JP2009173746A - 粘着シートおよび液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】輝度上昇フィルムのような凹凸面上に貼付されて、高温高湿の環境におかれても液晶画面の端部に白い筋状に目視される不均一部を生じさせることのない粘着シートおよび同粘着シートを用いた液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】基材シートの少なくとも片面に粘着剤層を設けてなる粘着シートにおいて、粘着剤層が(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする架橋性官能基を有し、重量平均分子量40万〜70万の共重合体と架橋剤を反応させてなる粘着剤からなり、同粘着剤のゲル分率が40〜60質量%、ゾル分中の分子量1万以下の成分の割合が25質量%未満であることを特徴とする粘着シート、および同粘着シートにより、液晶表示ユニットとバックライトユニットが固定されている液晶表示装置である。
【選択図】なし

Description

本発明は粘着シート及び液晶表示装置に関する。さらに詳しくは、特に携帯電話やPDA用途等に好適な液晶表示装置(LCD)等において、液晶表示ユニットとバックライトユニットを固定するために有用な粘着シートおよび同シートが適用された液晶表示装置に関する。
携帯電話等に用いられるLCDは、図1に示すように、液晶表示ユニットとバックライトユニットが粘着シートで固定されている。当該粘着シートには、液晶表示ユニットとバックライトユニットを固定するためにある程度高い粘着力が求められる。
従来、このような粘着シートとして、基材と粘着剤層とを有し、前記粘着剤層が、アクリル系共重合体並びに不均化ロジンエステル等の粘着付与樹脂を含有する粘着剤の層であり、前記アクリル系共重合体の重量平均分子量が80万〜150万であり、さらに、前記アクリル系共重合体100質量部に対して前記粘着付与樹脂を30〜70質量部含有することを特徴とするLCD用粘着テープが提案されている(特許文献1)。
LCDにおいては、一般的に、プリズムシートのような輝度上昇フィルムが用いられており、通常、片面がVまたはU字溝状の凹凸形状に加工されている。そして、液晶表示ユニットとバックライトユニットを固定するために用いられる両面粘着シートの片面が輝度上昇フィルムの凹凸面上の一部に貼付されることになる。本発明者らの研究の結果、このように形成されたLCDは、高温高湿の環境に置かれた場合、粘着剤層中の粘着付与樹脂や共重合体の低分子量成分が溶出して凹凸面の凹部分(VまたはU字溝)に流れ出し、液晶画面の端部に白い筋状に目視される不均一部が生じるという問題があることが判明した。
なお、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする共重合体、酸化防止剤および架橋剤を含み、ゲル分率が特定の範囲であり、ゾル分中の低分子量成分の含有量が一定量以下の光学フィルム用粘着剤が提案(特許文献2)されているが、上記のような問題を解決しようとするものではない。
特開2005−97393号公報 特開2003−49143号公報
本発明は、このような背景の下、主として、上記のような液晶表示ユニットとバックライトユニットを固定するための粘着シートにおいて、輝度上昇フィルムのような凹凸面上に貼付されて、高温高湿の環境におかれても液晶画面の端部に白い筋状に目視される不均一部を生じさせることのない粘着シートおよび同粘着シートを用いた液晶表示装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の重量平均分子量を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体と架橋剤を用い、ゲル分率が特定の範囲で、かつ、低分子量成分の割合が一定の数値以下の粘着剤を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(8)
(1)基材シートの少なくとも片面に粘着剤層を設けてなる粘着シートにおいて、粘着剤層が(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする架橋性官能基を有し、重量平均分子量40万〜70万の共重合体と架橋剤を反応させてなる粘着剤からなり、同粘着剤のゲル分率が40〜60質量%、ゾル分中の分子量1万以下の成分の割合が25質量%未満であることを特徴とする粘着シート、
(2)前記粘着剤が粘着付与剤を実質的に含まないものである上記(1)に記載の粘着シート、
(3)前記架橋剤がイソシアネート系架橋剤である上記(1)または(2)に記載の粘着シート、
(4)前記架橋性官能基が水酸基および/またはカルボキシル基である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の粘着シート、
(5)前記基材シートの両面に粘着剤層を有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載の粘着シート、
(6)凹凸形状を有する光学基材面上に貼付される上記(1)〜(5)のいずれかに記載の粘着シート、
(7)液晶表示ユニットとバックライトユニットの固定用である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の粘着シート、および
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の粘着シートにより、液晶表示ユニットとバックライトユニットが固定されている液晶表示装置を提供する。
