JP2009162916A - 電子写真感光体、電子写真カートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性支持体上に電荷発生物質及び電荷輸送物質を同一層内に含有する感光層を有する電子写真感光体において、該感光層を膜厚5μmで形成した場合の、該感光層の780nmの波長の光に対する透過率を20%以下とする。
【選択図】なし
Description
特に、電荷キャリヤーの発生や移動といった機能を別々の有機系の光導電性物質に分担させた電子写真感光体(いわゆる機能分離型の電子写真感光体)が高感度化に有効であることから、近年開発の主流となっている。このような機能分離型の電子写真感光体の感光層には、いくつかの層構成が考案されている。中でも、電荷発生層と電荷輸送層とを積層し、電荷発生と電荷輸送の機能を分離した、いわゆる積層型感光層、及び電荷発生物質と電荷輸送物質とを同一の層に含有した、いわゆる単層型感光層(例えば特許文献1〜5参照)が、一般に用いられている。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段6によって転写残りトナー等の付着物の除去を受けて清浄面化される。近年、クリーナレスシステムも研究され、転写残りトナーを直接、現像器等で回収する構成等とされる場合もある。
A.電子写真感光体
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に電荷発生物質及び電荷輸送物質を同一層内に含有する感光層を有する、所謂単層型の感光層を有するものであって、該感光層を膜厚5μmで形成した場合の、該感光層の780nmの波長の光に対する透過率が、20%以下であることを特徴としている。
以下、本発明の電子写真感光体を構成する各部材について説明する。
本発明の電子写真感光体に用いられる感光層について、以下詳しく説明する。
[物性]
本発明に係る感光層は、感光層を膜厚5μmで形成した場合の、該感光層の780nmの波長の光に対する透過率が、20%以下である。これにより、感光層を露光した際に、感光層深部まで露光光が到達しにくいものとすることができ、感光層の導電性支持体側に存在する電荷発生物質が励起され難いものとすることができる。したがって、感光体サイクル後、感光層深部に電子が留まってしまうこと等がないものとすることができる。またこの透過率は、より低くすることにより導電性支持体側に存在する電荷発生物質が励起され難いものとすることができるため、18%以下であることが好ましく、より好ましくは15%以下であって、さらに好ましくは12%以下、特に好ましくは8%以下である。
なお、上記透過率の測定方法は、測定波長に対して透明な測定用基板(例えばガラス基板等)上に、感光層を形成する際と同様の材料及び方法を用いて、5μmの膜厚の感光層を形成し、この感光層を分光光度計により測定する方法とすることができる。
特定の単色光が通過して検出される場合に、光に対して垂直な厚さdLの薄い層を仮定する。
厚さdLの薄い層を通過後の光の強度の減少量−dIは、前記の層を通過する前の光の強度Iと、層の厚さdLとに比例すると考えられ、下記式(A)で表現することができる(kは定数)。
−dI=k・I・dL (A)
式(A)を変形すると次の様になる。
−dI/I=k・dL (B)
式(B)の両辺をそれぞれ、I0からIまで、0からLまでの区間で積分すると次の様な式が得られる。なお、I0は入射光の強度を表わす。
log(I0/I)=kL (C)
式(C)は、溶液系に於いてLambertの法則と呼ばれるものと同じであり、電子写真感光体の感光層として通常用いられる程度の膜厚においては適用可能であることから、本発明に於ける透過率の測定にも、適用することができる。
したがって、感光層の膜厚及び透過率(透過光の入射光に対する比率)が測定されれば、その透過率を膜厚5μmにおける値に変換することができる。
上記感光層の膜厚Lの値は、導電性支持体から感光層を一部剥離して厚さ測定装置で測定したり、導電性支持体の感光層非形成部分を基準にして粗さ計で測定したり、可干渉光を利用することにより測定するなど、任意の膜厚計測方法および装置で計測することができる。
次に、感光層に用いられる材料を説明する。本発明に用いられる感光層は、電荷輸送物質及び電荷発生物質を含有する単一の層から成っていることが好ましいが、構成成分あるいは組成比の異なる複数の層を重ねたものであって良い。後者の場合でも、感光層中の材料の働きから、単層型感光層という。この際、感光層を構成する層のうちの1以上の層において、電荷輸送物質及び電荷発生物質を同一層内に含有していれば良い。電荷輸送物質及び電荷発生物質を含む層としては、通常、電荷輸送物質が溶解または分散等されている層中に電荷発生物質を分散した層とすることができる。なお、本発明に用いられる感光層は、上述した透過率を実現するため、感光層中に所定の吸光度を有する粒子を含有することが好ましい。以下、上記感光層に用いられる材料について説明する。
感光層に用いる電荷発生物質としては、例えば、セレン及びその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料;フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料などの有機顔料;などの各種光導電材料が使用できる。中でも、特に有機顔料が好ましく、更に、フタロシアニン顔料、アゾ顔料がより好ましい。
Zは、
さらに、感光層内に分散される電荷発生物質の量は少なすぎると充分な感度が得られない可能性があり、多すぎると帯電性の低下、感度の低下などが生じる場合がある。よって、感光層内の電荷発生物質の量は、通常0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上、また、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下とする。
