JP2017044230A - 動力伝達装置 - Google Patents

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山本 義和
Yoshikazu Yamamoto
義和 山本
智義 石丸
Tomoyoshi Ishimaru
智義 石丸
橋本 学
Manabu Hashimoto
橋本  学
健一朗 塚本
Kenichiro Tsukamoto
健一朗 塚本
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Abstract

【課題】回転軸の内部に形成された油路から、回転軸上に設けられた複数のギヤのそれぞれに対し、バランスよく潤滑油を供給することが可能な動力伝達装置を提供する。【解決手段】手動変速機100において、3速〜6速ドライブギヤ6a〜9aを支持するインプットシャフト1には、軸方向に延びる油路31および半径方向に延びる複数の油孔32〜35が内部に形成されている。フランジ部42およびチューブ部43を有する供給チューブ41を備え、フランジ部42とインプットシャフト1の一端との間には、隙間が設けられ、かつ、チューブ部43と油路31の内壁との間には、隙間が設けられ、チューブ部43の先端部43aには、潤滑油が油路31の他端側から一端側に向けて逆流することにより拡径される拡径部が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、動力伝達装置に関する。
例えば、手動変速機などの動力伝達装置においては、複数のギヤと、複数のギヤを支持する回転軸との間への潤滑油の供給を、回転軸の内部に形成された軸方向に延びる油路、およびこの油路から回転軸の外周面まで延びる複数の油孔を通じて行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の動力伝達装置では、回転軸(インプットシャフト)の一端側から回転軸内の油路へ、油路の一端側に設けられた供給チューブを通じて、ケース(変速機ケース)内の潤滑油が供給される。油孔は、各ギヤ(3速〜6速ドライブギヤ)に対応する位置に設けられており、回転軸が回転すると、各油孔から、各ギヤと回転軸との間へ潤滑油が吐出され、各ギヤと回転軸の摺動面の潤滑が行われる。
特開2009−264406号公報
上述したような動力伝達装置では、ギヤが回転軸に対し相対回転する場合に比べて、ギヤと回転軸とが一体回転する場合には、油孔からの潤滑油の吐出量(ギヤと回転軸との間への潤滑油の供給量)が多くなる。このため、回転軸の一端側(つまり、潤滑油の供給口側)に最も近い位置に設けられたギヤが、回転軸と一体回転すると、当該ギヤと回転軸との間への潤滑油の供給量が多くなり、その結果、油路内の潤滑油が、回転軸の一端側へ向けて逆流する可能性がある。このように油路内で逆流した潤滑油が、油路の一端側から油路の外部(ケース内の空間)へ流出すると、回転軸の他端側に位置するギヤでは、当該ギヤと回転軸との間への潤滑油の供給量が少なくなることが懸念される。
本発明は上述したような実情を考慮してなされたものであって、回転軸の内部に形成された油路から、回転軸上に設けられた複数のギヤのそれぞれに対し、バランスよく潤滑油を供給することが可能な動力伝達装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、複数のギヤと、前記複数のギヤを支持し、かつ、一端が開放され軸方向に延びる油路、および、当該油路から外周面まで延びる複数の油孔が内部に形成された回転軸と、前記回転軸の一端と軸方向に対向して設けられたフランジ部、および、一端が前記フランジ部に接続され、かつ前記回転軸の前記油路の内部に挿入されたチューブ部を有する供給チューブと、を備え、前記供給チューブ、前記油路、および前記油孔を経由して、前記各ギヤと、前記回転軸との間への潤滑油の供給が行われる動力伝達装置において、前記フランジ部と、前記回転軸の一端との間には、隙間が設けられ、かつ、前記チューブ部と、前記油路の内壁との間には、隙間が設けられ、前記チューブ部の先端部には、潤滑油が前記油路の他端側から一端側に向けて流れる(潤滑油が逆流する)ことにより拡径される拡径部が設けられていることを特徴としている。