高温高湿の環境におかれても液晶画面の端部に白い筋状に目視される不均一部を生じさせることのない粘着シートおよび同粘着シートを用いた液晶表示装置が提供される。
以下、本発明の粘着シートおよび同粘着シートを用いた液晶表示装置について詳細に説明する。
本発明の粘着シートに用いられる基材シートとしては、材質としては、特に限定されず各種のものを用いることができる。たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネートなどがあげられる。これらのなかでも、耐候性、強度などの点から、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルが好ましい。
基材シートの厚さは、特に制限されないが、薄型軽量化と加工性の点から2〜75μm程度、好ましくは6〜50μmである。
2μm以上とすることにより、基材自体の加工性、その2次加工性および強度を確保し、75μm以下とすることにより、柔軟性を確保し、例えば、液晶表示ユニットとバックライトユニットの固定箇所において粘着シートの存在しない部分との段差を小さくすることができる。
また、基材シートとしては、遮光性あるいは光反射性を有する基材であっても良いし、透明基材であってもよい。
基材シートは遮光性及び光反射性を考慮して着色基材フィルム等にする場合には、各着色に応じた顔料等が配合される。また、たとえば、顔料、バインダーおよび溶剤を含有する配合物を、基材シート上に塗工することにより基材シート状に着色層を形成することができる。バインダーとしては、着色層の形成に用いられるものを特に制限なく使用することができる。たとえば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素メラミン樹脂、アクリル樹脂などが例示される。溶剤は、顔料、バインダーの種類に応じて適宜に選択される。顔料は、着色層に応じた顔料が適宜に選択される。
着色層の厚さは、通常、総厚で、1〜10μm程度が好ましい。印刷法により作製される各着色層の厚さは、通常、1〜2μm程度が好ましい。なお、印刷法による着色層の形成方法は、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷などの従来より着色層の形成に採用されている手段を特に制限なく採用できる。
基材シートや着色層の着色に用いられる顔料は、黒色の場合、黒色顔料が用いられる。黒色顔料の例としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、松煙、黒鉛などが例示される。
白色の場合、白色顔料が用いられる。白色顔料の例としては、酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウムなどが例示される。
また、前記以外の着色層の形成方法としては、金属蒸着法により行なうことができる。金属蒸着層は反射性と遮光性に寄与することから、金属蒸着法により作製されたものが好ましい。金属蒸着法によって作製された層は、印刷法によって作製されたものに比較して、表面平滑性、層の緻密性がよいので反射率、遮光率をともに改良できる点で有利である。さらに金属蒸着法によって作製されたフィルム膜厚を薄くすることができる点でも有利である。
金属蒸着法としては、真空蒸着法、物理スパッタリング法、化学スパッタリング法等を採用することができるが、これらのなかの真空蒸着法が一般に採用される。金属蒸着層の形成には、反射率の高い金属材料が好適に用いられる。金属材料としては、銀、アルミニウム、金、ロジウム、銅、チタン等があげられる。これらのなかでも銀、アルミニウムが好ましい。金属蒸着層の厚みは30〜100nm好ましくは40〜70nmである。
なお、液晶表示ユニットとバックライトユニットを固定する際には、基材シートの液晶表示ユニット側が外からの光を遮光するように遮光性を有するように形成し、またバックライトユニット側は光反射性を有するように形成するのが好ましい。
次に、本発明の粘着シートにおける粘着剤層について説明する。
粘着剤層を形成させるために用いる粘着剤は、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする特定の分子量を有する共重合体と架橋剤を反応させることにより特定量のゲル分を含有し、かつ、低分子量成分が特定量以下であることを特徴としている。
本発明における低分子量成分とは、粘着付与剤を使用しない場合は、主として共重合体に由来する成分であるが、粘着付与剤や他の添加剤類を使用した場合、それらに由来する成分も含まれる。本発明における「ゾル分」とは、ゲル分率測定の際の試料からゲル分を除いた成分である〔ゾル分率(%)=100(%)−ゲル分率(%)の関係を有する〕。
具体的には、本発明の粘着剤のゲル分率は40〜60質量%であり、ゾル分中の分子量1万以下の成分の割合は25質量%未満である。
分子量1万以下の成分の割合を25質量%未満にするには、後で述べるように、低温で長時間かけて重合した共重合体を用いるとともに、共重合体成分以外の各種添加剤の添加量を極力少なくすることが好ましい。
本発明の粘着剤において使用する(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする共重合体は、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする単量体混合物を重合して得られた共重合体である。この単量体混合物としては、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、架橋剤と反応する架橋性官能基を有するモノマーを含む。また、その他のビニル系モノマーを配合しても良い。
