JP6438246B2 - 塗布装置 - Google Patents

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Description

本発明は、フラックス液を噴出して基板に塗布する技術に関する。
プリント基板へのはんだ付けの前工程において、フラックス液をプリント基板に塗布し、基板表面の酸化膜を除去する塗布装置が知られる。
塗布装置にフラックス液を補充する際には、液剤タンクから供給ホースを抜き取る必要がある。この際、ホース内に空気が混入するため、フラックス液の補充完了後、再度塗布を行うと、フラックス液とともに気泡も塗布される。この場合、プリント基板上でフラックス液の斑(むら)が生じ、塗布不良の原因となる。
液剤から気泡を除去すべく、気泡除去槽に気泡を導く技術が提案されている。例えば特許文献1の技術は、液剤を循環させてメッキ処理する際、供給ホースを上方に分岐させ、気泡の浮上力を利用して気泡除去層に気泡を導き、除去する。
特開平7−106294号公報
しかし、液剤を循環させて気泡除去槽に気泡を導くと、供給ホースの分岐箇所で液剤の圧送力が分散され、塗布ノズルへ液剤を搬送する圧力が低下し、塗布不良を生じる。
また、液剤の槽からの漏出を防止するため、気泡除去槽とメッキ処理槽との液面を一定にする必要があり、装置レイアウトの自由度が低下する。
本発明は、上記課題に鑑み、供給ホースに混入した気泡を十分に排出する技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、液剤を塗布する塗布装置であって、導管の一端が挿入された前記液剤を密閉して内包し、加圧されて前記導管から前記液剤を送出するタンクと、前記タンクから前記導管を介して前記液剤が供給され、対象物に前記液剤を塗布するノズルと、前記導管内の液剤を前記ノズルの内部に導くノズル通路の開放と閉鎖とを行う第1バルブと、上方向に延びるように前記導管の一部から分岐する分岐路を介して前記導管に混入した気泡を前記気泡の浮上力により前記導管から収集し、前記気泡を排出口から排出する排出手段と、前記排出口の開放と閉鎖とを行う第2バルブと、を備え、前記分岐路は、前記導管が略水平方向に延びる位置において、前記導管から分岐して形成され、前記導管の前記分岐路との接続部に、前記液剤の流れの上流側から下流側へ向けて、下向きの傾斜部が設けられ、前記排出手段は、前記排出口が開放されかつ前記ノズル通路が閉鎖された状態で、前記気泡を前記液剤とともに排出する。
また、請求項の発明は、液剤を塗布する塗布装置であって、導管の一端が挿入された前記液剤を密閉して内包し、加圧されて前記導管から前記液剤を送出するタンクと、前記タンクから前記導管を介して前記液剤が供給され、対象物に前記液剤を塗布するノズルと、前記導管内の液剤を前記ノズルの内部に導くノズル通路の開放と閉鎖とを行う第1バルブと、上方向に延びるように前記導管の一部から分岐する分岐路を介して前記導管に混入した気泡を前記気泡の浮上力により前記導管から収集し、前記気泡を排出口から排出する排出手段と、前記排出口の開放と閉鎖とを行う第2バルブと、を備え、前記分岐路は、前記導管が前記液剤の流れの上流側から下流側へ向けて、略鉛直方向上向きから略水平方向に屈曲する位置において、略鉛直方向上向きに延びる前記導管を延長した方向に前記導管から分岐して形成され、前記排出手段は、前記排出口が開放されかつ前記ノズル通路が閉鎖された状態で、前記気泡を前記液剤とともに排出する。
また、請求項の発明は、請求項1または2のいずれかに記載の塗布装置において、前記排出手段は、前記タンクの近傍に設置される。
また、請求項の発明は、液剤を塗布する塗布装置であって、導管の一端が挿入された前記液剤を密閉して内包し、加圧されて前記導管から前記液剤を送出するタンクと、前記タンクから前記導管を介して前記液剤が供給され、対象物に前記液剤を塗布するノズルと、上方向に延びるように前記導管の一部から分岐する分岐路を介して前記導管に混入した気泡を前記気泡の浮上力により前記導管から収集し、前記気泡を蓄積する蓄積槽と、前記蓄積槽の天井部に設けられ、開放されて前記気泡を前記蓄積槽から排出する排出栓と、を備え、前記分岐路は、前記導管が略水平方向に延びる位置において、前記導管から分岐して形成され、前記導管の前記分岐路との接続部に、前記液剤の流れの上流側から下流側へ向けて、下向きの傾斜部が設けられ、前記蓄積槽は、前記排出栓が開放されると、前記タンクの圧力により前記蓄積槽内の前記液剤が押し上げられて前記気泡を排出する。