上記構成によれば、回転軸の油路内で潤滑油の逆流が発生すると、この潤滑油の流れによって、チューブ部の先端部が拡径され、油路の内壁とチューブ部の先端部との間の隙間が小さくなる。これにより、油路の内壁とチューブ部の先端部との間の隙間への潤滑油の浸入が抑制され、その隙間を通じて回転軸の一端側の開口から漏れる潤滑油量が低減される。したがって、回転軸の油路内で潤滑油の逆流が発生したとしても、回転軸上に設けられた複数のギヤの各油孔から吐出される潤滑油量の減少を抑制することができ、各ギヤと回転軸との間のそれぞれに対し、バランスよく潤滑油を供給することができる。
本発明の動力伝達装置によれば、回転軸の油路内で潤滑油の逆流が発生したとしても、回転軸上に設けられた複数のギヤの各油孔から吐出される潤滑油量の減少を抑制することができ、各ギヤと回転軸との間のそれぞれに対し、バランスよく潤滑油を供給することができる。
実施形態に係る動力伝達装置の概略構成を示す図である。 図1の動力伝達装置に設けられる供給チューブのチューブ部の先端部を示す図である。 供給チューブのチューブ部の先端部の変形例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本発明の実施形態では、動力伝達装置の一例として、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両に搭載された、前進6速段、後進1速段の同期噛み合い式手動変速機を挙げている。
図1に示すように、手動変速機100は、互いに平行に配置されたインプットシャフト1、アウトプットシャフト2、およびリバースシャフト3を備えている。インプットシャフト1、アウトプットシャフト2、およびリバースシャフト3が、変速機ケース20によって回転自在に支持されている。
インプットシャフト1は、図示しないエンジン(駆動源)のクランクシャフトにクラッチ機構を介して連結されており、このクラッチ機構の係合動作によりエンジンの回転駆動力が入力されるようになっている。
インプットシャフト1とアウトプットシャフト2との間には、前進1速段〜前進6速段および後進段の各変速段を成立させるための複数の変速ギヤ列4〜10が設けられている。具体的には、前進段用のギヤ列として、図1において右側から軸方向左側に向かって、1速ギヤ列4、2速ギヤ列5、3速ギヤ列6、4速ギヤ列7、5速ギヤ列8および6速ギヤ列9が順に配設されている。また、後進段用のギヤ列として、リバースギヤ列10が配設されている。
1速ギヤ列4は、インプットシャフト1に回転一体(相対回転不能)に取り付けられた1速ドライブギヤ4aと、アウトプットシャフト2に対して相対回転自在に組み付けられた1速ドリブンギヤ4bとを備えており、これら1速ドライブギヤ4aと1速ドリブンギヤ4bとは互いに噛み合っている。2速ギヤ列5は、インプットシャフト1に回転一体に取り付けられた2速ドライブギヤ5aと、アウトプットシャフト2に対して相対回転自在に組み付けられた2速ドリブンギヤ5bとを備えており、これら2速ドライブギヤ5aと2速ドリブンギヤ5bとは互いに噛み合っている。
3速ギヤ列6は、インプットシャフト1に相対回転自在に組み付けられた3速ドライブギヤ6aと、アウトプットシャフト2に回転一体に取り付けられた3速ドリブンギヤ6bとを備えており、これら3速ドライブギヤ6aと3速ドリブンギヤ6bとは互いに噛み合っている。4速ギヤ列7は、インプットシャフト1に相対回転自在に組み付けられた4速ドライブギヤ7aと、アウトプットシャフト2に回転一体に取り付けられた4速ドリブンギヤ7bとを備えており、これら4速ドライブギヤ7aと4速ドリブンギヤ7bとは互いに噛み合っている。
5速ギヤ列8は、インプットシャフト1に相対回転自在に組み付けられた5速ドライブギヤ8aと、アウトプットシャフト2に回転一体に取り付けられた5速ドリブンギヤ8bとを備えており、これら5速ドライブギヤ8aと5速ドリブンギヤ8bとは互いに噛み合っている。6速ギヤ列9は、インプットシャフト1に相対回転自在に組み付けられた6速ドライブギヤ9aと、アウトプットシャフト2に回転一体に取り付けられた6速ドリブンギヤ9bとを備えており、これら6速ドライブギヤ9aと6速ドリブンギヤ9bとは互いに噛み合っている。
