JP2016136062A - 変速装置 - Google Patents

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昌夫 泉
Masao Izumi
昌夫 泉
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Abstract

【課題】 共通のアクチュエータで駆動される一対のシフトフォークの無駄ストロークを削減して変速機の軸方向寸法を小型化する。【解決手段】 変速操作装置S1は、第2シンクロ装置Bの第1スリーブ11aを作動させる第1シフトフォーク12aと、第6シンクロ装置Fの第2スリーブ11bを作動させる第2シフトフォーク12bとを共通のアクチュエータ13で駆動する。アクチュエータ13を一方向に駆動すると、第2シフトフォーク12bが一方向に移動して第6シンクロ装置Fが係合するが、第1シフトフォーク12aは停止して第2シンクロ装置Bは係合解除位置に保持される。逆にアクチュエータ13を他方向に駆動すると、第1シフトフォーク12aが他方向に移動して第2シンクロ装置Bが係合するが、第2シフトフォーク12bは停止して第6シンクロ装置Fは係合解除位置に保持される。【選択図】 図18

Description

本発明は、共通のアクチュエータで一対のシフトフォークを駆動して一対の噛合係合装置を作動させる変速装置に関する。
同軸2重に配置した入力軸と、それぞれ同軸2重に配置した一対の出力軸とを備え、駆動源の駆動力を2個の摩擦クラッチを介して何れかの入力軸に選択的に入力するとともに、その駆動力を何れかの出力軸から選択的に出力する、いわゆるデュアルクラッチ式の変速機において、入力軸から一方の出力軸に直接駆動力を出力する単純フローの動力伝達経路と、入力軸から両方の出力軸を経て駆動力を出力する複雑フローの動力伝達経路とを併用することで、限られた個数のギヤを有効に利用して骨格の大型化を回避しながら10段への多段化を図った変速機(図32参照)が、下記特許文献1により公知である。
DE 10 2011 117 046 A1
ところで、単純フローおよび複雑フローの動力伝達経路を併用した変速機において、一対の出力軸にそれぞれ設けられた一対のシンクロ装置を共通のアクチュエータで駆動することで、アクチュエータの数を削減して変速機の小型化を図るものが、本出願人の出願に係る特願2014−225255号により提案されている。
この変速機は、一対のシフトフォークが一方向に移動するときに、一方のシンクロ装置が係合して他方のシンクロ装置が空動し、一対のシフトフォークが他方向に移動するときに、他方のシンクロ装置が係合して一方のシンクロ装置が空動するが、シンクロ装置を空動させるためのシフトフォークのストロークが無駄ストロークとなり、その分だけ変速機の軸方向寸法が増加する問題があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、共通のアクチュエータで駆動される一対のシフトフォークの無駄ストロークを削減して変速機の軸方向寸法を小型化することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、相互に平行に配置される第1変速軸および第2変速軸と、前記第1変速軸に相対回転自在に支持された第1ギヤを該第1変速軸に結合可能な第1噛合係合装置と、前記第2変速軸に相対回転自在に支持された第2ギヤを該第2変速軸に結合可能な第2噛合係合装置と、前記第1、第2噛合係合装置を作動させる変速操作装置とを備える変速装置であって、前記変速操作装置は、前記第1噛合係合装置の第1スリーブを作動させる第1シフトフォークと、前記第2噛合係合装置の第2スリーブを作動させる第2シフトフォークと、前記第1シフトフォークと一体に形成された第1円筒部と、前記第2シフトフォークと一体に形成された第2円筒部と、前記第1円筒部の内周を軸方向摺動自在に案内する第1シフトロッドと、前記第2円筒部の内周を軸方向摺動自在に案内する第2シフトロッドと、前記第1円筒部の外周に軸方向摺動自在に嵌合する第3円筒部と、前記第2円筒部の外周に軸方向摺動自在に嵌合する第4円筒部と、前記第3、第4円筒部を一体で軸方向に駆動するアクチュエータと、前記第1シフトロッドの外周に形成された第1係合溝と、前記第2シフトロッドの外周に形成された第2係合溝と、前記第3円筒部の内周に形成された第3係合溝と、前記第4円筒部の内周に形成された第4係合溝と、前記第1円筒部を径方向内外に貫通して前記第1係合溝および前記第3係合溝を連通可能な第1貫通孔と、前記第2円筒部を径方向内外に貫通して前記第2係合溝および前記第4係合溝を連通可能な第2貫通孔と、前記第1貫通孔に保持されて前記第1係合溝あるいは前記第3係合溝に係合可能な第1ボールと、前記第2貫通孔に保持されて前記第2係合溝あるいは前記第4係合溝に係合可能な第2ボールと、前記第1シフトロッドに設けられて前記第1円筒部の軸方向一方への移動を規制する第1ストッパと、前記第2シフトロッドに設けられて前記第2円筒部の軸方向他方への移動を規制する第2ストッパと、前記第1円筒部に設けられて前記第3円筒部の軸方向他方への移動を規制する第3ストッパと、前記第2円筒部に設けられて前記第4円筒部の軸方向一方への移動を規制する第4ストッパとを備え、前記アクチュエータにより前記第3、第4円筒部が中立位置に操作されたとき、前記第1、第2円筒部がそれぞれ前記第1、第2ストッパに当接するとともに、前記第3、第4円筒部がそれぞれ前記第3、第4ストッパに当接した状態で、前記第1係合溝、前記第3係合溝および前記第1貫通孔が軸方向の同一位置にあり、かつ前記第2係合溝、前記第4係合溝および前記第2貫通孔が軸方向の同一位置にあって前記第1、第2噛合係合装置が係合解除し、前記アクチュエータにより前記第3、第4円筒部が前記中立位置から軸方向一方側の第1位置に操作されたとき、前記第3円筒部が前記第1ボールを前記第1係合溝に押し込みながら前記第1円筒部に対して摺動するとともに、前記第4円筒部が前記第4ストッパを押すことで前記第2ボールを前記第2係合溝から離脱させながら前記第2円筒部が前記第2シフトロッドに対して軸方向一方に摺動して前記第2シフトフォークが前記第2噛合係合装置を係合し、また前記アクチュエータにより前記第3、第4円筒部が前記中立位置から軸方向他方側の第2位置に操作されたとき、前記第4円筒部が前記第2ボールを前記第2係合溝に押し込みながら前記第2円筒部に対して摺動するとともに、前記第3円筒部が前記第3ストッパを押すことで前記第1ボールを前記第1係合溝から離脱させながら前記第1円筒部が前記第1シフトロッドに対して軸方向他方に摺動して前記第1シフトフォークが前記第1噛合係合装置を係合することを特徴とする変速装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、相互に平行に配置される第1出力軸および第2出力軸と、前記第1出力軸および前記第2出力軸の外周にそれぞれ相対回転自在に嵌合する第1副出力軸および第2副出力軸と、前記第1副出力軸を前記第1出力軸に結合可能な第3噛合係合装置と、前記第2副出力軸を前記第2出力軸に結合可能な第4噛合係合装置と、前記第3、第4噛合係合装置を作動させる変速操作装置とを備える変速装置であって、前記変速操作装置は、前記第3噛合係合装置の第1スリーブを作動させる第1シフトフォークと、前記第4噛合係合装置の第2スリーブを作動させる第2シフトフォークと、前記第1シフトフォークと一体に形成された第1円筒部と、前記第2シフトフォークと一体に形成された第2円筒部と、前記第1円筒部の内周を軸方向摺動自在に案内する第1シフトロッドと、前記第2円筒部の内周を軸方向摺動自在に案内する第2シフトロッドと、前記第1円筒部の外周に軸方向摺動自在に嵌合する第3円筒部と、前記第2円筒部の外周に軸方向摺動自在に嵌合する第4円筒部と、前記第3、第4円筒部を一体で軸方向に駆動するアクチュエータと、前記第1シフトロッドの外周に形成された第1係合溝と、前記第2シフトロッドの外周に形成された第2係合溝と、前記第3円筒部の内周に形成された第3係合溝と、前記第4円筒部の内周に形成された第4係合溝と、前記第1円筒部を径方向内外に貫通して前記第1係合溝および前記第3係合溝を連通可能な第1貫通孔と、前記第2円筒部を径方向内外に貫通して前記第2係合溝および前記第4係合溝を連通可能な第2貫通孔と、前記第1貫通孔に保持されて前記第1係合溝あるいは前記第3係合溝に係合可能な第1ボールと、前記第2貫通孔に保持されて前記第2係合溝あるいは前記第4係合溝に係合可能な第2ボールと、前記第1シフトロッドに設けられて前記第1円筒部の軸方向一方への移動を規制する第1ストッパと、前記第2シフトロッドに設けられて前記第2円筒部の軸方向他方への移動を規制する第2ストッパと、前記第1円筒部に設けられて前記第3円筒部の軸方向他方への移動を規制する第3ストッパと、前記第2円筒部に設けられて前記第4円筒部の軸方向一方への移動を規制する第4ストッパとを備え、前記アクチュエータにより前記第3、第4円筒部が中立位置に操作されたとき、前記第1、第2円筒部がそれぞれ前記第1、第2ストッパに当接するとともに、前記第3、第4円筒部がそれぞれ前記第3、第4ストッパに当接した状態で、前記第1係合溝、前記第3係合溝および前記第1貫通孔が軸方向の同一位置にあり、かつ前記第2係合溝、前記第4係合溝および前記第2貫通孔が軸方向の同一位置にあって前記第3、第4噛合係合装置が係合し、前記アクチュエータにより前記第3、第4円筒部が前記中立位置から軸方向一方側の第1位置に操作されたとき、前記第3円筒部が前記第1ボールを前記第1係合溝に押し込みながら前記第1円筒部に対して摺動するとともに、前記第4円筒部が前記第4ストッパを押すことで前記第2ボールを前記第2係合溝から離脱させながら前記第2円筒部が前記第2シフトロッドに対して軸方向一方に摺動して前記第2シフトフォークが前記第4噛合係合装置を係合解除し、また前記アクチュエータにより前記第3、第4円筒部が前記中立位置から軸方向他方側の第2位置に操作されたとき、前記第4円筒部が前記第2ボールを前記第2係合溝に押し込みながら前記第2円筒部に対して摺動するとともに、前記第3円筒部が前記第3ストッパを押すことで前記第1ボールを前記第1係合溝から離脱させながら前記第1円筒部が前記第1シフトロッドに対して軸方向他方に摺動して前記第1シフトフォークが前記第3噛合係合装置を係合解除することを特徴とする変速装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、変速軸と、前記変速軸に相対回転自在に支持された第3ギヤを該変速軸に結合可能な第5噛合係合装置と、前記変速軸に相対回転自在に支持された第4ギヤを該変速軸に結合可能な第6噛合係合装置と、前記第5、第6噛合係合装置を作動させる変速操作装置とを備える変速装置であって、前記変速操作装置は、前記第5噛合係合装置の第1スリーブを作動させる第1シフトフォークと、前記第6噛合係合装置の第2スリーブを作動させる第2シフトフォークと、前記第1シフトフォークと一体に形成された第1円筒部と、前記第2シフトフォークと一体に形成された第2円筒部と、前記第1、第2円筒部の内周を軸方向摺動自在に案内するシフトロッドと、前記第1円筒部の外周に軸方向摺動自在に嵌合する第3円筒部と、前記第2円筒部の外周に軸方向摺動自在に嵌合する第4円筒部と、前記第3、第4円筒部を一体で軸方向に駆動するアクチュエータと、前記シフトロッドの外周に形成された第1、第2係合溝と、前記第3円筒部の内周に形成された第3係合溝と、前記第4円筒部の内周に形成された第4係合溝と、前記第1円筒部を径方向内外に貫通して前記第1係合溝および前記第3係合溝を連通可能な第1貫通孔と、前記第2円筒部を径方向内外に貫通して前記第2係合溝および前記第4係合溝を連通可能な第2貫通孔と、前記第1貫通孔に保持されて前記第1係合溝あるいは前記第3係合溝に係合可能な第1ボールと、前記第2貫通孔に保持されて前記第2係合溝あるいは前記第4係合溝に係合可能な第2ボールと、前記シフトロッドに設けられて前記第1円筒部の軸方向一方への移動を規制する第1ストッパと、前記シフトロッドに設けられて前記第2円筒部の軸方向他方への移動を規制する第2ストッパと、前記第1円筒部に設けられて前記第3円筒部の軸方向他方への移動を規制する第3ストッパと、前記第2円筒部に設けられて前記第4円筒部の軸方向一方への移動を規制する