また、請求項の発明は、液剤を塗布する塗布装置であって、導管の一端が挿入された前記液剤を密閉して内包し、加圧されて前記導管から前記液剤を送出するタンクと、前記タンクから前記導管を介して前記液剤が供給され、対象物に前記液剤を塗布するノズルと、上方向に延びるように前記導管の一部から分岐する分岐路を介して前記導管に混入した気泡を前記気泡の浮上力により前記導管から収集し、前記気泡を蓄積する蓄積槽と、前記蓄積槽の天井部に設けられ、開放されて前記気泡を前記蓄積槽から排出する排出栓と、を備え、前記分岐路は、前記導管が前記液剤の流れの上流側から下流側へ向けて、略鉛直方向上向きから略水平方向に屈曲する位置において、略鉛直方向上向きに延びる前記導管を延長した方向に前記導管から分岐して形成され、前記蓄積槽は、前記排出栓が開放されると、前記タンクの圧力により前記蓄積槽内の前記液剤が押し上げられて前記気泡を排出する。
請求項1ないしの発明によれば、排出口が開放されかつノズル通路が閉鎖された状態で気泡を液剤とともに排出するので、導管内の気泡を十分に排出できる。
また、特に請求項の発明によれば、分岐路が導管の略水平方向に延びる位置において気泡の浮上する方向に導管から分岐して形成されるので、気泡を効率よく排出できる。
また、特に請求項の発明によれば、分岐路が略鉛直方向に延びる導管を延長した方向に分岐して形成されるので、より多くの気泡を排出できる。
また、特に請求項の発明によれば、排出手段がタンク近傍に設置されるので、タンクへの液剤交換作業と導管への気泡排出作業とを接近した位置で行うことができる。
また、特に請求項4または5の発明によれば、蓄積槽は排出栓が開放されるとタンクの圧力により液剤が押し上げられて気泡を排出するので、容易に蓄積した気泡を排出できる。
また、特に請求項の発明によれば、蓄積槽への経路となる分岐路が、導管の略水平方向に延びる位置において気泡の浮上する方向に導管から分岐して形成されるので、気泡を効率よく蓄積できる。
また、特に請求項の発明によれば、分岐路が、略鉛直方向に延びる導管を延長した方向に分岐して形成されるので、より多くの気泡を蓄積できる。
図1は、塗布装置の概要を示す図である。 図2は、塗布装置の概略構成を示すブロック図である。 図3は、第1の実施の形態の流体供給部の構成を示す図である。 図4は、液剤容器の交換を説明する図である。 図5は、第1の実施の形態における塗布装置の動作の流れを示す図である。 図6は、第1の実施の形態における気泡の排出を説明する図である。 図7は、第1の実施の形態の変形例を説明する図である。 図8は、第2の実施の形態における気泡の排出を説明する図である。 図9は、第2の実施の形態における塗布装置の動作の流れを示す図である。 図10は、第2の実施の形態の変形例を説明する図である。 図11は、導管の変形例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
<1.第1の実施の形態>
<1−1.塗布装置の概略>
図1は、第1の実施の形態に係る塗布装置1の概要を示す図である。塗布装置1は、プリント基板9の製造工程における、はんだ付けの前工程として、プリント基板9に対してフラックス液を塗布する塗布処理を行う。塗布装置1は、塗布対象となるプリント基板9を搬送し、かかるプリント基板9の下面に対してフラックス液を塗布する。
プリント基板9には、はんだ付けの対象となる各種の電子部品が配置されている。塗布装置1は、このようなプリント基板9の下面における、はんだ付けの対象となる一部の対象領域(電子部品が配置される領域)に対して選択的にフラックス液を塗布する。
塗布装置1は、プリント基板9を搬送する基板搬送部12と、フラックス液を噴出するノズル2と、ノズル2を移動するノズル移動部11とを備えている。
基板搬送部12は、パレット(図示省略)を移動するコンベア等を備えている。基板搬送部12は、パレットに載置されたプリント基板9を、図中の矢印ARに示すように略水平に移動する。プリント基板9は、この基板搬送部12により所定の処理位置まで移動され、処理位置において停止した状態で塗布処理がなされる。塗布処理が完了すると、プリント基板9は、基板搬送部12により再び移動され、塗布装置1の外部まで搬送される。
