JP2009160643A - 亜鉛メッキ鋼板の化学的端末処理方法及びその端末処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】化学的端末処理方法は、亜鉛メッキ鋼板の端末を塩酸液中に浸漬して、端末から亜鉛メッキを溶解除去した後、亜鉛メッキが除去された端末にアルカリ液を供給して、その端末に残留する塩酸液を中和し、この後、浄水又は純水からなる中性液を端末の表面に供給しながら端末表面を研削し、研削後に残存する水を抜水油により完全に油に置換し、最後に、端末の表面に防錆油の油膜を形成する。
【選択図】図2
Description
胴板コイルから巻き戻された亜鉛メッキ帯材は先ずレベラーで平坦にされた後、剪断機により所定長さの亜鉛メッキ鋼板に剪断される。それ故、この亜鉛メッキ鋼板は剪断により始端及び終端を有する。次に、亜鉛メッキ鋼板は円筒状に成形され、始端及び終端の両端末は互いに所定幅(約2mm)だけ互いにラップした状態でシーム溶接機により接合される。
次に、亜鉛メッキ鋼板の円筒体に対して、フランジ出し機及び輪帯出し機によりフランジ出し及び輪帯出しが順次実施され、ドラム缶の胴体が成形される。なお、必要に応じて輪帯の谷部分は凹型に変形されるか、コルゲート成形が施される。
シーム溶接は、液密性や気密性を要求するドラム缶等に好適するが、しかしながら、ドラム缶の胴体が亜鉛メッキ鋼板から形成される場合にあっては、シーム溶接時、溶接電極輪の主成分である銅と亜鉛メッキの亜鉛とが合金を生成し、この合金が溶接電極輪を汚染してしまうことから、この汚染を避ける目的で、ラップ部を形成する両端末の亜鉛メッキはシーム溶接に先立って、除去する必要がある。
一方、化学的な溶解除去は、グラインダ除去による上述の不具合を被ることが無いものの、この場合には、周囲が夏場等の高温且つ多湿な環境にあると、亜鉛除去後の端末が水で洗浄されるとしても、端末の露出鋼板表面は活性状態にあるから、空気中の酸素及び水分と反応し、端末の露出鋼板表面に赤錆が急速に発生してしまう。
この後、端末は中性液(浄水又は純水)で洗浄されながら表面研削を受ける。この工程で、端末に付着・残存しているアルカリ分と溶解した亜鉛メッキの残滓が確実に除去され、且つ、端末の表面粗度は一様になる。その後抜水油による水と油の置換により水切りが完璧に行われ、端末の洗浄後、端末に防錆油が塗布されても、アルカリ分と防錆油との混合が回避され、加えて水切りが完全に施されるため防錆効果が損なわれることもない。
一方、研削処理済みの端末に対しては、中性液の液切りがなされた後、抜水油による水と油の置換反応を行った後、端末の露出鋼板表面に防錆油の油膜を形成することもできる(請求項5)。防錆油の油膜は端末の表面を長期に亘って錆から保護する。なお、油膜の形成は、防錆油中に端末を浸漬させるか、また、端末に防錆油を噴霧することで可能である。
このエアが露点−10℃以下で効果があり、−40℃程度が更に好ましい。エア圧としては、0.5MPa以下が好ましい。そこで、本発明では、露点−10℃以下でエア圧0.5MPa以下の空気を「極低露点の高圧エア」と呼ぶ。
請求項5の方法に対応する化学的端末処理装置は、研削処理済みの端末に対する中性液の液切りがなされた後、抜水油による水と油の置換を行う抜水油ステージと前記端末の表面に防錆油の油膜を形成する防錆処理ステージを更に含むことができる(請求項10,11)。この場合、防錆処理ステージは、前記端末を防錆油中に浸漬させるか又は端末に向けて複数のスプレーガンから防錆油を噴霧することで油膜を形成し、そして、防錆油中に浸漬される場合、化学的端末処理装置は、油膜の膜厚を調整する調整手段を更に含んでいるのが望ましい。
請求項2,7の化学的端末処理方法及び装置は、塩酸液の液面から発生する塩酸ヒュームの吸引除去に加えて、液面に向け、亜鉛メッキ鋼板に沿って流れる空気流を除湿された極低露点の高圧エアを吹き込ことにより生起させているので、亜鉛メッキ鋼板の端末以外の部位に対する塩酸ヒュームの接触が確実に防止され、加えて中和処理ステージで酸とアルカリの反応開始時に発生する塩酸ヒュームを吸引する機構により端末以外の亜鉛メッキが塩酸ヒュームによって腐食されることはない。
