JP2009164162A - 気相成長装置および単結晶薄膜の成長方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】パーティクルの混入を抑制した高品質なSiC単結晶薄膜を安定して製造することができる気相成長装置および単結晶薄膜の成長方法を提供する。
【解決手段】ガス供給口1とガス排気口2を有する反応容器内に、ウエハ搭載部を有するサセプタ3と、カバープレート8を固定保持するための支持部6と、を備えた気相成長装置を用い、前記ウエハ搭載部に単結晶ウエハ7を搭載し、前記支持部6により前記単結晶ウエハ7と前記サセプタ3に対向した壁面との間にカバープレート8を固定支持して、前記単結晶ウエハ7表面に単結晶薄膜をエピタキシャル成長する。
【選択図】図7
【解決手段】ガス供給口1とガス排気口2を有する反応容器内に、ウエハ搭載部を有するサセプタ3と、カバープレート8を固定保持するための支持部6と、を備えた気相成長装置を用い、前記ウエハ搭載部に単結晶ウエハ7を搭載し、前記支持部6により前記単結晶ウエハ7と前記サセプタ3に対向した壁面との間にカバープレート8を固定支持して、前記単結晶ウエハ7表面に単結晶薄膜をエピタキシャル成長する。
【選択図】図7
Description
本発明は、気相成長装置に関するものであり、より詳細には、単結晶ウエハ表面に高品質な単結晶薄膜をエピタキシャル成長させるための単結晶薄膜の成長方法に関するものである。
SiC(シリコンカーバイド)は、Si(シリコン)よりも優れた材料物性値(例えば、絶縁破壊電界や飽和電子移動度、熱伝導度)を持つことから、特にパワーデバイス用途として期待されている材料であり、SiCパワーデバイスの実用化を目指して開発が進められている。
SiCパワーデバイスの製造工程のうち、SiC単結晶ウエハ表面にSiC単結晶薄膜を成膜するエピタキシャル成長工程は、高品質なデバイスを作製するために特に重要な工程である。通常、SiC単結晶薄膜のエピタキシャル成長は、気相成長装置を用いた熱CVD法により実施される。これは、ガス供給口およびガス排気口を有する反応容器内にSiC単結晶ウエハを入れ、この反応容器内に原料ガスであるシリコン系ガス(例えばモノシランガス)及びカーボン系ガス(例えばプロパンバス)をキャリアガスである水素ガスなどと一緒に供給しつつ、SiC単結晶ウエハを1500〜1700℃程度に加熱することによって、原料ガスを熱分解させてSiC単結晶ウエハ表面にSiC単結晶薄膜をエピタキシャル成長させる。
量産用の気相成長装置は、生産性や成膜性能(成膜速度、膜厚およびキャリア濃度のウエハ面内ばらつき、結晶品質など)を向上させるため、複数のウエハ搭載部を有する回転式サセプタを備えたり、高い成膜速度や良い結晶品質の単結晶薄膜を得られやすいように反応室全体を加熱できる構造(ホットウォール型と呼ばれる)にしたり、などといった特徴を持たせているのが一般的である(例えば、非特許文献1参照。)。
ところで、SiC単結晶薄膜のエピタキシャル成長において、気相成長装置の反応容器内の壁面に付着したSiC堆積物が剥がれてSiCパーティクルとなり、エピタキシャル成長される単結晶ウエハ表面に付着しSiC単結晶薄膜中にSiCパーティクルを混入させてしまい、単結晶薄膜の結晶品質を著しく悪化させるといった問題がある。特に、ホットウォール型の気相成長装置のように、サセプタに対向した壁面がSiCの生成温度以上に加熱されている場合、サセプタに対向した壁面へのSiC堆積物が多くなりSiCパーティクルの発生量が増える。また、ウエハの搭載が容易なフェイスアップ方式(単結晶ウエハの成長面が上向き)の気相成長装置においては、サセプタの上方に対向した壁面(天板)のSiCパーティクルがSiC単結晶ウエハ表面に落下し付着するリスクが高まる。そのため、高頻度に反応容器内の壁面のSiC堆積物を布やスクレーパーによって擦り落とすなどといったクリーニング作業を実施されるが、量産用の気相成長装置は反応容器サイズが大きいためクリーニング作業に大幅な時間がかかり生産性を低下させるほか、中途半端にクリーニング作業をおこなった場合には逆にSiCパーティクルを増加させてしまうといった問題を生じていた。
