JP2009173749A - レジスト用重合体、レジスト組成物、および微細パターンが形成された基板の製造方法 - Google Patents

レジスト用重合体、レジスト組成物、および微細パターンが形成された基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高感度、高解像度であり、焦点深度(DOF)、ディフェクトに優れたレジスト膜を形成できるレジスト組成物に好適な重合体を提供する。
【解決手段】 酸脱離性基(A)と親水性基を(B)を有する重合体(P)であって、下記(1)式および(2)式を満足するレジスト用重合体。
P[A]/PH[A]≦0.99 ・・・(1)
P[B]/PH[B]≦0.99 ・・・(2)
(P[A]:重合体(P)中の酸脱離性基(A)の含有量率。
PH[A]:重合体(PH)中の酸脱離性基(A)の含有量率。
P[B]:重合体(P)中の親水性基(B)の含有量率。
PH[B]:重合体(PH)中の親水性基(B)の含有量率。
重合体(PH)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによって重合体(P)から分取した、重合体(P)の質量平均分子量(Mw(P))よりも分子量の大きい重合体。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、レジスト用重合体、レジスト組成物、および微細パターンが形成された基板の製造方法に関するものである。
近年、半導体素子、液晶素子等の製造工程において形成されるレジストパターンは、リソグラフィー技術の進歩により急速に微細化が進んでいる。微細化の手法としては、照射光の短波長化がある。具体的には、従来のg線(波長:438nm)、i線(波長:365nm)に代表される紫外線から、より短波長のDUV(Deep Ultra Violet)へと照射光が短波長化してきている。
最近では、KrFエキシマレーザー(波長:248nm)リソグラフィー技術が導入され、さらなる短波長化を図ったArFエキシマレーザー(波長:193nm)リソグラフィー技術およびEUVエキシマレーザー(波長:13nm)リソグラフィー技術が研究されている。さらに、これらの液浸リソグラフィー技術も研究されている。また、これらとは異なるタイプのリソグラフィー技術として、電子線リソグラフィー技術についても精力的に研究されている。
該短波長の照射光または電子線を用いたレジストパターンの形成に用いられる高解像度のレジスト組成物として、光酸発生剤を含有する「化学増幅型レジスト組成物」が提唱され、現在、該化学増幅型レジスト組成物の改良および開発が進められている。
例えば、ArFエキシマレーザーリソグラフィーにおいて用いられる化学増幅型レジスト用重合体として、波長193nmの光に対して透明なアクリル系重合体が注目されている。該アクリル系重合体としては、例えば、エステル部にアダマンタン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルとエステル部にラクトン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルとの重合体が提案されている(特許文献1、2等)。
ところで、2種以上の単量体を重合して得られた多元系重合体は、各単量体間の共重合反応性比が異なるため、重合初期と重合後期とでは、生成する重合体に含まれる、各単量体に由来する構成単位の組成比(モル分率)が異なり、得られる重合体は組成分布を持つようになる。構成単位の組成比が制御されていない重合体は、レジスト膜の性能(現像液への溶解性、感度、解像度、焦点深度)を低下させるため、組成分布を制御することが検討されている。
例えば、共重合体全体として構成単位連鎖分布を均一にし、共重合組成分布を狭くすることが提案されている(特許文献3)。しかしながら、該重合体を用いたレジスト組成物から形成されるレジスト膜は、解像度、焦点深度(DOF)、ディフェクトの点が十分ではなかった。
特開平10−319595号公報 特開平10−274852号公報 特開2005−97516号公報
本発明はこのような従来技術における問題点を解決するものであり、高感度、高解像度であり、焦点深度(DOF)、ディフェクトに優れたレジスト膜を形成できるレジスト組成物、該レジスト組成物に好適な重合体、回路の断線、欠陥等を生じにくく、歩留まりの高い、微細パターンが形成された基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の要旨は、酸脱離性基(A)と親水性基を(B)を有する重合体(P)であって、下記(1)式および(2)式を満足するレジスト用重合体にある。
P[A]/PH[A]≦0.99 ・・・(1)
P[B]/PH[B]≦0.99 ・・・(2)
(P[A]:重合体(P)中の酸脱離性基(A)の含有量率。
PH[A]:重合体(PH)中の酸脱離性基(A)の含有量率。
P[B]:重合体(P)中の親水性基(B)の含有量率。
PH[B]:重合体(PH)中の親水性基(B)の含有量率。
重合体(PH)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによって重合体(P)から分取した、重合体(P)の質量平均分子量(Mw(P))よりも分子量の大きい重合体。重合体中の酸脱離性基、親水性基の含有量率は、NMRによって測定した重合体の全ピークの積分値の和に対する酸脱離性基または親水性基のピークの積分値の比率である。)
