JP2008248987A - 車両用変速機 - Google Patents

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Masahiro Matsushita
昌弘 松下
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H3/00Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion
    • F16H3/006Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion power being selectively transmitted by either one of the parallel flow paths

Abstract

【課題】クラッチの発熱による軸受の損傷を効率よく防止した車両用変速機を提供すること。
【解決手段】、第1の入力軸の周囲に回動自在に設けられた第2の入力軸と、エンジン側からの駆動力を第1と第2の入力軸のいずれかに伝達するクラッチとを具える入力機構と、第1および第2の出力軸を有する出力機構とを備え、クラッチの中間プレートが、第1の軸受を介して前記第2の入力軸の前記エンジン側の端部外周面に回動自在に取り付けられ、かつ該第2の入力軸の前記エンジン側の端部内周面と第1の入力軸の外周面との間に、筒状の環状空間が形成され、環状空間の内部に、第2の軸受とオイル溜りを設け、かつ少なくとも第1の軸受の取り付け部分の軸方向に重ねられた部分に油材を充填させて車両用変速機を構成した。これにより、クラッチの発熱による軸受の磨耗や熱損傷を防止できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ツインクラッチを備えた車両用変速機に関する。
車両(自動車)の自動変速機には、駆動歯車と被動歯車とが常時噛合う常時噛合い式の歯車機構を用い、動力伝達のロスを抑えながら連続的に変速を行わせるツインクラッチ(ダブルクラッチとも呼ぶ。)変速機と呼ばれる変速機がある。
かかる変速機においては例えば次のような構成が知られている。すなわち、第1の入力軸の外周に円筒状の第2の入力軸を回動自在に設け、第1と第2の入力軸のそれぞれにクラッチ板を設け、また第1と第2の入力軸いずれに対しても回動自在な中間プレートを設け、エンジンからの駆動力を中間プレートに入力させ、第1と第2の入力軸に取り付けられたクラッチ板のいずれかのクラッチ板を中間プレートに連結させて、エンジンの駆動力を第1と第2の入力軸のいずれかに伝達させる構成がある。
特開2006−52832号公報
しかしながら上記例の変速機では、第2の入力軸のエンジン側の端部に軸受を設け、第2の入力軸を第1の入力軸に対して回動自在に支持させている。第2の入力軸の該周面には中間プレートが取り付けてあるので、中間プレートで発生した熱が第2の入力軸に伝えられ、その熱が軸受に伝わり、軸受の温度が上昇することがある。すると温度上昇により軸受の磨耗が増大したり、熱膨張を生じさせて破損を発生させるという懸念があった。
本発明は、上記課題を解決し、クラッチの発熱による軸受の熱損傷を防止した車両用変速機を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため変速機を次のように構成した。
1、 所定の2グループに分けられた変速段にのうちの一方の変速段グループの駆動歯車を有する第1の入力軸と、他方の変速段グループの駆動歯車を有し、前記第1の入力軸の外周側に位置して該第1の入力軸と同軸に設けられた第2の入力軸と、前記第2の入力軸のエンジン配設側端部の外周側に位置してエンジンの出力軸と共に回転するよう設けられ、クラッチが係合することにより前記第1もしくは第2の入力軸にエンジン駆動力を伝達するエンジン側回転部材と、前記エンジン側回転部材の内周側と前記第2の入力軸の外周側との間に設けられた第1の軸受と、前記第2の入力軸のエンジン配設側端部の内周側と前記第1の入力軸の外周側との間に設けられた第2の軸受と、を備える車両用変速機であって、
