のシンクロメッシュ機構11)を作動させてインプットシャフト1の回転を低下または停止させるものである。また、以下の説明では、上記1速―2速用フォークシャフト47とシフトアンドセレクトシャフト20との間でギヤ鳴りの防止機構を構成した場合について説明する。
図6は、このギヤ鳴りの防止機構及びその周辺部を示す図である。尚、この図6では、1速―2速用フォークシャフト47の図中左方向が1速位置1stであり、図中右方向が2速位置2ndである。また、リバース位置REVへのシフト操作時は、シフトアンドセレクトシャフト20が図中右方向へスライド移動(シフト動作)することでリバースアーム50が回動されるようになっている。
この図6に示すように、上記1速―2速用フォークシャフト47には、そのシャフト半径方向外側に向けて突出する第1突起としての第1プレボークヘッド47aが一体的に設けられている。この第1プレボークヘッド47aは、上記シフトアンドセレクトシャフト20の配設位置に向かって延びており、略円柱形状の本体部47bと円錐形状の先端当接部47cとを備えている。
一方、シフトアンドセレクトシャフト20には、そのシャフト半径方向外側に向けて突出する第2突起としての第2プレボークヘッド26が一体的に設けられている。この第2プレボークヘッド26は、シフトアンドセレクトシャフト20に一体的に形成された円筒状のシリンダ26aと、このシリンダ26a内部に挿入された当接ピン26bと、この当接ピン26bとシリンダ26aの底部との間に圧縮状態で収容されたコイルスプリング26cとを備えている。また、上記当接ピン26bの基端部には外周側に延びるフランジ26dが形成されている一方、シリンダ26aの開口部分には、内周側に延びて、上記当接ピン26bのフランジ26dの外径よりも小径の開口を形成する内側フランジ26eが形成されている。そして、当接ピン26bのフランジ26dがシリンダ26aの内側フランジ26eに当接することで当接ピン26bの抜け止めが図られている。
そして、上記第1プレボークヘッド47a及び第2プレボークヘッド26の配設位置としては、上記インナレバー21がリバースアーム50のヘッド25に係合する位置までシフトアンドセレクトシャフト20が回動した際に第2プレボークヘッド26の当接ピン26bが第1プレボークヘッド47aの先端当接部47cに当接するように(図6に示す状態となるように)、上記1速―2速用フォークシャフト47の周方向における第1プレボークヘッド47aの位相位置及びシフトアンドセレクトシャフト20の周方向における第2プレボークヘッド26の位相位置がそれぞれ設定されている。
更に、第2プレボークヘッド26の当接ピン26bが第1プレボークヘッド47aの先端当接部47cに当接していない状態にあっては、第2プレボークヘッド26の当接ピン26bの軸心と第1プレボークヘッド47aの先端当接部47cの軸心とは僅かにオフセット(偏心)されている。具体的には、第2プレボークヘッド26の当接ピン26bの軸心位置に対して第1プレボークヘッド47aの先端当接部47cの軸心位置は僅かに2速ドリブンギヤ5bの配設位置側(図6における右側であって、図中仮想線で示す位置)に設定されている。
また、上記シフトアンドセレクトシャフト20には、その軸心方向の一方側へのスライド移動を規制するためのストッパ機構27が備えられている。このストッパ機構27は、このシフトアンドセレクトシャフト20を回動自在に支持する軸受け部27aから軸心方向に突出した突起部27bと、シフトアンドセレクトシャフト20の外周面の一部から半径方向外側に突出したストッパ部27cとにより構成されている。このストッパ部27cの突出位置は、図7(図6におけるVII−VII線に沿った断面図)にも示すように、上記インナレバー21がリバースアーム50のヘッド25に係合する位置までシフトアンドセレクトシャフト20が回動した際にのみ突起部27bに当接するよう設定されている。