また本発明の第2の要旨は、酸脱離性基を有する単量体および親水性基を有する単量体を含む反応開始前の重合溶媒に、酸脱離性基を有する単量体および親水性基を有する単量体以外の単量体を含む単量体溶液と重合開始剤を供給し溶液ラジカル重合を行う請求項1に記載のレジスト用重合体の製造方法にある。
さらに、本発明の第3の要旨は、前記レジスト用重合体を含有するレジスト組成物にある。
本発明のレジスト用重合体によれば、高感度、高解像度であり、焦点深度(DOF)、ディフェクトに優れたレジスト膜を形成できるレジスト組成物を得ることができる。
また、本発明のレジスト用重合体の製造方法は、このような特性を有するレジスト用重合体を生産性よく製造することができる。
さらに、本発明のレジスト用重合体およびレジスト組成物は、DUVエキシマレーザーリソグラフィー、これらの液浸リソグラフィーおよび電子線リソグラフィー、特にArFエキシマレーザーリソグラフィーおよびこの液浸リソグラフィーに好適に用いることができる。
本発明のレジスト用重合体は、酸脱離性基(A)と親水性基を(B)を有することが必要である。
酸脱離性基(A)は、酸により開裂する結合を有する基であり、該結合の開裂により酸脱離性基の一部または全部が重合体の主鎖から脱離する基である。該酸脱離性基を有する重合体は、レジスト用組成物として用いた場合、酸によってアルカリに可溶となり、レジストパターン形成を可能とする作用を奏する。
さらに本発明のレジスト用重合体は、親水性基を(B)を有していることが必要である。親水性基(B)は極性が大きいため、該重合体をレジスト用組成物として用いた場合、現像液へのぬれ性が向上し、レジスト組成物のディフェクト低減、パターン矩形性が改善される。
また本発明では、酸脱離性基(A)と親水性基を(B)を有する重合体(P)が、下記(1)式および(2)式を満足することが必要である。
P[A]/PH[A]≦0.99 ・・・(1)
P[B]/PH[B]≦0.99 ・・・(2)
(P[A]:重合体(P)中の酸脱離性基(A)の含有量率。
PH[A]:重合体(PH)中の酸脱離性基(A)の含有量率。
P[B]:重合体(P)中の親水性基(B)の含有量率。
PH[B]:重合体(PH)中の親水性基(B)の含有量率。
重合体(PH)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによって重合体(P)から分取した、重合体(P)の質量平均分子量(Mw(P))よりも分子量の大きい重合体。重合体中の酸脱離性基、親水性基の含有量率は、NMRによって測定した重合体の全ピークの積分値の和に対する酸脱離性基または親水性基のピークの積分値の比率である。)
(1)式を満足する場合、重合体(P)の質量平均分子量以下の分子量の重合体(PL)と質量平均分子量よりも分子量の大きい重合体(PH)を比較した場合、重合体(PH)のほうが酸脱離性基(A)をより多く含んでいることを意味する。
また(2)式を満足する場合、重合体(P)の質量平均分子量以下の分子量の重合体(PL)と質量平均分子量よりも分子量の大きい重合体(PH)を比較した場合、重合体(PH)のほうが親水性基(B)をより多く含んでいることを意味する。
一般に、重合体は分子量分布を持つため、レジスト組成物に用いた場合、現像液への溶解性が不均一となる。これは、現像液への溶解性が(i)重合体の分子量と、(ii)重合体鎖中の酸脱離性基を有する構成単位(酸によってアルカリに対する溶解性が増す成分)、または親水性基を有する構成単位の量とに依存するからである。
(i)については、酸脱離性基を有する構成単位、または親水性基を有する構成単位の量(含有率)が同じ重合体鎖では、分子量が大きいほど現像液への溶解速度は遅くなり、逆に分子量が小さいほど現像液への溶解速度は速くなる。
また、(ii)については、同じ分子量の重合体鎖では、酸脱離性基を有する構成単位、または親水性基を有する構成単位の量(含有率)が多いと現像液への溶解速度は速くなり、逆に酸脱離性基を有する構成単位、または親水性基を有する構成単位の量(含有率)が少ないと現像液への溶解速度は遅くなる。
本発明では、重合体(P)の質量平均分子量よりも分子量の大きい重合体(PH)に、酸脱離性基(A)が多く含まれることにより分子量が大きいことによる溶解速度の遅さ(上記(i)の作用)が、酸脱離性基の量が多いことによる溶解速度の速さ(上記(ii)の作用)によって補われ、その結果として、重合体(P)全体としての現像液への溶解性が良好となる。
さらに重合体(PH)に、親水性基(B)が多く含まれることにより分子量が大きいことによる溶解速度の遅さ(上記(i)の作用)が、親水性基の量が多いことによる溶解速度の速さ(上記(ii)の作用)によって補われ、その結果として、重合体(P)全体としての現像液への溶解性が良好となる。
また、P[A]/PH[A]は現像液への溶解性に優れたレジスト組成物を得ることができる点で0.98以下が好ましく、溶媒への溶解性の点から、0.2以上が好ましい。
また、P[B]/PH[B]は現像液への溶解性に優れたレジスト組成物を得ることができる点で0.98以下が好ましく、溶媒への溶解性の点から、0.2以上が好ましい。
なお、重合体(P)中の酸脱離性基(A)の含有量率は基板への密着性の点で60モル%以下が好ましく、感度および解像度の点から、20モル%以上が好ましい。
また、重合体(P)中の親水性基の含有量率はパターン矩形性の点で5〜35モル%が好ましい。
なお、(1)式、(2)式は以下に述べる方法により測定したものである。
