JP4624910B2 - 変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、変速機に関するものである。
従来、この種の変速機としては、オイルポンプにより吐出された潤滑油を、給油管路を用いてシフトフォークとカップリングスリーブとの係合面に供給するものが提案されている。
この変速機では、給油管路において、カップリングスリーブが中立位置にある場合と、変速位置にある場合とに対応する位置の何れにも潤滑油供給用の開口部を形成することで、カップリングスリーブが中立位置、または変速位置の何れに位置する場合でも、シフトフォークとカップリングスリーブとの係合面に潤滑油を供給することができるものとしている。
実開平1−100957号公報
しかしながら、上記のような変速機では、カップリングスリーブが存在しない位置にも常に潤滑油を供給することになり、潤滑油を無駄に流出させてしまうという問題点があった。即ち、例えば、カップリングスリーブが中立位置にある場合であっても、給油管路におけるカップリングスリーブが変速位置にある場合に対応する位置に形成された開口部からは常に潤滑油が流出されていることとなる。
本発明は上記従来の問題点に鑑み案出したものであって、潤滑油量を必要最小限に抑えてシフトフォークとカップリングスリーブとの係合面に潤滑油を供給することを目的の1つとし、シフトフォークとカップリングスリーブとの係合面の潤滑を簡易に確保することのできる変速機を提供するものであり、その請求項1は、シフトフォークに係合されたカップリングスリーブを該シフトフォークによって変速ギヤと係合しない中立位置から該変速ギヤに係合する変速位置にシフトして変速を行う変速機であって、
前記中立位置または前記変速位置の何れかにおいて前記シフトフォークと前記カップリングスリーブとの係合面に向かって潤滑油を流出する潤滑油流出手段と、
前記カップリングスリーブに配置され、前記中立位置または前記変速位置の何れかにおいて流出される前記潤滑油を前記変速位置または前記中立位置の何れかにおける前記係合面に誘導可能な誘導手段と、
を備えることである。
また請求項2は、前記潤滑油流出手段は、前記潤滑油の流路としての給油管路と、該給油管路に形成された前記潤滑油の流出口としての貫通孔と、前記給油管路に前記潤滑油を送給する送給手段とを有する手段であることである。
また請求項3は、前記誘導手段は、前記カップリングスリーブにおける前記係合面の側部から前記貫通孔に向かって傾斜する傾斜面をもって突出する突出部からなることである。
また請求項4は、前記突出部は、前記側部に固定配置されたリング部材であることである。
また請求項5は、前記リング部材は、回転止め手段をもって前記側部に固定配置されてなることである。
また請求項6は、前記変速位置として前記中立位置を挟む第1変速位置と前記第2変速位置とを備える請求項3乃至請求項5の何れかに記載の変速機であって、前記貫通孔は、前記給油管路の前記中立位置に対応する位置に形成され、前記突出部は、前記第1変速位置において前記係合面に前記潤滑油を誘導可能な第1突出部と、前記第2変速位置において前記係合面に前記潤滑油を誘導可能な第2突出部とが、前記カップリングスリーブにおける前記係合面の両端部にそれぞれ設けられてなることである。
本発明は、シフトフォークに係合されたカップリングスリーブを、該シフトフォークによって変速ギヤと係合しない中立位置から該変速ギヤに係合する変速位置にシフトして変速を行う変速機であって、前記中立位置または前記変速位置の何れかにおいて前記シフトフォークと前記カップリングスリーブとの係合面に向かって潤滑油を流出する潤滑油流出手段と、前記カップリングスリーブに配置され、前記中立位置または前記変速位置の何れかにおいて流出される前記潤滑油を前記変速位置または前記中立位置の何れかにおける前記係合面に誘導可能な誘導手段とを備えることにより、カップリングスリーブが中立位置または変速位置の何れにシフトされた場合であっても、中立位置または変速位置の何れかで流出された潤滑油をシフトフォークとカップリングスリーブとの係合面に誘導することができるから、中立位置と変速位置の各位置で潤滑油を流出させるものに比して無駄な潤滑油を流出させることがないものとなる。
また、前記潤滑油流出手段は、前記潤滑油の流路としての給油管路と、該給油管路に形成された前記潤滑油の流出口としての貫通孔と、前記給油管路に前記潤滑油を送給する送給手段とを有する手段であることにより、簡易な構成で潤滑油をシフトフォークとカップリングスリーブとの係合面に向けて流出させることができる。
