JP2009171873A - ベリー類の鮮度保持用包装袋及びベリー類の保存方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ベリー類を包装して、保管、出荷、運搬、店頭陳列する際に、しおれが少なく、腐敗が少なく、カビの発生が少なく、外観及び固有の食感と味に優れたいわゆる鮮度保持効果を発揮するベリー類の保存方法及びベリー類の鮮度保持用包装袋を提供する。
【解決手段】 高分子フィルムからなるベリー類の鮮度保持用包装袋であって、ベリー類保存時の該鮮度保持用包装袋の酸素透過量Pが、75〜650cc/100g・day・atmであることを特徴とするベリー類の鮮度保持用包装袋である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ベリー類を包装して、出荷、運搬、店頭陳列する際のベリー類の保存方法及びベリー類の鮮度保持用包装袋に関する。
ベリー類をはじめ青果物は、周囲のガス雰囲気が大気よりも低酸素濃度、高二酸化炭素濃度になると、大気中にある場合に比べ、呼吸量が少なくなり、長持ちするようになる。しかし、青果物を過度な低酸素濃度、高二酸化炭素濃度条件下に置くと、呼吸障害を起こす。
そのため、青果物を包装して、出荷、運搬、店頭陳列する際には、適度なガス条件で青果物を保存しなければならない。
ところが、最適なガス条件は、青果物の種類により異なるため、ベリー類以外の青果物では、良好な保存条件であったとしても、ベリー類に応用できるとは限らない。特に、ベリー類は、保存中に腐敗の発生やカビの発生、食味の悪化といった問題が生じやすいため、ベリー類以外の青果物での保存条件を、そのままベリー類に適用することはできない。
ベリー類の保存方法として、特開2003−274849号公報(特許文献1)には、酸素透過速度および二酸化炭素透過速度が1,000〜700,000cc/m・day・atmかつ水蒸気透過量50〜300g/m・day(40℃、90%RH)の合成樹脂フィルムを用いて青果物を密封した包装体において、包装体内の一部または全ての青果物と合成樹脂フィルムの間に0.0015<重量(g)/体積(cc)<0.6の通気性を有する物体を介在させてなることを特徴とする青果物包装体が開示されており、青果物としてブルーベリーが記載されている。
特開2003−274849号公報
特許文献1に開示されている青果物の包装体は、合成樹脂フィルムで包装する以外に、包装体内の一部または全ての青果物と合成樹脂フィルムの間に0.0015<重量(g)/体積(cc)<0.6の通気性を有する物体を介在させる必要がある。当然ながら、資材費と工数がその分必要となり、用済み後に廃棄物が増えるという問題があった。
従って、本発明の課題は、ベリー類を包装して、介在物を用いなくても、保存中に腐敗の発生やカビの発生、食味の悪化といった問題が発生せず、優れた鮮度保持効果を有するベリー類の保存方法及びベリー類の鮮度保持用包装袋を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術における課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、ベリー類100g当りの酸素透過量を特定の範囲にすることにより、ベリー類の鮮度保持効果が高くなることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明(1)は、高分子フィルムからなるベリー類の鮮度保持用包装袋であって、該ベリー類保存時の該鮮度保持用包装袋の酸素透過量Pが、75〜650cc/100g・day・atmであることを特徴とするベリー類の鮮度保持用包装袋を供するものである。
また、本発明(2)は、前記鮮度保持用包装袋の酸素透過量Pが、75〜400cc/100g・day・atmであることを特徴とする前記本発明(1)のベリー類の鮮度保持用包装袋を提供するものである。
また、本発明(3)は、前記鮮度保持用包装袋が、平均孔径20〜100μmの微孔を有することを特徴とする前記本発明(1)〜(2)いずれかのベリー類の鮮度保持用包装袋を提供するものである。
また、本発明(4)は、前記鮮度保持用包装袋が、50〜500gのベリー類包装用の包装袋であることを特徴とする前記本発明(1)〜(3)いずれかのベリー類の鮮度保持用包装袋を提供するものである。