(i)重合体(P)の質量平均分子量(Mw(P))を求める。
(ii)標準ポリスチレンを用いて検量線(溶出時間と分子量との関係)を求める。
(iii)検量線において、分子量が手順(i)で求めたMw(P)となる溶出時間Tを求める。
(iv)分取カラムに重合体(P)の溶液を注入し、手順(iii)で求めた溶出時間Tより前に溶出してきた成分を重合体(P)として分取し、溶出時間T以降に溶出してきた成分を重合体(P)として分取する。
(v)重合体(P)中のラクトン骨格の含有量率および親水性基の含有量率、重合体(P)中のラクトン骨格の含有量率および親水性基の含有量率を求める。
手順(1):
重合体(P)の質量平均分子量(Mw(P))は、下記GPC条件IにてGPCにより求めたポリスチレン換算値である。
〔GPC条件I〕
装置:東ソー社製、東ソー高速GPC装置 HLC−8220GPC(商品名)分離カラム:昭和電工社製、Shodex GPC K−805L(商品名)を3本直列に連結したもの
測定温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(以下、THFと記す。)
試料:重合体(P)約20mgを5mLのTHFに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過した溶液
流量:1mL/分
注入量:0.1mL
検出器:示差屈折計
検量線I:標準ポリスチレン約20mgを5mLのTHFに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過した溶液を用いて、上記条件で分離カラムに注入し、溶出時間と分子量との関係を求める。標準ポリスチレンは、下記東ソー社製の標準ポリスチレン(いずれも商品名)を用いる。
F−80(Mw=706,000)
F−20(Mw=190,000)
F−4(Mw=37,900)
F−1(Mw=10,200)
A−2500(Mw=2,630)
A−500(Mw=682、578、474、370、260の混合物)。
手順(2):
GPC条件をGPC条件IIに変更し、標準ポリスチレンを用いて検量線II(溶出時間と分子量との関係)を求める。
〔GPC条件II〕
装置:東ソー社製、東ソー高速GPC装置 HLC−8220GPC(商品名)
分取カラム:昭和電工社製、Shodex GPC K−2005(商品名)を2本直列に連結したもの
測定温度:40℃
溶離液:THF
試料:重合体(P)約120mgを5mLのTHFに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過した溶液、
流量:4mL/分
注入量:1mL
検出器:示差屈折計
検量線II:標準ポリスチレン約120mgを5mLのTHFに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過した溶液を用いて、上記条件で分取カラムに注入し、溶出時間と分子量との関係を求める。標準ポリスチレンは、下記東ソー社製の標準ポリスチレン(いずれも商品名)を用いる。
F−80(Mw=706,000)
F−20(Mw=190,000)
F−4(Mw=37,900)
F−1(Mw=10,200)
A−2500(Mw=2,630)
A−500(Mw=682、578、474、370、260の混合物)
手順(3):
検量線IIにおいて、分子量が手順(i)で求めたMw(P)となる溶出時間Tを求める。
手順(4)
分取カラムに重合体(P)の溶液を注入し、GPC条件IIにて、手順(3)で求めた溶出時間Tより前に溶出してきた成分を重合体(P)として分取し、溶出時間T以降に溶出してきた成分を重合体(P)として分取する。
手順(5):
重合体中のラクトン骨格、親水性基の含有量率は、NMRによって測定した重合体の全ピークの積分値の和に対するラクトン骨格または親水性基のピークの積分値の比率である。 各含有率は、H−NMR測定で求めることができる場合にはH−NMR測定により求め、プロトンピークの重なり等によりH−NMR測定で求めることができない場合には、13C−NMR測定により求める。
H−NMR測定〕
H−NMR測定は、日本電子社製、GSX−400型FT−NMR(商品名)を用いて、約5質量%の重合体(P)または重合体(P)の溶液(重水素化クロロホルム溶液または重水素化ジメチルスルホキシド溶液)を直径5mmφの試験管に入れ、観測周波数400MHz、シングルパルスモードにて、64回の積算で行う。なお、測定温度は、重水素化クロロホルムを溶媒とした場合は40℃、重水素化ジメチルスルホキシドを溶媒とした場合は60℃で行う。
13C−NMR測定〕
13C−NMR測定は、バリアンテクノロジーズ社製、UNITY−INOVA型FT−NMR(商品名)を用いて、約20質量%の重合体(P)または重合体(P)の重水素化ジメチルスルホキシドの溶液を直径5mmφの試験管に入れ、測定温度60℃、観測周波数125MHz、核オーバーハウザー効果(NOE)が除去されたプロトン完全デカップリング法にて、50000回の積算で行う。
(重合体(P)の製造方法)
次に、本願発明のレジスト用重合体の製造方法を説明する。
本願発明のレジスト用重合体は、酸脱離性基を有する単量体と親水性基を有する単量体および、酸脱離性基を有する単量体および親水性基を有する単量体以外の単量体を共重合することによって得られる。
重合方法としては、例えば、酸脱離性基を有する単量体および親水性基を有する単量体を含む反応開始前の重合溶媒に、酸脱離性基を有する単量体および親水性基を有する単量体以外の単量体を含む単量体溶液と重合開始剤を供給し溶液ラジカル重合を行う方法が挙げられる。