架橋性官能基とは具体的には、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、アルコキシ基、およびアセトアセチル基等である。これらの中でも水酸基およびカルボキシル基が好ましい。
主成分として用いる(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、架橋性官能基を有するモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、β-カルボキシエチルアクリレート、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸および無水マレイン酸などのようなカルボキシル基を有するモノマー、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、クロロ-2-ヒドロキシプロピルアクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートおよびアリルアルコールなどの水酸基含有モノマー、グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有モノマー、アミノメチル(メタ)アクリレート、モノメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基を含有するモノマー、アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシエチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー、メタクリロキシプロピルメトキシシランなどのアルコキシ基含有モノマーおよびアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートなどのアセトアセチル基を有するモノマーなどを挙げることができる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
その他のビニル系モノマーとしては、スチレン、メチルスチレン及びビニルトルエン等の芳香族ビニルモノマー、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリルなどを挙げることができる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
これらの単量体の使用量は、主成分である(メタ)アクリル酸エステル100質量部に対して、架橋性官能基含有モノマーは0.1〜25質量部好ましくは、0.5〜15質量部である。
架橋性官能基含有モノマーを上記範囲として共重合体を調製し、それを後で述べる架橋剤と反応させることにより、粘着剤中のゲル分率を40〜60質量%とすることができる。
その他のビニル系モノマーは、主成分である(メタ)アクリル酸エステル100質量部に対して、必要に応じて0〜25質量部程度配合する。
本発明における粘着剤において、樹脂成分として用いられる(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は、その共重合形態については特に制限はなく、ランダム、ブロック、グラフト共重合体のいずれであってもよい。また、分子量は、粘着性能などの点から、重量平均分子量(Mw)で40万〜70万、好ましくは45万〜60万の範囲である。
Mwを上記範囲とすることにより、後で述べる架橋剤との反応により形成されるゲル分率を40〜60質量%とし、ゾル分中のMw1万以下の成分の割合を25質量%未満にコントロールし易くなる。
なお、上記Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
本発明においては、この(メタ)アクリル酸エステル共重合体は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明における(メタ)アクリル酸エステル共重合体の調製は、溶媒の存在下または不存在下、常法により行うことができる。溶媒としては、酢酸エチル、トルエン等を挙げることができ、重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等を挙げることができる。重合条件に関しても特に限定されず、通常50〜90℃で2〜30時間の条件で行われる。特に低温(50〜60℃)で長時間(10〜30時間)かけて重合を行なうと低分子量成分の含有率が低くなるので好ましい。
次に、本発明の粘着シートにおける粘着剤において使用される架橋剤について述べる。
架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤およびアミン系架橋剤などを挙げることができる。特に、イソシアネート系架橋剤が好ましい。これらの架橋剤は単独で用いても良く、2種類以上を併用しても良い。
イソシアネート架橋剤の具体例としては、トリレンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネートなどのポリイソシアネート及びこれらポリイソシアネートをトリメチロールプロパンなどと付加したポリイソシアネート化合物やポリイソシアヌレート化物、ビュレット型化合物、さらには公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールなど付加反応させたウレタンプレポリマー型のポリイソシアネートなどを挙げることができる。