第4ストッパとを備え、前記アクチュエータにより前記第3、第4円筒部が中立位置に操作されたとき、前記第1、第2円筒部がそれぞれ前記第1、第2ストッパに当接するとともに、前記第3、第4円筒部がそれぞれ前記第3、第4ストッパに当接した状態で、前記第1係合溝、前記第3係合溝および前記第1貫通孔が軸方向の同一位置にあり、かつ前記第2係合溝、前記第4係合溝および前記第2貫通孔が軸方向の同一位置にあって前記第5、第6噛合係合装置が係合解除し、前記アクチュエータにより前記第3、第4円筒部が前記中立位置から軸方向一方側の第1位置に操作されたとき、前記第3円筒部が前記第1ボールを前記第1係合溝に押し込みながら前記第1円筒部に対して摺動するとともに、前記第4円筒部が前記第4ストッパを押すことで前記第2ボールを前記第2係合溝から離脱させながら前記第2円筒部が前記シフトロッドに対して軸方向一方に摺動して前記第2シフトフォークが前記第6噛合係合装置を係合し、また前記アクチュエータにより前記第3、第4円筒部が前記中立位置から軸方向他方側の第2位置に操作されたとき、前記第4円筒部が前記第2ボールを前記第2係合溝に押し込みながら前記第2円筒部に対して摺動するとともに、前記第3円筒部が前記第3ストッパを押すことで前記第1ボールを前記第1係合溝から離脱させながら前記第1円筒部が前記シフトロッドに対して軸方向他方に摺動して前記第1シフトフォークが前記第5噛合係合装置を係合することを特徴とする変速装置が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、前記第1係合溝は前記第1ボールを吸着可能な磁力を有するとともに、前記第2係合溝は前記第2ボールを吸着可能な磁力を有することを特徴とする変速装置が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、前記第1係合溝、前記第3係合溝、前記第1貫通孔および前記第1ボールを複数セット備えるとともに、前記第2係合溝、前記第4係合溝、前記第2貫通孔および前記第2ボールを複数セット備えることを特徴とする変速装置が提案される。
尚、実施の形態の第1副出力軸Os1は本発明の第1変速軸に対応し、実施の形態の第2副出力軸Os2は本発明の第2変速軸あるいは変速軸に対応し、実施の形態の第2シンクロ装置Bおよび第3シンクロ装置Cは本発明の第1噛合係合装置に対応し、実施の形態の第6シンクロ装置Fおよび第7シンクロ装置Gは本発明の第2噛合係合装置に対応し、実施の形態の第1シンクロ装置Aは本発明の第3噛合係合装置に対応し、実施の形態の第5シンクロ装置Eは本発明の第4噛合係合装置に対応し、実施の形態の第8シンクロ装置Hは本発明の第5噛合係合装置に対応し、実施の形態の第9シンクロ装置Iは本発明の第6噛合係合装置に対応し、実施の形態の第1出力ギヤGo1および第2出力ギヤGo2は本発明の第1ギヤに対応し、実施の形態の第5出力ギヤGo5および第6出力ギヤGo6は本発明の第2ギヤに対応し、実施の形態の第7出力ギヤGo7は本発明の第3ギヤに対応し、実施の形態のリバースドリブンギヤGr2は本発明の第4ギヤに対応し、実施の形態の第3シフトロッド14cは本発明のシフトロッドに対応し、実施の形態の第1変速操作装置S1〜第4変速操作装置S4は本発明の変速操作装置に対応する。
請求項1の構成によれば、変速機の変速操作装置は、第1変速軸に設けた第1噛合係合装置の第1スリーブを作動させる第1シフトフォークと、第2変速軸に設けた第2噛合係合装置の第2スリーブを作動させる第2シフトフォークとを共通のアクチュエータで駆動する。アクチュエータで第3円筒部および第4円筒部を一方向に駆動すると、第4円筒部が第2円筒部の第4ストッパを押圧することで、第2ボールを第2係合溝から離脱させながら第2円筒部と共に第2シフトフォークが一方向に移動して第2噛合係合装置が係合するが、第1円筒部は第1ストッパで一方向への移動を阻止されているため、第3円筒部は第1円筒部に対して一方向に摺動して第1噛合係合装置は係合解除位置に保持される。この状態からアクチュエータで第3円筒部および第4円筒部を他方向に戻すと、第4円筒部に第2ボールを介して係合する第2円筒部が第2シフトフォークと共に他方向に移動して第2噛合係合装置が係合解除するが、第1円筒部は第1ボールを介して第1シフトロッドに結合されているために第3円筒部は第1円筒部に対して他方向に摺動する。
またアクチュエータで第3円筒部および第4円筒部を他方向に駆動すると、第3円筒部が第1円筒部の第3ストッパを押圧することで、第1ボールを第1係合溝から離脱させながら第1円筒部と共に第1シフトフォークが他方向に移動して第1噛合係合装置が係合するが、第2円筒部は第2ストッパで他方向への移動を阻止されているため、第4円筒部は第2円筒部に対して他方向に摺動して第2噛合係合装置は係合解除位置に保持される。この状態からアクチュエータで第3円筒部および第4円筒部を一方向に戻すと、第3円筒部に第1ボールを介して係合する第1円筒部が第1シフトフォークと共に一方向に移動して第1噛合係合装置が係合解除するが、第2円筒部は第2ボールを介して第2シフトロッドに結合されているために第4円筒部は第2円筒部に対して一方向に摺動する。
これにより、第1シフトフォークで第1噛合係合装置を係合するときに第2シフトフォークの無駄ストロークが削減され、第2シフトフォークで第2噛合係合装置を係合するときに第1シフトフォークの無駄ストロークが削減されるため、その無駄ストロークの分だけ変速機の軸方向寸法が小型化される。
請求項2の構成によれば、変速機の変速操作装置は、第1変速軸に設けた第3噛合係合装置の第1スリーブを作動させる第1シフトフォークと、第2変速軸に設けた第4噛合係合装置の第2スリーブを作動させる第2シフトフォークとを共通のアクチュエータで駆動する。アクチュエータで第3円筒部および第4円筒部を一方向に駆動すると、第4円筒部が第2円筒部の第4ストッパを押圧することで、第2ボールを第2係合溝から離脱させながら第2円筒部と共に第2シフトフォークが一方向に移動して第4噛合係合装置が係合解除するが、第1円筒部は第1ストッパで一方向への移動を阻止されているため、第3円筒部は第1円筒部に対して一方向に摺動して第3噛合係合装置は係合位置に保持される。この状態からアクチュエータで第3円筒部および第4円筒部を他方向に戻すと、第4円筒部に第2ボールを介して係合する第2円筒部が第2シフトフォークと共に他方向に移動して第4噛合係合装置が係合するが、第1円筒部は第1ボールを介して第1シフトロッドに結合されているために第3円筒部は第1円筒部に対して他方向に摺動する。
またアクチュエータで第3円筒部および第4円筒部を他方向に駆動すると、第3円筒部が第1円筒部の第3ストッパを押圧することで、第1ボールを第1係合溝から離脱させながら第1円筒部と共に第1シフトフォークが他方向に移動して第3噛合係合装置が係合解除するが、第2円筒部は第2ストッパで他方向への移動を阻止されているため、第4円筒部は第2円筒部に対して他方向に摺動して第2噛合係合装置は係合位置に保持される。この状態からアクチュエータで第3円筒部および第4円筒部を一方向に戻すと、第3円筒部に第1ボールを介して係合する第1円筒部が第1シフトフォークと共に一方向に移動して第3噛合係合装置が係合するが、第2円筒部は第2ボールを介して第2シフトロッドに結合されているために第4円筒部は第2円筒部に対して一方向に摺動する。
これにより、第1シフトフォークで第3噛合係合装置を係合解除するときに第2シフトフォークの無駄ストロークが削減され、第2シフトフォークで第4噛合係合装置を係合解除するときに第1シフトフォークの無駄ストロークが削減されるため、その無駄ストロークの分だけ変速機の軸方向寸法が小型化される。
請求項3の構成によれば、変速機の変速操作装置は、変速軸に設けた第5噛合係合装置の第1スリーブを作動させる第1シフトフォークと、変速軸に設けた第6噛合係合装置の第2スリーブを作動させる第2シフトフォークとを共通のアクチュエータで駆動する。アクチュエータで第3円筒部および第4円筒部を一方向に駆動すると、第4円筒部が第2円筒部の第4ストッパを押圧することで、第2ボールを第2係合溝から離脱させながら第2円筒部と共に第2シフトフォークが一方向に移動して第6噛合係合装置が係合するが、第1円筒部は第1ストッパで一方向への移動を阻止されているため、第3円筒部は第1円筒部に対して一方向に摺動して第5噛合係合装置は係合解除位置に保持される。この状態からアクチュエータで第3円筒部および第4円筒部を他方向に戻すと、第4円筒部に第2ボールを介して係合する第2円筒部が第2シフトフォークと共に他方向に移動して第6噛合係合装置が係合解除するが、第1円筒部は第1ボールを介してシフトロッドに結合されているために第3円筒部は第1円筒部に対して他方向に摺動する。
またアクチュエータで第3円筒部および第4円筒部を他方向に駆動すると、第3円筒部が第1円筒部の第3ストッパを押圧することで、第1ボールを第1係合溝から離脱させながら第1円筒部と共に第1シフトフォークが他方向に移動して第5噛合係合装置が係合するが、第2円筒部は第2ストッパで他方向への移動を阻止されているため、第4円筒部は第2円筒部に対して他方向に摺動して第6噛合係合装置は係合解除位置に保持される。この状態からアクチュエータで第3円筒部および第4円筒部を一方向に戻すと、第3円筒部に第1ボールを介して係合する第1円筒部が第1シフトフォークと共に一方向に移動して第5噛合係合装置が係合解除するが、第2円筒部は第2ボールを介してシフトロッドに結合されているために第4円筒部は第2円筒部に対して一方向に摺動する。
これにより、第1シフトフォークで第5噛合係合装置を係合するときに第2シフトフォークの無駄ストロークが削減され、第2シフトフォークで第6噛合係合装置を係合するときに第1シフトフォークの無駄ストロークが削減されるため、その無駄ストロークの分だけ変速機の軸方向寸法が小型化される。
また請求項4の構成によれば、第1係合溝は第1ボールを吸着可能な磁力を有するとともに、第2係合溝は第2ボールを吸着可能な磁力を有するので、中立位置において第1、第2ボールをそれぞれ第1、第2係合溝に安定的に保持し、第1シフトロッドおよび第2シフトロッドに対する第1円筒部および第2円筒部のガタをそれぞれ防止して可動部の摩耗を最小限に抑えることができる。
また請求項5の構成によれば、第1係合溝、第3係合溝、第1貫通孔および第1ボールを複数セット備えるとともに、第2係合溝、第4係合溝、第2貫通孔および第2ボールを複数セット備えるので、第1シフトロッドおよび第2シフトロッドに対する第1円筒部および第2円筒部のガタを一層効果的に防止するとともに、ボールの接触部の面圧を低減して摩耗を最小限に抑えることができる。
変速機のスケルトン図。(第1の実施の形態) 図1の軸方向矢視図。(第1の実施の形態) 各入力ギヤおよび各出力ギヤの歯数を示す図。(第1の実施の形態) 各変速段のレシオおよび各変速段の公比を示す図。(第1の実施の形態) 摩擦クラッチおよびシンクロ装置の係合表。(第1の実施の形態) 1速変速段→2速変速段の順次変速過程の説明図。(第1の実施の形態) 2速変速段→3速変速段の順次変速過程の説明図。(第1の実施の形態) 3速変速段→4速変速段の順次変速過程の説明図。(第1の実施の形態) 4速変速段→5速変速段の順次変速過程の説明図。(第1の実施の形態) 5速変速段→6速変速段の順次変速過程の説明図。(第1の実施の形態) 6速変速段→7速変速段の順次変速過程の説明図。(第1の実施の形態) 7速変速段→8速変速段の順次変速過程の説明図。(第1の実施の形態) 8速変速段→9速変速段の順次変速過程の説明図。(第1の実施の形態) 9速変速段→10速変速段の順次変速過程の説明図。(第1の実施の形態) 10速変速段→11速変速段の順次変速過程の説明図。(第1の実施の形態) リバース変速段→1速変速段の変速過程の説明図。(第1の実施の形態) 第1、第2副出力軸に対する2個の変速操作装置の配置を示す図。(第1の実施の形態) 第1変速操作装置の構造を示す図(中立位置)。(第1の実施の形態) 第1変速操作装置の作用説明図(右動位置)。(第1の実施の形態) 第1変速操作装置の作用説明図(左動位置)。(第1の実施の形態) 図18の要部拡大図。(第2の実施の形態) 変速機のスケルトン図。(第3の実施の形態) 第1、第2副出力軸に対する4個の変速操作装置の配置を示す図。(第3の実施の形態) 摩擦クラッチおよびシンクロ装置の係合表。(第3の実施の形態) リバース変速段→1速変速段の変速過程の説明図。(第3の実施の形態) 第3変速操作装置の構造を示す図(中立位置)。(第3の実施の形態) 第3変速操作装置の作用説明図(右動位置)。(第3の実施の形態) 第3変速操作装置の作用説明図(左動位置)。(第3の実施の形態) 第4変速操作装置の構造を示す図(中立位置)。(第3の実施の形態) 第4変速操作装置の作用説明図(右動位置)。(第3の実施の形態) 第4変速操作装置の作用説明図(左動位置)。(第3の実施の形態) 変速機のスケルトン図。(従来例)