ノズル2は、例えば、フラックス液を霧状にして噴出するスプレーノズルである。塗布処理において、ノズル2は、処理位置に配置されたプリント基板9に対してフラックス液を塗布する。ノズル2は、その上部のノズル口23からフラックス液を上向きに噴出することで、プリント基板9の下面にフラックス液を塗布する。
ノズル移動部11は、例えば、ノズル2が固定された直交ロボットであり、ノズル2を略水平に沿った二軸方向に移動する。塗布処理において、ノズル移動部11は、プリント基板9のはんだ付けの対象となる対象領域に合わせてノズル2を移動する。これにより、ノズル2は、プリント基板9の対象領域のみに対して選択的にフラックス液を塗布できる。
図2は、塗布装置1の概略構成を示すブロック図である。塗布装置1は、前述した基板搬送部12、ノズル2、及び、ノズル移動部11とともに、全体制御部10と流体供給部3とを備えている。
全体制御部10は、例えば、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)である。全体制御部10は、プログラムに従って処理を行うことにより、基板搬送部12、ノズル移動部11及び流体供給部3の動作を統括的に制御する。
流体供給部3は、ノズル2の内部にフラックス液などの流体を供給する。塗布処理において、流体供給部3は、ノズル2の内部にフラックス液を供給することで、ノズル2からフラックス液を噴出させる。また、流体供給部3は、ノズル2の内部に洗浄液を供給することで、ノズル2の内部を洗浄することもできる。
<1−2.流体供給部の構成>
図3は、流体供給部3の構成をノズル2とともに示す。流体供給部3は、ノズル2内部にフラックス液Fを導く導管となる供給ホース31、液剤タンク4、及び気泡排出部5を備える。フラックス液Fは、例えばロジンなどのフラックス基材を、IPA(イソプロピルアルコール)等の希釈液で希釈した液剤である。
ノズル2は、供給口21と内部通路22とを繋ぐ通路にノズル弁24を備える。ノズル弁24は、全体制御部10の制御により、供給口21と内部通路22とを繋ぐ通路を開閉する二方弁である。ノズル弁24が通路を閉鎖すると、供給ホース31から内部通路22へのフラックス液Fの供給が停止される。供給ホース31からノズル2内部にフラックス液Fを供給すると、フラックス液Fはノズル2の内部通路22に浸入し、ノズル2下部に接続されるガスホース32から供給される気体に加圧されて霧化する。このようにノズル2は、ノズル口23から霧状のフラックス液Fを噴射する。
供給ホース31は、ゴムやビニール等の弾性材料で構成される透明な中空管である。供給ホース31の一端は、ノズル2の供給口21に接続され、他端は液剤タンク4に接続される。ノズル2の供給口21から液剤タンク4までの長さは、3メートルから4メートル程度である。また、供給ホース31の一部分は略水平に設置される。略水平に設置された部分には供給ホース31の分岐点31aが形成され、分岐点31aから上方に向けて供給分岐路31bが形成さられる。上方とは気泡が液体中で浮上する方向である。分岐路31bには気泡排出部5が接続される。
液剤タンク4は、フラックス液Fを供給する供給源であり、フラックス液Fを収容する液剤容器42を密閉して内包する。液剤容器42は、いわゆる一斗缶等である。液剤タンク4は、内部が圧縮気体により加圧され、供給ホース31を経由して加圧されたフラックス液Fを送出する。液剤タンク4の液剤容器42には、プラスチックや金属等で構成される硬質なサクションパイプ43の一端が挿入される。サクションパイプ43の他端は供給ホース31に接続される。
気泡排出部5は、供給ホース31に混入した気泡を排出する機構である。気泡排出部5の備える排出弁52を開放すると、フラックス液F内を浮上してきた気泡をフラックス液Fとともに排出口51から排出する。排出された気泡とフラックス液Fとは、排出容器53に溜められた後、廃棄される。気泡排出部5は、液剤タンク4の近傍に配置される。
排出弁52は、分岐路31bと排出口51とを繋ぐ二方弁である。通常時は分岐路31bと排出口51とを閉鎖し、塗布装置1の作業者の手動により開放される。なお、排出弁52は、水道の蛇口で使用される栓のように開放度が調整できるものでもよい。