SiCパーティクルを抑制する方法として、複数のウエハを一度に搭載し処理できる量産用の気相成長装置においても、サセプタに対向した壁面を大型のSiC単結晶材料で構成することによって、SiC堆積物の密着性を向上しSiCパーティクルの発生を抑制させる気相成長装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
荒井和雄・吉田貞史共編「SiC素子の基礎と応用」オーム社刊 第1版(第59〜63頁) 特開2005―235845号公報(第10頁、図7)
荒井和雄・吉田貞史共編「SiC素子の基礎と応用」オーム社刊 第1版(第59〜63頁)
しかしながら、前記従来の構成では、大型のSiC単結晶材料で構成した壁面はエピタキシャル成長時の高温加熱によって反りあがったり割れやすかったりするため、気相成長装置を安定的に長期間使用することはできず、よって高品質なSiC単結晶薄膜を安定的に製造することができないといった課題を有していた。また、大型のSiC単結晶材料は非常に高価であり且つ4インチを越えるSiC単結晶材料は入手困難といったこともあり、装置を製作する上でも課題もあった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、パーティクルの混入を抑制した高品質なSiC単結晶薄膜を安定して製造することができる気相成長装置および単結晶薄膜の成長方法を提供することである。
前記従来の課題を解決するために、本発明の気相成長装置および単結晶薄膜の成長方法は、ガス供給口とガス排気口を有する反応容器を備えた気相成長装置において、前記反応容器内に単結晶ウエハを載置するための搭載部と前記単結晶ウエハを覆うためのカバープレートを固定保持するための支持部とを持つサセプタを備えたことを特徴としたものである。
さらに、本発明の気相成長装置および単結晶薄膜の成長方法は、ガス供給口とガス排気口を有する反応容器を備えた気相成長装置において、前記反応容器内に複数の単結晶ウエハを載置するための搭載部と前記単結晶ウエハを覆うためのカバープレートを固定保持するための支持部とを備えた回転可能なサセプタを備えたことを特徴としたものである。
さらに、本発明の気相成長装置および単結晶薄膜の成長方法は、請求項1から3に記載の気相成長装置を用いて、前記ウエハ搭載部に単結晶ウエハを搭載した後に前記支持部により前記単結晶ウエハと前記サセプタに対向した壁面との間にカバープレートを固定支持した後に、前記ガス供給口より原料ガスを前記反応容器に導いて前記単結晶ウエハ表面に単結晶薄膜をエピタキシャル成長することを特徴としたものである。
本発明の気相成長装置および単結晶薄膜の成長方法によれば、サセプタに対向した壁面の堆積物から発生したパーティクルが単結晶ウエハに付着するのをカバープレートによって回避することができるため、パーティクル混入を大幅に抑制した高品質な単結晶薄膜を得ることができる。また、カバープレートの設置高さや設置角度を調整することによって、ガス流速やガス流速分布を調整することが可能となるため、単結晶薄膜の成膜性能(成膜速度、膜厚およびキャリア濃度のウエハ面内均一性、結晶品質など)も調整することも可能である。さらには、カバープレートは着脱が容易であり、パーツ交換やクリーニングなどのメンテナンス性にも優れるため、高品質な単結晶薄膜を安定して製造することができる。
以下に、本発明の気相成長装置および単結晶薄膜の成長方法の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における気相成長装置の反応容器の構成例を断面図で示したものである。
図1は、本発明の実施の形態1における気相成長装置の反応容器の構成例を断面図で示したものである。