請求項4,9の化学的端末処理方法及び装置は、塩酸液中に含まれる添加剤の働きにより、塩酸液の亜鉛メッキ溶解能を長期に亘って維持でき、また、亜鉛メッキ鋼板の母材である鉄への悪影響もまた抑制することができる。
化学的端末処理装置は大きく分けて、亜鉛メッキ鋼板(以下、単に鋼板と称す)の搬入セクション2と、鋼板の処理セクション4と、処理後の鋼板の搬出セクション6とを備え、これらセクション2〜6は図1でみて左方から右方に向けて順次配置されている。
なお、図1中、吸着マニピュレータ22は単なる矢印で示されているに過ぎないが、具体的には、昇降ロッドと、この昇降ロッドの下端に取り付けられた吸着パッドとからなり、吸着パッドはその下面に複数の吸着カップを備えている。
図1に示されているように、処理セクション4はロータリホルダ28を備え、このロータリホルダ28は水平な回転軸線Yを有する。この回転軸線Yは、処理セクション4に供給されてくる鋼板A1の長手軸線Xと直交する方向に延び、ロータリホルダ28は回転軸線Yを中心として回転可能に支持されている。なお、ロータリホルダ28の回転は図示しない駆動手段により実施される。
ロータリホルダ28は、回転軸線Yの方向に離間した左右の側板30と、これら側板30の下端を互いに連結する固定棚32と、固定棚32の上方に位置付けられた開閉可能な可動棚34とを有し、これら固定棚32及び可動棚34はその上面に分布して配置された複数の吸着カップを有する。
具体的には、上述した可動棚34は、各側板30に複数個ずつ割り当てられた可動アーム36から実現されており、これら可動アーム36はその基端が対応する側の側板30の上端に回転自在に支持され、載置すべき鋼板A1(又はA2)の長手方向に所定の間隔を存して配置されている。そして、各可動アーム36の基端はロータリアクチュエータ(図示しない)に接続され、ロータリアクチュエータの駆動を受け、可動アーム36はその基端を中心に固定棚32に沿って回転する。つまり、可動棚34は、各可動アーム36が対応する側の側板30の上端と重ね合わされることで開かれ、そして、各可動アーム36が図1に示す如く、他方の側の側板30に向けられることで閉じられる。なお、可動棚34の吸着カップは各可動アーム36の上面に取り付けられている。
ステージユニット38は移送台40に図1中矢印で示す昇降機構42を介して配置され、移送台40は一対の移送レール44上に載置されている。これら移送レール44は鉛直姿勢の2枚の鋼板A1の離間方向、即ち、ロータリホルダ28の回転軸線Yと交差する水平方向に延びている。
鋼板1がステージユニット38に供給されたとき(i)、この鋼板A1の端末eは先ず、濃度36%程度の塩酸液La中に浸漬され、この際に塩酸液Laの表面から発生する塩酸ヒューム(塩素ガスや水素ガス等を含んだ蒸気)を除湿された極低露点の高圧エアを吹き込みつつ鋼板A1から離隔する方向に吸引しながら、端末eの表面を被覆している亜鉛メッキが溶解除去される(ii)。それ故、この工程では、鋼板A1に対する塩酸ヒュームの接触が避けられ、端末e以外の鋼板A1の亜鉛メッキが塩酸ヒュームにより腐食されてしまうことはない
次に、端末eは塩酸液La中から引き上げられた後、アルカリ液Lbのスプレーを受けるが、そのアルカリ液と塩酸液との中和反応開始時に発生する塩酸ヒュームを吸引しつつ端末eの表面に残留している塩酸液Laが中和される(iii)。
次に、研削処理された端末eに対し、中性液の液切りがなされるが、液切りを完全に行うため抜水油槽で水と油の置換を行い(v)、その後、その表面に防錆油の油膜を形成する防錆処理が実施され(vi)、このように端末eの表面に油膜が形成されれば、端末eの表面に対する錆の発生を長期に亘って阻止できる。
前述した工程(i)から(vi)はステージユニット38上にて実施可能であり、図3はステージユニット38をより具体的に示す。
図3は、ステージユニット38の周辺をより具体的に示しているで、ステージユニット38について説明する前に、その周辺の構造を説明する。
フレーム46はロータリホルダ28を回転可能に支持し、図3中、ロータリホルダ28は水平、鉛直及び回転途中の3つの姿勢で示され、また、固定棚32及び可動棚34の吸着カップは参照符号62で示されている。