図4は、フラックス液Fを収容する液剤容器42の交換を説明する図である。液剤タンク4の液剤容器42内のフラックス液Fの残量が少量となると、フラックス液Fを補充する必要がある。この際、フラックス液Fが少量となった液剤容器42とフラックス液Fが十分に充填された液剤容器42nとを交換することで、フラックス液Fを補充する。
液剤容器42の交換は、液剤タンク4の上蓋44を開放して行われる。上蓋44には、供給ホース31とサクションパイプ43とが固定されている。このため、上蓋44を開放すると、サクションパイプ43の一端は外気に晒されて空気が浸入する。液剤容器42を交換し、上蓋44を閉じてサクションパイプ43の一端を液剤容器42内に挿入しても、空気はサクションパイプ43内に残留する。
空気がサクションパイプ43内に残留した状態で液剤タンク4を加圧してフラックス液Fを圧送し、ノズル弁2からフラックス液Fが噴出されると、空気は気泡となって供給ホース31内をノズル2側へ移動する。そして、気泡がフラックス液Fとともにノズル2から噴射されると、塗布斑が生じて塗布不良の原因となる。
<1−3.塗布装置の動作>
図5は、塗布装置1の稼働の開始から停止までの動作の流れを示す。なお、図5に示す動作には、塗布装置1の作業者の動作も含まれる。
まず、液剤容器42内のフラックス液が少量となったか否か判断する(ステップS11)。フラックス液の残量は、液剤容器42の点検窓で作業者が目視により判断すればよい。また、液量センサを設け、センサの示す値により判断してもよい。
フラックス液が少量でないと判断すると(ステップS11でNo)、ノズル弁2を開放して塗布処理を開始する(ステップS18)。
一方、フラックス液が少量となったと判断すると(ステップS11でYes)、ノズル弁24及び排出弁52が閉鎖される(ステップS12)。
ノズル弁24及び排出弁52が閉鎖されると液剤タンク4を減圧(大気開放)し(ステップS13)、作業者が液剤タンク4内の液剤容器42を交換する(ステップS14)。すなわち、図4で示したように、フラックス液Fが少量となった液剤容器42を液剤タンク4から取り出し、フラックス液Fが充填された新規の液剤容器42nを液剤タンク4内に設置する。なお、この際、外気に晒されたサクションパイプ43内に空気が混入し、前述の通り供給ホース31内に気泡が発生する原因となる。
液剤容器42の交換が完了すると、液剤タンク4を密閉して加圧する(ステップS15)。
液剤タンク4を加圧すると排出弁52を開放し(ステップS16)、フラックス液Fが供給ホース31内をノズル2側へ圧送される。この際、サクションパイプ43内に混入した空気が気泡となり供給ホース31内に混入する。
フラックス液Fが供給ホース31内を圧送されることで、供給ホース31内に混入した気泡が開放された排出弁から排出されていく。全ての気泡が排出されたか否か、作業者が目視により判断する(ステップS17)。供給ホース31は透明材料により構成されるため、作業者は供給ホース31内を圧送されて移動する気泡を視認できる。
供給ホース31内の気泡が全て排出されていない場合(ステップS17でNo)、気泡が全て排出されるまで待機する。
供給ホース31内の気泡が全て排出された場合(ステップS17でYes)、排出弁52を閉鎖する(ステップS18)。
排出弁52の閉鎖後、ノズル弁24を開放して塗布処理を実行する(ステップS19)。
このように、液剤容器42の交換時に供給ホース31内に混入した気泡を全て排出したうえで、フラックス液Fの塗布処理を行うことができる。
なお、図5の動作は繰り返し実行される。すなわち、液剤容器42内のフラックス液Fの残量が再度確認され、残量が少ないと判断されると液剤容器42の交換等の一連の動作が行われる。
図6は、供給ホース31に混入した気泡Aが排出弁52から排出される様子を示す図である。前述の通り、液剤容器42の交換時にサクションパイプ43に混入した空気は、気泡Aとなってフラックス液Fとともに供給ホース31をノズル2側へ圧送される。気泡Aは、やがてノズル2と気泡排出部5との分岐点31aに到達し、分岐点31aにおいて供給ホース31から上方に延びる分岐路31bへ進入する。気泡Aはフラックス液F内において上方への浮上力を有するためである。