このため、インナレバー21がリバースアーム50のヘッド25に係合する位置までシフトアンドセレクトシャフト20が回動されると、上記ストッパ機構27によりシフトアンドセレクトシャフト20は図6中の左方向への移動が規制され、上記第2プレボークヘッド26の当接ピン26bが第1プレボークヘッド47aの先端当接部47cに当接する際に、当接ピン26bが先端当接部47cから反力を受けてもこの当接ピン26bは後退することがなくなる。つまり、上記当接ピン26bが先端当接部47cを押圧し、この押圧力によって上記1速―2速用フォークシャフト47は2速ドリブンギヤ5bの配設位置側に移動することになり、これによって第1のシンクロメッシュ機構11(図6では、この第1のシンクロメッシュ機構11のスリーブ11aのみを示している)を作動させることになる。
このようなシフトアンドセレクトシャフト20の回動に伴う各プレボークヘッド47a,26同士の当接により、1速―2速用フォークシャフト47が移動して第1のシンクロメッシュ機構11が作動し、これにより、2速ドリブンギヤ5bが第1のシンクロメッシュ機構11を介してアウトプットシャフト2に連繋(摩擦接触)される。つまり、アウトプットシャフト2は、第1のシンクロメッシュ機構11、2速ドリブンギヤ5b、2速ドライブギヤ5aを介してインプットシャフト1と連繋されることになる。
そして、後進段への変速動作時にあっては車両は停車状態であり、アウトプットシャフト2も停止している。このため、インプットシャフト1が惰性回転している状況であっても、上述した第1のシンクロメッシュ機構11の動作によりアウトプットシャフト2に連繋されるインプットシャフト1は強制的に停止または減速される(アウトプットシャフト2の回転に合わされる)ことになる。従って、インプットシャフト1に回転一体に設けられているリバースドライブギヤ10aが停止または減速した状態でリバースアイドラギヤ10cを噛合させることができ、円滑な噛み合い動作が行われてギヤ鳴りの発生が防止できる。
そして、シフトアンドセレクトシャフト20が上記後進段セレクト位置から軸心方向へシフト動作(図6中の右方向へスライド移動)して後進段への変速動作が実行される際には、上記第2プレボークヘッド26の当接ピン26bがコイルスプリング26cの付勢力に抗して第1プレボークヘッド47aを乗り越えることでシフトアンドセレクトシャフト20の後進段へのシフト動作(軸心方向の移動)が許容されるため、この後進段への変速動作は上記各プレボークヘッド47a,26による悪影響を受けることなく円滑に行われることになる。
尚、上記シフトアンドセレクトシャフト20の一端部には上記セレクトケーブル20aが接続される操作レバー20bが設けられている。この操作レバー20bは、シフトアンドセレクトシャフト20の半径方向外側に向かって延びており、その先端近傍位置(操作力点となる位置)にセレクトケーブル20aが接続されている。つまり、シフトレバーLがセレクト操作された場合には、その操作力がセレクトケーブル20a及び操作レバー20bを介してシフトアンドセレクトシャフト20に伝達されるようになっている。
そして、上記操作レバー20bに対するセレクトケーブル20aの接続位置とシフトアンドセレクトシャフト20の軸心位置との間の距離(図中の長さL1)は、シフトアンドセレクトシャフト20が後進段セレクト位置に回動された際に各プレボークヘッド47a,26同士が当接する当接点とシフトアンドセレクトシャフト20の軸心位置との間の距離(図中の長さL2)よりも長く、例えば1.5倍程度に設定されている。
