(本発明の実施の一形態)
本発明の実施の一形態を図1〜図31に基づいて説明する。
本実施の形態の商品販売データ処理装置は、POS端末101(図1等参照)への適用例である。このPOS端末101について詳細に説明する前に、POS端末101が設置される店舗301(図1等参照)での販売形態について述べる。
図1は、POS端末101が設置される店舗301を示す模式図である。店舗301は、売場302、チェックアウトコーナー303及びバックヤード304に区分されている。店舗301の入口ドア305を開けると売場302に至り、売場302から通路306を介してチェックアウトコーナー303に入れるようになっている。売場302及びチェックアウトコーナー303とバックヤード304との間は仕切られており、ドア307によって開閉可能となっている。
売場302には、複数個の商品陳列棚308が配置されており、これらの商品陳列棚308には現実の商品Aの他に、注文札Oが陳列されている。
チェックアウトコーナー303には、二台のPOS端末101が設置されている。
バックヤード304には、ストアサーバ401が設置されている。
ここで、現実の商品Aと注文札Oとについて説明を加える。現実の商品Aは購入後にそのまま持ち帰る商品であり、注文札Oは購入後に配送してもらう商品を札として表現している。すなわち、後述する商品載置領域105(図2参照)に載置される商品とは、現実の商品Aと注文札Oとを示すものである。現実の商品Aにも注文札Oにも、近距離無線通信用の無線タグ(図示せず)が取り付けられている。無線タグのメモリには、この無線タグが付されている商品A又は注文札Oが表現している商品についての各種商品情報が記憶保存されている。代表的な商品情報は、その商品の種類を識別するための商品コードである。その他、無線タグのメモリには、現実の商品Aと注文札Oとを識別するための識別コードも記憶保存されている。現実の商品Aに付される無線タグのメモリには現実の商品であることを特定する識別コードが、注文札Oに付される無線タグのメモリには注文札であることを特定する識別コードがそれぞれ記憶保存されている。注文札Oは、一例として、カード形態や棒状形態をしている。商品陳列棚308に陳列できる形態であれば、注文札Oの形態はどのようなものであっても良い。もっとも、注文札Oには、それが表現している商品の名称や価格等が印刷等によって表示されていることが望ましい。
図2は、対面販売中であるPOS端末101を示す斜視図である。POS端末101は、チェックアウトカウンタ102をその構成要素として含み、チェックアウトカウンタ102と一体に構成されている。チェックアウトカウンタ102は、その天板面の一部領域に、情報を表示するディスプレイ103を備える。ディスプレイ103としては、液晶表示ディスプレイ、プラズマディスプレイ等を用いることができる。このようなディスプレイ103にはタッチパネル104が積層配置されている。チェックアウトカウンタ102の天板面において、ディスプレイ103及びタッチパネル104が配置されていない他の一部領域は、購入する商品を載置するための商品載置領域105となっている。チェックアウトカウンタ102の天板面におけるディスプレイ103及びタッチパネル104の配置領域と商品載置領域105との区別については、図4に示す通りである。図4中、便宜上、ディスプレイ103及びタッチパネル104の配置領域をOA、商品載置領域105をPAと表記して示す。
チェックアウトカウンタ102には、近距離用の無線通信部106と、近距離無線通信用のリーダライタ107と、秤部108と、音声認識ユニット109と、音響ユニット110とが内蔵されている(いずれも図3参照)。
無線通信部106は、商品載置領域105に載置された品物に付されている近距離無線通信用の無線タグとデータ通信を実行し、無線タグからその記憶データを取得する。つまり、無線通信部106は、商品載置領域105に図示しないアンテナを埋設し、RFID(Radio Frequency Identification)の技術を用いて無線タグとデータ通信を実行する。無線通信部106が近距離無線通信をする対象物は、代表的には前述した現実の商品A及び注文札Oに付されている無線タグである。その他、無線通信部106は、顧客が所持する会員カードCに内蔵されている無線タグとの間でも近距離無線通信を実行する。この場合、会員カードCは、商品載置領域105に載置する商品Aや注文札Oを収納するショッピングバスケット309に取り付けられた状態となっている。
リーダライタ107は、RFID技術によって決済可能な非接触型のICチップとの間で通信する。ICチップは、一例として、現金と等価な価値を有する電子マネーを記憶保存するデータ構造のものが用いられる。別の実施の一形態として、ICチップは、引き落し銀行口座を特定するための識別番号を記憶保存し、決済に際して利用されるデビット型のものであってもよい。いずれにしても、ICチップは、例えばカードに埋め込まれたり、携帯電話に内蔵されたりしている。
秤部108は、一例としてロードセル秤によって構成され、チェックアウトカウンタ102の天板面に配置されている商品載置領域105に載置された品物の重量を計量する。
音声認識ユニット109は、マイク111から取り込んだ音声のアナログ信号をADコンバータによってデジタル信号に変換し、デジタル信号に変換された音声信号を不特定話者の音声認識用のデジタル回路で音声認識する(いずれも図示せず)。この際、音声認識用のデジタル回路が有している音声辞書を参照して音声認識を行ない、認識結果である音声をコードデータとして出力する。ADコンバータ及びデジタル回路は、例えば集積回路として集積化されている。なお、不特定話者の音声を認識するための回路としては、既存のあらゆる回路構成を採用することができる。
音響ユニット110は、音声や各種の効果音等の音響を合成する音声合成LSIを内蔵し、この音声合成LSIによって合成された音声をスピーカ112から空間に出力する。
図2に示すように、本実施の形態のPOS端末101は、チェックアウトカウンタ102を挟んでキャッシャである店員と顧客とが対面した状態で商品の販売を行なうように構成されている。この際、POS端末101は、顧客が購入しようとする商品、その単価、合計金額等の取引情報を含む取引画面151をディスプレイ103に表示する。ディスプレイ103は、前述したように、チェックアウトカウンタ102の天板面上に上向きで配置されている。したがって、POS端末101は、店員と顧客とが共に視認することができるチェックアウトカウンタ102の天板面という特異な位置に取引情報を表示する。そして、店員及び顧客の双方は、共に、必要に応じてタッチパネル104をタッチ操作することで、ディスプレイ103に表示される表示状態を変化させたり、特定の指示を入力したりすることができる。この点については、図29〜図31に基づいて後に詳述する。
POS端末101は、まず、ディスプレイ103上に、取引画面151の基礎となる背景画像152を表示させる。そして、チェックアウトカウンタ102の商品載置領域105に商品Aや注文札Oが収納されたショッピングバスケット309が載置されたならば、無線通信部106が取得したそれらの商品Aや注文札Oに取り付けられている無線タグ(図示せず)の記憶データに基づいて後述する商品画像データベース210c(図3参照)から取得される商品の形態画像153を背景画像152上に展開して表示する。この際に背景画像152に展開して表示される商品は、一画面として表示できる限りにおいて、無線タグから記憶データを読み取られた全ての商品である。
図3は、POS端末101のハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末101は、前述したように、ディスプレイ103への情報表示処理とタッチパネル104からの情報入力処理とを実行し、無線タグと近距離無線通信を実行する無線通信部106、決済可能な非接触型のICチップとの間のデータ送受信処理を実行するリーダライタ107及び秤部108からのデータ受信処理を実行し、更に、決済処理を含む商品販売データ処理を実行する。このような各種の処理は、制御部201によって行なわれる。制御部201は、例えば動作シーケンスが書き込まれた半導体チップ構成のものであっても、メモリにプログラムを記憶させて動作するマイクロコンピュータ構成のものであっても良い。ここでは、マイクロコンピュータ構成の制御部201を紹介する。
制御部201の中核をなすのはCPU202である。CPU202には、固定データを固定的に記憶するROM203と、可変データを書き換え自在に記憶するRAM204と、ディスプレイ103に表示する表示画像を生成するVRAM205と、HDD206とがシステムバス207を介して接続されている。HDD206には、OS208(オペレーティングシステム)、商品販売データ処理用のコンピュータプログラム209、商品データベース210及び画像ライブラリー211が格納されている。これらのOS208、コンピュータプログラム209、商品データベース210及び画像ライブラリー211は、その全部又は一部がPOS端末101の起動時にRAM204に移されて使用される。以下、商品データベース210及び画像ライブラリー211について説明する。
商品データベース210は、店舗301で扱う各種の商品に関する情報を記憶するデータベースであり、商品データファイル210a、商品重量データベース210b及び商品画像データベース210cを含んでいる。
商品データファイル210aは、PLU領域210a−1と、商品音声体系領域210a−2と、商品色彩体系領域210a−3とを有している。
PLU領域210a−1は、個々の商品を特定する商品コードに対応させてその商品の単価とセット割引情報とを記憶している。セット割引情報は、セット割引が成立するための条件と、セット割引が成立した場合の割引に関する情報とを含んでいる。セット割引には、異なる商品がセットで購入される場合に成立するミックスアンドマッチ(M&M)と、同一商品がある個数購入される場合に成立する複数購入割引とがある。セット割引が成立するための条件として、PLU領域210a−1には、個々の商品コード毎に、ミックスアンドマッチ(M&M)が適用されるかどうかという情報とミックスアンドマッチ(M&M)を成立させる他の商品の商品コードとが記憶されている。また、セット割引が成立するための条件として、PLU領域210a−1には、個々の商品コード毎に、複数購入割引が適用されるかどうかという情報と複数購入割引が成立する場合の個数の情報とが記憶されている。そして、セット割引が成立した場合の割引に関する情報として、PLU領域210a−1には、割引金額、割引率、割引後の単価、セット割引を成立させている商品全体の割引後の価格等が記憶されている。
商品音声体系領域210a−2は、コードデータをキーとして、個々の商品の商品コードの階層構造を定義している。例えば、「りんご」に属する商品として、「世界一」、「ゴールデンデリシャス」、「ジョナゴールド」、「王林」、「千秋」、「つがる」、「青森産りんご」という七種類がPLU領域210a−1に異なる商品コードで記憶されているものと想定する。この場合、商品音声体系領域210a−2では、「りんご」というコードデータに対応付けて、それらの七種類の商品コードを紐付けして記憶している。これにより、「りんご」に割り当てられたコードデータからそれらの七種類の異なる商品コードで表現される商品を検索することが可能となる。
ここで、コードデータは、音声認識ユニット109が出力するコードデータに対応するコード体系を有している。例えば、音声認識ユニット109は、「りんご」という発話に対して「りんご」という音声を認識し、これに対応するコードデータを出力する。商品音声体系領域210a−2が管理しているデータコードは、そのような音声認識ユニット109が出力するデータコードに対応させている。したがって、本例の場合、商品音声体系領域210a−2は、音声認識ユニット109が「りんご」という音声認識に従い出力するデータコードと同一のデータコードに属する商品として、「世界一」、「ゴールデンデリシャス」、「ジョナゴールド」、「王林」、「千秋」、「つがる」、「青森産りんご」という七種類の商品の商品コードを記憶している。