図3に示されているように、前述した移送台40はフィードスクリュー76を備え、このフィードスクリュー76は移送レール44に沿って延び、その基端が正逆回転可能な移送モータ78の出力軸に連結されている。移送モータ78がフィードスクリュー76を回転させたとき、フィードスクリュー76の回転は移送レール44に沿って移送台40を移送し、ここでの移送方向はフィードスクリュー76、つまり、移送モータ78の回転方向によって決定される。従って、移送台40は移送モータ78の回転により移送レール44に沿って、図3中の矢印G方向に往復動可能である。
昇降機構42は4つの螺子ジャッキ80を備え、これら螺子ジャッキ80はステージユニット38におけるステージ台64の四隅部に配置され、移送台40に対してステージ台64を昇降可能に支持している。
各螺子ジャッキ80の螺子軸にはスプロケット82が一体的に取り付けられており、一方、ステージ台64の端縁にはブラケットを介して正逆回転可能な昇降モータ84が配置され、この昇降モータ84はその出力軸に駆動スプロケット86を有する。この駆動スプロケット86は螺子ジャッキ80のスプロケット82と同一の水平面内に配置され、そして、図5から明らかなようにチェーン88の掛け回しを介して、各スプロケット82に回転力を伝達すべく接続されている。
ステージ台64の昇降及び移送レール44に沿うステージ台64の移送を実現する上述の構造は互いに協働して処理ステージ群66a,66bの各処理槽に対し、対応する側の端末eの受け入れを順次可能とする移送手段を構成する。
塩酸液処理槽68は、外槽体90、中間槽体92及び内槽体94の3重構造をなし、これらの槽体は何れもステージ台64の移送方向と直交する方向に延び、これらの槽体の長さは鋼板A1の幅よりも長い。
図6から明らかなように、内槽体94は中間槽体92内に、その底が中間槽体92に支持され、開口した上面を有する。内槽体94及び中間槽体92内には前述した濃度36%の塩酸液Laがそれぞれ蓄えられ、内槽体94の液面レベルは中間槽体92の液面レベルよりも液面差Δhだけ僅かに高い。
一方、中間槽体92にはその塩酸液La中に一端が位置付けられた一対の排出管98が液密にして接続され、これら排出管98は内槽体94の両側に配置され、そして、これらの他端側は外槽体90の端壁を気密に貫通し、塩酸液処理槽68の外側に延出されている。
なお、図6中、循環タンク102は塩酸液処理槽68よりも小さいものとして示されているが、実際には、循環タンク102は塩酸液処理槽68の容量に比べて十分に大きく、塩酸液処理槽68内の塩酸液量よりも多量の塩酸液Laを蓄えている。
更に、開口90b,92bには一対のカバープレート114、114aが設けられており、カバープレート114は、外槽体90及び中間槽体92を傾斜させて配設される当該プレート114により斜めに結合させ、カバープレート114aは、開口90bの開口幅を可変にできるように、カバープレート114の斜め上でスライドできる機構を備えている。
外槽体90内には一対の排出管122の一端が接続されており、これら排出管122は中間槽体92の両側に配置されている。これら排出管122の他端は排出ライン124にそれぞれ接続され、この排出ライン124は送風機126を介してスクラバー128の底部に接続されている。スクラバー128内には塩素ガスや水素ガスの吸収性に優れた充填物が充填されており、その上部に大気放出口が設けられている。
一方、前述した一対のカバープレート114aの直上には、エアブロー管138がそれぞれ配置されている。エアブロー管136,138は前述した入出口116の長手方向全域に亘って延び、図6でみて左側のエアブロー管138と右側のエアブロー管138との間には前述した入出口116の開口幅と同程度の間隔が確保され、これらエアブロー管136,138が入出口116へのアクセスに障害となることはない。
内槽体94内の塩酸液Laは25〜35℃の温度に維持され、一方、送風機126の駆動を受け、中間槽体92内の空気は吸引口120を通じて外槽体90内に一旦排出され後、外槽体90から排出管122及び排出ライン124を通じてスクラバー128内に導かれている。
また、この際には、前述したエアブロー管138から入出口116に向けて除湿された極低露点の高圧空気が噴出されており、このような空気の噴出は入出口116を通じて中間槽体92内に向かう空気の流れを強力にし、中間槽体92内から入出口116を通じて外側に向かう空気の流れを確実に阻止する。