このような構成により、上記各プレボークヘッド47a,26同士が当接する当接点とシフトアンドセレクトシャフト20の軸心位置との間の距離(図中の長さL2)と、操作レバー20bに対するセレクトケーブル20aの接続位置とシフトアンドセレクトシャフト20の軸心位置との間の距離(図中の長さL1)との比だけ、セレクト操作力を増幅して第1プレボークヘッド47aに対する第2プレボークヘッド26の押圧力が得られる。この押圧力は第1のシンクロメッシュ機構11を作動させるべく1速―2速用フォークシャフト47を軸心方向へ移動させるための力である。このため、比較的小さな操作力で上記ギヤ鳴り防止のための第1のシンクロメッシュ機構11の作動を行うことができ、上記ギヤ鳴り防止機構を備えさせたことで大きな操作力(セレクト操作力)が必要になってしまうといったことを抑制でき、操作性の悪化を回避できる。
尚、本実施形態では、1速―2速用フォークシャフト47とシフトアンドセレクトシャフト20との間でギヤ鳴りの防止機構を構成する場合について説明したが、その他のフォークシャフト(例えば3速―4速用フォークシャフト40)とシフトアンドセレクトシャフト20との間でギヤ鳴りの防止機構を構成するようにしてもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、ギヤ鳴りの防止機構が上記第1実施形態のものと異なっている。その他の構成及び変速動作は上記第1実施形態と同様であるので、ここではギヤ鳴りの防止機構の構成及び動作についてのみ説明する。
本実施形態におけるギヤ鳴りの防止機構も、リバースシフトギヤ鳴りの発生を防止するための機構であって、リバースシフト操作時に、シンクロメッシュ機構を作動させてインプットシャフトの回転を低下または停止させるものである。また、以下の説明では、上記1速―2速用フォークシャフト47及び3速―4速用フォークシャフト40とシフトアンドセレクトシャフト20との間でギヤ鳴りの防止機構を構成した場合について説明する。
図8は、このギヤ鳴りの防止機構及びその周辺部を示す図である。この図8に示すように、1速―2速用フォークシャフト47とシフトアンドセレクトシャフト20との間で構成されるギヤ鳴りの防止機構は上記第1実施形態のものと同一であるので、ここでの説明は省略する。以下、3速―4速用フォークシャフト40とシフトアンドセレクトシャフト20との間で構成されるギヤ鳴りの防止機構について説明する。
図8に示すように、上記3速―4速用フォークシャフト40には、そのシャフト半径方向外側に向けて突出する第1突起としての第1プレボークヘッド40aが一体的に設けられている。この第1プレボークヘッド40aは、上記シフトアンドセレクトシャフト20の配設位置に向かって延びており、上記1速―2速用フォークシャフト47に設けられているものと同様に、略円柱形状の本体部40bと円錐形状の先端当接部40cとを備えている。
一方、シフトアンドセレクトシャフト20には、上記1速―2速用フォークシャフト47に設けられている第1プレボークヘッド47aに対応する第2プレボークヘッド26と同様に、3速―4速用フォークシャフト40に設けられている上記第1プレボークヘッド40aに対応する第2プレボークヘッド28が設けられている。この第2プレボークヘッド28は、シフトアンドセレクトシャフト20に一体的に形成された円筒状のシリンダ28aと、このシリンダ28a内部に挿入された当接ピン28bと、この当接ピン28bとシリンダ28aの底部との間に圧縮状態で収容されたコイルスプリング28cとを備えている。また、上記当接ピン28bの基端部には外周側に延びるフランジ28dが形成されている一方、シリンダ28aの開口部分には、内周側に延びて、上記当接ピン28bのフランジ28dの外径よりも小径の開口を形成する内側フランジ28eが形成されている。そして、当接ピン28bのフランジ28dがシリンダ28aの内側フランジ28eに当接することで当接ピン28bの抜け止めが図られている。
そして、上記第1プレボークヘッド40a及び第2プレボークヘッド28の配設位置としては、上記インナレバー21がリバースアーム50のヘッド25に係合する位置までシフトアンドセレクトシャフト20が回動した際に第2プレボークヘッド28の当接ピン28bが第1プレボークヘッド40aの先端当接部40cに当接するように(図8に示す状態となるように)、上記3速―4速用フォークシャフト40の周方向における第1プレボークヘッド40aの位相位置及びシフトアンドセレクトシャフト20の周方向における第2プレボークヘッド28の位相位置がそれぞれ設定されている。
