JP2009170389A - セラミックスヒーターとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決方法】 セラミックスからなる二枚の絶縁層の間に高融点金属からなる電熱皮膜を挟み、該電熱皮膜を溶融して該二枚の絶縁層を接合した構造のセラミックスヒーターにおいて、該接合された二枚の絶縁層に挟まれた空間の中の、該電熱皮膜の存在しない空間部分に、ガラスを挟んで、該ガラスで、該電熱皮膜の存在しない空間部分を充填、接着した構造で解決できる。
【選択図】図2
Description
この構造のセラミックスヒーターは、二枚のセラミックの間に電熱皮膜のヒーター回路の厚さに相当する隙間が残る。隙間があると異物が混入して回路の短絡が起こることもある。あるいは電熱皮膜側面はヒーターの外の実使用雰囲気(あるいはチャンバー内雰囲気)に露出して連通しており、皮膜成分の雰囲気への漏出による雰囲気汚染の原因となる。又ヒーターの給電端子側雰囲気(大気)と実使用雰囲気(あるいはチャンバー内雰囲気)との気密隔離が難しい問題がある。
真空チャンバー内で使用する場合、電熱回路間に存在する空気がチャンバー内に漏洩する危険もある。あるいはセラミック接着剤を隙間に含浸させて固化させて隙間を充填することも記載されているが、電熱皮膜の厚さに相当する100μm程度の隙間、それもヒーター全面、広い面積にわたって、隙間に密に充填することは不可能であり、依然として隙間の空隙の問題は解決されないのが現状である。又特許文献1には、ガラスを融着させることも記載されているが、ガラスをどのように融着させるか、具体的な記載は全く無い。
すなわち
セラミックスからなる二枚の絶縁層の間に高融点金属からなる電熱皮膜を挟み、該電熱皮膜を溶融して該二枚の絶縁層を接合した構造のセラミックスヒーターにおいて、該接合された二枚の絶縁層に挟まれた空間の中の、該電熱皮膜の存在しない空間部分に、ガラスを挟んで、該ガラスで、該電熱皮膜の存在しない空間部分を充填、接着した構造で上記課題が解決できることを見出した。
セラミックスからなる二枚の絶縁層の間に高融点金属からなる電熱皮膜を挟み、該電熱皮膜を溶融して該二枚の絶縁層を接合した構造のセラミックスヒーターにおいて、
該二枚の絶縁層のいずれか一方の絶縁層表面の、該電熱皮膜と接合する部位に、該電熱皮膜の広さの凹部(電熱皮膜凹部)と、該電熱皮膜の存在しない部位に、凸部(電熱皮膜凹部側凸部)を形成し、該もう一方の絶縁層表面の、該電熱皮膜と接合する部位に、該電熱皮膜の広さの凸部(電熱皮膜凸部)と、該電熱皮膜の存在しない部位に、凹部(電熱皮膜凸部側凹部)を形成され、
該二枚の絶縁層が重ね合わされて、該電熱皮膜凹部に該電熱皮膜凸部が差し込まれ、該電熱皮膜凹部側凸部が電熱皮膜凸部側凹部に差し込まれてなると共に、該電熱皮膜凹部と該電熱皮膜凸部が溶融した該電熱皮膜を介して接合されてなると共に、該電熱皮膜凹部側凸部と電熱皮膜凸部側凹部が溶融したガラス皮膜を介して接合された構造にすることで上記課題が解決できることを見出した。
セラミックスからなる二枚の絶縁層の間に高融点金属からなる電熱皮膜を挟み、該電熱皮膜を溶融して該二枚の絶縁層を接合した構造のセラミックスヒーターの製造に際して、
該二枚の絶縁層の接合時、該接合された二枚の絶縁層に挟まれた空間の中の、該電熱皮膜の存在しない空間部分に、ガラスを挟んで、該ガラスで、該電熱皮膜の存在しない空間部分を同時に接合して空間を充填することで上記構造のセラミックスヒーターが得られる。
セラミックスからなる二枚の絶縁層の間に高融点金属からなる電熱皮膜を挟み、該電熱皮膜を溶融して該二枚の絶縁層を接合した構造のセラミックスヒーターの製造方法であって、