また、本発明(5)は、ベリー類を高分子フィルムで包装して保存するベリー類の保存方法のおいて、保存時の酸素透過量Pを75〜650cc/100g・day・atmとすることを特徴とするベリー類の保存方法を提供するものである。
また、本発明(6)は、包装体1つ当りの前記ベリー類の質量が、50〜500gであることを特徴とする前記本発明(5)のベリー類の保存方法を提供するものである。
本発明によれば、ベリー類を包装して、保管、出荷、運搬、店頭陳列する際に、優れた鮮度保持効果を発揮するベリー類の保存方法及びベリー類の鮮度保持用包装袋を提供することができる。
本発明のベリー類の保存方法は、ベリー類を高分子フィルムで包装して保存するベリー類の保存方法のおいて、
保存時の酸素透過量Pを75〜650[cc/(100g・day・atm)]とするベリー類の保存方法である。
本発明のベリー類の保存方法は、該ベリー類を収穫後、高分子フィルムで包装し、保管、出荷、運搬、店頭陳列する際の保存方法である。包装体1つ当りの該ベリー類の質量は、50〜500gであることが好ましく、より好ましくは50〜250gである。なお、本発明においては、該包装体とは、該高分子フィルムで包装された該ベリー類のことを指す。
本発明のベリー類とは、ツツジ科、ユキノシタ科、バラ科、グミ科、及びナス科などの樹木(木化する植物)になるベリーであり、食用となる果実である。例えば、ブルーベリー、クランベリー、ハックルベリー、リンゴベリー、クランベリー、コケモモ、ラズベリー、ブラックベリーなどが挙げられる。
本発明のベリー類の保存方法に係る該高分子フィルムは、特に制限されず、青果物の包装に用いられている高分子フィルムであればよく、材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステル、ポリ乳酸等、あるいは、これらの複合材料が挙げられる。これらは、防曇加工や印刷を施したものでもよい。これらの材質の中で、ポリプロピレン、ポリ乳酸の材質が鮮度保持の点で好ましい。
該高分子フィルムの厚さは、特に制限されないが、通常、15〜60μmであり、取り扱い及びコストの観点から、20〜40μmが好ましい。
本発明の包装体の保管温度は、0〜25℃がよく、好ましくは、0〜15℃、さらに好ましくは、0〜12℃である。0℃未満では、凍結の恐れがあり、25℃以上では、果実の劣化が早くなり腐敗など発生する可能性がある。15℃以下であれば、本発明の包装体による鮮度保持効果がより大きくなる。
本発明のベリー類の保存方法では、該保存時の酸素透過量Pは75〜650[cc/(100g・day・atm)]、好ましくは75〜400[cc/(100g・day・atm)]である。該保存時の酸素透過量Pが上記範囲にあることにより、鮮度保持効果が高くなる。特に、該保存時の酸素透過量Pが上記範囲にあることにより、腐敗の発生、カビの発生、異臭の発生、食味の低下が少なくなる。一方、該保存時の酸素透過量Pが少な過ぎても、多過ぎても、腐敗の発生やカビの発生が多くなり、食味が悪くなる。
該ベリー類は、劣化しやすく、特に生食で食されることが増えてきているので、該ベリー類の鮮度保持においては、しおれが少ないこと、腐敗が少ないこと、カビの発生が少ないことという外観、固有の食感と味が、特に重視される。
本発明において、該保存時の酸素透過量P[cc/(100g・day・atm)]とは、23℃における、包装されるベリー類100g当りの、1日当りの、包装体の内と外との酸素圧力差1気圧当りの酸素透過量である。
23℃における単位面積当りの酸素透過量がF[cc/(m・day・atm)]の高分子フィルムを用いて、該ベリー類を包装する場合、該保存時の酸素透過量P[cc/(100g・day・atm)]は、23℃における該高分子フィルムの単位面積当りの酸素透過量F[cc/(m・day・atm)]に、該高分子フィルムの有効表面積S(m)を乗じて得た値を、包装されるベリー類の質量W(g)で除し、100を乗じた値である。例えば、23℃における高分子フィルムの単位面積当りの酸素透過量がf[cc/(m・day・atm)]、高分子フィルムの有効表面積がs(m)、包装されたベリー類の質量がw(g)であった場合、保存時の酸素透過量Pは、
P=f×s×(100/w)