分岐路31b内へ浮上した気泡Aは、開放された排出弁52を通過し、排出口51から排出容器53へフラックス液Fとともに排出される。この際、ノズル弁24は閉鎖されているため、フラックス液Fがノズル2から噴出されることはない。
気泡Aが全て排出されると、排出弁52は閉鎖され、ノズル弁24が開放されて塗布処理が実行される。この際、排出弁52は閉鎖されているため、フラックス液Fの圧送力がノズル2側と気泡排出部5側とに分散されることがなく、効果的に塗布処理を行うことができる。すなわち、フラックス液Fの圧送力分散による塗布不良がない。
<1−4.第1の実施の形態の変形例>
図7は、第1の実施の形態の変形例を示す。図6に示した実施の形態は、略水平な供給ホース31に形成された分岐点31aにおいて、上方に分岐路31bを備えた。
本変形例は、供給ホース31が略鉛直方向から略水平方向に屈曲する位置である屈曲点31cにおいて、略鉛直方向に延びる供給ホース31を延長した方向に分岐路31dを供給ホース31から分岐して備える。上方に向けられた供給ホース31の先には気泡排出部5を備える。屈曲点31cから横方向に向けられた供給ホース31の先にはノズル2を備える。
かかる構成において、供給ホース31内に混入した気泡Aは上方に向けられた供給ホース31内及び分岐路31d内を浮上して気泡排出部5へ到達し、排出される。ノズル2と接続される供給ホース31は屈曲点31cから横方向に向けて備わるため、上方へ浮上する気泡Aは屈曲点31cから横方向の供給ホース31へは混入しない。すなわち、気泡Aはノズル2へ到達することがない。
なお、第1の実施の形態の変形例の動作は、図5に示した動作と同様である。
以上のように、本実施の形態の塗布装置1は、供給ホース31の一端が挿入されたフラックス液Fを密閉して内包し、加圧されて供給ホース31からフラックス液Fを送出する液剤タンク4と、液剤タンク4から供給ホース31を介してフラックス液Fが供給され、プリント基板にフラックス液Fを塗布するノズル2と、供給ホース31内のフラックス液Fをノズル2内部に導くノズル通路21の開放と閉鎖とを行うノズル弁24と、上方向に延びるように供給ホース31の一部から分岐する分岐路31bを介して供給ホース31に混入した気泡Aを浮上力により供給ホース31から収集し、気泡Aを排出口51から排出する気泡排出部5と、排出口51の開放と閉鎖とを行う排出弁52とを備える。そして、気泡排出部5は、排出口51が開放されかつノズル通路21が閉鎖された状態で、気泡Aをフラックス液Fとともに排出する。
これにより、気泡Aを効率よく排出でき、気泡Aがノズル2へ進入せず塗布不良を防止できる。
また、本実施の形態の塗布装置1は、ノズル2からではなく、ノズル2よりサクションパイプ43に接近して位置する気泡排出部5又は排出槽6から気泡を排出する。このため、フラックス液Fの廃棄ロスを低減できる。ノズル2から気泡を排出すると、サクションパイプ43からノズル2までの供給ホース31内の全てのフラックス液Fとともに気泡を排出するからである。
<2.第2の実施の形態>
第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は第1の実施の形態と同様の構成を含む。このため、以下では第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
<2−1.流体供給部の構成>
図8は、第2の実施の形態に係る流体供給部3の構成を示す。第1の実施の形態に係る流体供給部3は、気泡排出部5を設けて供給ホース31から気泡を排出した。これに対し、第2の実施の形態に係る流体供給部3は、気泡の排出槽6を設けて供給ホース31から気泡を排出する。
排出槽6は、略水平方向に延びる供給ホース31の分岐点31aから上方に分岐して形成される分岐路31bの上部に設置される槽である。排出槽6は、供給ホース31内を圧送されて浮上力により分岐点31aを上昇する気泡Aを内部に蓄積し、排出する。排出槽6は、蓄積槽61と排出栓62を備える。
蓄積槽61は、浮上力により分岐点31aを上昇する気泡Aを蓄積する容器である。気泡Aの蓄積前は、フラックス液Fが満たされる。気泡を蓄積すると、蓄積槽61の上部には空気層ACが発生する。
