JP2004103708A - 半導体装置製造用治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】異物の発生が少なく、再利用可能、且つ微細加工が可能であり、歩留まりアップやコスト低減を図ることが可能な化合物半導体装置製造用治具を提供すること。
【解決手段】回転する板状のサセプタ3に、複数の基板4を、サセプタ中心から少し離れた位置にて周方向に配設し、且つ成長面たる下面をガス流路側に向けて支持し、その基板4の裏面側からサセプタ3をヒータ21で加熱し、サセプタ中心部分から放射状に原料ガスを流し、加熱された基板4上で半導体結晶をエピタキシャル成長させる化合物半導体製造装置の製造用治具において、上記基板4を公転させる治具たるサセプタ3の材質をSiC製とする。
【選択図】 図1
【解決手段】回転する板状のサセプタ3に、複数の基板4を、サセプタ中心から少し離れた位置にて周方向に配設し、且つ成長面たる下面をガス流路側に向けて支持し、その基板4の裏面側からサセプタ3をヒータ21で加熱し、サセプタ中心部分から放射状に原料ガスを流し、加熱された基板4上で半導体結晶をエピタキシャル成長させる化合物半導体製造装置の製造用治具において、上記基板4を公転させる治具たるサセプタ3の材質をSiC製とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機金属気相成長法により化合物半導体層を成長する製造装置における化合物半導体装置製造用治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
化合物半導体結晶を用いたFETやHEMTは、シリコン半導体に比べて電子移動度が高いため、近年携帯電話や衛星放送受信機などの高速動作や高効率が要求される高周波機器の増幅器などに幅広く使用され、その需要はさらに伸びると思われる。
【0003】
化合物半導体結晶を成長する方法の一つに有機金属気相成長法(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy 、以下MOVPE法)がある。MOVPE法は、III族有機金属原料ガスとV族原料ガスを、高純度水素キャリアガスとの混合ガスとして反応炉内に導入し、反応炉内で加熱された基板付近で原料が熱分解され、基板上に化合物半導体結晶がエピタキシャル成長する。
【0004】
ここで従来の主なMOVPE装置が採用しているリアクター(反応炉)を構成する方式を図4に示す。図4(a)はサセプタ31の角錐斜面に半導体基板(ウェハ)4を保持したバレル型、図4(b)はガスが反応管2の一側から他側に向かって一方向に流れ、且つ基板4がサセプタ32の開口部内にフェイスダウンで設けられるタイプ(横型フェイスダウン)、図4(c)は上から下に向かうガスがサセプタ33の中央から半径方向外側に流れ、且つ基板4がサセプタ33の開口部内にフェイスアップで設けられるタイプ(自転公転型フェイスアップ)、そして図4(d)は下から上に向かうガスがサセプタ3中央から半径方向外側に流れ、且つ基板4がサセプタ33の開口部内にフェイスダウンで設けられるタイプ(自転公転型フェイスダウン)を示す。
【0005】
図4(b)の横型フェイスダウン方式や図4(d)の自転公転型フェイスダウン方式の化合物半導体製造装置の場合、図2及び図3に示すように、半導体基板4をサセプタ3の開口部5内に載置し支持する構造を得るため、開口部5の下面周縁部には、開口部5の中心方向に張り出した段差から成る基板支持部6が一体に形成され、半導体基板4は、この基板支持部6に外周部が支えられて開口部5の下面に保持される。
【0006】
これらの反応炉内で、基板4をセットする部分周辺にはカーボンの治具が用いられている。図4(b)〜図4(d)に示すように、基板4を均一に熱するために、均熱板7と呼ぶ治具を基板に隣接してセットする場合もある。成長する結晶の純度には、これら治具の純度も影響を及ぼす。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の化合物半導体製造装置では、従来反応炉内の治具に純正なカーボンを用いている。そして、図4(b)の横型フェイスダウン方式や図4(d)の自転公転型フェイスダウン方式の化合物半導体製造装置の場合、図2及び図3に示すように、半導体基板4をサセプタ3の開口部5内に載置し支持する構造を得るため、開口部5の下面周縁部に、開口部5の中心方向に張り出した段差から成る基板支持部6が一体に形成され、半導体基板4は、この基板支持部6に外周部が支えられて開口部5の下面に保持される。
