JP2009159415A - アナログデジタル変換器並びにそれを用いた通信装置及び無線送受信器 - Google Patents

アナログデジタル変換器並びにそれを用いた通信装置及び無線送受信器 Download PDF

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Abstract

【課題】無線送受信器において、バックグランドキャリブレーション型のアナログデジタル変換器は、一般に、参照アナログデジタル変換ユニットに含まれるオペアンプの位相補償容量のため面積が大きくなる。また、一般に、配線の寄生容量による影響を除くために、サンプルアンドホールド回路を必要とし、消費電流が増大する。
【解決手段】無線送受信器の送信回路のデジタルアナログ変換器の入力信号をキャリブレーション用信号として利用し、このデジタルアナログ変換器の出力信号を受信回路のアナログデジタル変換器に入力してデジタルキャリブレーションを行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、アナログデジタル変換器並びにそれを用いた通信装置及び無線送受信器に関し、特にデジタル信号を用いて自身の出力に対する校正(キャリブレーション)を行う機能を有するアナログデジタル変換器、並びにそれを用いた無線・有線を含む通信装置及び無線送受信器に関する。
通信装置、例えば無線機(無線送受信器)に搭載されるアナログデジタル変換器は、製造プロセスのばらつき並びに温度変動や電源電圧変動などの環境の変化があっても特性が変化しないようにするために、キャリブレーション機能を備えている。
従来のアナログデジタル変換器の一例として、非特許文献1や非特許文献2には、参照アナログデジタル変換ユニットを用いたバックグランドキャリブレーション型のアナログデジタル変換器が開示されている。このバックグランドキャリブレーション型のアナログデジタル変換器の構成例を図18に示す。サンプルアンドホールド回路(S/H)11は、CLK信号に同期して、入力アナログ信号のサンプリングと保持を繰り返す。参照アナログデジタル変換ユニット12とメインアナログデジタル変換ユニット13は、サンプルアンドホールド回路11の出力に接続され、保持された電圧値を、それぞれデジタル値に変換して出力する。メインアナログデジタル変換ユニット13のMビットの出力は、デジタル出力生成部14により、キャリブレーション型アナログデジタル変換器の出力として、出力される。デジタル出力生成部14では、例えば、メインアナログデジタル変換ユニット13の出力コードと、キャリブレーション部15より出力される重みベクトルWiとの内積演算が行われる。
キャリブレーション部15は、デジタル出力生成部14の出力と参照アナログデジタル変換ユニット12の出力の差をとり、その結果に基づいて現在の重みWiの値を更新する負帰還ループを形成する。これにより、デジタル出力生成部14の出力が、参照アナログデジタル変換ユニット12の出力、すなわち、入力アナログ信号を高精度にデジタル値に変換した値と等しくなるまで、重みWiの値が自動的に制御される。なお、以上の動作の詳細な説明は、非特許文献2に開示されているため割愛する。
図19に、上記バックグランドキャリブレーション型のアナログデジタル変換器を無線機に搭載した例を示す。ベースバンド信号処理部214から出力された送信信号は、デジタルアナログ変換器215によりアナログ信号に変換され、フィルタ29で妨害波成分を除去される。前記フィルタの出力は、さらに、ミキサ25により、電圧制御発振器26により生成される局部発振信号と乗算され、送信周波数に周波数変換される。そして、増幅器23により増幅され、アンテナ21から送信される。一方、アンテナ21から入力された信号は、低雑音増幅器(LNA)22において増幅され、さらに、ミキサ24により、電圧制御発振器26により生成される局部発振信号と乗算され、中間周波数に周波数変換される。中間周波数信号は、可変利得増幅器27で増幅され、フィルタ28で妨害波成分を除去された後、アナログデジタル変換器に入力される。
アナログデジタル変換器は、メインアナログデジタル変換ユニット212と参照アナログデジタル変換ユニット211とキャリブレーション部213とデジタル出力生成部とサンプルアンドホールド回路210により構成される。キャリブレーション型アナログデジタル変換器の動作は前記の通りである。バックグランドキャリブレーション型のアナログデジタル変換器の出力は、ベースバンド信号処理部214に入力され、上位レイヤの処理などが施される。
一方、パイプライン型アナログデジタル変換部を構成する各段のMDAC内のサブADCの出力を設定し、それらの出力を検出することで各段のMDAC毎にキャリブレーションを行なう、フォワグランドキャリブレーション(もしくはセルフキャリブレーション)型アナログデジタル変換器も従来から知られている。非特許文献3には、キャパシタのミスマッチ、比較器のオフセット、チャージインジェクション、オペアンプの有限利得、キャパシタの非線形性などを補正するフォワグランドキャリブレーション型アナログデジタル変換器が開示されている。非特許文献4や5にも同様の構成のフォワグランドキャリブレーション型アナログデジタル変換器が開示されている。また、非特許文献5では、基準アナログDC電圧を生成するために、専用のデジタルアナログ変換器を使用する方法が開示されている。
また、特許文献1には、2個以上のアナログデジタル変換器の利得の相対誤差を補正する技術が開示されている。すなわち、特許文献1には、アナログデジタル変換器間の利得の相対誤差を補正するために、1つのデジタルアナログ変換器の出力を2個以上のアナログデジタル変換器に入力して各アナログデジタル変換器の出力レベルを測定し、これらの出力レベルに差がある場合にその差に応じて前記出力レベルの調整を行うADコンバータの自己調整方法が開示されている。
Yun Chiu(Y. Chiu et al., "Least mean square adaptive digital background calibration of pipelined analog-to-digital converters," IEEE Transactions on Circuits and Systems I Vol. 51, pp. 38-46(2004) 大島俊 他、「パイプライン型ADCの高速デジタルバックグランドキャリブレーション」、(社)電子情報通信学会 信学技法VLD2006−138 2007年 Andrew N. Karanicolas, Member, IEEE, Hae-Seung Lee, Senior Member, IEEE, and Kantilal L. Bacrania, Member, IEEE, "A 15-b 1-Msample/s Digitally Self-Calibrated Pipeline ADC", IEEE JOURNAL OF SOLID-STATE CIRCUITS, VOL. 28, NO. 12, DECEMBER 1993 B. HERNES, J. Bjornsen, T. Andersen, A. Vinje, H. Korsvoll, " A. Briskemyr, C. Holdo, O. Moldsvor, "A 92.5 mW 205MS/S 10b Pipelined IF ADC Implemented in 1.2 V/3.3 V 0.13 μm CMOS", Nordic Semiconductor, Trondheim, Norway, 2007 IEEE INTERNATIONALSOLID-STATE CIRCUIT CONFERENCE, Session 25.6, February 2007 C. Grace, P. Hurst, S. Lewis, "A 12b 80MS/s Pipelined ADC with Bootstrapped Digital Calibration,"2004 IEEE International Solid-State Circuits Conference, Session 25.5, February 2004 特開2004−242028号公報
近年、ブロードバンド無線に対する需要が急速に高まっており、無線LANや携帯電話のデータレートが高速化し続けている。特に、データレートが100Mbps程度を超えると、数百MS/sの高いサンプルレートが必要であり、かつ、妨害波耐性を維持するために、10ビット以上の高分解能も必要となる。このような高速高分解能のアナログデジタル変換を低消費電力で実現できるキャリブレーション型アナログデジタル変換器を、無線機に搭載する必要が生じる。
高サンプルレートかつ高分解能のアナログデジタル変換を低消費電力で実現するために、キャリブレーション型アナログデジタル変換器が近年注目を集めている。中でも、非特許文献1や非特許文献2に開示されているような、参照アナログデジタル変換ユニットを併用したキャリブレーション型アナログデジタル変換器は、収束時間が短く、かつ、簡単なアルゴリズムのデジタルキャリブレーションを実現できる点で期待されている。
上記バックグランドキャリブレーション型のアナログデジタル変換器は、アンテナから入力された信号を利用してキャリブレーションを行なう。すなわち、自らキャリブレーション用の信号を生成するのではなく、無線機が受信した受信信号を利用してキャリブレーションを行なう。このバックグランド型のキャリブレーション方式により、チャネルを使用する周波数で分離したFDD(Frequency division duplex)方式で双方向通信を連続的に行う高データレートの無線機に必要なキャリブレーション型アナログデジタル変換器を提供できるという利点がある。
しかし、上記バックグランドキャリブレーション型のアナログデジタル変換器は一般的に参照アナログデジタル変換ユニットに含まれるオペアンプの位相補償容量のため面積が大きい。さらに、一般的に、キャリブレーション型アナログデジタル変換器は配線の寄生容量による影響を除くために、サンプルアンドホールド回路を挿入するために、消費電流が増大する。