排出栓62は、蓄積槽61の天井部に設けられる栓である。排出栓62が開放されると、蓄積槽61は液剤タンク4の圧力に比較して低圧の外気と導通する。この際、液剤タンク4から圧送されるフラックス液Fは、空気層ACを押し上げ、排出栓62から空気層ACを排出しつつ蓄積槽61に浸入する。蓄積槽61がフラックス液Fで満たされると、排出栓62は閉鎖されて蓄積槽61は密閉される。
<2−2.塗布装置の動作>
図9は、塗布装置1の稼働の開始から停止までの動作の流れを示す図である。なお、図9に示す動作には、作業者の動作も含まれる。また、図9に示す動作の開始時は、蓄積槽61にフラックス液Fが満たされ、排出栓62が閉鎖された状態である。
まず、液剤容器42内のフラックス液Fが少量となったか否か判断する(ステップS21)。フラックス液Fの残量は、液剤容器42の点検窓で作業者が目視により判断すればよい。また、液量センサを設け、センサの示す値により判断してもよい。
フラックス液が少量でないと判断されると(ステップS21でNo)、ノズル弁24を開放して塗布処理を実行する(ステップS25)。
一方、フラックス液Fが少量となったと判断すると(ステップS21でYes)、ノズル弁24が閉鎖される(ステップS22)。
ノズル弁24が閉鎖されると、作業者は、液剤タンク4を減圧(大気開放)し(ステップS23)、液剤タンク4内の液剤容器42を交換する(ステップS24)。
液剤容器42の交換が完了すると、液剤タンク4を密閉して加圧する(ステップS25)。液剤タンク4を加圧すると、フラックス液Fは供給ホース31内をノズル2側へ圧送される。この際、サクションパイプ43内に混入した空気が気泡となり供給ホース31内に混入する。
なお、供給ホース31内に混入した気泡Aが排出槽6へ全て進入したか否か、作業者が目視により判断する必要はない。排出栓62が閉鎖されているため、フラックス液Fの圧送力は分散されないからである。
液剤タンク4が加圧されると、ノズル弁24を開放して塗布処理を実行する(ステップS26)。
なお、図9の動作は繰り返し実行される。すなわち、液剤容器42内のフラックス液Fの残量が再度確認され、残量が少ないと判断されると液剤容器42の交換等の一連の動作が行われる。
第2の実施の形態に係る塗布装置1は、塗布処理中において排出栓62は閉鎖され、排出槽6は密閉される。このため、塗布処理と気泡Aの蓄積及び排出を同時に行うことができる。また、フラックス液Fが排出槽6から溢れることがないため、排出槽6の配置の自由度が高い。また、気泡Aを排出してもフラックス液Fは排出しないため、フラックス液Fの廃棄ロスがない。
<2−3.第2の実施の形態の変形例>
図10は、第2の実施の形態の変形例を示す。図8に示した実施の形態は、略水平な供給ホース31に形成された分岐点31aにおいて、上方に分岐路31bを備えた。
本変形例は、供給ホース31が略鉛直方向から略水平方向に屈曲する位置である屈曲点31cにおいて、略鉛直方向に延びる供給ホース31を延長した方向に分岐路31dを供給ホース31から分岐して備える。上方に向けられた供給ホース31の先には排出槽6を備える。屈曲点31cから横方向に向けられた供給ホース31の先にはノズル2を備える。
かかる構成において、供給ホース31内に混入した気泡Aは上方に向けられた供給ホース31内及び分岐路31d内を浮上して排出槽6へ到達し、排出される。ノズル2と接続される供給ホース31は屈曲点31cから横方向に向けて備わるため、上方へ浮上する気泡Aは屈曲点31cから横方向の供給ホース31へは混入しない。すなわち、気泡Aはノズル2へ到達することがない。
なお、第2の実施の形態の変形例の動作は、図9に示した動作と同様である。
以上のように、本実施の形態の塗布装置1は、上方向に延びるように供給ホース31の一部から分岐する分岐点31aを介して供給ホース31に混入した気泡Aを浮上力により供給ホース31から収集し、気泡Aを蓄積する蓄積槽61と、蓄積槽61の天井部に設けられ、開放されて気泡Aを蓄積槽61から排出する排出栓62とを備える。蓄積槽61は、排出栓62が開放されると、液剤タンク4の圧力により蓄積槽61内のフラックス液Fが押し上げられて気泡Aを排出する。かかる構成によれば、容易に蓄積槽61に気泡Aを蓄積させ、容易に蓄積した気泡Aを排出できる。
また、本実施の形態の塗布装置1は、排出弁52を有する気泡排出部5を備えないため、気泡の排出のための排出弁52を操作する作業を省略できる。