該二枚の絶縁層のいずれか一方の絶縁層表面の、該電熱皮膜と接合する部位に、該電熱皮膜の広さの凹部(電熱皮膜凹部)と、該電熱皮膜の存在しない部位に凸部(電熱皮膜凹部側凸部)を形成してなると共に、該もう一方の絶縁層表面の、該電熱皮膜と接合する部位に、該電熱皮膜の広さの凸部(電熱皮膜凸部)と、該電熱皮膜の存在しない部位に、凹部(電熱皮膜凸部側凹部)を形成する工程と、
該電熱皮膜凹部と該電熱皮膜凸部の間に電熱皮膜を挟み、該電熱皮膜凹部側凸部と電熱皮膜凸部側凹部の間にガラス層を挟む工程と、該電熱皮膜凹部に該電熱皮膜凸部を差し込み、該電熱皮膜凹部側凸部を該電熱皮膜凸部側凹部に差し込む工程と、
該電熱皮膜とガラス層を同時に溶融して、該電熱皮膜凹部と該電熱皮膜凸部および該電熱皮膜凹部側凸部と電熱皮膜凸部側凹部を同時に接合する工程を備えてなるセラミックスヒーターの製造方法で上記構造のヒーターが得られる。
図1〜4で、絶縁層は、電気絶縁性セラミックスである。例えば窒化アルミニウム、窒化珪素、サイアロン等の電気絶縁性窒化物セラミックス、炭化珪素等の電気絶縁性炭化物セラミックス、アルミナ、ムライト、コージライト等の電気絶縁性酸化物セラミックス、あるいは窒化物、炭化物、酸化物、ホー化物セラミックス等の中の二種あるいは二種以上が複合された電気絶縁性セラミックス等々である。
Si基合金、Mo−Mn系合金等は本来セラミックスに融着する性質があるので、セラミックスに予めメタライズの必要は無く、直接融着させることができる。
絶縁層の線膨張係数は、絶縁層セラミックスと同等あるいは若干線膨張係数が小さいほうが好ましい。
ガラスの組成は、例えばAl2O3、SiO2、Y2O3、CaO、MgO、ZrO2、TiO2、B2O3、ZnOあるいはその他の成分の酸化物セラミックス成分、あるいは必要に応じてオキシナイトライドガラス成分等を添加して線膨張係数、融着温度を調整すればよい。またガラスに溶けない窒化物、炭化物あるいはその他のセラミックスフィラー等を添加して線膨張係数を調整しても良い。
絶縁層の一方には電極端子を通す二個の穴が穿孔されるが、図1の絶縁層は孔を穿孔された側である。
図2〜4は図1のA−A断面図である。
まず一方の絶縁層の電熱皮膜を接合する部位に電熱皮膜(例えばSi基合金粉末ペースト)の回路を印刷する。あるいは印刷、乾燥、溶融して皮膜を接合しておく。
もう一方の絶縁層のガラス層を接合する部位にガラス皮膜を印刷する。あるいは印刷、乾燥、溶融してガラス皮膜を接合しておく。
しかる後に、二枚の絶縁層を位置あわせして重ね合わせ、電熱皮膜とガラス層を相手側の絶縁層表面に接触させて、再び加熱して、電熱皮膜とガラス層を同時に溶融して、相手側のセラミックスに融着させることによって、図2の接合後の構造が得られる。
なお本図では、電熱皮膜とガラス層はそれぞれ異なる絶縁層側に印刷したが、これのみに限定されるものではなく、同じ側の絶縁層に印刷しても良いし両方に印刷しても良い。最終的に図2の接合後の構造が得られる方法であれば、いかなる方法、順序でも良い。
図4は、凹面、凸面加工した二枚の絶縁層を接合する時の説明図である。
二枚の絶縁層のいずれか一方の側の絶縁層表面の、電熱皮膜を接合する部位に、電熱皮膜の広さの凹溝(電熱皮膜凹部)を形成すると、電熱皮膜の存在しない部位は当然凸部(電熱皮膜凹部側凸部)になる。
もう一方の側の絶縁層表面の、電熱皮膜と接合する部位に、電熱皮膜の広さの凸部(電熱皮膜凸部)を形成すると、電熱皮膜の存在しない部位は凹溝(電熱皮膜凸部側凹部)になる。
もう一方の絶縁層のガラス層を接合する凹溝(電熱皮膜凸部側凹部)にガラス皮膜を印刷する。あるいは印刷、乾燥、溶融してガラス皮膜を接合しておく。
二枚の絶縁層を重ね合わせて、電熱皮膜凹部に電熱皮膜凸部を差し込む。電熱皮膜凹部側凸部を電熱皮膜凸部側凹部に差し込む。