溶液ラジカル重合では、重合初期に高分子量の重合体が生成し、その後、重合が進むにつれて低分子量の重合体が生成する。
本発明では、反応開始前の重合溶媒が、酸脱離性基を有する単量体および親水性基を有する単量体を含んでいるため、重合初期の反応系に酸脱離性基を有する単量体および親水性基を有する単量体が多く含まれ、重合初期に生成する高分子量の重合体に、酸脱離性基を有する単量体由来の構成単位および親水性基を有する単量体由来の構成単位が多く含まれるものとなる。
また本発明では、反応開始前の重合溶媒に、少なくとも酸脱離性基を有する単量体および親水性基を有する単量体以外の単量体を供給して重合を行えば良く、酸脱離性基を有する単量体または親水性基を有する単量体を供給しても良い。
酸脱離性基を有する単量体としては、レジスト用重合体に用いられる単量体であれば特に制限はないが、例えば、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を含有し且つ酸の作用により脱離可能な基を有している(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
該(メタ)アクリル酸エステルには、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有すると共に、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子との結合部位に第3級炭素原子を有する(メタ)アクリル酸エステルが含まれる。
前記脂環式炭化水素基は、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子と直接結合していてもよく、アルキレン基等の連結基を介して結合していてもよい。
また該(メタ)アクリル酸エステル」には、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有すると共に、該脂環式炭化水素基に−COOR 基(Rは置換基を有していてもよい第3級炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、又はオキセパニル基を示す)が直接又は連結基を介して結合している(メタ)アクリル酸エステルも含まれる。
このような酸脱離性基を有する単量体として、具体的には、2−2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート等が挙げられる。
これらは必要に応じて単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、酸脱離性基を有する単量体は、感度および解像度の点から、重合体(P)の全構成単位(100モル%)中、20モル%以上が好ましく、25モル%以上がより好ましい。また、基板表面等への密着性の点から、60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましい。
親水性基を有する単量体としては、レジスト用重合体に用いられる単量体であれば特に限定はされないが、例えば、末端ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート、および、これらの単量体の親水性基上にアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の置換基を有する誘導体や、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等の環式炭化水素基が置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基等の親水性基を有する単量体が挙げられる。
このような親水性基を有する単量体として、具体的には、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシアダマンチルメタクリレート等が挙げられる。
親水性基を有する単量体としては、中でも、レジスト組成物材料に使用したときの重合体の基板に対する密着性の点から、1−メタクリロイルオキシ−3−ヒドロキシアダマンタン等が好ましい。
これらは必要に応じて単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、親水性基を有する単量体は、レジストパターン矩形性の点から、重合体(P)の全構成単位(100モル%)中、5〜30モル%が好ましく、10〜25モル%がより好ましい。
さらに、酸脱離性基を有する単量体および親水性基を有する単量体以外の単量体として、基盤密着性の点からラクトン骨格を有する単量体を供給することが好ましい。
