JP5401020B2 - トマトの保存方法 - Google Patents

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本発明は、トマトを包装して、保管、出荷、運搬、店頭陳列する際のトマトの保存方法及びトマトの鮮度保持用包装袋に関する。
トマトは、収穫後の過熟により過度に軟化したり、赤黒く変色するなどによって商品価値が損なわれるため、未熟な状態で収穫され、流通中に追熟して赤色となったものが販売されている。このトマトの追熟の進み具合は、温度に大きく影響されるので、流通時の気温によって過熟や未熟で消費地に着荷してしまうことがある。特に気温が15℃以上になると、このようなことが起こり易くなる。また、トマトには、保管・流通の際の温度が低すぎると、低温障害が発生する。よって、10℃程度での保管・流通が理想的である。
しかし、日本に於ける現状の青果物の流通では、10℃程度での保管・流通は実現が困難である。そのため、通常は、常温で保管・流通が行われており、何らかの対策が望まれている。
トマトの鮮度保持に関しては、特開平11−49188号公報(特許文献1)があり、該特許文献1には、微細な開孔部を有するプラスチックフィルムからなる包装袋であり、更に、上記包装袋を構成するプラスチックフィルムが、23℃における酸素透過度が、12000〜27000cc/m・24hrs・astmの範囲であるトマト用包装袋が開示されている。
特開平11−49188号公報(特許請求の範囲)
ところが、特許文献1に記載されている条件でも、トマトの鮮度保持効果は十分であるとは言えなかった。
また、トマトは、血圧上昇抑制作用等のある化合物として知られているγ−アミノ酪酸(以下、GABAとも記載する。)を含有しているが、本発明者らが検討したところ、トマトを無包装で放置しておくと、トマト中のGABA含有量が減少することがわかった。
従って、本発明の課題は、トマトを包装して、保存、出荷、運搬、店頭陳列する際に、鮮度保持効果が高く且つGABA減少抑制効果が高いトマトの保存方法及びトマトの鮮度保持用包装袋を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術における課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、トマト100g当りの酸素透過量を特定の範囲にすることにより、トマトの鮮度保持効果が高く且つGABA減少抑制効果が高くなることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、トマトを高分子フィルムで包装して保存するトマトの保存方法において、
保存時の酸素透過量Pを40〜150cc/100g・day・atmとすること、
を特徴とするトマトの保存方法を提供するものである。
本発明によれば、トマトを包装して、保存、出荷、運搬、店頭陳列する際に、鮮度保持効果が高く且つGABA減少抑制効果が高いトマトの保存方法及びトマトの鮮度保持用包装袋を提供することができる。また、本発明によれば、トマトを包装して、保存、出荷、運搬、店頭陳列する際に、鮮度保持効果が高く且つGABAの増加効果を有するトマトの保存方法及びトマトの鮮度保持用包装袋を提供することができる。
本発明のトマトの保存方法は、トマトを高分子フィルムで包装して保存するトマトの保存方法において、
保存時の酸素透過量Pを40〜750[cc/(100g・day・atm)]とするトマトの保存方法である。
本発明のトマトの保存方法は、該トマトを収穫後、高分子フィルムで包装し、保存、出荷、運搬、店頭陳列する際の保存方法である。包装体1つ当りの該トマトの質量は、80〜1000gであり、好ましくは80〜600gである。なお、本発明においては、該包装体とは、該高分子フィルムで包装された該トマトのことを指す。