電熱皮膜とガラス層を相手側の絶縁層表面に接触させて、再び加熱して、電熱皮膜とガラス層を同時に溶融して、相手側のセラミックスに融着させることによって、図4の接合後の構造が得られる。すなわち二枚の絶縁層の突起部と溝がかみ合って、電熱皮膜と電熱皮膜の間の隙間が無くなり、しかも突起部と溝が溶融した電熱皮膜、ガラスで交互に接合された構造になるために、電熱皮膜と外の雰囲気、および電熱皮膜間同士、および電熱皮膜と電極端子側の外の雰囲気との高度な気密隔離性が得られる。
なお本図では、電熱皮膜とガラス層はそれぞれ異なる絶縁層側に印刷したが、これのみに限定されるものではなく、同じ側の絶縁層に印刷しても良いし両方に印刷しても良い。どちらに印刷するかは問題ではなく、重ね合わせて溶融して最終的に図4の接合後の構造が得られれば、いかなる方法、順序でも良い。
実施例1
図2の構造の実施例
絶縁層:二枚共、40×40×3mm厚さの窒化アルミニウムセラミックスを使用。
片方の絶縁層に電極を通す直径3mmの穴を穿孔。
電熱回路:図1のパターン形状で、回路の線幅3mm、回路間隔2mm。
電熱回路の成分:Si−15%Ni合金
ガラス層の成分:Al2O3−SiO2−MgO−B2O3
一方の絶縁層片面に、Si−15%Ni合金粉末のペーストを印刷、乾燥し、真空中1250℃に加熱して電熱皮膜を融着させた。
皮膜厚さは概ね100μm。抵抗値は160Ω。
もう一方の絶縁層片面に、Al2O3−SiO2−MgO−B2O3ガラスの粉末ペーストを塗布して、Ar雰囲気1250℃でガラス皮膜を融着させた。ガラス皮膜の厚さは概ね100μm。
次に二枚の絶縁層を位置あわせして重ね合わせ、Ar雰囲気1250℃で加熱して、電熱皮膜とガラス皮膜を同時に溶融して、相手側の絶縁層に融着させた。
電極端子の接合
片方の絶縁層の電極を通す直径3mmの穴に、Moの電極を差し込み、銀ローで真空ロー付した。
Mo電極に200ボルトを印加して500℃まで昇温できた。
超音波テスト
端子のない側の絶縁層から接合部の接合状況を超音波で調べた。
電熱皮膜と電熱皮膜の間隙には、ガラス皮膜が完全充填されていた。またガラス皮膜、電熱皮膜も共に二枚の板に完全溶着しており溶着不良は認められなかった。
図4の構造の実施例
絶縁層:二枚共、40×40×3mm厚さのアルミナセラミックスを使用。
片方の絶縁層に電極を通す直径3mmの穴を穿孔。
電熱回路:図1のパターン形状で、回路の線幅3mm、回路間隔2mm。
電熱回路の成分:Si−30%Co−5%Fe合金
ガラス層の成分:Al2O3−SiO2−CaO
絶縁層上の電熱皮膜凹部にSi−30%Co−5%Fe合金粉末のペーストを印刷、乾燥し、真空中1300℃に加熱して概ね100μm厚さの電熱皮膜を融着させた。
抵抗値は180Ωであった。
次に二枚の絶縁層を位置あわせして重ね合わせ、Ar雰囲気1300℃で加熱して、電熱皮膜とガラス皮膜を同時に溶融して、相手側の絶縁層に融着させた。
電極端子の接合
片方の絶縁層の電極を通す直径3mmの穴に、Moの電極を差し込み、銀ローで真空ロー付した。
通電テスト
Mo電極に100V印加して500℃まで昇温できた。
超音波テスト
端子のない側の絶縁層から接合部の接合状況を超音波で調べた。
電熱皮膜とガラス皮膜は、上下二枚の絶縁層に完全溶着しており、溶着不良は認められなかった。
Claims (5)
- セラミックスからなる二枚の絶縁層の間に高融点金属からなる電熱皮膜を挟み、該電熱皮膜を溶融して該二枚の絶縁層を接合した構造のセラミックスヒーターにおいて、該接合された二枚の絶縁層に挟まれた空間の中の、該電熱皮膜の存在しない空間部分に、ガラスを挟んで、該ガラスで、該電熱皮膜の存在しない空間部分を充填、接着してなることを特徴とするセラミックスヒーター。
- セラミックスからなる二枚の絶縁層の間に高融点金属からなる電熱皮膜を挟み、該電熱皮膜を溶融して該二枚の絶縁層を接合した構造のセラミックスヒーターにおいて、