前記第2の入力軸の前記エンジン配設側の端部内周面と前記第1の入力軸の外周面との間には一対のオイルシールにより隔設されると共に、前記第2の軸受を収容する筒状の環状空間が形成され、前記環状空間の内部には油材を充填させるオイル溜りが前記第2の軸受に対して前記エンジン配設側で前記第1の軸受と軸方向位置で重なる部分に形成されるよう、前記第2の軸受及び前記オイルシールが配設されていることとした車両用変速機を構成した。
すなわち、エンジン側回転部材を支持する第1の軸受の内側部分には、オイル溜りを設け、第2の軸受と重ならないように構成した。
2、 1に記載の車両用変速機において、前記第1の入力軸に連結され、前記エンジン側回転部材に係合してエンジン駆動力を前記第1の入力軸に伝達する第1のクラッチと、前記第2の入力軸に連結され、前記エンジン側回転部材に係合してエンジン駆動力を前記第2の入力軸に伝達する第2のクラッチと、を更に備え、前記エンジン側回転部材は、前記第1のクラッチと前記第2のクラッチとの間に配設されていることとした。
すなわち、エンジン側回転部材には第1および第2のクラッチプレートが連結され、より熱を発生しやすくなるが、オイル溜りを設けることで、直接第2の軸受に熱が伝達されず、第2の軸受が熱損傷等を受けることをより効果的に防止することとした。
3、 1または2に記載の車両用変速機において、前記オイル溜りは、前記環状空間の内部であって前記第1の軸受と軸方向位置で重なる部分より、前記エンジン配設側とは軸方向の逆側に延長して設けられることとした。
すなわち、オイル溜りを長くして、前記第1の軸受の取り付け部分の軸方向に重ねられた部分と第2の軸受とを軸方向に離すことで、エンジン側回転部材から第2の軸受への熱伝達をより効果的に防止することとした。
4、 1乃至3のいずれかに記載の車両用変速機において、前記第1の軸受はボールベアリングで構成され、前記第2の軸受はニードルベアリングで構成されることとした。
本発明にかかる車両用変速機は、次の効果を有している。
エンジン側回転部材(中間プレート)で発生した熱は、第1と第2の入力軸の間に設けられた油材を介して第1の入力軸に伝達されるので、熱がエンジン側回転部材や第2の入力軸に蓄積されることがない。また、エンジン側回転部材が中間プレートの場合、第1および第2のクラッチプレートが連結され、より熱を発生しやすくなるが、オイル溜りを設けることで、直接第2の軸受に熱が伝達されず、第2の軸受が熱損傷等を受けることをより効果的に防止できる。
第1と第2の入力軸を回動自在に支持する第2の軸受が、中間プレートを支持している第1の軸受の取り付け部分に軸方向に重ねて設けられておらず、環状空間内のエンジンと逆側の端部に離れて組み付けられてることから、エンジン側回転部材から熱が直接第2の軸受に伝達されず、第2の軸受が熱損傷等を受けることを防止できる。比較的熱容量が大きなボールベアリングからの熱が、比較的熱容量が小さいニードルベアリングに伝達されるのを効果的に防止できる。
第2の入力軸は、第2の軸受により第1の入力軸に回動自在に支持され、中間プレートは、第1の軸受により第2の入力軸により確実に支持される。更に、環状空間内に油材が充填されており、環状空間の端部に第2の軸受が組み付けられているので、第2の軸受がかかる油材により適度に潤滑され、第2の軸受の長寿命化を図ることができる。
本発明にかかる車両用変速機の一実施形態について、図を参照して説明する。
図1に、車両用変速機の概略構成を示す。車両用変速機は、前進段に6速、後進段に1速の計7速の変速段をもつ、横置きエンジン用のツインクラッチ変速機である。図中1は、ツインクラッチ変速機の本体部であり、入力系2と出力系30とを組み合わせた構造となっている。