一方、非特許文献3乃至5に開示されたフォワグランドキャリブレーション型アナログデジタル変換器は、各段のMDAC毎に個別にキャリブレーションを行なうので、キャリブレーションのアルゴリズムが複雑になり、収束時間も長くなる。さらに、各段のMDACのキャリブレーション用の信号を生成、出力する回路部を備える必要があり、部品点数の増加、ひいては回路面積の増大が避けられない。また、非特許文献3乃至5に開示されたフォワグランドキャリブレーションでは、キャリブレーションに使用する基準信号がDC電圧や疑似乱数信号である必要があるため、送信信号をキャリブレーションに適用することはできない。
なお、特許文献1に記載のADコンバータの自己調整方法では、2個以上のアナログデジタル変換器間の出力レベルの差を調整するだけであり、複数のアナログデジタル変換器間の相対利得精度はキャリブレーションできるが、個々のアナログデジタル変換器の絶対利得精度や非線形性を校正することはできない。
本発明の主たる解決課題は、回路面積を増大させることなく高データレートの通信装置に必要な、高速かつ高精度のデジタルキャリブレーションを行なうことのできる、アナログデジタル変換器及びそれを用いた通信装置並びに無線送受信回路を提供することにある。
本発明の代表的なものの一例を示せば以下の通りである。即ち、本発明のアナログデジタル変換器は、通信機の受信回路において、デジタル信号を用いてキャリブレーションを行なうアナログデジタル変換器であって、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換ユニットと、前記アナログデジタル変換ユニットの出力側に接続されたキャリブレーション部と、前記アナログデジタル変換ユニットの出力が入力されるデジタル出力生成部と、前記アナログデジタル変換ユニットの入力側に設けられた切り替えスイッチとを備えて成り、前記切り替えスイッチは、前記受信回路に入力されたアナログ信号、またはキャリブレーション用のデジタル信号を前記通信機の送信回路のデジタルアナログ変換器でデジタルアナログ変換して得られるキャリブレーション用のアナログ信号のいずれかを前記アナログデジタル変換ユニットに入力する機能を有しており、前記キャリブレーション部は、前記デジタル出力生成部の出力と前記アナログデジタル変換ユニットの出力と前記デジタルアナログ変換器の入力に接続されており、前記キャリブレーション部は、前記キャリブレーション用のデジタル信号と、前記キャリブレーション用のアナログ信号を前記アナログデジタル変換ユニットに入力して得られるデジタル信号とを利用して、前記アナログデジタル変換ユニットの出力をキャリブレーションするためのパラメータを取得する機能を有していることを特徴とする。
本発明を実施することにより、高データレートの通信装置に必要なキャリブレーション型アナログデジタル変換器のうち、一方の参照アナログデジタル変換ユニットを送信用デジタルアナログ変換器で置換するため、回路面積が減少する。
本発明の代表的な実施例によれば、通信装置が、アナログデジタル変換器を有する受信回路と、このアナログデジタル変換器の出力に接続されたベースバンド信号処理部と、このベースバンド信号処理部の出力に接続されたデジタルアナログ変換器を有する送信回路とを備えている。アナログデジタル変換器は、受信したアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換ユニットと、アナログデジタル変換ユニットの出力側に接続されたキャリブレーション部と、アナログデジタル変換ユニットの出力が入力されるデジタル出力生成部と、アナログデジタル変換ユニットの入力側に設けられた切り替えスイッチとを備えている。そして、この切り替えスイッチは、受信したアナログ信号、またはキャリブレーション用のデジタル信号を送信回路のデジタルアナログ変換器でデジタルアナログ変換して得られるキャリブレーション用のアナログ信号のいずれかを前記アナログデジタル変換ユニットに入力する機能を有している。さらに、キャリブレーション部は、デジタル出力生成部の出力とアナログデジタル変換ユニットの出力とデジタルアナログ変換器の入力に接続されており、キャリブレーション部は、キャリブレーション用のデジタル信号と、キャリブレーション用のアナログ信号をアナログデジタル変換ユニットに入力して得られるデジタル信号とを利用して、アナログデジタル変換ユニットの出力をキャリブレーションするためのパラメータを取得する機能を有している。
特に、キャリブレーション用のデジタルアナログ変換器として、送信用のデジタルアナログ変換器を用い、その出力をキャリブレーション用信号にしていることで、参照用アナログデジタル変換ユニットが不要になり実装面積が小さくなる。また、送信用のデジタルアナログ変換器の出力はピークホールド波形であるため、サンプルアンドホールド回路(S/H)が不要になり、消費電流が低減できるという効果もある。
また、本発明のアナログデジタル変換器は、フォワグランドキャリブレーションに適している。すなわち、同一周波数のチャネルを時間分割して双方向通信を行う時分割多重(TDD=Time Division Duplex)方式を採用した通信システムでは、送受信のタイミングが分かっているので、送信区間あるいは受信の冒頭の区間を利用して、キャリブレーションを行なうことができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例を説明する。
まず、図1から図4により、本発明の第一の実施例になるフォワグランドキャリブレーション型のアナログデジタル変換器を備えた通信装置の基本的な構成を説明する。
図1は、本発明を無線送受信器に適用した全体的な回路構成を示す図である。図1において、無線送受信器は時分割多重(TDD)方式に対応しており、アンテナ31に対して送受信系を切り替えて接続する第一のスイッチ(CLK1)316を備えている。受信回路(RX)は、第一のスイッチに接続された受信用RF部320、この受信用RF部の出力に接続された中間周波数信号処理部322、この中間周波数信号処理部の出力に第二のスイッチ(CLK2)317を介して接続されたフォワグランドキャリブレーション型のアナログデジタル変換器323を備えている。このアナログデジタル変換器の出力端はベースバンド信号処理部313に接続されている。一方、送信回路(TX)は、ベースバンド信号処理部313の出力に接続されたデジタルアナログ変換器315、このデジタルアナログ変換器の出力に接続された送信用RF部321を備えている。送信用RF部321は第一のスイッチ316を介してアンテナ31に接続される。
なお、受信用RF部320は低雑音増幅器32及びミキサ34を備えている。また、送信用RF部321は、電力増幅器33、ミキサ35及びフィルタ39を備えている。36はミキサ34、35に共用の電圧制御発振器である。中間周波数信号処理部322は、可変利得増幅器37、フィルタ38及び可変利得増幅器310を備えている。なお、フィルタや可変利得増幅器の数を実施例よりも多くしても良く、また、それら相互の配置位置も実施例に限定されるものではない。
アナログデジタル変換器323は、アナログデジタル変換ユニット(メインADC)311、このアナログデジタル変換ユニットの出力に接続されたデジタル出力生成部(DEC)319、及びこのアナログデジタル変換ユニット311の出力とデジタル出力生成部319の出力及びデジタルアナログ変換器315の入力に接続されたフォワグランドキャリブレーション部312を備えている。アナログデジタル変換ユニット311は、低精度で高いサンプルレートに対応している。アナログデジタル変換ユニット311のMビットの出力コードは、デジタル出力生成部319により、キャリブレーション型アナログデジタル変換器の出力Doutとして、出力される。
CLK生成部314は、アナログデジタル変換ユニット311とデジタルアナログ変換器315に、互いに同期したクロック信号を供給する。
デジタルアナログ変換器315の出力は、第三のスイッチ(CLK3)318を介してアナログデジタル変換器323のアナログデジタル変換ユニット311の入力に接続される。
ベースバンド信号処理部313は、通信プロトコル上位レイヤの制御を行うマイクロプロセッサや、変調、復調などの物理レイヤの制御を行うデジタル信号処理プロセッサ(DSP)やデジタルで直接信号を生成する発振器DDS(Direct Digital Synthesizer)、および記憶装置などを備えている。そして、通常の送受信器と同様に、送信周波数を変調するための変調データを生成する変調データ生成機能、受信データを復調してコード化する受信データ復調機能を備えている。これらの機能は、予めメモリに保持された各プログラムをベースバンド信号処理部313のマイクロプロセッサやデジタル信号処理プロセッサで実行し、各種データを処理することにより実現しても良い。あるいは、夫々これらの機能を備えた専用のハードウエアで構成しても良い。
ベースバンド信号処理部313は、さらに、キャリブレーション用のデジタル信号を生成し、特定のタイミングで、デジタルアナログ変換器315及びフォワグランドキャリブレーション部312に送るデジタルキャリブレーション信号d(cal)を生成する機能と、CLKスイッチ(CLK1〜3)を制御するCLKスイッチ制御機能を備えている。デジタルキャリブレーション信号d(cal)をアナログ変換した信号は、水平部の高さがステップ状にかつ連続的に変化する信号、例えば三角波や正弦波に近似したステップ状の信号であっても良い。また、時分割多重(TDD)方式による単位の送信信号区間または受信信号区間内の短い区間で最小値から最大値までを周期的に複数回繰り返す信号であり、DDSにより生成される。
CLKスイッチ制御機能は、時分割多重(TDD)方式による送信信号や受信信号のタイミングに同期して、各CLKスイッチ(CLK1〜3)の開閉を制御するスイッチ制御信号を生成し、出力する。なお、DDSを使用したデジタルキャリブレーション信号を生成する機能や、CLKスイッチ制御機能は、ベースバンド信号処理部313とは別に設けても良い。
ここで、図2A、図2B、図2C、図3A及び図3Bを用いて、アナログデジタル変換器323の機能及び動作を説明する。
