JP2018035893A - 手動変速機の同期装置 - Google Patents

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【課題】ドライバビリティの低下を抑制することが可能な手動変速機の同期装置を提供する。【解決手段】シンクロメッシュ機構は、シンクロナイザリング27を備える。シンクロナイザリング27のギヤピース側の側面273には、一方側が他方側に比べて深い凹部274が形成され、凹部274には、凹部274内を一方側と他方側との間で移動可能なボール275が設けられている。そして、シンクロメッシュ機構は、手動変速機がダウンシフトされる場合に、シンクロナイザリング27がギヤピースに対して相対的に一方方向に回転されることにより、ボール275が凹部274内において他方側に配置されるとともに、手動変速機がアップシフトされる場合に、シンクロナイザリング27がギヤピースに対して相対的に他方方向に回転されることにより、ボール275が凹部274内において一方側に配置されるように構成されている。【選択図】図5

Description

本発明は、手動変速機の同期装置に関する。
従来、手動変速機のシャフトとギヤとを連結および解放する手動変速機の同期装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
このような手動変速機の同期装置は、クラッチハブと、スリーブと、キーと、ギヤピースと、シンクロナイザリングとを備えている。クラッチハブは、手動変速機のシャフトと一体的に回転するように構成されている。スリーブは、クラッチハブの外周面にスプライン嵌合されている。キーは、クラッチハブとスリーブとの間に配置されている。ギヤピースは、円錐台状に形成された外周面を有するとともに、手動変速機のギヤと一体的に回転するように構成されている。シンクロナイザリングは、ギヤピースの外周面と接触する円錐台状の内周面を有する。
そして、手動変速機の同期装置では、スリーブとともにキーが軸方向に移動され、キーがシンクロナイザリングをギヤピース側に押圧することにより、シンクロナイザリングの内周面とギヤピースの外周面とが摺接し、シンクロナイザリングの回転速度とギヤピースの回転速度とが次第に近づく。その後、スリーブがさらに移動され、スリーブの内歯がシンクロナイザリングの外歯およびギヤピースの外歯に噛み合わされると、手動変速機のギヤとシャフトとが連結される。
特開2015−190549号公報
ここで、近年の手動変速機の同期装置では、同期能力が向上されているため、操作ミスの場合であっても大きなシフト操作力が要求されることなく容易にダウンシフトが行われる。このため、ドライバが操作ミスした場合に気付きにくく、操作ミスによるダウンシフトが行われて強いエンジンブレーキがかかると、ドライバビリティが低下するという問題点がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、ドライバビリティの低下を抑制することが可能な手動変速機の同期装置を提供することである。
本発明による手動変速機の同期装置は、被同期側のギヤと接触する内周面が形成されたシンクロナイザリングを備える。シンクロナイザリングのギヤ側の側面には、一方側が他方側に比べて深い凹部が形成され、凹部には、凹部内を一方側と他方側との間で移動可能な移動部材が設けられている。そして、手動変速機の同期装置は、手動変速機がダウンシフトされる場合に、シンクロナイザリングがギヤに対して相対的に一方方向に回転されることにより、移動部材が凹部内において他方側に配置されるとともに、手動変速機がアップシフトされる場合に、シンクロナイザリングがギヤに対して相対的に他方方向に回転されることにより、移動部材が凹部内において一方側に配置されるように構成されている。
このように構成することによって、ダウンシフトの場合に、シフト操作力の一部を移動部材が受けるため、ダウンシフトの際に要求されるシフト操作力が大きくなるので、ドライバが操作ミスした場合に気付きやすくすることができる。このため、ドライバによって不適切なダウンシフト操作が行われるのを抑制することができる。また、アップシフトの場合に、シフト操作力を移動部材が受けないため、アップシフトの際に要求されるシフト操作力が大きくなるのを抑制することができる。
本発明の手動変速機の同期装置によれば、ドライバビリティの低下を抑制することができる。