【0008】
しかしながら、カーボンの為、化合物半導体基板4を支える部分の厚さを薄くしたいが、強度不足で連続使用が困難であることから薄くすることができない。
【0009】
また、図4(d)の自転公転型フェイスダウン方式の化合物半導体製造装置の場合、自公転方式の為に歯車を使用するが、カーボン同士の歯車は、摩擦でカーボンの粉が発生し、基板や成長した化合物半導体層に付着してしまい、表面不良品となってしまう。
【0010】
更には、使用後付着物を除去して再生利用したいが、カーボン内部に入った水分や、除去に使った薬液の残りなどが、完全に取り除けない。一方で、薬液などで表面が削れて形状変化が起きてしまう。
【0011】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、異物の発生が少なく、再利用可能、且つ微細加工が可能であり、歩留まりアップやコスト低減を図ることが可能な化合物半導体装置製造用治具を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
【0013】
請求項1の発明に係る半導体装置製造用治具は、回転する板状のサセプタに、複数の基板を、サセプタ中心から少し離れた位置にて周方向に配設し、且つ成長面たる下面をガス流路側に向けて支持し、その基板の裏面側からサセプタをヒータで加熱し、サセプタ中心部分から放射状に原料ガスを流し、加熱された基板上で半導体結晶をエピタキシャル成長させる化合物半導体製造装置の製造用治具において、上記基板を公転させる治具たるサセプタの材質をSiC製としたことを特徴とする。
【0014】
上記基板上に均熱板を設ける場合は、これもSiC製とすることが好ましい。
【0015】
請求項2の発明に係る半導体装置製造用治具は、回転する板状のサセプタに、その中心から少し離れた位置にて周方向に自転型ホルダを複数配設し、その自転型ホルダにより基板の下面周縁部を支えることにより、成長面たる下面をガス流路側に向けて基板を支持すると共に、その基板の裏面側からサセプタをヒータで加熱し、サセプタ中心部分から放射状に原料ガスを流し、加熱された基板上で化合物半導体結晶を有機金属気相成長法にてエピタキシャル成長させる化合物半導体製造装置の製造用治具において、上記自転する治具たる自転型ホルダの材質をSiC製としたことを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明は、請求項2記載の半導体装置製造用治具において、上記基板を公転させる治具たるサセプタの材質をSiC製としたことを特徴とする。
【0017】
この請求項2又は3の形態においても、上記自転型ホルダの基板上に均熱板を設ける場合は、その均熱板もSiC製とすることが好ましい。
【0018】
<発明の要点>
従来の治具で用いられているカーボンは、上述したような幾つかの問題点があるが、SiC(炭化珪素)製にすることでそれらの問題を解決することができる。すなわち、SiCは、非常に強度が有り、微細加工可能である。従って、成長面を下面(フェイスダウン)としたフェイスダウン型自転ホルダに適用することで、カーボンでは耐久性に問題があり採用できなかった基板保持部分の薄肉化が可能となり、基板の利用できる部分が増えることになる。また、SiCは耐薬品性がカーボンより高く、付着物除去が容易で、且つ表面に付着しづらい為、再利用可能であり、しかも何度も使用可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
【0020】
<実施形態1>
図1に示す化合物半導体製造装置1は、原料ガス供給口2aからガス排気口2bへ原料ガスが流通する反応管2の上部壁に板状のサセプタ3を設け、これをモータ10で回転可能に構成すると共に、このサセプタ3に、図2、図3の如く、気相エピタキシャル成長の対象である半導体基板4とほぼ同じ形状に開口部5を開け、この開口部5内に基板4の表面を下向きに収納し、下面を露出させた状態で支持すると共に、上記基板4を加熱する加熱源たるメインヒータ21に面して前記開口部5に均熱板7をはめ込んだエピタキシャル成長装置である。なお、9は磁気シールドユニット、21は外周ヒータである。