本発明の電子写真感光体における感光層には、電荷輸送物質として、任意の公知の電荷輸送物質を1種、または2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いることができる。
電荷輸送物質としては特に限定されず、任意の物質を用いることが可能である。公知の電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物などの電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の電子供与性物質などが挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。
本発明に係る感光層は、感光層を膜厚5μmで形成した場合の、該感光層の780nmの波長の光に対する透過率が、20%以下であることを特徴とする。感光層の透過率を特定の範囲内とする方法としては、例えば、光を吸収する材料を感光層内に分散または溶解したり、バインダー樹脂に特定波長の光を吸収する物を用いたり、光を散乱または反射する材料を感光層内に分散させる方法等が挙げられるが、本発明の目的及び効果を損なわない限り、これらに限定されるものではない。上記の中でも、化学的に安定で、感光層に含有させた場合でも感光層と相溶したり、電荷発生物質、電荷輸送物質、バインダー樹脂等の含有成分と反応を起こしたりしない粒子を含有させることが好ましい。
これらの粒子は、1種または2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いることができる。
上記粒子の含有量としては、感光層内に通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上である。また通常50重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。これにより上記透過率を実現することが可能となる。
次に、上記感光層に用いるバインダー樹脂について説明する。上記感光層に用いるバインダー樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体またはその共重合体;ブタジエン樹脂;スチレン樹脂;酢酸ビニル樹脂;塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂;メタクリル酸エステル樹脂;ビニルアルコール樹脂;エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体;ポリビニルブチラール樹脂;ポリビニルホルマール樹脂;部分変性ポリビニルアセタール樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリアミド樹脂;ポリウレタン樹脂;セルロースエステル樹脂;シリコーン−アルキッド樹脂;ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエステル樹脂;ポリエステルカーボネート樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリイミド樹脂;フェノキシ樹脂;エポキシ樹脂;シリコーン樹脂;及びこれらの部分的架橋硬化物が挙げられる。また上記樹脂は珪素試薬等で修飾されていてもよい。またこれらは1種を単独で用いてもよく、また2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いることができる。
上記ポリカーボネート樹脂に好適に用いる事の出来るビスフェノール及びビフェノールの構造を以下に例示する。本例示は、趣旨を明確にするために行うものであり、本発明の趣旨に反しない限り、例示される構造に限定されるものではない。
上記材料以外にも、感光層中には、例えば成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性等を向上させるために周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤などの添加物を含有させてもよい。また感光層には必要に応じて塗布性を改善するためのレベリング剤や酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。また染料、顔料の例としては、各種の色素化合物、アゾ化合物などが挙げられ、界面活性剤の例としては、シリコ−ンオイル、フッ素系オイルなどが挙げられる。本発明では、これらを適宜、1種単独で、または2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いることができる。
また電子写真感光体表面の摩擦抵抗や摩耗を軽減する目的で、感光層の表面の層にフッ素系樹脂、シリコーン樹脂等を含んでも良く、これらの樹脂からなる粒子や酸化アルミニウム等の無機化合物の粒子を含有させてもよい。
ここで、本発明においては特に下記の酸化防止剤及び電子吸引性化合物が含有されていることが好ましい。
酸化防止剤は、本発明の電子写真感光体に含まれる材料の酸化を防止するために用いられる安定剤の一種である。
この中でも、フェノール誘導体、アミン化合物、ビタミン等が好ましい。また、嵩高い置換基を、ヒドロキシ基近辺に有する、ヒンダードフェノール、またはトリアルキルアミン誘導体等がより好ましい。
またさらに、ヒドロキシ基のo位に、t−ブチル基を有するアリール化合物誘導体、及びヒドロキシ基のo位に、t−ブチル基を2つ有するアリール化合物誘導体が特に好ましい。
これらの化合物はゴム、プラスチック、油脂類等の酸化防止剤として知られており、市販品として手に入るものもある。
