JP6020309B2 - 変速機の同期装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シンクロナイザリングを備える変速機の同期装置に関する。
従来、被同期側のギヤに対して摩擦係合可能な内周面が形成されたシンクロナイザリングが知られている(たとえば、特許文献1参照)。このようなシンクロナイザリングは、内周面が円錐台状に形成されている。また、内周面には、周方向に沿って延びるようにねじ溝が形成されるとともに、軸方向に沿って延びるように縦溝が形成されている。
そして、特許文献1のシンクロナイザリングは、内周面の径が大きくなるにつれて、縦溝の深さが大きくなるように構成されている。これにより、シンクロナイザリングが被同期側のギヤに摩擦係合される際における潤滑油の排出性能の向上が図られている。
実開平5−58965号公報
しかしながら、変速機の同期装置では、たとえば、変速機のダウンシフト時には摩擦トルク(係合力)を確保するために潤滑油を排出することが望まれるが、変速機のアップシフト時に潤滑油が排出されすぎると摩擦トルクによって駆動系のガタ詰まりが発生するおそれがある。そして、ガタ詰まりが発生した場合には、異音が発生するという問題点がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、摩擦トルクを確保しながら、異音の発生を抑制することが可能な変速機の同期装置を提供することである。
本発明による変速機の同期装置は、被同期側のギヤに対して摩擦係合可能な内周面が形成されたシンクロナイザリングを備える。シンクロナイザリングの内周面には、軸方向に対して傾斜する溝部が形成されている。溝部には、軸方向の一方側に開放端が形成されるとともに、軸方向の他方側に閉塞端が形成されている。そして、変速機の同期装置は、変速機がダウンシフトされる場合に、シンクロナイザリングが被同期側のギヤに対して相対的に一方方向に回転されることにより、溝部の開放端から潤滑油を排出するように構成され、変速機がアップシフトされる場合に、シンクロナイザリングが被同期側のギヤに対して相対的に他方方向に回転されることにより、溝部の閉塞端が潤滑油を塞き止めるように構成されている。
このように構成することによって、ダウンシフト時に開放端から潤滑油を排出するとともに、アップシフト時に閉塞端により潤滑油を塞き止めることができる。このため、ダウンシフト時には、潤滑油を速やかに排出することにより、摩擦トルクを確保することができる。また、アップシフト時には、潤滑油が排出されるのを抑制することができるので、摩擦トルクを緩やかに立ち上げることができる。これにより、駆動系のガタ詰まりが発生するのを抑制することができるので、異音が発生するのを抑制することができる。
上記変速機の同期装置において、好ましくは、シンクロナイザリングの内周面は円錐台状に形成されており、溝部の開放端は、内周面の径が大きい側に配置され、溝部の閉塞端は、内周面の径が小さい側に配置されている。
本発明の変速機の同期装置によれば、摩擦トルクを確保しながら、異音の発生を抑制することができる。
本発明の一実施形態によるシンクロメッシュ機構を含む手動変速機の一部を断面で示した側面図である。 図1のシンクロメッシュ機構を拡大して示した図である。 図2のシンクロメッシュ機構の一部を拡大して示した図である。 図2のシンクロメッシュ機構のシンクロナイザリングを示した断面図である。 図3のシンクロメッシュ機構のスリーブが1速ドリブンギヤ側に移動した状態を示した図である。 ダウンシフトにより前進1速段が成立する際の潤滑油の流れを説明するための模式図である。 アップシフトにより前進1速段が成立する際の潤滑油の流れを説明するための模式図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下では、変速機の同期装置の一例であるシンクロメッシュ機構に本発明を適用した場合について説明する。
−手動変速機−
図1は、本発明の一実施形態によるシンクロメッシュ機構を含む手動変速機の一部を断面で示した側面図である。まず、図1を参照して、手動変速機(マニュアルトランスミッション)100について説明する。