第1の実施の形態
以下、図1〜図20に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1および図2に示すように、本実施の形態の前進11段のトリプルクラッチ式の変速機Tは、エンジンPに第3摩擦クラッチC3を介して接続された第3入力軸Im3と、第3入力軸Im3の外周に相対回転自在に嵌合してエンジンPに第1摩擦クラッチC1を介して接続された第1入力軸Im1と、第1入力軸Im1の外周に相対回転自在に嵌合してエンジンPに第2摩擦クラッチC2を介して接続された第2入力軸Im2とを備える。第3入力軸Im3は最内周に配置され、第2入力軸Im2は最外周に配置され、第3入力軸Im3および第2入力軸Im2の中間に第1入力軸Im1が配置される。第1摩擦クラッチC1、第2摩擦クラッチC2および第3摩擦クラッチC3は、第1入力軸Im1、第2入力軸Im2および第3入力軸Im3の軸端とエンジンPとの間に一纏めにして配置される。
第1入力軸Im1、第2入力軸Im2および第3入力軸Im3に対して第1出力軸Om1および第2出力軸Om2が平行に配置されており、第1出力軸Om1の外周に第1副出力軸Os1が相対回転自在に嵌合するとともに、第2出力軸Om2の外周に第2副出力軸Os2が相対回転自在に嵌合する。
第1入力軸Im1に第1入力ギヤGi1が固設され、第2入力軸Im2に第2入力ギヤGi2が固設され、第3入力軸Im3に第3入力ギヤGi3および第4入力ギヤGi4が固設される。
第1入力ギヤGi1は、第1副出力軸Os1に相対回転自在に支持した第1出力ギヤGo1と、第2副出力軸Os2に相対回転自在に支持した第5出力ギヤGo5とに噛合し、第2入力ギヤGi2は、第1副出力軸Os1に相対回転自在に支持した第2出力ギヤGo2と、第2副出力軸Os2に相対回転自在に支持した第6出力ギヤGo6とに噛合し、第3入力ギヤGi3は、第1副出力軸Os1に相対回転自在に支持した第3出力ギヤGo3に噛合し、第4入力ギヤGi4は、第1副出力軸Os1に相対回転自在に支持した第4出力ギヤGo4と第2副出力軸Os2に相対回転自在に支持した第7出力ギヤGo7とに噛合する。
第1出力軸Om1と第1副出力軸Os1とは、第1シンクロ装置Aにより結合可能であり、第1出力ギヤGo1は第2シンクロ装置Bを介して第1副出力軸Os1に結合可能であり、第2出力ギヤGo2は第3シンクロ装置Cを介して第1副出力軸Os1に結合可能であり、第3出力ギヤGo3および第4出力ギヤGo4は第4シンクロ装置D1,D2を介して第1副出力軸Os1に選択的に結合可能である。第4シンクロ装置D1,D2は、スリーブの右動により第3出力ギヤGo3を第1副出力軸Os1に結合し、スリーブの左動により第4出力ギヤGo4を第1副出力軸Os1に結合する。
第2出力軸Om2と第2副出力軸Os2とは、第5シンクロ装置Eにより結合可能であり、第5出力ギヤGo5は第6シンクロ装置Fを介して第2副出力軸Os2に結合可能であり、第6出力ギヤGo6は第7シンクロ装置Gを介して第2副出力軸Os2に結合可能であり、第7出力ギヤGo7は第8シンクロ装置Hを介して第2副出力軸Os2に結合可能である。
第1出力軸Om1に固設した第1ファイナルドライブギヤGf1と、第2出力軸Om2に固設した第2ファイナルドライブギヤGf2とが、左右の駆動輪W,Wに駆動力を配分するディファレンシャルギヤGdのケースに固設したファイナルドリブンギヤGfに噛合する。
リバース変速段を確立するために、第1副出力軸Os1のエンジンP側の端部にリバースドライブギヤGr1が固設され、このリバースドライブギヤGr1に噛合するリバースドリブンギヤGr2が第2出力軸Om2のエンジンP側の端部(第2ファイナルドライブギヤGf2および第6出力ギヤGo6間)に相対回転自在に支持される。リバースドリブンギヤGr2を第2出力軸Om2に結合する第9シンクロ装置Iは、第2副出力軸Os2を第2出力軸Om2に結合する第5シンクロ装置Eと相互に対向するように配置される。第5シンクロ装置Eおよび第9シンクロ装置Iは共通のシフトフォークおよびスリーブで作動するもので、スリーブの左動によりリバースドリブンギヤGr2を第2出力軸Om2に結合し、スリーブの右動により第2ファイナルドライブギヤGf2を第2出力軸Om2に結合する。
このような骨格を備えた変速機Tは、第1摩擦クラッチC1〜第3摩擦クラッチC3の選択的な係合と、第1シンクロ装置A〜第8シンクロ装置Hの選択的な係合との組み合わせにより最大で合計25段の前進変速段を確立可能であるが、本実施の形態では、合計25段の前進変速段のうちから合計11段の前進変速段を選択して使用する。
図3には、第1入力ギヤGi1〜第4入力ギヤGi4および第1出力ギヤGo1〜第7出力ギヤGo7の歯数と、それらのうちの相互に噛合するギヤの歯数比とが示される。図4(A)および図4(B)には、上記歯数設定により達成される1速変速段〜11速変速段のレシオと、隣接する変速段間の公比とが示されており、1速変速段〜11速変速段のレシオが適切な間隔で配分されていることが分かる。
図5は第1摩擦クラッチC1〜第3摩擦クラッチC3および第1シンクロ装置A〜第9シンクロ装置Iの係合表であり、リバース変速段およびニュートラル変速段を含む各変速段で係合する摩擦クラッチおよびシンクロ装置が○印で示される。
以下、1速変速段〜11速変速段のトルクフローを順番に説明する。
<1速変速段>
1速変速段の確立時には、第1摩擦クラッチC1が係合し、第1シンクロ装置A、第4シンクロ装置D1(右動側)、第6シンクロ装置Fおよび第8シンクロ装置Hが係合する。その結果、図6(A)から明らかなように、エンジンPの駆動力は、第1摩擦クラッチC1→第1入力軸Im1→第1入力ギヤGi1→第5出力ギヤGo5→第6シンクロ装置F→第2副出力軸Os2→第8シンクロ装置H→第7出力ギヤGo7→第4入力ギヤGi4→第3入力軸Im3→第3入力ギヤGi3→第3出力ギヤGo3→第4シンクロ装置D1(右動側)→第1副出力軸Os1→第1シンクロ装置A→第1出力軸Om1→第1ファイナルドライブギヤGf1→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で駆動輪W,Wに伝達される。
<2速変速段>
2速変速段の確立時には、第2摩擦クラッチC2が係合し、第1シンクロ装置A、第4シンクロ装置D1(右動側)、第7シンクロ装置Gおよび第8シンクロ装置Hが係合する。その結果、図7(A)から明らかなように、エンジンPの駆動力は、第2摩擦クラッチC2→第2入力軸Im2→第2入力ギヤGi2→第6出力ギヤGo6→第7シンクロ装置G→第2副出力軸Os2→第8シンクロ装置H→第7出力ギヤGo7→第4入力ギヤGi4→第3入力軸Im3→第3入力ギヤGi3→第3出力ギヤGo3→第4シンクロ装置D1(右動側)→第1副出力軸Os1→第1シンクロ装置A→第1出力軸Om1→第1ファイナルドライブギヤGf1→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で駆動輪W,Wに伝達される。
<3速変速段>
3速変速段の確立時には、第3摩擦クラッチC3が係合し、第1シンクロ装置Aおよび第4シンクロ装置D1(右動側)が係合する。その結果、図8(A)から明らかなように、エンジンPの駆動力は、第3摩擦クラッチC3→第3入力軸Im3→第3入力ギヤGi3→第3出力ギヤGo3→第4シンクロ装置D1(右動側)→第1副出力軸Os1→第1シンクロ装置A→第1出力軸Om1→第1ファイナルドライブギヤGf1→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で駆動輪W,Wに伝達される。
<4速変速段>
4速変速段の確立時には、第1摩擦クラッチC1が係合し、第1シンクロ装置Aおよび第2シンクロ装置Bが係合する。その結果、図9(A)から明らかなように、エンジンPの駆動力は、第1摩擦クラッチC1→第1入力軸Im1→第1入力ギヤGi1→第1出力ギヤGo1→第2シンクロ装置B→第1副出力軸Os1→第1シンクロ装置A→第1出力軸Om1→第1ファイナルドライブギヤGf1→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で駆動輪W,Wに伝達される。
<5速変速段>
5速変速段の確立時には、第2摩擦クラッチC2が係合し、第1シンクロ装置Aおよび第3シンクロ装置Cが係合する。その結果、図10(A)から明らかなように、エンジンPの駆動力は、第2摩擦クラッチC2→第2入力軸Im2→第2入力ギヤGi2→第2出力ギヤGo2→第3シンクロ装置C→第1副出力軸Os1→第1シンクロ装置A→第1出力軸Om1→第1ファイナルドライブギヤGf1→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で駆動輪W,Wに伝達される。
<6速変速段>
6速変速段の確立時には、第3摩擦クラッチC3が係合し、第1シンクロ装置Aおよび第4シンクロ装置D2(左動側)が係合する。その結果、図11(A)から明らかなように、エンジンPの駆動力は、第3摩擦クラッチC3→第3入力軸Im3→第4入力ギヤGi4→第4出力ギヤGo4→第4シンクロ装置D2(左動側)→第1副出力軸Os1→第1シンクロ装置A→第1出力軸Om1→第1ファイナルドライブギヤGf1→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で駆動輪W,Wに伝達される。
<7速変速段>
7速変速段の確立時には、第1摩擦クラッチC1が係合し、第5シンクロ装置Eおよび第6シンクロ装置Fが係合する。その結果、図12(A)から明らかなように、エンジンPの駆動力は、第1摩擦クラッチC1→第1入力軸Im1→第1入力ギヤGi1→第5出力ギヤGo5→第6シンクロ装置F→第2副出力軸Os2→第5シンクロ装置E→第2出力軸Om2→第2ファイナルドライブギヤGf2→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で駆動輪W,Wに伝達される。
<8速変速段>
8速変速段の確立時には、第2摩擦クラッチC2が係合し、第5シンクロ装置Eおよび第7シンクロ装置Gが係合する。その結果、図13(A)から明らかなように、エンジンPの駆動力は、第2摩擦クラッチC2→第2入力軸Im2→第2入力ギヤGi2→第6出力ギヤGo6→第7シンクロ装置G→第2副出力軸Os2→第5シンクロ装置E→第2出力軸Om2→第2ファイナルドライブギヤGf2→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で駆動輪W,Wに伝達される。
<9速変速段>
9速変速段の確立時には、第3摩擦クラッチC3が係合し、第5シンクロ装置Eおよび第8シンクロ装置Hが係合する。その結果、図14(A)から明らかなように、エンジンPの駆動力は、第3摩擦クラッチC3→第3入力軸Im3→第4入力ギヤGi4→第7出力ギヤGo7→第8シンクロ装置H→第2副出力軸Os2→第5シンクロ装置E→第2出力軸Om2→第2ファイナルドライブギヤGf2→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で駆動輪W,Wに伝達される。
<10速変速段>
10速変速段の確立時には、第1摩擦クラッチC1が係合し、第2シンクロ装置B、第4シンクロ装置D1(右動側)、第5シンクロ装置Eおよび第8シンクロ装置Hが係合する。その結果、図15(A)から明らかなように、エンジンPの駆動力は、第1摩擦クラッチC1→第1入力軸Im1→第1入力ギヤGi1→第1出力ギヤGo1→第2シンクロ装置B→第1副出力軸Os1→第4シンクロ装置D1(右動側)→第3出力ギヤGo3→第3入力ギヤGi3→第3入力軸Im3→第4入力ギヤGi4→第7出力ギヤGo7→第8シンクロ装置H→第2副出力軸Os2→第5シンクロ装置E→第2出力軸Om2→第2ファイナルドライブギヤGf2→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で駆動輪W,Wに伝達される。