また、本発明の電子写真感光体中には電子吸引性の化合物を有することが好ましく、特に感光層に含有することが好ましい。
電子吸引性化合物の例として具体的には、スルホン酸エステル化合物、カルボン酸エステル化合物、有機シアノ化合物、ニトロ化合物、芳香族ハロゲン誘導体等が挙げられ、好ましくは、スルホン酸エステル化合物、有機シアノ化合物であり、特に好ましくはスルホン酸エステル化合物である。上記電子吸引性化合物は1種のみを単独で用いてもよく、また2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
次に、感光層の形成方法について説明する。上記感光層は、電荷輸送物質、バインダー樹脂、及びその他の物質を溶媒(または分散媒)に溶解(または分散)した塗布液中に上記電荷発生物質を分散させ、導電性支持体上(下引き層等の中間層を設ける場合は、これらの中間層上)に塗布することにより形成することができる。
以下、感光層の形成に用いられる溶媒または分散媒、及び塗布方法を説明する。
感光層の形成に用いられる溶媒または分散媒としては例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類;ギ酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、トリクロロエチレン等の塩素化炭化水素類;n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等の含窒素化合物類;アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤類等があげられる。またこれらは1種を単独で用いてもよく、また2種以上を任意の比率及び組み合わせで併用して用いてもよい。
感光層を形成するための塗布液の塗布方法としては、例えばスプレー塗布法、スパイラル塗布法、リング塗布法、浸漬塗布法等が挙げられる。
次に、本発明の電子写真感光体に用いられる導電性支持体について説明する。導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を共存させて導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫合金)等の導電性材料をその表面に蒸着または塗布した樹脂、ガラス、紙等を主として使用する。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を持つ導電性材料を塗布したものでも良い。
例えば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で、陽極酸化処理することにより、金属材料表面に陽極酸化被膜が形成されるが、硫酸中での陽極酸化処理がより良好な結果を与える。硫酸中での陽極酸化の場合、硫酸濃度は通常100g/l以上であり、また通常300g/l以下、溶存アルミニウム濃度は通常2g/l以上であり、通常15g/l以下、液温は通常15℃以上であり、通常30℃以下、電解電圧は通常10V以上であり、通常20V以下、電流密度は通常0.5A/dm2以上であり、通常2A/dm2以下の範囲内に設定されるのが好ましいが、前記条件に限定されるものではない。
なお、上記導電性支持体と感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のために、後述する下引き層を設けても良い。
本発明の電子写真感光体には、上記感光層と導電性支持体との間に下引き層を有していてもよい。下引き層としては、例えば樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したもの等が用いられる。下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が挙げられる。下引き層には、上記1種類の粒子のみを用いても良く、複数の種類の粒子を任意の比率及び組み合わせで混合して用いても良い。
また本発明の電子写真感光体は、上述した導電性支持体、感光層、及び下引き層以外に必要に応じて適宜他の層を有していてもよく、例えば感光層上には電気的、機械的機能低下を防止する目的で保護層等を設けてもよい。
本発明の電子写真感光体が用いられる画像形成装置の種類等は特に限定されず、公知の画像形成装置に適用することが可能である。感光層の露光波長は特に限定されず通常、波長700nm以上、800nm以下の単色光や、波長600nm以上、700nm以下のやや短波長よりの単色光、波長380nm以上、600nm以下の短波長の単色光とすることができる。これらの中でも特に、露光光の口径を小さくする場合には、波長380nm以上、600nm以下の短波長とすることが好ましく、より好ましくは波長500nm以下とすることが好ましい。
次に、本発明の画像形成装置について説明する。本発明における画像形成装置は、上述した電子写真感光体を備えるものであれば、その構成は特に限定されない。
上記電子写真感光体を備えた画像形成装置は、電子写真感光体を繰り返し画像形成に用いた場合であっても、初期電圧の低下が少なく、また目的とするパターン状に高精細に画像形成を行なうことが可能である。
図1に示すように、画像形成装置は、通常、電子写真感光体1、帯電手段2、像露光手段3及び現像手段4、及び転写手段5を備え、必要に応じてクリーニング手段6及び定着手段7が設けられる。
以下、画像形成装置の各構成ごとに説明する。
上記画像形成装置における電子写真感光体としては、上述した「A.電子写真感光体」で説明したものとすることができる。図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電手段2、像露光手段3、現像手段4、転写手段5及びクリーニング手段6がそれぞれ配置されている。