ラクトン骨格を有する単量体としては、レジスト用重合体に用いられる単量体であれば特に限定はされないが、置換あるいは無置換のδ−バレロラクトン環を有する(メタ)アクリレート、置換あるいは無置換のγ−ブチロラクトン環を有する単量体からなる群から選ばれる少なくとも1種が、密着性に優れることから好適に用いられ、特に無置換のγ−ブチロラクトン環を有する単量体が好適に用いられる。具体的には、β−メタクリロイルオキシ−β−メチル−δ−バレロラクトン、4,4−ジメチル−2−メチレン−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−β−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、2−(1−メタクリロイルオキシ)エチル−4−ブタノリド、パントイルラクトンメタクリレートなどが挙げられる。また、類似構造を持つ単量体として、メタクリロイルオキシこはく酸無水物なども挙げられる。これらは必要に応じて単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、ラクトン骨格を有する単量体は、基板への密着性の点から、重合体(P)の全構成単位(100モル%)中、30モル%以上が好ましく、35モル%以上がより好ましい。また、感度および解像度の点から、60モル%以下が好ましい。
重合溶媒としては、特に制限はないがエーテル(ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下「PGME」とも言う。)等の鎖状エーテル、テトラヒドロフラン(以下「THF」とも言う。)、1,4−ジオキサン等の環状エーテルなど)、エステル(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下「PGMEA」とも言う。)、γ−ブチロラクトンなど)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン(以下「MEK」とも言う。)、メチルイソブチルケトン(以下「MIBK」とも言う。)など)、アミド(N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなど)、スルホキシド(ジメチルスルホキシドなど)、炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素など)、これらの混合溶剤などが挙げられる。
重合開始剤としては、特に制限はないが熱により効率的にラジカルを発生するものが好ましい。このような重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等のアゾ化合物;2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の有機過酸化物などが挙げられる。
これらの単量体、重合開始剤の反応容器への供給は、連続供給でも滴下供給でも良く、滴下供給を行う滴下重合法においては、重合容器内を所定の重合温度まで加熱した後、単量体および重合開始剤を、それぞれ独立に、または任意の組み合わせで、重合容器内に滴下する。
単量体は、単量体のみで滴下してもよく、単量体を有機溶媒(以下、「滴下溶媒」とも記す。)に溶解させた単量体溶液として滴下してもよい。
有機溶媒(以下、「仕込み溶媒」とも記す。)をあらかじめ重合容器に仕込んでもよく、仕込み溶媒をあらかじめ重合容器に仕込まなくてもよい。仕込み溶媒をあらかじめ重合容器に仕込まない場合、単量体または重合開始剤は、仕込み溶媒がない状態で重合容器中に滴下される。
重合開始剤は、単量体に直接に溶解させてもよく、単量体溶液に溶解させてもよく、滴下溶媒のみに溶解させてもよい。
単量体および重合開始剤は、同じ貯槽内で混合した後、重合容器中に滴下してもよく;それぞれ独立した貯槽から重合容器中に滴下してもよく;それぞれ独立した貯槽から重合容器に供給する直前で混合し、重合容器中に滴下してもよい。
単量体および重合開始剤は、一方を先に滴下した後、遅れて他方を滴下してもよく、両方を同じタイミングで滴下してもよい。
滴下速度は、滴下終了まで一定であってもよく、単量体または重合開始剤の消費速度に応じて、多段階に変化させてもよい。
滴下は、連続的に行ってもよく、間欠的に行ってもよい。
重合温度は、50〜150℃が好ましい。
本発明のレジスト組成物は、重合体(P)を溶媒に溶解したものである。また、本発明のレジスト組成物を化学増幅型レジスト組成物として用いる場合は、さらに光酸発生剤を溶解したものである。
(光酸発生剤)
光酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物の光酸発生剤として使用可能なものの中から任意に選択できる。光酸発生剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(含窒素化合物)
化学増幅型レジスト組成物は、含窒素化合物を含んでいてもよい。含窒素化合物を含むことにより、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等がさらに向上する。つまり、レジストパターンの断面形状が矩形により近くなり、また、レジスト膜に光を照射し、ついでベーク(PEB)した後、次の現像処理までの間に数時間放置されることが半導体素子の量産ラインではあるが、そのような放置(経時)したときにレジストパターンの断面形状の劣化の発生がより抑制される。
(有機カルボン酸、リンのオキソ酸またはその誘導体)
化学増幅型レジスト組成物は、有機カルボン酸、リンのオキソ酸またはその誘導体(以下、これらをまとめて酸化合物と記す。)を含んでいてもよい。酸化合物を含むことにより、含窒素化合物の配合による感度劣化を抑えることができ、また、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等がさらに向上する。
(添加剤)