<11速変速段>
11速変速段の確立時には、第2摩擦クラッチC2が係合し、第3シンクロ装置C、第4シンクロ装置D1(右動側)、第5シンクロ装置Eおよび第8シンクロ装置Hが係合する。その結果、図15(D)から明らかなように、エンジンPの駆動力は、第2摩擦クラッチC2→第2入力軸Im2→第2入力ギヤGi2→第2出力ギヤGo2→第3シンクロ装置C→第1副出力軸Os1→第4シンクロ装置D1(右動側)→第3出力ギヤGo3→第3入力ギヤGi3→第3入力軸Im3→第4入力ギヤGi4→第7出力ギヤGo7→第8シンクロ装置H→第2副出力軸Os2→第5シンクロ装置E→第2出力軸Om2→第2ファイナルドライブギヤGf2→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で駆動輪W,Wに伝達される。
以上のように、第1摩擦クラッチC1〜第3摩擦クラッチC3の係合および第1シンクロ装置A〜第8シンクロ装置Hの係合を制御することで、1速変速段〜11速変速段が確立する。
次に、1速変速段から11速変速段へのアップシフトの順次変速の手順を説明する。
<1速変速段→2速変速段>
図6(A)に示す1速変速段での走行状態から、図6(B)に示すシフト準備過程で、第7シンクロ装置Gを係合して第6出力ギヤGo6を第2副出力軸Os2に結合することで、2速変速段へのプリシフトを行う。このとき、第2摩擦クラッチC2は未だ係合解除状態にあるため、1速変速段の動力伝達経路で駆動力が伝達されている第2副出力軸Os2に破線で示す動力伝達経路で同時に駆動力が伝達されることはなく、インターロックが発生する虞はない。
図6(C)に示すクラッチ切替過程で、第1摩擦クラッチC1を係合解除して第2摩擦クラッチC2を係合すると、1速変速段の動力伝達経路によるトルク伝達が行われなくなり、新たに駆動力が実線で示す動力伝達経路で伝達されることで、トルク抜けが発生することなく2速変速段が確立する。そして図6(D)に示すシフト解除過程で、1速変速段で係合していたが2速変速段では不要な第6シンクロ装置Fを係合解除することで、2速変速段へのアップシフトを完了する。
<2速変速段→3速変速段>
2速変速段に対して3速変速段で新たに係合するシンクロ装置は存在しないため、図7(A)に示す2速変速段での走行状態から図7(B)に示すシフト準備過程に移行するときには、特に操作は行われない。
図7(C)に示すクラッチ切替過程で、第2摩擦クラッチC2を係合解除して第3摩擦クラッチC3を係合すると、2速変速段の動力伝達経路によるトルク伝達が行われなくなり、新たに駆動力が実線で示す動力伝達経路で伝達されるようになり、トルク抜けが発生することなく3速変速段が確立する。そして図7(D)に示すシフト解除過程で、2速変速段で係合していたが3速変速段では不要な第7シンクロ装置Gおよび第8シンクロ装置Hを係合解除することで、2速変速段へのアップシフトを完了する。
<3速変速段→4速変速段>
図8(A)に示す3速変速段での走行状態から、図8(B)に示すシフト準備過程で、第2シンクロ装置Bを係合して第1出力ギヤGo1を第1副出力軸Os1に結合することで、4速変速段へのプリシフトを行う。このとき、第1摩擦クラッチC1は未だ係合解除状態にあるため、3速変速段の動力伝達経路で駆動力が伝達されている第1副出力軸Os1に破線で示す動力伝達経路で同時に駆動力が伝達されることはなく、インターロックが発生する虞はない。
図8(C)に示すクラッチ切替過程で、第3摩擦クラッチC3を係合解除して第1摩擦クラッチC1を係合すると、3速変速段の動力伝達経路によるトルク伝達が行われなくなり、新たに駆動力が実線で示す動力伝達経路で伝達されることで、トルク抜けが発生することなく4速変速段が確立する。そして図8(D)に示すシフト解除過程で、3速変速段で係合していたが4速変速段では不要な第4シンクロ装置D1(右動側)を係合解除することで、4速変速段へのアップシフトを完了する。
<4速変速段→5速変速段>
図9(A)に示す4速変速段での走行状態から、図9(B)に示すシフト準備過程で、第3シンクロ装置Cを係合して第2出力ギヤGo2を第1副出力軸Os1に結合することで、5速変速段へのプリシフトを行う。このとき、第2摩擦クラッチC2は未だ係合解除状態にあるため、4速変速段の動力伝達経路で駆動力が伝達されている第1副出力軸Os1に破線で示す動力伝達経路で同時に駆動力が伝達されることはなく、インターロックが発生する虞はない。
図9(C)に示すクラッチ切替過程で、第1摩擦クラッチC1を係合解除して第2摩擦クラッチC2を係合すると、4速変速段の動力伝達経路によるトルク伝達が行われなくなり、新たに駆動力が実線で示す動力伝達経路で伝達されることで、トルク抜けが発生することなく5速変速段が確立する。そして図9(D)に示すシフト解除過程で、4速変速段で係合していたが5速変速段では不要な第2シンクロ装置Bを係合解除することで、5速変速段へのアップシフトを完了する。
<5速変速段→6速変速段>
図10(A)に示す5速変速段での走行状態から、図10(B)に示すシフト準備過程で、第4シンクロ装置D2(左動側)を係合して第4出力ギヤGo4を第1副出力軸Os1に結合することで、6速変速段へのプリシフトを行う。このとき、第3摩擦クラッチC3は未だ係合解除状態にあるため、5速変速段の動力伝達経路で駆動力が伝達されている第1副出力軸Os1に破線で示す動力伝達経路で同時に駆動力が伝達されることはなく、インターロックが発生する虞はない。
図10(C)に示すクラッチ切替過程で、第2摩擦クラッチC2を係合解除して第3摩擦クラッチC3を係合すると、5速変速段の動力伝達経路によるトルク伝達が行われなくなり、新たに駆動力が実線で示す動力伝達経路で伝達されることで、トルク抜けが発生することなく6速変速段が確立する。そして図10(D)に示すシフト解除過程で、5速変速段で係合していたが6速変速段では不要な第3シンクロ装置Cを係合解除することで、6速変速段へのアップシフトを完了する。
<6速変速段→7速変速段>
図11(A)に示す6速変速段での走行状態から、図11(B)に示すシフト準備過程で、第5シンクロ装置Eおよび第6シンクロ装置Fを係合して第2副出力軸Os2を第2出力軸Om2に結合するとともに第5出力ギヤGo5を第2副出力軸Os2に結合することで、7速変速段へのプリシフトを行う。このとき、第1摩擦クラッチC1は未だ係合解除状態にあるため、6速変速段の動力伝達経路で駆動力が伝達されているファイナルドリブンギヤGfに破線で示す動力伝達経路で同時に駆動力が伝達されることはなく、インターロックが発生する虞はない。
図11(C)に示すクラッチ切替過程で、第3摩擦クラッチC3を係合解除して第1摩擦クラッチC1を係合すると、6速変速段の動力伝達経路によるトルク伝達が行われなくなり、新たに駆動力が実線で示す動力伝達経路で伝達されることで、トルク抜けが発生することなく7速変速段が確立する。そして図11(D)に示すシフト解除過程で、6速変速段で係合していたが7速変速段では不要な第1シンクロ装置Aおよび第4シンクロ装置D2(左動側)を係合解除することで、7速変速段へのアップシフトを完了する。
<7速変速段→8速変速段>
図12(A)に示す7速変速段での走行状態から、図12(B)に示すシフト準備過程で、第7シンクロ装置Gを係合して第6出力ギヤGo6を第2副出力軸Os2に結合することで、8速変速段へのプリシフトを行う。このとき、第2摩擦クラッチC2は未だ係合解除状態にあるため、7速変速段の動力伝達経路で駆動力が伝達されている第2副出力軸Os2に破線で示す動力伝達経路で同時に駆動力が伝達されることはなく、インターロックが発生する虞はない。
図12(C)に示すクラッチ切替過程で、第1摩擦クラッチC1を係合解除して第2摩擦クラッチC2を係合すると、7速変速段の動力伝達経路によるトルク伝達が行われなくなり、新たに駆動力が実線で示す動力伝達経路で伝達されることで、トルク抜けが発生することなく8速変速段が確立する。そして図12(D)に示すシフト解除過程で、7速変速段で係合していたが8速変速段では不要な第6シンクロ装置Fを係合解除することで、8速変速段へのアップシフトを完了する。
<8速変速段→9速変速段>
図13(A)に示す8速変速段での走行状態から、図13(B)に示すシフト準備過程で、第8シンクロ装置Hを係合して第7出力ギヤGo7を第2副出力軸Os2に結合することで、9速変速段へのプリシフトを行う。このとき、第3摩擦クラッチC3は未だ係合解除状態にあるため、8速変速段の動力伝達経路で駆動力が伝達されている第2副出力軸Os2に破線で示す動力伝達経路で同時に駆動力が伝達されることはなく、インターロックが発生する虞はない。
図13(C)に示すクラッチ切替過程で、第2摩擦クラッチC2を係合解除して第3摩擦クラッチC3を係合すると、8速変速段の動力伝達経路によるトルク伝達が行われなくなり、新たに駆動力が実線で示す動力伝達経路で伝達されることで、トルク抜けが発生することなく9速変速段が確立する。そして図13(D)に示すシフト解除過程で、8速変速段で係合していたが9速変速段では不要な第7シンクロ装置Gを係合解除することで、9速変速段へのアップシフトを完了する。
<9速変速段→10速変速段>
図14(A)に示す9速変速段での走行状態から、図14(B)に示すシフト準備過程で、第2シンクロ装置Bおよび第4シンクロ装置D1(右動側)を係合して第1出力ギヤGo1および第3出力ギヤGo3を第1副出力軸Os1に結合することで、10速変速段へのプリシフトを行う。このとき、第1摩擦クラッチC1は未だ係合解除状態にあるため、9速変速段の動力伝達経路で駆動力が伝達されている第2副出力軸Os2に破線で示す動力伝達経路で同時に駆動力が伝達されることはなく、インターロックが発生する虞はない。
図14(C)に示すクラッチ切替過程で、第3摩擦クラッチC3を係合解除して第1摩擦クラッチC1を係合すると、9速変速段の動力伝達経路によるトルク伝達が行われなくなり、新たに駆動力が実線で示す動力伝達経路で伝達されることで、トルク抜けが発生することなく10速変速段が確立する。そして図14(D)に示すシフト解除過程では、不要なシンクロ装置は係合していないために特に操作を行うことなく、10側変速段へのアップシフトを完了する。
<10速変速段→11速変速段>
図15(A)に示す10速変速段での走行状態から、図15(B)に示すシフト準備過程で、第3シンクロ装置Cを係合して第2出力ギヤGo2を第1副出力軸Os1に結合することで、11速変速段へのプリシフトを行う。このとき、第2摩擦クラッチC2は未だ係合解除状態にあるため、10速変速段の動力伝達経路で駆動力が伝達されている第2副出力軸Os2に破線で示す動力伝達経路で同時に駆動力が伝達されることはなく、インターロックが発生する虞はない。
図15(C)に示すクラッチ切替過程で、第1摩擦クラッチC1を係合解除して第2摩擦クラッチC2を係合すると、10速変速段の動力伝達経路によるトルク伝達が行われなくなり、新たに駆動力が実線で示す動力伝達経路で伝達されることで、トルク抜けが発生することなく11速変速段が確立する。そして図15(D)に示すシフト解除過程で、10速変速段で係合していたが11速変速段では不要な第2シンクロ装置Bを係合解除することで、11速変速段へのアップシフトを完了する。
以上のように、本実施の形態によれば、いわゆるクラッチtoクラッチ変速により、つまりプリシフトを行った状態で第1〜第3摩擦クラッチC1,C2,C3を掴み替えることにより、トルク抜けを発生させることなくアップシフトの順次変速を完了することができる。同様にして、クラッチtoクラッチ変速により、トルク抜けを発生させることなくダウンシフトの順次変速を完了することができる。
次に、リバース変速段→1速変速段の切り替えの手順を説明する。リバース変速段では第1摩擦クラッチC1が係合し、第4シンクロ装置D1(右動側)、第6シンクロ装置F、第8シンクロ装置Hおよび第9シンクロ装置Iが係合している(図16(A)参照)。この状態から、第1摩擦クラッチC1を係合解除し、第1シンクロ装置Aを係合し、かつ第9シンクロ装置Iを係合解除してニュートラル変速段にプリシフトする(図16(B)参照)。そして、第1摩擦クラッチC1を係合すると1速変速段が確立する(図16(C)参照)。
