JP2002134425A - 気相成長方法 - Google Patents

気相成長方法

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JP2002134425A
JP2002134425A JP2000330393A JP2000330393A JP2002134425A JP 2002134425 A JP2002134425 A JP 2002134425A JP 2000330393 A JP2000330393 A JP 2000330393A JP 2000330393 A JP2000330393 A JP 2000330393A JP 2002134425 A JP2002134425 A JP 2002134425A
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coil
gas
susceptor
silicon single
purge gas
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JP2000330393A
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Inventor
Takeshi Nishizawa
毅 西澤
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Shin Etsu Handotai Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Handotai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 縦型気相成長装置によりシリコン単結晶基板
上に薄膜を気相成長させる方法であって、薄膜のオート
ドープ量を抑制することができる気相成長方法を提供す
る。 【解決手段】 反応容器2内に配置された誘導加熱コイ
ル6をコイルカバー7で囲み、コイルカバー7で囲まれ
た空間をコイルパージガスGでパージする。その状態で
誘導加熱コイル6を用いてサセプタ5を誘導加熱し、サ
セプタ5に載置されたシリコン単結晶基板12を加熱し
つつ原料ガスを供給し、シリコン単結晶基板12上に薄
膜を気相成長させる。このとき、コイルカバー7のサセ
プタ裏側空間16と接する壁部に、コイルパージガスG
の流出部としての穴14を形成しておき、この穴14か
ら流出させたコイルパージガスGで、サセプタ5とコイ
ルカバー7との隙間16をパージする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン単結晶基
板上に薄膜を気相成長させる方法に関し、特に薄膜中へ
のオートドープ量を抑制する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】加熱されたシリコン単結晶基板上に、ジ
クロロシラン(SiHCl)、トリクロロシラン
(SiHCl)、四塩化珪素(SiCl)等の原料
ガスを水素(H)等のキャリヤガスやホスフィン(P
)、ジボラン(B)等のドーパントガスと共
に供給して薄膜を気相成長させる技術は、従来より良く
知られている。シリコン単結晶基板上に薄膜を気相成長
させる際、シリコン単結晶基板と薄膜との界面におい
て、不純物濃度がシリコン単結晶基板の濃度から薄膜の
濃度へ急峻に変化することが通常好ましい。また、薄膜
全体の抵抗率が特性に影響を与えるパワーMOSFET
用等のシリコンエピタキシャルウェーハの製造において
は、不純物濃度がシリコン単結晶基板の濃度から薄膜の
濃度へ変化していく遷移領域の不純物濃度プロファイル
を一定に維持することが重要である。ここで不純物濃度
プロファイルとは、シリコンウェーハ中における該ウェ
ーハ厚さ方向の不純物濃度分布を意味する。また、シリ
コンウェーハとは、シリコン単結晶基板、シリコンエピ
タキシャルウェーハ等、シリコンにより形成されたウェ
ーハの総称である。
【0003】薄膜の気相成長の際には、オートドーピン
グ現象のために遷移領域の不純物濃度プロファイルが変
化する場合がある。オートドーピング現象とは、狭義に
は基板中にもともと添加されていた不純物が反応容器内
に一旦遊離し、薄膜成長中にその不純物が再度薄膜に取
り込まれることをいうが、本明細書においては、シリコ
ン単結晶基板のみではなく、反応炉の内壁あるいはサセ
プタ等の治具に付着していた不純物が遊離し、薄膜の成