商品色彩体系領域210a−3は、色彩をキーとして、個々の商品の商品コードの階層構造を定義している。つまり、本実施の形態では、色彩の指定に基づいて商品を検索できる仕組みが採用されている(図20〜図28参照)。そして、このような商品の検索手法については、後に、三種類のバリエーション(色彩登録処理(その一)、色彩登録処理(その二)、色彩登録処理(その三))を紹介する(図20〜図23、図24〜図25、図27〜図28参照)。商品色彩体系領域210a−3の記憶データの内容は、それらのバリエーションをなす商品の検索手法によって相違する。そこで、ここでは、検索手法毎にどのようなデータが商品色彩体系領域210a−3に記憶されているのかを紹介する。
商品の検索手法(その一)の場合、商品色彩体系領域210a−3には、ある商品を特定する商品コードとその配置位置とが紐付けによって対応付けられて、かつ、その配置位置が階層化されて定義されている。つまり、商品の検索手法(その一)では、色空間を形成するように商品の画像をドット状に配列してディスプレイ103に表示する。この場合、商品の画像としてカラー画像を用いる。したがって、その画像にはその商品の色彩が含まれているので、そのようなカラー画像を適宜に配列することで、ディスプレイ103に色空間画像CSp(図21〜図23参照)を表現することが可能となる。この場合、商品の画像は、商品色彩体系領域210a−3で配置位置が定義されている商品コードに基づいて後述する商品画像データベース210cから引用する。つまり、商品画像データベース210cには、後述するように、商品コードに対応付けてその商品の画像データが格納されている。
そして、商品色彩体系領域210a−3が定義する商品コードの配置位置の階層は、ディスプレイ103に表示する色空間画像CSpの縮小率に関係している。つまり、ディスプレイ103には、色空間画像CSpとして、図21に示すような全ての色彩を含む色空間画像CSpと図23に示すような拡大された一部の色彩の色空間画像CSpとが表示される。このため、同一の色彩であっても、全ての色彩を含む色空間画像CSpと一部の色彩の色空間画像CSpとではその配置位置が相違する。そこで、商品色彩体系領域210a−3には、色空間画像CSpの縮小率に応じた商品コードの配置位置が階層的に定義されている。配置位置の定義は、一例として、画像の中心点を配置すべきXY座標によってなされる。
商品の検索手法(その二)の場合、商品色彩体系領域210a−3には、ある色彩を特定する色彩コードとある商品を特定する商品コードとが1対1又は2以上の関係で紐付けによって対応付けられ、それらの配置位置が階層化されて定義されている。例えば、前述した「りんご」に属する商品を例に挙げると、PLU領域210a−1には、「りんご」に属する商品として、「世界一」、「ゴールデンデリシャス」、「ジョナゴールド」、「王林」、「千秋」、「つがる」、「青森産りんご」という七種類が異なる商品コードで記憶されている。商品の検索手法(その二)の場合、商品色彩体系領域210a−3に、それらの七種類の商品コードは、全て、「赤」という色彩を特定する単一の色彩コードに対応させて記憶されている。
そして、色彩コードは、商品色彩体系領域210a−3に、ディスプレイ103に前述した色空間画像CSpを表示することができるように配置位置が階層化されて定義されている。この場合の配置位置は、色彩コードによって特定される色彩が図25に示すように色ドット画像CDとしてドット表示される位置である。商品色彩体系領域210a−3には、一例として、色ドット画像CDを形成する全てのXY座標が配置位置として定義され、別の一例として、色ドット画像CDの中心をなすXY座標とこの座標点を中心とする半径とが配置位置として定義されている。また、「階層化」の意味は、商品の検索手法(その一)で紹介した意味内容と同一である。
ここで、実際にディスプレイ103に色空間画像CSpを表示する場合、CPU202は色彩コードをディスプレイ103の図示しない表示ドライバに送信する。これにより、表示ドライバは対応する色彩を表示し得るようにディスプレイ103を駆動制御し、その対応する色彩を表現する。
商品の検索手法(その三)の場合、商品色彩体系領域210a−3には、ある色彩を特定する色彩コードとある商品を特定する商品コードとが1対1又は2以上の関係で紐付けされて定義されており、これに加えて、ある色彩を特定する二色以上の色彩コードの組み合わせとある商品を特定する商品コードとが1対1又は2以上の関係で紐付けされて定義されている。例えば、「長葱」という商品は、白色と緑色とを有している。そこで、商品色彩体系領域210a−3には、「白色」を特定する色彩コードと「緑色」を特定する色彩コードとの組み合わせに対応させて、「長葱」という商品の商品コードが記憶されている。
商品の検索手法(その三)では、商品の検索手法(その一)及び商品の検索手法(その二)のような色空間画像CSpをディスプレイ103に表示しない。もっとも、商品の検索手法(その三)では、図28に示すように、複数色の色要素CEを含む色見本CSamとドロップエリアDAとをディスプレイ103に表示する。このような色見本CSam及びドロップエリアDAについては、商品色彩体系領域210a−3にその配置位置が定義されている。そして、商品色彩体系領域210a−3では、色見本CSamに含まれている個々の色要素CEが色彩コードに紐付けされて定義されている。
ついで、商品重量データベース210bは、個々の商品を特定する商品コードに対応させてその商品の重量を記憶している。重量は、一例として単一の重量値として記憶されており、別の一例として単一の重量値に許容されるべき上限値及び/又は下限値として記憶されており、更に別の一例としてある重量値範囲が記憶されている。
ついで、商品画像データベース210cは、個々の商品を特定する商品コードに対応させてその商品の画像データを記憶している。画像データは、商品の形態を視覚的に表現する形態画像153(図7、図8等参照)の画像データである。このような画像データとしては、例えば、商品の外観を写実的あるいは印象的に表現した2次元イラストレーション、3次元イラストレーション、デジタルカメラによって撮像された写真等が用いられる。
そして、画像ライブラリー211は、コンピュータプログラム209の実行に際して必要な各種の画像データやフレーム画像から構成されている。したがって、商品画像データベース210cは、画像ライブラリー211の一部を構成する。
制御部201には、ディスプレイ103、タッチパネル104、無線通信部106、リーダライタ107、秤部108、音声認識ユニット109及び音響ユニット110が、システムバス207に接続されたそれらの機器のコントローラやインターフェース(いずれも図示せず)を介して接続されている。したがって、それらのディスプレイ103、タッチパネル104、無線通信部106、リーダライタ107、秤部108、音声認識ユニット109及び音響ユニット110は、制御部201による制御を受ける。
制御部201には、システムバス207を介して通信インターフェース212も接続されている。通信インターフェース212は、例えば構内通信網402に接続され、外部に設置されたストアサーバ401等の各種外部機器と制御部201との間のデータ通信を実現させる。
図4は、ディスプレイ103に販売待機画面が表示されている状態を示すPOS端末101の平面図である。前述したように、図4中、便宜上、ディスプレイ103及びタッチパネル104の配置領域をOA、商品載置領域105をPAと表記して示している。PAとして表記されている商品載置領域105には、「ここにカゴをおいて下さい。」という顧客に対するインストラクションが印刷等によって表記されている。
制御部201は、ディスプレイ103を表示制御することで、ディスプレイ103及びタッチパネル104の配置領域OAに背景画像152を表示している。この背景画像152は、HDD206にインストールされてRAM204にコピーされている画像ライブラリー211に含まれている画像データに基づいて生成されている。背景画像152の基礎となる画像データは、2次元イラストレーションや3次元イラストレーションである。
制御部201は、また、ディスプレイ103を表示制御することで、ディスプレイ103及びタッチパネル104の配置領域OAに、取引情報表示欄154を表示している。取引情報表示欄154は、キャッシャである店員側に向けられた店員用の取引情報表示欄154aと顧客側に向けられた顧客用の取引情報表示欄154bとが用意されている。店員用の取引情報表示欄154aには、合計金額欄154a−1、値引金額欄154a−2及び買上点数欄154a−3が含まれており、更に、反転表示指示ボタン154a−4と一覧表示指示ボタン154a−5とが含まれている。また、顧客用の取引情報表示欄154bには、支払金額欄154b−1、値引金額欄154b−2、配送日時指定欄154b−3及びポイント指定欄154b−4が含まれており、更に、一覧表示指示ボタン154b−5及びかざし位置表示154b−6が含まれている。
合計金額欄154a−1及び支払金額欄154b−1は、顧客が購入しようとする商品の合計金額を表示するための欄である。
値引金額欄154a−2及び値引金額欄154b−2は、値引金額を表示するための欄である。
買上点数欄154a−3は、店員用の取引情報表示欄154にのみ表示される買上点数を表示するための欄である。
反転表示指示ボタン154a−4は、店員用の取引情報表示欄154aにのみ表示される背景画像152の表示内容の反転を指示するためのオブジェクトである。ここでいう反転というのは、背景画像152の表示内容の表示向きを店員の側と顧客の側とに切り換えることを意味する。
一覧表示指示ボタン154a−5及び一覧表示指示ボタン154b−5は、背景画像152に商品の一覧表示を指示するためのオブジェクトである。この場合の一覧表示には、図31の一覧表示画面155に示すように、商品画像データベース210c(図3参照)から取得される商品の形態画像153cを表示している
配送日時指定欄154b−3は、顧客用の取引情報表示欄154bにのみ表示され、デフォルト表示される配送日時をタッチパネル104でのタッチ操作によって変更指定するためのオブジェクトである。この場合にデフォルト表示される配送日時は、顧客が所持してショッピングバスケット309に取り付けられている会員カードCに内蔵されている無線タグの記憶データに記憶されている情報に基づき設定される。一例として、当該無線タグの記憶データとして、「決済日の翌日の午前9時〜午前11時」と記憶されているとすると、配送日時指定欄154b−3には、「明日 9:00〜11:00」とデフォルト表示される。
ポイント指定欄154b−4は、顧客用の取引情報表示欄154bにのみ表示されるオブジェクトであり、顧客の現在の蓄積ポイント数とその利用ポイント数とが表示される。蓄積ポイント数は、顧客が所持してショッピングバスケット309に取り付けられている会員カードCに内蔵されている無線タグの記憶データに記憶されている情報に基づき設定される。利用ポイント数は、デフォルト設定が「0」となっており、タッチパネル104でのタッチ操作によって変更指定が可能になっている。
かざし位置表示154b−6は、顧客用の取引情報表示欄154bにのみ表示され、決済可能な非接触型のICチップを内蔵する媒体のかざし位置を示している。このような媒体は、前述したように、カードや携帯電話等に内蔵されている。このように、かざし位置表示154b−6は、カードや携帯電話等に内蔵されている決済可能な非接触型のICチップをかざす位置を示していることから、リーダライタ107(図3参照)のアンテナ(図示せず)は、かざし位置表示154b−6の下方に位置付けられている。