本発明のトマトの保存方法に係る該トマトとは、例えば、桃太郎、ファースト等が挙げられる。該トマトの着色度は、好ましくは60〜90%、特に好ましくは60〜80%である。該トマトの着色度が、60%未満だと、緑色のまま保持されてしまい、販売できないおそれがあり、また、90%を超えると、鮮度保持効果はあるものの、すぐに過熟状態になり、運送中の衝撃で傷んでしまうおそれがある。なお、該トマトの着色度は、社団法人熊本県野菜振興協会作成の「とまと標準規格表」に準ずるものであり、以下に示すとおりである。
着色度60%未満:全体が緑色、あるいは果実部のみ赤味かかったもの
着色度60% :表面積の60%程度が赤味かかった状態
着色度90% :ほぼ全体が淡い赤色の状態
着色度90%超 :ほぼ全体が赤色の状態
本発明のトマトの保存方法に係る該高分子フィルムは、特に制限されず、青果物の包装に用いられている高分子フィルムであればよく、材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート等、あるいは、これらの複合材料が挙げられる。
該高分子フィルムの厚さは、特に制限されないが、通常、15〜60μmであり、取り扱い及びコストの観点から、20〜40μmが好ましい。
本発明のトマトの保存方法では、該保存時の酸素透過量Pは40〜750[cc/(100g・day・atm)]、好ましくは40〜350[cc/(100g・day・atm)]、特に好ましくは40〜150[cc/(100g・day・atm)]である。該保存時の酸素透過量Pが上記範囲にあることにより、鮮度保持効果が高く且つGABAの減少抑制効果が高くなる。特に、該保存時の酸素透過量Pが40〜150[cc/(100g・day・atm)]にあることにより、鮮度保持効果が高く且つGABAを増加させるという効果を発揮する。なお、トマトの鮮度保持は、異臭やカビが発生しないこと、外観が良好であることで、主に判断される。
本発明において、該保存時の酸素透過量P[cc/(100g・day・atm)]とは、23℃における、包装されるトマト100g当りの、1日当りの、包装体の内と外との酸素圧力差1気圧当りの酸素透過量である。
23℃における単位面積当りの酸素透過量がF[cc/(m・day・atm)]の高分子フィルムを用いて、該トマトを包装する場合、該保存時の酸素透過量P[cc/(100g・day・atm)]は、23℃における該高分子フィルムの単位面積当りの酸素透過量F[cc/(m・day・atm)]に、該高分子フィルムの有効表面積S(m)を乗じて得た値を、包装されるトマトの質量W(g)で除し、100を乗じた値である。例えば、23℃における高分子フィルムの単位面積当りの酸素透過量がf[cc/(m・day・atm)]、高分子フィルムの有効表面積がs(m)、包装されたトマトの質量がw(g)であった場合、保存時の酸素透過量Pは、
P=f×s×(100/w)
となる。なお、該高分子フィルムの有効表面積とは、該高分子フィルムのうち、酸素透過に関与できる部分の表面積を指し、密封のために張り合わせられている部分のような、酸素透過に関与できない部分を除く表面積のことである。例えば、長方形の2枚の高分子フィルムを、4辺をヒートシールして密封して、該トマトを包装する場合、密封後の包装袋の内側の表面積が、該高分子フィルムの有効表面積である。
本発明のトマトの保存方法では、該高分子フィルムの材質自体の酸素透過性が低い場合、該高分子フィルムに平均孔径5〜150μm、好ましくは平均孔径10〜100μmの微孔を開け、該微孔の大きさ及び数により、該保存時の酸素透過量Pを上記範囲内に調整することができる。また、該高分子フィルムの材質によっては、微孔を開けなくても、材質自体での酸素透過により、該保存時の酸素透過量Pを上記範囲内に調整することができるので、このような場合は、該高分子フィルムの材質を選択することによって、該保存時の酸素透過量Pを調整することができる。また、該高分子フィルムの材質及び微孔の大きさ又は数の選択によって、該保存時の酸素透過量Pを調整することもできる。
該高分子フィルムを用いて製袋した包装袋の形状は、特に制限されない。