より具体的には、上記1速―2速用フォークシャフト47とシフトアンドセレクトシャフト20との間で構成されるギヤ鳴りの防止機構にあっては、第1プレボークヘッド47aに対して第2プレボークヘッド26が図中左側に当接している。これに対し、3速―4速用フォークシャフト40とシフトアンドセレクトシャフト20との間で構成されるギヤ鳴りの防止機構にあっては、第1プレボークヘッド40aに対して第2プレボークヘッド28が図中右側に当接するようになっている。
このため、インナレバー21がリバースアーム50のヘッド25に係合する位置までシフトアンドセレクトシャフト20が回動されると、上記各当接によって第2プレボークヘッド26,28それぞれが受ける第1プレボークヘッド47a,40aからの反力は互いに逆方向となるため、これら反力によってシフトアンドセレクトシャフト20が軸心方向に移動してしまうといったことがなくなる。
このようなシフトアンドセレクトシャフト20の回動に伴う各プレボークヘッド47a,26、40a,28同士の当接により、1速―2速用フォークシャフト47及び3速―4速用フォークシャフト40がそれぞれ逆方向に移動して(移動前の第1プレボークヘッド47a,40aの位置を仮想線で、移動後の第1プレボークヘッド47a,40aの位置を実線でそれぞれ示している)第1のシンクロメッシュ機構11及び第2のシンクロメッシュ機構12が共に作動する。これにより、2速ドリブンギヤ5bが第1のシンクロメッシュ機構11を介してアウトプットシャフト2に連繋(摩擦接触)される。つまり、アウトプットシャフト2は、第1のシンクロメッシュ機構11、2速ドリブンギヤ5b、2速ドライブギヤ5aを介してインプットシャフト1と連繋されることになる。また、3速ドライブギヤ6aが第2のシンクロメッシュ機構12を介してインプットシャフト1に連繋(摩擦接触)される。つまり、インプットシャフト1は、第2のシンクロメッシュ機構12、3速ドライブギヤ6a、3速ドリブンギヤ6bを介してアウトプットシャフト2と連繋されることになる。
そして、後進段への変速動作時にあっては車両は停車状態であり、アウトプットシャフト2も停止している。このため、インプットシャフト1が惰性回転している状況であっても、上述した第1のシンクロメッシュ機構11及び第2のシンクロメッシュ機構12の動作によりアウトプットシャフト2に連繋されるインプットシャフト1は強制的に停止または減速される(アウトプットシャフト2の回転に合わされる)ことになる。従って、インプットシャフト1に回転一体に設けられているリバースドライブギヤ10aが停止または減速した状態でリバースアイドラギヤ10cを噛合させることができ、円滑な噛み合い動作が行われてギヤ鳴りの発生が防止できる。
そして、シフトアンドセレクトシャフト20が上記後進段セレクト位置から軸心方向へシフト動作して後進段への変速動作が実行される際には、上記第2プレボークヘッド26の当接ピン26bがコイルスプリング26cの付勢力に抗して第1プレボークヘッド47aを乗り越えることでシフトアンドセレクトシャフト20の後進段へのシフト動作(軸心方向の移動)が許容されるため、この後進段への変速動作は上記各プレボークヘッド47a,40a,26,28による悪影響を受けることなく円滑に行われることになる。
尚、本実施形態では、1速―2速用フォークシャフト47及び3速―4速用フォークシャフト40とシフトアンドセレクトシャフト20との間でギヤ鳴りの防止機構を構成する場合について説明したが、その他の複数のフォークシャフト(例えば3速―4速用フォークシャフト40及び5速―6速用フォークシャフト)とシフトアンドセレクトシャフト20との間でギヤ鳴りの防止機構を構成したり、全てのフォークシャフトとシフトアンドセレクトシャフト20との間でギヤ鳴りの防止機構を構成するようにしてもよい。
