JP2009158478A - プラズモニック結晶面発光体、画像表示装置及び照明装置 - Google Patents

プラズモニック結晶面発光体、画像表示装置及び照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ディスプレイ、照明等に使用される有機発光ダイオード(有機EL、OLED)に関するものである。さらに詳しくは、可視光領域を含む遠赤外から紫外領域までの広範囲のエネルギーの取り出し効率を表面プラズモン共鳴によって向上する技術を提供する。
【解決手段】基板上に少なくとも陽極導電層、発光層、陰極導電層を順次積層することで作製する有機発光ダイオード素子において、
粒子単層膜からなる2次元結晶体をエッチングマスクとしたドライエッチング法によって作製した規則的凹凸による周期格子構造を有する基板を用い、規則的凹凸を有する陰極表面での表面プラズモン共鳴を利用して光エネルギーの取り出し効率を向上させることを特徴とする、プラズモニック結晶面発光体である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディスプレイ、照明等に使用される有機発光ダイオード(有機EL、OLED)に関するものである。さらに詳しくは、可視光領域を含む遠赤外から紫外領域までの広範囲のエネルギーの取り出し効率を表面プラズモン共鳴によって向上する技術に関する。
近年、有機ELの発光効率の改善のために、発光材料の改善、低電圧化、光取り出し効率の改善などが検討されているが、特に光取り出し効率の向上は、発光効率を大きく改善する余地がある。これまで有機発光ダイオードは基材ガラスの屈折率が1.5程度、透明電極(ITO)の屈折率が1.8〜2.0、電子輸送層、発光層、ホール輸送層などの有機材料層の屈折率が約1.5〜1.6程度、および空気の屈折率が1.0という構成から、発光光が有機層内、透明電極層内、ガラス基板内で全反射を繰り返して閉じ込められ、光取り出し効率が約20%程度まで低下してしまうという問題があった。
光取り出し効率を改善するために、光散乱層や低屈折率層の導入などが検討されている(非特許文献1、非特許文献2)。また、金属微粒子が誘電体層内に分散した構造を有する有機発光ダイオード素子で、発光層からの光を金属微粒子が局在表面プラズモン共鳴を励起することによって、高効率で光を外部に取り出す技術も考案されている(特許文献1)。
さらに、1次元および2次元の周期格子構造による表面プラズモン共鳴を介して、発光効率を向上する技術も紹介されている(特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6)。これらによれば、凹凸の周期格子構造を有する基板上に陽極層、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、陰極を順次積層していったものを基本構造として作製し、発光層で発生する光を表面プラズモン共鳴によって増強し、発光効率を向上するという技術が記述されている。
Chemical Physics Letter,182,p143(1991) Synthetic Metals,116,p145(2001) 特開2007−35430号 特開2002−270891号 特表2005−535121号 特開2005−108982号 特開2006−259064号 特開2004−31350号
これらの先行文献では周期格子構造を作製する方法として、フォトリソグラフィー、電子ビームリソグラフィー、機械式切削加工、レーザー加工、二光束干渉露光、縮小露光などが用いられる。しかし、二光束干渉露光を除いてこれらの手法は大面積に周期格子構造を作製するのに適さないため、工業的な利用面において面積の制約を受ける。また、二光束干渉露光による周期格子構造の作製も、ある程度の小面積は作製可能であるが、一辺が数cm以上の大面積の場合は光学セットアップ全体に対する振動、風、熱収縮・膨張、空気の揺らぎ、電圧変動、等々の様々な外乱因子が影響して、均一で正確な周期格子構造を作製することはきわめて困難である。
上記の問題を解決するための手段として、発光光の実効波長程度以下の一次粒子径を有する微粒子の単粒子膜をラングミュアー・ブロジェット法(以下、LB法ともいう。)の原理を用いて基材表面に作製することで、粒子間隔の制御が高精度で行われた2次元的最密充填格子が得られることを利用し、これをエッチングマスクとして気相エッチングにより一定の周期を有する波型あるいは偽波型の凹凸からなる周期格子構造を基材表面に作製することで、大面積で高性能の表面プラズモン結晶面を作製できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明に拠れば、凹凸を配置するピッチあるいは波型構造の波長が有機発光ダイオードの発光光の実効波長程度以下、凹凸の高さあるいは波型構造の振幅が5〜100nm程度となる波型あるいは偽波型の周期格子構造体を有機発光ダイオードの基板表面に作製し、この基板上に少なくとも陽極導電層、発光層、陰極導電層を順次積層して有機発光ダイオードを作製する。発光層で発生する光の取り出し効率を、周期格子構造が表面プラズモン共鳴を誘発することによって増強する。