入力系2は、駆動歯車3〜7が配置される2つの入力軸9、10(本願の第1、第2の入力軸に相当する。)と2つのクラッチ12、13(第1、第2のクラッチ)とを組み合わせた構造となっている。出力系30は、被動歯車31〜37やシンクロ機構50〜53が配置される2つの出力軸40、41(本願の第1、第2の出力軸に相当する。)を具えて構成されている。
次に図2および図3を参照して、入力系2の構造を説明する。図2は、ツインクラッチ変速機を展開した正断面図であり、図3は、同ツインクラッチ変速機の側断面図である。同図中15はクラッチケース、16は同クラッチケース15と直列に連結された変速機ケースであり、クラッチケース15内には上記クラッチ12、13が収められている。
クラッチ12、13は、例えばエンジン70の出力軸につながる2組のプッシャプレート12a、13a(本願の中間プレートに相当する。)と、入力軸9、10にそれぞれつながる2組の独立した乾式のクラッチ板12b、13bを軸方向に交互に並べ、各プッシャプレート12a、13aを移動(作動)させることにより、各プッシャプレート12a、13aをクラッチ板12b、13bに密接させたり、離反させたりする。
変速機ケース16内には、ほぼ中央に入力軸9、10が配設されている。入力軸9は、円柱状で、クラッチケース15の開口(図における右端)近くから、変速機ケース16内の深部、つまりクラッチ12、13とは反対側の端壁16aの近くまで延び、その軸端が軸受17bで回動自在に支持されており、軸心に潤滑油(図3にのみ図示)が通る通孔18が形成してある。
入力軸10は、円筒状で、図2に示すように入力軸9の外周面に組み付けられている。入力軸9と入力軸10との間は、ニードルベアリング11とニードルベアリング19(本願の第2の軸受に相当する。)が組み付けてあり、これらにより互いに回動自在となっている。11aは、通孔18からニードルベアリング11へ潤滑油を導く通孔である。
入力軸10は、入力軸9のほぼ半分の長さを有し、入力軸9の外周を、クラッチ12、13側の一端側から変速機ケース16内部のほぼ中央まで覆っている。入力軸9と入力軸10とからなる2重軸の部分は、その中間部に設けられた軸受17aによって支持されている。軸受17aは、クラッチケース15と変速機ケース16との間を仕切る端壁16bに組み付けられており、軸受17aと上述した軸受17b、更にニードルベアリング11とニードルベアリング19とにより、入力軸9と入力軸10は、それぞれ回動自在に支持されるとともに、互いにそれぞれの軸心回りに回動自在に支持されている。
入力軸9の端部はクラッチケース15内に突き出ており、その端部にはクラッチ13、具体的にはクラッチ13のクラッチ板13bが連結してあり、同様に入力軸10の端部には、クラッチ12のクラッチ板12bが連結している。クラッチ板12b及びクラッチ板13bは、それぞれ入力軸10と入力軸9に、スプライン結合等により互いに回動不能に組み付けられている。
また入力軸10の端部には、第1の軸受としての軸受21(ボールベアリング)を介してプッシャプレート13a(中間プレート)が回動自在に取り付けられている。プッシャプレート13aは、エンジン70の駆動軸に連結しており、エンジン70から駆動力が伝達される。軸受21は、入力軸10のエンジン70側の端部外周面に取り付けられており、入力軸10に対してプッシャプレート13aを回動自在に支持している。
更に入力軸10は、軸端の内周面が径方向に拡張させてあり、入力軸10の内周面と入力軸9の外周面との間に周状に環状空間20が形成されている。環状空間20の内部には一対のオイルシール23が、環状空間20の内部を塞ぐ形で前後に設けてあり、そのオイルシール23間の内側で、エンジン70と逆側の端部には、上述した第2の軸受としてのニードルベアリング19が組み付けてある。ニードルベアリング19は、前述したように入力軸9と入力軸10を回動自在に支持している。そして、ニードルベアリング19とオイルシール23との間には油材としてのグリースが充填してあり、ニードルベアリング19よりエンジン70側で、エンジン70側のオイルシール23までの間はオイル溜り22として形成されている。オイル溜り22は、図2のL2に示す範囲となっており、ニードルベアリング19は、クラッチ板12bの取り付け部分、つまり軸受21の下部(図2のL1に示す範囲)と、上下方向に重ならないように組み付けてある。