手動変速機100は、たとえば、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両に搭載されており、前進6速段、後進1速段の同期噛み合い式である。この手動変速機100は、図1に示すように、インプットシャフト1と、アウトプットシャフト2と、リバースシャフト3と、前進用の1速ギヤ列4〜6速ギヤ列9と、後進用のリバースギヤ列10と、シンクロメッシュ機構11〜13とを備えている。
インプットシャフト1、アウトプットシャフト2およびリバースシャフト3は、トランスミッションケース(図示省略)に回転自在に支持されるとともに、互いに平行に配置されている。
インプットシャフト1は、駆動力源(たとえば、内燃機関)の出力軸にクラッチ機構を介して連結され、駆動力源からの回転駆動力を入力可能に構成されている。アウトプットシャフト2には、ファイナルリダクションギヤ列15およびディファレンシャル装置16を介して駆動輪(図示省略)が連結されている。
1速ギヤ列4〜6速ギヤ列9およびリバースギヤ列10は、インプットシャフト1とアウトプットシャフト2との間に設けられている。1速ギヤ列4〜6速ギヤ列9は、それぞれ前進1速段〜前進6速段を成立させるためのギヤ列であり、軸方向(X2方向)に順に配置されている。リバースギヤ列10は、後進段を成立させるためのギヤ列である。
1速ギヤ列4は、インプットシャフト1に回転一体(相対回転不能)に取り付けられた1速ドライブギヤ4aと、アウトプットシャフト2に相対回転自在に組み付けられた1速ドリブンギヤ4bとを含んでいる。1速ドライブギヤ4aと1速ドリブンギヤ4bとは互いに噛み合っている。
2速ギヤ列5は、インプットシャフト1に回転一体に取り付けられた2速ドライブギヤ5aと、アウトプットシャフト2に相対回転自在に組み付けられた2速ドリブンギヤ5bとを含んでいる。2速ドライブギヤ5aと2速ドリブンギヤ5bとは互いに噛み合っている。
3速ギヤ列6は、インプットシャフト1に相対回転自在に組み付けられた3速ドライブギヤ6aと、アウトプットシャフト2に回転一体に取り付けられた3速ドリブンギヤ6bとを含んでいる。3速ドライブギヤ6aと3速ドリブンギヤ6bとは互いに噛み合っている。
4速ギヤ列7は、インプットシャフト1に相対回転自在に組み付けられた4速ドライブギヤ7aと、アウトプットシャフト2に回転一体に取り付けられた4速ドリブンギヤ7bとを含んでいる。4速ドライブギヤ7aと4速ドリブンギヤ7bとは互いに噛み合っている。
5速ギヤ列8は、インプットシャフト1に相対回転自在に組み付けられた5速ドライブギヤ8aと、アウトプットシャフト2に回転一体に取り付けられた5速ドリブンギヤ8bとを含んでいる。5速ドライブギヤ8aと5速ドリブンギヤ8bとは互いに噛み合っている。
6速ギヤ列9は、インプットシャフト1に相対回転自在に組み付けられた6速ドライブギヤ9aと、アウトプットシャフト2に回転一体に取り付けられた6速ドリブンギヤ9bとを含んでいる。6速ドライブギヤ9aと6速ドリブンギヤ9bとは互いに噛み合っている。
シンクロメッシュ機構11は、前進1速段および前進2速段を成立させるために設けられている。このシンクロメッシュ機構11は、1速ドリブンギヤ4bと2速ドリブンギヤ5bとの間におけるアウトプットシャフト2上に設けられている。つまり、このシンクロメッシュ機構11が1速ドリブンギヤ4b側(X1方向側)に作動すると、この1速ドリブンギヤ4bがアウトプットシャフト2に回転一体に連結される。これにより、1速ドライブギヤ4aと1速ドリブンギヤ4bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われることになる(前進1速段の成立)。一方、シンクロメッシュ機構11が2速ドリブンギヤ5b側(X2方向側)に作動すると、この2速ドリブンギヤ5bがアウトプットシャフト2に回転一体に連結される。これにより、2速ドライブギヤ5aと2速ドリブンギヤ5bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われることになる(前進2速段の成立)。なお、シンクロメッシュ機構11の詳細については後で説明する。