また、前記誘導手段は、前記カップリングスリーブにおける前記係合面の側部から前記貫通孔に向かって傾斜する傾斜面をもって突出する突出部からなることにより、カップリングスリーブが変速位置または中立位置にシフトされた場合でも、中立位置または変速位置において流出する潤滑油を突出部により受け止めて、受け止めた潤滑油を傾斜面により係合面に供給することができるから、シフトフォークとカップリングスリーブとの係合面の潤滑を簡易に確保することができる。
また、前記突出部は、前記側部に固定配置されたリング部材であることにより、リング部材を側部に固定配置するだけであるから、シフトフォークとカップリングスリーブとの係合面の潤滑をより簡易に確保することができる。
また、前記リング部材は、回転止め手段をもって前記側部に固定配置されてなることにより、リング部材のカップリングスリーブに対する相対回転を防止することができるから、相対回転によるリング部材のカップリングスリーブからの抜脱を防止することができる。
また、前記変速位置として前記中立位置を挟む第1変速位置と前記第2変速位置とを備える請求項3乃至請求項5の何れかに記載の変速機であって、前記貫通孔は、前記給油管路の前記中立位置に対応する位置に形成され、前記突出部は、前記第1変速位置において前記係合面に前記潤滑油を誘導可能な第1突出部と、前記第2変速位置において前記係合面に前記潤滑油を誘導可能な第2突出部とが、前記カップリングスリーブにおける前記係合面の両端部にそれぞれ設けられてなることにより、カップリングスリーブが中立位置にシフトされた場合は、貫通孔から流出される潤滑油を係合面に供給し、カップリングスリーブが第1変速位置にシフトされた場合は、貫通孔から流出させる潤滑油を第1突出部により受け止めて係合面に供給し、カップリングスリーブが第2変速位置にシフトされた場合は、貫通孔から流出される潤滑油を第2突出部により受け止めて係合面に供給することができる。
以下、本発明の第1の実施例として変速機1を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施例である変速機1の構成の概略を示す概略構成図である。実施例の変速機1は、図示するように、クラッチCに接続されるとともに変速機ケース1aに軸受B1を介して回転可脳に支持された入力軸2と、変速機ケース1aに軸受B2,B3を介して回転可脳に支持されるとともに入力軸2に並列配置されたカウンタ軸5と、一端が入力軸2に軸受B4を介して回転可能に内嵌されるとともに他端が変速機ケース1aに軸受B5を介して回転可能に支持された出力軸6と、入力軸2の回転を減速してカウンタ軸5に伝達するとともにカウンタ軸5の回転を変速して出力軸6に伝達する歯車機構Tと、歯車機構Tに潤滑油を供給する潤滑装置Lとを備える。
歯車機構Tは、駆動歯車Gと被駆動歯車G’と同期装置Sとから構成されている。駆動歯車Gは、入力軸2の後端に固定配置された減速歯車としても機能する5速駆動歯車35と、カウンタ軸5に固定配置された6速駆動歯車66,2速駆動歯車62,1速駆動歯車61,リバース駆動歯車67およびカウンタ軸5に遊転可能に配置された3速駆動歯車63,4速駆動歯車64とから構成されており、カウンタ軸5に配置された各駆動歯車GがクラッチC側から6速駆動歯車66,2速駆動歯車62,1速駆動歯車61,3速駆動歯車63,4速駆動歯車64,リバース駆動歯車67の順で配置されている。
被駆動歯車G’は、カウンタ軸5に固定配置された5速被駆動歯車65と、出力軸6に遊転可能に配置された6速被駆動歯車36,2速被駆動歯車32,1速被駆動歯車31,リバース被駆動歯車37および出力軸6に固定配置された3速被駆動歯車33,4速被駆動歯車34とから構成されており、出力軸6に配置された被駆動歯車G’が駆動歯車Gと噛合するよう駆動歯車Gに対応した順で配置されている。
同期装置Sは、出力軸6の5速駆動歯車35と6速被駆動歯車36との間,1速被駆動歯車31と2速被駆動歯車32との間,リバース被駆動歯車37の軸方向後側にそれぞれ配置された5・6速用同期装置41,1・2速用同期装置42,リバース用同期装置43と、カウンタ軸5の3速被駆動歯車63と4速被駆動歯車64との間に配置された3・4速用同期装置44とから構成されており、各同期装置41,42,43,44は、各軸(出力軸6あるいはカウンタ軸5)に固定的に担持されたシンクロハブ41a,42a,43a,44aと、シンクロハブ41a,42a,43a,44aの外周を摺動可能に配置されたカップリングスリーブ41b,42b,43b,44bとを備える。