図5は、商品載置領域105に商品A等が収納されたショッピングバスケット309が載置される瞬間を示すPOS端末101の平面図である。顧客は、店舗301内に設置されている商品陳列棚308から購入しようとする現実の商品A又はその商品に対応する注文札Oを取り、これをショッピングバスケット309に収納する。この際、一例として、現実の商品Aについては、顧客が持参したマイバッグ310をショッピングバスケット309に収納しておき、このマイバッグ310に収納する。これに対して、注文札Oについては、ショッピングバスケット309のマイバッグ310ではない収納領域に収納する。こうすることで、顧客は、決済終了後にショッピングバスケット309から会員カードCを回収した後、マイバッグ310を持って速やかに立ち去ることができる。また、店舗側は、ショッピングバスケット309に残った注文札Oを速やかに配送に回すことができる。こうして、円滑なチェックアウトが実現する。
図6は、全体の処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、HDD206にインストールされてその全部又は一部がRAM204にコピーされているコンピュータプログラム209に従い、CPU202によって実行される。
図5に示すように商品載置領域105にショッピングバスケット309が載置されると、無線通信部106はショッピングバスケット309に収納されている商品Aや注文札O、ショッピングバスケット309に取り付けられている会員カードCとの間で近距離無線通信を実行し、それらの商品A、注文札O及び会員カードCに取り付けられている無線タグからその記憶データを取得する。無線通信部106は、システムバス207を介して、取得した無線タグの記憶データを制御部201に送信する。これにより、CPU202は、無線タグデータの受信を判定する(ステップS101のY)。
CPU202は、無線タグデータの受信を判定すると(ステップS101のY)、RAM204内のデータバッファを検索し(ステップS102)、同一の無線タグデータの有無を判定する(ステップS103)。この判定の結果、同一の無線タグデータがデータバッファに記憶されている場合には(ステップS103のY)、ステップS101で受信判定した無線タグデータを廃棄してステップS101の判定処理にリターンする(ステップS104)。これに対して、ステップS103での判定の結果、同一の無線タグデータがデータバッファに記憶されていない場合には(ステップS103のN)、ステップS101で受信判定した無線タグデータをデータバッファに記憶する(ステップS105)。この際にデータバッファに記憶される無線タグデータは、商品A又は注文札Oに取り付けられている無線タグのデータか、会員カードCに内蔵されている無線タグのデータか、あるいはその他の無線タグデータである。
CPU202は、続くステップS106で、ステップS105でデータバッファに記憶させた無線タグデータが商品A又は注文札Oに取り付けられている無線タグのデータであるか否かを判定する。この判定の結果が否定的である場合には(ステップS106のN)、ステップS101の処理にリターンする。これに対して、その判定の結果が肯定的である場合には(ステップS106のY)、商品データベース210を検索して対応する商品情報を取得するという検索処理を実行する(ステップS107)。つまり、CPU202は、商品A又は注文札Oに取り付けられている無線タグの記憶データに含まれている商品コードを検索キーとして商品データベース210を検索し、商品データファイル210a中のPLU領域210a−1から単価を取得し、商品重量データベース210bから重量を取得し、商品画像データベース210cから画像データを取得する。
このような検索処理については、その他にも、各種の実施の形態を実施することができる。例えば、商品データベース210のうちの全部又は一部がストアサーバ401に記憶保存され、あるいはストアサーバ401によってアクセス可能な外部記憶装置(図示せず)に記憶保存され、POS端末101は構内通信網402を介してストアサーバ401から必要なデータを取得するようにしても良い。更に別の実施の一形態として、無線タグそれ自体に単価、重量、画像データの全部又は一部を記憶保存しており、POS端末101は無線タグそれ自体から必要なデータを取得するようにしても良い。このような各種のバリエーションは、結局のところ、無線通信部106により読み取るべき無線タグを付した商品Aや注文札Oによって特定される商品の単価、重量及び画像データが何処に記憶されているのかに依存する。
CPU202は、続くステップS108で、ディスプレイ103に表示している背景画像152に、ステップS107で取得した商品情報に含まれている画像データに基づく商品の形態画像153を表示する。つまり、制御部201は、その表示制御により、無線通信部106が取得した記憶データに基づいて例えば商品画像データベース210cから取得される商品の形態画像153を背景画像152上に展開して表示する。これにより、取引画面151が表示される。こうして、ステップS108に従い表示される取引画面151は、キャッシャである店員の方に向けられて表示されている。先ずは店員において、ショッピングバスケット309に収納された現実の商品A及び注文札Oによって特定される商品と、取引画面151としてディスプレイ103に展開される商品との同一性確認をする必要があるからである。
図7は、ショッピングバスケット309に収納された商品A等から読み取られた商品情報が店員側に向けてディスプレイ103に表示されている状態を示す模式図である。図7に示すように、ディスプレイ103に表示されている背景画像152には、ステップS107で取得した商品情報に含まれている画像データに基づく商品の形態画像153が表示されている。図7に例示する商品の形態画像153は、対応する商品の3次元イラストレーションに、その商品の名称及び単価が付されて表現されている。一例として、形態画像153に含まれているイラストレーション、名称及び単価は、商品画像データベース210cに格納されている画像データとして予め用意されている。別の一例として、商品画像データベース210cにはイラストレーションの画像データのみが格納され、対応商品の名称及び単価は例えば商品データファイル210a中のPLU領域210a−1に格納され、これらのイラストレーションと名称及び単価とを組み合わせて形態画像153を生成するようにしても良い。この場合、PLU領域210a−1には名称及び単価のテキストデータのみを格納しておき、形態画像153を表示するたびにテキストデータをイメージデータに変換して表示するようにしてもよい。
図7に示すように、背景画像152は、中央部分に持ち帰り商品表示領域152aを有し、一側方に寄せた領域に配送商品表示領域152bを有している。形態画像153のうちの一郡(形態画像153a)は、持ち帰り商品として、持ち帰り商品表示領域152aに2次元的あるいは3次元的に展開された商品の外観形態そのもので表示されている。形態画像153のうちの別の一群(画像153b)は、配送商品として、配送商品表示領域152bにタイル形態で表示されている。この場合のタイル形態は、タイル中にその商品の外観を表す画像が2次元的あるいは3次元的に展開された形態で表示されている。持ち帰り商品表示領域152aに表示されている形態画像153aは、現実の商品Aに付されている無線タグから読み取られた商品情報に基づき表示される画像である。配送商品表示領域152bに表示されている形態画像153bは、注文札Oに付されている無線タグから読み取られた商品情報に基づき表示される画像である。このような区別は、現実の商品Aに付されている無線タグと注文札Oに付されている無線タグとに、現実の商品Aと注文札Oとを区別可能な識別コードを含ませることによって、容易に実現可能である。つまり、CPU202は、現実の商品Aに付されている無線タグであることを示す識別コードを受信した場合には、形態画像153aを表示することができる表示フレームを画像ライブラリー211から取得し、この表示フレームに商品画像データベース210cから取得したその商品の画像データを組み合わせて表示する。また、CPU202は、注文札Oに付されている無線タグであることを示す識別コードを受信した場合には、形態画像153bを表示することができる表示フレームを画像ライブラリー211から取得し、この表示フレームに商品画像データベース210cから取得したその商品の画像データを組み合わせて表示する。
こうして、本実施の形態によれば、制御部201の表示制御により、ディスプレイ103に表示された背景画像152に、無線通信部106が取得した記憶データに基づいて商品画像データベース210c(図3参照)から取得される商品の形態画像153を当該記憶データに記録されている持ち帰り商品と配送商品との別に応じた異なる表現態様で展開する。この場合、異なる表現態様は、持ち帰り商品と配送商品とで形態画像153の形状を異ならせることによって実現されている。つまり、持ち帰り商品であることを表現している2次元的あるいは3次元的に展開された商品の外観形態そのもので示される形態画像153aと、配送商品であることを表現しているタイル中にその商品の外観を表す画像が2次元的あるいは3次元的に展開された形態で示される形態画像153bとで、持ち帰り商品と配送商品との区別が付けられている。異なる表現形態は、また、持ち帰り商品と配送商品とで前記形態画像の表示領域を異ならせることによっても実現されている。つまり、持ち帰り商品は持ち帰り商品表示領域152aに表示され、配送商品は配送商品表示領域152bに表示され、これによって、持ち帰り商品と配送商品との区別が付けられている。
ここで、図6に示すフローチャート中のステップS108の処理では、セット割引に関する処理も実行する。このようなセット割引に関する処理の詳細については、図9に示すフローチャート及び図10〜図13に示す画面例に基づいて後述する。
図6に示すフローチャートの説明に戻る。CPU202は、ディスプレイ103に取引画面151を表現して表示した後(ステップS108参照)、売上商品の合計金額及び合計点数を計算する(ステップS109)。合計金額の計算は、商品データベース210に含まれている商品データファイル210a中のPLU領域210a−1から取得した単価に基づいて実行される。合計点数の計算は、ステップS106で商品A又は注文札Oに付された無線タグであると判定した回数に基づいて実行される。
そして、CPU202は、ディスプレイ103に表示されている取引情報表示欄154にステップS109の処理によって得た取引情報等を表示する(ステップS110)。つまり、キャッシャである店員側に向けられた店員用の取引情報表示欄154a中、合計金額欄154a−1にはステップS109で計算した合計金額を表示し、値引金額欄154a−2にはステップS107で商品データファイル210a中のPLU領域210a−1から取得した個々の商品についての値引金額の合計を表示し、買上点数欄154a−3にはステップS109で計算した合計点数を表示する。また、顧客側に向けられた顧客用の取引情報表示欄154b中、支払金額欄154b−1にステップS109で計算した合計金額を表示し、値引金額欄154b−2にはステップS107で商品データファイル210a中のPLU領域210a−1から取得した個々の商品についての値引金額の合計を表示する。また、配送日時指定欄154b−3には、ステップS105でRAM204のバッファに記憶した会員カードCに内蔵されている無線タグから取得した配送日時についてのデフォルト値が表示される。更に、ポイント指定欄154b−4には、ステップS105でRAM204のバッファに記憶した会員カードCに内蔵されている無線タグから取得したポイント数が表示される。
その後、CPU202は、重量チェック処理を実行する(ステップS111〜ステップS113)。重量チェック処理では、まず、ステップS107の検索処理によって取得した重量値の合計を合計重量値として算出する(ステップS111)。そして、秤部108によって計量されて秤部108から出力される計量値を取得する(ステップS112)。その上で、ステップS111で算出した合計重量値とステップS112で取得した秤部108からの計量値とを比較し、その同一性を判定することによってなされる(ステップS113)。