(1)基板上に少なくとも陽極導電層、発光層、陰極導電層を順次積層することで作製する有機発光ダイオード素子において、
粒子単層膜からなる2次元結晶体をエッチングマスクとしたドライエッチング法によって作製した規則的凹凸による周期格子構造を有する基板を用い、規則的凹凸を有する陰極表面での表面プラズモン共鳴を利用して光エネルギーの取り出し効率を向上させることを特徴とする、プラズモニック結晶面発光体である。
(2)上記エッチングマスクは、気液界面に疎水化粒子分散液を滴下し分散媒を揮発する際の横毛細管力によって粒子を自己組織化し、それを基板に移し取るラングミュアー・ブロジェット法を用いて作製された粒子が2次元に最密充填したエッチングマスクであり、且つ下記式(1)で定義される2次元結晶体粒子の配列のずれD(%)が10%以下であることを特徴とする、プラズモニック結晶面発光体である。
D(%)=|B−A|×100/A・・・式(1)
(式(1)中、Aは前記粒子の平均粒子径、Bは前記単粒子膜における前記粒子間の平均ピッチを示す。)
(3)上記(1)〜(2)のいずれかに記載の周期格子構造の原盤を用いて作製した金型、スタンパーまたは原盤を用いて、射出成型法、熱ナノインプリント法、光ナノインプリント法、熱プレス法、UVエンボスのいずれかの方法で周期格子構造の形状を転写して作製する周期格子構造の製造方法である。
(4)上記周期格子構造を有する基板が、形状転写技術を用いて複製されたものである、(1)〜(2)のいずれかに記載のプラズモニック結晶面発光体である。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法によって作製されたプラズモニック結晶面発光体を少なくとも一部に有する画像表示装置である。
(6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法によって作製されたプラズモニック結晶面発光体を少なくとも一部に有する照明装置である。
ここで、本発明の大面積とは、実用上約1cm〜約3m程度、さらに10cm以上で本発明の意図する効果が顕著であるが、効果を阻害しない限り、特にその上限を定めるものではない。本発明の方法が大面積の粒子コーティングに向いている理由は、基材表面に直接粒子をコーティングする他の手段では、コーティングむらを避けるために表面エネルギーの局所的ばらつきが無い様に精密洗浄する必要があり、大面積で十分な均一性を得ることが困難であるのに対して、本発明の方法では、気液界面という均一な界面に粒子を展開することで、大面積にもかかわらず高精度の配列を安定に作製することができるからである。気液界面は均一な粒子配列の実現に有利であるとともに、本発明では後に述べる超音波照射によってさらに配列精度を向上するのに好適である。
超音波照射による粒子配列の高度化は非常に効果的であるため、面積が大きくなるほど本発明の手法の優位性は高まる。
本発明のエッチングマスクは、低コストで簡易な装置で作製可能であり、装置の大型化も容易である。したがって、大面積基板にマスク処理したい場合、或いは一回の操作でマスク処理を多数の基材表面に施したい場合に有効である。また、本発明の手法による粒子配列は、他の粒子コーティング法や通常のLB法と比べ結晶化度が高いので、優れた回折光を得ることができる。従って、入射光の回折光を表面プラズモンと共鳴することで行われる表面プラズモン共鳴発光を行うにあたって、本発明の周期格子構造を用いると高効率の光取り出し効果が得られる。
以下に、本発明を詳述に説明する。
本発明の粒子単層膜からなる単粒子膜エッチングマスクを構成する粒子とは、粒子径が有機発光ダイオードの発光光の実効波長程度以下のものを指す。これは、周期格子構造の周期が微粒子の粒子径で規定されるからである。
単粒子膜エッチングマスクを構成する粒子は、粒子径の変動係数(標準偏差を平均値で除した値)が15%以下であるものが好ましく、10%以下であるものがより好ましく、5%以下のものがさらに好ましい。このように粒子径の変動係数、すなわち、粒子径のばらつきが小さい粒子を使用すると、後述する単粒子膜エッチングマスクの製造工程において、粒子が存在しない欠陥箇所が生じにくくなり、配列のずれDが10%以下である単粒子膜エッチングマスクが得られやすい。表面プラズモン共鳴を効率的に誘発するには、周期格子構造が回折光を効率的につくることが必要であり、そのためには配列のずれが少ない単粒子膜エッチングマスクを用いることが好ましい。
粒子の材質としては、Al、Au、Ti、Pt、Ag、Cu、Cr、Fe、Ni、Siなどの金属、SiO、Al、TiO、MgO、CaOなどの金属酸化物、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなどの有機高分子などの他、半導体材料、無機高分子などのうち1種以上を採用できる。