シンクロメッシュ機構12は、前進3速段および前進4速段を成立させるために設けられている。このシンクロメッシュ機構12は、3速ドライブギヤ6aと4速ドライブギヤ7aとの間におけるインプットシャフト1上に設けられている。つまり、このシンクロメッシュ機構12が3速ドライブギヤ6a側(X1方向側)に作動すると、この3速ドライブギヤ6aがインプットシャフト1に回転一体に連結される。これにより、3速ドライブギヤ6aと3速ドリブンギヤ6bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われることになる(前進3速段の成立)。一方、シンクロメッシュ機構12が4速ドライブギヤ7a側(X2方向側)に作動すると、この4速ドライブギヤ7aがインプットシャフト1に回転一体に連結される。これにより、4速ドライブギヤ7aと4速ドリブンギヤ7bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われることになる(前進4速段の成立)。
シンクロメッシュ機構13は、前進5速段および前進6速段を成立させるために設けられている。このシンクロメッシュ機構13は、5速ドライブギヤ8aと6速ドライブギヤ9aとの間におけるインプットシャフト1上に設けられている。つまり、このシンクロメッシュ機構13が5速ドライブギヤ8a側(X1方向側)に作動すると、この5速ドライブギヤ8aがインプットシャフト1に回転一体に連結される。これにより、5速ドライブギヤ8aと5速ドリブンギヤ8bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われることになる(前進5速段の成立)。一方、シンクロメッシュ機構13が6速ドライブギヤ9a側(X2方向側)に作動すると、この6速ドライブギヤ9aがインプットシャフト1に回転一体に連結される。これにより、6速ドライブギヤ9aと6速ドリブンギヤ9bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われることになる(前進6速段の成立)。
なお、前進時には、シンクロメッシュ機構11〜13の作動が選択的に行われるため、前進1速段〜前進6速段のうちの何れかが選択される。
一方、リバースギヤ列10は、インプットシャフト1に回転一体に取り付けられたリバースドライブギヤ10aと、アウトプットシャフト2に回転一体に組み付けられたリバースドリブンギヤ10bと、リバースシャフト3に対してスライド移動可能に組み付けられたリバースアイドラギヤ10cとを含んでいる。これらリバースドライブギヤ10a、リバースドリブンギヤ10bおよびリバースアイドラギヤ10cは、前進時には非噛み合い状態であり、動力伝達を行わない。そして、後進時には、リバースアイドラギヤ10cがリバースシャフト3の軸方向に沿って移動することにより、リバースアイドラギヤ10cがリバースドライブギヤ10aとリバースドリブンギヤ10bとの両方に噛み合わされる。これにより、リバースドライブギヤ10aの回転方向がリバースアイドラギヤ10cによって逆転されてリバースドリブンギヤ10bに伝達されることになる。このため、アウトプットシャフト2が前進時の場合とは逆方向に回転する。なお、後進時にはシンクロメッシュ機構11〜13が中立状態に設定される。また、リバースドリブンギヤ10bはシンクロメッシュ機構11の外周側に配置されている。
手動変速機100では、インプットシャフト1の回転が所定の変速比で変速または逆回転されてアウトプットシャフト2に伝達される。そして、アウトプットシャフト2に伝達された回転は、ファイナルドライブギヤ15aとファイナルドリブンギヤ15bとからなるファイナルリダクションギヤ列15によって減速された後、ディファレンシャル装置16へ伝達される。これによって、駆動輪(図示省略)が前進方向または後進方向に回転する。
−シンクロメッシュ機構−
図2は、本実施形態によるシンクロメッシュ機構を示した図である。図3は、図2のシンクロメッシュ機構の一部を拡大して示した図である。図4は、図2のシンクロメッシュ機構のシンクロナイザリングを示した断面図である。次に、図2〜図4を参照して、本実施形態によるシンクロメッシュ機構11について説明する。
シンクロメッシュ機構11は、図2に示すように、クラッチハブ21と、スリーブ22と、キー23と、クラッチギヤ24および25と、シンクロナイザリング26および27とを備えている。なお、クラッチギヤ24は、本発明の「被同期側のギヤ」の一例である。