ここで、ステップS111で算出した合計重量値とステップS112で取得した秤部108からの計量値と同一性を有しているかどうかは、一例として、計量値が検索処理によって取得した重量の下限値と上限値との間に収まっているかどうかを判定することによってなされる。この場合、本実施の形態における重量チェックは、個々の商品単独での重量チェックではなく、商品載置領域105に載置されたショッピングバスケット309に収納されている全ての商品A及び注文札Oそれ自体の重量の合計値についての重量チェックである。そこで、計量値と重量値との同一性の判定に際しては、検索処理によって取得した重量値である全ての商品の下限値の合計値と全ての商品の上限値の合計値とが許容範囲を構成し、当該許容範囲内に計量値が収まっているかどうかを判定することになる。もっとも、このような手法により取得される許容範囲は、実施の上で一例をなすに過ぎず、例えば、当該許容範囲の値にある係数を乗ずる等して当該許容範囲の幅を狭くしたり、反対に広くしたりするようにしても良い。別の一例としては、検索処理によって下限値及び上限値を取得しないか、あるいは取得してもそれらの値を使用せず、検索処理によって得られた重量の値のみを使用し、これを加算して合計値を算出し、この合計値に対してある許容範囲を設定することによって合計重量値とするようにしても良い。
CPU202は、ステップS113で、算出した合計重量値と秤部108から取得した計量値との間に同一性を判定しない場合には(ステップS113のN)、所定時間のタイムアップに待機する(ステップS114)。ここで設定されている所定時間は、無線通信部106が商品コードを取得可能な十分な時間である。つまり、ステップS114の処理は、無線通信部106が商品コードを取得し終わるまでは待機し、もはや無線通信部106が商品コードを取得することがないであろう時間が経過した場合には、後述するステップS115の処理に進むために設けられている。
そこで、CPU202は、タイムアップしない場合には(ステップS114のN)、ステップS101の処理にリターンし、再度、ステップS101〜113の処理を実行する。この場合には、ステップS107で商品情報を取得していない商品A等がショッピングバスケット309に残っているはずだからである。これに対して、タイムアップした場合には(ステップS114のY)、後に詳述する商品登録処理を実行する(ステップS115)。この場合の商品登録処理は、無線通信部106によっては商品コードを取得できなかった商品、例えば商品タグが付されていない商品の商品コードを購入商品として登録する処理である。そして、ステップS115の商品登録処理の後、ステップS108の処理にリターンする。
CPU202は、ステップS113で、算出した合計重量値と秤部108から取得した計量値との間に同一性を判定した場合には(ステップS113のY)、ディスプレイ103に表示している取引画面151の表示方向を顧客側に切り換える(ステップS116)。
図8は、図7に示す商品情報が顧客側に向けて反転表示されている状態を示すPOS端末101の平面図である。図7に示す表示状態と比較することによって明らかなように、図8に示す表示状態では、ディスプレイ103に表示されている取引画面151の表示向きが切り換えられている。これにより、顧客の側において、取引画面151としてディスプレイ103に展開される商品を容易に確認することができる。しかも、ディスプレイ103に表示されている取引画面151の表示位置は、その表示方向の反転の前後で変わらない位置となっている。これにより、より一層、取引画面151としてディスプレイ103に展開される商品を容易に確認することができる。
図6に示すフローチャートの説明に戻る。CPU202は、顧客に向けて取引画面151を表示した後(ステップS116)、ディスプレイ103に決済を促すダイアログを表示する(ステップS117)。そして、決済の完了判定に待機する(ステップS118)。
決済を促すダイアログを見た顧客は、決済動作を促され、一例として、自ら所持する決済可能な非接触型のICチップを内蔵する媒体、例えば携帯電話で決済を行なう。この場合、顧客の側に向けられている取引情報表示欄154bの最も右方に位置するかざし位置表示154b−6の上方位置に携帯電話等をかざす。これにより、一例として、携帯電話が内蔵する非接触型のICチップに蓄えられている電子マネーによる決済が可能になり、別の一例として、携帯電話が内蔵する非接触型のICチップが記憶している情報に基づくデビット決済が可能になる。
CPU202は、決済の完了を判定すると(ステップS118のY)、明細データをストアサーバ401及び顧客が決済に使用した携帯電話等に送信する(ステップS119)。ストアサーバ401への明細データの送信は、通信インターフェース212から構内通信網402を介して行なわれる有線によるデータ転送によって実行される。顧客が所持する携帯電話等への明細データの送信は、リーダライタ107による近距離無線通信によって実行される。
その後、CPU202は、取引情報表示欄154に表示している情報を消去し(ステップS120)、RAM204のバッファをクリアし(ステップS121)、一取引の処理を終了する。
ここで、図6に示すフローチャート中のステップS108の形態画像153の表示処理について説明し、その後、ステップS115の商品登録処理について詳細に説明する。
(1)形態画像153の表示処理
まず、形態画像153の表示処理について説明する。
図9は、形態画像153の表示処理をより詳しく示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、HDD206にインストールされてその全部又は一部がRAM204にコピーされているコンピュータプログラム209に従い、CPU202によって実行される。
CPU202は、まず、ステップS106で商品タグであると判定した無線通信部106の読み取りデータである商品コードによって特定される商品がセット割引商品であるかどうかを判定する(ステップS108−1)。この判定は、個々の商品を特定する商品コードに対応させてその商品の単価とセット割引情報とを記憶している商品データベース210中のPLU領域210a−1(図3参照)を参照することで、容易になされる。つまり、PLU領域210a−1には、個々の商品コード毎に、ミックスアンドマッチ(M&M)が適用されるかどうかという情報とミックスアンドマッチ(M&M)を成立させる他の商品の商品コードとが記憶されており(ミックスアンドマッチ(M&M)の場合)、また、個々の商品コード毎に、複数購入割引が適用されるかどうかという情報と複数購入割引が成立する場合の個数の情報とが記憶されている(複数購入割引の場合)。そこで、ミックスアンドマッチ(M&M)又は複数購入割引が適用されるかどうかを参照することで、対象となる商品がセット割引商品であるかどうかを判定することができる。
ついで、CPU202は、その商品とセットを構成する相棒の商品(同一商品又は異なる商品)が既にディスプレイ103に表示されているかどうかを判定する(ステップS108−2)。この判定の結果、CPU202は、セットを構成する相棒の商品が既に表示されていると判定した場合(ステップS108−2のY)、セット割引する商品を視覚的に関連付けして表示し、その近傍に割引表示及び金額表示を含む割引マーク161(図11〜図13参照)を表示する(ステップS108−3)。この場合の視覚的な関連付けは、ミックスアンドマッチ(M&M)の場合と複数購入割引の場合とで相違する。ミックスアンドマッチ(M&M)の場合には、図11〜図13に例示する「ぽん酢」及び「春菊」のように、対象となる商品の形態画像153を隣接位置に配置して枠で囲む第1の関連付け表示162を行なう。これに対して、複数購入割引の場合には、図11〜図13に例示する「ビスケット」のように、対象となる商品の形態画像153を重ね合わせる第2の関連付け表示163を行なう。また、CPU202は、セット割引の成立に伴い、音響ユニット110を制御して特殊音をスピーカ112から出力させることが望ましい。これにより、顧客及び店員の双方にセット割引の成立を知らせることができる。
図10は、ミックスアンドマッチ(M&M)及び複数購入割引が成立した場合の商品情報の表示を説明するために、商品情報が店員側に向けてディスプレイ103に表示されている状態を示すPOS端末101の平面図である。図9に示すフローチャート中のステップS108−3の処理では、まず、ミックスアンドマッチ(M&M)が成立した商品、ここでは「ぽん酢」と「春菊」とを隣接配置し、複数購入割引が成立した商品、ここでは「ビスケット」を重ね合わせ表示する処理が実行される。つまり、「ぽん酢」を「春菊」に隣接配置するために、最初に「春菊」に隣接している「はくさい」と「ぽん酢」との配置位置を入れ替える。また、3個購入された「ビスケット」の個々の配置位置をずらす。この際、セット割引する商品、ここでは「ぽん酢」を「春菊」の形態画像153の表示位置の隣接位置に移動させるモーションを表示し、また、セット割引する商品、ここでは「ビスケット」の形態画像153同士を重ね合せるモーションを表示する。つまり、形態画像153が移動している様子や重ね合わされている様子が表示されるようにする。このようなモーション表示については、既存のあらゆるモーション表示技術を用いて実現可能である。
CPU202は、モーション表示に際して、音響ユニット110を制御して特殊音をスピーカ112から出力させることが望ましい。これにより、顧客及び店員の双方に、セット割引された商品に注意を向けさせることができる。
図11は、ミックスアンドマッチ(M&M)及び複数購入割引が成立した場合に、最初に表示される画面の一例を示すPOS端末101の平面図である。図11には、ミックスアンドマッチ(M&M)が成立した「ぽん酢」と「春菊」との形態画像153が隣接配置されて枠で囲まれた第1の関連付け表示162がなされ、複数購入割引が成立した3個の「ビスケット」の形態画像153が重ね合わされた第2の関連付け表示163がなされている様子が示されている。また、それらの第1の関連付け表示162及び第2の関連付け表示163には、それぞれ、割引マーク161が付されて表示されている。ミックスアンドマッチ(M&M)が成立した「ぽん酢」と「春菊」とに対する第1の関連付け表示162に付されている割引マーク161には、「鍋セット」というセット割引を示す割引表示と「50円引き」というセット割引に関する金額とが含まれている。また、複数購入割引が成立した3個の「ビスケット」に対する第2の関連付け表示163に付されている割引マーク161には、「3個得」というセット割引を示す割引表示と「150円引き」というセット割引に関する金額とが含まれている。これらの割引マーク161は、商品データベース210中のPLU領域210a−1(図3参照)が記憶しているセット割引が成立した場合の割引に関する情報である割引金額、割引率、割引後の単価、セット割引を成立させている商品全体の割引後の価格等に基づいて、商品データベース210中の画像ライブラリー211(図3参照)に格納されている画像データを利用して生成され、表示される。
CPU202は、セット割引を実行する場合、PLU領域210a−1(図3参照)が記憶しているセット割引が成立した場合の割引に関する情報を参照して、登録する売上データも変更する。この点は、セット割引処理実行前の図10に示す取引情報表示欄154の表示とセット割引処理実行後の図11に示す取引情報表示欄154の表示とを比較対照することで、容易に理解可能である。つまり、取引情報表示欄154の合計金額欄154a−1、154b−1及び値引金額欄154a−2、154b−2に着目すると、セット割引処理実行前の図10に示す取引情報表示欄154では、合計金額が7,170円で値引き金額が0円であるのに対して、セット割引処理実行後の図11に示す取引情報表示欄154では、合計金額が6,970円で値引き金額が200円となっていることが分かる。つまり、「鍋セット」による「50円引き」と「3個得」の「ビスケット」による「150円引き」との合算額である「200」円のセット割引が適用されている。
図9に示すフローチャートの説明に戻る。CPU202は、第1の関連付け表示162及び第2の関連付け表示163の表示処理と割引マーク161の表示処理とを実行した後、それらの第1の関連付け表示162、第2の関連付け表示163及び割引マーク161を顧客の側に移動させる(ステップS108−4)。つまり、この処理では、それらの第1の関連付け表示162、第2の関連付け表示163及び割引マーク161を、ディスプレイ103に表示している取引画面151中、最も顧客の側に近い位置に移動させるわけである。