また、本実施の形態の塗布装置1は、供給ホース31から気泡を排出しつつ塗布処理を行っても、塗布不良を生じることがない。排出栓62を閉鎖して蓄積槽61を密閉しつつ気泡を排出するため、フラックス液Fの圧送力が分岐点で分散されることがないからである。
以上、第1及び第2の実施の形態の塗布装置1を説明した。第1及び第2の実施の形態の塗布装置1は、ノズル2からではなく気泡排出部5又は排出槽6から気泡を排出するため、以下の効果をさらに奏する。
すなわち、ノズル2から気泡を排出する場合に比較して、短時間で全ての気泡を排出できる。ノズル2から気泡を排出する場合には、ノズル2の流量は少量に絞られるため、全ての気泡を排出するまでに長時間を有するからである。
また、作業者が気泡を排出するための移動距離を少なくできる。前述の通り気泡排出部5は液剤タンク4の近傍に配置されるため、作業者は液剤タンク4を加圧後、ノズル2まで移動してノズル2から気泡が排出するのを目視する必要がないからである。
また、第1及び第2の実施の形態の塗布装置1は、冒頭述べた特許文献1の技術のようにフラックス液Fを循環させることがない。このため、供給ホース31の分岐点31a又は屈曲点31cでフラックス液Fの圧送力が分散しないため、ノズル2へフラックス液Fを搬送する圧力が低下せず、塗布不良を生じない。
<3.変形例>
本発明は上記実施の形態に限定されることはない。変形可能である。以下、変形例を説明する。なお、上記及び以下に説明する実施の形態は、適宜組み合わせできる。
上記実施の形態では、供給ホース31は略水平方向に延びると説明した。しかし図11に示すように、供給ホース31は略水平方向に延びるのみならず、液剤タンク4側からノズル2側へ向かって下方向に傾斜する部分を有してもよい。
この場合、浮上力を有する気泡Aは、下方向に向かうノズル2側へ進入し難くなるために分岐点31aへ進入し易くなる。したがって、漏れなく気泡Aを気泡排出部5又は排出槽6へ導くことができ、気泡Aのノズル2への進入を効果的に防止できる。
特に、分岐点31a付近(前後数[cm])の供給ホース31において傾斜させるのが効果的である。分岐点31aにおいて、気泡Aは分岐点31aに浮上して気泡排出部5又は排出槽6へ進入するからである。
なお、供給ホース31のうち分岐点31aよりノズル2側の部分についてのみ、下方向に傾斜させてもよい。漏れなく気泡Aを気泡排出部5又は排出槽6へ導くことができ、気泡Aのノズル2への侵入を効果的に防止できる。
なお、第2の実施の形態で示した、屈曲点31cからノズル2までの供給ホース31をノズル2側へ向けて斜め下向きに形成してもよい。この場合、屈曲点31cから気泡Aがノズル2側の供給ホース31へ進入しにくくなり、漏れなく気泡Aを気泡排出部5又は排出槽6へ導くことができ、気泡Aのノズル2への侵入を効果的に防止できる。
他の変形例を説明する。上記実施の形態では、ノズル2の内部にフラックス液F等の流体を導く供給ホース31は、弾性材料で構成されると説明した。しかし、金属製等の他の材料で構成されてもよい。
また、上記実施の形態では、ノズル2は、霧状のフラックス液Fを噴出するスプレーノズルであると説明した。しかし、フラックス液Fを霧状にせずに噴出するノズルでもよい。
また、上記実施の形態では、液剤をフラックス液としたが、気泡に浮上力が働くあらゆる液剤の供給部に適用可能である。
また、上記実施の形態では、フラックス液Fが少量となった場合に液剤容器42を交換したが、液剤容器42にフラックス液Fを直接補充してもよい。この場合でも上蓋44を取り外す必要が生じ、サクションパイプ43に空気が浸入して供給ホース31に気泡が混入することとなる。
また、上記実施の形態では、供給ホース31の一部分は略水平であるとした。略水平とは水平の状態を含み、水平からわずかに傾いた状態をも含む。供給ホース31のうち分岐点31aを含む一部分が、水平からわずかに傾いていても本発明の効果は発揮される。同様に、供給ホース31のうち分岐点31aを含む一部分が、上方向からわずかに傾いていてもよい。
1 塗布装置
2 ノズル
3 流体供給部
4 液剤タンク
5 気泡排出部
A 気泡
F フラックス液

Claims (5)

  1. 液剤を塗布する塗布装置であって、
    導管の一端が挿入された前記液剤を密閉して内包し、加圧されて前記導管から前記液剤を送出するタンクと、