クラッチハブ21は、アウトプットシャフト2の外周面にスプライン嵌合されており、アウトプットシャフト2と一体的に回転するように構成されている。スリーブ22は、クラッチハブ21の外周面にスプライン嵌合されており、クラッチハブ21と一体的に回転するように構成されている。すなわち、スリーブ22の内側にクラッチハブ21が配置されるとともに、クラッチハブ21の内側にアウトプットシャフト2が配置されており、アウトプットシャフト2、クラッチハブ21およびスリーブ22が一体的に回転するようになっている。また、スリーブ22は、シフトレバー(図示省略)の操作に応じて軸方向(X1およびX2方向)に移動するように構成されている。
キー23は、クラッチハブ21の外周部に周方向に所定の間隔を隔てて複数(たとえば、3つ)設けられている。キー23は、スリーブ22とともに軸方向に移動するように構成されている。なお、キー23は、クラッチハブ21に対して軸方向に移動するようにしてもよいし、クラッチハブ21とともに軸方向に移動するようにしてもよい。
また、キー23は、図3に示すように、ケーシング23aと、ケーシング23a内に収容されたスプリング23bと、スプリング23bにより付勢されるボール23cとを有する。そして、キー23では、ボール23cがスリーブ22の内周面を押圧しており、スリーブ22が中立状態の場合に、ボール23cがスリーブ22の凹部22aに配置されている。
クラッチギヤ24およびシンクロナイザリング26は、前進1速段を成立させるために設けられており、クラッチハブ21に対して1速ドリブンギヤ4b側(X1方向側)に配置されている。
クラッチギヤ24は、内周面に1速ドリブンギヤ4bがスプライン嵌合されており、1速ドリブンギヤ4bと一体的に回転するように構成されている。クラッチギヤ24には、スリーブ22が1速ドリブンギヤ4b側(X1方向側)に移動した場合に、シンクロナイザリング26が摩擦係合される外周面241と、スリーブ22の内歯22bが噛合される外歯242とが形成されている。外周面241は、円錐台状(コーン状)に形成されており、X1方向に向けて拡径するように形成されている。
このため、クラッチギヤ24は、スリーブ22が1速ドリブンギヤ4b側に移動した場合に、スリーブ22(アウトプットシャフト2)と一体的に回転するとともに、スリーブ22が1速ドリブンギヤ4b側に移動していない場合に、スリーブ22に対して相対回転するように構成されている。
シンクロナイザリング26は、図3および図4に示すように、円環状に形成されるとともに、軸方向に移動可能に構成されている。シンクロナイザリング26は、スリーブ22が1速ドリブンギヤ4b側に移動した場合に、クラッチギヤ24の外周面241に摩擦係合可能な内周面261と、スリーブ22の内歯22bが噛合される外歯262とを有する。
内周面261は、図4に示すように、円錐台状に形成されており、X1方向に向けて拡径するように形成されている。なお、内周面261の軸方向に対する傾斜度は、外周面241の軸方向に対する傾斜度とほぼ同じに設定されている。また、内周面261には、周方向に沿って延びるようにねじ溝263が形成されるとともに、そのねじ溝263と交差するように溝部264が形成されている。
溝部264は、内周面261に周方向に所定の間隔を隔てて複数(たとえば、12個)設けられている。各溝部264は、軸方向に対して傾斜するように形成されている。また、各溝部264は、軸方向の一方側(X1方向側)に形成された開放端264aと、軸方向の他方側(X2方向側)に形成された閉塞端264bとを有する。すなわち、各溝部264では、開放端264aは内周面261の径が大きい側に配置されるとともに、閉塞端264bは内周面261の径が小さい側に配置され、開放端264aおよび閉塞端264bが周方向においてずれた位置(異なる位置)に配置されている。
なお、各溝部264は、軸方向に対して傾斜して延びる方向において幅がほぼ同じ大きさにされている。また、各溝部264は、軸方向に対して傾斜して延びる方向において深さがほぼ同じ大きさにされている。