CPU202は、それらの第1の関連付け表示162、第2の関連付け表示163及び割引マーク161の位置を移動させるに際して、音響ユニット110を制御して特殊音をスピーカ112から出力させることが望ましい。これにより、顧客に、セット割引された商品に注意を向けさせることができる。
図12は、ミックスアンドマッチ(M&M)及び複数購入割引が成立した場合に、図11に示す状態に続いて表示される画面の一例を示すPOS端末101の平面図である。図12には、ミックスアンドマッチ(M&M)が成立した「ぽん酢」と「春菊」とに関する第1の関連付け表示162及びその割引マーク161と、複数購入割引が成立した3個の「ビスケット」に関する第2の関連付け表示163及びその割引マーク161とが、取引画面151中、最も顧客の側に近い位置に移動している様子が示されている。
図13は、ミックスアンドマッチ(M&M)及び複数購入割引が成立した場合に、図12に示す状態に続いて表示される画面の一例を示すPOS端末101の平面図である。図6に示すフローチャート中のステップS116の処理によって取引画面151の表示方向が反転されることから、最終的には、図13に示すように、取引画面151が顧客の側に向けられる。
(2)商品登録処理
ついで、商品登録処理について説明する。商品登録処理は、現実の商品Aを収納したショッピングバスケット309を商品載置領域105に載置したにもかかわらず、無線通信部106によっては商品Aによって特定される商品の商品コードを取得できない場合に実行される。このような事態は、典型的には、商品Aに無線タグが付されていないような場合に生じ得る。
図14は、図6に示すフローチャート中のステップS115の商品登録処理をより詳しく示すフローチャートである。したがって、このフローチャートに示す処理は、HDD206にインストールされてその全部又は一部がRAM204にコピーされているコンピュータプログラム209に従い、CPU202によって実行される。
CPU202は、まず、登録の手法をユーザに選択させるための登録手法選択ダイアログ171をディスプレイ103にポップアップ表示する(ステップS115−1)。登録手法選択ダイアログ171は、タッチパネル104での操作によって商品の選択を可能とする商品登録画面として機能する。そして、CPU202は、登録手法選択ダイアログ171によって登録手法が選択されたかどうかの判定に待機し(ステップS115−2)、登録手法の選択を判定すると(ステップS115−2のY)、選択された商品登録手法での商品登録処理を実行する(ステップS115−3)。
図15は、図14に示すフローチャート中のステップS115−1の処理によってディスプレイ103上に登録手法選択ダイアログ171がポップアップ表示された状態を示すPOS端末101の平面図である。登録手法選択ダイアログ171には、「音声」、「色」、「カテゴリ」、「50音」、及び「履歴」という選択肢172が表示されている。そこで、これらの選択肢172をタッチ指定することで、登録手法を選択することができる。
以下では、「音声」による商品登録処理(音声登録処理)と「色」による商品登録処理(色彩登録処理)とについて詳しく説明する。図16〜図19は、音声登録処理の説明のために用い、図20〜図28は、色彩登録処理の説明のために用いる。また、色彩登録処理については、その一からその三までの三つの態様を紹介する。図20〜図23は色彩登録処理(その一)の説明のために用い、図24〜図25は色彩登録処理(その二)の説明のための用い、図27〜図28は色彩登録処理(その三)の説明のために用いる。
なお、「カテゴリ」による登録処理は、ディスプレイ103にカテゴリから商品を絞り込むタッチ指定可能な階層的な一覧表を表示しておき、ユーザのタッチ指定操作によって最終的に単一の商品を絞り込むことによって実行される。「50音」による登録処理は、ディスプレイ103にタッチ指定可能な50音表を表示しておき、登録する商品の名称をユーザのタッチ指定操作で入力することによって実行される。「履歴」による登録処理は、直前に登録された商品の一覧をディスプレイ103にタッチ指定可能に表示しておき、ユーザのタッチ指定操作で所望の商品をタッチ指定することによって実行される。これらの「カテゴリ」、「50音」、及び「履歴」による登録処理については、それ以上の説明を避ける。
(音声登録処理)
図16は、図14に示すフローチャート中のステップS115−3の商品登録処理として、音声登録処理が実行される場合の処理内容の一例を示すフローチャートである。したがって、このフローチャートに示す処理は、HDD206にインストールされてその全部又は一部がRAM204にコピーされているコンピュータプログラム209に従い、CPU202によって実行される。
CPU202は、登録手法選択ダイアログ171から「音声」という選択肢172がタッチ指定されると、音声登録処理を実行する。CPU202は、音声登録処理において、まず、音声登録ダイアログ173をディスプレイ103にポップアップ表示する(ステップS131)。音声登録ダイアログ173は、タッチパネル104での操作によって商品の選択を可能とする商品登録画面として機能する。そして、音声認識ユニット109からの認識データの受信判定処理に待機する(ステップS132)。
図17は、登録手法として音声登録が選択された場合、これによってディスプレイ103上に音声登録ダイアログ173がポップアップ表示された状態を示すPOS端末101の平面図である。音声登録ダイアログ173には、音声認識ユニット109が出力する認識結果であるコードデータに基づいてCPU202が商品データファイル210a中の商品音声体系領域210a−2(図3参照)から検索した商品コードに対応付けられている商品名のテキストを表示するための認識結果表示欄174が含まれている。音声登録ダイアログ173には、また、クリアボタン175も含まれている。クリアボタン175は、音声認識ユニット109が出力した認識結果に基づいてCPU202が検索し表示欄174に表示した商品のクリアを指定するためのオブジェクトである。
図16に示すフローチャートの説明に戻る。音声認識ユニット109は、前述したように、認識結果である音声をコードデータとして出力する。例えば、話者が「りんご」と発話したとすると、音声認識ユニット109は、「りんご」と音声認識し、「りんご」に割り当てられているコードデータを出力する。そこで、CPU202は、このコードデータに基づくテキスト、ここでは「りんご」を表示欄174に表示し(図18参照)、更に、商品データファイル210a中の商品音声体系領域210a−2(図3参照)を検索する。これにより、ステップS132で認識データとして受信を判定したそのコードデータに対応する商品コードを取得することができる。CPU202は、商品コードを取得したならば、これに対応する形態画像153の画像データを商品画像データベース210c(図3参照)から検索し、これを音声登録ダイアログ173にタッチ指定可能に表示する。これにより、音声登録ダイアログ173には、選択候補176(図18参照)が表示される。選択候補176は、タッチパネル104でのタッチ指定が可能なオブジェクトであり、したがって、選択候補176が表示されることで、音声登録ダイアログ173は、タッチパネル104での操作によって商品の選択を可能とする商品登録画面として機能することになる。
図18は、図17に示す画面上で「りんご」と発声したことにより音声登録ダイアログ173上に選択候補176が出現している状態を示すPOS端末101の平面図である。図18に示すように、表示欄174には「りんご」というユーザが発話した言葉が表示され、音声登録ダイアログ173には、選択候補176が表示されている。図18に示す音声登録ダイアログ173には、選択候補176に四品目が表示されているが、より多くの品目がある場合には、これをスクロール表示することができる。スクロール表示は、図18に示すように、選択候補176の領域をタッチしたまま左右に移動させればよい。このようなオブジェク操作のための処理については、図29〜図31に基づいて後述する。
図19は、図18に示す音声登録ダイアログ173上に出現した選択候補176の一つが選択されようとしている状態を示すPOS端末101の平面図である。ここでは、選択候補176中から「青森産りんご」がタッチパネル104のタッチ指定によって選択されようとしている様子を示している。
そこで、「青森産りんご」が選択指定されると、「青森産りんご」という商品が登録され、図6に示すフローチャート中のステップS108の処理に移行する。つまり、ディスプレイ103中、背景画像152に「青森産りんご」の形態画像153が表示され(ステップS108)、合計金額・合計点数が算出され(ステップS109)、取引情報表示欄154の表示が更新され(ステップS110)、重量データの合計が算出され(ステップS111)、秤部108から出力される計量値を取得する(ステップS112)。その上で、CPU202は、ステップS111で算出した合計重量値とステップS112で取得した秤部108からの計量値とを再度比較し、その同一性を判定する(ステップS113)。
(色彩登録処理(その一))
図20は、図14に示すフローチャート中のステップS115−3の商品登録処理として、色彩登録処理が実行される場合の処理内容の一例を示すフローチャートである。したがって、このフローチャートに示す処理は、HDD206にインストールされてその全部又は一部がRAM204にコピーされているコンピュータプログラム209に従い、CPU202によって実行される。
CPU202は、登録手法選択ダイアログ171から「色」という選択肢172がタッチ指定されると、色彩登録処理を実行する。CPU202は、色彩登録処理において、まず、ディスプレイ103に色空間画像CSpを表示する(ステップS151)。その表示位置は、取引画面151である。つまり、取引情報表示欄154の表示に重ならないように色空間画像CSpが表示される。こうして色空間画像CSpが表示された画面は、タッチパネル104での操作によって商品の選択を可能とする商品登録画面として機能する。
図21は、登録手法として色彩登録が選択された場合、これによってディスプレイ103上に色空間画像CSpが表示された状態を示すPOS端末101の平面図である。図21は、カラー表示ができないために、単にドットの集合で色空間画像CSpを表示しているが、実際には、色空間画像CSpはカラー表示されている。
このような色空間画像CSpは、商品データファイル210a中の商品色彩体系領域210a−3(図3参照)に対応付けて記憶されているある商品を特定する商品コードとその配置位置との情報に基づいて表示されている。つまり、図21に例示する色空間画像CSp中、ドット状に表示されているのは、個々の商品の商品コードに対応させて商品画像データベース210c(図3参照)から引用される縮小表示された画像データに基づく形態画像153mである。その意味で、商品画像データベース210cにどの程度の色数の画像データが含まれているのかにも依存するが、基本的には、図21に例示する最初に表示される色空間画像CSpは、全ての色をその色相、明度、彩度という色の三要素から体系化した色空間を再現している。
図22は、色空間画像CSpを拡大して示す模式図である。図22により、商品画像データベース210cから引用される縮小表示された商品の画像データに基づく形態画像153mがどのようにして配置され、色空間画像CSpを形成しているのかが分かる。商品の個々の形態画像153mは、色相、明度、彩度という色の三要素に基づいて空間配置され、色空間画像CSpを形成している。
図20に示すフローチャートの説明に戻る。CPU202は、色空間画像CSpを表示した後(ステップS151)、領域指定の有無判定に待機している(ステップS152)。つまり、色空間画像CSpは、タッチパネル104によってタッチ指定可能なオブジェクトとして表示され、そのタッチ位置によって色空間画像CSp上で配置位置が定められた商品コードの指定が可能である。そこで、CPU202は、色空間画像CSpがタッチ指定されると、領域指定を判定し(ステップS152のY)、タッチ指定された領域の商品コードを取得する。そして、CPU202は、取得した商品コードに基づく商品の画像を、形態画像153mよりも拡大された形態画像153nとして表示する(ステップS153)。この形態画像153nも、商品画像データベース210c(図3参照)に格納されている画像データに基づき表示される画像である。