端末eが塩酸液La中に浸漬されると、端末eの亜鉛メッキは直ちに溶解除去され、この溶解除去に伴い、塩酸液Laの液面から中間槽体92内に塩酸ヒュームが発生する。このような塩酸ヒュームは、中間槽体92内から吸引口120を通じて外槽体90内に排出される空気の流れとともに鋼板A1から離隔する方向、つまり、吸引口120に向けて確実に吸引され、この結果、中間槽体92内から外槽体90内に直ちに排出される。
更に、内槽体94の開口縁108には前述したように多数のノッチ110(図7)が形成されているので、これらノッチ110は鋼板A1の端末eが内槽体94内の塩酸液La中に浸漬されたとき、内槽体94内にて、鋼板A1に対して垂直且つ鋼板A1からノッチ110側の向かう塩酸液Laの流れを強制的に生起させる。このような塩酸液Laの流れは塩酸ヒュームの泡が端末eの表面に沿って浮上するのを防止する。この結果、塩酸ヒューの泡の大部分は塩酸液Laとともに内槽体94の開口縁108から中間槽体92に円滑に流出し、この過程にて、泡が破裂して塩酸液Laが飛散するとしても、鋼板A1に向かう塩酸液Laの飛沫を効果的に抑制することができる。
端末eの溶解除去処理が完了するとき、塩酸液処理槽68は下降され、これに伴い、鋼板A1の端末eは塩酸液処理槽68から相対的に引き上げられる。この際にも、前述したエアノズル140からの空気の噴出を継続することで、鋼板A1の引き上げ時にあっても、端末e以外の鋼板A1の亜鉛メッキに塩酸ヒュームが接触したり、また、塩酸液Laの飛沫が付着したりすることはない。
更に、図11に示されるように、前述した循環タンク102内には多数の球状の浮子111が収容されており、これら浮子111は塩酸液Laの液面を覆い、塩酸の蒸発を抑制する。なお、浮子111にはピンポン球を利用することができる。
図12(a),(b),(c)は、中和処理槽70、研削処理槽72及び抜水油槽74をそれぞれ具体的に示している。
各スプレー管141は供給管路145を介して供給タンク147に接続されており、供給管路145にポンプ144が介挿されている。供給タンク147にはアルカリ液Lbが蓄えられており、ここでのアルカリ液Lbは例えば、スギムラ化学工業株式会社製の強アルカリ防錆剤(プレトンNS−300(製品名))を浄水中に所定の割合で添加して得ることができる。
上述の構成によれば、ポンプ144は供給タンク147内のアルカリ液Lbを一対のスプレー管141に供給し、これらスプレー管141のスプレーノズル143から噴出させることができる。
端末eの亜鉛メッキが溶解除去された鋼板A1が中和処理槽70の上方に相対的に位置付けられたとき、中和処理槽70は上昇され、この上昇により、鋼板A1の端末eは一対のスプレー管141間に位置付けられる。この状態で、各スプレー管141のスプレーノズル143からアルカリ液Lbが端末eの表面に向けて噴出される。
このようにして噴出されたアルカリ液Lbは端末eに残留した塩酸液Laを中和し、そして、中和処理槽70内に回収された後、中和処理槽70から排液処理装置149に送られる。
この後、鋼板A1は中和処理槽70から相対的に引き上げられ、次の研削処理槽72に向けて相対的に移送される。
研削処理槽72はその内部に一対の研削ブラシ146を備え、これら研削ブラシ146は研削処理槽72の長手方向に延びる円筒状をなす。これら研削ブラシ146はそのニップ領域をブラシ面が上方から下方に向けて移動すべく互いに逆向きに回転可能に支持され、ここでのブラシ面は真鍮メッキされた硬鋼線からなる3列の螺旋状ブラシ毛から構成されている。より詳しくは、各研削ブラシ146にて、3列の螺旋状ブラシ毛は研削ブラシ146の周方向に互いに120°ずらして螺旋を描いており、各研削ブラシ146の螺旋ブラシ毛でみたとき、その螺旋の向きは互いに逆向きとなっている。このように各研削ブラシ146が3列の螺旋状ブラシから構成されていれば、鋼板A1の端末eと螺旋状ブラシとの接触点が増加し、端末eに対する研削斑を防止することができる。