帯電手段2は、電子写真感光体1を帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を所定電位に均一帯電させることが可能なものであれば特に限定されない。図1では帯電手段2の一例としてローラ型の帯電手段(帯電ローラ)を示しているが、他にもコロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電手段、帯電ブラシ等の接触型帯電手段などがよく用いられる。接触型帯電手段の材料としては、導電性を付与した弾性体が一般的である。
像露光手段3は、電子写真感光体1に、例えば波長700nm以上、800nm以下の単色光や、波長600nm以上、700nm以下のやや短波長よりの単色光、波長380nm以上、600nm以下の短波長の単色光を照射して像露光を行ない、電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、 ハロゲンランプ、蛍光灯、半導体レーザー、LEDなどが挙げられる。また、感光体内部露光方式によって露光を行なうようなものであってよい。
現像手段4は、上記電子写真感光体1上に形成された前記静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成することが可能なものであれば、その種類に特に制限はなく、カスケード現像、磁性一成分接触現像、磁性一成分非接触現像、非磁性一成分接触現像、非磁性一成分非接触現像、磁性二成分接触現像、磁性二成分非接触現像などの乾式現像方式や、湿式現像方式などの任意の手段を用いることができる。また導電性トナーを用いてもよい。図1では、現像手段4は、現像槽41、アジテータ42、供給ローラ43、現像ローラ44、及び、規制部材45からなり、現像槽41の内部にトナーTを貯留している構成となっている。
また、必要に応じ、トナーTを補給する補給装置(図示せず)を現像手段4に付帯させる構成としてもよい。この補給装置は、ボトル、カートリッジなどの容器からトナーTを補給することが可能となるように構成される。
転写手段5は、上記電子写真感光体1上に形成されたトナー像を被転写体に転写することが可能なものであれば、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた手段とすることができる。例えば転写手段5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー、転写ローラ、転写ベルト等から構成されるものとすることができる。この転写手段5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を被転写体(記録紙)Pに転写する。
クリーニング手段6は、電子写真感光体1に付着している残留トナーをクリーニング部材で掻き落とし、残留トナーを回収するものである。その種類に特に制限はなく、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナーなど、任意のクリーニング手段を用いることができる。但し、クリーニング手段6、感光体表面に残留するトナーが少ないか、殆ど無い場合には、クリーニング手段6は無くても構わない。
定着手段7は、例えば上部定着部材(加圧ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成されるもの等とすることができ、通常、定着部材71または72の内部には加熱装置73が通常備えられる。図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73が備えられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71、72は、ステンレス、アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71、72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
なお、定着手段についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着手段を設けることができる。
除電手段としては、上記電子写真感光体の除電を行うことが可能な手段であれば特に限定されるものではない。除電方法としては、通常、蛍光灯、LED等を用いて電子写真感光体にエネルギーを照射する方法が挙げられる。なお上記除電工程で用いる光は、強度として像露光の際の露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
次に、上記電子写真感光体を用いた電子写真カートリッジについて説明する。電子写真カートリッジは、上述した電子写真感光体を備えるものであれば、その構成等は特に限定されるものではなく、例えば上記電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した前記電子写真感光体に対し像露光を行い、静電潜像を形成する像露光手段、前記電子写真感光体上に形成された前記静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段、前記電子写真感光体上の前記トナー像を被転写体に転写する転写手段、前記トナー像の転写後に前記電子写真感光体上に残留する電荷を除去する除電手段、及び前記トナー像の転写後に前記電子写真感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段のうちの少なくとも一つとを備えるものとすることができる。