本発明のトマトの保存方法では、該トマトを、該高分子フィルム製の包装袋に入れ、密封するが、該包装袋の口を密封する方法としては、ヒートシール、結束帯、輪ゴム、かしめ等、特に制限されない。また、本発明のトマトの保存方法では、包装形態としては、袋詰めの形態だけではなく、例えば、トレイ容器にトップシールする形態であってもよく、あるいは、ダンボール箱と該高分子フィルムとを一体化させた形態であってもよい。
本発明のトマトの保存方法は、該トマトを収穫後、高分子フィルムで包装し、該トマトが該高分子フィルムで包装された包装体を、保存、出荷、運搬、店頭陳列する際の保存方法であるので、保存温度は、通常は、15〜30℃であり、環境によっては10〜35℃となることもある。つまり、本発明のトマトの保存方法は、上記保存温度条件下における保存方法である。
本発明のトマトの保存方法は、次に述べる本発明のトマトの鮮度保持用包装袋により、好適に行なわれる。
本発明のトマトの鮮度保持用包装袋は、高分子フィルムからなるトマトの鮮度保持用包装袋であって、
トマト保存時の該鮮度保持用包装袋の酸素透過量Pが、40〜750[cc/(100g・day・atm)]のトマトの鮮度保持用包装袋である。
本発明のトマトの鮮度保持用包装袋に係る該トマトは、本発明のトマトの保存方法に係る該トマトと同様である。
本発明のトマトの鮮度保持用包装袋に係る該高分子フィルムの材質は、本発明のトマトの保存方法に係る該高分子フィルムの材質と同様である。
該高分子フィルムの厚さは、特に制限されないが、通常、15〜60μmであり、取り扱い及びコストの観点から、20〜40μmが好ましい。
該鮮度保持用包装袋は、該トマト保存時の該鮮度保持用包装袋の酸素透過量P、又は該高分子フィルムの単位面積当りの酸素透過量Fを調節するために、微孔を有してもよく、この場合、該微孔の平均孔径は、5〜150μm、好ましくは10〜100μmであり、該微孔の開孔面積比率は、1.0×10−5〜5.1×10−5%、好ましくは2.1×10−5〜4.8×10−5%である。なお、該微孔の開孔面積比率とは、該高分子フィルムの有効表面積に対する該微孔の総面積の比率(%)である({微孔の総面積/高分子フィルムの有効表面積}×100)。
23℃における、該トマト保存時の該鮮度保持用包装袋の酸素透過量Pは、40〜750[cc/(100g・day・atm)]であり、好ましくは40〜300[cc/(100g・day・atm)]、特に好ましくは40〜150[cc/(100g・day・atm)]である。該トマト保存時の該鮮度保持用包装袋の酸素透過量Pが上記範囲にあることにより、鮮度保持効果が高く且つGABAの減少抑制効果が高くなる。特に、該トマト保存時の該鮮度保持用包装袋の酸素透過量Pが40〜150[cc/(100g・day・atm)]であることにより、鮮度保持効果が高く且つGABA含有量を増加又は維持させるという効果を発揮する。
本発明のトマトの鮮度保持用包装袋が、80〜1000gのトマト包装用の鮮度保持用包装袋である場合、すなわち、本発明のトマトの鮮度保持用包装袋が、1袋当りに80〜1000gの該トマトを詰めて包装する際の包装袋として用いられる場合、23℃における該高分子フィルムの単位面積当りの酸素透過量Fは、2000〜25000[cc/(m・day・atm)]、好ましくは2500〜16600[cc/(m・day・atm)]であり、該高分子フィルムの有効表面積は、0.06〜0.18m、好ましくは0.08〜0.12mである。本発明のトマトの鮮度保持用包装袋を、80〜1000gのトマト包装用の鮮度保持用包装袋として用いる場合、該高分子フィルムの単位面積当りの酸素透過量F及び有効表面積を上記範囲内とすることにより、該トマト保存時の該鮮度保持用包装袋の酸素透過量Pを上記範囲内にできるので、鮮度保持効果が高く且つGABA減少抑制効果が高くなる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(実施例1、参考例1〜2、比較例1〜3)