長中に薄膜に取り込まれる現象も含めることにする。こ
のオートドーピング現象により薄膜中に取り込まれる不
純物濃度(オートドープ量)が大きくなると、遷移領域
の不純物濃度プロファイルの変化が無視できなくなり、
抵抗率の特性劣化を生じたりする。
【0004】また、オートドープ量は、シリコン単結晶
基板の不純物濃度、薄膜の気相成長前に行われるシリコ
ン単結晶基板のエッチング量、気相成長温度、気相成長
速度のみならず、その時々の反応炉の雰囲気により変化
するため、製造工程間においてばらつきが生じやすい。
このとき、オートドーピング現象の影響が無視できない
程度であると、オートドープ量のばらつきが不純物濃度
のばらつきに直接的に現れ、その結果、製造工程間の抵
抗率安定性が損なわれることになる。したがって、シリ
コン単結晶基板上に薄膜を気相成長させるときには、こ
のオートドーピング現象を抑制することが重要となる。
特に、高濃度に不純物が添加されたシリコン単結晶基板
上にシリコン単結晶薄膜を気相成長する際や、シリコン
単結晶基板に、燐(P)、砒素(As)あるいは硼素
(B)のようにオートドープ量の大きい不純物が添加さ
れている場合には、オートドーピング現象の影響が大き
いことが知られており、オートドーピング現象を抑制す
ることがより重要となる。
【0005】ところで、シリコン単結晶基板上に単結晶
薄膜をエピタキシャル成長するための気相成長装置とし
ては、バレル型(シリンダー型)、枚葉型、あるいは縦
型(パンケーキ型)等がある。図5は縦型気相成長装置
20の模式図である。ベースプレート(base plate)1
上にSUS製の反応容器(ベルジャー)2を配置し、そ
の内面に沿って石英製のインナーベルジャー(inner be
lljar)3が保持されている。反応容器2とインナーベ
ルジャー3の間にはパージガスが流れ、反応ガス排気口
10から排出される。インナーベルジャー3内には、ベ
ースプレート1の中心を貫通し、回転可能に保持された
回転軸4、該回転軸4に保持されたサセプタ5、該サセ
プタ5を高周波誘導加熱する誘導加熱コイル6、該誘導
加熱コイル6を囲むコイルカバー(coil cover)7、ガ
スをインナーベルジャー3内に供給するガスノズル11
等が配置されている。気相成長の際には、サセプタ5上
にシリコン単結晶基板12を載置し、誘導加熱コイル6
によりサセプタ5を高周波誘導加熱し、サセプタ5を介
して、シリコン単結晶基板12を加熱する。そして、そ
の状態で、回転軸4と同芯に配置されたガスノズル11
からキャリヤガスやドーパントガスと伴に原料ガスをイ
ンナーベルジャー3内に供給することによって、シリコ
ン単結晶基板12上に、薄膜を成長させるようになって
いる。このキャリヤガス、ドーパントガス、原料ガスを
含む混合ガス(以下、単に反応ガス13ともいう)は、
サセプタ5上を流れた後、コイルカバー7の外周面とイ
ンナーベルジャー3の内面との間を通過して反応ガス排
気口10から排出される。
【0006】誘導加熱コイル6は主に銅で形成されてい
るので、該誘導加熱コイル6がSiHCl、SiH
Cl等の塩素系の原料ガス、あるいはインナーベルジ
ャー3内に堆積したシリコンをエッチングするために用
いられる塩化水素(HCl)等の塩素系ガスと接触する
と、徐々に腐食する。そこで、この腐食を防止するため
に、誘導加熱コイル6をコイルカバー7により囲んで原
料ガス等の塩素系ガスがコイルカバー7で囲まれた空間
(以下、コイルカバー内ということがある。)に侵入す
ることを防止するとともに、コイルカバー7内にコイル
パージガスGを供給することにより、コイルカバー7内
に侵入した上記塩素系ガスをパージしている。コイルパ
ージガスGは図5(b)に示すように、コイルパージガ
ス供給口8からコイルカバー7内に供給され、コイルカ
バー7内をパージした後、コイルパージガス排気口9か
ら排出されるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような縦型気相成長装置において気相成長を行った場合
は、枚葉型気相成長装置において気相成長を行った場合
と比較して、オートドーピング現象が生じやすい。これ
は、枚葉型気相成長装置内にはシリコン単結晶基板12
を1枚しか仕込めないのに対し、縦型気相成長装置内に
は通常複数枚のシリコン単結晶基板12を仕込むためで
あり、また、それぞれの反応容器内に供給されるガスの
流れ方が異なるために、反応容器内の置換効率に差が現