本発明の一実施形態によるシンクロメッシュ機構を含む手動変速機を示した断面図である。 図1のシンクロメッシュ機構を拡大して示した図である。 図2のシンクロメッシュ機構の一部を拡大して示した図である。 図3のシンクロメッシュ機構のスリーブが1速ドリブンギヤ側に移動した状態を示した図である。 図3のシンクロメッシュ機構の前進2速段用のシンクロナイザリングをX1方向から見た図である。 シンクロメッシュ機構のダウンシフト時の状態を説明するための図である。 シンクロメッシュ機構のアップシフト時の状態を説明するための図である。 本実施形態の変形例によるシンクロナイザリングを示した図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下では、手動変速機の同期装置の一例であるシンクロメッシュ機構に本発明を適用した場合について説明する。
−手動変速機−
まず、図1を参照して、手動変速機(マニュアルトランスミッション)100について説明する。
手動変速機100は、たとえば、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両に搭載されており、前進6速段、後進1速段の同期噛み合い式である。この手動変速機100は、図1に示すように、インプットシャフト1と、アウトプットシャフト2と、リバースシャフト3と、前進用の1速ギヤ列4〜6速ギヤ列9と、後進用のリバースギヤ列10と、シンクロメッシュ機構11〜13とを備えている。
インプットシャフト1、アウトプットシャフト2およびリバースシャフト3は、トランスミッションケース(図示省略)に回転自在に支持されるとともに、互いに平行に配置されている。
インプットシャフト1は、駆動力源(たとえば、内燃機関)の出力軸にクラッチ機構を介して連結され、駆動力源からの回転駆動力を入力可能に構成されている。アウトプットシャフト2には、ファイナルリダクションギヤ列15およびディファレンシャル装置16を介して駆動輪が連結されている。
1速ギヤ列4〜6速ギヤ列9およびリバースギヤ列10は、インプットシャフト1とアウトプットシャフト2との間に設けられている。1速ギヤ列4〜6速ギヤ列9は、それぞれ前進1速段〜前進6速段を成立させるためのギヤ列であり、軸方向(X2方向)に順に配置されている。リバースギヤ列10は、後進段を成立させるためのギヤ列である。
1速ギヤ列4は、インプットシャフト1に相対回転不能に取り付けられた1速ドライブギヤ4aと、アウトプットシャフト2に相対回転可能に組み付けられた1速ドリブンギヤ4bとを含んでいる。1速ドライブギヤ4aと1速ドリブンギヤ4bとは互いに噛み合っている。
2速ギヤ列5は、インプットシャフト1に相対回転不能に取り付けられた2速ドライブギヤ5aと、アウトプットシャフト2に相対回転可能に組み付けられた2速ドリブンギヤ5bとを含んでいる。2速ドライブギヤ5aと2速ドリブンギヤ5bとは互いに噛み合っている。
3速ギヤ列6は、インプットシャフト1に相対回転可能に組み付けられた3速ドライブギヤ6aと、アウトプットシャフト2に相対回転不能に取り付けられた3速ドリブンギヤ6bとを含んでいる。3速ドライブギヤ6aと3速ドリブンギヤ6bとは互いに噛み合っている。
4速ギヤ列7は、インプットシャフト1に相対回転可能に組み付けられた4速ドライブギヤ7aと、アウトプットシャフト2に相対回転不能に取り付けられた4速ドリブンギヤ7bとを含んでいる。4速ドライブギヤ7aと4速ドリブンギヤ7bとは互いに噛み合っている。
5速ギヤ列8は、インプットシャフト1に相対回転可能に組み付けられた5速ドライブギヤ8aと、アウトプットシャフト2に相対回転不能に取り付けられた5速ドリブンギヤ8bとを含んでいる。5速ドライブギヤ8aと5速ドリブンギヤ8bとは互いに噛み合っている。
6速ギヤ列9は、インプットシャフト1に相対回転可能に組み付けられた6速ドライブギヤ9aと、アウトプットシャフト2に相対回転不能に取り付けられた6速ドリブンギヤ9bとを含んでいる。6速ドライブギヤ9aと6速ドリブンギヤ9bとは互いに噛み合っている。