各カップリングスリーブ41b,42b,43b,44bには、シフトフォーク71,72,73,74がそれぞれ係合されており、シフトフォーク71,72,73,74によってカップリングスリーブ41b,42b,43b,44bを軸方向に移動して駆動歯車Gや被駆動歯車G’と係合する変速位置あるいは駆動歯車Gや被駆動歯車G’の何れにも係合しない中立位置にシフトするよう構成されている。以下、シンクロハブ41a,42a,43a,44aを総称してシンクロハブSa、カップリングスリーブ41b,42b,43b,44bを総称してカップリングスリーブSb、シフトフォーク71,72,73,74を総称してシフトフォークFという。
図2は、カップリングスリーブSbの構成の一例を正面から見た正面構成図であり、図3は、図2の側面構成図である。
図示するように、カップリングスリーブSbのシフトフォークFが係合する係合面Pを形成する両壁部Sb1,Sb2には、突出状にリング部材10,11が設けられており、リング部材10,11には、カップリングスリーブSbに対する相対回転を防止するための複数の回り止部10a,11aと、両壁部Sb1,Sb2から径方向外方に向かって傾斜する傾斜面10b,11bとが形成されている。回り止部10a,11aは、径方向内側に向かって幅広となる台形状に形成されており、両壁部Sb1,Sb2に形成された対応する溝部に嵌め込まれることで、楔効果を発揮してリング部材10,11をカップリングスリーブSbに強固に固定できるよう構成されている。なお、リバース変速のためのカップリングスリーブ43bは、軸方向一方向側にしか移動しないため、両壁部Sb1,Sb2のうち一方側、即ち、カップリングスリーブ43bの移動方向とは反対側の壁部Sb2にのみリング部材11が設けられる。
潤滑装置Lは、図示しないオイルパンの潤滑油を吸込んで吐出する周知のオイルポンプ9と、オイルポンプ9により吐出された潤滑油の流路としての給油管路8とから構成されている。給油管路8には、各カップリングスリーブSbが中立位置にある場合の係合面Pのほぼ真上に対応する位置に潤滑油の流出口としての貫通孔8aがそれぞれ形成されており、カップリングスリーブSbとシフトフォークFとの係合面Pに潤滑油を供給できるよう構成されている。
次に、こうして構成された第1実施例の変速機1の動作に伴って、カップリングスリーブSbとシフトフォークFとの係合面Pに供給される潤滑油の動きについて説明する。説明簡略化のため、潤滑油が1・2速用同期装置42のカップリングスリーブ42bとシフトフォーク72との係合面Pに供給される場合を例にとって説明する。
図4は、カップリングスリーブ42bとシフトフォーク72との係合面Pに潤滑油が供給されている状態を示す状態図である。カップリングスリーブ42bが中立状態においては、図4(a)に示すように、貫通孔8aから流出された潤滑油は係合面Pのほぼ真上から供給される。次に、カップリングスリーブ42bが1速側にシフトされた場合においては、図4(b)に示すように、カップリングスリーブ42bが図示右側に軸方向移動されて係合面Pが貫通孔8aから遠ざかる状態となるが、貫通孔8aがリング部材10の傾斜面10bのほぼ中央部の真上に位置するため、貫通孔8aから流出された潤滑油は、傾斜面10bで受止められて傾斜面10bに沿って係合面Pに供給される。同様に、カップリングスリーブ42bが2速側にシフトされた場合においては、図4(c)に示すように、カップリングスリーブ42bが図示左側に軸方向移動されて係合面Pが貫通孔8aから遠ざかる状態となるが、貫通孔8aがリング部材11の傾斜面11bのほぼ中央部の真上に位置するため、貫通孔8aから流出された潤滑油は、傾斜面11bで受止められて傾斜面11bに沿って係合面Pに供給される。なお、カップリングスリーブ42b以外のカップリングスリーブSb、即ち、カップリングスリーブ41b,43b,44bにおいても、こうした作用効果を奏することはいうまでもない。