次に、図17〜図20に基づいて、第2シンクロ装置Bおよび第6シンクロ装置Fを操作する第1変速操作装置S1の構造および作用を説明する。
図17に示すように、第1副出力軸Os1に設けられて第1出力ギヤGo1を該第1副出力軸Os1に結合する第2シンクロ装置Bと、第2副出力軸Os2に設けられて第5出力ギヤGo5を該第2副出力軸Os2に結合する第6シンクロ装置Fとは、共通の第1変速操作装置S1により作動する。
図18に示すように、第1変速操作装置S1は、第2シンクロ装置Bの第1スリーブ11aを操作する第1シフトフォーク12aと、第6シンクロ装置Fの第2スリーブ11bを操作する第2シフトフォーク12bとを備え、第1、第2シフトフォーク12a,12bは共通のアクチュエータ13で駆動される。
図5の係合表から明らかなように、第2シンクロ装置Bおよび第6シンクロ装置Fは同時に係合することがなく、かつ第2シンクロ装置Bは左動により係合し、第6シンクロ装置Fは右動により係合するため、それらを共通のアクチュエータ13で支障なく駆動することが可能となる。
例えば、第1シフトフォーク12aを左動して第2シンクロ装置Bを係合するとき、第1シフトフォーク12aおよび第2シフトフォーク12bが単純に接続されていると仮定すると、第1シフトフォーク12aの左動に伴って第2シフトフォーク12bも左動するが、第2シフトフォーク12bに接続された第6シンクロ装置Fは単に空動するだけで係合することはない。しかしながら、第6シンクロ装置Fが空動すると、その空動を許容するための無駄スペースが必要になり、その分だけ変速機Tの軸方向寸法が増加する問題がある。
同様に、第2シフトフォーク12bを右動して第6シンクロ装置Fを係合するとき、第1シフトフォーク12aおよび第2シフトフォーク12bが単純に接続されていると仮定すると、第2シフトフォーク12bの右動に伴って第1シフトフォーク12aも右動するが、第1シフトフォーク12aに接続された第2シンクロ装置Bは単に空動するだけで係合することはない。しかしながら、第2シンクロ装置Bが空動すると、その空動を許容するための無駄スペースが必要になり、その分だけ変速機Tの軸方向寸法が増加する問題がある。
そこで、本実施の形態では、共通のアクチュエータ13で第1シフトフォーク12aおよび第2シフトフォーク12bを操作する場合に、一方のシフトフォークが作動したときに他方のシフトフォークの空動を防止することで、その空動を許容する無駄スペースを廃止して変速機Tの軸方向寸法を小型化するようになっている。
即ち、ミッションケースに第1シフトロッド14aおよび第2シフトロッド14bが固定されており、第1シフトロッド14aの外周に第1シフトフォーク12aが固定された第1円筒部15aが摺動自在に嵌合し、第2シフトロッド14bの外周に第2シフトフォーク12bが固定された第2円筒部15bが摺動自在に嵌合する。また第1円筒部15aの外周に摺動自在に嵌合する第3円筒部16aと、第2円筒部15bの外周に摺動自在に嵌合する第4円筒部16bとが連結部材17で連結され、その連結部材17にアクチュエータ13が接続される。従って、アクチュエータ13を駆動すると、連結部材17、第3円筒部16aおよび第4円筒部16bが一体に移動する。
第1シフトロッド14aには、第1円筒部15aの右端に当接して右動を規制する第1ストッパ18aが設けられ、第2シフトロッド14bには第2円筒部15bの左端に当接して左動を規制する第2ストッパ18bが設けられる。また第1円筒部15aには、第3円筒部16aの左端に当接して左動を規制する第3ストッパ19aが設けられ、第2円筒部15bには、第4円筒部16bの右端に当接して右動を規制する第4ストッパ19bが設けられる。アクチュエータ13が中立位置にあるとき、第1円筒部15aが第1ストッパ18aに当接し、第3円筒部16aが第3ストッパ19aに当接し、第2円筒部15bが第2ストッパ18bに当接し、第4円筒部16bが第4ストッパ19bに当接する。
第1シフトロッド14aの外周に形成された第1係合溝20aと、第3円筒部16aの内周に形成された第3係合溝21aとの間に、第1円筒部15aを径方向に貫通する第1貫通孔22aが位置しており、アクチュエータ13が中立位置にあるとき、第1係合溝20a、第3係合溝21aおよび第1貫通孔22aに跨がるように第1ボール23aが収納される。また第2シフトロッド14bの外周に形成された第2係合溝20bと、第4円筒部16bの内周に形成された第4係合溝21bとの間に、第2円筒部15bを径方向に貫通する第2貫通孔22bが位置しており、アクチュエータ13が中立位置にあるとき、第2係合溝20b、第4係合溝21bおよび第2貫通孔22bに跨がるように第2ボール23bが収納される。
第1ボール23aの直径は、それが径方向外側に移動したときに第1係合溝20aから離脱し、それが径方向内側に移動したときに第3係合溝21aから離脱するように設定される。同様に、第2ボール23bの直径は、それが径方向外側に移動したときに第2係合溝20bから離脱し、それが径方向内側に移動したときに第4係合溝21bから離脱するように設定される。
第1円筒部15aには第1ディテント機構24aが設けられており、第1ディテント機構24aにより第1円筒部15aは中立位置と、そこから左動した左動位置とで節度を持って停止可能である。第2円筒部15bには第2ディテント機構24bが設けられており、第2ディテント機構24bにより第2円筒部15bは中立位置と、そこから右動した右動位置とで節度を持って停止可能である。
以下、第1変速操作装置S1の作用を説明する。図18に示すように、アクチュエータ13が中立位置にあるとき、第3円筒部16aは第1円筒部15aの第3ストッパ19aに当接し、第1円筒部15aは第1シフトロッド14aの第1ストッパ18aに当接し、第1シフトフォーク12aは中立位置にある。また第4円筒部16bは第2円筒部15bの第4ストッパ19bに当接し、第2円筒部15bは第2シフトロッド14bの第2ストッパ18bに当接し、第2シフトフォーク12bは中立位置にある。
この状態から、図19に示すように、アクチュエータ13を一方向(図中右方向)に駆動すると、第1円筒部15aは第1ストッパ18aに当接して一方向への移動を阻止されているため、第3円筒部16aは第1円筒部15aの外周を摺動して一方向に空動する。このとき、第1ボール23aは空動する第3円筒部16aの第3係合溝21aから押し出され、第1円筒部15aの第1貫通孔22aおよび第1シフトロッド14aの第1係合溝20aに嵌合するため、第3円筒部16aの空動が許容される。よって、第1円筒部15aと一体の第1シフトフォーク12aは移動せず、第2シンクロ装置Bは係合解除位置に維持される。
一方、第4円筒部16bは第2円筒部15bの第4ストッパ19bに当接しているため、一方向に移動する第4円筒部16bに押された第2円筒部15bが第2シフトロッド14bの外周を摺動して一方向に移動し、第2円筒部15bと一体の第2シフトフォーク12bが第2スリーブ11bを一方向に駆動することで、第6シンクロ装置Fが係合する。このとき、第2ボール23bは第2シフトロッド14bの第2係合溝20bから押し出され、第2円筒部15bの第2貫通孔22bおよび第4円筒部16bの第4係合溝21bに嵌合するため、第2円筒部15bの一方向への移動が許容される、また第2ディテント機構24bは第2シフトロッド14b上を一方向に1ピッチ移動することで、第2シフトフォーク12bが右動位置に安定的に保持される。
以上のように、アクチュエータ13を一方向に駆動すると、第1シフトフォーク12aが停止したまま、第2シフトフォーク12bだけが一方向に移動し、第2シンクロ装置Bを非係合状態に維持したまま第6シンクロ装置Fだけを係合することができる。これにより、第1シフトフォーク12aが一方向に空動する無駄スペースが不要になり、変速機Tの軸方向寸法の小型化が可能になる。
この状態から、アクチュエータ13を他方向(図中左方向)に駆動すると、第1円筒部15aは第1ボール23aを介して第1シフトロッド14aの第1係合溝20aに結合されているため、第3円筒部16aは第1円筒部15aの外周を他方向に摺動し、第3ストッパ19aに当接する元位置へと復帰する。
一方、第2円筒部15bは第2ボール23bを介して第4円筒部16bと係合しているため、第4円筒部16bに押された第2円筒部15bが他方向に移動し、第2円筒部15bが第2シフトロッド14bの第2ストッパ18bに当接する位置に復帰する。その結果、第2円筒部15bと一体の第2シフトフォーク12bが他方向に移動することで、第2スリーブ11bが中立位置に復帰して第6シンクロ装置Fが係合解除する。このとき、第2ディテント機構24bは第2シフトロッド14b上を他方向に1ピッチ移動することで、第2シフトフォーク12bが中立位置に安定的に保持される。
逆に、図20に示すように、アクチュエータ13を他方向(図中左方向)に駆動すると、第2円筒部15bは第2ストッパ18bに当接して他方向への移動を阻止されているため、第4円筒部16bは第2円筒部15bの外周を摺動して他方向に空動する。このとき、第2ボール23bは空動する第4円筒部16bの第4係合溝21bから押し出され、第2円筒部15bの第2貫通孔22bおよび第2シフトロッド14bの第2係合溝20bに嵌合するため、第4円筒部16bの空動が許容される。よって、第2円筒部15bと一体の第2シフトフォーク12bは移動せず、第6シンクロ装置Fは係合解除位置に維持される。
一方、第3円筒部16aは第1円筒部15aの第3ストッパ19aに当接しているため、他方向に移動する第3円筒部16aに押された第1円筒部15aが第1シフトロッド14aの外周を摺動して他方向に移動し、第1円筒部15aと一体の第1シフトフォーク12aが第1スリーブ11aを他方向に駆動することで、第2シンクロ装置Bが係合する。このとき、第1ボール23aは第1シフトロッド14aの第1係合溝20aから押し出され、第1円筒部15aの第1貫通孔22aおよび第3円筒部16aの第3係合溝21aに嵌合するため、第1円筒部15aの他方向への移動が許容される、また第1ディテント機構24aは第1シフトロッド14a上を他方向に1ピッチ移動することで、第1シフトフォーク12aが左動位置に安定的に保持される。
以上のように、アクチュエータ13を他方向に駆動すると、第2シフトフォーク12bが停止したまま、第1シフトフォーク12aだけが他方向に移動し、第6シンクロ装置Fを非係合状態に維持したまた第2シンクロ装置Bだけを係合することができる。これにより、第2シフトフォーク12bが他方向に空動する無駄スペースが不要になり、変速機Tの軸方向寸法の小型化が可能になる。
この状態から、アクチュエータ13を一方向(図中右方向)に駆動すると、第2円筒部15bは第2ボール23bを介して第2シフトロッド14bの第2係合溝20bに結合されているため、第4円筒部16bは第2円筒部15bの外周を一方向に摺動し、第4ストッパ19bに当接する元位置へと復帰する。
一方、第1円筒部15aは第1ボール23aを介して第3円筒部16aと係合しているため、第3円筒部16aに押された第1円筒部15aが一方向に移動し、第1円筒部15aが第1シフトロッド14aの第1ストッパ18aに当接する位置に復帰する。その結果、第1円筒部15aと一体の第1シフトフォーク12aが一方向に移動することで、第1スリーブ11aが中立位置に復帰して第2シンクロ装置Bが係合解除する。このとき、第1ディテント機構24aは第1シフトロッド14a上を一方向に1ピッチ移動することで、第1シフトフォーク12aが中立位置に安定的に保持される。
以上のように、本実施の形態の第1変速操作装置S1によれば、第1シフトフォーク12aは中立位置から左動して第2シンクロ装置Bを係合するだけで中立位置から右動することはなく、第2シフトフォーク12bは中立位置から右動して第6シンクロ装置Fを係合するだけで中立位置から左動することはないので、第1シフトフォーク12aおよび第2シフトフォーク12bの無駄ストロークを削減して変速機Tの軸方向寸法を小型化することができる。
図17に示すように、第2シンクロ装置Bおよび第6シンクロ装置Fを操作する第1変速操作装置S1に隣接して配置される第2変速操作装置S2は、第3シンクロ装置Cおよび第7シンクロ装置G操作するものであり、その構造および作用は第1変速操作装置S1と実質的に同じである。