図1に示すように、反応容器の構成は、回転軸0を中心とした円筒形状となっており、反応容器の中心部上部にはガス供給口1を、反応容器の周辺部にはガス排気口2を備えている。反応容器内部には複数のウエハ搭載部32を有する回転式サセプタ3と、サセプタ3上部には原料ガスの流路となる内部空間20をあけてサセプタ3に対向した壁面として天板4を被せた構造としている。サセプタ3にはカバープレートを保持するための支持部6が形成されている。サセプタ3および天板4の近傍にはヒータ8が設置されており、高周波誘導加熱や抵抗加熱などによりサセプタ3と天板4の両方を加熱できるホットウォール型となっている。なお、サセプタ3と天板4の間隔は、通常は反応容器内で安定した層流を得るために、数mmから数cm程度と狭くしているのが一般的である。また、サセプタ4と天板5の材質は、材料費や加工性、耐熱性などの面からグラファイト製のサセプタ4および天板5が用いられ、グラファイト表面にはカーボンパーティクルが発生するのを防止するために、高融点の炭化金属(例えば、TaC、NbC、SiCなど)がコーティングされたものが使用される。
図2は、支持部6の形成位置を説明するために、サセプタ3の斜視図を示したものであるが、各ウエハ搭載部32の周辺にそれぞれ支持部6が形成されてあり、支持部6にはカバープレートを挿入するための溝62が加工されている。
図3は、サセプタ3の支持部6を用いてカバープレート7を固定保持した時の斜視図を示したものであり、各ウエハ搭載部42の上にカバープレート7を1枚ずつ固定保持させていることがわかる。また、カバープレート7の大きさはウエハ搭載部32よりも大きいことが好ましい。なお、このように、支持部6はサセプタ3上に形成されているため、サセプタ3をシャフト12で回転させたとしても、この支持部6に固定保持されたカバープレート7とウエハ搭載部32は連動して回転するのでお互いの位置関係を保つことが可能である。
支持部6の形成位置としては、ウエハ搭載部32よりもガス下流側(ガス排気口方向)に設けることが好ましい。これは、支持部6がウエハ搭載部32よりガス上流側(ガス供給方向)にあると、支持部によって発生したガス流速変化や乱流がガス下流の単結晶ウエハ表面に被ってしまい単結晶薄膜のウエハ面内の膜厚均一性などに悪影響を及ぼしてしまうが、支持部6をウエハ搭載部32よりガス下流側に形成することによってこの悪影響を回避できる。
また、図2において支持部6はサセプタ3に一体成型品として描かれているが、図4に示すようにサセプタ3にはめ込み部33を設けて支持部6を挿入するはめ合い構造としても良い。あるいは、サセプタには支持部やはめ込み部は設けず、図5に示すような支持部6を有するカバープレートホルダー63を別部品として作製して、図6のようにサセプタ3上にカバープレートホルダー63を搭載して支持部6を間接的に形成するようにしても良い。とにかく、支持部をサセプタ上に形成できればどのような方法をとっても良い。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2におけるエピタキシャル成長時の気相成長装置の反応容器内の構成を示した断面図である。なお、図7に示した気相成長装置は、実施の形態1の図1のものと同じであるため、共通した各部品の説明は省略する。この実施の形態2ではエピタキシャル成長時においてカバープレートを取り付けたことによる効果について説明していく。
図7は、本発明の実施の形態2におけるエピタキシャル成長時の気相成長装置の反応容器内の構成を示した断面図である。なお、図7に示した気相成長装置は、実施の形態1の図1のものと同じであるため、共通した各部品の説明は省略する。この実施の形態2ではエピタキシャル成長時においてカバープレートを取り付けたことによる効果について説明していく。
図7において、サセプタ3のウエハ搭載部32の上にはSiC単結晶ウエハ7が置かれており、このSiC単結晶基板7の上には支持部6によってカバープレート8が固定保持されている。サセプタ3と天板4をヒータ5によって1500〜1700℃程度に加熱した状態にしながら、ガス供給口1から原料ガスであるシランガスおよびプロパンガスとキャリアガスである水素ガスを一緒に導入することで、SiC単結晶ウエハ7上にSiC単結晶薄膜をエピタキシャル成長させる。
ここで、エピタキシャル成長前後およびエピタキシャル成長中には、天板4表面のSiC堆積物が剥がれ、SiCパーティクル9となってサセプタ側に落下してくるが、本発明気相成長装置の構成において、カバープレート8によってSiCパーティクル9(図中の黒丸)を落下途中で受け止めることが可能となるため、SiCパーティクル9がSiC単結晶基板7表面に付着するのを抑制でき、SiCパーティクル混入を低減した高品質なSiC単結晶薄膜を得ることができる。