また、各フォークシャフト40,47に設けられている第1プレボークヘッド40a,47aに対する第2プレボークヘッド26,28のそれぞれの当接位置としては、第1プレボークヘッド40a,47aの外側(各フォークシャフト40,47の軸心方向の両外側)であってもよく、この場合にも、第2プレボークヘッド26,28それぞれが受ける第1プレボークヘッド47a,40aからの反力は互いに逆方向となり、これら反力によってシフトアンドセレクトシャフト20が軸心方向に移動してしまうといったことはない。また、第1プレボークヘッド40a,47aに対して第2プレボークヘッド26,28のそれぞれが同じ側(例えば図8における左側)に当接する構成とした場合には、上記第1実施形態の場合と同様のストッパ機構27を設けておく必要がある。
−その他の実施形態−
以上説明した各実施形態は、FF車両に搭載され、前進6速段、後進1速段の同期噛み合い式手動変速機に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)車両等、その他の形態の車両に搭載された手動変速機にも適用可能である。また、上記段数の異なる変速機(例えば前進5速段、後進1速段のもの)に対しても適用可能である。更には、ドライバのシフトチェンジ操作に連動するアクチュエータを備え、このアクチュエータによって変速動作を行う構成とされた変速機(所謂SMT:シーケンシャル・マニュアル・トランスミッション)に対しても本発明は適用可能である。
実施形態に係るマニュアルトランスミッションのギヤレイアウトを示す断面図である。 6速マニュアルトランスミッションのシフトパターンの概略を示す図である。 セレクト・シフト機構の一部をシフトアンドセレクトシャフトの軸心方向から見た断面図である。 3速―4速用フォークシャフトとシンクロメッシュ機構との係合部分を示す断面図である。 リバースアームとリバースアイドラギヤとの係合部分を示す図である。 第1実施形態におけるギヤ鳴りの防止機構及びその周辺部を示す図である。 図6におけるVII−VII線に沿った断面図である。 第2実施形態におけるギヤ鳴りの防止機構及びその周辺部を示す図である。 従来例におけるセレクト・シフト機構の概略構成を示す図である。 5速マニュアルトランスミッションのシフトパターンの概略を示す図である。
符号の説明
11 第1のシンクロメッシュ機構(同期装置)
12 第2のシンクロメッシュ機構(同期装置)
13 第3のシンクロメッシュ機構(同期装置)
20 シフトアンドセレクトシャフト(中間シャフト)
20b 操作レバー
26,28 第2プレボークヘッド(第2突起)
26c,28c コイルスプリング(付勢部材)
27 ストッパ機構
40 3速―4速用フォークシャフト(前進段用フォークシャフト)
47 1速―2速用フォークシャフト(前進段用フォークシャフト)
40a,47a 第1プレボークヘッド(第1突起)
50 リバースアーム(後進段用シフト部材)

Claims (5)

  1. 変速動作時に軸心回りに回動するセレクト動作と軸心方向へ移動するシフト動作とを行う中間シャフトと、
    前進段への変速時に、上記中間シャフトが所定前進段セレクト位置へのセレクト動作を行うことによってこの中間シャフトが係合され、中間シャフトのシフト動作に伴って軸心方向へ移動して同期装置を作動させながら所定前進段への変速動作を実行する前進段用フォークシャフトと、
    後進段への変速時に、上記中間シャフトが後進段セレクト位置へのセレクト動作を行うことによってこの中間シャフトが係合され、中間シャフトのシフト動作に伴って後進段への変速動作を実行する後進段用シフト部材とを有する手動変速機において、
    上記前進段用フォークシャフトの少なくとも一つには、そのシャフト半径方向外側に向けて突出する第1突起が設けられている一方、