そしてクラッチ13が接続されると、エンジン70から出力される駆動力がクラッチ板13bを介して入力軸9へ伝わり、クラッチ12が接続されると、エンジン70から出力される駆動力がクラッチ板12bを介して入力軸10へ伝わる。つまり、クラッチ12、13を作動させることにより、エンジン70の駆動力が入力軸9と入力軸10のいずれか一方へ択一的に伝達される。
入力軸9、10には図1に示すように、駆動歯車3〜7が設けられている。具体的には、駆動歯車3〜7からなる前進変速段(1〜6速)は、2つの変速段グループ、つまり偶数の変速段と奇数の変速段との変速段グループに分けられ、そのうちの奇数の変速段グループに相当する駆動歯車3〜5が入力軸9に設けられている。
具体的には、入力軸10から突き出た軸部分9a(入力軸9)に、軸受17bと隣接した地点(変速機の後端側)から、1速用の駆動歯車3、3速用の駆動歯車4、5速用の駆動歯車5の順で設けてある。特に1速用の駆動歯車3は、他の3速用や5速用の駆動歯車4、5のように、軸部分9aに円盤状のハブ部を形成し、同ハブ部に工具で噛合い歯を形成するのではなく、直接軸部分9aの外周面に、工具で噛合い歯を創成した構造を用い、減速比が稼げるようにしてある。しかも、この1速用の駆動歯車3と隣合う駆動歯車には、次の低速側の歯車、すなわち3速用の駆動歯車4を配置し、1速歯車の駆動歯車3の創成時、工具との干渉が短い距離で避けられ、駆動歯車間の距離の増加を抑制させている。
一方偶数の変速段グループに相当する駆動歯車は、入力軸10に設けてある。具体的には入力軸10に、変速機後端側の端部から、4速・6速兼用の駆動歯車6、2速用の駆動歯車7の順で設けてある。これにより、クラッチ13が接続されると、エンジン70の駆動力が奇数段の駆動歯車3〜5へ伝わり、クラッチ12が接続されると、エンジン70の駆動力が偶数段の駆動歯車6、7へ伝わる。
次に出力系30を、図2および図3を参照して説明する。出力系30を構成する出力軸40、41は、いずれも変速機ケース16内に、入力軸9、10と並行に配設されている。出力軸40は、2重構造の入力軸9、10(入力軸部)の上側に配設され、出力軸41は同入力軸9、10の下側に配置してある。
出力軸40、41は、いずれもクラッチ12、13側の端部を、端壁16bの位置で上下に揃えて配置されている。揃えられた出力軸40、41の各軸端は、端壁16bに組み込まれた各軸受38a、38bに回動自在に支持されている。また、出力軸40、41の変速機後端側となる軸端は、端壁16aに組み込まれた各軸受39a、39bにより回動自在に支持されている。
出力軸40、41のクラッチ12、13側の端部には、それぞれ出力歯車42、43が設けてあり、これら出力歯車42、43は、図3に示すように変速機ケース16の側部に組み付けたデファレンシャル機構44に噛合させてある。
デファレンシャル機構44は、変速機ケース16の側部に形成した外壁45内に、各要素、具体的にはピニオン歯車45a〜45dの組み合わせで形成される差動歯車部45e、同差動歯車部45eへ回転を入力するリング歯車46(リダクション歯車)、差動歯車部45eで分配された駆動力を左右駆動輪(図示しない)へ伝える車軸47a、47bなどから構成されている。出力歯車42、43は、このデファレンシャル機構44のリング歯車46に噛合させてある。出力歯車42と43は、出力軸40の終減速比が、出力軸41の終減速比よりも大きくなるように減速比が設定してある。