上記画像形成装置に用いられるトナーは、どのような方法で製造されるものであっても構わないが、水系媒体中で製造されたトナー粒子、いわゆる重合法トナーが好ましい。重合法トナーとしては、懸濁重合法トナー、乳化重合凝集法トナーが挙げられる。特に、乳化重合凝集法は、液状媒体中でポリマー樹脂微粒子と着色剤とを凝集させてトナーを製造する方法であり、凝集条件を制御することによってトナーの粒径および円形度を調整することができるので好ましい。また、離型性、低温定着性、高温オフセット性、耐フィルミング性などを改良するためにトナーに低軟化点物質(いわゆるワックス)を含有させる方法が提案されている。溶融混練粉砕法では、トナーに含まれるワックスの量を増やすのは難しく、バインダー樹脂に対して5%程度が限界とされている。それに対して、重合トナーでは、例えば特開昭59−194393公報や、特開平03−194560公報に記載のごとく、低軟化点物質を多量(5〜30%)に含有することを特徴としている。
乳化重合凝集法によりトナーを製造する場合、通常、重合工程、混合工程、凝集工程、融合工程、洗浄・乾燥工程を有する。すなわち、一般的には乳化重合により得た重合体一次粒子を含む分散液に、必要に応じ、着色剤、ワックス、帯電制御剤等の分散液を混合し、この分散液中に凝集剤を加えて一次粒子を凝集させて粒子凝集体とし、必要に応じて微粒子等を付着する操作を行い、その後に融合させて得られた粒子を洗浄、乾燥することにより母粒子が得られる。
乳化重合法としては、従来より知られている方法に従って行えばよく、通常は、ワックスを乳化剤の存在下で液状媒体に分散してワックス微粒子とし、これに重合開始剤、重合によりバインダー樹脂を与える重合性単量体すなわち重合性の炭素−炭素二重結合を有する化合物、及び必要に応じて連鎖移動剤、pH調整剤、重合度調節剤、消泡剤、保護コロイド、内添剤等を共存させて、攪拌して重合を行うことにより、重合体がワックスを包み込んだ形状をもつバインダー樹脂微粒子が液状媒体に分散したエマルジョンが得られる。重合体がワックスを包み込んだ形状としては、例えばコアシェル型、相分離型、オクルージョン型などが挙げられるが、コアシェル型が好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル等が挙げられる。
アクリルアミド類としては、アクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド等が挙げられる。
これらの重合性単量体は、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。
塩基性モノマーとしては、例えばアミノスチレン等のアミノ基を有する芳香族ビニル化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン等の含窒素複素環含有モノマー、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。酸性モノマー及び塩基性モノマーは、対イオンを伴って塩として存在していてもよい。
乳化剤としては、通常、非イオン性、アニオン性、カチオン性、及び両性のいずれの界面活性剤も用いることができる。
カチオン系界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩類、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド等の4級アンモニウム塩類等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、ラウリルベタイン等のアルキルベタイン類等が挙げられる。
これらの中でも、非イオン性界面活性剤、アニオン系界面活性剤が好ましい。乳化剤は1種でも、2種以上を併用してもよい。乳化剤は、重合性モノマー100重量部に対して、通常1〜10重量部の割合で用いられる。
保護コロイドとしては、この用途に用い得ることが知られている任意のものを使用することができ、具体例としては、部分または完全ケン化ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体類等などが挙げられる。
内添剤としては、例えば、シリコーンオイル、シリコーンワニス、フッ素系オイル等のトナーの粘着性、凝集性、流動性、帯電性、表面抵抗等を改質するためのものが挙げられる。
バインダー樹脂の微粒子としては、1種類を用いても、異なる原料や反応条件で製造した2種以上を併用してもよい。
このうち、黒色顔料としてカーボンブラックは、非常に微細な一次粒子の凝集体として存在し、顔料分散体として分散させたときに、再凝集による粒子の粗大化が発生しやすい。本発明者らの検討によると、カーボンブラック粒子の再凝集の程度は、カーボンブラック中に含まれる不純物量(未分解有機物量の残留程度)の大小と相関が見られ、不純物が多いと分散後の再凝集による粗大化が激しい傾向を示した。そして、不純物量の定量的な評価として、以下の方法で測定されるカーボンブラックのトルエン抽出物の紫外線吸光度が0.05以下であるのが好ましく、0.03以下であるのが一層好ましい。一般に、チャンネル法のカーボンブラックは不純物が多い傾向を示すので、本発明におけるカーボンブラックとしては、ファーネス法で製造されたものが好ましい。
・アトライター:湿式分散媒、被粉砕物をタンクに入れ、3〜15mm程度のメディアビーズを入れアルミナ製などのアジテータアームで強制的に撹拌して摩砕する方式。
・サンドミルは、湿式分散媒と被粉砕物をプレミックスしたものに1〜5mm程度のメデイアビーズを加えた後、サンドディスクを浸漬して規定速度で回転・機動させる方式。
・ビーズミル(アニュラー型):容器のロータとステータの間に1〜3mm程度のメディアビーズを充填し、ロータを高速回転させることでビーズ間に流動速度差を与えることで発生するずり応力、剪断力、摩擦などによって粉砕分散を行う方式。
測定上限 :6.54μm
測定下限 :0.0008μm
チャンネル数:52
測定時間 :100sec.