本発明のレジスト組成物には、必要に応じて、界面活性剤、その他のクエンチャー、増感剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。これら添加剤は、当該分野で公知のものであればいずれも使用可能である。また、これら添加剤の量は、特に限定されず、適宜決めればよい。
本発明の、微細パターンが形成された基板の製造方法の一例について説明する。まず、所望の微細パターンを形成しようとするシリコンウエハー等の被加工基板の表面に、本発明のレジスト組成物をスピンコート等により塗布する。そして、該レジスト組成物が塗布された被加工基板を、ベーキング処理(プリベーク)等で乾燥することにより、基板上にレジスト膜を形成する。
ついで、レジスト膜に、フォトマスクを介して、250nm以下の光を照射して潜像を形成する(露光)。照射光としては、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUVエキシマレーザーが好ましく、ArFエキシマレーザーが特に好ましい。また、電子線を照射してもよい。
また、該レジスト膜と露光装置の最終レンズとの間に、純水、パーフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロトリアルキルアミン等の高屈折率液体を介在させた状態で光を照射する液浸露光を行ってもよい。
露光後、適宜熱処理(露光後ベーク、PEB)し、レジスト膜にアルカリ現像液を接触させ、露光部分を現像液に溶解させ、除去する(現像)。アルカリ現像液としては、公知のものが挙げられる。
現像後、基板を純水等で適宜リンス処理する。このようにして被加工基板上にレジストパターンが形成される。
レジストパターンが形成された基板は、適宜熱処理(ポストベーク)してレジストを強化し、レジストのない部分を選択的にエッチングする。
エッチング後、レジストを剥離剤によって除去することによって、微細パターンが形成された基板が得られる。
<実施例>
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、各実施例、比較例中「部」とあるのは、特に断りのない限り「質量部」を示す。また、以下のようにして、重合体の共重合性、重合体およびレジスト組成物を評価した。
1.重合体の質量平均分子量Mwの測定
重合体(P)の質量平均分子量(Mw(P))は、下記の条件(GPC条件I)でゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより、ポリスチレン換算で求めた。
<GPC条件I>
装置:東ソー(株)製、東ソー高速GPC装置 HLC−8220GPC(商品名)
分離カラム:昭和電工製、Shodex GPC K−805L(商品名)を3本直列に連結したもの
測定温度:40℃
溶離液:THF
試料:重合体(P)約20mgを5mlのTHFに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過した溶液
流量:1ml/分
注入量:0.1ml
検出器:示差屈折計
検量線I:標準ポリスチレン約20mgを5mlのTHFに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過した溶液を用いて、上記の条件で分離カラムに注入し、溶出時間と分子量の関係を求めた。標準ポリスチレンは、以下の東ソー製の標準ポリスチレン(いずれも商品名)を用いた。
F−80(Mw=706,000)
F−20(Mw=190,000)
F−4(Mw=37,900)
F−1(Mw=10,200)
A−2500(Mw=2,630)
A−500(Mw=682、578、474、370、260の混合物)
2.重合体の分取
重合体(P)の質量平均分子量(Mw(P))より大きい分子量である重合体(PH)および重合体(P)の質量平均分子量(Mw(P))以下の分子量である重合体(PL)は、以下の方法(手順(1)〜(4))によって、重合体(P)から分取した。
(1)重合体(P)の質量平均分子量(Mw(P))を前記GPC条件Iによって求めた。
(2)GPCの条件を下記GPC条件IIに変更し、標準ポリスチレンを用いて検量線II(溶出時間と分子量の関係)を求めた。
(3)検量線IIにおいて、分子量が、上記(1)で求めたMw(P)となる溶出時間Tを求めた。
(4)下記GPC条件IIにおいて、分取カラムに重合体(P)の溶液を注入し、上記(3)で求めた溶出時間Tより前に溶出してきた成分をPHとして分取し、当該溶出時間T以降に溶出してきた成分をPLとして分取した。
<GPC条件II>
装置:東ソー(株)製、東ソー高速GPC装置 HLC−8220GPC(商品名)
分取カラム:昭和電工製、Shodex GPC K−2005(商品名)を2本直列に連結したもの
測定温度:40℃
溶離液:THF
試料:重合体(P)約120mgを5mlのTHFに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過した溶液
流量:4ml/分
注入量:1ml
検出器:示差屈折計
検量線II:標準ポリスチレン約120mgを5mlのTHFに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過した溶液を用いて、上記の条件で分取カラムに注入し、溶出時間と分子量の関係を求めた。標準ポリスチレンは、以下の東ソー製の標準ポリスチレン(いずれも商品名)を用いた。
F−80(Mw=706,000)
F−20(Mw=190,000)
F−4(Mw=37,900)
F−1(Mw=10,200)
A−2500(Mw=2,630)