【0021】
サセプタ3は図2に示すように円板形をしており、その円板面内には同一円上に均等に6つの円形の開口部5がサセプタを上下に貫いて設けられ、各々の開口部5内には、半導体基板4がその表面を下にして収納配置され、更にその上に均熱板7が重ねられて収納配置される。この半導体基板4を開口部5内に載置し支持する構造を得るため、開口部5の下面周縁部には、図3に示すように開口部5の中心方向に張り出した段差から成る基板支持部6が一体に形成されており、半導体基板4は、この基板支持部6に外周部が支えられて開口部5の下面に保持される。
【0022】
本発明に従い、上記基板を公転させる治具たるサセプタ3の材質はSiC製であり、また、上記基板上に載置する均熱板7もSiC製である。
【0023】
SiCは、非常に強度が有り、微細加工可能である。従って、カーボンでは耐久性に問題があり採用できなかった基板支持部(基板保持部分)6の薄肉化が可能となり、基板の利用できる部分が増えることになる。また、SiCは耐薬品性がカーボンより高く、付着物除去が容易で、且つ表面に付着しづらい為、再利用可能であり、しかも何度も使用可能となる。
【0024】
<実施形態2>
次に、第二の実施形態について説明する。これは、回転する板状のサセプタに、その中心から少し離れた位置にて周方向に自転型ホルダを複数配設し、その自転型ホルダにより基板の下面周縁部を支えることにより、成長面たる下面をガス流路側に向けて(フェイスダウン)基板を支持すると共に、その基板の裏面側からサセプタをヒータで加熱し、サセプタ中心部分から放射状に原料ガスを流し、加熱された基板上で化合物半導体結晶を有機金属気相成長法にてエピタキシャル成長させる化合物半導体製造装置の製造用治具に適用した例である。
【0025】
図2及び図3を併用して説明するに、サセプタ3は図2に示すように円板形をしており、その円板面内には同一円上に均等に6つの円形の開口部5がサセプタを上下に貫いて設けられ、各々の開口部5内には自転型ホルダ13が配置され、且つ互いに連動するように歯車付けされている。そして、この自転型ホルダ13により基板4の下面周縁部を支えることにより、半導体基板4がその表面を下(フェイスダウン)にして収納配置され、更にその上に均熱板7が重ねられて収納配置される。この半導体基板4を開口部5内に載置し支持する構造を得るため、自転型ホルダ13の下面周縁部には、図3に示すように開口部5の中心方向に張り出した段差から成る基板支持部6が一体に形成されており、半導体基板4は、この基板支持部6に外周部が支えられて開口部5の下面に保持される。
【0026】
本発明に従い、上記自転する治具たる自転型ホルダの材質は歯車の部分も含めSiC製であり、また、上記基板を公転させる治具たるサセプタ3の材質もSiC製である。更に、上記基板上に載置する均熱板7もSiC製である。
【0027】
SiCは、非常に強度が有り、微細加工可能である。従って、成長面を下面(フェイスダウン)としたフェイスダウン型自転ホルダ13に適用することで、カーボンでは耐久性に問題があり採用できなかった基板支持部(基板保持部分)6の薄肉化が可能となり、基板の利用できる部分が増えることになる。また歯車もSiC製であるため、カーボン製の場合に較べ、摩擦で粉の発生やその付着が生じる程度が少ない。さらにまた、SiCは耐薬品性がカーボンより高く、付着物除去が容易で、且つ表面に付着しづらい為、再利用可能であり、しかも何度も使用可能となる。
【0028】
上記SiC製自転基板ホルダ13を用いて、基板上に化合物半導体層(代表的なAlGaAs層Al組成30%)を成長した結果、表面の異物数が、従来のカーボン製ホルダを使用した場合に比べ、約10分の一に減少した。また、耐薬品性ということで、一度使用後、薬液洗浄後に取り込まれた水分除去に要した焼きだし時間を比較したのが表1である。本発明によるSiC製治具の方が圧倒的に速く、すなわち従来の約6分の一の焼きだし時間で、利用可能となる。
【0029】
【表1】