まず、図2Aは、アナログデジタル変換器323の機能の一例を示すブロック図である。また、図3Aに、キャリブレーション時におけるパラメータWiの時間経過を示し、図3Bに、キャリブレーション時における入出力波形d(cal)、Doutの時間経過を示す。なお、キャリブレーション専用の信号の一例として、ここでは三角波を使用しているものとする。なお、この三角波は、微視的には、高さがステップ状にかつ規則的に変化する、換言すると最大振幅まで連続的に増大する信号である。このようなベースバンド信号処理部313で生成されるキャリブレーション専用の信号d(cal)は、アナログデジタル変換ユニットの出力をキャリブレーションするための各種パラメータを短時間で取得するのに適した信号とすることができる。また、アナログデジタル変換器の出力レベルを幅広くとる、すなわち、アナログデジタル変換器の入力信号をフル振幅にすることで、キャリブレーションの収束精度は高くなり、かつ、キャリブレーションの収束速度も速くなる。
キャリブレーション用のデジタルキャリブレーション信号d(cal)は、デジタルアナログ変換器315を経てデジタルアナログ変換されてキャリブレーション用のアナログ信号Acalとなり、第三のスイッチ318を介してアナログデジタル変換ユニット311に入力される。そして、アナログデジタル変換ユニット311でアナログデジタル変換されてデジタル信号Diとなる。なお、ベースバンド信号処理部313で生成された変調データに基づく送信信号DTXは、デジタルアナログ変換器315を経てデジタルアナログ変換されて送信用のアナログ信号ATXとなる。
デジタルキャリブレーション信号d(cal)(換言するとデジタルアナログ変換器315の入力)と、アナログデジタル変換ユニット311の出力Di(換言するとデジタルキャリブレーション信号d(cal)がデジタルアナログ変換器315を経てアナログ信号Acalに変換されさらにアナログデジタル変換ユニット311を経てDiに変換されたデジタル出力)とが、キャリブレーション部312に入力される。なお、デジタルアナログ変換器315のゲインをGとすると、キャリブレーション部312に入力されるデジタルキャリブレーション信号は、d(cal)×Gの関係にする必要がある。本実施例では、説明を簡単にするために、ゲインG=1とする。
さらに、デジタル出力生成部319の出力Doutもキャリブレーション部312に入力される。これらの入力情報を基にして、キャリブレーション部312の出力に、アナログデジタル変換ユニット311の出力をキャリブレーションするためのパラメータWiが得られる。このパラメータWiとアナログデジタル変換ユニット311の出力Diがデジタル出力生成部319に入力され、その出力Doutがアナログデジタル変換器の出力となる。
キャリブレーション部312では、デジタル出力生成部319の出力Doutとデジタルアナログ変換器315の入力d(cal)との誤差eを算出し、その結果から、負帰還ループのLMSアルゴリズムに従って、パラメータWiを更新する(LMSアルゴリズムの詳細は非特許文献2参照)。
ここで、図2Cを用いて、アナログデジタル変換ユニット311の具体的な構成例について説明する。アナログデジタル変換ユニット311は例えばパイプライン型アナログデジタル変換部により実現される。パイプライン型アナログデジタル変換部は、MDAC(Multiplying DAC)とよばれる基本ブロックを必要分解能に応じて、必要な段数だけ直列に接続する構成をとる。また、MDACはオペアンプを中心としたスイッチドキャパシタ回路により構成される。各段のMDACは入力側にサンプリングスイッチを備えている。アナログデジタル変換ユニット311の初段のMDAC3111は、アナログデジタル変換器に入力されるアナログ信号電圧を粗くn1ビットで量子化して、その結果をデジタル出力生成部319及びデジタルキャリブレーション部312に伝達するとともに、その際に生じる量子化誤差電圧(Res)を増幅して次段のMDAC3112に伝達し処理を委ねる。処理を委ねられたMDAC3112は、前段のMDAC3111から出力された誤差電圧(Res)を、粗くn2ビットで量子化して、その結果をデジタル出力生成部319とデジタルキャリブレーション部312に伝達するとともに、その際に生じる量子化誤差電圧を増幅して、3段目のMDAC3113に伝える。以下格段の処理は同様である。
最終ステージ(L番目のステージ)は、単なる粗い量子化器SADC311Lで構成され、前段のL−1番目のステージMDAC713から出力された量子化誤差電圧を粗くnLビットで量子化して、その結果をデジタル出力生成部319及びデジタルキャリブレーション部312に伝達する。
デジタル出力生成部319は、各MDACから伝達された値と、デジタルキャリブレーションにより得られる適切な重み列の内積をとることで、最終的なデジタル出力値Doutを決定する。
デジタルキャリブレーション信号d(cal)がデジタルキャリブレーション部312に対して、、いわば正しい変換結果を教えてくれる。そのため、デジタルキャリブレーション部312は、それを利用して、正しい重み列に到達できる。
第二のスイッチ(CLK2)及び第三のスイッチ(CLK3)318は、アナログデジタル変換ユニットの初段のMDAC3111のサンプリングスイッチを兼用してもよい。
本発明の実施例ではキャリブレーション用のデジタルキャリブレーション信号d(cal)は、デジタルアナログ変換器315を経てデジタルアナログ変換されてキャリブレーション用のアナログ信号Acalとなり、サンプリングスイッチを経てアナログデジタル変換ユニットの初段のMDAC3111に入力される。
本発明では、アナログデジタル変換ユニット311に対するデジタルキャリブレーション信号d(cal)の入力経路が単一であり、従って、キャリブレーションのアルゴリズムも簡単なもので良く、また、全てのMDACのキャリブレーションが同時進行するため、キャリブレーションの収束時間も短くなる。この点で、アナログデジタル変換ユニットを構成する複数段のMDACの各々にデジタルキャリブレーション信号が入力され、各々のMDACが個別にキャリブレーションされる非特許文献3、4、5に開示されたフォワグランドキャリブレーション型のアナログデジタル変換器とは、構成及び、作用、効果を異にしている。
また、デジタルアナログ変換器315のサンプルレートは、通常、参照アナログデジタル変換ユニットに比べて速くなるので、キャリブレーション用の信号として受信信号を利用する場合に比べて、キャリブレーションの収束時間を短縮できる。さらに、アナログデジタル変換ユニットの出力をキャリブレーションするためのパラメータを短時間で取得するのに適した水平部の高さがステップ状にかつ連続的に変化する、キャリブレーション専用の信号をベースバンド信号処理部313で生成できる。そのため、受信信号を利用する場合に比べて、短時間で自動的に正しいパラメータ値Wiに収束する。換言すると、高速、かつ高精度のキャリブレーションが可能になる。
図2Aにおいて、デジタルキャリブレーションを行わないときは、第二のスイッチ317を介して受信信号ARXがアナログデジタル変換器323に入力される。
なお、本発明におけるアナログデジタル変換器323の機能は、図2Aのブロック図で示した例に限定されないことは言うまでもない。
例えば、本発明におけるアナログデジタル変換器を、図2Bのブロック図で示す構成例のようにしても良い。この例では、デジタルキャリブレーション部312からデジタル出力生成部319に入力されるパラメータ値が、Wi(j)となり、デジタル出力生成部319では次式(1)の演算処理が実行される。
Figure 2009159415
図2Bの方式を採用すると、MDAC内のオペアンプの非線形性を効果的にキャリブレーションすることができる。
次に、本実施例になる時分割多重(TDD)方式に対応した無線送受信器の動作を、図1及び図4を用いて説明する。
無線送受信器が、送信を行う時(区間TX)は、図4の(a)〜(c)に示したように、スイッチ制御信号CLK1が高となり、スイッチ制御信号CLK2及びCLK3が低となる。これに伴って、第一のスイッチ(CLK1)316が送信用RF部321に接続され、第二のスイッチ(CLK2)317は開となり、第三のスイッチ(CLK3)318も開となる。また、ベースバンド信号処理部313の出力DTXが、デジタルアナログ変換器315に入力される。さらに、デジタルアナログ変換器315の出力ATXはフィルタ39で波形整形された後、ミキサ35により電圧制御発振器36により生成される局部発振信号と乗算され、電力増幅器33により増幅され、アンテナ31から送信される。
送信後、無線送受信器は次に、受信期間(区間RX)になる。この受信期間の最初の所定のCal区間で、図4の(a)〜(c)に示したように、スイッチ制御信号CLK1及びスイッチ制御信号CLK2が低となり、スイッチ制御信号CLK3が高となる。これに伴って、第一のスイッチ316は受信用RF部320に接続され、第二のスイッチ317は開のままで、第三のスイッチ318は閉となる。この状態で、ベースバンド信号処理部313はアナログデジタル変換器323をキャリブレーションするための図4の(e)に拡大して示したような専用信号d(cal)を出力する。同信号は、キャリブレーション部312に入力され、また、デジタルアナログ変換器315にてアナログ信号Acalに変換されてアナログデジタル変換ユニット311に入力される。また、キャリブレーション部312の出力として、無線送受信器の製造プロセスのばらつきや温度や電源電圧などの使用環境の変化に伴う校正のために、図4の(d)に示したようなアナログデジタル変換ユニット311の出力をキャリブレーションするためのパラメータ(重み係数Wi)が得られる。このパラメータとアナログデジタル変換ユニット311の出力Diがデジタル出力生成部319に入力され、デジタル出力生成部319の出力Doutをアナログデジタル変換器323の出力として得ることができる。
キャリブレーション部312には、デジタル出力生成部319の出力Doutとアナログデジタル変換ユニット311の出力Diと、デジタルアナログ変換器315の入力d(cal)が入力される。デジタルアナログ変換器315の入力d(cal)は、キャリブレーション部312で参照信号として利用される。また、CLK生成部314は、アナログデジタル変換ユニット311とデジタルアナログ変換器315に、互いに同期したクロック信号を供給する。