出力軸40には、軸受39a側から、駆動歯車5と噛合う5速用の被動歯車31、駆動歯車6と噛合う4速用の被動歯車32、後進用の被動歯車33の順で、3つの被動歯車が配置されている。出力軸41には、軸受39b側から、駆動歯車3と噛合う1速用の被動歯車34、駆動歯車4と噛合う3速用の被動歯車35、駆動歯車6と噛合う6速用の被動歯車36、駆動歯車7と噛合う2速用の被動歯車37の順で、4つの被動歯車が配置されている。このように出力軸40、41には、出力軸40の変速段数が出力軸41の変速段数より少なくなるように、被動歯車31〜36が振り分けてある。
ここで、これら歯車のうち軸受17a、17bに隣接して配置される低速段歯車の駆動歯車3、7(1速、2速)の歯幅寸法α1、α2は、いずれも噛合う被動歯車34、37の歯幅寸法β1、β2よりも大きくしてある。そして、この幅広の駆動歯車3、7と噛合う被動歯車34、37だけは、幅方向片側に寄せた状態で噛合わせてある。こうした被動歯車31〜37が、いずれも軸受部となるニードルベアリング48を用いて、出力軸40、41の外周面に回動自在に支持させてある。
このような被動歯車31〜37のレイアウト(出力軸40側の変速段数を出力軸41側より少なくしたレイアウト)に合わせて、シンクロ機構50〜53を振り分け、出力軸40、41に設けてある。具体的には、出力軸40の、被動歯車32(4速用)と被動歯車33(後進用)間の軸部分に、シフト方向が二方向タイプの4速・後進選択用のシンクロ機構50が配置してあり、被動歯車31(5速用)を挟んだ軸受39a側の軸部分に、シフト方向が一方向タイプの5速選択用のシンクロ機構51が配置してある。
また出力軸41の、被動歯車34(1速用)と被動歯車35(3速用)間の軸部分に、シフト方向が二方向タイプの1速・3速選択用のシンクロ機構52が配置してあり、被動歯車36(6速用)と被動歯車37(2速用)間の軸部分に、シフト方向が二方向タイプの6速・2速選択用のシンクロ機構53が配置してある。こうした各歯車、シンクロ機構の配列により、上側の出力軸40の端部を、下側の出力軸41に対して変速段数の差分、クラッチ12、13側へ退避させている。つまり、出力軸40の全長が出力軸41よりも短くなっている。
二方向タイプのシンクロ機構50、52、53はいずれも、軸部分にシンクロナイザハブ55をスプライン嵌合させ、シンクロナイザハブ55の外周部に、スリーブとしてのシンクロナイザスリーブ56を軸方向にスライド可能に組み付け、シンクロナイザハブ55の両側に配置された各歯車にそれぞれシンクロナイザコーン57を形成し、同シンクロナイザコーン57の外周のコーン面にそれぞれシンクロナイザリング58を嵌挿した構造が用いられている(符号はシンクロ機構50、52に図示)。
これにより各シンクロ機構50、52、53において、シンクロナイザスリーブ56を軸方向のいずれかの方向へスライドさせると、シンクロナイザリング58とシンクロナイザコーン57との摩擦により、回転速度差を減らしながら、出力軸40や出力軸41と各変速段の被動歯車とが係合され(同期噛合)、両者が一体で回転される。
ここで、被動歯車34(1速用)に組み付くシンクロ機構52は、シンクロナイザスリーブ56の外径より歯車径が大きく、被動歯車34にできるだけ近づけて配置させてある。この近づける構造には、被動歯車34のシンクロ機構52側の側面全体に、軸心回りに環状の凹部55aを形成し、同凹部55a内に、シンクロナイザリング58、シンクロナイザコーン57を設けて、スライドするシンクロナイザスリーブ56の一部が凹部55a内に入り込むようにしている。つまり、シンクロ機構52のシンクロナイザスリーブ56は、他の変速段より、被動歯車34(1速用)の側面から内側へ入り込んだ位置で同期噛合を完結させて、その分、被動歯車34からシンクロナイザハブ55までの距離を短くてしている。
一方向タイプのシンクロ機構51は、二方向タイプのシンクロ機構50、52のうち、片側のシンクロナイザコーン57、シンクロナイザリング58を省いて、軸受39aから離れる一方向をシフト方向だけにした構造と同じ構造をしている。つまり、シンクロナイザスリーブ56を被動歯車31へスライドさせると、摩擦により、回転速度差を減らしながら、出力軸40と5速用の被動歯車31とが係合される。