【0030】
上記した実施の形態では、化合物半導体基板上に、化合物半導体を有機金属気相成長法で成長させる化合物半導体製造装置において、成長させる反応室の型式が横型フロー方式(図4(b))又は自公転型方式(図4(d))で、且つ、成長面を下面(フェイスダウン)とする化合物半導体製造装置に関して、サセプタ3の材質や自転型ホルダ13の材質及び均熱板7の材質を、SiC製とした。しかし、これら以外の方式の治具、例えば、縦型フロー方式(図4(a))や公転方式(図4(c))の治具についてもSiC製とすることが可能である。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、次のような優れた効果が得られる。
【0032】
本発明によれば、基板を公転させる治具たるサセプタの材質又は自転する治具たる自転型ホルダの材質をSiC製としたので、カーボンでは耐久性に問題があり採用できなかった基板保持部分の薄肉化が可能となり、基板の利用できる部分が増えることになる。また、SiCは耐薬品性がカーボンより高く、付着物除去が容易で、且つ表面に付着しづらい為、再利用可能であり、しかも何度も使用可能である。
【0033】
従って、本発明を適用することにより、化合物半導体製品の歩留まりを向上させ、且つ製造コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る化合物半導体製造装置の構造を示した断面図である。
【図2】図1のサセプタの詳細を半導体基板及び均熱板を装着した状態で示した平面図である。
【図3】図1の化合物半導体製造装置におけるサセプタの開口部分の断面図である。
【図4】本発明を適用可能な化合物半導体製造装置の主なリアクター方式を示した図である。
【符号の説明】
1 化合物半導体製造装置
2 反応管
3 サセプタ
4 半導体基板
5 開口部
6 基板支持部
7 均熱板
13 自転型ホルダ
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機金属気相成長法により化合物半導体層を成長する製造装置における化合物半導体装置製造用治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
化合物半導体結晶を用いたFETやHEMTは、シリコン半導体に比べて電子移動度が高いため、近年携帯電話や衛星放送受信機などの高速動作や高効率が要求される高周波機器の増幅器などに幅広く使用され、その需要はさらに伸びると思われる。
【0003】
化合物半導体結晶を成長する方法の一つに有機金属気相成長法(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy 、以下MOVPE法)がある。MOVPE法は、III族有機金属原料ガスとV族原料ガスを、高純度水素キャリアガスとの混合ガスとして反応炉内に導入し、反応炉内で加熱された基板付近で原料が熱分解され、基板上に化合物半導体結晶がエピタキシャル成長する。
【0004】
ここで従来の主なMOVPE装置が採用しているリアクター(反応炉)を構成する方式を図4に示す。図4(a)はサセプタ31の角錐斜面に半導体基板(ウェハ)4を保持したバレル型、図4(b)はガスが反応管2の一側から他側に向かって一方向に流れ、且つ基板4がサセプタ32の開口部内にフェイスダウンで設けられるタイプ(横型フェイスダウン)、図4(c)は上から下に向かうガスがサセプタ33の中央から半径方向外側に流れ、且つ基板4がサセプタ33の開口部内にフェイスアップで設けられるタイプ(自転公転型フェイスアップ)、そして図4(d)は下から上に向かうガスがサセプタ3中央から半径方向外側に流れ、且つ基板4がサセプタ33の開口部内にフェイスダウンで設けられるタイプ(自転公転型フェイスダウン)を示す。
【0005】
図4(b)の横型フェイスダウン方式や図4(d)の自転公転型フェイスダウン方式の化合物半導体製造装置の場合、図2及び図3に示すように、半導体基板4をサセプタ3の開口部5内に載置し支持する構造を得るため、開口部5の下面周縁部には、開口部5の中心方向に張り出した段差から成る基板支持部6が一体に形成され、半導体基板4は、この基板支持部6に外周部が支えられて開口部5の下面に保持される。