中和処理された鋼板A1が研削処理槽72の上方に相対的に移送されると、鋼板A1は相対的に下降され、その端末eが一対の研削ブラシ146間に位置付けられる。この状態で、前述したように左右のシャワー管150の噴射ノズル152から鋼板A1の両面に中性液Lcから噴射され、噴射された中性液Lcは鋼板A1の両面を伝って端末eに供給され、この後、研削処理槽72に回収される。
端末eに対する研削処理が完了すると、鋼板A1は研削処理槽72から相対的に引き上げられ、研削処理槽72の上方にて一時的に待機し、その端末eに付着した中性液Lcの液切りの完了を待って、次の抜水油槽74に向けて相対的に移送される。
抜水油槽74はその内部に抜水油Ldを蓄えるともに、一対のエアブロー管158を備え、これらエアブロー管158は抜水油Ldの液面上方に配置されている。これらエアブロー管158は抜水油槽74の長手方向に延び、エアブロー管158間にて、鋼板A1の通過を許容する入出口が形成されている。各エアブロー管158はエアライン160を介してエアコンプレッサ162に接続される一方、その外面に多数のエアノズル164が設けられている。これらエアノズル164はそのエアブロー管158の軸線方向に所定の間隔を存して配置され、斜め下方、つまり、抜水油Ldの液面に向けられている。
上述したように端末eに防錆油Leの油膜が形成されれば、端末eの表面は長期に亘り、錆の発生から保護される。
この後、鋼板A1は前述したロータリホルダ28の回転により反転され、他方の端末eに対して同様な処理が繰り返して実施される。
前述した防錆処理スペース75では、亜鉛溶射に対する密着性に優れ且つその粘度が比較的に低い防錆油を塗布してもよく、亜鉛溶射をせずに防錆性に優れた防錆油を塗布してもよい。
この場合、化学的端末処理装置は、図13に示されるように複数、例えば4個のスプレーガン166、167を備えることができる。これらスプレーガン166、167はその一対ずつが水平状態にある鋼板A2の両端末eを挟むように配置され、これら端末eの表面に向け、粘度の高い防錆油を噴霧することで、端末eの幅方向全域に亘って防錆油の油膜を形成する。
また、一実施例では、端板A1に対してステージユニット38を移送及び昇降させるようにしたが、逆に、ステージユニット38に対して端板A1を移送及び昇降させてもよく、ロータリホルダ28が保持する鋼板A1は1枚又は3枚以上であってもよい。
70 中和処理槽
72 研削処理槽
74 抜水油槽
100 供給ライン(循環回路)
102 循環タンク
104 戻りライン(循環回路)
106 循環ポンプ(循環回路)
120 吸引口(吸引排気手段)
40 移送台(移送手段)
42 昇降機構(移送手段)
140 エアノズル(エアブロー手段)
141 スプレー管
146 研削ブラシ
152 噴射ノズル
164 エアノズル(油切り手段)
166 スプレーガン(防錆油膜厚調整)
A1,A2 鋼板(亜鉛メッキ鋼板)
e 端末
Claims (11)
- 塩酸液中に亜鉛メッキ鋼板の端末を浸漬し、この際、前記塩酸液の液面から発生する塩酸ヒュームを除湿された極低露点の高圧エアを吹き込みながら、前記亜鉛メッキ鋼板から離隔する方向に吸引して前記端末の亜鉛メッキを溶解除去し、
前記亜鉛メッキが溶解除去された前記端末にアルカリ液を供給し、前記端末に残留する塩酸液を前記アルカリ液で中和すると共に、中和反応初期に発生する塩酸ヒュームを吸引し、
前記中和処理後の前記端末の表面を中性液の供給を受けながら研削し、
中性液の液切り後に抜水油に浸漬して水と油を置換させ、その後防錆油を塗布することを特徴とする亜鉛メッキ鋼板の化学的端末処理方法。 - 前記端末に対する前記溶解除去の開始から除去処理後の端末が前記塩酸液から所定の離間距離まで引き上げられていく間、前記亜鉛メッキ鋼板の外面に沿って前記塩酸液の液面に向かう空気流を、除湿された極低露点の高圧エアを吹き込むことにより生起させることを特徴とする請求項1に記載の亜鉛メッキ鋼板の化学的端末処理方法。
- 前記塩酸液は、前記亜鉛メッキの溶解時、気泡の発生を抑制する消泡剤を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の亜鉛メッキ鋼板の化学的端末処理方法。
- 前記塩酸液は、亜鉛の溶解を促進し且つ鉄の溶解を抑制する添加剤を更に含むことを特徴とする請求項3に記載の亜鉛メッキ鋼板の化学的端末処理方法。