手動変速機100において、前進段用の各変速ギヤ列4〜9の切り換え動作(変速動作)は、3つのシンクロメッシュ機構(同期装置)11,12,13によって行われる。
詳細には、第1のシンクロメッシュ機構11は、1速ドリブンギヤ4bと2速ドリブンギヤ5bとの間におけるアウトプットシャフト2上に設けられている。第1のシンクロメッシュ機構11が1速ドリブンギヤ4b側に作動すると(具体的には、スリーブ11aが1速ドリブンギヤ4b側に移動すると)、1速ドリブンギヤ4bがアウトプットシャフト2に回転一体に連結され、1速ドライブギヤ4aと1速ドリブンギヤ4bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われることになる(第1変速段の成立)。
一方、第1のシンクロメッシュ機構11が2速ドリブンギヤ5b側に作動すると(具体的には、スリーブ11aが2速ドリブンギヤ5b側に移動すると)、2速ドリブンギヤ5bがアウトプットシャフト2に回転一体に連結され、2速ドライブギヤ5aと2速ドリブンギヤ5bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われることになる(第2変速段の成立)。第1のシンクロメッシュ機構11は、スリーブ11aに係合するシフトフォーク(図示省略)を介して、運転者のシフトレバーの操作に連動して機械的に作動されるようになっている。
また、第2のシンクロメッシュ機構12は、3速ドライブギヤ6aと4速ドライブギヤ7aとの間におけるインプットシャフト1上に設けられている。第2のシンクロメッシュ機構12が3速ドライブギヤ6a側に作動すると(具体的には、スリーブ12aが3速ドライブギヤ6a側に移動すると)、3速ドライブギヤ6aがインプットシャフト1に回転一体に連結され、3速ドライブギヤ6aと3速ドリブンギヤ6bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われることになる(第3変速段の成立)。
一方、第2のシンクロメッシュ機構12が4速ドライブギヤ7a側に作動すると(具体的には、スリーブ12aが4速ドライブギヤ7a側に移動すると)、4速ドライブギヤ7aがインプットシャフト1に回転一体に連結され、4速ドライブギヤ7aと4速ドリブンギヤ7bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われることになる(第4変速段の成立)。第2のシンクロメッシュ機構12は、スリーブ12aに係合するシフトフォーク(図示省略)を介して、運転者のシフトレバーの操作に連動して機械的に作動されるようになっている。
また、第3のシンクロメッシュ機構13は、5速ドライブギヤ8aと6速ドライブギヤ9aとの間におけるインプットシャフト1上に設けられている。第3のシンクロメッシュ機構13が5速ドライブギヤ8a側に作動すると(具体的には、スリーブ13aが5速ドライブギヤ8a側に移動すると)、5速ドライブギヤ8aがインプットシャフト1に回転一体に連結され、5速ドライブギヤ8aと5速ドリブンギヤ8bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われることになる(第5変速段の成立)。
一方、第3のシンクロメッシュ機構13が6速ドライブギヤ9a側に作動すると(具体的には、スリーブ13aが6速ドライブギヤ9a側に移動すると)、6速ドライブギヤ9aがインプットシャフト1に回転一体に連結され、6速ドライブギヤ9aと6速ドリブンギヤ9bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われることになる(第6変速段の成立)。第3のシンクロメッシュ機構13は、スリーブ13aに係合するシフトフォーク(図示省略)を介して、運転者のシフトレバーの操作に連動して機械的に作動されるようになっている。
このように、前進時には、シフトチェンジ動作時を除いて、インプットシャフト1の回転駆動力が、上述したシンクロメッシュ機構11,12,13のうちの何れか一つの作動によって選択された一つの変速ギヤ列4〜9を介してアウトプットシャフト2へ伝達される。