れるためである。そこで、このような従来の縦型気相成
長装置においては、通常ガスノズル11からインナーベ
ルジャー3の内側に供給する水素(H)等のパージガ
スの流量を増加させることにより、オートドープ量を抑
制するようにする。しかしながら、このような方法で
は、パージガスの流量増加に伴い、製造コストが上昇す
るという問題がある。
【0008】本発明の課題は、縦型気相成長装置により
シリコン単結晶基板上に薄膜を気相成長させる方法であ
って、薄膜中へのオートドープ量を抑制することができ
る気相成長方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記課題
を解決するために本発明の気相成長方法は、反応容器内
に配置された誘導加熱コイルをコイルカバーで囲み、該
コイルカバーで囲まれた空間をコイルパージガスでパー
ジしながら、前記誘導加熱コイルを用いてサセプタを誘
導加熱し、該サセプタに載置されたシリコン単結晶基板
を加熱しつつ原料ガスを供給することにより、前記シリ
コン単結晶基板上に薄膜を気相成長する方法において、
前記コイルカバーにコイルパージガスの流出部を形成し
ておき、前記コイルカバーと前記サセプタの隙間を前記
コイルパージガスの流出部から流出させたコイルパージ
ガスでパージすることによりオートドープ量を抑制する
ことを特徴とする。
【0010】縦型気相成長装置において薄膜中へのオー
トドープ量が大きくなる一つの原因は、サセプタとコイ
ルカバーとの間の空間に原料ガスが入りこみ、サセプタ
裏面に原料ガスに基づく堆積物が付着し、このサセプタ
裏面の堆積物から遊離した不純物が、薄膜中へオートド
ーピングされることである。そこで、本発明において
は、反応容器内に配置されたサセプタとコイルカバーの
隙間(以下、単にサセプタ裏側空間ともいう)にコイル
パージ用のパージガスを流出させるようした。このよう
にすることによって、サセプタの裏面あるいはコイルカ
バー上に付着した堆積物から気相中に遊離した不純物が
コイルパージ用のパージガスでパージされるので、オー
トドープ量が抑制される。なお、サセプタ裏側空間に流
出させるパージガスは、オートドーピング現象を抑制す
るのに必要十分な流量にする。
【0011】また、コイルカバー内に供給されたコイル
パージガスをサセプタ裏側空間に流出させ、該サセプタ
裏側空間をパージするためのパージガスとして再度利用
するので、装置に供給するガス流量を増加させる必要が
ない。ただし、サセプタ裏面に原料ガスに基づく堆積物
が付着した場合、この堆積物はオートドープ量に影響を
与えるが、このような堆積物からのオートドーピング現
象を防止するために、堆積物のサセプタ裏面への付着を
防止するのに必要十分な流量のコイルパージガスを供給
することが望ましい。
【0012】コイルパージガスの前記流出部は、例え
ば、前記サセプタの裏面側に面する前記コイルカバーの
壁部に形成された穴であり、該穴は、前記コイルカバー
で囲まれた空間に原料ガスが流入することをコイルパー
ジガスで抑止しうる直径を有することが好ましい。コイ
ルカバーのサセプタ裏面側に面する壁部に穴を形成する
ことにより、コイルパージガスが、この穴を介してコイ
ルカバー内から直接的にサセプタ裏側空間に流出するの
で、該サセプタ裏側空間をパージすることが容易とな
る。ただし、誘導加熱コイルが原料ガス等の塩素系ガス
と接触して腐食することを防止するため、コイルカバー
内に原料ガス等の塩素系ガスが流入しない程度の圧力で
コイルパージガスがサセプタ裏側空間に流出するよう
に、コイルカバーに形成する穴の直径を調整する。コイ
ルカバー内に原料ガスが流入すると、該原料ガスに起因
する堆積物がコイルカバー内に形成されるので、原料ガ
ス流入の有無を目視で観察することができる。そこで、
コイルカバー内に堆積物が形成されない大きさに穴の直
径を調節するとよい。
【0013】シリコン単結晶基板上に成長する薄膜は、
例えばシリコン単結晶薄膜である。また、シリコン単結
晶基板に、砒素、硼素、あるいは燐のうちいずれかが不
純物元素として添加される場合、これらの元素は特にオ
ートドーピング量の大きい不純物元素であるので、本発
明を適用するとより効果的である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1に、本発明の気相成長方法に基づく縦
型気相成長装置30の一例を模式的に示す。図1は、図
5に示す縦型気相成長装置20において、コイルカバー
7に流出部としての穴14をコイルカバー7のサセプタ