この架橋剤の配合量としては、前記(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするMw40万〜70万の共重合体100質量部に対して0.1〜5質量部程度、好ましくは0.5〜4.0質量部である。架橋剤の配合量を0.1質量部以上とすることにより、ゲル分率が40質量%未満となって得られる粘着剤の凝集力が低くなるのを防止する。また、高温雰囲気下で発泡し易くなるのを防止する。また、架橋剤の配合量を5質量部以下とすることにより、ゲル分率が60質量%より大きくなるのを防止し、得られる粘着剤が応力緩和性に劣るのを防止する。
前記共重合体と架橋剤を配合して基材シートまたは剥離シートに塗布した後、70〜120℃で30〜180秒程度加熱処理して架橋(反応)させることにより粘着剤層を形成させることができる。
粘着剤層の厚さは使用目的等に応じて適宜決定できるが、一般的には5〜100μm程度である。本発明の粘着シートを、携帯電話等に適用される液晶表示装置における液晶表示ユニットとバックライトユニットを固定する両面粘着テープとして使用する場合は、薄型軽量化の観点から、粘着剤層の厚さは5〜50μmが好ましい。
なお、本発明における粘着剤のゲル分率は、後記の方法で測定した値である。
このゲル分率は、粘着剤層を構成する粘着剤の樹脂成分、例えば(メタ)アクリル酸エステル共重合体を製造する際の架橋性官能基を有するモノマーおよび架橋剤の使用量によって調整することができる。
さらに、本発明における粘着剤のゾル分(未架橋成分)中の分子量1万以下の成分の割合が25質量%未満であり、好ましくは23質量%以下である。分子量1万以下の成分が25質量%未満であることにより高温高湿下において、輝度上昇フィルムなどの凹面に溶出成分が流れ出すことを防止することができる。ここで、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体中のゾル分(未架橋成分)とは、上述のゲル分率測定において、酢酸エチルに抽出された成分をいう。
また、本発明の粘着シートにおける粘着剤には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、粘着付与剤、可塑剤、消泡剤及び濡れ性調整剤等を配合しても良いが、これらの成分が高温高湿条件下において、溶出する可能性があることから極力配合しないことが好ましい。
粘着剤層は、基材シートの片面または両面に形成させることができるが、本発明の粘着シートは、携帯電話やPDA用途等に好適な液晶表示装置(LCD)等において、液晶表示ユニットと凹凸形状を有する光学基材(輝度上昇フィルム)が表層にあるようなバックライトユニットの両者を固定する粘着シートとして使用される場合が多いので、粘着剤層が基材シートの両面に形成されているものの方が好ましい。
粘着剤層の形成方法は、特に制限されず、基材シートに前記共重合体と架橋剤および必要に応じて少量添加される添加剤を含む溶液またはエマルジョンを、ロールコーター、ナイフコーター、ロールナイフコーター、リバースコーター、グラビアコーターなどを用いて直接塗布して加熱乾燥する方法、また別途、剥離シートに粘着剤層を形成させた後、粘着剤層を基材シートに貼り合せる方法等を採用することができる。
粘着剤層には、剥離シートが必要に応じて設けられる。上記剥離シートとしては、例えばグラシン紙、コート紙、キャストコート紙などの紙基材、これらの紙基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙、あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィンフィルムなどのプラスチックフィルムに、シリコーン樹脂などの剥離剤を塗布したものなどが挙げられる。この剥離シートの厚さについては特に制限はないが、通常20〜150μm程度である。
次に、本発明の液晶表示装置について説明する。
図1は本発明の液晶表示ユニット等の各部品をバックライトユニットに固定した液晶表示装置の部材構成の一例を示す断面図である。
本発明の液晶表示装置において、粘着シート1は基本的には、例えば、図1に示されているように液晶表示ユニット8を輝度上昇フィルム2を含むバックライトユニット7に固定するための役割を有している。なお、符号3は拡散シート、4は光源、5は導光板、6は反射板である。
前記背景技術欄で述べたように、輝度上昇フィルム2は、通常、片面がVまたはU字溝状の凹凸形状に加工されており、VまたはU字溝状の凹部分に低分子量成分が溶出して流れ出し、液晶画面の端部に白い筋状に目視される不均一部が生じるという問題があったが、前記のような本発明の粘着シートを用いることによりこの問題が解決される。
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
〔実施例1〕
アクリル酸ブチル90質量部、メタクリル酸メチル3.5質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル2.0質量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート0.5質量部、及びアクリル酸4質量部からなるモノマー混合物に、溶媒として酢酸エチル150質量部及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1質量部を加え、窒素雰囲気下、60℃で17時間重合を行い、アクリル酸ブチル/メタアクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル/2-ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体の溶液を得た。次いで、この共重合体溶液の固形分100質量部に対し、ポリイソシアネート系架橋剤[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートL」]1質量部を加えて、粘着剤用塗工液を調製した。なお、前記共重合体のMwは56万であった。