以上説明した第1実施例の変速機1によれば、給油管路8には、各カップリングスリーブSbが中立位置にある場合の係合面Pのほぼ真上に対応する位置に貫通孔8aを形成し、カップリングスリーブSbの両壁部Sb1,Sb2に傾斜面10b,11bを有するリング部材10,11を設けるから、カップリングスリーブSbが中立位置にある場合には、カップリングスリーブSbとシフトフォークFとの係合面Pのほぼ真上から潤滑油を供給でき、カップリングスリーブSbが変速位置にシフトされた場合には、リング部材10,11の傾斜面10b,11bで受止め係合面Pに潤滑油を供給できる。即ち、給油管路8には、各カップリングスリーブSbが中立位置にある場合の係合面Pのほぼ真上に対応する位置の各1箇所に貫通孔8aを設けるだけで、中立位置にある各カップリングスリーブSbと各シフトフォークFとの係合面Pと、変速位置にシフトされた各カップリングスリーブSbと各シフトフォークFとの係合面Pとに潤滑油を供給することができる。この結果、各カップリングスリーブSbの中立位置と変速位置との各位置に対応する給油管路8の位置に貫通孔8aを設けるものに比して、無駄な潤滑油の流出を防ぎ、潤滑油量を必要最小限に抑えることができる。また、カップリングスリーブSbの両壁部Sb1,Sb2にリング部材10,11を設けるだけであるから、係合面Pの潤滑を簡易に確保できる。
次に、本発明の第2の実施例としての変速機1Aについて説明する。第2実施例の変速機1Aは、貫通孔8aの形成位置およびリング部材10,11をリング部材100に変えた点を除いて第1実施例の変速機1と同一の構成をしている。このため、第2実施例の変速機1Aの構成の図示とその詳細な説明は、重複を避けるため省略する。
図5は、第2実施例の変速機1AにおけるカップリングスリーブSbの構成の一例を正面から見た正面構成図であり、図6は、図5の側面構成図である。
図示するように、カップリングスリーブSbのシフトフォークFが係合する係合面Pを形成する両壁部Sb1,Sb2のうち壁部Sb2には、突出状にリング部材100が設けられており、リング部材100には、カップリングスリーブSbに対する相対回転を防止するための複数の回り止部100aと、壁部Sb2から径方向外方に向かって傾斜する傾斜面100bとが形成されている。
傾斜面100bは、第1実施例の変速機1におけるカップリングスリーブSbに設けられたリング部材10,11の傾斜面10b,11bを併せた長さとほぼ等しい長さとなるよう形成されている。回り止部100aは、径方向内側に向かって幅広となる台形状に形成されており、壁部Sb2に形成された対応する溝部に嵌め込まれることで、楔効果を発揮してリング部材100をカップリングスリーブSbに強固に固定できるように構成されている。なお、給油管路8には、カップリングスリーブSbが中立位置にある場合の傾斜面100bの壁部Sb2寄りの根元先端部のほぼ真上に対応する位置に貫通孔8aが形成されている。
次に、こうして構成された第2実施例の変速機1Aの動作に伴って、カップリングスリーブSbとシフトフォークFとの係合面Pに供給される潤滑油の動きについて説明する。説明簡略化のため、潤滑油が1・2速用同期装置42のカップリングスリーブ42bとシフトフォーク72との係合面Pに供給される場合を例にとって説明する。
図7は、カップリングスリーブ42bとシフトフォーク72との係合面Pに潤滑油が供給されている状態を示す状態図である。
カップリングスリーブ42bが中立状態においては、図7(a)に示すように、貫通孔8aから流出された潤滑油は傾斜面100bの壁部Sb2寄りの根元先端部のほぼ真上から供給されるため、傾斜面100bで受止められて、傾斜面100bに沿って係合面Pに供給される。
次に、カップリングスリーブ42bが1速側にシフトされた場合においては、図7(b)に示すように、カップリングスリーブ42bが図示右側に軸方向移動されて係合面Pが貫通孔8aのほぼ真下にくる状態となり、貫通孔8aから流出された潤滑油は係合面Pのほぼ真上から供給される。
カップリングスリーブ42bが2速側にシフトされた場合においては、図7(c)に示すように、カップリングスリーブ42bが図示左側に軸方向移動され、貫通孔8aから流出された潤滑油は傾斜面100bの突出先端部のほぼ真上から供給されるため、傾斜面100bで受止められて、傾斜面100bに沿って係合面Pに供給される。
なお、カップリングスリーブ42b以外のカップリングスリーブSb、即ち、カップリングスリーブ41b,43b,44bにおいても、こうした作用効果を奏することはいうまでもない。