なお、以上で述べたアナログデジタル変換器323のキャリブレーションは、図4の(c)に示したように、受信期間の最初のごく一部分で行われるため、データの受信を損なうことはない。なお、図4の(d)に示したように、キャリブレーションするためのパラメータ(重み係数Wi)は次のCal区間まで維持される。
次に、受信データを受信する時(RX内のデータ処理区間)は、図4に示したように、スイッチ制御信号CLK2が高となり、スイッチ制御信号CLK1及びCLK3が低となる。これに伴って、第一のスイッチ316は、受信用RF部320に接続される。また、第二のスイッチ317は閉じて、中間周波数信号処理部322の出力が、アナログデジタル変換器323の入力に接続される。アンテナ31で受信した信号は、低雑音増幅器32において増幅され、ミキサ34により、電圧制御発振器36により生成される局部発振信号と乗算され、中間周波数信号ARXに周波数変換される。この中間周波数信号は、可変利得アンプ37で増幅された後、フィルタ38で妨害波成分を除去され、そして可変利得増幅器310で増幅され、アナログデジタル変換器323に入力(入力アナログ信号)される。アナログデジタル変換器323によりデジタル化された信号は、ベースバンド信号処理部313により、データの復調や上位レイヤの処理などが施される。
このように、ベースバンド信号処理部313とデジタルアナログ変換器315でキャリブレーション専用の信号を生成し、それを、参照用信号として、キャリブレーション部312に伝達することで、参照アナログデジタル変換ユニットが不要になる。これにより、回路面積を大幅に低減できる。さらに、デジタルアナログ変換器315の出力は、通常、ピークホールドの波形であるため、クロックスキューに対する仕様が大幅に緩和され、サンプルアンドホールド回路が不要になる。これにより、消費電力を大幅に低減できる。また、デジタルアナログ変換器315のサンプルレートは、通常、参照アナログデジタル変換ユニットに比べて速くなるので、キャリブレーションの収束時間を短縮できる。さらに、キャリブレーション専用の信号をベースバンド信号処理部313で生成できるため、所望の振幅レベルの、かつ最適な波形の信号を、アナログデジタル変換器323に入力し、キャリブレーションを行うことができるため、高速、かつ高精度のキャリブレーションが可能になる。
以上述べたように、本実施例によれば、回路面積を大幅に低減できる。また、サンプルアンドホールド回路が不要となり、消費電流が低減される。またベースバンド信号処理部でキャリブレーション専用の信号を生成することで、フル振幅かつ最適な波形の信号をアナログデジタル変換ユニットに入力できるため、収束精度が上がる。なおかつ、デジタルアナログ変換器のサンプルレートは参照アナログデジタル変換ユニットに比べて通常速いので、キャリブレーションが高速化する。
次に、図5ないし図6により、本発明の第二の実施例になるフォワグランドキャリブレーション型のアナログデジタル変換器を備えた通信装置の基本的な構成を説明する。図5は、本発明を無線送受信器に適用した全体的な回路構成を示す図である。図6は、第二の実施例のキャリブレーション型アナログデジタル変換器323の動作を示すタイムチャートである。
ベースバンド信号処理部313は、送信周波数を変調するための変調データを生成する変調データ生成機能、受信データを復調してコード化する受信データ復調機能、及びCLKスイッチ(CLK1〜3)を制御するCLKスイッチ制御機能を備えている。本実施例では、送信信号をデジタルキャリブレーション信号d(cal)にも利用する。そのため、ベースバンド信号処理部313は、独自にデジタルキャリブレーション信号を生成する機能を有してはいない。
ただし、用途によっては、通信に使用される送信信号の波形等が必ずしも高精度、高速度のキャリブレーションに最適でない場合もありうる。そこで、変形例として、ベースバンド信号処理部313も独自にキャリブレーションに適した高精度、高速度対応のデジタルキャリブレーション専用の信号を生成する機能を有し、用途に応じてこれら送信信号とキャリブレーション専用の信号とをキャリブレーション信号として使い分けられるようにしてもよい。
デジタルキャリブレーション信号は、図6の(e)に拡大して示したように、変調デジタル信号をアナログ信号に変換した送信波形、例えば、ステップ状に連続的に変化する正弦波に近似した波形である。
330はゲイン調整器であり、デジタルアナログ変換器315のゲインをGとしたとき、キャリブレーション部312に入力されるデジタルキャリブレーション信号を、d(cal)×Gの関係にする調整するものである。
無線送受信器が、送信を行う時は、図6の(a)〜(c)に示したように、スイッチ制御信号CLK1及びCLK3が高となり、スイッチ制御信号CLK2が低となる。これに伴って、第一のスイッチ316が、送信用RF部320に接続され、第二のスイッチ317は開となり、第三のスイッチ318は閉となる。これに伴って、デジタルアナログ変換器315の出力とアナログデジタル変換器323の入力が接続される。この状態で、ベースバンド信号処理部313が出力する送信信号DTXが、デジタルアナログ変換器315に入力される。デジタルアナログ変換器315の出力RTXはフィルタ39で波形整形された後、ミキサ35により、電圧制御発振器36により生成される局部発振信号と乗算され、アンテナ31から送信される。
上記の送信処理と同時に、デジタルアナログ変換器315でアナログ信号に変換された送信信号RTXは、第三のスイッチ318を経由して、アナログデジタル変換器323のアナログデジタル変換ユニット311にも入力される。アナログデジタル変換ユニット311を経て出力Di、さらにはデジタル出力生成部319を経て出力Doutが得られる。他方、送信信号DTXはゲイン調整器330でデジタルアナログ変換器315のゲイン(G)と同じゲイン(G)に調整されてDTX‘となりキャリブレーション部312に入力される。以下、これらの情報Di、Dout、DTX‘に基づいて、実施例1と同様に、アナログデジタル変換器323のキャリブレーションが行われる。
次に、受信期間においては、図6の(a)〜(c)に示したように、スイッチ制御信号CLK1及びCLK3が低となり、スイッチ制御信号CLK2が高となる。これに伴って、第一のスイッチ316は受信用RF部320に接続され、第二のスイッチ317は閉となり、中間周波数信号処理部322の出力とアナログデジタル変換器323の入力が接続される。また、本実施例では、受信期間にアナログデジタル変換器323のキャリブレーションは行わないため、第三のスイッチ318は開となり、デジタルアナログ変換器315の出力とアナログデジタル変換器323の入力は分離される。この状態において、実施例1で述べた通り、通常の受信処理が行われる。
このように、本実施例では、実施例1のように、アナログデジタル変換器323のキャリブレーションのために、専用の信号を使用するのではなく、送信信号そのものをキャリブレーションに使用するため、送信期間中にキャリブレーションを行うことができる。このため、このため、受信期間を全て受信データ処理にあてられる。
本発明でキャリブレーションに用いる信号としては、実施例1、2に示した波形以外の波形でも良い。いずれの場合でも、高周波の波高値が、規則的に且つステップ状に増大若しくは増減するものであることが望ましい。これにより、キャリブレーションの収束までの時間を短縮しかつ収束精度を向上させることができる。
次に、図7、図8により、本発明の第三の実施例になるフォワグランドキャリブレーション型アナログデジタル変換器を備えた通信装置の基本的な構成例を説明する。図7は、本発明を無線送受信器に適用した全体的な回路構成を示す図である。本実施例の基本的な構成及び動作は第二の実施例と同様であるが、本実施例では、デジタルアナログ変換器315の出力とアナログデジタル変換器324の入力の間に可変利得アンプ340が挿入されている。このように構成することで、アナログデジタル変換器324に入力される信号レベルを最適に制御できることに特徴がある。
図7において、送信時に、第一のスイッチ316は、送信用RF部320に接続され、第二のスイッチ317は開となり、また、第三のスイッチ318は閉となることで、可変利得アンプ310の出力がアナログデジタル変換器323の入力に接続される。この状態で、ベースバンド信号処理部313が出力する送信信号は、デジタルアナログ変換器315に入力される。デジタルアナログ変換器315の出力はフィルタ39で波形整形された後、ミキサ35により、電圧制御発振器36により生成される局部発振信号と乗算され、アンテナ31から送信される。上記の送信処理と同時に、デジタルアナログ変換器315でアナログ信号に変換された送信信号は、可変利得アンプ340で増幅された後、第三のスイッチ318を経由して、アナログデジタル変換器323にも入力され、以下、実施例1や2と同様に、アナログデジタル変換器323のキャリブレーションが行われる。
また、アナログデジタル変換器323の出力には、自動利得制御部342が接続されており、この自動利得制御部342は、アナログデジタル変換器323の出力振幅を検出し、その結果に基づいて、アナログデジタル変換器323の入力振幅がキャリブレーションに最適になるように、可変利得アンプ340の利得を制御する。なお、この場合には、可変利得アンプ340を経てアナログデジタル変換器323の入力されるキャリブレーション信号Acalの信号レベルと、キャリブレーション部312に直接入力されるデジタルキャリブレーション信号の信号レベルが一致するように、キャリブレーション部312に直接入力されるデジタルキャリブレーション信号d(cal)のゲインGを調整する必要があることは言うまでもない。すなわち、デジタルアナログ変換器315の利得と可変利得アンプ340の利得とを掛け算した値と一致するように、キャリブレーション部312に直接入力されるデジタルキャリブレーション信号d(cal)のゲインGも調整する必要がある。(以下の実施例でも同じ)。
このように、可変利得アンプ340によりアナログデジタル変換器323への入力振幅を調整することにより、送信信号の振幅がアナログデジタル変換器323のキャリブレーションに適さない場合でも、常に、アナログデジタル変換器323の入力に、キャリブレーションに最適な振幅の信号を供給できる。