リバースギヤ列10は、インプットシャフト1に回転一体に取り付けられたリバースドライブギヤ10aと、アウトプットシャフト2に回転一体に組み付けられたリバースドリブンギヤ10bと、リバースシャフト3に対してスライド移動自在に組み付けられたリバースアイドラギヤ10cとを備えている。これらギヤ10a,10b,10cは、前進時には動力伝達を行わない非噛み合い状態になる。後進時においては、全てのシンクロメッシュ機構11,12,13が中立状態に設定され、リバースアイドラギヤ10cがリバースシャフト3の軸方向に沿って移動することにより、リバースドライブギヤ10aとリバースドリブンギヤ10bとの両方に噛み合うことで、リバースドライブギヤ10aの回転方向をリバースアイドラギヤ10cによって逆転させてリバースドリブンギヤ10bに伝達する。これにより、アウトプットシャフト2が前進段の場合とは逆方向に回転し、駆動輪は後退方向に回転する。なお、リバースドリブンギヤ10bは、第1のシンクロメッシュ機構11の外周側に回転一体に配設されている。
以上のようにして所定の変速比で変速または逆回転されてアウトプットシャフト2に伝達された回転駆動力は、ファイナルドライブギヤ15aとファイナルドリブンギヤ15bとから成るファイナルリダクションギヤ列15の終減速比によって減速された後、ディファレンシャル装置16へ伝達される。これによって、図示しない駆動輪が、前進方向または後進方向に回転する。
この実施形態では、上述のように構成された手動変速機100において、インプットシャフト1の内部に形成された油路31および油孔32〜35を通じて、3速〜6速ドライブギヤ6a〜9aと、これら3速〜6速ドライブギヤ6a〜9aを支持するインプットシャフト1との間への潤滑油の供給が行われる。これにより、3速〜6速ドライブギヤ6a〜9aとインプットシャフト1との摺動面の潤滑が行われる。
具体的に、インプットシャフト1の内部には、軸方向に延びる油路31と、この油路31からインプットシャフト1の外周面まで延びる複数の油孔32〜35が形成されている。油路31の一端31aは、インプットシャフト1の一端(図1では、左端)まで延びており、変速機ケース20内の空間に開放されている。油路31の一端31a側には、供給チューブ41が挿入されている。供給チューブ41は、変速機ケース20に取り付けられており、この供給チューブ41を通じて、油路31の一端31aから油路31の内部へ、変速機ケース20内の潤滑油が供給されるようになっている。この際、例えば、ファイナルドリブンギヤ15bによって掻き上げられ、変速機ケース20内の図示しないオイルガイドによってインプットシャフト1の一端側の空間に集められた潤滑油が、油路31の一端31aから導入されるようになっている。
油孔32〜35は、油路31から分岐されており、インプットシャフト1の半径方向に沿って形成されている。油孔32〜35の先端は、インプットシャフト1の外周面まで延びている。油孔32〜35は、3速〜6速ドライブギヤ6a〜9aに対応する位置に設けられている。インプットシャフト1の回転時、油孔32〜35から、3速〜6速ドライブギヤ6a〜9aと、インプットシャフト1との間へ潤滑油が吐出される。
具体的に、油孔32は、インプットシャフト1の外周面と、3速ドライブギヤ6aとの間の空間に連通されている。この油孔32を介して、油路31からの潤滑油が、3速ドライブギヤ6aとインプットシャフト1の間の空間へ供給される。同様に、油孔33は、インプットシャフト1の外周面と、4速ドライブギヤ7aとの間の空間に連通されている。この油孔33を介して、油路31からの潤滑油が、4速ドライブギヤ7aとインプットシャフト1の間の空間へ供給される。
また、油孔34は、インプットシャフト1の外周面と、5速ドライブギヤ8aとの間の空間に連通されている。この油孔34を介して、油路31からの潤滑油が、5速ドライブギヤ6aとインプットシャフト1の間の空間へ供給される。同様に、油孔35は、インプットシャフト1の外周面と、6速ドライブギヤ9aとの間の空間に連通されている。この油孔35を介して、油路31からの潤滑油が、6速ドライブギヤ6aとインプットシャフト1の間の空間へ供給される。