カバープレート8の材質としては、高融点の炭化金属がコーティングされたグラファイトのプレートが使用可能である。このカバープレート8に堆積したSiC堆積物は、天板に堆積したSiC堆積物と同様に、エピタキシャル成長を繰り返すほど剥がれやすくなりSiCパーティクル9を発生しやすくなるが、本発明のカバープレート8は容易に着脱可能であることから、エピタキシャル成長毎にカバープレート8を取り外してクリーニングしてから再度取り付けをしたり、もしくは新しいカバープレート8と交換したりすることで、SiCパーティクル混入を低減した高品質なSiC単結晶薄膜を安定して製造することができる。また、使用するカバープレートの材質として、高融点炭化金属がコーティングされたグラファイトのプレートではなく、単結晶薄膜材料と同一材料の多結晶プレートや単結晶薄膜材料と同一材料の単結晶プレートを用いれば、SiC堆積物は剥がれにくくなることから、クリーニングの頻度を抑えることも可能である。
堆積物が付着したカバープレート8のクリーニング方法としては、カバープレート8を気相成長装置から取り外した後、研磨装置の研磨ヘッドにカバープレートを装着し、不織布を貼り付けた回転定盤に加圧させて擦ることで、効率的にSiC堆積物を除去することが可能である。また、研磨は、堆積物の量によってスラリーを供給しながら良く、また金属定盤を用いても良い。なお、研磨後のカバープレートは、超音波洗浄を実施したあと、ベーキング処理を施すことが好ましい。
次に、本発明の作用効果を調べるため、実施の形態1および2で説明した気相成長装置を用いてSiC単結晶ウエハ上に作製した単結晶薄膜中のSiCパーティクル混入数をカウントした。本発明の実施例として、単結晶SiCウエハ上に三種類のカバープレートを固定保持して単結晶薄膜をエピタキシャル成長させたものを作製した。本発明の実施例1は、カバープレートをTaでコーティングしたグラファイト製としたもの、実施例2はカバープレートをSiC多結晶製としたもの、実施例3はカバープレートをSiC単結晶製としたものを用意した。また、従来例として、カバープレートを外した以外は実施の形態1および2で説明した気相成長装置を用いてSiC単結晶ウエハ上に単結晶薄膜をエピタキシャル成長させたものを作製した。パーティクルのカウント方法として、3インチSiC単結晶ウエハ表面にそれぞれ10回ずつエピタキシャル成長を行ない、ウエハ面内でのパーティクル混入数を金属顕微鏡にて測定し、その10回分の平均値、最大値、最小値を求めた。なお、使用した反応容器のサイズとして、反応容器容積1.6L、サセプタと天板との間隔20mmであり、使用したカバープレートの寸法はφ100mm×厚さ1mmである。カバープレートとサセプタとの間の距離は、5mmとした。また、成長条件としては、シラン流量25cc/min、プロパン流量20cc/min、キャリア水素流量100L/min、成長温度1600℃で行なった。成長速度は4μm/hrであった。また、エピタキシャル成長ごとにクリーニングを実施し、従来例では天板をクリーニングし、本発明ではカバープレートをクリーニングした。以上の条件による結果を表1に示す。
表1の結果が示すように、従来例のパーティクル混入数の平均値は160個である。また、最小値と最大値の差は約100個程度である。これは10回行なったエピタキシャル成長ごとに天板の拭き取り掃除を実施したものの天板への堆積物が取りきれないため、エピタキシャル成長を繰り返すたびにSiCパーティクル混入数が増加しためである。一方、本発明の実施例1から3におけるパーティクル混入数の平均値は、30個以下であり、従来例よりも大幅に低く抑えられていた。これは、カバープレートにより、天板から落下してきたパーティクル影響を効果的に回避できたことを示している。また、カバープレートの交換とクリーニングが容易であったため、エピタキシャル成長を繰り返してもパーティクル混入数の増加は少なく、安定したエピタキシャル成長が実施することができた。表1の結果を示すように、カバープレートの種類は、グラファイト製よりも多結晶製や単結晶製の方が少ない。これは、カバープレート自体に付着する堆積物の密着性が向上して、カバープレート自体から発生するSiCパーティクルが少なくなったためと判断できる。