図8の(a)にデジタルアナログ変換器315の出力の時間経過、図8の(b)に、自動利得制御部342及び可変利得アンプ340の出力の時間経過を示している。可変利得アンプ340の出力の最大値が最初のステップではキャリブレーションに適さない例えば0.1Vであっても、順次、出力の最大値を増大させ、最終的にキャリブレーションに最適な値例えば1Vに増大できる。(なお、この図では、デジタルキャリブレーション信号が三角波の例を示しているが、送信信号を用いた波形であっても、動作は同じである。)
このようにキャリブレーションに最適な振幅の信号を供給できるため、高速かつ高精度のキャリブレーションが可能になる。なお、自動利得制御部342は、アナログデジタル変換器323によりデジタル値に変換された振幅値Doutを検出すればよいので、簡単な構成で実現できる。
また、本実施例は、フィードバック方式の自動利得制御となるため、可変利得アンプ340の特性にバラツキがあっても、常に正確な利得制御を実施でき、その結果、アナログデジタル変換器323の適切なキャリブレーションを行うことができる。なお、自動利得制御部342は、受信回路がもともと備えているものを、一部または全部利用してもよい。
つぎに、図9、図10により、本発明の第四の実施例になるフォワグランドキャリブレーション型アナログデジタル変換器を備えた通信装置の基本的な構成を説明する。図9は、本発明を無線送受信器に適用した全体的な回路構成を示す図である。その基本的な動作は第三の実施例と同様であるが、本実施例では、可変利得アンプ340の利得を、実施例三のようなフィードバック制御ではなく、フィードフォワード制御することに特徴がある。
図9において、送信時に、第一のスイッチ316は、送信用RF部321に接続され、第二のスイッチ317は開となり、また、第三のスイッチ318は閉となることで、可変利得アンプ310の出力がアナログデジタル変換器323の入力に接続される。この状態で、ベースバンド信号処理部313が出力する送信信号は、デジタルアナログ変換器315に入力される。デジタルアナログ変換器315の出力はフィルタ39で波形整形された後、ミキサ35により、電圧制御発振器36により生成される局部発振信号と乗算され、アンテナ31から送信される。上記の送信処理と同時に、デジタルアナログ変換器315でアナログ信号に変換された送信信号は、可変利得アンプ340で増幅された後、第三のスイッチ318を経由して、アナログデジタル変換器323にも入力され、以下、実施例2や3と同様に、アナログデジタル変換器323のキャリブレーションが行われる。
また、可変利得アンプ340の入力には、自動利得制御部344が接続されており、この自動利得制御部344は、可変利得アンプ340の入力振幅を検出し、その結果にもとづいて、アナログデジタル変換器323の入力振幅がキャリブレーションに最適になるように、可変利得アンプ340の利得を制御する。このようにすることで、送信信号の振幅がアナログデジタル変換器323のキャリブレーションに適さない場合でも、可変利得アンプ340により振幅を調整することで、常に、アナログデジタル変換器323の入力に、キャリブレーションに最適な振幅の信号を供給できるため、高速かつ高精度のキャリブレーションが可能になる。
図10の(a)にデジタルアナログ変換器315の出力の時間経過、図10の(b)に、自動利得制御部344及び可変利得アンプ340の出力の時間経過を示している。可変利得アンプ340の出力の最大値が最初のステップではキャリブレーションに適さない例えば0.1Vであっても、次のステップからキャリブレーションに最適な値例えば1Vに増大できる。(なお、この図では、デジタルキャリブレーション信号が三角波の例を示しているが、送信信号を用いた波形であっても、動作は同じである。)
このように、本実施例では、フィードフォワード方式で可変利得アンプ340の自動利得制御を行うため、高速な自動利得制御を行うことが可能となり、その結果として、アナログデジタル変換器323の高速なキャリブレーションを行うことができる。なお、自動利得制御部344は、受信回路がもともと備えているものを、一部または全部利用してもよい。
図11により、本発明の第五の実施例になるフォワグランドキャリブレーション型アナログデジタル変換器を備えた通信装置の基本的な構成を説明する。図11は、本発明を無線送受信器に適用した全体的な回路構成を示す図である。その基本的な動作は第四の実施例と同様であるが、本実施例では、キャリブレーション時に、アナログデジタル変換器323に入力される信号振幅を、中間周波数信号処理部322に含まれる例えば末尾の可変利得アンプ310と自動利得制御部350で制御することを特徴としている。
図11において、送信時に、第一のスイッチ316は、送信用RF部321に接続され、第二のスイッチ317は開となり、また、第三のスイッチ318は閉となることで、デジタルアナログ変換器315の出力が可変利得アンプ310の入力に接続される。この状態で、ベースバンド信号処理部313が出力する送信信号は、デジタルアナログ変換器315に入力される。デジタルアナログ変換器315の出力はフィルタ39で波形整形された後、ミキサ35により、電圧制御発振器36により生成される局部発振信号と乗算され、アンテナ31から送信される。上記の送信処理と同時に、デジタルアナログ変換器315でアナログ信号に変換された送信信号は、第三のスイッチ318を経由して、可変利得アンプ310で増幅された後、アナログデジタル変換器323にも入力され、以下、実施例2や3と同様に、アナログデジタル変換器323のキャリブレーションが行われる。
また、デジタルアナログ変換器315の入力が自動利得制御部350に接続されており、この自動利得制御部350は、デジタルアナログ変換器315の入力振幅を検出し、その結果に基づいて、アナログデジタル変換器323の入力振幅がキャリブレーションに最適になるように、可変利得アンプ310の利得を制御する。このようにすることで、送信信号の振幅がアナログデジタル変換器323のキャリブレーションに適さない場合でも、可変利得アンプ310により振幅を調整することで、常に、アナログデジタル変換器323の入力に、キャリブレーションに最適な振幅の信号を供給できる。そのため、高速かつ高精度のキャリブレーションが可能になる。また、本実施例では、もともと受信回路が持っている可変利得アンプ310を、アナログデジタル変換器323のキャリブレーションのために転用することで、回路面積と設計工数を削減できる。
本実施例では、デジタル値を直接、自動利得制御部350に入力できるので、自動利得制御部350の構成が簡単になり、回路面積と設計工数を削減できる。なお、本実施例は、特に、デジタルアナログ変換器315の利得が製造プロセスなどにより設計値よりもずれていない場合に適しているが、これに限定されるものではない。
なお、キャリブレーションに最適な振幅の信号を供給する目的のために、中間周波数信号処理部322に含まれる末尾以外の可変利得アンプを利用しても良いことは言うまでもない。
図12により、本発明の第六の実施例になるフォワグランドキャリブレーション型アナログデジタル変換器を備えた通信装置の基本的な構成を説明する。図12は、本発明を無線送受信器に適用した全体的な回路構成を示す図である。その基本的な動作は第三の実施例と同様であるが、本実施例では、キャリブレーション時に、アナログデジタル変換器323に入力される信号振幅を、中間周波数信号処理部322に含まれる例えば末尾の可変利得アンプ310と自動利得制御部360で制御することを特徴としている。
図12において、送信時に、第一のスイッチ316は、送信用RF部320に接続され、第二のスイッチ317は開となり、また、第三のスイッチ318は閉となることで、デジタルアナログ変換器315の出力が可変利得アンプ310の入力に接続される。この状態で、ベースバンド信号処理部313が出力する送信信号は、デジタルアナログ変換器315に入力される。デジタルアナログ変換器315の出力はフィルタ39で波形整形された後、ミキサ35により、電圧制御発振器36により生成される局部発振信号と乗算され、アンテナ31から送信される。上記の送信処理と同時に、デジタルアナログ変換器315でアナログ信号に変換された送信信号は、第三のスイッチ318を経由して、可変利得アンプ310で増幅された後、アナログデジタル変換器323にも入力され、以下、実施例2や3と同様に、アナログデジタル変換器323のキャリブレーションが行われる。
また、アナログデジタル変換器323の出力には、自動利得制御部360が接続されており、この自動利得制御部360は、アナログデジタル変換器323の出力振幅を検出し、その結果に基づいて、アナログデジタル変換器323の入力振幅がキャリブレーションに最適になるように、可変利得アンプ310の利得を制御する。このようにすることで、送信信号の振幅がアナログデジタル変換器323のキャリブレーションに適さない場合でも、可変利得アンプ310により振幅を調整することで、常に、アナログデジタル変換器323の入力に、キャリブレーションに最適な振幅の信号を供給できる。そのため、高速かつ高精度のキャリブレーションが可能になる。
このように、本実施例では、もともと受信回路が持っている可変利得アンプ310を、アナログデジタル変換器323のキャリブレーションのために転用することで、回路面積と設計工数を削減できる。また、自動利得制御部360は、アナログデジタル変換器323によりデジタル値に変換された振幅値Doutを検出すればよいので、簡単な構成で実現できる。また、本実施例は、フィードバック方式の自動利得制御となるため、可変利得アンプ310の特性にバラツキがあっても、常に正確な利得制御を実施でき、その結果、アナログデジタル変換器の適切なキャリブレーションを行うことができる。なお、自動利得制御部360は、受信回路がもともと備えているものを、一部または全部利用してもよい。
図13により、本発明の第七の実施例になるフォワグランドキャリブレーション型アナログデジタル変換器を備えた通信装置の基本的な構成を説明する。図13は、本発明を無線送受信器に適用した全体的な回路構成を示す図である。その基本的な動作は第四の実施例と同様であるが、本実施例では、キャリブレーション時に、アナログデジタル変換器323に入力される信号振幅を、中間周波数信号処理部322に含まれる例えば末尾の可変利得アンプ310と自動利得制御部370で制御することを特徴としている。