A−500(Mw=682、578、474、370、260の混合物)
3.重合体の組成(各構成単位の含有率)の分析
各構成単位の含有率は、1H−NMR測定で求めることができる場合には1H−NMR測定により求め、プロトンピークの重なり等により1H−NMR測定で求めることができない場合には、13C−NMR測定により求めた。
1H−NMRの測定は、日本電子(株)製、GSX−400型FT−NMR(商品名)を用いて、約5質量%の重合体の溶液(重水素化クロロホルム溶液または重水素化ジメチルスルホキシド溶液)を直径5mmφの試験管に入れ、観測周波数400MHz、シングルパルスモードにて、64回の積算で行った。なお、測定温度は、重水素化クロロホルムを溶媒とした場合は40℃、重水素化ジメチルスルホキシドを溶媒とした場合は60℃で行った。
13C−NMR測定の場合は、バリアンテクノロジーズ社製、UNITY−INOVA型FT−NMR(商品名)を用いて、約20質量%の重合体の重水素化ジメチルスルホキシドの溶液を直径5mmφの試験管に入れ、測定温度60℃、観測周波数125MHz、核オーバーハウザー効果(NOE)が除去されたプロトン完全デカップリング法にて、50000回の積算を行った。
重合体中のラクトン骨格、親水性基の含有量率は、重合体(P)と重合体(P)から分取した重合体(PH)それぞれについて、NMRによって測定した重合体の全ピークの積分値の和に対するラクトン骨格または親水性基のピークの積分値の比率として求めた。
4.重合体の評価試験
得られたポリマー溶液について、ポリマー溶液400部と、光酸発生剤であるトリフェニルスルホニウムトリフレート2部と、重合体濃度が12.5質量%になるように溶媒であるPGMEAを混合して均一溶液とした後、孔径0.1μmのメンブレンフィルターで濾過し、レジスト組成物溶液を調製する。得られた組成物をシリコンウエハー上にスピンコートし、ホットプレートを用いて120℃、60秒間プリベークを行い、膜厚0.3μmのレジスト膜を製造する。それにマスクを介して波長193nmのArFエキシマレーザーで露光した後、ホットプレートを用いて120℃、60秒間露光後ベークを行う。次いで、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて室温で現像し、純水で洗浄し、乾燥してレジストパターンを製造する。レジストパターンを下記基準に基づき評価する。
ディフェクト:欠陥検出装置で検出されたディフェクト数を、比較例1のディフェクト数を基準として評価する。
○:比較例1のディフェクト数より少ない
×:比較例1のディフェクト数以上
パターン鮮明さ:レジストパターンのSEM写真から、0.16μmのライン・アンド・スペースのパターンを比較例1のものを基準に目視で判断する。
○:パターンが鮮明に精度良く得られる。
△:比較例1よりも鮮明。
×:比較例1と同等。パターンが不鮮明。
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、滴下漏斗、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、酸脱離性基を有する単量体である2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート(以下、MAdMAと記す。)721.0部、親水性基を有する単量体である3−ヒドロキシアダマンチルメタクリレート(以下、HAdMAと記す。)363.0部、乳酸エチル15020部を入れた。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
その後、下記混合物を滴下漏斗より4時間かけてフラスコ内に滴下し、さらに80℃の温度を3時間保持した。
α−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン(以下、GBLMAと記す。)5236部、
MAdMA6486部、
HAdMA3271部、
乳酸エチル22490部、
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))478.2部。
得られた反応溶液を約10倍量のメタノールおよび水の混合溶媒(メタノール/水=80/20容量比)に攪拌しながら滴下し、白色の析出物(重合体P1)の沈殿を得た。沈殿を濾別し、再度、前記反応溶液に対して約10倍量のメタノールおよび水の混合溶媒(メタノール/水=90/10容量比)へ投入し、撹拌しながら沈殿の洗浄を行った。そして、洗浄後の沈殿を濾別し、重合体湿粉を得た、重合体湿粉のうち10部を減圧下40℃で約40時間乾燥した。得られた重合体P1を評価した。結果を表1に示す。P[A]/PH[A]は、式(1)を満足していた。P[B]/PH[B]は、式(2)を満足していた。
残りの重合体湿粉をPGMEA88000部へ投入し、完全に溶解させた後、孔径0.04μmのナイロン製フィルター(日本ポール社製、P−NYLON N66FILTER0.04M(商品名))へ通液して、重合体溶液を濾過した。
重合体溶液を減圧下で加熱してメタノールおよび水を留去し、さらにPGMEAを留去し、重合体の濃度が25質量%の重合体P1溶液を得た。この際、最高到達真空度は0.7kPa、最高溶液温度は65℃、留去時間は8時間であった。
<比較例1>