実施例1、参考例1〜2及び比較例1〜2では、表1又は表2に示す高分子フィルムの3辺をヒートシールして、外寸が縦270mm×横190mmの長方形の包装袋を作製し、表1又は表2に示す微孔を開けた。次いで、該包装袋に、2個のトマト(品種:桃太郎ヨーク、着色度:60〜90)を詰め、エチレン吸着剤(Ethylene Contr01、10g/袋、Sam−Ai社製)を同封し、内寸が縦250mm×横170mmとなるように包装袋の開口部をヒートシールし、トマトが包装された包装体を得た。このとき、該高分子フィルムの有効表面積Sは、ヒートシール部を除いた該包装体の内側の表面積であり、保存時の酸素透過量Pは、表1又は表2に示す値となる。なお、該保存時の酸素透過量Pは、以下の式で求められる。
P=F×S×(100/W)
P:保存時の酸素透過量[(cc/(100g・day・atm)]
F:23℃における高分子フィルムの単位面積当りの酸素透過量[cc/(m・day・atm)]
S:高分子フィルムの有効表面積(m
W:包装体に詰められているトマトの質量(g)
なお、実施例1、参考例1〜2及び比較例1〜2では、
S=0.25×0.17×2=0.085m
W:表1又は表2に示す値
である。
また、比較例3では、厚さ0.025mmの延伸ポリプロピレン製の高分子フィルムの3辺をヒートシールして、外寸が縦270mm×横190mmの長方形の包装袋を作製し、孔径が5mmの孔を8個開けて、酸素透過量に関して無包装で保存しているのとほぼ同等の条件となるようした。次いで、該包装袋に、2個のトマト(品種:桃太郎ヨーク)を詰め、内寸が縦250mm×横170mmとなるように包装袋の開口部をヒートシールし、トマトが包装された包装体を得た。
次いで、該包装体を、25℃で所定の時間保存した。各保存時間毎のトマトの鮮度保持評価結果及びGABA含有量の測定結果を表1及び表2並びに図1に示す。なお、鮮度保持評価及びGABA含有量の測定では、各保存時間毎に3個の包装体を用意した。
<高分子フィルムの単位面積当りの酸素透過量Fの測定>
(1)包装袋の準備
表1及び表2に示す開孔面積比率の高分子フィルムで、4辺がヒートシールで密封された長方形の包装袋を作成する。このとき、ヒートシール後の包装袋の内側の表面積が、高分子フィルムの有効表面積S(m)であり、Sが0.06m以上となるように包装袋を作成する。なお、以下全ての作業は、大気中で行う。
(2)窒素ガスの封入
ヒートシールで包装袋を密封した後、アスピレーターを用いて包装袋を脱気する。脱気は、包装袋の両面が貼りつくまで行う。次に、この包装袋に白硬注射筒を用いて窒素ガス(純窒素ガス)を充填する。窒素ガスの充填量は、袋サイズによるが、包装フィルムにテンションがかからない範囲で極力多く入れ、注射筒の目盛りを用いて、窒素ガスの注入量を測定する。なお、注射針を包装袋に突き刺して、ガスの出し入れを行う。針を刺す際は、高分子フィルムに両面テープを貼り、この上からポリプロピレンフィルム製の粘着テープ(以下「PPテープ」という)を貼り付ける。また、針を抜いた後は、速やかにPPテープで針穴を塞ぐ。包装袋にはるテープは、4.5cm以下の面積に収まるようにする。また、微孔を開けた高分子フィルムの場合は、微孔を塞がないように注意する。
(3)初期酸素濃度の測定
窒素ガス充填直後に、ガスクロマトグラフィー(TCD)で測定して、包装袋内の酸素量を求め、酸素濃度C(体積%)を算出した。このとき、Cが0.2体積%超えている場合は、上記(1)及び(2)作業をやり直す。なお、酸素濃度測定用のサンプリングガス量は、10cc以下とする。ガスクロマトグラフィーには、1cc程度を注入する。
(4)包装袋の保管
初期酸素濃度を測定した包装袋を、23℃のインキュベーター中で保管する。このとき、袋の上に物が載ったり、インキュベーターのファンの風が直撃したりしないように静置する。
(5)保管中の包装袋内の酸素濃度の測定及び酸素透過量の計算
少なくとも2点以上経時時間を代えて、包装袋内のガスをサンプリングし、包装袋内の酸素濃度を測定する。このとき、経時時間は、窒素ガス充填直後から3時間以上経過後であり、且つ、包装袋内の酸素濃度が1%以上7%以下の範囲内でなれければならない。そして、経時時間t(時間)と包装袋内の酸素濃度との間に比例関係(相関係数が0.98以上)が成り立つ必要がある。もし、包装袋内の酸素濃度が1%以上7%以下の範囲内からはずれていた場合、あるいは、比例関係が成り立たない場合は再試験を行う。なお、高分子フィルムの酸素透過量が大きすぎて包装袋内の酸素濃度の上昇が速すぎ、この条件をクリアできない場合は、高分子フィルムの一部を酸素透過量が小さい既知である同じ材質のフィルムと張り合わせて袋を作成して同様に行えばよい。この際、袋の表面積は既知である別のフィルムと張り合わせた部分は除く。