図23は、領域指定によって拡大表示された色空間画像CSpを示す模式図である。図23に示すように、拡大表示された色空間画像CSpは、その商品の概観形態を視覚的に認識し得る程度の大きさに拡大されている。そして、拡大された色空間画像CSp中に複数表示されている形態画像153nは、その単一の形態画像153nのみを指でタッチ指定できる程度の大きさに表示されている。これにより、図23に示す色空間画像CSpから、単一の商品を選択指定することが可能である。この場合、CPU202は、選択指定された商品の商品コードを取得する。したがって、図23に示す色空間画像CSpが表示された画面は、タッチパネル104での操作によって商品の選択を可能とする商品登録画面として機能する。
図20に示すフローチャートの説明に戻る。CPU202は、図23に示す色空間画像CSpから単一の商品の選択指定があったかどうかの判定に待機している(ステップS154)。この際、単一の商品の選択がなされないまま、予め時間が規定されているタイムアップ前に(ステップS156のN)、再び領域指定を判定すると(ステップS152のY)、更に拡大表示がなされる(ステップS153)。つまり、この場合には、形態画像153nが更に拡大される。
これに対して、CPU202は、拡大された形態画像153nのタッチ指定による単一の商品の選択がなされたと判定した場合(ステップS154のY)、選択された商品を登録し、その商品の情報を取得する(ステップS155)。そして、図6に示すフローチャート中のステップS108の処理に移行する。つまり、ディスプレイ103中、背景画像152に「青森産りんご」の形態画像153が表示され(ステップS108)、合計金額・合計点数が算出され(ステップS109)、取引情報表示欄154の表示が更新され(ステップS110)、重量データの合計が算出され(ステップS111)、秤部108から出力される計量値を取得する(ステップS112)。その上で、CPU202は、ステップS111で算出した合計重量値とステップS112で取得した秤部108からの計量値とを再度比較し、その同一性を判定する(ステップS113)。
なお、図20のフローチャートに示すように、CPU202は、図23に示す色空間画像CSpから単一の商品の選択指定があったかどうかの判定に待機している際(ステップS154)、単一の商品の選択がなされないまま(ステップS154のN)、予め時間が規定されているタイムアップが生ずると(ステップS156のY)、拡大表示した形態画像153nを縮小表示する(ステップS157)。つまり、CPU202は、ステップS153で拡大表示した形態画像153nを元の表示サイズに戻す処理を実行する。
(色彩登録処理(その二))
図24は、図14に示すフローチャート中のステップS115−3の商品登録処理として、色彩登録処理が実行される場合の処理内容の別の一例を示すフローチャートである。したがって、このフローチャートに示す処理は、HDD206にインストールされてその全部又は一部がRAM204にコピーされているコンピュータプログラム209に従い、CPU202によって実行される。
CPU202は、登録手法選択ダイアログ171から「色」という選択肢172がタッチ指定されると、色彩登録処理を実行する。CPU202は、色彩登録処理において、まず、ディスプレイ103に色空間画像CSpを表示する(ステップS161)。その表示位置は、取引画面151である。つまり、取引情報表示欄154の表示に重ならないように色空間画像CSpが表示される。こうして色空間画像CSpが表示された画面は、タッチパネル104での操作によって商品の選択を可能とする商品登録画面として機能する。
図25は、色空間画像CSpを拡大して示す模式図である。色彩登録処理(その二)でディスプレイ103に表示される色空間画像CSpは、色彩登録処理(その一)とは異なり、色彩を有するドット画像である色ドット画像CDの集合体によって形成されている。これらの色ドット画像CDは、その色彩が有している色相、明度、彩度に応じて色空間を形成するように配列されている。そして、前述したように、商品色彩体系領域210a−3には、個々の色ドット画像CDに色彩コードが紐付けして記憶されており、色彩コードにはある商品コードが1対1又は2以上の関係で紐付けされて定義されている。例えば、商品色彩体系領域210a−3中、赤色の色ドット画像CDには「赤色」という色彩コードが紐付けされて定義されており、この「赤色」の色彩コードには、「世界一」、「ゴールデンデリシャス」、「ジョナゴールド」、「王林」、「千秋」、「つがる」、「青森産りんご」という七種類の異なる商品コードが紐付けされて定義されている。
図24に示すフローチャートの説明に戻る。CPU202は、色空間画像CSpを表示した後(ステップS161)、タッチパネル104でのタッチ指定による領域指定の有無に待機し(ステップS162)、領域指定を判定すると(ステップS162のY)、色空間画像CSpを拡大表示する(ステップS163)。つまり、領域選択された色ドット画像CDのみを拡大して表示するわけである。
そして、CPU202は、商品色彩体系領域210a−3を検索し、選択された領域に含まれている色ドット画像CDに対応付けられている色彩コードを取得し、更に、この色彩コードに対応付けられている商品コードを取得することで、候補の検索を実行する(ステップS164)。つまり、この候補の検索という処理は、色彩から特定の商品を検索する処理に他ならない。CPU202は、候補を検索した後(ステップS164)、検索結果を画面表示する(ステップS165)。つまり、選択された候補の商品コードに基づいて商品画像データベース210c(図3参照)からその商品の画像データを取得し、この画像データに基づく形態画像153をディスプレイ103に表示する。こうして表示される形態画像153は、ユーザにその選択を許容する候補として、タッチパネル104でのタッチ指定によって選択可能なオブジェクトである。したがって、形態画像153がタッチ指定可能に表示された画面は、タッチパネル104での操作によって商品の選択を可能とする商品登録画面として機能する。
そこで、ユーザは、ディスプレイ103に候補として表示された形態画像153をタッチ指定することによって、単一の商品を選択することができる。CPU202は、検索結果を画面表示した後(ステップS165)、単一の商品の選択の有無の判定に待機している(ステップS166)。そして、CPU202は、単一の商品の選択を判定すると(ステップS166のY)、その選択された商品を登録し、その商品の情報を取得する(ステップS167)。そして、図6に示すフローチャート中のステップS108の処理に移行する。つまり、ディスプレイ103中、背景画像152に「青森産りんご」の形態画像153が表示され(ステップS108)、合計金額・合計点数が算出され(ステップS109)、取引情報表示欄154の表示が更新され(ステップS110)、重量データの合計が算出され(ステップS111)、秤部108から出力される計量値を取得する(ステップS112)。その上で、CPU202は、ステップS111で算出した合計重量値とステップS112で取得した秤部108からの計量値とを再度比較し、その同一性を判定する(ステップS113)。
なお、図24のフローチャートに示すように、CPU202は、検索結果を画面表示した後(ステップS165)の単一の商品の選択の有無の判定に待機している際に(ステップS166)、予め決められた時間のタイムアップを判定している(ステップS168)。この際、CPU202は、タイムアップを判定すると(ステップS168のY)、ステップS163で拡大表示した領域選択された色ドット画像CDの表示サイズを元に戻し(ステップS169)、ステップS162の判定処理にリターンする。
図26は、登録手法として色彩登録が選択された場合にディスプレイ103上に表示される色空間画像CSpの別の一例を示す模式図である。色空間画像CSpは、円形のみならず、図26に例示するような形態であってもよい。図26に示す色空間画像CSpは、各色が切れ目なく連続するグラデーションをなしている。つまり、図26に示す色空間画像CSpは、商品画像データベース210cに格納されている画像データに基づく表示ではなく、専用に作成されている色空間の画像である。もっとも、図26に示すような色空間画像CSpであっても、商品色彩体系領域210a−3では、色空間画像CSp中における個々の商品コードの配置位置が定められている。
(色彩登録処理(その三))
図27は、図14に示すフローチャート中のステップS115−3の商品登録処理として、色彩登録処理が実行される場合の処理内容の更に別の一例を示すフローチャートである。したがって、このフローチャートに示す処理は、HDD206にインストールされてその全部又は一部がRAM204にコピーされているコンピュータプログラム209に従い、CPU202によって実行される。
CPU202は、登録手法選択ダイアログ171から「色」という選択肢172がタッチ指定されると、色彩登録処理を実行する。CPU202は、色彩登録処理において、まず、ディスプレイ103に色見本CSam及びドロップエリアDA(図28参照)を表示する(ステップS171)。色見本CSamは、複数色のドットによる色要素CEで表現されており、個々の色要素CEには色彩コードが紐付けされて割り付けられている。そこで、色見本CSamを構成する色要素CEがタッチパネル104によってタッチ指定されると、CPU202は色彩コードを取得することができる。こうして色見本CSam及びドロップエリアDA(図28参照)が表示された画面は、タッチパネル104での操作によって商品の選択を可能とする商品登録画面として機能する。
CPU202は、その後、色見本CSamを構成するいずれかの色の色要素CEがドロップエリアDAにドラッグ&ドロップされたかどうかの判定に待機し(ステップS172)、ドラッグ&ドロップを判定すると(ステップS172のY)、候補の検索を実行する(ステップS173)。つまり、前述したように、商品の検索手法(その三)の場合、商品データファイル210a中の商品色彩体系領域210a−3(図3参照)に、ある色彩を特定する色彩コードとある商品を特定する商品コードとが1対1又は2以上の関係で定義されており、これに加えて、ある色彩を特定する二色以上の色彩コードの組み合わせとある商品を特定する商品コードとが1対1又は2以上の関係で定義されている。そこで、CPU202は、商品色彩体系領域210a−3を検索し、ドロップエリアDAにドラッグ&ドロップされた色要素CEに割り付けられている色彩コードからこれに対応付けられている商品コードを取得する。
CPU202は、候補を検索した後(ステップS173)、検索結果を画面表示する(ステップS174)。つまり、検索された商品コードに基づいて商品画像データベース210c(図3参照)からその商品の画像データを取得し、この画像データに基づく形態画像153をディスプレイ103に表示する。こうして表示される形態画像153は、ユーザにその選択を許容する候補として、タッチパネル104でのタッチ指定によって選択可能なオブジェクトである。したがって、形態画像153がタッチ指定可能に表示された画面は、タッチパネル104での操作によって商品の選択を可能とする商品登録画面として機能する。そこで、CPU202は、その選択の有無の判定に待機する(ステップS175)。