図3に示すように、クラッチギヤ25およびシンクロナイザリング27は、前進2速段を成立させるために設けられており、クラッチハブ21に対して2速ドリブンギヤ5b側(X2方向側)に配置されている。クラッチギヤ25は、内周面に2速ドリブンギヤ5bがスプライン嵌合されており、2速ドリブンギヤ5bと一体的に回転するように構成されている。なお、クラッチギヤ25およびシンクロナイザリング27のその他の構成は、それぞれ、クラッチギヤ24およびシンクロナイザリング26とほぼ同様であるため、説明を省略する。
なお、シンクロメッシュ機構12は、クラッチハブがインプットシャフト1(図1参照)にスプライン嵌合されており、前進3速段および前進4速段を成立させるために設けられている。また、シンクロメッシュ機構13は、クラッチハブがインプットシャフト1にスプライン嵌合されており、前進5速段および前進6速段を成立させるために設けられている。シンクロメッシュ機構12および13のその他の構成は、シンクロメッシュ機構11とほぼ同様であるため、説明を省略する。
−シンクロメッシュ機構の動作−
図5は、本実施形態のシンクロメッシュ機構の動作を説明するための図である。次に、図3および図5を参照して、シンクロメッシュ機構11の動作について説明する。なお、以下では、シンクロメッシュ機構11の動作の一例として、シンクロメッシュ機構11が前進1速段を成立させる場合について説明する。
まず、図3に示す状態(スリーブ22が中立位置に位置する状態)から、シフトレバー(図示省略)の操作により、スリーブ22がX1方向に移動された場合には、キー23のボール23cが凹部22aに係合されていることから、スリーブ22とともにキー23がX1方向に移動される。このため、キー23によりシンクロナイザリング26がクラッチギヤ24側に押圧される。これにより、シンクロナイザリング26の内周面261がクラッチギヤ24の外周面241に摺接され、シンクロナイザリング26の回転速度とクラッチギヤ24(1速ドリブンギヤ4b)の回転速度とが次第に近づくようにされる。
そして、スリーブ22がさらにX1方向に移動されると、図5に示すように、ボール23cがケーシング23a内に退避してキー23とスリーブ22との係合が解除されるとともに、スリーブ22の内歯22bがシンクロナイザリング26の外歯262およびクラッチギヤ24の外歯242に噛み合わされる。これにより、スリーブ22とシンクロナイザリング26およびクラッチギヤ24とが一体的に回転するようになる。すなわち、1速ドリブンギヤ4bとアウトプットシャフト2とが一体的に回転するようになり、前進1速段が成立される。
ここで、たとえば、前進2速段の成立状態から前進1速段に切り換えられるダウンシフト時には、一般的に、シンクロナイザリング26の回転速度がクラッチギヤ24の回転速度よりも大きいため、シンクロナイザリング26がクラッチギヤ24に摩擦係合する際に、シンクロナイザリング26がクラッチギヤ24に対して相対的に一方方向(図4のR1方向)に回転される。
これに対して、たとえば、停車中のニュートラル状態から前進1速段に切り換えられるアップシフト時には、一般的に、シンクロナイザリング26の回転速度がクラッチギヤ24の回転速度よりも小さいため、シンクロナイザリング26がクラッチギヤ24に摩擦係合する際に、シンクロナイザリング26がクラッチギヤ24に対して相対的に他方方向(図4のR2方向)に回転される。なお、他方方向は、一方方向の反対方向である。
すなわち、ダウンシフト時には、シンクロナイザリング26によりクラッチギヤ24が引きずられた後に、シンクロナイザリング26およびクラッチギヤ24が同期回転されるのに対し、アップシフト時には、シンクロナイザリング26がクラッチギヤ24により引きずられた後に、シンクロナイザリング26およびクラッチギヤ24が同期回転される。
なお、ダウンシフトとは、現在の変速段から、現在の変速段よりも変速比(減速比)が大きい変速段に切り換えることをいい、アップシフトとは、現在の変速段から、現在の変速段よりも変速比が小さい変速段に切り換えることをいう。さらに、本実施形態におけるアップシフトでは、停車状態からの発進時のように、変速段が成立されていない状態から、最初に所定の変速段が成立される場合を含むものとする。
このように、前進1速段が成立される場合であっても、ダウンシフト時とアップシフト時とでは、クラッチギヤ24に対するシンクロナイザリング26の相対的な回転方向が異なる。なお、前進1速段が成立される際のクラッチギヤ24およびシンクロナイザリング26の実際の回転方向は同じ方向である。