また被動歯車37(2速用)の、シンクロ機構53側と反対側の側部には、後進用のアイドラ歯車60が同軸に取り付けられている。アイドラ歯車60は、被動歯車37より歯車径が小さく、出力軸40の後進用の被動歯車33と噛合っていて、シンクロ機構50により、後進用の被動歯車33を出力軸40に係合させると、出力軸40から、2速変速段の減速比、後退速段の減速比、さらには出力軸40の終減速比で減速された逆回転の出力が、デファレンシャル機構44へ伝達される。そして、被動歯車37の軸受面37aには空転する後進用の被動歯車33から負荷が加わるが、アイドラ歯車60の設置により幅寸法が増しており、ニードルベアリング48をアイドラ歯車60側に偏らせて配置することで、軸受面37aをバランスよく回動自在に支持している。
更に、出力軸40の変速機後端側の端部(退避した端部)には、パーキング歯車61が設けられている。パーキング歯車61には、図3に示すように変速機ケース16に組み付けられたロック用の爪部材62が係脱可能に設けられており、ギアをパーキングに設定すると爪部材62がパーキング歯車61に係合し、出力軸40がロックされる。この出力軸40のロックにより、車軸47aおよび47bがロックされる。
上記各クラッチ12、13の接・断動作(プッシャプレート12a、13a)や各シンクロ機構50〜53のシフト選択動作は、例えばECUの指令により制御されるアクチュエータ(いずれも図示しない)で行なわれる。そして、ツインクラッチ変速機は、ECUに設定された変速情報に従い、動力伝達が断たれるロスを最小限に抑えつつ自動変速が行なわれる。
次に、ツインクラッチ変速機の作用について説明する。1速の設定は、まず、ECUから出力される変速指令で作動するアクチュエータにより、奇数変速段グループのシンクロ機構52のシンクロナイザスリーブ56が1速側へスライドして、1速用の被動歯車34と出力軸41とを係合させる。これで、1速の変速段が選択される。その後、同じく変速指令で作動するアクチュエータにより、クラッチ13が接動作される。同クラッチ13の接続により、1速のシフトが完了する。これにより、エンジン70の出力は、プッシャプレート13a、クラッチ板13b、入力軸9、1速用の駆動歯車3、1速用の被動歯車34、出力軸41へ伝わる奇数系統の伝達ラインで変速される。そして、変速した回転出力が、出力歯車43から、デファレンシャル機構44へ伝達されて、左右の車軸47a、47bに伝わり、車両を1速で走行させる。尚かかる状態では、クラッチ12は遮断状態である。
この1速で走行中、2速への変速指令が出力されると、クラッチ13が接続しているが、クラッチ12が遮断状態となっているので、偶数変速グループのシンクロ機構53のシンクロナイザスリーブ56が2速側へスライドして、2速用の被動歯車37を、現在の車速で回転している出力軸41に係合させる。これにより、次段となる2速変速段の駆動歯車7は、車速にシンクロして、2速の変速段が選択される。つまり、次段の変速準備が整う。
その後、クラッチ13の接続を解除しながら、クラッチ12の接続が行なわれ、エンジン70からの動力伝達は、入力軸9から入力軸10へ切り替わる。すると、エンジン70の出力は、クラッチ板12b、入力軸10、2速用の駆動歯車7、2速用の被動歯車37、出力軸40へ伝わる偶数系統の伝達ラインで変速され、その変速した回転が出力歯車43から、デファレンシャル機構44へ出力される(2速シフト完了)。この2速への切り替えにより、即座に、車両は、2速走行へ切り替わる。