ここで、CPU202は、単一の商品の選択がなされることなく(ステップS175のN)、色見本CSamを構成するいずれかの色の色要素CEがドロップエリアDAにドラッグ&ドロップされたと判定した場合には(ステップS172のY)、再び、候補の検索を実行する(ステップS173)。つまり、商品データファイル210a中の商品色彩体系領域210a−3(図3参照)には、ある色彩を特定する二色以上の色彩コードの組み合わせとある商品を特定する商品コードとが1対1又は2以上の関係で定義されている。例えば、「長葱」という商品は、白色と緑色とを有している。そこで、商品色彩体系領域210a−3には、「白色」を特定する色彩コードと「緑色」を特定する色彩コードとの組み合わせに対応させて、「長葱」という商品の商品コードが記憶されている。そこで、色見本CSamを構成する二色以上の色のドットがドロップエリアDAにドラッグ&ドロップされた場合に、CPU202は、対応する二色以上の色彩の色彩コードを取得し、候補の絞込みをすることができる。
図28は、図27に示す色彩登録処理を説明するための模式図である。図28に示す例では、色見本CSamを構成する「白色」と「緑色」とのドットがドロップエリアDAにドラッグ&ドロップされた場合を例示している。この場合、「白色」と「緑色」とを有している「長葱」という商品が検索されている。
図27に示すフローチャートの説明に戻る。CPU202は、ディスプレイ103に表示されている候補から単一の商品が選択指定されたと判定した場合(ステップS175のY)、選択された商品を登録し、その商品の情報を取得する(ステップS176)。そして、図6に示すフローチャート中のステップS108の処理に移行する。つまり、ディスプレイ103中、背景画像152に「長葱」の形態画像153が表示され(ステップS108)、合計金額・合計点数が算出され(ステップS109)、取引情報表示欄154の表示が更新され(ステップS110)、重量データの合計が算出され(ステップS111)、秤部108から出力される計量値を取得する(ステップS112)。その上で、CPU202は、ステップS111で算出した合計重量値とステップS112で取得した秤部108からの計量値とを再度比較し、その同一性を判定する(ステップS113)。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ディスプレイ103上に背景画像152を表示させる。そして、商品載置領域105に商品A等が載置されると、その商品の形態画像153を持ち帰り商品と配送商品との別に応じた異なる表現態様で背景画像152上に展開して表示させる。したがって、チェックアウトカウンタ102に持ち寄られた複数の商品A等に付された無線タグを一括読み取りし、個々の商品の商品情報をディスプレイ103に一度に表示するチェックアウト方式を採用した場合であっても、チェックアウトカウンタに持ち寄られた個々の商品とディスプレイ103に表示される商品との照合を直感的に行なわせることができ、また、チェックアウトカウンタに持ち寄られた個々の商品が持ち帰り商品なのか配送商品なのかの照合を直感的に行なわせることができ、したがって、その照合作業を容易にすることができる。
また、本実施の形態によれば、ディスプレイ103は、チェックアウトカウンタ102の天板面に上向きで配置されている。これにより、キャッシャである店員と顧客とが同一画面を確認しながらチェックアウト処理を進めることができる。この場合であっても、店員側と顧客側とにそれぞれ向けられた二つの取引情報表示欄154(取引情報表示欄154a、取引情報表示欄154b)が提供されるので、店員と顧客との双方にとって取引情報の確認が容易となる。しかも、取引画面151の表示方向を店員側と顧客側とに反転表示するようにしたので、店員と顧客との双方にとって買上商品の確認が容易となる。この場合、取引画面151の表示方向を、当初は店員側とし、重量チェック処理を通過した場合(図6中のステップS113のY)には顧客側とするようにしたので、店員と顧客とに対してタイムリーに買上商品の情報を提供することができる。
また、本実施の形態によれば、セット割引する商品の形態画像153同士を視覚的に関連付けして表示するようにしたので、セット割引された商品をディスプレイに分かり易く表示することができる。
更に、無線通信部106によって商品コードを取得できない商品Aについては、音声や色彩によって容易に商品登録を行なうことができ、その作業の容易化を図ることができる。
もっとも、本実施の形態のPOS端末101では、タッチパネル104上でのオブジェクト操作に応じて取引画面151の表示方向を反転表示するようにしたり、あるいは、購入商品を一覧表示させたりすることができる。そして、店員及び顧客の双方は、共に、必要に応じてタッチパネル104をタッチ操作することで、ディスプレイ103に表示される表示状態を変化させたり、特定の指示を入力したりすることができる。以下、このような内容を図29〜図31に基づいて説明する。
図29は、オブジェクト操作のための処理の流れを示すフローチャートである。CPU202は、タッチパネル104による画面タッチの有無の判定に待機している(ステップS201)。そこで、画面タッチありと判定した場合(ステップS201のY)、オブジェクトの種類を判定する(ステップS202)。つまり、CPU202は、画面タッチされた対象物が、背景(背景画像152)なのか、商品(形態画像153)なのか、日時(配送日時指定欄154b−3)なのか、ポイント(ポイント指定欄154b−4)なのか、インストラクション(反転表示指示ボタン154a−4、一覧表示指示ボタン154a−5、一覧表示指示ボタン154b−5)なのかを判定する。
その後、CPU202は、タッチパネル104上での画面タッチ位置の移動の有無を判定する(ステップS203)。つまり、タッチパネル104上で画面タッチがあり、その後にそのタッチ位置が移動したのであれば、インストラクション以外のオブジェクト操作がなされたことになる。そこで、本実施の形態では、タッチパネル104上での画面タッチ位置の移動の有無を判定することにより(ステップS203)、オブジェクト操作がインストラクションなのかインストラクション以外なのかを判定するようにしている。
CPU202は、タッチパネル104上での画面タッチ位置の移動があったと判定した場合(ステップS203のY)、タッチ位置の移動を認識し、認識したタッチ位置の移動に応じたオブジェクト動作の解析を実行する(ステップS204)。一例として、HDD206にインストールされているコンピュータプログラム209には、
(ア)背景画像152上で店員側から顧客側にタッチ位置移動
(イ)背景画像152上で顧客側から店員側にタッチ位置移動
(ウ)持ち帰り商品表示領域152aに位置する形態画像153aのタッチ位置を配送商品表示領域152bに移動
(エ)配送商品表示領域152bに位置する形態画像153bのタッチ位置を持ち帰り商品表示領域152aに移動
(オ)配送日時指定欄154b−3の「日」指定位置でタッチ位置を時計周りに移動
(カ)配送日時指定欄154b−3の「日」指定位置でタッチ位置を反時計周りに移動
(キ)配送日時指定欄154b−3の「時間」指定位置でタッチ位置を時計周りに移動
(ク)配送日時指定欄154b−3の「時間」指定位置でタッチ位置を反時計周りに移動
(ケ)ポイント指定欄154b−4でタッチ位置を時計回りに移動
(コ)ポイント指定欄154b−4でタッチ位置を反時計回りに移動
(サ)音声登録ダイアログ173でタッチ位置を左右の移動
(シ)色見本CSamのドロップエリアDAへのドラッグ&ドロップ
というオブジェクト動作が定義されている。そこで、CPU202は、ステップS204の処理として、タッチ位置の移動に応じたオブジェクト動作として、上記(ア)〜(シ)のいずれのオブジェクト動作がなされたかを解析する。
次いで、CPU202は、ステップS204で解析したオブジェクト動作の解析結果に応じたオブジェクト表示の変更を実行する(ステップS205)。一例として、HDD206にインストールされているコンピュータプログラム209には、
(ア)のオブジェクト動作:ディスプレイ103に表示されている取引画面151を顧客の側に向けて表示
(イ)のオブジェクト動作:ディスプレイ103に表示されている取引画面151を店員の側に向けて表示
(ウ)のオブジェクト動作:タッチ指定された形態画像153aを配送商品表示領域152bに移動して形態画像153bとする
(エ)のオブジェクト動作:タッチ指定された形態画像153bを持ち帰り商品表示領域152aに移動して形態画像153aとする
(オ)のオブジェクト動作:配送日時指定欄154b−3の「日」の表示を将来に進行させる
(カ)のオブジェクト動作:配送日時指定欄154b−3の「日」の表示を過去に戻す
(キ)のオブジェクト動作:配送日時指定欄154b−3の「時間」の表示を将来に進行させる
(ク)のオブジェクト動作:配送日時指定欄154b−3の「時間」の表示を過去に戻す
(ケ)のオブジェクト動作:ポイントとして表示されている数値を高くする
(コ)のオブジェクト動作:ポイントとして表示されている数値を低くする
(サ)のオブジェクト動作:スクロール
(シ)のオブジェクト動作:対応色の選択指定
というオブジェクト表示の変更動作が定義されている。そこで、CPU202は、ステップS205の処理として、タッチ位置の移動に応じたオブジェクト表示の変更動作が行なわれるように、上記(ア)〜(シ)に応じた処理を実行する。
そして、CPU202は、ステップS204で解析したオブジェクト動作の解析結果に応じた内部処理を実行し(ステップS206)、処理を終了する。一例として、HDD206にインストールされているコンピュータプログラム209には、
(ウ)のオブジェクト動作:タッチ指定された形態画像153aによって特定される持ち帰り用の商品を配送用の商品に変更
(エ)のオブジェクト動作:タッチ指定された形態画像153bによって特定される配送用の商品を持ち帰り用の商品に変更
(オ)のオブジェクト動作:配送日時の「日」を将来に進行させる
(カ)のオブジェクト動作:配送日時の「日」を過去に戻す
(キ)のオブジェクト動作:配送日時の「時間」を将来に進行させる
(ク)のオブジェクト動作:配送日時の「時間」を過去に戻す
(ケ)のオブジェクト動作:売上合計金額から割り引くポイントの数値を高くする
(コ)のオブジェクト動作:売上合計金額から割り引くポイントの数値を低くする
という内部処理の変更が定義されている。そこで、CPU202は、ステップS206の処理として、タッチ位置の移動に応じた内部処理の変更が行われるように、上記(ウ)〜(コ)に応じた処理を実行する。
図30は、手動操作による表示内容の反転表示を説明するためのPOS端末101の平面図である。図30(a)に示すディスプレイ103に表示される取引画面151は、店員の側に向けられている。図30(b)に示すディスプレイ103に表示される取引画面151は、顧客の側に向けられている。そこで、ディスプレイ103に図30(a)の向きで取引画面151が表示されている状態で上記(ア)のオブジェクト動作がなされると、取引画面151の表示向きは図30(b)のように反転する。これに対して、ディスプレイ103に図30(b)の向きで取引画面151が表示されている状態で上記(イ)のオブジェクト動作がなされると、取引画面151の表示向きは図30(a)のように反転する。
図29に示すフローチャートの説明に戻る。CPU202は、タッチパネル104上での画面タッチ位置の移動がなかったと判定した場合(ステップS203のN)、ステップS202で判定したオブジェクトの種類がインストラクションであったがどうかを確認する(ステップS207)。CPU202は、インストラクションではなかったと確認した場合(ステップS207のN)、タッチパネル104上で何らかのミスタッチが合ったことになるので、ステップS201の処理にリターンする。これに対して、CPU202は、インストラクションであったと確認した場合(ステップS207のY)、ステップS202で判定された種類のインストラクションを実行し(ステップS208)、処理を終了する。
図31は、商品情報が一覧表示されている状態を示す模式図である。図29のフローチャート中のステップS202でオブジェクトの種類がインストラクションであると判定されるのは、店員側に表示される取引情報表示欄154a中の反転表示指示ボタン154a−4がタッチ指定された場合か、一覧表示指示ボタン154a−5がタッチ指定された場合か、あるいは、顧客側に表示される取引情報表示欄154b中の一覧表示指示ボタン154b−5がタッチ指定された場合かのいずれかである。