但し、隣接して配置された第1変速操作装置S1および第2変速操作装置S2が相互に干渉するのを回避すべく、第1変速操作装置S1の第1シフトフォーク12aが第1円筒部15aの図中右端に設けられるのに対し、第2変速操作装置S2の第1シフトフォーク12aは第1円筒部15aの図中左端に設けられており、2個の第1シフトフォーク12a,12aの間隔を接近させて第2シンクロ装置Bおよび第3シンクロ装置Cの第1スリーブ11a,11aへの係合を可能にしている。同様に、第1変速操作装置S1の第2シフトフォーク12bが第2円筒部15bの図中右端に設けられるのに対し、第2変速操作装置S2の第2シフトフォーク12bは第2円筒部15bの図中左端に設けられており、2個の第2シフトフォーク12b,12bの間隔を接近させて第6シンクロ装置Fおよび第7シンクロ装置Gの第2スリーブ11b,11bへの係合を可能にしている。
第2の実施の形態
次に、図21に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
第2の実施の形態は、第1シフトロッド14aの第1係合溝20aの底部と、第2シフトロッド14bの第2係合溝20bの底部とに、それぞれ第1、第2永久磁石25a,25bを埋め込んで第1ボール23aおよび第2ボール23bを吸着するものである。
アクチュエータ13が中立位置にあり、第1係合溝20a、第1貫通孔22aおよび第3係合溝21aが整列するとき、第1ボール23aが径方向にガタつく可能性があるが、第1ボール23aは第1永久磁石25aに吸着されて第1係合溝20aの底部に保持される。同様に、第2係合溝20b、第2貫通孔22bおよび第4係合溝21bが整列するとき、第2ボール23bが径方向にガタつく可能性があるが、第2ボール23bは第2永久磁石25bに吸着されて第2係合溝20bの底部に保持される。これにより、アクチュエータ13が中立位置にあるときに第1ボール23aおよび第2ボール23bが振動することが防止され、振動による摩耗を抑制することができる。
第1シフトロッド14aに対して第1円筒部15aおよび第3円筒部16aが摺動するとき、第1ボール23aは第1永久磁石25aの吸着力に打ち勝って第1係合溝20aから離脱し、また第2シフトロッド14bに対して第2円筒部15bおよび第4円筒部16bが摺動するとき、第2ボール23bは第2永久磁石25bの吸着力に打ち勝って第2係合溝20bから離脱するため、第1シフトフォーク12aおよび第2シフトフォーク12bの作動は支障なく行われる。
第3の実施の形態
次に、図22〜図31に基づいて本発明の第3の実施の形態を説明する。
本実施の形態の変速機Tは、第1の実施の形態と同様に前進11段のトリプルクラッチ式の変速機Tであるが、その骨格が僅かに異なっている。
図22に示す本実施の形態の骨格を、図1に示す第1の実施の形態の骨格と比較すると明らかなように、第1の実施の形態で第2出力軸Om2に相対回転自在に支持されて第9シンクロ装置Iで該第2出力軸Om2に結合可能であったリバースドリブンギヤGr2が、本実施の形態では第2副出力軸Os2に相対回転自在に支持されて第9シンクロ装置Iで該第2副出力軸Os2に結合可能である。また第2副出力軸Os2を第2出力軸Om2に結合する第5シンクロ装置Eが、第1の実施の形態では第2出力軸Om2の右端側(第7シンクロ装置Gおよび第9シンクロ装置Iの間)に配置されているが、本実施の形態では第2出力軸Om2の左端側に移動している。
また第1の実施の形態では、図17に示すように、第2シンクロ装置Bおよび第6シンクロ装置Fが共通の第1変速操作装置S1で作動するとともに、第3シンクロ装置Cおよび第7シンクロ装置Gが共通の第2変速操作装置S2で作動するが、本実施の形態では、図23に示すように、更に第1シンクロ装置Aおよび第5シンクロ装置Eが共通の第3変速操作装置S3で作動するとともに、第8シンクロ装置Hおよび第9シンクロ装置Iが共通の第4変速操作装置S4で作動するようになっている。本実施の形態で変速機Tの骨格を変更した理由は、各シンクロ装置の位置関係の変更により、第1シンクロ装置Aおよび第5シンクロ装置Eを共通の第3変速操作装置S3で作動させ、第8シンクロ装置Hおよび第9シンクロ装置Iを共通の第4変速操作装置S4で作動させるためである。
図24に示す本実施の形態の係合表を、図5に示す第1の実施の形態の係合表と比較すると明らかなように、本実施の形態は、骨格の変更に伴って、リバース変速段が第1の実施の形態と異なっているが、その他の変速段は第1の実施の形態と同じである。具体的には、第1の実施の形態では、リバース変速段で第1摩擦クラッチC1が係合し、第4シンクロ装置D1(右動側)、第6シンクロ装置F、第8シンクロ装置Hおよび第9シンクロ装置Iが係合するが(図5参照)、本実施の形態では、リバース変速段で第1摩擦クラッチC1が係合し、第1シンクロ装置A、第4シンクロ装置D1(右動側)、第6シンクロ装置Fおよび第9シンクロ装置Iが係合する。
尚、図5および図24において、破線矢印で接続された2個のシンクロ装置は、共通の変速操作装置で作動することを示している。
次に、図25に基づいてリバース変速段→1速変速段の切り替えの手順を説明する。リバース変速段の確立時には、図25(A)に示すように、エンジンPの駆動力は、第1摩擦クラッチC1→第1入力軸Im1→第1入力ギヤGi1→第5出力ギヤGo5→第6シンクロ装置F→第2副出力軸Os2→第9シンクロ装置I→リバースドリブンギヤGr2→リバースドライブギヤGr1→第1副出力軸Os1→第1シンクロ装置A→第1出力軸Om1→第1ファイナルドライブギヤGf1→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で逆回転となって駆動輪W,Wに伝達される。
続いて、図25(B)に示すように、ニュートラル変速段で第1摩擦クラッチC1を係合解除するとともに、第8シンクロ装置Hを係合して第9シンクロ装置Iを係合解除するプリシフトを行った後に、図25(C)に示すように、1速変速段で第1摩擦係合装置C1を再び係合する。その結果、エンジンPの駆動力は、第1摩擦クラッチC1→第1入力軸Im1→第1入力ギヤGi1→第5出力ギヤGo5→第6シンクロ装置F→第2副出力軸Os2→第8シンクロ装置H→第7出力ギヤGo7→第4入力ギヤGi4→第3入力軸Im3→第3入力ギヤGi3→第3出力ギヤGo3→第4シンクロ装置D1(右動側)→第1副出力軸Os1→第1シンクロ装置A→第1出力軸Om1→第1ファイナルドライブギヤGf1→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で駆動輪W,Wに伝達される。
リバース変速段において、駆動力を伝達する必要のない第4シンクロ装置D1(右動側)を敢えて係合する理由は、1速変速段で係合する必要がある第4シンクロ装置D1(右動側)をリバース変速段で予め係合しておくことで、リバース変速段から1速変速段への変速を速やかに行うためである。
次に、図26〜図29に基づいて第1シンクロ装置Aおよび第5シンクロ装置Eを操作する第3変速操作装置S3の構造および作用を説明する。第3変速操作装置S3の構造は、第1の実施の形態の第1、第2変速操作装置S1,S2の構造と実質的に同じであり、第1シフトフォーク12aが第1シンクロ装置Aの第1スリーブ11aに係合し、第2シフトフォーク12bが第5シンクロ装置Eの第2スリーブ11bに係合する。但し、第3変速操作装置S3が中立位置にあるとき、第1シフトフォーク12aにより作動する第1シンクロ装置Aと、第2シフトフォーク12bにより作動する第5シンクロ装置Eとは共に係合状態にある。
図24の係合表から明らかなように、第1シンクロ装置Aはリバース変速段から6速変速段まで連続して係合状態にあり、第5シンクロ装置Eは7速変速段から11速変速段まで連続して係合状態にあり、6速変速段と7速変速段との間で係合状態が切り替わる。この6速変速段と7速変速段との間の変速時に第1シンクロ装置Aおよび第5シンクロ装置Eが共に係合解除すると、その間の駆動力の伝達が途切れてしまう問題があるが、本実施の形態では、6速変速段と7速変速段との間の変速過程で第3変速操作装置S3が中立位置になったときに第1シンクロ装置Aおよび第5シンクロ装置Eが共に係合するため、駆動力の伝達が途切れることがない。
図27に示すように、第3変速操作装置S3を右動位置へと他方向(右側)に駆動すると、第3円筒部16aに押圧された第1円筒部15aと共に第1シフトフォーク12aが右動することで、第1シンクロ装置Aが係合解除されるが、第4円筒部16bは第2円筒部15bに対して空動するために第2シフトフォーク12bは作動せず、第5シンクロ装置Eは係合状態に維持される。この状態から第3変速操作装置S3を中立位置へと一方向(左側)に戻すと、第3円筒部16aにより第1円筒部15aおよび第1シフトフォーク12aが左動して第1シンクロ装置Aが係合するが、第4円筒部16bは第2円筒部15bに対して再び空動するために第2シフトフォーク12bは作動せず、第5シンクロ装置Eは係合状態に維持される。
図28に示すように、第3変速操作装置S3を左動位置へと一方向(左側)に駆動すると、第4円筒部16bに押圧された第2円筒部15bと共に第2シフトフォーク12bが左動することで、第5シンクロ装置Eが係合解除されるが、第3円筒部16aは第1円筒部15aに対して空動するために第1シフトフォーク12aは作動せず、第1シンクロ装置Aは係合状態に維持される。この状態から第3変速操作装置S3を中立位置へと他方向(右側)に戻すと、第4円筒部16bにより第2円筒部15bおよび第2シフトフォーク12bが右動して第5シンクロ装置Eが係合するが、第3円筒部16aは第2円筒部15bに対して再び空動するために第1シフトフォーク12aは作動せず、第1シンクロ装置Aは係合状態に維持される。
以上のように、アクチュエータ13を一方向に駆動すると、第1シフトフォーク12aが停止したまま、第2シフトフォーク12bだけが一方向に移動し、第1シンクロ装置Aを係合状態に維持したまま第5シンクロ装置Eだけを係合解除することができる。これにより、第1シフトフォーク12aが一方向に空動する無駄スペースが不要になり、変速機Tの軸方向寸法の小型化が可能になる。
同様に、アクチュエータ13を他方向に駆動すると、第2シフトフォーク12bが停止したまま、第1シフトフォーク12aだけが他方向に移動し、第5シンクロ装置Eを係合状態に維持したまた第1シンクロ装置Aだけを係合解除することができる。これにより、第2シフトフォーク12bが他方向に空動する無駄スペースが不要になり、変速機Tの軸方向寸法の小型化が可能になる。
次に、図29〜図31に基づいて第8シンクロ装置Hおよび第9シンクロ装置Iを操作する第4変速操作装置S4の構造および作用を説明する。第4変速操作装置S4の構造および作用は、上述した第1〜第3変速操作装置S1〜S3の構造および作用に類似するが、若干の相違がある。
図24の係合表から明らかなように、第8シンクロ装置Hおよび第9シンクロ装置Iは同時に係合することがなく、かつ第8シンクロ装置Hは左動により係合し、第9シンクロ装置Iは右動により係合するため、それらを共通のアクチュエータ13で支障なく駆動することが可能となる。
図29に示すように、第4変速操作装置S4は1本の第3シフトロッド14c上に配置されるもので、第3シフトロッド14cの左側に第1円筒部15a、第2円筒部15b、第1シフトフォーク12a、第1ボール23aおよび第1ディテント機構24aが配置され、第3シフトロッド14cの右側に第2円筒部15b、第4円筒部16b、第2シフトフォーク12b、第2ボール23bおよび第2ディテント機構24bが配置される。そして第3円筒部16aおよび第4円筒部16bは連結部材17で共通のアクチュエータ13に接続され、第1シフトフォーク12aは第8シンクロ装置Hの第1スリーブ11aに接続され、第2シフトフォーク12bは第9シンクロ装置Iの第2スリーブ11bに接続される。
以下、第4変速操作装置S4の作用を説明する。図29に示すように、アクチュエータ13が中立位置にあるとき、第3円筒部16aは第1円筒部15aの第3ストッパ19aに当接し、第1円筒部15aは第3シフトロッド14cの第1ストッパ18aに当接し、第1シフトフォーク12aは中立位置にある。また第4円筒部16bは第2円筒部15bの第4ストッパ19bに当接し、第2円筒部15bは第3シフトロッド14cの第2ストッパ18bに当接し、第2シフトフォーク12bは中立位置にある。