この実施形態では、上述のように構成された手動変速機100において、供給チューブ41のチューブ部43の先端部43aが、潤滑油の逆流により拡径するように設けられている。これにより、インプットシャフト1の内部に形成された油路31から、インプットシャフト1上に設けられた3速〜6速ドライブギヤ6a〜9aのそれぞれに対し、バランスよく潤滑油が供給されるようになっている。
ここで、潤滑油の逆流について説明する。手動変速機100では、上述したように、3速〜6速ドライブギヤ6a〜9aは、インプットシャフト1に対し、相対回転可能に設けられる一方、第2,第3のシンクロメッシュ機構12、13によって、インプットシャフト1に一体回転可能に連結される。例えば、運転者のシフトレバーの操作により前進6速段が選択され、第3のシンクロメッシュ機構13が6速ドライブギヤ9a側に作動することによって、6速ドライブギヤ9aのみがインプットシャフト1に一体回転可能となり、それ以外の3速〜5速ドライブギヤ6a〜8aは、インプットシャフト1に対し、相対回転可能となる。6速ドライブギヤ9aがインプットシャフト1と一体回転する場合には、インプットシャフト1に対し相対回転する場合に比べて、油孔35からの潤滑油の吐出量が多くなる。この6速ドライブギヤ9a用の油孔35は、それ以外の油孔(3速〜5速ドライブギヤ6a〜8a用の油孔)32〜34よりも、インプットシャフト1の一端側に設けられているため、油孔35からの潤滑油の吐出量が多くなると、油路31内の潤滑油が、インプットシャフト1の一端側へ向けて逆流する可能性がある。インプットシャフト1の一端側へ逆流した油路31内の潤滑油は、油路31の内壁と供給チューブ41のチューブ部43との間の隙間を通って、インプットシャフト1の一端側の開口から変速機ケース20内へ流出する(漏れる)。
このような潤滑油の逆流が油路31内で発生すると、油孔35よりもインプットシャフト1の他端側に位置する油孔32〜34から吐出される潤滑油の量が少なくなり、インプットシャフト1の他端側に位置する3速〜5速ドライブギヤ6a〜8aへの潤滑油の供給量が少なくなることが懸念される。
この実施形態では、インプットシャフト1上に設けられた3速〜6速ドライブギヤ6a〜9aへの潤滑油の供給量のアンバランスを抑制するために、供給チューブ41のチューブ部43の先端部43aに、潤滑油の逆流により拡径される拡径部が設けられている。この特徴について、図1、図2を参照して説明する。
供給チューブ41は、フランジ部42およびチューブ部43が一体に設けられた構成となっている。フランジ部42は、中央に開口部42aを有する略円環状に形成されている。フランジ部42は、インプットシャフト1の一端と軸方向に対向するように配置されており、フランジ部42と、インプットシャフト1の一端との間には、隙間が設けられている。フランジ部42は、図示しないボルト等によって、変速機ケース20に取り付けられている。チューブ部43は、略円筒状に形成されており、一端がフランジ部42の開口部42aに連通されている。チューブ部43の略全体は、インプットシャフト1内に形成された油路31の内部に挿入されており、油路31の内壁とチューブ部43の外周面との間には、隙間が設けられている。チューブ部43の先端は、6速ドライブギヤ9a用の油孔35よりも、インプットシャフト1の一端側に位置している。
チューブ部43の先端部(他端部)43aには、複数のスリット43bが形成されている。スリット43bは、チューブ部43の先端から一端側へ軸方向に平行に延びている。スリット43bによって、チューブ部43の先端部43aが複数の部分(変形部)43cに分割されており、分割された各変形部43cが弾性変形可能になっている。具体的には、各変形部43cは、先端側の部分が大径に(径方向の外側に)拡径するように変形可能になっている(図2では、2点鎖線で示す)。
このようなスリット43bが設けられたチューブ部43の先端部43aは、上述した潤滑油の逆流により拡径される拡径部となる。つまり、6速ドライブギヤ9aがインプットシャフト1と一体回転することによって、油路31内で潤滑油の逆流が発生すると、この潤滑油の流れによって、チューブ部43の先端部43aの変形部43cが拡径される(図2の2点鎖線を参照)。このため、油路31の内壁とチューブ部43の先端部43aとの間の隙間が小さくなる。これにより、油路31の内壁とチューブ部43の先端部43aとの間の隙間への潤滑油の浸入が抑制され、その隙間を通じてインプットシャフト1の一端側の開口から変速機ケース20内へ流出する潤滑油量が低減される。したがって、インプットシャフト1の油路31内で潤滑油の逆流が発生したとしても、3速〜5速ドライブギヤ6a〜8a用の油孔32〜34から吐出される潤滑油量の減少を抑制することができる。そして、各ドライブギヤ6a〜9aとインプットシャフト1との間のそれぞれに対し、バランスよく潤滑油を供給することができる。