シンクロメッシュ機構11は、前進1速段および前進2速段を成立させるために設けられている。このシンクロメッシュ機構11は、1速ドリブンギヤ4bと2速ドリブンギヤ5bとの間におけるアウトプットシャフト2上に設けられている。そして、このシンクロメッシュ機構11が1速ドリブンギヤ4b側(X1方向側)に作動すると、1速ドリブンギヤ4bがアウトプットシャフト2に連結される。これにより、前進1速段が成立し、インプットシャフト1から1速ギヤ列4を介してアウトプットシャフト2に動力が伝達される。一方、シンクロメッシュ機構11が2速ドリブンギヤ5b側(X2方向側)に作動すると、2速ドリブンギヤ5bがアウトプットシャフト2に連結される。これにより、前進2速段が成立し、インプットシャフト1から2速ギヤ列5を介してアウトプットシャフト2に動力が伝達される。なお、シンクロメッシュ機構11の詳細については後述する。
シンクロメッシュ機構12は、前進3速段および前進4速段を成立させるために設けられている。このシンクロメッシュ機構12は、3速ドライブギヤ6aと4速ドライブギヤ7aとの間におけるインプットシャフト1上に設けられている。そして、このシンクロメッシュ機構12が3速ドライブギヤ6a側(X1方向側)に作動すると、3速ドライブギヤ6aがインプットシャフト1に連結される。これにより、前進3速段が成立し、インプットシャフト1から3速ギヤ列6を介してアウトプットシャフト2に動力が伝達される。一方、シンクロメッシュ機構12が4速ドライブギヤ7a側(X2方向側)に作動すると、4速ドライブギヤ7aがインプットシャフト1に連結される。これにより、前進4速段が成立し、インプットシャフト1から4速ギヤ列7を介してアウトプットシャフト2に動力が伝達される。
シンクロメッシュ機構13は、前進5速段および前進6速段を成立させるために設けられている。このシンクロメッシュ機構13は、5速ドライブギヤ8aと6速ドライブギヤ9aとの間におけるインプットシャフト1上に設けられている。そして、このシンクロメッシュ機構13が5速ドライブギヤ8a側(X1方向側)に作動すると、5速ドライブギヤ8aがインプットシャフト1に連結される。これにより、前進5速段が成立し、インプットシャフト1から5速ギヤ列8を介してアウトプットシャフト2に動力が伝達される。一方、シンクロメッシュ機構13が6速ドライブギヤ9a側(X2方向側)に作動すると、6速ドライブギヤ9aがインプットシャフト1に連結される。これにより、前進6速段が成立し、インプットシャフト1から6速ギヤ列9を介してアウトプットシャフト2に動力が伝達される。
なお、前進時には、シンクロメッシュ機構11〜13の作動が選択的に行われるため、前進1速段〜前進6速段のうちの何れかが選択される。
一方、リバースギヤ列10は、インプットシャフト1に相対回転不能に取り付けられたリバースドライブギヤ10aと、アウトプットシャフト2に相対回転不能に取り付けられたリバースドリブンギヤ10bと、リバースシャフト3に対してスライド移動可能に組み付けられたリバースアイドラギヤ10cとを含んでいる。これらリバースドライブギヤ10a、リバースドリブンギヤ10bおよびリバースアイドラギヤ10cは、前進時には非噛み合い状態であり、動力伝達を行わない。そして、後進時には、リバースアイドラギヤ10cがリバースシャフト3の軸方向に沿って移動することにより、リバースアイドラギヤ10cがリバースドライブギヤ10aとリバースドリブンギヤ10bとの両方に噛み合わされる。これにより、リバースドライブギヤ10aの回転方向がリバースアイドラギヤ10cによって逆転されてリバースドリブンギヤ10bに伝達されることになる。このため、アウトプットシャフト2が前進時の場合とは逆方向に回転する。なお、後進時にはシンクロメッシュ機構11〜13が中立状態に設定される。
手動変速機100では、インプットシャフト1の回転が所定の変速比で変速または逆回転されてアウトプットシャフト2に伝達される。そして、アウトプットシャフト2に伝達された回転は、ファイナルドライブギヤ15aとファイナルドリブンギヤ15bとからなるファイナルリダクションギヤ列15によって減速された後、ディファレンシャル装置16へ伝達される。これによって、駆動輪(図示省略)が前進方向または後進方向に回転する。
−シンクロメッシュ機構−
次に、図2および図3を参照して、本実施形態によるシンクロメッシュ機構11について説明する。
シンクロメッシュ機構11は、図2に示すように、クラッチハブ21と、スリーブ22と、キー23と、ギヤピース24および25と、シンクロナイザリング26および27とを備えている。なお、ギヤピース24および25は、本発明の「被同期側のギヤ」の一例である。