- 前記研削処理済みの前記端末に対して前記中性液の液切りがなされた後、更に抜水油に浸漬して残余の水を油で置換し、この後前記端末の表面に防錆油の油膜を形成することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の亜鉛メッキ鋼板の化学的端末処理方法。
- 塩酸液槽を蓄え、この塩酸槽の塩酸液中に亜鉛メッキ鋼板の端末を浸漬させて、前記端末から亜鉛メッキの溶解除去処理を実施する塩酸処理ステージと、
塩酸液の循環タンクを備え、この循環タンクと前記塩酸液槽との間にて塩酸液を循環させる循環回路と、
前記塩酸液槽内の前記塩酸液中に前記端末が浸漬された際、前記塩酸液の液面中から発生する塩酸ヒュームを除湿された極低露点の高圧エアを吹き込みながら前記亜鉛メッキ鋼板から離隔する方向に吸引し、前記塩酸液槽から排出する吸引排気手段と、
亜鉛メッキが溶解除去された端末にアルカリ液を供給し、前記端末に残留する塩酸液を中和処理すると共に、中和反応初期に発生する塩酸ヒュームを吸引する機構を有する中和処理ステージと、
回転可能な研削ブラシを備え、前記中和処理後の前記端末の表面に中性液を供給しながら前記端末の表面を前記研削ブラシにより研削処理する研削処理ステージと、
抜水油による水と油の置換を行う抜水油ステージと、
防錆油を塗布する防錆処理ステージと、
前記塩酸処理ステージ、前記中和処理ステージ、前記研削処理ステージ、前記抜水油ステージ及び前記防錆処理ステージに対して亜鉛メッキ鋼板を相対的に順次移送し、前記各処理ステージにて前記亜鉛メッキ鋼板の端末に対する前記処理をそれぞれ実施させる移送手段と
を具備したことを特徴とする亜鉛メッキ鋼板の化学的端末処理装置。 - 前記塩酸液中への前記端末の浸漬から、この後、前記端末が前記塩酸液槽の液面から所定の位置まで引き上げられていく間、前記亜鉛メッキ鋼板の外面に沿い前記塩酸液の前記液面に向かう空気流を生起させるエアブロー手段を更に具備したことを特徴とする請求項6に記載の亜鉛メッキ鋼板の化学的端末処理装置。
- 前記塩酸液槽の前記塩酸液は、前記亜鉛メッキの溶解時、気泡の発生を抑制する消泡剤を含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の亜鉛メッキ鋼板の化学的端末処理装置。
- 前記塩酸液は、亜鉛の溶解を促進し且つ鉄の溶解を抑制する添加剤を更に含むことを特徴とする請求項8に記載の亜鉛メッキ鋼板の化学的端末処理装置。
- 前記移送手段により許容される前記亜鉛メッキ鋼板の移送領域内に配置され、前記研削処理済みの前記端末に対する前記中性液の液切りがなされた後、前記端末を抜水油槽内の抜水油中に浸漬させて水と油との置換を行う抜水油ステージと、前記端末の表面に防錆油の油膜を形成する防錆処理ステージと、
前記油膜の膜厚を調整する調整手段と
を更に具備したことを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載の亜鉛メッキ鋼板の化学的端末処理装置。 - 前記移送手段により許容される前記亜鉛メッキ鋼板の移送領域内に配置され、前記研削処理済みの前記端末に対する前記中性液の液切りと抜水油による水と油の置換が行われた後、前記端末に複数のスプレーガンから防錆油を噴霧し、前記端末の表面に防錆油の油膜を形成する防錆処理ステージを更に具備したことを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載の亜鉛メッキ鋼板の化学的端末処理装置。
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KR102338571B1 (ko) * | 2021-03-19 | 2021-12-15 | 이흥우 | 선박용 암모니아 냉동기의 열교환 튜브 및 그 제조방법 |
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2008
- 2008-01-10 JP JP2008002997A patent/JP4917049B2/ja not_active Expired - Fee Related
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