【0006】
これらの反応炉内で、基板4をセットする部分周辺にはカーボンの治具が用いられている。図4(b)〜図4(d)に示すように、基板4を均一に熱するために、均熱板7と呼ぶ治具を基板に隣接してセットする場合もある。成長する結晶の純度には、これら治具の純度も影響を及ぼす。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の化合物半導体製造装置では、従来反応炉内の治具に純正なカーボンを用いている。そして、図4(b)の横型フェイスダウン方式や図4(d)の自転公転型フェイスダウン方式の化合物半導体製造装置の場合、図2及び図3に示すように、半導体基板4をサセプタ3の開口部5内に載置し支持する構造を得るため、開口部5の下面周縁部に、開口部5の中心方向に張り出した段差から成る基板支持部6が一体に形成され、半導体基板4は、この基板支持部6に外周部が支えられて開口部5の下面に保持される。
【0008】
しかしながら、カーボンの為、化合物半導体基板4を支える部分の厚さを薄くしたいが、強度不足で連続使用が困難であることから薄くすることができない。
【0009】
また、図4(d)の自転公転型フェイスダウン方式の化合物半導体製造装置の場合、自公転方式の為に歯車を使用するが、カーボン同士の歯車は、摩擦でカーボンの粉が発生し、基板や成長した化合物半導体層に付着してしまい、表面不良品となってしまう。
【0010】
更には、使用後付着物を除去して再生利用したいが、カーボン内部に入った水分や、除去に使った薬液の残りなどが、完全に取り除けない。一方で、薬液などで表面が削れて形状変化が起きてしまう。
【0011】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、異物の発生が少なく、再利用可能、且つ微細加工が可能であり、歩留まりアップやコスト低減を図ることが可能な化合物半導体装置製造用治具を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
【0013】
請求項1の発明に係る半導体装置製造用治具は、回転する板状のサセプタに、複数の基板を、サセプタ中心から少し離れた位置にて周方向に配設し、且つ成長面たる下面をガス流路側に向けて支持し、その基板の裏面側からサセプタをヒータで加熱し、サセプタ中心部分から放射状に原料ガスを流し、加熱された基板上で半導体結晶をエピタキシャル成長させる化合物半導体製造装置の製造用治具において、上記基板を公転させる治具たるサセプタの材質をSiC製としたことを特徴とする。
【0014】
上記基板上に均熱板を設ける場合は、これもSiC製とすることが好ましい。
【0015】
請求項2の発明に係る半導体装置製造用治具は、回転する板状のサセプタに、その中心から少し離れた位置にて周方向に自転型ホルダを複数配設し、その自転型ホルダにより基板の下面周縁部を支えることにより、成長面たる下面をガス流路側に向けて基板を支持すると共に、その基板の裏面側からサセプタをヒータで加熱し、サセプタ中心部分から放射状に原料ガスを流し、加熱された基板上で化合物半導体結晶を有機金属気相成長法にてエピタキシャル成長させる化合物半導体製造装置の製造用治具において、上記自転する治具たる自転型ホルダの材質をSiC製としたことを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明は、請求項2記載の半導体装置製造用治具において、上記基板を公転させる治具たるサセプタの材質をSiC製としたことを特徴とする。
【0017】
この請求項2又は3の形態においても、上記自転型ホルダの基板上に均熱板を設ける場合は、その均熱板もSiC製とすることが好ましい。
【0018】
<発明の要点>
従来の治具で用いられているカーボンは、上述したような幾つかの問題点があるが、SiC(炭化珪素)製にすることでそれらの問題を解決することができる。すなわち、SiCは、非常に強度が有り、微細加工可能である。従って、成長面を下面(フェイスダウン)としたフェイスダウン型自転ホルダに適用することで、カーボンでは耐久性に問題があり採用できなかった基板保持部分の薄肉化が可能となり、基板の利用できる部分が増えることになる。また、SiCは耐薬品性がカーボンより高く、付着物除去が容易で、且つ表面に付着しづらい為、再利用可能であり、しかも何度も使用可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