次いで、高分子フィルムの単位面積当りの酸素透過量Fを、下記式により計算する。
F={1.143×(C−C)×V}/(t×S)
F : 23℃における単位面積当りの酸素透過量[(cc/(m・day・atm)]
: 窒素ガス充填時から経時時間t時間後の包装袋内の酸素濃度(体積%)1)
: 窒素ガス充填直後の包装袋内の酸素濃度(体積%)
V : 充填した窒素ガスの量(cc)
t : 窒素ガス充填直後からの経過時間(時間)1)
S : 包装袋の内側の表面積(高分子フィルムの有効表面積)(m
1)C及びtとしては、最も長い経時時間の値を用いて計算する。
なお、高分子フィルムの一部を酸素透過量が小さい既知である同じ材質のフィルムと張り合わせて袋を作成した場合は、上記測定により得られる単位面積当りの酸素透過量から、該既知のフィルムの単位面積当りの酸素透過量を減じた値が、対象となる高分子フィルムの単位面積当りの酸素透過量である。
<鮮度保持評価>
保存時間48時間及び98時間での異臭の有無、カビの有無及び硬さについて、評価を行った。
・異臭の有無については、「無し」、「やや有り」、「有り」の3段階で評価した。
・カビの有無については、「無し」、「有り」の2段階で評価した。
・硬さについては、それぞれのトマトについて0〜4の5段階で評価し、6個のトマト(2個入りの包装体が3袋、計6個)の平均を求めた。なお、保存試験開始前の最も硬い状態を「4」として評価した。
<GABA含有量の測定>
保存時間0時間、48時間及び98時間のトマト中のGABA含有量を測定した。その結果を表1及び表2並びに図1に示す。なお、GABA含有量は、3個の包装体の平均値である。
GABA含有量の測定操作は、以下のとおりである。測定対象のトマト果実をホモジナイズし、ホモジネート0.5gを採取し、5%トリクロロ酢酸を0.5ml添加して撹拌した。得られた混合液を5000rpmで10分間遠心分離し、上澄みを採取して0.02N塩酸で25倍に希釈した。この希釈液を孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過し、ろ液をアミノ酸専用高速液体クロマトグラフ(日本電子株式会社製、JLC−500/V2 Amino Acid Analyzer)で測定した(ニンヒドリン法)。
1)PET/PE:ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンの積層フィルム
OPP:延伸ポリプロピレンフィルム
1)PET/PE:ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンの積層フィルム
OPP:延伸ポリプロピレンフィルム
施例1では、98時間保存後も異臭の発生もカビの発生もなく硬さも問題なく、且つGABA含有量が増加していたことから、実施例1では、鮮度保持効果が高い上に、GABA増加効果があるということがわかった。
一方、比較例1では、98時間保存後に異臭が発生しており、また、比較例2では、98時間保存後にカビが発生しており、これらはいずれも鮮度保持効果が低いことがわかった。
また、比較例3は、無包装で保存している状況とほぼ同等の保存条件になるが、この場合、98時間保存後にカビが発生しており、且つGABAの減少量が多かった。
実施例、参考例及び比較例の保存時間とGABA含有量の関係を示すグラフである。

Claims (1)

  1. トマトを高分子フィルムで包装して保存するトマトの保存方法において、
    保存時の酸素透過量Pを40〜150cc/100g・day・atmとすること、
    を特徴とするトマトの保存方法。
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