図13において、送信時に、第一のスイッチ316は、送信用RF部321に接続され、第二のスイッチ317は開となり、また、第三のスイッチ318は閉となることで、デジタルアナログ変換器315の出力が可変利得アンプ310の入力に接続される。この状態で、ベースバンド信号処理部313が出力する送信信号は、デジタルアナログ変換器315に入力される。デジタルアナログ変換器315の出力はフィルタ39で波形整形された後、ミキサ35により、電圧制御発振器36により生成される局部発振信号と乗算され、アンテナ31から送信される。上記の送信処理と同時に、デジタルアナログ変換器315でアナログ信号に変換された送信信号は、第三のスイッチ318を経由して、可変利得アンプ310で増幅された後、アナログデジタル変換器323にも入力され、以下、実施例1や2と同様に、アナログデジタル変換器323のキャリブレーションが行われる。
また、可変利得アンプ310の入力には、自動利得制御部370が接続されており、この自動利得制御部370は、可変利得アンプ310の入力振幅を検出し、その結果にもとづいて、アナログデジタル変換器323の入力振幅がキャリブレーションに最適になるように、可変利得アンプ310の利得を制御する。このようにすることで、送信信号の振幅がアナログデジタル変換器323のキャリブレーションに適さない場合でも、可変利得アンプ310により振幅を調整することで、常に、アナログデジタル変換器323の入力に、キャリブレーションに最適な振幅の信号を供給できる。そのため、高速かつ高精度のキャリブレーションが可能になる。
このように、本実施例では、もともと受信回路が持っている可変利得アンプ310を、アナログデジタル変換器323のキャリブレーションのために転用することで、回路面積と設計工数を削減できる。また、本実施例では、フィードフォワード方式で可変利得アンプ310の自動利得制御を行うため、高速な自動利得制御を行うことが可能となり、その結果として、アナログデジタル変換器の高速なキャリブレーションを行うことができる。なお、自動利得制御部310は、受信回路がもともと備えているものを、一部または全部利用してもよい。
以上述べた各実施例では、1個のアナログデジタル変換器を備えた受信回路を示したが、受信回路の構成によっては、2個あるいはそれ以上のアナログデジタル変換器が用いられる場合もある。
図14は、本発明の第八の実施例になるアナログデジタル変換器を備えた通信装置の基本的な回路構成を示す図である。本実施例では、実施例1乃至7の回路構成に代えて、受信部には、実質的に同じ構成の2個のデジタルキャリブレーション型のアナログデジタル変換器(I系統,Q系統)を備えたフォワグランドキャリブレーション型アナログデジタル変換器323が設けられている。アナログデジタル変換器323(I系統)は、アナログデジタル変換ユニット311A、このアナログデジタル変換ユニットの出力に接続されたデジタル出力生成部319A、及びこのアナログデジタル変換ユニットの出力とデジタル出力生成部319の出力及びデジタルアナログ変換器の入力に接続されたフォワグランドキャリブレーション部312Aを備えている。また、アナログデジタル変換器323(Q系統)は、アナログデジタル変換ユニット311B、このアナログデジタル変換ユニットの出力に接続されたデジタル出力生成部319B、及びこのアナログデジタル変換ユニットの出力とデジタル出力生成部の出力及びデジタルアナログ変換器の入力に接続されたフォワグランドキャリブレーション部312Bを備えている。
受信系では、受信信号が受信用RF部320の高周波増幅部32において増幅され、2つのミキサで、VCOと90度位相シフタからの発振信号により直交検波されてI(In−phase)/Q(Quadrature−phase)信号に変換される。さらに、中間周波数信号処理部322において、I/Q信号はそれぞれフィルタで妨害波成分を除去された後、可変利得増幅器で増幅され、その後、2個のデジタルキャリブレーション型のアナログデジタル変換器323(I系統,Q系統)で夫々デジタル信号に変換される。
送信系では、I/Q信号がデジタルアナログ変換器315A、315Bに入力される。デジタルアナログ変換器315A、315Bの各出力はフィルタ39A、39Bで波形整形された後、ミキサにより、電圧制御発振器36により生成される局部発振信号と乗算され、電力増幅器33を経てアンテナ31から送信される。上記の送信処理と同時に、デジタルアナログ変換器315Aでアナログ信号に変換された送信信号は、第三のスイッチ(CLK3)318を経由して、2個のデジタルキャリブレーション型のアナログデジタル変換器323(I系統,Q系統)のアナログデジタル変換ユニット311A、311Bにも入力される。また、デジタルアナログ変換器315Aの入力信号も、2個のデジタルキャリブレーション型のアナログデジタル変換器323(I系統,Q系統)のキャリブレーション部312A、312Bに夫々入力される。以下、実施例1等と同様に、デジタルキャリブレーション型のアナログデジタル変換器323(I系統,Q系統)の各々のキャリブレーションが行われる。I系統のデジタルアナログ変換器315Aの代わりに、Q系統のデジタルアナログ変換器315Bの入力信号及び出力信号をデジタルキャリブレーションに用いても良いことは言うまでも無い。その場合は、Q系統のデジタルアナログ変換器315Bの出力が第三のスイッチ318に接続され、また、Q系統のデジタルアナログ変換器315Bの入力が、I系統のキャリブレーション部312AとQ系統のキャリブレーション部312Bに接続されればよい。あるいはまた、デジタルアナログ変換器の利用形態として、I系統のデジタルアナログ変換器315Aを利用してI系統のキャリブレーション部312A、Q系統のデジタルアナログ変換器315Bを利用してQ系統のキャリブレーション部312Bのキャリブレーションを行っても良い。その場合は、I系統のデジタルアナログ変換器315Aの出力は、第三のスイッチAを介してI系統のアナログデジタル変換ユニット311Aに入力され、Q系統のデジタルアナログ変換器315Bの出力は、第三のスイッチBを介してQ系統のアナログデジタル変換ユニット311Bに入力される。また、I系統のデジタルアナログ変換器315Aの入力は、I系統のキャリブレーション部312Aに、Q系統のデジタルアナログ変換器315Bの入力は、Q系統のキャリブレーション部312Bに入力すればよい。
また、送信系が1系統のデジタルアナログ変換器315と1系統の送信用RF部321、すなわち、1系統のフィルタ39やミキサだけを含む構成においても、本実施例に開示された方法は有効である。この場合、ベースバンド信号処理部313からは、実施例1乃至7と同様、1系統のデジタル信号が出力され、同信号は、1系統のデジタルアナログ変換器315でアナログ信号に変換された後、1系統のフィルタ39と、第三のスイッチ318を介して、I系統のアナログデジタル変換ユニット311AとQ系統のアナログデジタル変換ユニット311Bに同時に入力される。また、1系統のデジタルアナログ変換器315の入力は、I系統のキャリブレーション部312AとQ系統のキャリブレーション部312Bに同時に入力される。以上の接続において、上記の通り、I系統のアナログデジタル変換器とQ系統のアナログデジタル変換器を、1系統のデジタルアナログ変換器315を用いて同時にキャリブレーションできる。
各デジタルキャリブレーション型のアナログデジタル変換器の構成、機能については、既に述べた実施例と同じである。このように、受信RF信号をIQ信号に変換してから夫々アナログデジタル変換を行なう方式にも、本発明を適用できる。本実施例の効果は、既に述べた実施例の効果と同じである。
図15により、本発明の第九の実施例になるフォワグランドキャリブレーション型アナログデジタル変換器を備えた通信装置の基本的な構成を説明する。図15は、本発明のアナログデジタル変換器を無線送受信器に適用した全体的な回路構成を示す図である。本実施例では、デジタルアナログ変換器の利得の設計値に対するばらつきが予想される場合に、デジタル出力生成部が、デジタルアナログ変換器の同ばらつきの補正を行なってキャリブレーションを行なうキャリブレーション機能と、前記補正処理を行なわずに重み係数のキャリブレーションだけを行なってその結果を出力するアナログデジタル変換機能とを有していることを特徴としている。本実施例のその他の動作は以下の通りである。
図15において、デジタル出力生成部380は、デジタル出力生成ユニット381、乗算器382及びセレクタ390を備えている。デジタル出力生成ユニット381は、実施例1〜8で述べたデジタル出力生成部319と同様の機能を有している。乗算器382は、キャリブレーション時に、デジタルアナログ変換器315の利得の設計値に対するばらつきを補正する補正係数をデジタル出力生成ユニット381の出力に乗算する機能を有している。例えばデジタルアナログ変換器315の利得が設計値に対してK倍であれば、乗算器382における補正係数は1/Kとなるようにキャリブレーション部312により自動的に制御され、デジタル出力生成ユニット381の出力を補正することで、デジタルアナログ変換器315の利得ばらつきによらず、正しい重み係数Wiを得ることができる。
セレクタ390は、例えばスイッチ制御信号CLK3で制御され、無線送受信器が送信を行う時は、例えば図6の(a)〜(c)に示したように、スイッチ制御信号CLK3が高となり、アナログデジタル変換ユニット311のキャリブレーションが実行され、デジタル出力生成ユニット381の出力に補正係数を乗算した値をデジタル出力生成部380の出力として選択する。一方、無線送受信器が受信を行う時は、スイッチ制御信号CLK3が低となり、デジタル出力生成ユニット381の出力に補正係数を乗算しない値をデジタル出力生成部380の出力として選択する。すなわち、受信時は、キャリブレーション済みのアナログデジタル変換器で入力アナログ信号がデジタル変換され、その結果が出力される。
本実施例によれば、デジタルアナログ変換器の利得が設計値に対してばらついている場合でも、高速、かつ高精度のキャリブレーションが可能になる。なお、本実施例では、一例として、デジタルアナログ変換器315の利得ばらつきを補正する場合を示したが、同様に、デジタルアナログ変換器315の非線形性(DNL/INL)を補正することができるのも勿論である。