粒子透過性 :吸収
粒子屈折率 :N/A(適用しない)
粒子形状 :非球形
密度(g/cm3):1
分散媒種類 :WATER
分散媒屈折率:1.333
なお、ワックス分散液、重合体分散液についても上記と同様の方法で粒度分布を測定することができる。
また、バインダー樹脂に対する顔料の量の割合は、通常1重量%以上、好ましくは3重量%以上であり、通常20重量%以下、好ましくは15重量%以下である。
電解質を混合して凝集を行う場合の電解質としては、NaCl、KCl、LiCl、MgCl2、CaCl2等の塩化物、Na2SO4、K2SO4、Li2SO4、MgSO4、CaSO4、ZnSO4、Al2(SO4)3、Fe2(SO4)3等の硫酸塩などの無機塩、CH3COONa、C6H5SO3Na等の有機塩が挙げられる。これらのうち、2価以上の多価の金属カチオンを有する無機塩が好ましい。
帯電制御剤の割合は、バインダー樹脂100重量部に対し、通常0.01重量部以上、好ましくは0.1重量部以上であり、また10重量部以下、好ましくは5重量部以下である。
得られた凝集粒子は、そのまま次工程の樹脂被覆層を形成する工程に進んでもよいし、引き続き液状媒体中で加熱による融合処理を行った後に、カプセル化工程に進んでもよい。そして、望ましくは、凝集工程の後に、カプセル化工程を行い、その後凝集一次粒子とカプセル化樹脂微粒子を合わせて、カプセル化樹脂微粒子のガラス転移点以上の温度で加熱して融合工程を行うのが、工程を簡略化でき、トナーの性能低下(熱分解など)を生じないので好ましい。
前記樹脂被覆層を形成する方法としては、特に制限はないが、例えば、スプレードライ法、機械式粒子複合法、in−situ重合法、液中粒子被覆法等が挙げられる。上記スプレードライ法により樹脂被覆層を形成する方法としては、例えば、内層を形成する凝集粒子と樹脂被覆層を形成する樹脂微粒子とを水媒体中に分散して分散液を作製し、分散液をスプレー噴出し、乾燥することによって、凝集粒子表面に樹脂被覆層を形成することができる。前記機械式粒子複合法により樹脂被覆層を形成する方法としては、例えば、内層を形成する凝集粒子と樹脂被覆層を形成する樹脂微粒子を気相中に分散させ、狭い間隙で機械的な力を加えて凝集粒子表面に樹脂微粒子を成膜化する方法であり、例えばハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)などの装置が使用できる。
上記液中粒子被覆法としては、内層を形成する凝集粒子と外層を形成する樹脂微粒子とを、水媒体中で反応あるいは結合させ、内層を形成する凝集粒子の表面に樹脂被覆層を形成することができる。
樹脂被覆層形成の後の融合工程では、樹脂被覆層を形成する重合体成分のガラス転移点以上の温度で加熱処理することにより、凝集体を構成するバインダー樹脂及びその表面の樹脂被覆層の融合一体化がなされる、球形に近いトナー粒子を得ることができる。これにより、顔料粒子は実質的に表面に露出しない形態が得られる。
トナーは、粒径25μm以上の体積分率が通常1%以下、特に0.5%以下であるのが好ましい。この値は小さいほど好ましく、0.1%以下がより好ましく、更には0.05%以下であるのが好ましい。これは、トナーに含まれる粗粉の割合が少ないことを意味しており、粗粉が少ないと、連続現像の際のトナーの消費量が少なく、画質が安定するので好ましい。粒径25μm以上の粗粉は全く存在しないのが特に好ましいが、実際の製造上は困難であり、通常は0.005%以下にする必要はない。
また、粒径5μm以下の個数分率が15%以下、特に10%以下であることが、画像カブリの改善に効果があるので好ましい。
円形度a=L0/L (1)
〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは画像処理した時の粒子像の周囲長を示す。〕
具体的な測定方法の例としては、予め容器中の不純物を除去した水20ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加え、更に測定試料を0.05g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波を30秒照射し、分散液濃度を3.0〜8.0千個/μlとして、上記フロー式粒子像測定装置を用い、0.60μm以上160μm未満の円相当径を有する粒子の円形度分布を測定する。
トナーの軟化点(Sp)は、低エネルギーで定着する観点から通常150℃以下、特に140℃以下が好ましい。また、耐高温オフセット性、耐久性の点からは軟化点が通常80℃以上、特に100℃以上であるものが好ましい。
トナーの軟化点、ガラス転移点の測定は、前記したバインダー樹脂の測定方法に準ずる。
また、トナーの流動性、帯電安定性、高温下での耐ブロッキング性などを向上させるために、トナー粒子表面に外添微粒子を添着させてもよい。