クラッチハブ21は、アウトプットシャフト2の外周面にスプライン嵌合され、アウトプットシャフト2と一体的に回転するように構成されている。スリーブ22は、クラッチハブ21の外周面にスプライン嵌合され、クラッチハブ21と一体的に回転するように構成されている。すなわち、スリーブ22の内側にクラッチハブ21が配置されるとともに、クラッチハブ21の内側にアウトプットシャフト2が配置されており、アウトプットシャフト2、クラッチハブ21およびスリーブ22が一体的に回転するようになっている。また、スリーブ22は、シフトレバー(図示省略)の操作に応じて軸方向(X1およびX2方向)に移動するように構成されている。
キー23は、クラッチハブ21の外周部に周方向に所定の間隔を隔てて複数(たとえば3つ)設けられている。このキー23は、スリーブ22とともに軸方向に移動するように構成されている。また、キー23は、図3に示すように、ケーシング23aと、ケーシング23a内に収容されたスプリング23bと、スプリング23bにより付勢されるボール23cとを有する。そして、キー23では、ボール23cがスリーブ22の内周面を押圧しており、スリーブ22が中立状態の場合に、ボール23cがスリーブ22の凹部22aに配置されている。
ギヤピース24およびシンクロナイザリング26は、前進1速段を成立させるために設けられており、クラッチハブ21に対して1速ドリブンギヤ4b側(X1方向側)に配置されている。
ギヤピース24は、内周面に1速ドリブンギヤ4bがスプライン嵌合され、1速ドリブンギヤ4bと一体的に回転するように構成されている。ギヤピース24には、スリーブ22が1速ドリブンギヤ4b側(X1方向側)に移動した場合に、シンクロナイザリング26が摩擦係合される外周面241と、スリーブ22の内歯22bが噛合される外歯242とが形成されている。外周面241は、円錐台状(コーン状)に形成されており、X1方向に向けて拡径するように形成されている。
シンクロナイザリング26は、円環状に形成されるとともに、軸方向に移動可能に構成されている。シンクロナイザリング26は、スリーブ22が1速ドリブンギヤ4b側に移動した場合に、ギヤピース24の外周面241に摩擦係合可能な内周面261と、スリーブ22の内歯22bが噛合される外歯262とを有する。内周面261は、円錐台状に形成されており、X1方向に向けて拡径するように形成されている。なお、内周面261の軸方向に対する傾斜度は、外周面241の軸方向に対する傾斜度とほぼ同じに設定されている。
ギヤピース25およびシンクロナイザリング27は、前進2速段を成立させるために設けられており、クラッチハブ21に対して2速ドリブンギヤ5b側(X2方向側)に配置されている。ギヤピース25は、内周面に2速ドリブンギヤ5bがスプライン嵌合され、2速ドリブンギヤ5bと一体的に回転するように構成されている。なお、ギヤピース25およびシンクロナイザリング27のその他の構成は、それぞれ、ギヤピース24およびシンクロナイザリング26とほぼ同様である。すなわち、ギヤピース25は外周面251および外歯252を有し、シンクロナイザリング27は内周面271および外歯272を有する。また、シンクロナイザリング27の詳細については後述する。
なお、シンクロメッシュ機構12および13は、クラッチハブがインプットシャフト1(図1参照)にスプライン嵌合されている。シンクロメッシュ機構12および13のその他の構成は、シンクロメッシュ機構11とほぼ同様である。
−シンクロメッシュ機構の動作−
次に、図3および図4を参照して、シンクロメッシュ機構11の動作について説明する。なお、以下では、シンクロメッシュ機構11の動作の一例として、シンクロメッシュ機構11が前進1速段を成立させる場合について説明する。
まず、図3に示す状態(スリーブ22が中立位置に位置する状態)から、シフトレバー(図示省略)の操作により、スリーブ22がX1方向に移動された場合には、キー23のボール23cが凹部22aに係合されていることから、スリーブ22とともにキー23がX1方向に移動される。このため、キー23によりシンクロナイザリング26がギヤピース24側に押圧される。これにより、シンクロナイザリング26の内周面261がギヤピース24の外周面241に摺接され、シンクロナイザリング26の回転速度とギヤピース24(1速ドリブンギヤ4b)の回転速度とが次第に近づくようにされる。
そして、スリーブ22がさらにX1方向に移動されると、図4に示すように、ボール23cがケーシング23a内に退避してキー23とスリーブ22との係合が解除されるとともに、スリーブ22の内歯22bがシンクロナイザリング26の外歯262およびギヤピース24の外歯242に噛み合わされる。これにより、スリーブ22とシンクロナイザリング26およびギヤピース24とが一体的に回転するようになる。すなわち、1速ドリブンギヤ4bとアウトプットシャフト2とが連結され、前進1速段が成立する。