図16、図17により、本発明の第十の実施例になるフォワグランドキャリブレーション型アナログデジタル変換器を備えた通信装置の基本的な構成を説明する。図16は、本発明を有線送受信器に適用した全体的な回路構成を示す図である。図17は、第十の実施例のアナログデジタル変換器の動作を示すタイムチャートである。
図16において、有線送受信器の受信回路(RX)は、受信用アナログフロントエンド部422、この出力に第二のスイッチ(CLK2)417を介して接続されたフォワグランドキャリブレーション型のアナログデジタル変換器423、及びイコライザー(EQ)430を備えている。イコライザー(EQ)430の出力端はベースバンド信号処理部413に接続されている。一方、送信回路(TX)は、ベースバンド信号処理部413の出力に接続されたプリエンファシス回路440、その出力に接続されたデジタルアナログ変換器415、このデジタルアナログ変換器の出力に接続された送信用アナログフロントエンド部421を備えている。

アナログデジタル変換器423は、アナログデジタル変換ユニット(メインADC)411、このアナログデジタル変換ユニットの出力に接続されたデジタル出力生成部(DEC)419、及びこのアナログデジタル変換ユニット411の出力とデジタル出力生成部419の出力及びデジタルアナログ変換器415の入力に接続されたフォワグランドキャリブレーション部412を備えている。CLK生成部414は、アナログデジタル変換ユニット411とデジタルアナログ変換器415に、互いに同期したクロック信号を供給する。なお、アナログデジタル変換器423の各構成要素の構成、作用は、前記各実施例に関して述べたものと同じである。
デジタルアナログ変換器415の出力は、第三のスイッチ(CLK3)418を介してアナログデジタル変換器423のアナログデジタル変換ユニット411の入力に接続される。受信用アナログフロントエンド部422に並列に、受信アナログ信号の有無を検知する信号検知部(DET)450が設けられており、受信アナログ信号が存在しないときは第二のスイッチ(CLK2)を開き第三のスイッチ(CLK3)を閉じ、受信アナログ信号が存在するときは第二のスイッチ(CLK2)を閉じ第三のスイッチ(CLK3)を開くように動作する。
従って、図17の(a)〜(b)に示したように、受信アナログ信号が存在しないときは、第三のスイッチ(CLK3)418が閉じられ、フォワグランドキャリブレーション部412への入力デジタル信号とデジタルアナログ変換器415を経て出力されたアナログ信号とを利用してアナログデジタル変換ユニット411のキャリブレーションが実行される。一方、受信アナログ信号が存在するときは、第二のスイッチ(CLK2)が閉じられ、アナログデジタル変換ユニット411により受信アナログ信号のデジタル変換処理が実行される。なお、受信アナログ信号の受信タイミングが予め分かっている通信方式の場合には、信号検知部(DET)に代えて、ベースバンド信号処理部413で第二のスイッチ、第三のスイッチを制御するようにしても良い。
本実施例の通信装置は、高速シリアル伝送用送受信器、10/100Gbイーサネット(登録商標)用送受信器、光リンク用送受信器などの有線送受信器に用いることができる。
本実施例によれば、受信アナログ信号の存在しない期間が短くても、高速、かつ高精度のキャリブレーションを行い、高データレートの受信アナログ信号を高精度に受信処理することが可能になる。
本発明の第一の実施例になるアナログデジタル変換器を備えた無線送受信回路の基本的な構成を示す図面である。 第一の実施例におけるアナログデジタル変換器の機能の一例を示すブロック図である。 第一の実施例におけるアナログデジタル変換器の機能の他の例を示すブロック図である。 第一の実施例におけるアナログデジタル変換ユニットの具体的な構成例を示す図面である。 第一の実施例のキャリブレーション時におけるパラメータWiの時間経過を示す図である。 第一の実施例のキャリブレーション時における入出波形d(cal)、Doutの時間経過を示す図である。 本発明の第一の実施例の動作を示すタイムチャートである。 本発明の第二の実施例になるアナログデジタル変換器を備えた無線送受信回路の基本的な構成を示す図面である。 本発明の第二の実施例の動作を示すタイムチャートである。 本発明の第三の実施例になるアナログデジタル変換器を備えた無線送受信回路の基本的な構成を示す図面である。 第三の実施例におけるデジタルアナログ変換器の出力の時間経過及び可変利得アンプにより振幅が調整されたデジタルアナログ変換器の出力の時間経過を示す図面である。 本発明の第四の実施例になるアナログデジタル変換器を備えた無線送受信回路の基本的な構成を示す図面である。 第四の実施例におけるデジタルアナログ変換器の出力の時間経過及び可変利得アンプにより振幅が調整されたデジタルアナログ変換器の出力の時間経過を示す図面である。 本発明の第五の実施例になるアナログデジタル変換器を備えた無線送受信回路の基本的な構成を示す図面である。 本発明の第六の実施例になるアナログデジタル変換器を備えた無線送受信回路の基本的な構成を示す図面である。 本発明の第七の実施例になるアナログデジタル変換器を備えた無線送受信回路の基本的な構成を示す図面である。 本発明の第八の実施例になるアナログデジタル変換器を備えた無線送受信回路の基本的な構成を示す図である。 本発明の第九の実施例になるアナログデジタル変換器を備えた通信装置の全体的な回路構成を示す図である。 本発明の第十の実施例になるアナログデジタル変換器を備えた有線送受信器の全体的な回路構成を示す図である。 第十の実施例のアナログデジタル変換器の動作を示すタイムチャートである。 従来のキャリブレーション型アナログデジタル変換器の構成例を示す図である。 図18のアナログデジタル変換器を備えた従来の無線送受信回路の構成例を示す図である。
符号の説明
11:サンプルアンドホールド回路
12:参照アナログデジタル変換ユニット
13:メインアナログデジタル変換ユニット
14:デジタル出力生成部
15:デジタルキャリブレーション部
21:アンテナ
22、23:低雑音増幅器
24、25:ミキサ
26:電圧制御発振器
27:可変利得増幅器
28、29:フィルタ
210:サンプルアンドホールド回路
211:参照アナログデジタル変換ユニット
212:メインアナログデジタル変換ユニット
213:デジタルキャリブレーション部
214:ベースバンド信号処理部
215:デジタルアナログ変換器
31:アンテナ
32、33:低雑音増幅器
34、35:ミキサ
36:電圧制御発振器
37:可変利得増幅器
38、39:フィルタ
310:可変利得増幅器
311:アナログデジタル変換ユニット
312:キャリブレーション部
313:ベースバンド信号処理部
314:CLK生成器
315:デジタルアナログ変換器
316:第一のスイッチ(CLK1)
317:第二のスイッチ(CLK2)
318:第三のスイッチ(CLK3)
319:デジタル出力生成部
320:受信用RF部
321:送信用RF部
322:中間周波数信号処理部
323:フォワグランドキャリブレーション型のアナログデジタル変換器
330:ゲイン調整器
340:可変利得アンプ
342、344、350、360、370:自動利得制御部。

Claims (20)

  1. 通信装置の受信回路に用いられ、デジタル信号を用いてキャリブレーションを行なうアナログデジタル変換器であって、
    入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換ユニットと、
    前記アナログデジタル変換ユニットの出力側に接続されたキャリブレーション部と、
    前記アナログデジタル変換ユニットの出力が入力されるデジタル出力生成部と、
    前記アナログデジタル変換ユニットの入力側に設けられた切り替えスイッチとを備えて成り、
    前記切り替えスイッチは、前記受信回路に入力されたアナログ信号、またはキャリブレーション用のデジタル信号を前記通信装置の送信回路のデジタルアナログ変換器でデジタルアナログ変換して得られるキャリブレーション用のアナログ信号のいずれかを前記アナログデジタル変換ユニットに入力する機能を有しており、
    前記キャリブレーション部は、前記デジタル出力生成部の出力と前記アナログデジタル変換ユニットの出力と前記デジタルアナログ変換器の入力に接続されており、
    前記キャリブレーション部は、前記キャリブレーション用のデジタル信号と、前記キャリブレーション用のアナログ信号を前記アナログデジタル変換ユニットに入力して得られるデジタル信号とを利用して、前記アナログデジタル変換ユニットの出力をキャリブレーションするためのパラメータを取得する機能を有している
    ことを特徴とするアナログデジタル変換器。
  2. 請求項1において、
    前記キャリブレーション用のデジタル信号と、前記キャリブレーション用のアナログ信号を前記アナログデジタル変換ユニットに入力し前記デジタル出力生成部から出力されるデジタル信号間のゲインの調整を行なうための調整器を備えて成る
    ことを特徴とするアナログデジタル変換器。
  3. 請求項1において、
    前記切り替えスイッチは、前記アナログデジタル変換ユニットの初段のMDACのサンプリングスイッチを兼用したものである
    ことを特徴とするアナログデジタル変換器。
  4. 請求項1において、
    前記キャリブレーション用のデジタル信号は、前記通信装置の送信用デジタル信号である
    ことを特徴とするアナログデジタル変換器。
  5. 請求項4において、
    前記アナログデジタル変換ユニットは、前記通信装置で受信された前記入力アナログ信号をデジタル信号に変換するものである
    ことを特徴とするアナログデジタル変換器。
  6. 請求項1において、
    前記デジタル出力生成部は、前記デジタルアナログ変換器の設計値に対するばらつきの補正を行なって前記キャリブレーションを実行するキャリブレーション機能と、前記補正処理を行なわずに前記入力アナログ信号のデジタル変換を行なってその結果を出力するアナログデジタル変換機能とを有している
    ことを特徴とするアナログデジタル変換器。