以上説明した第2実施例の変速機1Aにおいても、給油管路8には、各カップリングスリーブSbに対応する位置の各1箇所に貫通孔8aを設けるだけで、中立位置にある各カップリングスリーブSbと各シフトフォークFとの係合面Pと、変速位置にシフトされた各カップリングスリーブSbと各シフトフォークFとの係合面Pとに潤滑油を供給することができる。この結果、各カップリングスリーブSbの中立位置と変速位置との各位置に対応する給油管路8の位置に貫通孔8aを設けるものに比して、無駄な潤滑油の流出を防ぎ、潤滑油量を必要最小限に抑えることができる。また、カップリングスリーブSbの壁部Sb2に1つのリング部材100を設けるだけであるから、部品点数を抑えながらも係合面Pの潤滑を簡易に確保できる。
第2実施例の変速機1Aでは、リング部材100をカップリングスリーブSbの壁部Sb2に設けるものとしたが、カップリングスリーブSbの壁部Sb1に設けるものとしても良い。
第1および第2実施例の変速機1,1Aでは、リング部材10,11,100をカップリングスリーブSbとは別体で形成するものとしたが、リング部材10,11,100をカップリングスリーブSbと一体的に形成するものとしても構わない。
第1および第2実施例の変速機1,1Aでは、リング部材10,11,100に複数の回り止部10a,11a,100aを形成するものとしたが、回り止部10a,11a,100aは1箇所だけであっても構わず、また、無くても差し支えない。
次に、本発明の第3の実施例としての変速機1Bについて説明する。
第3実施例の変速機1Bは、カップリングスリーブSbに設けたリング部材10,11,100を、シフトフォークFに設けた誘導受部材12に変えた点を除いて第1実施例の変速機1と同一の構成をしている。このため、第3実施例の変速機1Bの構成の図示とその詳細な説明は、重複を避けるため省略する。
図8は、第3実施例の変速機1BにおけるシフトフォークFの構成の一例を側面から見た側面構成図である。
図示するように、シフトフォークFの上部には、潤滑油を受けることができる略皿状の誘導受部材12が溶接等により固定されており、誘導受部材12の軸方向に対応する内面には、上方に向かってラッパ状に傾斜する傾斜面12a,12bが形成されている。また、誘導受部材12の底面には、シフトフォークFとカップリングスリーブSbとの係合面Pに貫通して貫通孔12cが形成されている。
次に、こうして構成された第3実施例の変速機1Bの動作に伴って、カップリングスリーブSbとシフトフォークFとの係合面Pに供給される潤滑油の動きについて説明する。説明簡略化のため、潤滑油が1・2速用同期装置42のカップリングスリーブ42bとシフトフォーク72との係合面Pに供給される場合を例にとって説明する。
図9は、カップリングスリーブ42bとシフトフォーク72との係合面Pに潤滑油が供給されている状態を示す状態図である。
カップリングスリーブ42bが中立状態においては、図9(a)に示すように、潤滑油は貫通孔12cのほぼ真上に位置する貫通孔8aから流出されて貫通孔12cを介して係合面Pに供給される。
次に、カップリングスリーブ42bが1速側にシフトされた場合においては、図9(b)に示すように、カップリングスリーブ42bが図示右側に軸方向移動されて貫通孔12cが貫通孔8aから遠ざかる状態となるが、貫通孔8aが誘導受部材12の傾斜面12bのほぼ中央部の真上に位置するため、貫通孔8aから流出された潤滑油は、傾斜面12bで受止められて傾斜面12bに沿って流下し、貫通孔12cを介して係合面Pに供給される。
同様に、カップリングスリーブ42bが2速側にシフトされた場合においては、図9(c)に示すように、カップリングスリーブ42bが図示左側に軸方向移動されて貫通孔12cが貫通孔8aから遠ざかる状態となるが、貫通孔8aが誘導受部材12の傾斜面12aのほぼ中央部の真上に位置するため、貫通孔8aから流出された潤滑油は、傾斜面12aで受止められて傾斜面12aに沿って流下し、貫通孔12cを介して係合面Pに供給される。
なお、カップリングスリーブ42b以外のカップリングスリーブSb、即ち、カップリングスリーブ41b,43b,44bにおいても、こうした作用効果を奏することはいうまでもない。