次に、この粘着剤用塗工液を、ナイフコーターにて剥離シート〔リンテック(株)製、商品名「SP−PET381031」〕の剥離処理面に、乾燥後の厚さが25μmとなるように塗布し、90℃で約1分間乾燥させたのち、予め片面に黒コート層を施した厚さ38μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルムの反射性を有する基材シート〔東レ社製、商品名「E20」、厚さ38μm〕にラミネートし、また、他面側にも同様にして粘着剤層を形成させて基材シートの両面に粘着剤層を有する粘着シートを作製した。なお、粘着剤のゲル分率等は表1に示す。
〔実施例2〕
実施例1において、モノマー混合物として、アクリル酸ブチル92質量部、及びアクリル酸8質量部からなる混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして共重合体溶液を得たのち、粘着剤用塗工液を調製した。なお、前記共重合体のMwは50万であった。
次に、この粘着剤用塗工液を用い、実施例1と同様にして、基材シートの両面に粘着剤層を有する粘着シートを作製した。粘着剤のゲル分率等は表1に示す。
〔比較例1〕
実施例1において、共重合体溶液の固形分100質量部に対し、粘着付与剤である不均化ロジンエステル〔荒川化学工業社製、「スーパーエステルA100」〕を50質量部添加した以外は、実施例1と同様にして粘着剤塗工液を調製し、実施例1と同様にして、基材シートの両面に粘着剤層を有する粘着シートを作製した。粘着剤のゲル分率等は表1に示す。
<試験方法>
(1)白筋確認試験
図1の液晶表示ユニットとバックライトユニットを実施例及び比較例で作製した両面粘着シートによって凹凸面を有する輝度上昇フィルム上に固定(白色側をバックライトユニット上に貼付)し液晶表示装置を作製した。この液晶表示装置を高温高湿(60℃、95%RH)の状況に10日間放置し、液晶画面の淵の部分に白い筋状物が発生するか否かデジタル顕微鏡にて確認した。
○:白筋発生無し。
△:わずかに白筋が見られる。
×:白筋がはっきりと多数見られる。
(2)ゲル分率およびゾル分率
ゲル分率(質量%):各例における共重合体と架橋剤の混合物を、ナイフコーターにて重剥離フィルム[リンテック(株)製「SP−PET381031」]の剥離処理面に塗布したのち、90℃で約1分間加熱処理して粘着剤層(厚さ約25μm)を作製した。これに、軽剥離フィルム[リンテック(株)製「SP−PET38GS」]をラミネートし、ゲル分率測定用シートサンプルを得た。
次いで、このシートサンプルを、23℃、相対湿度50%の条件下で1週間放置したのち、粘着剤層を剥ぎ取り、ソックスレー抽出器を用いて、酢酸エチルにて約16時間還流させて抽出を行なった。未溶解成分を風乾後、100℃で10時間乾燥させ、23℃相対湿度50%の条件下に3時間放置して調湿を行った後、その質量を測定して、以下の式によりゲル分率を計算した。
ゲル分率(質量%)=(乾燥・調湿後の未溶解成分の質量/抽出前の粘着剤の質量)×100
ゾル分率(質量%):「100(質量%)−ゲル分率(質量%)」により計算した。
(3)ゾルの成分同定:ゾル分を乾燥させ、被膜化したものをFT‐IR(パーキンエルマー社製、Spectrum 100)にて原材料と比較することにより行なった。
(4)低分子量成分の割合:ゾル分をゲルパーミエーションクロマトグラフィー〔GPC、東ソー社製、HLC−8020〕法を用いて測定した。
Figure 2009173746
粘着シートを使用して液晶表示ユニット等の各部品をバックライトユニットに固定した液晶表示装置の部材構成の一例を示す断面図である。
符号の説明
1:粘着シート
2:輝度上昇フィルム
3:拡散シート
4:光源
5:導光板
6:反射板
7:バックライトユニット
8:液晶表示ユニット

Claims (8)

  1. 基材シートの少なくとも片面に粘着剤層を設けてなる粘着シートにおいて、粘着剤層が(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする架橋性官能基を有し、重量平均分子量40万〜70万の共重合体と架橋剤を反応させてなる粘着剤からなり、同粘着剤のゲル分率が40〜60質量%、ゾル分中の分子量1万以下の成分の割合が25質量%未満であることを特徴とする粘着シート。
  2. 前記粘着剤が粘着付与剤を実質的に含まないものである請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記架橋剤がイソシアネート系架橋剤である請求項1または2に記載の粘着シート。
  4. 前記架橋性官能基が水酸基および/またはカルボキシル基である請求項1〜3のいずれかに記載の粘着シート。
  5. 前記基材シートの両面に粘着剤層を有する請求項1〜4のいずれかに記載の粘着シート。
  6. 凹凸形状を有する光学基材面上に貼付される請求項1〜5のいずれかに記載の粘着シート。
  7. 液晶表示ユニットとバックライトユニットの固定用である請求項1〜6のいずれかに記載の粘着シート。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の粘着シートにより、液晶表示ユニットとバックライトユニットが固定されている液晶表示装置。
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