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3におけるエピタキシャル成長時の気相成長装置の反応容器内の構成を示した断面図である。また、図9は、このカバープレート8の斜視図である。実施の形態2と異なるところは、カバープレート8の外周部に沿って突起部81を設けた点である。
図8は、本発明の実施の形態3におけるエピタキシャル成長時の気相成長装置の反応容器内の構成を示した断面図である。また、図9は、このカバープレート8の斜視図である。実施の形態2と異なるところは、カバープレート8の外周部に沿って突起部81を設けた点である。
これによってカバープレート8で受け止めたSiCパーティクル9がサセプタ側に転がり落ちることを防止することができ、さらにSiCパーティクル混入のリスクを低減することが可能となる。
(実施の形態4)
図10は、本発明の実施の形態4におけるエピタキシャル成長時の気相成長装置の反応容器内の構成を示した断面図である。実施の形態2と異なるところは、支持部6に複数の溝62を設け、単結晶ウエハ7とカバープレート8との間隔、つまりカバープレート設置高さd(図10のd1やd2)を適宜調整できるようにしたことである。
図10は、本発明の実施の形態4におけるエピタキシャル成長時の気相成長装置の反応容器内の構成を示した断面図である。実施の形態2と異なるところは、支持部6に複数の溝62を設け、単結晶ウエハ7とカバープレート8との間隔、つまりカバープレート設置高さd(図10のd1やd2)を適宜調整できるようにしたことである。
図11に、カバープレート設置高さdと単結晶ウエハ表面におけるガス流速との関係を示す。この条件は、反応容器容積1.6L、サセプタと天板との間隔20mm、ガス総供給量100L/min、反応容器内部温度1600℃、カバープレート寸法はφ100mm×厚さ1mmとし数値計算により求めた。
図11に示すように、カバープレート設置高さdを調整することによって単結晶ウエハ表面におけるガス流速を大きく変化させることができる。一般的に、単結晶薄膜の成膜性能(例えば、成長速度、膜厚およびキャリア濃度のウエハ面内バラつき、結晶品質)はガス流速に依存し、ガス流速が早いほど成膜性能を向上させやすい。なお、カバープレートを設置しない場合のガス流速は1.1m/sであったが、カバープレート設置高さdを調整することによりガス流速を最大2.6m/s(約2.5倍)まで増加させることができる。このように、カバープレートは、SiCパーティクルに対する効果のみならず、カバープレート設置高さを調整することでガス流速の調整にも効果があり、結晶薄膜の成膜性能も調整することが可能である。なお、カバープレート設置高さdが2mm未満はガスの流速が著しく低下して原料ガスが単結晶ウエハに供給されにくいため、成長速度が悪化する。以上説明した図11の結果は、実験結果とよく一致した。生産効率を考えると、カバープレート設置高さdは2mm以上であることが望ましい。
(実施の形態5)
図12は、本発明の実施の形態5におけるエピタキシャル成長時の気相成長装置の反応容器内の構成を示した断面図である。実施の形態2と異なるところは、ガス上流側のカバープレート端よりもガス下流側のカバープレート端の方が前記サセプタに近くなるように、カバープレートを傾けて設置しているところである。
(実施の形態5)
図12は、本発明の実施の形態5におけるエピタキシャル成長時の気相成長装置の反応容器内の構成を示した断面図である。実施の形態2と異なるところは、ガス上流側のカバープレート端よりもガス下流側のカバープレート端の方が前記サセプタに近くなるように、カバープレートを傾けて設置しているところである。
図13は、カバープレートを傾けず設置した場合とカバープレートを傾けて設置した場合の単結晶ウエハ表面でのガス流速分布を数値計算により求めて、比較した結果である。なお、計算条件としては、実施の形態4と同様としているが、カバープレートを傾けて設置した場合のカバープレート設置角度θは3°とした。