【0020】
<実施形態1>
図1に示す化合物半導体製造装置1は、原料ガス供給口2aからガス排気口2bへ原料ガスが流通する反応管2の上部壁に板状のサセプタ3を設け、これをモータ10で回転可能に構成すると共に、このサセプタ3に、図2、図3の如く、気相エピタキシャル成長の対象である半導体基板4とほぼ同じ形状に開口部5を開け、この開口部5内に基板4の表面を下向きに収納し、下面を露出させた状態で支持すると共に、上記基板4を加熱する加熱源たるメインヒータ21に面して前記開口部5に均熱板7をはめ込んだエピタキシャル成長装置である。なお、9は磁気シールドユニット、21は外周ヒータである。
【0021】
サセプタ3は図2に示すように円板形をしており、その円板面内には同一円上に均等に6つの円形の開口部5がサセプタを上下に貫いて設けられ、各々の開口部5内には、半導体基板4がその表面を下にして収納配置され、更にその上に均熱板7が重ねられて収納配置される。この半導体基板4を開口部5内に載置し支持する構造を得るため、開口部5の下面周縁部には、図3に示すように開口部5の中心方向に張り出した段差から成る基板支持部6が一体に形成されており、半導体基板4は、この基板支持部6に外周部が支えられて開口部5の下面に保持される。
【0022】
本発明に従い、上記基板を公転させる治具たるサセプタ3の材質はSiC製であり、また、上記基板上に載置する均熱板7もSiC製である。
【0023】
SiCは、非常に強度が有り、微細加工可能である。従って、カーボンでは耐久性に問題があり採用できなかった基板支持部(基板保持部分)6の薄肉化が可能となり、基板の利用できる部分が増えることになる。また、SiCは耐薬品性がカーボンより高く、付着物除去が容易で、且つ表面に付着しづらい為、再利用可能であり、しかも何度も使用可能となる。
【0024】
<実施形態2>
次に、第二の実施形態について説明する。これは、回転する板状のサセプタに、その中心から少し離れた位置にて周方向に自転型ホルダを複数配設し、その自転型ホルダにより基板の下面周縁部を支えることにより、成長面たる下面をガス流路側に向けて(フェイスダウン)基板を支持すると共に、その基板の裏面側からサセプタをヒータで加熱し、サセプタ中心部分から放射状に原料ガスを流し、加熱された基板上で化合物半導体結晶を有機金属気相成長法にてエピタキシャル成長させる化合物半導体製造装置の製造用治具に適用した例である。
【0025】
図2及び図3を併用して説明するに、サセプタ3は図2に示すように円板形をしており、その円板面内には同一円上に均等に6つの円形の開口部5がサセプタを上下に貫いて設けられ、各々の開口部5内には自転型ホルダ13が配置され、且つ互いに連動するように歯車付けされている。そして、この自転型ホルダ13により基板4の下面周縁部を支えることにより、半導体基板4がその表面を下(フェイスダウン)にして収納配置され、更にその上に均熱板7が重ねられて収納配置される。この半導体基板4を開口部5内に載置し支持する構造を得るため、自転型ホルダ13の下面周縁部には、図3に示すように開口部5の中心方向に張り出した段差から成る基板支持部6が一体に形成されており、半導体基板4は、この基板支持部6に外周部が支えられて開口部5の下面に保持される。
【0026】
本発明に従い、上記自転する治具たる自転型ホルダの材質は歯車の部分も含めSiC製であり、また、上記基板を公転させる治具たるサセプタ3の材質もSiC製である。更に、上記基板上に載置する均熱板7もSiC製である。
【0027】
SiCは、非常に強度が有り、微細加工可能である。従って、成長面を下面(フェイスダウン)としたフェイスダウン型自転ホルダ13に適用することで、カーボンでは耐久性に問題があり採用できなかった基板支持部(基板保持部分)6の薄肉化が可能となり、基板の利用できる部分が増えることになる。また歯車もSiC製であるため、カーボン製の場合に較べ、摩擦で粉の発生やその付着が生じる程度が少ない。さらにまた、SiCは耐薬品性がカーボンより高く、付着物除去が容易で、且つ表面に付着しづらい為、再利用可能であり、しかも何度も使用可能となる。