この状態から、図30に示すように、アクチュエータ13を一方向(図中右方向)に駆動すると、第1円筒部15aは第1ストッパ18aに当接して一方向への移動を阻止されているため、第3円筒部16aは第1円筒部15aの外周を摺動して一方向に空動する。このとき、第1ボール23aは空動する第3円筒部16aの第3係合溝21aから押し出され、第1円筒部15aの第1貫通孔22aおよび第3シフトロッド14cの第1係合溝20aに嵌合するため、第3円筒部16aの空動が許容される。よって、第1円筒部15aと一体の第1シフトフォーク12aは移動せず、第8シンクロ装置Hは係合解除位置に維持される。
一方、第4円筒部16bは第2円筒部15bの第4ストッパ19bに当接しているため、一方向に移動する第4円筒部16bに押された第2円筒部15bが第3シフトロッド14cの外周を摺動して一方向に移動し、第2円筒部15bと一体の第2シフトフォーク12bが第2スリーブ11bを一方向に駆動することで、第9シンクロ装置Iが係合する。このとき、第2ボール23bは第3シフトロッド14cの第2係合溝20bから押し出され、第2円筒部15bの第2貫通孔22bおよび第4円筒部16bの第4係合溝21bに嵌合するため、第2円筒部15bの一方向への移動が許容される、また第2ディテント機構24bは第3シフトロッド14c上を一方向に1ピッチ移動することで、第2シフトフォーク12bが右動位置に安定的に保持される。
以上のように、アクチュエータ13を一方向に駆動すると、第1シフトフォーク12aが停止したまま、第2シフトフォーク12bだけが一方向に移動し、第8シンクロ装置Hを非係合状態に維持したまま第9シンクロ装置Iだけを係合することができる。これにより、第1シフトフォーク12aが一方向に空動する無駄スペースが不要になり、変速機Tの軸方向寸法の小型化が可能になる。
この状態から、アクチュエータ13を他方向(図中左方向)に駆動すると、第1円筒部15aは第1ボール23aを介して第3シフトロッド14cの第1係合溝20aに結合されているため、第3円筒部16aは第1円筒部15aの外周を他方向に摺動し、第3ストッパ19aに当接する元位置へと復帰する。
一方、第2円筒部15bは第2ボール23bを介して第4円筒部16bと係合しているため、第4円筒部16bに押された第2円筒部15bが他方向に移動し、第2円筒部15bが第3シフトロッド14cの第2ストッパ18bに当接する位置に復帰する。その結果、第2円筒部15bと一体の第2シフトフォーク12bが他方向に移動することで、第2スリーブ11bが中立位置に復帰して第9シンクロ装置Iが係合解除する。このとき、第2ディテント機構24bは第3シフトロッド14c上を他方向に1ピッチ移動することで、第2シフトフォーク12bが中立位置に安定的に保持される。
逆に、図31に示すように、アクチュエータ13を他方向(図中左方向)に駆動すると、第2円筒部15bは第2ストッパ18bに当接して他方向への移動を阻止されているため、第4円筒部16bは第2円筒部15bの外周を摺動して他方向に空動する。このとき、第2ボール23bは空動する第4円筒部16bの第4係合溝21bから押し出され、第2円筒部15bの第2貫通孔22bおよび第3シフトロッド14cの第2係合溝20bに嵌合するため、第4円筒部16bの空動が許容される。よって、第2円筒部15bと一体の第2シフトフォーク12bは移動せず、第9シンクロ装置Iは係合解除位置に維持される。
一方、第3円筒部16aは第1円筒部15aの第3ストッパ19aに当接しているため、他方向に移動する第3円筒部16aに押された第1円筒部15aが第3シフトロッド14cの外周を摺動して他方向に移動し、第1円筒部15aと一体の第1シフトフォーク12aが第1スリーブ11aを他方向に駆動することで、第8シンクロ装置Hが係合する。このとき、第1ボール23aは第3シフトロッド14cの第1係合溝20aから押し出され、第1円筒部15aの第1貫通孔22aおよび第3円筒部16aの第3係合溝21aに嵌合するため、第1円筒部15aの他方向への移動が許容される、また第1ディテント機構24aは第3シフトロッド14c上を他方向に1ピッチ移動することで、第1シフトフォーク12aが左動位置に安定的に保持される。
以上のように、アクチュエータ13を他方向に駆動すると、第2シフトフォーク12bが停止したまま、第1シフトフォーク12aだけが他方向に移動し、第9シンクロ装置Iを非係合状態に維持したまた第8シンクロ装置Hだけを係合することができる。これにより、第2シフトフォーク12bが他方向に空動する無駄スペースが不要になり、変速機Tの軸方向寸法の小型化が可能になる。
この状態から、アクチュエータ13を一方向(図中右方向)に駆動すると、第2円筒部15bは第2ボール23bを介して第3シフトロッド14cの第2係合溝20bに結合されているため、第4円筒部16bは第2円筒部15bの外周を一方向に摺動し、第4ストッパ19bに当接する元位置へと復帰する。
一方、第1円筒部15aは第1ボール23aを介して第3円筒部16aと係合しているため、第3円筒部16aに押された第1円筒部15aが一方向に移動し、第1円筒部15aが第3シフトロッド14cの第1ストッパ18aに当接する位置に復帰する。その結果、第1円筒部15aと一体の第1シフトフォーク12aが一方向に移動することで、第1スリーブ11aが中立位置に復帰して第8シンクロ装置Hが係合解除する。このとき、第1ディテント機構24aは第3シフトロッド14c上を一方向に1ピッチ移動することで、第1シフトフォーク12aが中立位置に安定的に保持される。
以上のように、本実施の形態の第4変速操作装置S4によれば、第1シフトフォーク12aは中立位置から左動して第8シンクロ装置Hを係合するだけで中立位置から右動することはなく、第2シフトフォーク12bは中立位置から右動して第9シンクロ装置Iを係合するだけで中立位置から左動することはないので、第1シフトフォーク12aおよび第2シフトフォーク12bの無駄ストロークを削減して変速機Tの軸方向寸法を小型化することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、第1係合溝20a、第1貫通孔22a、第3係合溝21aおよび第1ボール23aのセット数は1セットに限定されず、それらを複数セット設けることで振動を効果的に防止しながら、第1ボール23aの直径を小さくして小型化を図るとともに第1ボール23aの接触部の面圧を低減して摩耗を抑制することができる。同様に、第2係合溝20b、第2貫通孔22b、第4係合溝21bおよび第2ボール23bのセット数も1セットに限定されず、それらを複数セット設けることができる。
また第2の実施の形態で説明した第1、第2変速操作装置S1,S2の第1、第2永久磁石25a,25bを、第3の実施の形態の第3、第4変速操作装置S3,S4に適用することも可能である。
また本発明の変速操作装置Sが適用される変速機の骨格は実施の形態に限定されるものではない。
Om1 第1出力軸
Om2 第2出力軸
Os1 第1副出力軸(第1変速軸)
Os2 第2副出力軸(第2変速軸、変速軸)
A 第1シンクロ装置(第3噛合係合装置)
B 第2シンクロ装置(第1噛合係合装置)
C 第3シンクロ装置(第1噛合係合装置)
E 第5シンクロ装置(第4噛合係合装置)
F 第6シンクロ装置(第2噛合係合装置)
G 第7シンクロ装置(第2噛合係合装置)
H 第8シンクロ装置(第5噛合係合装置)
I 第9シンクロ装置(第6噛合係合装置)
Go1 第1出力ギヤ(第1ギヤ)
Go2 第2出力ギヤ(第1ギヤ)
Go5 第5出力ギヤ(第2ギヤ)
Go6 第6出力ギヤ(第2ギヤ)
Go7 第7出力ギヤ(第3ギヤ)
Gr2 リバースドリブンギヤ(第4ギヤ)
S1 第1変速操作装置(変速操作装置)
S2 第2変速操作装置(変速操作装置)
S3 第3変速操作装置(変速操作装置)
S4 第4変速操作装置(変速操作装置)
11a 第1スリーブ
11b 第2スリーブ
12a 第1シフトフォーク
12b 第2シフトフォーク
13 アクチュエータ
14a 第1シフトロッド
14b 第2シフトロッド
14c 第3シフトロッド(シフトロッド)
15a 第1円筒部
15b 第2円筒部
16a 第3円筒部
16b 第4円筒部
18a 第1ストッパ
18b 第2ストッパ
19a 第3ストッパ
19b 第4ストッパ
20a 第1係合溝
20b 第2係合溝
21a 第3係合溝
21b 第4係合溝
22a 第1貫通孔
22b 第2貫通孔
23a 第1ボール
23b 第2ボール

Claims (5)

  1. 相互に平行に配置される第1変速軸(Os1)および第2変速軸(Os2)と、
    前記第1変速軸(Os1)に相対回転自在に支持された第1ギヤ(Go1,Go2)を該第1変速軸(Os1)に結合可能な第1噛合係合装置(B,C)と、
    前記第2変速軸(Os2)に相対回転自在に支持された第2ギヤ(Go5,Go6)を該第2変速軸(Os2)に結合可能な第2噛合係合装置(F,G)と、
    前記第1、第2噛合係合装置(B,C;F,G)を作動させる変速操作装置(S1,S2)とを備える変速装置であって、
    前記変速操作装置(S1,S2)は、
    前記第1噛合係合装置(B,C)の第1スリーブ(11a)を作動させる第1シフトフォーク(12a)と、
    前記第2噛合係合装置(F,G)の第2スリーブ(11b)を作動させる第2シフトフォーク(12b)と、
    前記第1シフトフォーク(12a)と一体に形成された第1円筒部(15a)と、
    前記第2シフトフォーク(12b)と一体に形成された第2円筒部(15b)と、
    前記第1円筒部(15a)の内周を軸方向摺動自在に案内する第1シフトロッド(14a)と、
    前記第2円筒部(15b)の内周を軸方向摺動自在に案内する第2シフトロッド(14b)と、
    前記第1円筒部(15a)の外周に軸方向摺動自在に嵌合する第3円筒部(16a)と、
    前記第2円筒部(15b)の外周に軸方向摺動自在に嵌合する第4円筒部(16b)と、
    前記第3、第4円筒部(16a,16b)を一体で軸方向に駆動するアクチュエータ(13)と、
    前記第1シフトロッド(14a)の外周に形成された第1係合溝(20a)と、
    前記第2シフトロッド(14b)の外周に形成された第2係合溝(20b)と、
    前記第3円筒部(16a)の内周に形成された第3係合溝(21a)と、
    前記第4円筒部(16b)の内周に形成された第4係合溝(21b)と、
    前記第1円筒部(15a)を径方向内外に貫通して前記第1係合溝(20a)および前記第3係合溝(21a)を連通可能な第1貫通孔(22a)と、
    前記第2円筒部(15b)を径方向内外に貫通して前記第2係合溝(20b)および前記第4係合溝(21b)を連通可能な第2貫通孔(22b)と、
    前記第1貫通孔(22a)に保持されて前記第1係合溝(20a)あるいは前記第3係合溝(21a)に係合可能な第1ボール(23a)と、
    前記第2貫通孔(22b)に保持されて前記第2係合溝(20b)あるいは前記第4係合溝(21b)に係合可能な第2ボール(23b)と、
    前記第1シフトロッド(14a)に設けられて前記第1円筒部(15a)の軸方向一方への移動を規制する第1ストッパ(18a)と、
    前記第2シフトロッド(14b)に設けられて前記第2円筒部(15b)の軸方向他方への移動を規制する第2ストッパ(18b)と、
    前記第1円筒部(15a)に設けられて前記第3円筒部(16a)の軸方向他方への移動を規制する第3ストッパ(19a)と、
    前記第2円筒部(15b)に設けられて前記第4円筒部(16b)の軸方向一方への移動を規制する第4ストッパ(19b)とを備え、
    前記アクチュエータ(13)により前記第3、第4円筒部(16a,16b)が中立位置に操作されたとき、前記第1、第2円筒部(15a,15b)がそれぞれ前記第1、第2ストッパ(18a,18b)に当接するとともに、前記第3、第4円筒部(16a,16b)がそれぞれ前記第3、第4ストッパ(19a,19b)に当接した状態で、前記第1係合溝(20a)、前記第3係合溝(21a)および前記第1貫通孔(22a)が軸方向の同一位置にあり、かつ前記第2係合溝(20b)、前記第4係合溝(21b)および前記第2貫通孔(22b)が軸方向の同一位置にあって前記第1、第2噛合係合装置(B,C;F,G)が係合解除し、