−シンクロナイザリング−
次に、図3および図5〜図7を参照して、本実施形態によるシンクロナイザリング27の詳細について説明する。なお、図5は、シンクロナイザリング27を図3のX1方向から見た図である。また、以下では、シンクロナイザリング27について説明するが、シンクロナイザリング26などのその他のシンクロナイザリングも同様に構成されている。
本実施形態のシンクロナイザリング27は、ダウンシフト時の同期能力がアップシフト時の同期能力に比べて低くなるように構成されている。すなわち、ダウンシフトにより前進2速段を成立させるのに要求されるシフト操作力が、アップシフトにより前進2速段を成立させるのに要求されるシフト操作力よりも大きくなっている。
具体的には、図5に示すように、シンクロナイザリング27のギヤピース25側の側面273には、凹部274が形成されている。この凹部274は、周方向に所定の間隔を隔てて複数(たとえば2つ)設けられている。また、凹部274は、一方側(R1方向側)が他方側(R2方向側)に比べて深くなるように形成されている。すなわち、図5において、右側に配置される凹部274は下側が深くなるように形成され、左側に配置される凹部274は上側が深くなるように形成されている。具体的には、凹部274は、図7に示すように、底面が傾斜するように形成されており、R2方向側に進むにつれて深さが徐々に小さくなっている。
そして、凹部274にはボール275が配置されている。このボール275は、たとえば鋼球であり、凹部274内を一方側と他方側との間で移動可能に設けられている。ボール275は、ダウンシフト時に、シンクロナイザリング27のギヤピース25に対する相対回転を利用して、シフト操作力に抗する力を発生させるために設けられている。なお、シンクロナイザリング27の側面273の近傍には、ギヤピース25の側面253(図3参照)が対向するように配置されるため、ボール275が凹部274から脱落しないようになっている。また、ボール275の直径は、凹部274の最も深い部分までの距離よりも小さくなっている。なお、ボール275は、本発明の「移動部材」の一例である。
ここで、たとえば、前進3速段の成立状態から前進2速段に切り換えられるダウンシフト時には、一般的に、シンクロナイザリング27の回転速度がギヤピース25の回転速度よりも大きいため、シンクロナイザリング27がギヤピース25に摩擦係合する際に、シンクロナイザリング27がギヤピース25に対して相対的に一方方向(図5のR1方向)に回転される。
これに対して、たとえば、前進1速段の成立状態から前進2速段に切り換えられるアップシフト時には、一般的に、シンクロナイザリング27の回転速度がギヤピース25の回転速度よりも小さいため、シンクロナイザリング27がギヤピース25に摩擦係合する際に、シンクロナイザリング27がギヤピース25に対して相対的に他方方向(図5のR2方向)に回転される。なお、他方方向は、一方方向の反対方向である。
このように、ダウンシフト時とアップシフト時とでは、ギヤピース25に対するシンクロナイザリング27の相対的な回転方向が異なる。なお、ギヤピース25およびシンクロナイザリング27の実際の回転方向は同じである。
そして、ダウンシフト時に、シフトレバーの操作によりスリーブ22およびキー23がX2方向に移動され、シンクロナイザリング27がギヤピース25に摩擦係合する際に、シンクロナイザリング27がギヤピース25に対して相対的に一方方向(R1方向)に回転されることから、図6に示すように、ボール275が他方側(R1方向とは反対側)に移動される。すなわち、シンクロナイザリング27のR1方向への相対回転により、ボール275が凹部274内の浅い側に移動される。このため、シンクロナイザリング27をギヤピース25側(X2方向側)に押し付けるシフト操作力の一部をボール275が受けるようになる。つまり、ボール275は、ダウンシフト時にシフト操作力に抗する力(シンクロナイザリング27に対してX1方向に作用する力)を発生させるために設けられている。