以上説明した第3実施例の変速機1Bによれば、給油管路8には、各シフトフォークFが中立位置にある場合の貫通孔12cのほぼ真上に対応する位置に貫通孔8aを形成し、シフトフォークFの上部に傾斜面12a,12bおよび貫通孔12cを有する誘導受部材12を設けるから、シフトフォークFが中立位置にある場合には、シフトフォークFとカップリングスリーブSbとの係合面Pのほぼ真上から貫通孔12cを介して潤滑油を供給でき、シフトフォークFが変速位置にシフトされた場合には、誘導受部材12の傾斜面12a,12bで受止め貫通孔12cを介して係合面Pに潤滑油を供給できる。即ち、給油管路8には、各シフトフォークFが中立位置にある場合の貫通孔12cのほぼ真上に対応する位置の各1箇所に貫通孔8aを設けるだけで、中立位置にある各シフトフォークFと各カップリングスリーブSbとの係合面Pと、変速位置にシフトされた各シフトフォークFと各カップリングスリーブSbとの係合面Pとに潤滑油を供給することができる。この結果、各シフトフォークFの中立位置と変速位置との各位置に対応する給油管路8の位置に貫通孔8aを設けるものに比して、無駄な潤滑油の流出を防ぎ、潤滑油量を必要最小限に抑えることができる。また、シフトフォークFの上部に誘導受部材12を設けるだけであるから、係合面Pの潤滑を簡易に確保できる。
第3実施例の変速機1Bでは、シフトフォークFの上部に誘導受部材12を溶接等により固定するものとしたが、シフトフォークFに一体的に形成するものとしても構わない。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
変速機の概略内部構成図である。 カップリングスリーブの構成の一例を正面から見た正面構成図である。 図2の側面構成図である。 (a),(b),(c)はカップリングスリーブとシフトフォークとの係合面に潤滑油が供給されている状態を示す状態図である。 第2実施例の変速機におけるカップリングスリーブの構成の一例を正面から見た正面構成図である。 図5の側面構成図である (a),(b),(c)はカップリングスリーブとシフトフォークとの係合面に潤滑油が供給されている状態を示す状態図である。 第3実施例の変速機におけるシフトフォークの構成の一例を側面から見た側面構成図である。 (a),(b),(c)はカップリングスリーブとシフトフォークとの係合面に潤滑油が供給されている状態を示す状態図である。
1 変速機
2 入力軸
5 カウンタ軸
6 出力軸
8 給油管路
8a 貫通孔
9 オイルポンプ
10,11,100 リング部材
10a,11a,100a 回り止部
10b,11b,100b 傾斜面
12 誘導受部材
12a,12b 傾斜面
12c 貫通孔
35,36,32,33,34 駆動歯車
41,42,43,44 同期装置
41a,42a,43a,44a シンクロハブ
41b,42b,43b,44b カップリングスリーブ
65,66,62,61,63,64 被駆動歯車

Claims (6)

  1. シフトフォークに係合されたカップリングスリーブを該シフトフォークによって変速ギヤと係合しない中立位置から該変速ギヤに係合する変速位置にシフトして変速を行う変速機であって、
    前記中立位置または前記変速位置の何れかにおいて前記シフトフォークと前記カップリングスリーブとの係合面に向かって潤滑油を流出する潤滑油流出手段と、
    前記カップリングスリーブに配置され、前記中立位置または前記変速位置の何れかにおいて流出される前記潤滑油を前記変速位置または前記中立位置の何れかにおける前記係合面に誘導可能な誘導手段と、
    を備える変速機。
  2. 前記潤滑油流出手段は、前記潤滑油の流路としての給油管路と、該給油管路に形成された前記潤滑油の流出口としての貫通孔と、前記給油管路に前記潤滑油を送給する送給手段とを有する手段である請求項1に記載の変速機。
  3. 前記誘導手段は、前記カップリングスリーブにおける前記係合面の側部から前記貫通孔に向かって傾斜する傾斜面をもって突出する突出部からなる請求項2に記載の変速機。
  4. 前記突出部は、前記側部に固定配置されたリング部材である請求項3に記載の変速機。
  5. 前記リング部材は、回転止め手段をもって前記側部に固定配置されてなる請求項4に記載の変速機。
  6. 前記変速位置として前記中立位置を挟む第1変速位置と前記第2変速位置とを備える請求項3乃至請求項5の何れかに記載の変速機であって、
    前記貫通孔は、前記給油管路の前記中立位置に対応する位置に形成され、
    前記突出部は、前記第1変速位置において前記係合面に前記潤滑油を誘導可能な第1突出部と、前記第2変速位置において前記係合面に前記潤滑油を誘導可能な第2突出部とが前記カップリングスリーブにおける前記係合面の両端部にそれぞれ設けられてなる変速機。
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