    前記アクチュエータ(13)により前記第3、第4円筒部(16a,16b)が前記中立位置から軸方向一方側の第1位置に操作されたとき、前記第3円筒部(16a)が前記第1ボール(23a)を前記第1係合溝(20a)に押し込みながら前記第1円筒部(15a)に対して摺動するとともに、前記第4円筒部(16b)が前記第4ストッパ(19b)を押すことで前記第2ボール(23b)を前記第2係合溝(20b)から離脱させながら前記第2円筒部(15b)が前記第2シフトロッド(14b)に対して軸方向一方に摺動して前記第2シフトフォーク(12b)が前記第2噛合係合装置(F,G)を係合し、
    また前記アクチュエータ(13)により前記第3、第4円筒部(16a,16b)が前記中立位置から軸方向他方側の第2位置に操作されたとき、前記第4円筒部(16b)が前記第2ボール(23b)を前記第2係合溝(20b)に押し込みながら前記第2円筒部(15b)に対して摺動するとともに、前記第3円筒部(16a)が前記第3ストッパ(19a)を押すことで前記第1ボール(23a)を前記第1係合溝(20a)から離脱させながら前記第1円筒部(15a)が前記第1シフトロッド(14a)に対して軸方向他方に摺動して前記第1シフトフォーク(12a)が前記第1噛合係合装置(B,C)を係合することを特徴とする変速装置。
  2. 相互に平行に配置される第1出力軸(Om1)および第2出力軸(Om2)と、
    前記第1出力軸(Om1)および前記第2出力軸(Om2)の外周にそれぞれ相対回転自在に嵌合する第1副出力軸(Os1)および第2副出力軸(Os2)と、
    前記第1副出力軸(Os1)を前記第1出力軸(Om1)に結合可能な第3噛合係合装置(A)と、
    前記第2副出力軸(Os2)を前記第2出力軸(Om2)に結合可能な第4噛合係合装置(E)と、
    前記第3、第4噛合係合装置(A,E)を作動させる変速操作装置(S3)とを備える変速装置であって、
    前記変速操作装置(S3)は、
    前記第3噛合係合装置(A)の第1スリーブ(11a)を作動させる第1シフトフォーク(12a)と、
    前記第4噛合係合装置(E)の第2スリーブ(11b)を作動させる第2シフトフォーク(12b)と、
    前記第1シフトフォーク(12a)と一体に形成された第1円筒部(15a)と、
    前記第2シフトフォーク(12b)と一体に形成された第2円筒部(15b)と、
    前記第1円筒部(15a)の内周を軸方向摺動自在に案内する第1シフトロッド(14a)と、
    前記第2円筒部(15b)の内周を軸方向摺動自在に案内する第2シフトロッド(14b)と、
    前記第1円筒部(15a)の外周に軸方向摺動自在に嵌合する第3円筒部(16a)と、
    前記第2円筒部(15b)の外周に軸方向摺動自在に嵌合する第4円筒部(16b)と、
    前記第3、第4円筒部(16a,16b)を一体で軸方向に駆動するアクチュエータ(13)と、
    前記第1シフトロッド(14a)の外周に形成された第1係合溝(20a)と、
    前記第2シフトロッド(14b)の外周に形成された第2係合溝(20b)と、
    前記第3円筒部(16a)の内周に形成された第3係合溝(21a)と、
    前記第4円筒部(16b)の内周に形成された第4係合溝(21b)と、
    前記第1円筒部(15a)を径方向内外に貫通して前記第1係合溝(20a)および前記第3係合溝(21a)を連通可能な第1貫通孔(22a)と、
    前記第2円筒部(15b)を径方向内外に貫通して前記第2係合溝(20b)および前記第4係合溝(21b)を連通可能な第2貫通孔(22b)と、
    前記第1貫通孔(22a)に保持されて前記第1係合溝(20a)あるいは前記第3係合溝(21a)に係合可能な第1ボール(23a)と、
    前記第2貫通孔(22b)に保持されて前記第2係合溝(20b)あるいは前記第4係合溝(21b)に係合可能な第2ボール(23b)と、
    前記第1シフトロッド(14a)に設けられて前記第1円筒部(15a)の軸方向一方への移動を規制する第1ストッパ(18a)と、
    前記第2シフトロッド(14b)に設けられて前記第2円筒部(15b)の軸方向他方への移動を規制する第2ストッパ(18b)と、
    前記第1円筒部(15a)に設けられて前記第3円筒部(16a)の軸方向他方への移動を規制する第3ストッパ(19a)と、
    前記第2円筒部(15b)に設けられて前記第4円筒部(16b)の軸方向一方への移動を規制する第4ストッパ(19b)とを備え、
    前記アクチュエータ(13)により前記第3、第4円筒部(16a,16b)が中立位置に操作されたとき、前記第1、第2円筒部(15a,15b)がそれぞれ前記第1、第2ストッパ(18a,18b)に当接するとともに、前記第3、第4円筒部(16a,16b)がそれぞれ前記第3、第4ストッパ(19a,19b)に当接した状態で、前記第1係合溝(20a)、前記第3係合溝(21a)および前記第1貫通孔(22a)が軸方向の同一位置にあり、かつ前記第2係合溝(20b)、前記第4係合溝(21b)および前記第2貫通孔(22b)が軸方向の同一位置にあって前記第3、第4噛合係合装置(A,E)が係合し、
    前記アクチュエータ(13)により前記第3、第4円筒部(16a,16b)が前記中立位置から軸方向一方側の第1位置に操作されたとき、前記第3円筒部(16a)が前記第1ボール(23a)を前記第1係合溝(20a)に押し込みながら前記第1円筒部(15a)に対して摺動するとともに、前記第4円筒部(16b)が前記第4ストッパ(19b)を押すことで前記第2ボール(23b)を前記第2係合溝(20b)から離脱させながら前記第2円筒部(15b)が前記第2シフトロッド(14b)に対して軸方向一方に摺動して前記第2シフトフォーク(12b)が前記第4噛合係合装置(E)を係合解除し、
    また前記アクチュエータ(13)により前記第3、第4円筒部(16a,16b)が前記中立位置から軸方向他方側の第2位置に操作されたとき、前記第4円筒部(16b)が前記第2ボール(23b)を前記第2係合溝(20b)に押し込みながら前記第2円筒部(15b)に対して摺動するとともに、前記第3円筒部(16a)が前記第3ストッパ(19a)を押すことで前記第1ボール(23a)を前記第1係合溝(20a)から離脱させながら前記第1円筒部(15a)が前記第1シフトロッド(14a)に対して軸方向他方に摺動して前記第1シフトフォーク(12a)が前記第3噛合係合装置(A)を係合解除することを特徴とする変速装置。
  3. 変速軸(Os2)と、
    前記変速軸(Os2)に相対回転自在に支持された第3ギヤ(Go7)を該変速軸(Os2)に結合可能な第5噛合係合装置(H)と、
    前記変速軸(Os2)に相対回転自在に支持された第4ギヤ(Gr2)を該変速軸(Os2)に結合可能な第6噛合係合装置(I)と、
    前記第5、第6噛合係合装置(H,I)を作動させる変速操作装置(S4)とを備える変速装置であって、
    前記変速操作装置(S4)は、
    前記第5噛合係合装置(H)の第1スリーブ(11a)を作動させる第1シフトフォーク(12a)と、
    前記第6噛合係合装置(I)の第2スリーブ(11b)を作動させる第2シフトフォーク(12b)と、
    前記第1シフトフォーク(12a)と一体に形成された第1円筒部(15a)と、
    前記第2シフトフォーク(12b)と一体に形成された第2円筒部(15b)と、
    前記第1、第2円筒部(15a,15b)の内周を軸方向摺動自在に案内するシフトロッド(14c)と、
    前記第1円筒部(15a)の外周に軸方向摺動自在に嵌合する第3円筒部(16a)と、
    前記第2円筒部(15b)の外周に軸方向摺動自在に嵌合する第4円筒部(16b)と、
    前記第3、第4円筒部(16a,16b)を一体で軸方向に駆動するアクチュエータ(13)と、
    前記シフトロッド(14c)の外周に形成された第1、第2係合溝(20a,20b)と、
    前記第3円筒部(16a)の内周に形成された第3係合溝(21a)と、
    前記第4円筒部(16b)の内周に形成された第4係合溝(21b)と、
    前記第1円筒部(15a)を径方向内外に貫通して前記第1係合溝(20a)および前記第3係合溝(21a)を連通可能な第1貫通孔(22a)と、
    前記第2円筒部(15b)を径方向内外に貫通して前記第2係合溝(20b)および前記第4係合溝(21b)を連通可能な第2貫通孔(22b)と、
    前記第1貫通孔(22a)に保持されて前記第1係合溝(20a)あるいは前記第3係合溝(21a)に係合可能な第1ボール(23a)と、
    前記第2貫通孔(22b)に保持されて前記第2係合溝(20b)あるいは前記第4係合溝(21b)に係合可能な第2ボール(23b)と、
    前記シフトロッド(14c)に設けられて前記第1円筒部(15a)の軸方向一方への移動を規制する第1ストッパ(18a)と、
    前記シフトロッド(14c)に設けられて前記第2円筒部(15b)の軸方向他方への移動を規制する第2ストッパ(18b)と、
    前記第1円筒部(15a)に設けられて前記第3円筒部(16a)の軸方向他方への移動を規制する第3ストッパ(19a)と、
    前記第2円筒部(15b)に設けられて前記第4円筒部(16b)の軸方向一方への移動を規制する第4ストッパ(19b)とを備え、
    前記アクチュエータ(13)により前記第3、第4円筒部(16a,16b)が中立位置に操作されたとき、前記第1、第2円筒部(15a,15b)がそれぞれ前記第1、第2ストッパ(18a,18b)に当接するとともに、前記第3、第4円筒部(16a,16b)がそれぞれ前記第3、第4ストッパ(19a,19b)に当接した状態で、前記第1係合溝(20a)、前記第3係合溝(21a)および前記第1貫通孔(22a)が軸方向の同一位置にあり、かつ前記第2係合溝(20b)、前記第4係合溝(21b)および前記第2貫通孔(22b)が軸方向の同一位置にあって前記第5、第6噛合係合装置(H,I)が係合解除し、
    前記アクチュエータ(13)により前記第3、第4円筒部(16a,16b)が前記中立位置から軸方向一方側の第1位置に操作されたとき、前記第3円筒部(16a)が前記第1ボール(23a)を前記第1係合溝(20a)に押し込みながら前記第1円筒部(15a)に対して摺動するとともに、前記第4円筒部(16b)が前記第4ストッパ(19b)を押すことで前記第2ボール(23b)を前記第2係合溝(20b)から離脱させながら前記第2円筒部(15b)が前記シフトロッド(14c)に対して軸方向一方に摺動して前記第2シフトフォーク(12b)が前記第6噛合係合装置(I)を係合し、
    また前記アクチュエータ(13)により前記第3、第4円筒部(16a,16b)が前記中立位置から軸方向他方側の第2位置に操作されたとき、前記第4円筒部(16b)が前記第2ボール(23b)を前記第2係合溝(20b)に押し込みながら前記第2円筒部(15b)に対して摺動するとともに、前記第3円筒部(16a)が前記第3ストッパ(19a)を押すことで前記第1ボール(23a)を前記第1係合溝(20a)から離脱させながら前記第1円筒部(15a)が前記シフトロッド(14c)に対して軸方向他方に摺動して前記第1シフトフォーク(12a)が前記第5噛合係合装置(H)を係合することを特徴とする変速装置。
  4. 前記第1係合溝(20a)は前記第1ボール(23a)を吸着可能な磁力を有するとともに、前記第2係合溝(20b)は前記第2ボール(23b)を吸着可能な磁力を有することを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の変速装置。
  5. 前記第1係合溝(20a)、前記第3係合溝(21a)、前記第1貫通孔(22a)および前記第1ボール(23a)を複数セット備えるとともに、前記第2係合溝(20b)、前記第4係合溝(21b)、前記第2貫通孔(22b)および前記第2ボール(23b)を複数セット備えることを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の変速装置。
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