この2速で走行中、3速への変速指令が出力されると、クラッチ12が接続状態で、クラッチ13が遮断状態であるので、奇数変速グループのシンクロ機構52のシンクロナイザスリーブ56を3速側へスライドさせて、3速用の被動歯車35を、現在の車速で回転している出力軸40に係合させる。これにより、次段となる3速変速段の駆動歯車4は、車速にシンクロして、3速の変速段が選択される。つまり、次段の変速準備が整う。その後、クラッチ12の接続を解除しながら、クラッチ13の接続が行なわれ、エンジン70の動力伝達は、再び入力軸10から入力軸9へ切り替わる。すると、エンジン70からの出力は、プッシャプレート13a、クラッチ板13b、入力軸9、3速用の駆動歯車4、3速用の被動歯車35、出力軸41へ伝わる奇数系統の伝達ラインで変速され、その変速した回転出力が出力歯車43から、デファレンシャル機構44へ伝達される(3速シフト完了)。この3速への切り替えにより、即座に、車両は、3速走行へ切り替わる。
そして、シンクロ機構50、51、53およびクラッチ12、13により、上記と同様、奇数変速グループ、偶数変速グループで変速段を交互に選択して、クラッチ12、13を交互に切り替えることにより、残る4速、5速、6速の変速段のシフトも、上記した1速〜3速の変速操作時と同様、動力伝達ロスを最小限に抑えながら連続的に変速が行なわれる。
また後進変速段への変速は、クラッチ12、13が断動作となっている状態から、シンクロ機構50のシンクロナイザスリーブ56が後進速側へスライドして、後進用の被動歯車33と出力軸40とを係合させる。これで、後進速の変速段が選択される。その後、クラッチ12の接続が行なわれる。これにより、エンジン70からの出力は、入力軸10、2速用の駆動歯車7、2速用の被動歯車37、該被動歯車37に取り付けられたアイドラ歯車60、後進用の被動歯車33、出力軸40、出力歯車42を経て、デファレンシャル機構44へ伝わる。つまり、出力軸40の回転は、2速変速段の減速比、後退速段の減速比、さらには出力軸41の終減速比で減速された逆回転の出力となって、デファレンシャル機構44へ伝達され、車両を大きな減速比で後進させる。
更に、ボールベアリングである軸受21の取り付け部分の下部には、オイル溜り22が形成されオイル溜り22の内部にグリースが充填してあることから、クラッチ操作によりプッシャプレート13aに熱が発生しても、オイル溜り22のグリースを介して熱が入力軸9に伝達して放散され、プッシャプレート13aや入力軸10に熱が蓄積されることがない。
また、ニードルベアリング19が軸受21の取り付け部分、上記L1部分に上下方向に重なっていない、つまりL2>L1であることから、プッシャプレート13aで発生した熱がニードルベアリング19に伝わることがなく、ニードルベアリング19の温度上昇、及びそれに伴う磨耗、損傷等を生じさせることがない。更に、オイル溜り22にグリースを充填したことから、オイル溜り22からのグリースでニードルベアリング19を潤滑させることができ、ニードルベアリング19の長寿命化を図ることができる。
更に、軸受21にボールベアリングを用いて軸受としての熱容量が大きくなっている場合であっても、熱容量の小さいニードルベアリング19への軸受21からの熱影響を小さなものにすることができる。したがって、ニードルベアリング19の磨耗、損傷、熱膨張等を防止し、長寿命を達成することができる。更に、上記構成は、変速機の主構造を大きく変更することなく実施でき、中間プレートから生じる熱による損傷等を、低コストで効率よく防止した変速機を提供できる。
またパーキングは、パーキング操作に連動したアクチュエータの作動で、図3に示されるように爪部材62を係合側へ回動させて、同爪部材62の先端の爪部62aを、パーキング歯車61の外周の歯部61a(図3のみ図示)に係合させることで行なわれる。この係合により、出力軸40はロックされ、車両は動かないように拘束される。