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、滴下漏斗、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、乳酸エチル13400部を入れた。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
その後、下記混合物を滴下漏斗より4時間かけてフラスコ内に滴下し、さらに80℃の温度を3時間保持した。
GBLMA5236部
MAdMA7207部
HAdMA3634部
乳酸エチル24120部
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))478.2部
得られた反応溶液について実施例1と同様の操作を行い、重合体P’1を得た。重合体P’1の評価結果を表1に示す。P[A]/PH[A]は、式(1)を満足していなかった。P[B]/PH[B]は、式(2)を満足していなかった。また、重合体P’1を用いて実施例1と同様の操作を行い、重合体P’1溶液を得た。
<比較例2>
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、滴下漏斗、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、MAdMA721.0部、乳酸エチル14480部を入れた。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
その後、下記混合物を滴下漏斗より4時間かけてフラスコ内に滴下し、さらに80℃の温度を3時間保持した。
GBLMA5236部
MAdMA6486部
HAdMA3634部
乳酸エチル23040部
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))478.2部
得られた反応溶液について実施例1と同様の操作を行い、重合体P’2を得た。重合体P’2の評価結果を表1に示す。P[A]/PH[A]は、式(1)を満足していた。P[B]/PH[B]は、式(2)を満足していなかった。
また、重合体P’2を用いて実施例1と同様の操作を行い、重合体P’2溶液を得た。
<比較例3>
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、滴下漏斗、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、HAdMA363.0部、乳酸エチル13940部を入れた。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
その後、下記混合物を滴下漏斗より4時間かけてフラスコ内に滴下し、さらに80℃の温度を3時間保持した。
GBLMA5236部
MAdMA7207部
HAdMA3271部
乳酸エチル23570部
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))478.2部
得られた反応溶液について実施例1と同様の操作を行い、重合体P’3を得た。重合体P’3の評価結果を表1に示す。P[A]/PH[A]は、式(1)を満足していなかった。P[B]/PH[B]は、式(2)を満足していた。また、重合体P’3を用いて実施例1と同様の操作を行い、重合体P’3溶液を得た。
<評価結果>
実施例のポリマーを用いた場合は感度、解像度、焦点深度(DOF)、ディフェクトに優れ、0.16μmのライン・アンド・スペースパターンが鮮明に精度良く得られる。しかし、比較例のポリマーを用いた場合には感度、解像度、焦点深度(DOF)が悪く、該パターンの鮮明さに欠けている。
Figure 2009173749

Claims (4)

  1. 酸脱離性基(A)と親水性基を(B)を有する重合体(P)であって、
    下記(1)式および(2)式を満足するレジスト用重合体。
    P[A]/PH[A]≦0.99 ・・・(1)
    P[B]/PH[B]≦0.99 ・・・(2)
    (P[A]:重合体(P)中の酸脱離性基(A)の含有量率。
    PH[A]:重合体(PH)中の酸脱離性基(A)の含有量率。
    P[B]:重合体(P)中の親水性基(B)の含有量率。
    PH[B]:重合体(PH)中の親水性基(B)の含有量率。
    重合体(PH)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによって重合体(P)から分取した、重合体(P)の質量平均分子量(Mw(P))よりも分子量の大きい重合体。重合体中の酸脱離性基、親水性基の含有量率は、NMRによって測定した重合体の全ピークの積分値の和に対する酸脱離性基または親水性基のピークの積分値の比率である。)
  2. 酸脱離性基を有する単量体および親水性基を有する単量体を含む反応開始前の重合溶媒に、酸脱離性基を有する単量体および親水性基を有する単量体以外の単量体を含む単量体溶液と重合開始剤を供給し溶液ラジカル重合を行う請求項1に記載のレジスト用重合体の製造方法。
  3. 請求項1に記載の重合体を含む、レジスト組成物。
  4. 請求項3に記載のレジスト組成物を被加工基板上に塗布し、レジスト膜を形成する工程と、
    該レジスト膜に250nm以下の波長の光を照射して潜像を形成する工程と、
    潜像が形成されたレジスト膜を現像液で現像処理する工程と
    を有する、微細パターンが形成された基板の製造方法。
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