  7. デジタル信号を用いてキャリブレーションを行なうアナログデジタル変換器を有する受信回路と、
    該アナログデジタル変換器の出力に接続されたベースバンド信号処理部と、
    該ベースバンド信号処理部の出力に接続されたデジタルアナログ変換器を有する送信回路とを備えて成り、
    前記アナログデジタル変換器は、
    受信したアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換ユニットと、
    前記アナログデジタル変換ユニットの出力側に接続されたキャリブレーション部と、
    前記アナログデジタル変換ユニットの出力が入力されるデジタル出力生成部と、
    前記アナログデジタル変換ユニットの入力側に設けられた切り替えスイッチとを備えて成り、
    前記切り替えスイッチは、前記受信したアナログ信号、またはキャリブレーション用のデジタル信号を前記送信回路のデジタルアナログ変換器でデジタルアナログ変換して得られるキャリブレーション用のアナログ信号のいずれかを前記アナログデジタル変換ユニットに入力する機能を有しており、
    前記キャリブレーション部は、前記デジタル出力生成部の出力と前記アナログデジタル変換ユニットの出力と前記デジタルアナログ変換器の入力に接続されており、
    前記キャリブレーション部は、前記キャリブレーション用のデジタル信号と、前記キャリブレーション用のアナログ信号を前記アナログデジタル変換ユニットに入力して得られるデジタル信号とを利用して、前記アナログデジタル変換ユニットの出力をキャリブレーションするためのパラメータを取得する機能を有している
    ことを特徴とする通信装置。
  8. 請求項7において、
    前記受信回路は、受信用RF部と、該受信用RF部の出力に接続された中間周波数信号処理部と、該中間周波数信号処理部の出力に接続された前記アナログデジタル変換器とを備えて成り、
    前記送信回路は、前記ベースバンド信号処理部の出力に接続された前記デジタルアナログ変換器と、該デジタルアナログ変換器の出力に接続された送信用RF部を備えて成り、
    前記切り替えスイッチは時分割多重(TDD)信号に同期して動作するように構成されている、
    ことを特徴とする通信装置。
  9. 請求項7において、
    前記ベースバンド信号処理部は、前記キャリブレーション用のデジタル信号を生成する機能を有してなる
    ことを特徴とする通信装置。
  10. 請求項7において、
    前記キャリブレーション用のデジタル信号は、前記ベースバンド信号処理部で生成される送信用のデジタル信号である
    ことを特徴とする通信装置。
  11. 請求項7において、
    前記デジタルアナログ変換器の出力と前記アナログデジタル変換器の間に挿入された可変利得アンプを有しており、
    前記アナログデジタル変換器の入力をキャリブレーションに最適になるように、前記可変利得アンプの利得が制御されるように構成されている
    ことを特徴とする通信装置。
  12. 請求項11において、
    前記デジタル出力生成部の出力に接続された自動利得制御部を有しており、該自動利得制御部の出力により前記可変利得アンプの利得が制御されるように構成され、
    前記自動利得制御部は、前記デジタル出力生成部の出力信号の振幅検出をして、その結果に基づいて前記可変利得アンプの利得を制御することで、前記可変利得アンプの出力に接続された前記アナログデジタル変換器の入力をキャリブレーションに最適になるようにその利得を制御するように構成されている
    ことを特徴とする通信装置。
  13. 請求項11において、
    前記可変利得アンプの入力に接続された自動利得制御部が前記可変利得アンプの入力振幅の検出をして、その結果に基づいて前記可変利得アンプの利得を制御するように構成されており、
    前記自動利得制御部は、前記アナログデジタル変換器の入力をキャリブレーションに最適になるように制御するように構成されている
    ことを特徴とする通信装置。
  14. 請求項7において、
    前記受信回路は、I/Q信号に対応する2系統の受信用RF部、中間周波数信号処理部、及び前記アナログデジタル変換器を備えて成り、
    前記送信回路は、I/Q信号に対応する1系統または2系統の前記デジタルアナログ変換器及び送信用RF部を備えて成り、
    前記1系統のデジタルアナログ変換器、または、2系統のデジタルアナログ変換器のいずれか一方の、または、前記2系統のデジタルアナログデジタル変換器両方の、入力デジタル信号及び出力アナログ信号を利用して、前記受信回路の2系統のアナログデジタル変換器のキャリブレーションを行なうように構成されている
    ことを特徴とする通信装置。
  15. 送受信を切り替える第一のスイッチと、
    前記第一のスイッチに接続された受信用RF部とその出力に接続された中間周波数信号処理部と、
    前記中間周波数信号処理部の出力に第二のスイッチにより接続され、デジタル信号を用いてキャリブレーションを行なうアナログデジタル変換器と、
    前記アナログデジタル変換器の出力に接続されたベースバンド信号処理部と、
    前記ベースバンド信号処理部の出力に接続されたデジタルアナログ変換器と、
    前記デジタルアナログ変換器の出力に接続されさらに前記第一のスイッチに接続された送信用RF部と、前記デジタルアナログ変換器の出力と前記アナログデジタル変換器の入力を接続する第三のスイッチと、
    前記第一乃至第三のスイッチの開閉を制御するスイッチ制御部とを備えており、
    前記デジタルアナログ変換器の出力は第三のスイッチにより前記アナログデジタル変換器の入力に接続され、
    前記中間周波数信号処理部は少なくとも1つの可変利得アンプを含んでおり、
    前記アナログデジタル変換器は、アナログデジタル変換ユニットと、前記アナログデジタル変換器の出力に接続されたデジタル出力生成部と、前記デジタル出力生成部の出力と前記アナログデジタル変換ユニットの出力と前記デジタルアナログ変換器の入力に接続されたキャリブレーション部を含んでおり、
    前記アナログデジタル変換ユニットは低精度で高いサンプルレートに対応しており、
    前記デジタルアナログ変換器の出力を前記アナログデジタル変換器に入力し、前記アナログデジタル変換ユニットの出力とデジタルアナログ変換器の入力と前記デジタル出力生成部の出力を前記キャリブレーション部に入力することで、前記キャリブレーション部の出力に前記アナログデジタル変換ユニットの出力をキャリブレーションするためのパラメータが取得され、該パラメータとアナログデジタル変換ユニットの出力が前記デジタル出力生成部に入力され、前記デジタル出力生成部の出力が前記アナログデジタル変換器の出力となるよう構成されている
    ことを特徴とする無線送受信器。
  16. 請求項15において、
    送信時に、前記スイッチ制御部により、前記第一のスイッチは送信用RF部側に接続し、前記第三のスイッチは閉として、前記第二のスイッチは開とし、前記第一のスイッチはアンテナと前記送信用RF部を接続し、前記第三のスイッチは前記デジタルアナログ変換器の出力と前記アナログデジタル変換器の入力を接続し、
    前記ベースバンド信号処理部が出力する送信信号が前記デジタルアナログ変換器に入力され、前記デジタルアナログ変換器の出力は前記送信用RF部と、第三のスイッチを介して前記アナログデジタル変換器に入力され、前記送信用RF部の出力がアンテナから送信信号として送信され、
    前記送信信号を前記アンテナから送信すると同時に、前記デジタルアナログ変換器の出力を前記第三のスイッチを介して前記アナログデジタル変換器に入力することで、キャリブレーションを行うよう構成されている
    ことを特徴とする無線送受信器。
  17. 請求項15において、
    送信時に、前記スイッチ制御部により、前記第一のスイッチは送信用RF部側に接続し、前記第二のスイッチは開として、前記第三のスイッチは開とすることにより、前記ベースバンド信号処理部の出力が前記デジタルアナログ変換器に入力され、前記デジタルアナログ変換器の出力が前記送信用RF部に入力され、前記送信用RF部の出力がアンテナから送信信号として送信され、
    送信期間終了後は前記スイッチ制御部により、前記第二のスイッチは開で、前記第三のスイッチは閉とすることにより、前記デジタルアナログ変換器の出力を前記第三のスイッチを介して前記アナログデジタル変換器に入力してキャリブレーションを行うように構成されている
    ことを特徴とする無線送受信器。
  18. 請求項15において、
    前記デジタルアナログ変換器の出力が、中間周波数信号処理部で用いられる可変利得アンプに第三のスイッチを経由して接続されており、
    前記アナログデジタル変換器の入力がキャリブレーションに最適になるように、前記可変利得アンプの利得を制御するように構成されている
    ことを特徴とする無線送受信器。
  19. 請求項18おいて、
    前記デジタル出力生成部の出力に自動利得制御部が接続されており、
    前記自動利得制御部の出力により前記可変利得アンプの利得が制御されるよう構成されており、
    前記自動利得制御部は、前記デジタル出力生成部の出力信号の振幅検出を行い、その結果に基づいて前記可変利得アンプの利得を制御することで、前記可変利得アンプに接続された前記アナログデジタル変換器の入力をキャリブレーションに最適になるようにその利得を制御するように構成されている
    ことを特徴とする無線送受信器。
  20. 請求項15おいて、
    前記デジタルアナログ変換器と前記アナログデジタル変換器の間に可変利得アンプを備え、
    前記可変利得アンプの入力に接続された自動利得制御部を有しており、
    該自動利得制御部が前記可変利得アンプの入力振幅の検出を行い、その結果に基づいて前記可変利得アンプの利得を制御することで、前記アナログデジタル変換器の入力をキャリブレーションに最適になるように制御するように構成されている
    ことを特徴とする無線送受信器。
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