裏面に面する壁部に形成したものである。図1(b)に
示すように、コイルパージガスGはコイルカバー7内を
パージするとともに、その一部が穴14を介してサセプ
タ裏側空間16に流出し、サセプタ裏側空間16を常に
パージする。その結果、サセプタ裏側空間16に原料ガ
ス等の塩素系のガスが侵入することを抑制することがで
きるとともに、サセプタ5の裏面あるいはコイルカバー
7上に付着した堆積物からサセプタ裏側空間16に遊離
した不純物を該サセプタ裏側空間16から直ちに除去す
ることができる。コイルパージガスGが流出する穴14
の直径は、コイルカバー7内に原料ガス等の塩素系ガス
が侵入しない程度に小さくすることにより、誘導加熱コ
イル6が腐食されることを防止する。サセプタ裏側空間
16をパージしたコイルパージガスGは、コイルカバー
7の外周側面とインナーベルジャー3の内面との間を通
過する反応ガス13とともに、反応ガス排気口10から
排気される。なお、コイルカバー7としては、塩素系ガ
スに対する耐食性の高さから石英製のものを好適に使用
することができる。
【0015】コイルカバー7に形成する穴14は、例え
ば図2のようにすることができる。図2(a)は、コイ
ルカバー7の平面図であり、図2(b)は該コイルカバ
ー7及びその周辺部位の縦断面図であって、コイルパー
ジガスGの流出経路も同時に示している。コイルカバー
7の上面には、複数の穴14がコイルカバー上面の中心
位置を取り囲み、内側と外側の2列に90°の等角度間
隔で形成されている。なお、内側の穴列と外側の穴列と
で、その形成角度位置を互いに45°ずらしている。
【0016】次に、本発明のシリコン単結晶薄膜の気相
成長方法を図1を用いてさらに具体的に説明する。ま
ず、複数のシリコン単結晶基板12をサセプタ5に載置
した後、反応容器2内から空気をパージするために、ガ
スノズル11及びコイルパージガス供給口8から窒素
(N)ガスを供給しながら、雰囲気ガスを反応ガス排
気口10から排気する。その後、その窒素を気相成長雰
囲気である水素と置換させるために水素(H)ガスを
供給する。そして、誘導加熱コイル6の高周波誘導電源
(以下、RF電源ともいう)にRF電圧を印加して、発
生した高周波によりサセプタ5を誘導加熱し、サセプタ
5を介してシリコン単結晶基板12の加熱を開始する。
ここでサセプタ5としては、高純度化した黒鉛基板の表
面を炭化珪素(SiC)の薄膜でコーティングしたもの
が好適に使用できる。
【0017】次にシリコン単結晶基板12の表面を気相
エッチングする。エッチングは、温度を1000℃〜1
200℃の範囲に設定したあと、インナーベルジャー3
の内側に水素ガス又は/及び塩化水素ガスを供給するこ
とにより行う。気相エッチング後にベルジャー2内に遊
離した不純物等を水素ガスで十分にパージした後、加熱
温度を1000℃〜1100℃の温度範囲にて安定さ
せ、薄膜の気相成長を開始する。
【0018】気相成長を開始するために例えば、キャリ
アガスとしての水素ガスと、原料ガスとしてのトリクロ
ロシランとドーパントガスとしてのホスフィンからなる
反応ガス13をガスノズル11から供給すると、シリコ
ン単結晶基板12の主表面上にシリコン単結晶薄膜がエ
ピタキシャル成長する。なお、反応ガス13がインナー
ベルジャー3の内側に供給されているときも、コイルパ
ージガスGとして水素ガスがコイルカバー7に囲まれた
空間に供給され続けている。このコイルパージガスGを
サセプタ裏側空間16に流出させることによって、オー
ドドープ量を抑制する。
【0019】次にシリコン単結晶薄膜のエピタキシャル
成長が完了すれば、RF電源を切ってサセプタ5及びシ
リコン単結晶基板12への加熱を停止し、ベルジャー2
内に残留している残留生成ガスを十分に水素ガスでパー
ジしながら、ベルジャー2内の温度を低下させる。所定
時間経過後、ベルジャー2内の雰囲気を窒素ガスにて置
換し、シリコン単結晶薄膜が形成されたシリコンエピタ
キシャルウェーハをベルジャー2内から取り出す。
【0020】なお、コイルパージガスGをサセプタ裏側
空間16に流出させる方法としては、図3又は図4に示
す形態を採用することもできる。図2と同様に図3、及
び図4には、コイルカバー7の平面図(a)とともに、
コイルカバー7とその周辺部位の縦断面図(b)が示さ
れている。図3においては、コイルカバー7の内周側面
にコイルパージガスGの流出部19が形成されている。
該流出部19は、分散的に形成された複数の穴の集合で