こうした車両を拘束するパーキング歯車61は、変速段の噛合い数が少ない出力軸40の端部、それも軸端の最も近くに配置されたシンクロ機構50(5速用)と隣接(軸端側)して設けてあるので、軸上の被動歯車31〜33(5速用、4速用、後進用)やシンクロ機構51,50(5速用、4速・後進用)のレイアウトを変更させることなく容易に出力軸40に組み付けられる。しかも、パーキング歯車61は、短くなることによって形成される出力軸40の側方の空いた領域に配置されるので、ダブルクラッチ変速機の本体部1の外形、すなわち変速機ケース16の前後方向の最大寸法を変更させずにすむ。つまり、ダブルクラッチ変速機の車載性を損なう外形の変化を抑えることができる。そのうえ、パーキング歯車61が付いた変速段数の少ない出力軸40を上側に配置し、変速段数の多い出力軸41を下側に配置した構成としたことで、本体部1の上段側部には、車載時(横置き)、該上段側部と正対するエンジンルームのサイドフレーム(図示せず。)から逃げる凹形状部1a(図1図示。)が確保され、ダブルクラッチ変速機の車載性の悪化が防げる。
なお、本発明は上述した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施しても構わない。すなわち、変速歯車の構成は上記例に限るものではない。軸受21をボールベアリングとしたが、本発明は、それに限るものではない。またグリースに代えて、他の油材でもよい。
本発明にかかるツインクラッチ変速機の一実施形態を示す断面図。 ツインクラッチ変速機の構成を示す部分断面図。 変速機を示す側面断面図。
符号の説明
9、10…入力軸
12、13…クラッチ
19…ニードルベアリング
20…環状空間
21…軸受
22…オイル溜り
23…オイルシール
40、41…出力軸

Claims (4)

  1. 所定の2グループに分けられた変速段にのうちの一方の変速段グループの駆動歯車を有する第1の入力軸と、
    他方の変速段グループの駆動歯車を有し、前記第1の入力軸の外周側に位置して該第1の入力軸と同軸に設けられた第2の入力軸と、
    前記第2の入力軸のエンジン配設側端部の外周側に位置してエンジンの出力軸と共に回転するよう設けられ、クラッチが係合することにより前記第1もしくは第2の入力軸にエンジン駆動力を伝達するエンジン側回転部材と、
    前記エンジン側回転部材の内周側と前記第2の入力軸の外周側との間に設けられた第1の軸受と、
    前記第2の入力軸のエンジン配設側端部の内周側と前記第1の入力軸の外周側との間に設けられた第2の軸受と、を備える車両用変速機であって、
    前記第2の入力軸の前記エンジン配設側の端部内周面と前記第1の入力軸の外周面との間には一対のオイルシールにより隔設されると共に、前記第2の軸受を収容する筒状の環状空間が形成され、
    前記環状空間の内部には油材を充填させるオイル溜りが前記第2の軸受に対して前記エンジン配設側で前記第1の軸受と軸方向位置で重なる部分に形成されるよう、前記第2の軸受及び前記オイルシールが配設されていることを特徴とする車両用変速機。
  2. 前記第1の入力軸に連結され、前記エンジン側回転部材に係合してエンジン駆動力を前記第1の入力軸に伝達する第1のクラッチと、
    前記第2の入力軸に連結され、前記エンジン側回転部材に係合してエンジン駆動力を前記第2の入力軸に伝達する第2のクラッチと、を更に備え、
    前記エンジン側回転部材は、前記第1のクラッチと前記第2のクラッチとの間に配設されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用変速機。
  3. 前記オイル溜りは、前記環状空間の内部であって前記第1の軸受と軸方向位置で重なる部分より、前記エンジン配設側とは軸方向の逆側に延長して設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用変速機。
  4. 前記第1の軸受はボールベアリングで構成され、
    前記第2の軸受はニードルベアリングで構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車両用変速機。
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