本発明の単粒子膜エッチングマスクは、エッチング対象物である基板上の少なくとも片面上に配置されるものであって、いわゆるLB法(ラングミュアー・ブロジェット法)の考え方を利用した方法により基板上に形成できる。具体的には、溶剤中に粒子が分散した分散液を水槽内の液面に滴下する滴下工程と、溶剤を揮発させることにより粒子からなる単粒子膜を形成する単粒子膜形成工程と、単粒子膜を基板上に移し取る移行工程とを有する方法により製造できる。
単粒子膜エッチングマスクを製造する好ましい方法について、一例を挙げて以下に具体的に説明する。
まず、クロロホルム、メタノール、エタノール、メチルエチルケトン、ヘキサンなどの揮発性の高い溶剤のうちの1種以上からなる疎水性の有機溶剤中に、表面が疎水性の粒子を加えて分散液を調製する。一方、水槽(トラフ)を用意し、これに、その液面上で粒子を展開させるための液体(以下、下層水という場合もある。)として水を入れる。
次に、分散液を下層水の液面に滴下する(滴下工程)。その結果、分散媒である溶剤が揮発するとともに、粒子が下層水の液面上に単層で展開し、2次元的に最密充填した単粒子膜を形成することができる(単粒子膜形成工程)。
このように、粒子として疎水性のものを選択した場合には、溶剤としても疎水性のものを選択する必要がある。一方、その場合、下層水は親水性である必要があり、通常、上述したように水を使用する。このように組み合わせることによって、後述するように、粒子の自己組織化が進行し、2次元的に最密充填した単粒子膜が形成される。ただし、粒子および溶剤として親水性のものを選択してもよく、その場合には、下層水として、疎水性の液体を選択する。
下層水に滴下する分散液の粒子濃度は1〜10質量%とすることが好ましい。また、滴下速度を0.001〜0.01ml/秒とすることが好ましい。分散液中の粒子の濃度や滴下量がこのような範囲であると、粒子が部分的にクラスター状に凝集して2層以上となる、粒子が存在しない欠陥箇所が生じる、粒子間のピッチが広がるなどの傾向が抑制され、各粒子が高精度で2次元に最密充填した単粒子膜がより得られやすい。
表面が疎水性の粒子としては、先に例示した粒子のうち、ポリスチレンなどの有機高分子からなり表面が元々疎水性を示すものを使用してもよいが、表面が親水性の粒子を疎水化剤で疎水性にして使用してもよい。疎水化剤としては、例えば界面活性剤、金属アルコキシシランなどが使用できる。
界面活性剤を疎水化剤として使用する方法は、幅広い材料の疎水化に有効であり、粒子が金属、金属酸化物などからなる場合に好適である。
界面活性剤としては、臭素化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、臭素化デシルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤、ドデシル硫酸ナトリウム、4−オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤が好適に使用できる。また、アルカンチオール、ジスルフィド化合物、テトラデカン酸、オクタデカン酸なども使用できる。
このような界面活性剤を用いた疎水化処理は、有機溶剤や水などの液体に粒子を分散させて液中で行ってもよいし、乾燥状態にある粒子に対して行ってもよい。
液中で行う場合には、例えば、クロロホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、エチルエチルケトン、トルエン、n-ヘキサン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの1種以上からなる揮発性有機溶剤中に、疎水化対象の粒子を加えて分散させ、その後、界面活性剤を混合してさらに分散を続ければよい。このようにあらかじめ粒子を分散させておき、それから界面活性剤を加えると、表面をより均一に疎水化することができる。このような疎水化処理後の分散液は、そのまま、滴下工程において下層水の液面に滴下するための分散液として使用できる。
疎水化対象の粒子が水分散体の状態である場合には、この水分散体に界面活性剤を加えて水相で粒子表面の疎水化処理を行った後、有機溶剤を加えて疎水化処理済みの粒子を油相抽出する方法も有効である。こうして得られた分散液(有機溶剤中に粒子が分散した分散液)は、そのまま、滴下工程において下層水の液面に滴下するための分散液として使用できる。なお、この分散液の粒子分散性を高めるためには、有機溶剤の種類と界面活性剤の種類とを適切に選択し、組み合わせることが好ましい。粒子分散性の高い分散液を使用することによって、粒子がクラスター状に凝集することを抑制でき、各粒子が高精度で2次元に最密充填した単粒子膜がより得られやすくなる。例えば、有機溶剤としてクロロホルムを選択する場合には、界面活性剤として臭素化デシルトリメチルアンモニウムを使用することが好ましい。その他にも、エタノールとドデシル硫酸ナトリウムとの組み合わせ、メタノールと4−オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウムとの組み合わせ、メチルエチルケトンとオクダデカン酸との組み合わせなどを好ましく例示できる。