あっても良いし、コイルカバー7の内周側面を周方向に
沿ってリング状に開口させたものであっても良い。この
ような形態にて流出部19を形成すると、図3(b)に
示すように、コイルパージガスGは当該流出部19を介
してコイルカバー7の内周側面と回転軸4との隙間δ1
に一旦流出し、その後サセプタ裏側空間16に導入され
ることになる。
【0021】また、図4においては、回転軸4の周りに
筒状のコイルカバー内周側面部7bが形成されており、
コイルカバー上面部7aとともにコイルカバー7を構成
している。コイルカバー内周側面部7bの側面と、コイ
ルカバー上面部7aの内径端部7dとの間には隙間δ2
が形成されており、コイルカバー内周側面部7bの上端
部には、コイルカバー7の外周方向に向かって屈曲した
屈曲部7cが形成されている。そして、隙間δ2と屈曲
部7cとによりコイルパージガスGの流出部18が構成
されている。このような場合は、コイルパージガスGは
隙間δ2からサセプタ裏側空間16に流出し、屈曲部7
cによりその進行方向を矯正され、コイルカバー7の外
周側に流れていくことになる。
【0022】
【実施例】(実施例1)以下、本発明の効果を調べるた
め、本発明の気相成長方法に基づく気相成長装置30
(図1に記載)によりシリコンエピタキシャルウェーハ
を製造した。本実施例においては、シリコン単結晶基板
12上に形成される薄膜は、シリコン単結晶薄膜である
が、本発明の気相成長方法はこれに限られるものではな
い。まず、直径125mm、厚さ0.5mm、面方位
(100)であり、高濃度(不純物濃度:8×1019
個/cm)の砒素(As)を不純物として添加したn
型のシリコン単結晶基板12を用意し、サセプタ5上
に載置する。
【0023】次に、反応容器2内及びコイルカバー7内
の空気を窒素ガスによりパージした後、その窒素ガスを
水素ガスにてパージする。そして、RF電源を入れて加
熱を開始し、シリコン単結晶基板12を水素雰囲気中に
て1130℃まで昇温させて温度が安定するまで保持す
る。このとき、シリコン単結晶基板12の表面は水素ガ
スによりエッチングされて、該シリコン単結晶基板12
上の自然酸化膜は除去される。
【0024】続いて、原料ガスとしてのトリクロロシラ
ンとドーパントガスとしてのホスフィンとキャリアガス
としての水素ガスとからなる反応ガス13をガスノズル
11からベルジャー2内に180リットル/分の流量に
て供給し、抵抗率約1.2Ω・cm、厚さ約5μmのn
型エピタキシャル層を基板上に成長させる。この気相成
長の際、縦型気相成長装置30のコイルカバー7内を流
量80リットル/分の水素ガスからなるコイルパージガ
スGにより常時パージするとともに、コイルカバー7に
形成されている穴14からサセプタ裏側空間16にコイ
ルパージガスGを常時流出させる。なお、コイルカバー
7は、外径83cm、容積は0.12m 、上面には図
2(a)に示すような直径6mmφの穴14を8つ形成
したものを使用する。
【0025】(比較例1)従来の気相成長方法に基づく
縦型気相成長装置20(図5)により、比較試料のシリ
コンエピタキシャルウェーハを製造する。この際気相成
長装置20のコイルカバー7に穴14が全く形成されて
いないこと以外は、すべて上記実施例と同じ条件でエピ
タキシャル層を成長させる。このとき、コイルパージガ
スGはコイルカバー7内のみをパージしており、サセプ
タ裏側空間16にはパージガスGを流出させない。
【0026】実施例1と比較例1から得られたそれぞれ
のシリコンエピタキシャルウェーハに対して、まず、バ
ッチ間の抵抗率の安定性を調べた。各バッチより1枚の
シリコンエピタキシャルウェーハについて、成長した薄
膜の表面から2μmの深さにおいてC−V(Capacitanc
e‐Voltage)法により抵抗率を測定し、バッチ間におけ
る抵抗率の平均値、標準偏差(σ)、および工程能力指
数(Cp)を求めた。工程能力指数(Cp)はCp=規
格幅(T)/6σとして求めた。規格幅(T)は1.2
±0.1Ω・cmとした。結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】表1から明らかなように、本発明の気相成
長方法により製造したシリコンエピタキシャルウェーハ
は、従来の方法で製造したものと比較すると、標準偏差
(σ)が減少し工程能力指数(Cp)が増加している。
つまり、バッチ間の抵抗率のばらつきが抑えられている
ことがわかる。
【0029】次に、得られたシリコンエピタキシャルウ