外添微粒子としては、この用途に用い得ることが知られている公知のものが使用でき、具体的には、無機微粒子、有機微粒子などが挙げられる。
これら外添微粒子の中では、特にシリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、カーボンブラック等が好適に使用される。外添微粒子は1種でも、2種以上を併用してもよい。
外添微粒子の数平均粒径は、通常0.001μm以上、好ましくは0.005μm以上であり、通常3μm以下、好ましくは1μm以下である。異なる平均粒径のものを複数配合してもよい。外添微粒子の平均粒径は電子顕微鏡観察やBET比表面積の値からの換算等により求めることができる。
トナーに占める外添微粒子の割合は、0.1重量%以上が好ましい。0.3重量%以上、更には0.5重量%以上であればより好ましい。また上限は、10重量%以下であるのが好ましく、6重量%以下、更には4重量%以下であればなお好ましい。
トナーは、一成分現像剤として用いることも、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることも可能である。
電子写真方式によるフルカラー画像の形成は、マゼンタ、シアン、イエローの各カラートナーおよび必要に応じてブラックトナーを用いて常法により実施することができる。
下引き層用分散液は、次のようにして製造した。即ち、平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3重量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、高速流動式混合混練機((株)カワタ社製「SMG300」)に投入し、回転周速34.5m/秒で高速混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの重量比が7/3の混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒、及び、特開平4−31870号公報の実施例に記載された、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表わされる化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表わされる化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表わされる化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表わされる化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表わされる化合物]の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの重量比が7/1/2で、疎水化処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層用分散液とした。
・顔料分散液
CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.3゜に強い回折ピークを示すことを特徴とする、オキシチタニウムフタロシアニン7部、下記構造式で表されるペリレン化合物10.5部、及びトルエン227部をサンドグラインドミル中で1時間分散し、得られた分散液をトルエンで希釈して固形分濃度5重量%の顔料分散液を調製した。
下記繰り返し構造を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量、約4万)105部、下記構造式で表されるヒドラゾン化合物63部、下記構造式で表されるアミン化合物1部、下記構造式で表されるフェノール化合物17部、シリコーンオイル(信越化学株式会社製シリコーンオイルKF96)0.03部、およびトルエン494部を混合し、電荷輸送物質溶液を調製した。
モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、シリコーン樹脂粒子、トスパール120A(日機装(株)製のマイクロトラックUPA粒度分析計を用いて、イソプロピルアルコール中に分散した分散液において測定した平均粒子径が2μm)20部と、トルエン80部とを5分間混合し、粒子分散液Aを調製した。
ダイキン化学工業製四フッ化エチレン樹脂、ルブロンL5(日機装(株)製のマイクロトラックUPA粒度分析計を用いて、パークロルエチレン中に分散した分散液において測定した平均粒子径が7μm)20部と、トルエン80部とを5分間混合し、粒子分散液Bを調製した。
[実施例1]
前記感光層分散液100部に対して、前記粒子分散液Aを18部混合して、感光層形成用塗布液を調製した。