これに対して、アップシフト時に、シフトレバーの操作によりスリーブ22およびキー23がX2方向に移動され、シンクロナイザリング27がギヤピース25に摩擦係合する際に、シンクロナイザリング27がギヤピース25に対して相対的に他方方向(R2方向)に回転されることから、図7に示すように、ボール275が一方側(R2方向とは反対側)に移動される。すなわち、シンクロナイザリング27のR2方向への相対回転により、ボール275が凹部274内の深い側に移動される。このため、シンクロナイザリング27をギヤピース25側(X2方向側)に押し付けるシフト操作力をボール275が受けないようになっている。
−効果−
本実施形態では、上記のように、シンクロナイザリング27の側面273に凹部274が形成されるとともに、凹部274にボール275が配置されている。そして、ダウンシフトの場合にシンクロナイザリング27がギヤピース25に対して相対的に一方方向(R1方向)に回転されることにより、ボール275が凹部274内において他方側に配置されるとともに、アップシフトの場合にシンクロナイザリング27がギヤピース25に対して相対的に他方方向(R2方向)に回転されることにより、ボール275が凹部274内において一方側に配置される。このように構成することによって、ダウンシフトの場合に、シフト操作力の一部をボール275が受けるため、ダウンシフトの際に要求されるシフト操作力が大きくなるので、ドライバが操作ミスした場合に気付きやすくすることができる。このため、ドライバによって不適切なダウンシフト操作(回転速度差が大きい状態でのダウンシフト操作)が行われるのを抑制することができるので、ドライバビリティの低下を抑制することができる。また、アップシフトの場合に、シフト操作力をボール275が受けないため、アップシフトの際に要求されるシフト操作力が大きくなるのを抑制することができる。
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、本実施形態では、手動変速機100が前進6段である例を示したが、これに限らず、手動変速機の段数はいくつであってもよい。
また、本実施形態では、手動変速機100における全てのシンクロナイザリングに本発明を適用する例を示したが、これに限らず、手動変速機における一部のシンクロナイザリングのみに本発明を適用するようにしてもよい。
また、本実施形態では、凹部274にボール275が配置される例を示したが、これに限らず、図8に示す変形例によるシンクロナイザリング27aのように、側面273aに凹部274aを形成し、その凹部274a内に移動部材275aを設けるようにしてもよい。凹部274aおよび移動部材275aは、断面が三角形状に形成されている。そして、移動部材275aは、ダウンシフト時に図8における下側に移動し、アップシフト時に図8における上側に移動するように構成されている。このため、移動部材275aは、ダウンシフト時にシフト操作力の一部を受けるのに対して、アップシフト時にシフト操作力を受けないようになっている。
また、本実施形態では、スリーブ22の凹部22aに係合されるボール23cを有するキー23を示したが、これに限らず、スリーブの凹部に係合される係合部が設けられた板状部材をキーが有するようにしてもよい。
本発明は、シンクロナイザリングを備える手動変速機の同期装置に利用可能である。
11、12、13 シンクロメッシュ機構(手動変速機の同期装置)
24、25 ギヤピース(被同期側のギヤ)
26、27、27a シンクロナイザリング
100 手動変速機
261、271 内周面
273、273a 側面
274、274a 凹部
275 ボール(移動部材)
275a 移動部材

Claims (1)

  1. 被同期側のギヤと接触する内周面が形成されたシンクロナイザリングを備える手動変速機の同期装置であって、
    前記シンクロナイザリングの前記ギヤ側の側面には、一方側が他方側に比べて深い凹部が形成され、前記凹部には、前記凹部内を一方側と他方側との間で移動可能な移動部材が設けられ、
    手動変速機がダウンシフトされる場合に、前記シンクロナイザリングが前記ギヤに対して相対的に一方方向に回転されることにより、前記移動部材が前記凹部内において他方側に配置されるとともに、手動変速機がアップシフトされる場合に、前記シンクロナイザリングが前記ギヤに対して相対的に他方方向に回転されることにより、前記移動部材が前記凹部内において一方側に配置されるように構成されていることを特徴とする手動変速機の同期装置。
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