上記実施形態では、供給チューブ41のチューブ部43の先端部43aにスリット43bを設けた例について説明した。しかし、これに限らず、例えば、図3に示すように、供給チューブ41のチューブ部43の先端部43aの肉厚を薄く形成することによって、先端部43aが、潤滑油の逆流により拡径されるようにしてもよい。
図3に示す変形例では、供給チューブ41のチューブ部43の先端部43aの肉厚が、先端側に向かうほど薄くなっている。この場合、先端部43aの外壁(外周面)は軸方向に平行に延びているが、先端部43aの内壁(内周面)が、先端側に向かうほど、徐々に大径に形成されている。そして、油路31内で潤滑油の逆流が発生すると、この潤滑油の流れによって、チューブ部43の先端部43aが拡径される(図3の2点鎖線を参照)。なお、図3に示す供給チューブ41のチューブ部43の先端部43aに対し、上記実施形態のスリット43bを設ける構成としてもよい。
以上では、供給チューブ41のチューブ部43の先端が、6速ドライブギヤ9a用の油孔35よりもインプットシャフト1の一端側(図1では、左側)に位置している例について説明した。しかし、これに限らず、供給チューブ41のチューブ部43の先端を、6速ドライブギヤ9a用の油孔35よりもインプットシャフト1の他端側(図1では、右側)まで伸ばす構成としてもよい。この場合、供給チューブ41のチューブ部43の先端が、5速、6速ドライブギヤ8a、9aの油孔34、35の中間に位置するので、6速ドライブギヤ9a用の油孔35へは、油路31の内壁とチューブ部43の先端部43aとの間の隙間を通じて、潤滑油が供給される。このように、油路31の内壁とチューブ部43の先端部43aとの間を通過した潤滑油が、6速ドライブギヤ9a用の油孔35に供給されることで、インプットシャフト1の一端側の開口から変速機ケース20内へ漏れる潤滑油量を低減することができる。その結果、各ドライブギヤ6a〜9aとインプットシャフト1との間のそれぞれに対し、バランスよく潤滑油を供給することができる。
今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
本発明は、車両に搭載される動力伝達装置に利用可能である。
1 インプットシャフト
6a 3速ドライブギヤ
7a 4速ドライブギヤ
8a 5速ドライブギヤ
9a 6速ドライブギヤ
31 油路
32〜35 油孔
41 供給チューブ
42 フランジ部
43 チューブ部
43a 先端部
43b スリット

Claims (1)

  1. 複数のギヤと、
    前記複数のギヤを支持し、かつ、一端が開放され軸方向に延びる油路、および、当該油路から外周面まで延びる複数の油孔が内部に形成された回転軸と、
    前記回転軸の一端と軸方向に対向して設けられたフランジ部、および、一端が前記フランジ部に接続され、かつ前記回転軸の前記油路の内部に挿入されたチューブ部を有する供給チューブと、を備え、
    前記供給チューブ、前記油路、および前記油孔を経由して、前記各ギヤと、前記回転軸との間への潤滑油の供給が行われる動力伝達装置において、
    前記フランジ部と、前記回転軸の一端との間には、隙間が設けられ、かつ、前記チューブ部と、前記油路の内壁との間には、隙間が設けられ、
    前記チューブ部の先端部には、潤滑油が前記油路の他端側から一端側に向けて流れることにより拡径される拡径部が設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019163795A (ja) * 2018-03-19 2019-09-26 いすゞ自動車株式会社 潤滑構造

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