となる。なお、該高分子フィルムの有効表面積とは、該高分子フィルムのうち、酸素透過に関与できる部分の表面積を指し、密封のために張り合わせられている部分のような、酸素透過に関与できない部分を除く表面積のことである。例えば、長方形の2枚の高分子フィルムを、4辺をヒートシールして密封して、該ベリー類を包装する場合、密封後の包装袋の内側の表面積が、該高分子フィルムの有効表面積である。
本発明のベリー類の保存方法では、該高分子フィルムの材質自体の酸素透過性が低い場合、例えば、該高分子フィルムに平均孔径5〜150μm、好ましくは平均孔径10〜100μmの微孔を開け、該微孔の大きさ及び数により、該保存時の酸素透過量Pを上記範囲内に調整することができる。また、該高分子フィルムの材質によっては、微孔を開けなくても、材質自体での酸素透過により、該保存時の酸素透過量Pを上記範囲内に調整することができる。このような場合は、該高分子フィルムの材質や厚みを選択することによって、該保存時の酸素透過量Pを調整することができる。また、該高分子フィルムの材質及び微孔の大きさ又は数の選択によって、該保存時の酸素透過量Pを調整することもできる。
該高分子フィルムを用いて作成した鮮度保持用包装袋の形状は、特に制限されない。
本発明のベリー類の保存方法では、該ベリー類を、該高分子フィルムに入れ、密封するが、該高分子フィルムを密封する方法としては、ヒートシール、結束帯、輪ゴム、かしめ等、特に制限されない。この場合、ベリー類を通気性のある容器に入れた状態で該高分子フィルムに入れても良い。また、本発明のベリー類の保存方法では、包装形態としては、袋詰めの形態だけではなく、例えば、トレイ容器にトップシールする形態であってもよく、あるいは、ダンボール箱と該高分子フィルムとを一体化させた形態であってもよい。
本発明のベリー類の保存方法は、該ベリー類を収穫後、高分子フィルムで包装し、該ベリー類が該高分子フィルムで包装された包装体を、保管、出荷、運搬、店頭陳列する際の保存方法であるので、保存温度は、通常は0〜25℃であることが好ましい。つまり、本発明のベリー類の保存方法は、上記保存温度条件下における保存方法であることが好ましい。
本発明のベリー類の保存方法は、次に述べる本発明のベリー類の鮮度保持用包装袋により、好適に行なわれる。
本発明のベリー類の鮮度保持用包装袋は、高分子フィルムからなるベリー類の鮮度保持用包装袋であって、
ベリー類保存時の該鮮度保持用包装袋の酸素透過量Pが、75〜650[cc/(100g・day・atm)]のベリー類の鮮度保持用包装袋である。
本発明のベリー類の鮮度保持用包装袋に係る該ベリー類は、本発明のベリー類の保存方法に係る該ベリー類と同様である。
本発明のベリー類の鮮度保持用包装袋に係る該高分子フィルムの材質は、本発明のベリー類の保存方法に係る該高分子フィルムの材質と同様である。
該高分子フィルムの厚さは、特に制限されないが、通常、15〜60μmであり、取り扱い及びコストの観点から、20〜40μmが好ましい。
該鮮度保持用包装袋は、該ベリー類保存時の該鮮度保持用包装袋の酸素透過量P、又は該高分子フィルムの単位面積当りの酸素透過量Fを調節するために、微孔を有してもよく、この場合、該微孔の平均孔径は、5〜150μm、好ましくは10〜100μmであり、該微孔の開孔面積比率は、8.0×10−7〜2.0×10−5%、好ましくは8.0×10−7〜9.0×10−6%である。なお、該微孔の開孔面積比率とは、該鮮度保持用包装袋を形成する該高分子フィルムの有効表面積に対する該微孔の総面積の比率(%)である({微孔の総面積/高分子フィルムの有効表面積}×100)。
23℃における、該ベリー類保存時の該鮮度保持用包装袋の酸素透過量Pは、75〜650[cc/(100g・day・atm)]であり、好ましくは75〜400[cc/(100g・day・atm)]である。該ベリー類保存時の該鮮度保持用包装袋の酸素透過量Pが上記範囲にあることにより、鮮度保持効果が高くなる。特に、該ベリー類保存時の該鮮度保持用包装袋の酸素透過量Pが上記範囲にあることにより、腐敗の発生が少なくなり、カビの発生が少なくなり、異臭の発生が少なくなり、食味の悪化(食感の悪化と味の悪化)が少なくなる。