CPU202は、店員側に表示される取引情報表示欄154a中の反転表示指示ボタン154a−4がタッチ指定された場合には、図30(a)と図30(b)とに示すように、ディスプレイ103に表示される取引画面151の表示向きを反転させる。
CPU202は、また、店員側に表示される取引情報表示欄154a中の一覧表示指示ボタン154a−5がタッチ指定されたか、あるいは、顧客側に表示される取引情報表示欄154b中の一覧表示指示ボタン154b−5がタッチ指定された場合には、図31に示すような一覧表示画面155をディスプレイ103にポップアップ表示させる。一覧表示画面155には、商品名155a、個数155b、値引き金額155c及び単価155dが個々の商品毎に示され、更に、個数155b、値引き金額155c及び単価155dについては、その合計が表示される。
そして、一覧表示画面155において特異な点は、商品名155aとして、テキスト表示の他に縮小された形態画像153cが表示されている点である。この縮小された形態画像153cは、商品画像データベース210cから取得した画像データに基づいて生成されている。
(本発明の別の実施の一形態)
本発明の別の実施の一形態を図32〜図35に基づいて説明する。図1〜図31に基づいて説明した前記実施の形態と同一部分は同一符号で示し、説明も省略する。
図32は、対面販売中であるPOS端末101を示す斜視図である。本実施の形態のPOS端末101は、その外観上、カメラであるCCDカメラ121が設置さている点が前記実施の形態とは相違する。CCDカメラ121は、商品載置領域105に隣接して設けられているL字形状の支柱122の先端に固定されており、商品載置領域105に載置されたショッピングバスケット309内に収納されている商品A等を撮像することができるように配置されている。また、外観上は分かりにくいが、本実施の形態のPOS端末101は、商品載置領域105に載置された品物の重量を計量する秤部108が設けられていない点も、前記実施の形態とは相違する。
図33は、POS端末101のハードウェア構成を示すブロック図である。本実施の形態では、CCDカメラ121が設けられ、秤部108が設けられていないことから、制御部201に対しては、システムバス207に接続されたインターフェース(図示せず)を介してCCDカメラ121が接続されている。前記実施の形態ではシステムバス207にインターフェース(図示せず)を介して接続されていた秤部108(図3参照)が、本実施の形態では設けられていない。
また、HDD206にインストールされている商品データベース210中、前記実施の形態では設けられていた商品重量データベース210b(図3参照)も、本実施の形態では設けられていない。
これに対して、コンピュータプログラム209は、画像解析モジュール209aを含んでいる。この画像解析モジュール209aは、CCDカメラ121が撮像した画像の撮像データを解析し、商品載置領域105に載置されたショッピングバスケット309に収納されている商品A及び注文札Oの個数を判定する。
一例として、画像解析モジュール209aは、ショッピングバスケット309に重ね合わされることなく収納されている商品A及び注文札Oの撮像データから、商品A及び注文札Oの部分とそれ以外の部分とを区別して判別する。例えば、ショッピングバスケット309の底部の形状パターンの特徴量を記憶しておくことで、CCDカメラ121が出力する撮像データからショッピングバスケット309の底部領域とそれ以外の領域とを判別することが容易である。また、ショッピングバスケット309に商品A及び注文札Oを重ね合うことなく収納するという運用を採用すれば、CCDカメラ121が出力する撮像データ中、ショッピングバスケット309の底部以外の領域がその収納されている商品A及び注文札Oの数だけ分離される。そこで、分離しているショッピングバスケット309の底部以外の領域の数を計数することで、商品載置領域105に載置されたショッピングバスケット309に収納されている商品A及び注文札Oの個数を判定することが可能である。
別の一例として、画像解析モジュール209aは、POS端末101が設置される店舗301で扱う可能性がある全ての商品の特徴量を記憶しておき、CCDカメラ121が出力する撮像データ中から商品の特徴量を探し出すことで、商品載置領域105に載置されたショッピングバスケット309に収納されている商品A及び注文札Oの個数を判定する構成であってもよい。
このような画像解析モジュール209aは、HDD206にインストールされているコンピュータプログラム209のモジュールとして実現されるのみならず、集積回路化されて実現されていてもよい。
図34は、ディスプレイ103に販売待機画面が表示されている状態を示すPOS端末101の平面図である。本実施の形態では、前記実施の形態では設けられていた秤部108(図3参照)が設けられていない。このため、チェックアウトカウンタ102の上面全面に、ディスプレイ103及びタッチパネル104を配置することが可能である。これにより、図34に示すように、チェックアウトカウンタ102の上面を円滑で洗練された外観態様で形成することが可能となる。
図35は、全体の処理の流れを示すフローチャートである。本実施の形態では、商品載置領域105に載置されている全ての現実の商品A及び全ての注文札Oによって特定される商品が、正しく商品登録されているかどうかを判定するための処理として、CCDカメラ121の撮像画像が用いられる。つまり、そのための処理として、前記実施の形態は、図6中のステップS111〜ステップS113の処理を採用されていたのに対して、本実施の形態では、図6中のステップS111〜ステップS113の処理が採用されず、ステップS301〜ステップS303の処理が採用されている。以下、これらの処理内容について説明する。
CPU202は、ディスプレイ103に表示している取引情報表示欄154にステップS109の処理によって得た取引情報等を表示した後(ステップS110)、画像解析処理を実行する(ステップS301)。つまり、画像解析モジュール209aを起動させておき、CCDカメラ121が出力した撮像データに基づいて、ショッピングバスケット309に収納されている商品A及び注文札Oの個数を解析する処理を実行する。これにより、CPU202は、続くステップS302で、ショッピングバスケット309に収納されている商品A及び注文札Oの個数を取得する。
その後、CPU202は、無線通信部106が取得した無線タグの記憶データに含まれている商品コードから商品A及び注文札Oの読み取り個数を判定し、この読み取り個数(登録個数)とステップS302で取得したCCDカメラ121の撮像データに基づく商品A及び注文札Oの個数(画像個数)とが一致しているかどうかを判定する(ステップS303)。この判定の結果、登録個数と画像個数との一致が判定されれば、ショッピングバスケット309に収納されている商品A及び注文札Oが全て登録されていることになる。そこで、この場合には、取引画面151の表示向きを店員側から顧客側に変更するステップS116の処理を実行する。これに対して、登録個数と画像個数との一致が判定されない場合には、未登録の商品Aが商品載置領域105に載置されているショッピングバスケット309に収納されているはずなので、CPU202は、その未登録の商品Aについての登録処理を実行する(ステップS115)。
以上説明したように、本実施の形態では、商品載置領域105に載置されている全ての現実の商品A及び注文札Oによって特定される商品が正しく商品登録されているかどうかを判定するために、CCDカメラ121が撮像した画像の撮像データを用いている。したがって、図34に示すように、チェックアウトカウンタ102の上面を円滑で洗練された外観態様で形成することが可能となる。
(本発明の更に別の実施の一形態)
本発明の更に別の実施の一形態を図36に基づいて説明する。図1〜図31に基づいて説明した前記実施の形態、及び、図32〜図35に基づいて説明した前記実施の形態と同一部分は同一符号で示し、説明も省略する。
図36は、ショッピングバスケット309に収納された商品A等から読み取られた商品情報がディスプレイ103に表示されている状態を示すPOS端末101の平面図である。本実施の形態では、顧客側に向けられた取引情報表示欄154bがディスプレイ103の側縁に沿って配列されておらず、前記実施の形態では取引画面151を表示していた領域の一部に配列されている。つまり、図36に示すように、顧客の側から見ると、ディスプレイ103の右側領域に顧客側に向けられた取引情報表示欄154bの表示領域が確保されている。
また、本実施の形態において特異な点は、取引画面151の表示形態である。前記実施の形態では、背景画像152が持ち帰り商品表示領域152aと配送商品表示領域152bとに区分されているのに対して、本実施の形態では、背景画像152にそのような区別がない。つまり、前記実施の形態では、現実の商品Aに付された無線タグから読み取られた記憶データに基づき表示される形態画像153aと注文札Oに付された無線タグから読み取られた記憶データに基づく形態画像153bとの区別を、形態画像153そのものの表示態様によって区別する他、その表示領域によっても区別している。これに対して、本実施の形態では、そのような二種類の形態画像153a、153bの区別を、専ら形態画像153そのものの表示態様によってのみ区別している。そして、これらの二種類の形態画像153a、153bは、領域が区別されない単一の背景画像152にランダムな表示向きで表示され、取引画面151を構成している。したがって、店員側と顧客側とに、取引画面151の表示向きを切り換える必要がなく、何れの側からも、個々の形態画像153a、153bを一見して認識し易くしている。したがって、前記実施の形態の取引情報表示欄154には設けられていた反転表示指示ボタン154a−4は設けられていない。
(本発明の更に別の実施の一形態)
本発明の更に別の実施の一形態を図37及び図38に基づいて説明する。図1〜図31に基づいて説明した前記実施の形態、図32〜図35に基づいて説明した前記実施の形態、及び図36に基づいて説明した前記実施の形体と同一部分は同一符号で示し、説明も省略する。
図37は、対面販売中であるPOS端末101を示す斜視図である。本実施の形態のチェックアウトカウンタ102は、その上面にディスプレイ103及びタッチパネル104を有していない。これらのディスプレイ103及びタッチパネル104は、チェックアウトカウンタ102の端部に立設されている。図37中には、ディスプレイ103しか表示されていないが、タッチパネル104はディスプレイ103の図示しない表示面に積層配置されている。これらのディスプレイ103及びタッチパネル104の立設位置は、商品載置領域105とは反対側の端部であり、その表示面を商品載置領域105の側に向けて配置されている。したがって、キャッシャである店員及び顧客の双方が、ディスプレイ103の表示内容を閲覧することができ、かつ、タッチパネル104によるタッチ操作が可能となっている。
図38は、ショッピングバスケット309に収納された商品A等から読み取られた商品情報がディスプレイ103に表示されている状態を示すPOS端末101の正面図である。本実施の形態のディスプレイ103の表示内容は、前記実施の形態と基本的に相違しない。相違する点は、取引情報表示欄154が店員用と顧客用とに別れておらず、単一であるという点である。本実施の形態は、店員と顧客とがディスプレイ103を挟んで対面する形態を採用していないため、店員用と顧客用とに取引情報表示欄154を分ける必要がないからである。本実施の形態では、前記実施の形態でいうと、店員用の取引情報表示欄154aに相当する取引情報表示欄154が設けられていない。取引情報表示欄154の内容は、前記実施の形態における顧客用の取引情報表示欄154bに相当する内容となっている。
102…チェックアウトカウンタ、103…ディスプレイ、104…タッチパネル、105…商品載置領域、106…無線通信部、108…秤部、153…形態画像、201…制御部、204…RAM(記憶部)、210a…商品データファイル、210c…商品画像データベース、210b…商品重量データベース、A…商品