アルミニウム製押出管をしごき形成して作製した、外径30mm、長さ244mm、厚さ0.75mmのアルミニウム製しごき管を、下引き層用分散液に浸漬塗布し、その乾燥膜厚が1.25μmとなるように下引き層を設けた。
次に、先に下引き層を設けたアルミニウム製シリンダーを、感光層形成用塗布液に浸漬塗布し、その乾燥膜厚が25μmとなるように感光層を設けて電子写真感光体1を作製した。
実施例1において用いた粒子分散液Aの使用量を、前記感光層分散液100部に対して、12部とした以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体2を作製した。
実施例1において用いた粒子分散液Aの使用量を、前記感光層分散液100部に対して、6部とした以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体3を作製した。
実施例2において用いた粒子分散液Aを、前記粒子分散液Bとした以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体4を作製した。
実施例4において用いた粒子分散液Bの使用量を、前記感光層分散液100部に対して、6部とした以外は実施例4と同様にして、電子写真感光体5を作製した。
実施例1において用いた粒子分散液Aを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体6を作製した。
実施例1〜5および比較例で用いた感光層形成用塗布液を、アプリケーターを用いて乾燥後の膜厚が5μmとなるように無反射ガラス上に塗布し、乾燥して得られた膜の780nmの光に対する透過率を、無反射ガラスの透過率と、膜を形成した無反射ガラスの透過率との差から算出した。結果を下記表1に示す。
前記電子写真感光体1〜6を、電子写真学会測定標準に従って製造された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)に搭載して電気特性試験を行なった。電子写真感光体を30rpmの一定速度で回転させ、帯電にはスコロトロン帯電手段を用いて、感光体の初期表面電位が+700Vになるようにグリッド電圧を調整し、除電光として波長660nmの単色光を9.0μJ/cm2で露光した。この条件下で帯電と除電とを3000回繰り返し、その後に同条件のままで再度帯電させて電子写真感光体の表面電位を測定して、繰り返し後の初期表面電位(V0)とした。また、繰り返し後の初期表面電位を帯電させた後、暗所で5秒間放置した後の表面電位を測定し、その電位の初期表面電位に対する比率を百分率で表したものを繰り返し後の暗減衰(DDR)とした。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%で行なった。結果を下記表1に示す。
電子写真感光体2および電子写真感光体6を、ブラザー工業株式会社製モノクロレーザープリンター(製品名:HL−5040)に搭載し、画像特性試験を行なった。画像特性試験は、A4用紙の紙送り方向に対して、先頭側三分の一のエリア中央に6cm×3cmのベタ黒画像を、後方側三分の二のエリア全面にハーフトーン画像を印字するテスト画像を1000枚印刷することで行なった。A4用紙の紙送り方向に対して後方側三分の二のエリアに印字したハーフトーン画像内に、黒ベタ画像に由来する画像メモリーが観察されるかを目視で判別した。本発明の電子写真感光体である電子写真感光体2を搭載した場合には、全く画像メモリーが観察されなかったが、電子写真感光体6を搭載した場合には、ハーフトーン画像内に2箇所の画像メモリーが観察された。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 被転写体
Claims (5)
- 導電性支持体上に電荷発生物質及び電荷輸送物質を同一層内に含有する感光層を有する電子写真感光体において、該感光層を膜厚5μmで形成した場合の、該感光層の780nmの波長の光に対する透過率が、20%以下であることを特徴とする電子写真感光体。
- 該感光層が、該感光層の露光に用いられる露光光の波長の、二分の一以上の体積平均粒子径を有する粒子を含有することを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体。
- 該粒子が有機化合物粒子である
ことを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真感光体を備える
ことを特徴とする電子写真カートリッジ。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真感光体を備える
ことを特徴とする画像形成装置。
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