図13を見てわかるように、カバープレートを傾けず設置した場合はウエハ上流部、ウエハ下流部のガス流速が大きく異なっていることがわかる。これは、ガスを反応容器の中心部(回転軸0)のガス供給口1から導入して周辺部のガス排気口2から排気する構造の気相成長装置の場合は周辺部に行くほど断面積が増加するため、カバープレートを設置しなくとも生じる必然の結果である。一方、カバープレートを傾けて設置した場合は、ウエハ上流とウエハ下流のガス流速がほぼ均一にすることができ、ガス流速ばらつきを改善されていることがわかる。これは、サセプタとカバープレートでなす断面積がほぼ同じになったためである。本発明の装置においては、カバープレート設置角度θを3°とすることで最良の結果を得られた。このように、カバープレートは、SiCパーティクル抑制の効果のみならず、カバープレートを傾けて設置することでウエハ表面のガス流速分布を均一に調整することが可能である。
なお、本実施の形態では、SiC単結晶薄膜のエピタキシャル成長を例にとって説明したが、GaN系単結晶薄膜をはじめ、様々な結晶材料の単結晶薄膜のエピタキシャル成長においても同様に適用可能である。
本発明にかかる気相成長装置および単結晶薄膜の成長方法は、パーティクル混入を大幅に抑制でき、またガス流速を調整し成膜特性も調整でき、さらには装置のメンテナンス性に優れるため、様々な結晶材料の単結晶薄膜のエピタキシャル成長やその量産に有用な技術である。
0 回転軸
1 ガス供給口
2 ガス排気口
3 サセプタ
4 天板
5 ヒータ
6 支持部
7 単結晶ウエハ(SiC単結晶ウエハ)
8 カバープレート
9 パーティクル(SiCパーティクル)
12 シャフト
20 内部空間
32 ウエハ搭載部
33 はめ込み部
62 溝
63 カバープレートホルダー
81 突起部
82 支持部とカバープレートのはめ合い部
d(d1、d2) カバープレート設置高さ
θ カバープレート設置角度
1 ガス供給口
2 ガス排気口
3 サセプタ
4 天板
5 ヒータ
6 支持部
7 単結晶ウエハ(SiC単結晶ウエハ)
8 カバープレート
9 パーティクル(SiCパーティクル)
12 シャフト
20 内部空間
32 ウエハ搭載部
33 はめ込み部
62 溝
63 カバープレートホルダー
81 突起部
82 支持部とカバープレートのはめ合い部
d(d1、d2) カバープレート設置高さ
θ カバープレート設置角度
Claims (11)
- ガス供給口とガス排気口を有する反応容器を備えた気相成長装置において、
前記反応容器内に単結晶ウエハを載置するための搭載部と前記単結晶ウエハを覆うためのカバープレートを固定保持するための支持部とを持つサセプタを備えた気相成長装置。 - ガス供給口とガス排気口を有する反応容器を備えた気相成長装置において、
前記反応容器内に複数の単結晶ウエハを載置するための搭載部と前記単結晶ウエハを覆うためのカバープレートを固定保持するための支持部とを備えた回転可能なサセプタを備えた気相成長装置。 - 前記支持部は、前記サセプタに形成され且つ前記ウエハ搭載部よりもガス下流側に形成されることを特徴とする請求項1または2記載の気相成長装置。
- 前記カバープレートは、炭化金属がコーティングされたグラファイトである請求項1または2記載の気相成長装置。
- 前記カバープレートは、前記単結晶薄膜と同一材料の多結晶体である請求項1または2記載の気相成長装置。
- 前記カバープレートは、前記単結晶薄膜と同一材料の単結晶体である請求項1または2記載の気相成長装置。
- 前記カバープレートは、カバープレートの外周に沿って突起部を設けた請求項1または2記載の気相成長装置。
- 前記カバープレートと前記単結晶ウエハとの間隔は、2mm以上である請求項1または2記載の気相成長装置。
- 前記カバープレートは、前記サセプタの底面に対して傾斜して固定支持された請求項1または2記載の気相成長装置。
- 請求項1から3に記載の気相成長装置を用いて、
前記ウエハ搭載部に単結晶ウエハを搭載した後に前記支持部により前記単結晶ウエハと前記サセプタに対向した壁面との間にカバープレートを固定支持した後に、前記ガス供給口より原料ガスを前記反応容器に導いて前記単結晶ウエハ表面に単結晶薄膜をエピタキシャル成長する単結晶薄膜の成長方法。 - 前記単結晶薄膜は、SiC単結晶薄膜である請求項10記載の単結晶薄膜の成長方法。
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