[シンクロメッシュ機構の動作時における潤滑油の流れ]
図6は、ダウンシフトにより前進1速段が成立する際の潤滑油の流れを説明するための模式図であり、図7は、アップシフトにより前進1速段が成立する際の潤滑油の流れを説明するための模式図である。次に、図6および図7を参照して、シンクロメッシュ機構11の動作時における潤滑油の流れの一例について説明する。なお、以下では、ダウンシフトにより前進1速段が成立される場合と、アップシフトにより前進1速段が成立される場合とについて説明する。
(ダウンシフト時)
ダウンシフトにより前進1速段が成立される場合には、一般的に、アウトプットシャフト2側がインプットシャフト1側に比べて回転速度が高いため、シンクロナイザリング26の回転速度がクラッチギヤ24の回転速度よりも大きくなる。このため、シンクロナイザリング26がクラッチギヤ24に摩擦係合する際に、シンクロナイザリング26がクラッチギヤ24に対して相対的に一方方向(図4および図6のR1方向)に回転される。これにより、図6に示すように、シンクロナイザリング26の内周面261とクラッチギヤ24の外周面241(図5参照)との間の潤滑油が、ねじ溝263に沿って一方方向(R1方向)とは反対方向に案内されるとともに、ねじ溝263と交差する溝部264に案内される。
ここで、溝部264が軸方向に対して傾斜するように形成されており、開放端264aが閉塞端264bに対して一方方向とは反対方向側に配置されている。すなわち、ダウンシフト時におけるシンクロナイザリング26のクラッチギヤ24に対する相対的な回転方向とは反対方向側に開放端264aが配置されている。これにより、溝部264に集められた潤滑油が開放端264aから排出され、潤滑油の流れFdが形成される。なお、潤滑油は内周面261の径が大きい側(X1方向側)に排出される。
(アップシフト時)
アップシフトにより前進1速段が成立される場合には、一般的に、アウトプットシャフト2側がインプットシャフト1側に比べて回転速度が低いため、シンクロナイザリング26の回転速度がクラッチギヤ24の回転速度よりも小さくなる。このため、シンクロナイザリング26がクラッチギヤ24に摩擦係合する際に、シンクロナイザリング26がクラッチギヤ24に対して相対的に他方方向(図4および図7のR2方向)に回転される。これにより、図7に示すように、シンクロナイザリング26の内周面261とクラッチギヤ24の外周面241との間の潤滑油が、ねじ溝263に沿って他方方向(R2方向)とは反対方向に案内されるとともに、ねじ溝263と交差する溝部264に案内される。
ここで、溝部264が軸方向に対して傾斜するように形成されており、閉塞端264bが開放端264aに対して他方方向とは反対方向側に配置されている。すなわち、アップシフト時におけるシンクロナイザリング26のクラッチギヤ24に対する相対的な回転方向とは反対方向側に閉塞端264bが配置されている。これにより、溝部264に集められた潤滑油が閉塞端264bにより塞き止められ、潤滑油の排出が抑制される。このとき、潤滑油の流れFuが形成される。
−効果−
本実施形態では、上記のように、軸方向に対して傾斜する溝部264をシンクロナイザリング26の内周面261に設け、溝部264の軸方向における一方側に開放端264aを形成するとともに、溝部264の軸方向における他方側に閉塞端264bを形成することによって、ダウンシフト時に開放端264aから潤滑油を排出するとともに、アップシフト時に閉塞端264bにより潤滑油を塞き止めることができる。このため、ダウンシフト時には、潤滑油を速やかに排出することにより、摩擦トルクを確保することができる。これにより、ダウンシフト時におけるシフトレバーの操作荷重が重くなるのを抑制することができる。また、アップシフト時には、潤滑油が排出されるのを抑制することができるので、摩擦トルクを緩やかに立ち上げることができる。これにより、駆動系のガタ詰まりが発生するのを抑制することができるので、異音が発生するのを抑制することができる。