本発明のベリー類の鮮度保持用包装袋が、50〜500gのベリー類包装用の鮮度保持用包装袋である場合、すなわち、本発明のベリー類の鮮度保持用包装袋が、1袋当りに50〜500gの該ベリー類を詰めて包装する際の包装袋として用いられる場合、23℃における該高分子フィルムの単位面積当りの酸素透過量Fは、900〜8000[cc/(m・day・atm)]、好ましくは900〜5000[cc/(m・day・atm)]であり、該高分子フィルムの有効表面積は、0.012〜0.13m、好ましくは0.02〜0.1mである。本発明のベリー類の鮮度保持用包装袋を、50〜500gのベリー類の包装用の鮮度保持用包装袋として用いる場合、該高分子フィルムの単位面積当りの酸素透過量F及び有効表面積を上記範囲内とすることにより、該ベリー類保存時の該鮮度保持用包装袋の酸素透過量Pを上記範囲内にできるので、鮮度保持効果が高くなる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(実施例1〜4、比較例1〜2)
厚さ25μmの表1に示す素材の高分子フィルムの3辺をヒートシールして、外寸が縦220mm×横200mmの長方形の包装袋を作製し、表1に示す微孔を開けた。次いで、該包装袋に、ブルーベリー100gを詰め、内寸が縦200mm×横180mmとなるように密封し、ブルーベリーが包装された包装体を得た。このとき、該高分子フィルムの有効表面積Sは、ヒートシール部を除いた該包装体の内側の表面積であり、保存時の酸素透過量Pは、表1に示す値となる。なお、該保存時の酸素透過量Pは、以下の式で求められる。
P=F×S×(100/W)
P:保存時の酸素透過量[(cc/(100g・day・atm)]
F:23℃における高分子フィルムの単位面積当りの酸素透過量[cc/(m・day
・atm)]
S:高分子フィルムの有効表面積(m
W:包装体に詰められているブルーベリーの質量(g)
なお、実施例1〜4及び比較例1〜2では、
S=0.2×0.18×2=0.072m
W=100g
である。
次いで、該包装体を、12℃、80%RHで所定の日数保存した。各保存日数毎のブルーベリーの品質評価結果を表2に示す。なお、該品質評価では、各保存日数毎に3個の包装体を用意した。
<高分子フィルムの単位面積当りの酸素透過量Fの測定>
(1)包装袋の準備
表1に示す開孔面積比率の高分子フィルムで、4辺がヒートシールで密封された長方形の包装袋を作成する。このとき、ヒートシール後の包装袋の内側の表面積が、高分子フィルムの有効表面積S(m)であり、Sが0.06m以上となるように包装袋を作成する。なお、以下全ての作業は、大気中で行う。
(2)窒素ガスの封入
ヒートシールで包装袋を密封した後、アスピレーターを用いて包装袋を脱気する。脱気は、包装袋の両面が貼りつくまで行う。次に、この包装袋に白硬注射筒を用いて窒素ガス(純窒素ガス)を充填する。窒素ガスの充填量は、袋サイズによるが、包装フィルムにテンションがかからない範囲で極力多く入れ、注射筒の目盛りを用いて、窒素ガスの注入量を測定する。なお、注射針を包装袋に突き刺して、ガスの出し入れを行う。針を刺す際は、高分子フィルムに両面テープを貼り、この上からポリプロピレンフィルム製の粘着テープ(以下「PPテープ」という)を貼り付ける。また、針を抜いた後は、速やかにPPテープで針穴を塞ぐ。包装袋にはるテープは、4.5cm以下の面積に収まるようにする。また、微孔を開けた高分子フィルムの場合は、微孔を塞がないように注意する。
(3)初期酸素濃度の測定
窒素ガス充填直後に、ガスクロマトグラフィー(TCD)で測定して、包装袋内の酸素量を求め、酸素濃度C(体積%)を算出した。このとき、Cが0.2体積%超えている場合は、上記(1)及び(2)作業をやり直す。なお、酸素濃度測定用のサンプリングガス量は、10cc以下とする。ガスクロマトグラフィーには、1cc程度を注入する。
(4)包装袋の保管
初期酸素濃度を測定した包装袋を、23℃のインキュベーター中で保管する。このとき、袋の上に物が載ったり、インキュベーターのファンの風が直撃したりしないように静置する。
(5)保管中の包装袋内の酸素濃度の測定及び酸素透過量の計算
少なくとも2点以上経時時間を代えて、包装袋内のガスをサンプリングし、包装袋内の酸素濃度を測定する。このとき、経時時間は、窒素ガス充填直後から3時間以上経過後であり、且つ、包装袋内の酸素濃度が1%以上7%以下の範囲内でなれければならない。そして、経時時間t(時間)と包装袋内の酸素濃度との間に比例関係(相関係数が0.98以上)が成り立つ必要がある。もし、包装袋内の酸素濃度が1%以上7%以下の範囲内からはずれていた場合、あるいは、比例関係が成り立たない場合は再試験を行う。なお、高分子フィルムの酸素透過量が大きすぎて包装袋内の酸素濃度の上昇が速すぎ、この条件をクリアできない場合は、高分子フィルムの一部を酸素透過量が小さい既知である同じ材質のフィルムと張り合わせて袋を作成して同様に行えばよい。この際、袋の表面積は既知である別のフィルムと張り合わせた部分は除く。