ェーハに対して深さ方向の拡がり抵抗(SR:Spreding
Resistance)を測定した。SRプロファイルからオート
ドープ量の評価をすることができる。図6は得られたS
Rプロファイルである。実線で示されているのが本発明
例のSRプロファイルであり、点線で示されているのが
比較例のSRプロファイルである。SRプロファイルの
形状を遷移領域において比較すると、従来の方法による
ものは勾配が緩やかに変化しているが、本発明によるも
のはより急勾配に変化していることがわかる。すなわ
ち、バッチ間の抵抗率のばらつき及びSRプロファイル
の形状から、本発明により、従来よりも薄膜中のオート
ドープ量を抑制できることがわかる。なお、本実施例1
において穴14を8つ形成したコイルカバー7を使用し
たが、コイルカバー7内へのシリコンの堆積が観察され
なかったことから、コイルカバー7内への原料ガスの流
入を抑止できていることを確認した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気相成長方法に基づいた縦型気相成長
装置の模式図。
【図2】コイルカバーの上面に形成される穴の具体的な
形態を示す図。
【図3】コイルパージガスをサセプタ裏側空間に流出さ
せるための手段の一例を示す図。
【図4】コイルパージガスをサセプタ裏側空間に流出さ
せるための図3とは違う手段の一例を示す図。
【図5】従来の気相成長方法に基づいた縦型気相成長装
置の模式図。
【図6】SRプロファイルの測定結果を示す図。
【符号の説明】
2 反応容器(ベルジャー) 6 誘導加熱コイル 7 コイルカバー G コイルパージガス 5 サセプタ 12 シリコン単結晶基板 14 流出部(穴) 18、19 流出部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応容器内に配置された誘導加熱コイル
    をコイルカバーで囲み、該コイルカバーで囲まれた空間
    をコイルパージガスでパージしながら、前記誘導加熱コ
    イルを用いてサセプタを誘導加熱し、該サセプタに載置
    されたシリコン単結晶基板を加熱しつつ原料ガスを供給
    することにより、前記シリコン単結晶基板上に薄膜を気
    相成長する方法において、 前記コイルカバーにコイルパージガスの流出部を形成し
    ておき、前記コイルカバーと前記サセプタの隙間を前記
    コイルパージガスの流出部から流出させたコイルパージ
    ガスでパージすることによりオートドープ量を抑制する
    ことを特徴とする気相成長方法。
  2. 【請求項2】 コイルパージガスの前記流出部は、前記
    サセプタの裏面側に面する前記コイルカバーの壁部に形
    成された穴であり、該穴は、前記コイルカバーで囲まれ
    た空間に原料ガスが流入することをコイルパージガスで
    抑止しうる直径を有することを特徴とする請求項1に記
    載の気相成長方法。
  3. 【請求項3】 前記薄膜は、シリコン単結晶薄膜である
    ことを特徴とする請求項1に記載の気相成長方法。
  4. 【請求項4】 前記シリコン単結晶基板には、砒素が添
    加されていることを特徴とする請求項1ないし3のいず
    れかに記載の気相成長方法。
  5. 【請求項5】 前記シリコン単結晶基板には、硼素が添
    加されていることを特徴とする請求項1ないし3のいず
    れかに記載の気相成長方法。
  6. 【請求項6】 前記シリコン単結晶基板には、燐が添加
    されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の気相成長方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005093136A1 (ja) * 2004-03-29 2005-10-06 Cxe Japan Co., Ltd. 支持体並びに半導体基板の処理方法
JP2007042844A (ja) * 2005-08-03 2007-02-15 Furukawa Co Ltd 気相成長装置及びサセプタ
JP2010059498A (ja) * 2008-09-04 2010-03-18 Tokyo Electron Ltd 成膜装置、基板処理装置、成膜方法及びこの成膜方法を実行させるためのプログラムを記録した記録媒体

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