その結果、ダウンシフト時における摩擦トルクを確保しながら、アップシフト時に異音が発生するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、停車中のニュートラル状態から前進1速段に切り換えられるアップシフト時に異音が発生するのを抑制することができるので、暗騒音(ガタ詰まりによる異音を除く周囲の騒音)が小さいときに、ガタ詰まりによる異音が発生するのを抑制することができる。すなわち、ガタ詰まりによる異音が発生した場合に、その異音が顕著に現われやすい状況下において、異音の発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、内周面261の径が大きい側に開放端264aを配置することによって、ダウンシフト時に開放端264aから排出される潤滑油に対して遠心力が作用することにより、潤滑油をより排出しやすくすることができる。
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、本実施形態では、手動変速機100が前進6段である例を示したが、これに限らず、手動変速機の段数はいくつであってもよい。
また、本実施形態では、前進1速段用のシンクロナイザリング26に本発明の溝部264を形成する例を示したが、これに限らず、その他の変速段用のシンクロナイザリングに本発明の溝部が形成されていてもよい。たとえば、シンクロメッシュ機構11の前進2速段用のシンクロナイザリング27に本発明の溝部が形成されていてもよい。また、前進3速段および前進4速段用のシンクロメッシュ機構12と、前進5速段および前進6速段用のシンクロメッシュ機構13とに本発明が適用されていてもよい。すなわち、手動変速機における全てのシンクロナイザリングに本発明の溝部を形成してもよいし、手動変速機における一部のシンクロナイザリングのみに本発明の溝部を形成するようにしてもよい。
また、本実施形態では、溝部264の延びる方向において幅がほぼ同じ大きさである例を示したが、これに限らず、溝部の延びる方向において幅が異なるようにしてもよい。同様に、本実施形態では、溝部264の延びる方向において深さがほぼ同じ大きさである例を示したが、これに限らず、溝部の延びる方向において深さが異なるようにしてもよい。
また、本実施形態では、開放端264aが内周面261の径が大きい側に配置されるとともに、閉塞端264bが内周面261の径が小さい側に配置される例を示したが、これに限らず、開放端が内周面の径が小さい側に配置されるとともに、閉塞端が内周面の径が大きい側に配置されるようにしてもよい。この場合には、溝部の傾斜する方向を適宜設定すればよい。
また、本実施形態では、スリーブ22の凹部22aに係合されるボール23cを有するキー23を示したが、これに限らず、スリーブの凹部に係合される係合部が設けられた板状部材をキーが有するようにしてもよい。
本発明は、シンクロナイザリングを備える変速機の同期装置に利用可能である。
11 シンクロメッシュ機構(変速機の同期装置)
24 クラッチギヤ(被同期側のギヤ)
26 シンクロナイザリング
261 内周面
264 溝部
264a 開放端
264b 閉塞端

Claims (2)

  1. 被同期側のギヤに対して摩擦係合可能な内周面が形成されたシンクロナイザリングを備える変速機の同期装置であって、
    前記シンクロナイザリングの内周面には、軸方向に対して傾斜する溝部が形成され、
    前記溝部には、前記軸方向の一方側に開放端が形成されるとともに、前記軸方向の他方側に閉塞端が形成され
    変速機がダウンシフトされる場合に、前記シンクロナイザリングが前記被同期側のギヤに対して相対的に一方方向に回転されることにより、前記溝部の開放端から潤滑油を排出するように構成され、
    変速機がアップシフトされる場合に、前記シンクロナイザリングが前記被同期側のギヤに対して相対的に他方方向に回転されることにより、前記溝部の閉塞端が潤滑油を塞き止めるように構成されていることを特徴とする変速機の同期装置。
  2. 請求項1に記載の変速機の同期装置において、
    前記シンクロナイザリングの内周面は円錐台状に形成されており、
    前記溝部の開放端は、前記内周面の径が大きい側に配置され、
    前記溝部の閉塞端は、前記内周面の径が小さい側に配置されていることを特徴とする変速機の同期装置。
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