次いで、高分子フィルムの単位面積当りの酸素透過量Fを、下記式により計算する。
F={1.143×(C−C)×V}/(t×S)
F : 23℃における単位面積当りの酸素透過量[(cc/(m・day・atm)]
: 窒素ガス充填時から経時時間t時間後の包装袋内の酸素濃度(体積%)1)
: 窒素ガス充填直後の包装袋内の酸素濃度(体積%)
V : 充填した窒素ガスの量(cc)
t : 窒素ガス充填直後からの経過時間(時間)1)
S : 包装袋の内側の表面積(高分子フィルムの有効表面積)(m
1)C及びtとしては、最も長い経時時間の値を用いて計算する。
なお、高分子フィルムの一部を酸素透過量が小さい既知である同じ材質のフィルムと張り合わせて袋を作成した場合は、上記測定により得られる単位面積当りの酸素透過量から、該既知のフィルムの単位面積当りの酸素透過量を減じた値が、対象となる高分子フィルムの単位面積当りの酸素透過量である。
<官能評価>
保存日数7日での甘み、酸味及び肉質の評価を行った。各項目について、官能評価により、4段階(4:良好、3:普通、2:やや劣る、1:劣る)の点数を付けた。
なお、官能試験では、3点以上の点数であれば、鮮度保持効果は良好である。
<カビ、腐敗の発生>
保存日数7日で、目視にて評価した。評価では、4段階(4:良好(発生無し)、3:1〜3粒に発生、2:4粒から半数に発生、1:半数より多くに発生)の点数を付けた。3点以上の点数であれば、鮮度保持効果は良好である。

<しおれの発生>
保存日数7日で、目視にて評価した。評価では、4段階(4:良好、3:表皮にツヤがない、2:果実に張りがなく柔らかい、1:表皮にシワが発生)の点数を付けた。3点以上の点数であれば、鮮度保持効果は良好である。
<臭気>
保存日数7日で、嗅覚にて評価した。評価では、4段階(4:異臭無し、3:開封直後のみ僅かに異臭を感じる、2:開封して10秒後でも弱い異臭を感じる、1:強い異臭を感じる)の点数を付けた。3点以上の点数であれば、鮮度保持効果は良好である。
Figure 2009171873
Figure 2009171873
(保存期間7日での品質評価結果)
実施例1は、カビで評価がやや低いものの3点以上であり、商品性ありと判断した。実施例2は、カビ、腐敗および臭気で評価がやや低いものの3点以上であり、商品性ありと判断した。実施例3と実施例4は、ややしおれが見られたものの3点以上であり、その他項目では4点を維持しており、商品性ありと判断した。比較例1では、甘味と酸味が乏しく、異臭も感じられた。比較例2では、カビと腐敗が多く、食べられるものが少なかったうえ、食べられたものも甘味と酸味が乏しかったため、商品性無しと判断した。

Claims (6)

  1. 高分子フィルムからなるベリー類の鮮度保持用包装袋であって、
    ベリー類保存時の該鮮度保持用包装袋の酸素透過量Pが、75〜650cc/100g・day・atmであることを特徴とするベリー類の鮮度保持用包装袋。
  2. 前記鮮度保持用包装袋の酸素透過量Pが、75〜400cc/100g・day・atmであることを特徴とする請求項1記載のベリー類の鮮度保持用包装袋。
  3. 前記鮮度保持用包装袋が、平均孔径20〜100μmの微孔を有することを特徴とする請求項1〜2いずれかに記載のベリー類の鮮度保持用包装袋。
  4. 前記鮮度保持用包装袋が、50〜500gのベリー類包装用の包装袋であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のベリー類の鮮度保持用包装袋。
  5. ベリー類を高分子フィルムで包装して保存するベリー類の保存方法において、保存時の酸素透過量Pを75〜600cc/100g・day・atmとすることを特徴とするベリー類の保存方法。
  6. 包装体1つ当りの前記ベリー類の質量が、50〜500gであることを特徴とする請求項5記載のベリー類の保存方法。
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