【0028】
上記SiC製自転基板ホルダ13を用いて、基板上に化合物半導体層(代表的なAlGaAs層Al組成30%)を成長した結果、表面の異物数が、従来のカーボン製ホルダを使用した場合に比べ、約10分の一に減少した。また、耐薬品性ということで、一度使用後、薬液洗浄後に取り込まれた水分除去に要した焼きだし時間を比較したのが表1である。本発明によるSiC製治具の方が圧倒的に速く、すなわち従来の約6分の一の焼きだし時間で、利用可能となる。
【0029】
【表1】
【0030】
上記した実施の形態では、化合物半導体基板上に、化合物半導体を有機金属気相成長法で成長させる化合物半導体製造装置において、成長させる反応室の型式が横型フロー方式(図4(b))又は自公転型方式(図4(d))で、且つ、成長面を下面(フェイスダウン)とする化合物半導体製造装置に関して、サセプタ3の材質や自転型ホルダ13の材質及び均熱板7の材質を、SiC製とした。しかし、これら以外の方式の治具、例えば、縦型フロー方式(図4(a))や公転方式(図4(c))の治具についてもSiC製とすることが可能である。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、次のような優れた効果が得られる。
【0032】
本発明によれば、基板を公転させる治具たるサセプタの材質又は自転する治具たる自転型ホルダの材質をSiC製としたので、カーボンでは耐久性に問題があり採用できなかった基板保持部分の薄肉化が可能となり、基板の利用できる部分が増えることになる。また、SiCは耐薬品性がカーボンより高く、付着物除去が容易で、且つ表面に付着しづらい為、再利用可能であり、しかも何度も使用可能である。
【0033】
従って、本発明を適用することにより、化合物半導体製品の歩留まりを向上させ、且つ製造コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る化合物半導体製造装置の構造を示した断面図である。
【図2】図1のサセプタの詳細を半導体基板及び均熱板を装着した状態で示した平面図である。
【図3】図1の化合物半導体製造装置におけるサセプタの開口部分の断面図である。
【図4】本発明を適用可能な化合物半導体製造装置の主なリアクター方式を示した図である。
【符号の説明】
1 化合物半導体製造装置
2 反応管
3 サセプタ
4 半導体基板
5 開口部
6 基板支持部
7 均熱板
13 自転型ホルダ
Claims (3)
- 回転する板状のサセプタに、複数の基板を、サセプタ中心から少し離れた位置にて周方向に配設し、且つ成長面たる下面をガス流路側に向けて支持し、その基板の裏面側からサセプタをヒータで加熱し、サセプタ中心部分から放射状に原料ガスを流し、加熱された基板上で半導体結晶をエピタキシャル成長させる化合物半導体製造装置の製造用治具において、
上記基板を公転させる治具たるサセプタの材質をSiC製としたことを特徴とする半導体装置製造用治具。 - 回転する板状のサセプタに、その中心から少し離れた位置にて周方向に自転型ホルダを複数配設し、その自転型ホルダにより基板の下面周縁部を支えることにより、成長面たる下面をガス流路側に向けて基板を支持すると共に、その基板の裏面側からサセプタをヒータで加熱し、サセプタ中心部分から放射状に原料ガスを流し、加熱された基板上で化合物半導体結晶を有機金属気相成長法にてエピタキシャル成長させる化合物半導体製造装置の製造用治具において、
上記自転する治具たる自転型ホルダの材質をSiC製としたことを特徴とする半導体装置製造用治具。 - 請求項2記載の半導体装置製造用治具において、
上記基板を公転させる治具たるサセプタの材質をSiC製としたことを特徴とする半導体装置製造用治具。
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-
2002
- 2002-09-06 JP JP2002261328A patent/JP2004103708A/ja not_active Withdrawn
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