    前記タンクから前記導管を介して前記液剤が供給され、対象物に前記液剤を塗布するノズルと、
    前記導管内の液剤を前記ノズルの内部に導くノズル通路の開放と閉鎖とを行う第1バルブと、
    上方向に延びるように前記導管の一部から分岐する分岐路を介して前記導管に混入した気泡を前記気泡の浮上力により前記導管から収集し、前記気泡を排出口から排出する排出手段と、
    前記排出口の開放と閉鎖とを行う第2バルブと、
    を備え、
    前記分岐路は、前記導管が略水平方向に延びる位置において、前記導管から分岐して形成され、前記導管の前記分岐路との接続部に、前記液剤の流れの上流側から下流側へ向けて、下向きの傾斜部が設けられ、
    前記排出手段は、前記排出口が開放されかつ前記ノズル通路が閉鎖された状態で、前記気泡を前記液剤とともに排出することを特徴とする塗布装置。
  2. 液剤を塗布する塗布装置であって、
    導管の一端が挿入された前記液剤を密閉して内包し、加圧されて前記導管から前記液剤を送出するタンクと、
    前記タンクから前記導管を介して前記液剤が供給され、対象物に前記液剤を塗布するノズルと、
    前記導管内の液剤を前記ノズルの内部に導くノズル通路の開放と閉鎖とを行う第1バルブと、
    上方向に延びるように前記導管の一部から分岐する分岐路を介して前記導管に混入した気泡を前記気泡の浮上力により前記導管から収集し、前記気泡を排出口から排出する排出手段と、
    前記排出口の開放と閉鎖とを行う第2バルブと、
    を備え、
    前記分岐路は、前記導管が前記液剤の流れの上流側から下流側へ向けて、略鉛直方向上向きから略水平方向に屈曲する位置において、略鉛直方向上向きに延びる前記導管を延長した方向に前記導管から分岐して形成されており、
    前記排出手段は、前記排出口が開放されかつ前記ノズル通路が閉鎖された状態で、前記気泡を前記液剤とともに排出することを特徴とする塗布装置。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の塗布装置において、
    前記排出手段は、前記タンクの近傍に設置されることを特徴とする塗布装置。
  4. 液剤を塗布する塗布装置であって、
    導管の一端が挿入された前記液剤を密閉して内包し、加圧されて前記導管から前記液剤を送出するタンクと、
    前記タンクから前記導管を介して前記液剤が供給され、対象物に前記液剤を塗布するノズルと、
    上方向に延びるように前記導管の一部から分岐する分岐路を介して前記導管に混入した気泡を前記気泡の浮上力により前記導管から収集し、前記気泡を蓄積する蓄積槽と、
    前記蓄積槽の天井部に設けられ、開放されて前記気泡を前記蓄積槽から排出する排出栓と、
    を備え、
    前記分岐路は、前記導管が略水平方向に延びる位置において、前記導管から分岐して形成され、前記導管の前記分岐路との接続部に、前記液剤の流れの上流側から下流側へ向けて、下向きの傾斜部が設けられ、
    前記蓄積槽は、前記排出栓が開放されると、前記タンクの圧力により前記蓄積槽内の前記液剤が押し上げられて前記気泡を排出することを特徴とする塗布装置。
  5. 液剤を塗布する塗布装置であって、
    導管の一端が挿入された前記液剤を密閉して内包し、加圧されて前記導管から前記液剤を送出するタンクと、
    前記タンクから前記導管を介して前記液剤が供給され、対象物に前記液剤を塗布するノズルと、
    上方向に延びるように前記導管の一部から分岐する分岐路を介して前記導管に混入した気泡を前記気泡の浮上力により前記導管から収集し、前記気泡を蓄積する蓄積槽と、
    前記蓄積槽の天井部に設けられ、開放されて前記気泡を前記蓄積槽から排出する排出栓と、
    を備え、
    前記分岐路は、前記導管が前記液剤の流れの上流側から下流側へ向けて、略鉛直方向上向きから略水平方向に屈曲する位置において、略鉛直方向上向きに延びる前記導管を延長した方向に前記導管から分岐して形成され、
    前記蓄積槽は、前記排出栓が開放されると、前記タンクの圧力により前記蓄積槽内の前記液剤が押し上げられて前記気泡を排出することを特徴とする塗布装置。
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