    上記中間シャフトには、後進段用シフト部材に係合する後進段セレクト位置まで回動した際に上記第1突起に当接し、この第1突起が設けられている前進段用フォークシャフトに対して軸心方向の付勢力を与えて、この前進段用フォークシャフトを軸心方向へ移動させることにより上記同期装置を作動させる第2突起が設けられており、
    上記第1突起及び第2突起の少なくとも一方は、付勢部材によってシャフト半径方向外側に向けて付勢力が付与され、中間シャフトが上記後進段セレクト位置まで回動した後に軸心方向へ移動して後進段への変速動作が実行される際に、上記付勢部材の付勢力に抗して相手側の突起から後退し、この相手側の突起を乗り越えることで中間シャフトの後進段へのシフト動作が許容される構成となっていることを特徴とする手動変速機のギヤ鳴り防止装置。
  2. 上記請求項1記載の手動変速機のギヤ鳴り防止装置において、
    中間シャフトが後進段セレクト位置まで回動した際に、この中間シャフトに対して後進段への移動方向とは反対側への移動を阻止するストッパ機構が設けられていることを特徴とする手動変速機のギヤ鳴り防止装置。
  3. 変速動作時に軸心回りに回動するセレクト動作と軸心方向へ移動するシフト動作とを行う中間シャフトと、
    前進段への変速時に、上記中間シャフトが所定前進段セレクト位置へのセレクト動作を行うことによってこの中間シャフトが係合され、中間シャフトのシフト動作に伴って軸心方向へ移動して同期装置を作動させながら所定前進段への変速動作を実行する複数の前進段用フォークシャフトと、
    後進段への変速時に、上記中間シャフトが後進段セレクト位置へのセレクト動作を行うことによってこの中間シャフトが係合され、中間シャフトのシフト動作に伴って後進段への変速動作を実行する後進段用シフト部材とを有する手動変速機において、
    上記複数の前進段用フォークシャフトのうちの少なくとも2本の前進段用フォークシャフトには、そのシャフト半径方向外側に向けて突出する第1突起がそれぞれ設けられている一方、
    上記中間シャフトには、後進段用シフト部材に係合する後進段セレクト位置まで回動した際に上記各第1突起にそれぞれ当接し、これら第1突起が設けられている各前進段用フォークシャフトに対して軸心方向の付勢力を与えて、これら前進段用フォークシャフトを軸心方向へ移動させることにより複数の同期装置を作動させる複数の第2突起が設けられており、
    上記互いに当接する第1突起及び第2突起の少なくとも一方は、付勢部材によってシャフト半径方向外側に向けて付勢力が付与され、中間シャフトが上記後進段セレクト位置まで回動した後に軸心方向へ移動して後進段への変速動作が実行される際に、上記付勢部材の付勢力に抗して相手側の突起から後退し、この相手側の突起を乗り越えることで中間シャフトの後進段へのシフト動作が許容される構成となっていることを特徴とする手動変速機のギヤ鳴り防止装置。
  4. 上記請求項3記載の手動変速機のギヤ鳴り防止装置において、
    各前進段用フォークシャフトに設けられた各第1突起は、中間シャフトが後進段セレクト位置まで回動した際に、各第2突起に対して中間シャフトの軸心方向の両外側または両内側にそれぞれ当接するよう構成されていることを特徴とする手動変速機のギヤ鳴り防止装置。
  5. 上記請求項1〜4のうち何れか一つに記載の手動変速機のギヤ鳴り防止装置において、
    中間シャフトにはシャフト半径方向外側に延びる操作レバーが備えられており、セレクト動作時には、この操作レバーの操作力点に回動動作のための操作力が作用するようになっており、この操作力点と中間シャフトの軸心位置との間の距離は、中間シャフトが後進段セレクト位置に回動された際に第2突起が第1突起に当接する当接点と中間シャフトの軸心位置との間の距離よりも長く設定されていることを特徴とする手動変速機のギヤ鳴り防止装置。
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