該二枚の絶縁層のいずれか一方の絶縁層表面の、該電熱皮膜と接合する部位に、該電熱皮膜の広さの凹部(電熱皮膜凹部)と、該電熱皮膜の存在しない部位に、凸部(電熱皮膜凹部側凸部)が形成され、該もう一方の絶縁層表面の、該電熱皮膜と接合する部位に、該電熱皮膜の広さの凸部(電熱皮膜凸部)と、該電熱皮膜の存在しない部位に、凹部(電熱皮膜凸部側凹部)が形成されてなり、
該二枚の絶縁層が重ね合わされて、該電熱皮膜凹部に該電熱皮膜凸部が差し込まれ、該電熱皮膜凹部側凸部が電熱皮膜凸部側凹部に差し込まれてなると共に、該電熱皮膜凹部と該電熱皮膜凸部が溶融した該電熱皮膜を介して接合されてなると共に、該電熱皮膜凹部側凸部と電熱皮膜凸部側凹部が溶融したガラス皮膜を介して接合された構造からなることを特徴とするセラミックスヒーター。 - 上記電熱皮膜凹部側凸部端面が、上記電熱皮膜凸部側凹部の形成された絶縁層の平坦面よりも深い位置に差し込まれて接合されてなることを特徴とする請求項2に記載のセラミックスヒーター。
- セラミックスからなる二枚の絶縁層の間に高融点金属からなる電熱皮膜を挟み、該電熱皮膜を溶融して該二枚の絶縁層を接合した構造のセラミックスヒーターの製造に際して、
該二枚の絶縁層の接合時、該二枚の絶縁層に挟まれた空間の中の、該電熱皮膜の存在しない空間部分にガラス層を挟んで、該ガラス層で、該電熱皮膜の存在しない空間部分を同時に充填、接合することを特徴とするセラミックスヒーターの製造方法。 - セラミックスからなる二枚の絶縁層の間に高融点金属からなる電熱皮膜を挟み、該電熱皮膜を溶融して該二枚の絶縁層を接合した構造のセラミックスヒーターの製造方法であって、
該二枚の絶縁層のいずれか一方の絶縁層表面の、該電熱皮膜と接合する部位に、該電熱皮膜の広さの凹部(電熱皮膜凹部)と、該電熱皮膜の存在しない部位に凸部(電熱皮膜凹部側凸部)を形成してなると共に、該もう一方の絶縁層表面の、該電熱皮膜と接合する部位に、該電熱皮膜の広さの凸部(電熱皮膜凸部)と、該電熱皮膜の存在しない部位に、凹部(電熱皮膜凸部側凹部)を形成する工程と、
該電熱皮膜凹部と該電熱皮膜凸部の間に電熱皮膜を挟み、該電熱皮膜凹部側凸部と電熱皮膜凸部側凹部の間にガラス層を挟む工程と、該電熱皮膜凹部に該電熱皮膜凸部を差し込み、該電熱皮膜凹部側凸部を該電熱皮膜凸部側凹部に差し込む工程と、
該電熱皮膜とガラス層を同時に溶融して、該電熱皮膜凹部と該電熱皮膜凸部および該電熱皮膜凹部側凸部と電熱皮膜凸部側凹部を同時に接合する工程を備えてなることを特徴とするセラミックスヒーターの製造方法。
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JP2008029662A JP2009170389A (ja) | 2008-01-10 | 2008-01-10 | セラミックスヒーターとその製造方法 |
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Cited By (1)
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JP2011222256A (ja) * | 2010-04-08 | 2011-11-04 | Sumitomo Electric Ind Ltd | ウェハ加熱用ヒータユニットおよびそれを搭載した半導体製造装置 |
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2008
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JP2011222256A (ja) * | 2010-04-08 | 2011-11-04 | Sumitomo Electric Ind Ltd | ウェハ加熱用ヒータユニットおよびそれを搭載した半導体製造装置 |
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