疎水化対象の粒子と界面活性剤の比率は、疎水化対象の粒子の質量に対して、界面活性剤の質量が1/3〜1/15倍の範囲が好ましい。
また、こうした疎水化処理の際には、処理中の分散液を撹拌したり、分散液に超音波照射したりすることも粒子分散性向上の点で効果的である。
金属アルコキシシランを疎水化剤として使用する方法は、Si、Fe、Alなどの粒子や、AlO、SiO、TiOなどの酸化物粒子を疎水化する際に有効であるが、これら粒子に限らず、基本的には表面に水酸基を有する粒子に対して適用することができる。
金属アルコキシシランとしては、モノメチルトリメトキシシラン、モノメチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
疎水化剤として金属アルコキシシランを用いる場合には、金属アルコキシシラン中のアルコキシシリル基がシラノール基に加水分解し、このシラノール基が粒子表面の水酸基に脱水縮合することで疎水化が行われる。すなわち、金属アルコキシシランを用いた疎水化は、水中で実施することが好ましい。
このように水中で疎水化を行う場合には、例えば界面活性剤などの分散剤を併用して、疎水化前の粒子の分散状態を安定化するのが好ましいが、分散剤の種類によっては金属アルコキシシランの疎水化効果が低減することもあるため、分散剤と金属アルコキシシランとの組み合わせは適切に選択する。
金属アルコキシシランにより疎水化する具体的方法としては、まず、水中に粒子を分散させておき、これと金属アルコキシシラン含有水溶液(金属アルコキシシランの加水分解物を含む水溶液)とを混合し、室温から40℃の範囲で適宜攪拌しながら所定時間、好ましくは6〜12時間反応させる。このような条件で反応させることによって、反応が適度に進行し、十分に疎水化された粒子の分散液を得ることができる。反応が過度に進行すると、シラノール基同士が反応して粒子同士が結合してしまい、分散液の粒子分散性が低下し、得られる単粒子膜は、粒子が部分的にクラスター状に凝集した2層以上のものになりやすい。一方、反応が不十分であると、粒子表面の疎水化も不十分となり、得られる単粒子膜は粒子間のピッチが広がったものになりやすい。
また、アミン系以外の金属アルコキシシランは、酸性またはアルカリ性の条件下で加水分解するため、反応時には分散液のpHを酸性またはアルカリ性に調整する必要がある。pHの調整法には制限はないが、0.1〜2.0質量%濃度の酢酸水溶液を添加する方法によれば、加水分解促進の他に、シラノール基安定化の効果も得られるため好ましい。
疎水化対象の粒子と金属アルコキシシランの比率は、疎水化対象の粒子の質量に対して、金属アルコキシシランの質量が1/10〜1/100倍の範囲が好ましい。
所定時間反応後、この分散液に対して、前述の揮発性有機溶剤のうちの1種以上を加え、水中で疎水化された粒子を油相抽出する。この際、添加する有機溶剤の体積は、有機溶剤添加前の分散液に対して0.3〜3倍の範囲が好ましい。こうして得られた分散液(有機溶剤中に粒子が分散した分散液)は、そのまま、滴下工程において下層水の液面に滴下するための分散液として使用できる。なお、こうした疎水化処理においては、処理中の分散液の粒子分散性を高めるために、撹拌、超音波照射など実施することが好ましい。分散液の粒子分散性を高めることによって、粒子がクラスター状に凝集することを抑制でき、各粒子が高精度で2次元に最密充填した単粒子膜がより得られやすくなる。
また、形成する単粒子膜の精度をより高めるためには、液面に滴下する前の分散液をメンブランフィルターなどで精密ろ過して、分散液中に存在する凝集粒子(複数の1次粒子からなる2次粒子)を除去することが好ましい。このようにあらかじめ精密ろ過を行っておくと部分的に2層以上となった箇所や、粒子が存在しない欠陥箇所が生じにくく、精度の高い単粒子膜が得られやすい。仮に、形成された単粒子膜に、数〜数十μm程度の大きさの欠陥箇所が存在したとすると、詳しくは後述する移行工程において、単粒子膜の表面圧を計測する表面圧力センサーと、単粒子膜を液面方向に圧縮する可動バリアとを備えたLBトラフ装置を使用したとしても、このような欠陥箇所を表面圧の差として検知することは困難であり、高精度な単粒子膜エッチングマスクを得ることが難しくなる。
さらに、このような単粒子膜形成工程は、超音波照射条件下で実施することが好ましい。下層水から水面に向けて超音波を照射しながら単粒子膜形成工程を行うと、粒子の最密充填が促進され、各粒子がより高精度で2次元に最密充填した単粒子膜が得られる。この際、超音波の出力は1〜1200Wが好ましく、50〜600Wがより好ましい。また、超音波の周波数には特に制限はないが、例えば28kHz〜5MHzが好ましく、より好ましくは700kHz〜2MHzである。一般的に振動数が高すぎると、水分子のエネルギー吸収が始まり、水面から水蒸気または水滴が立ち上る現象が起きるため、本発明のLB法にとって好ましくない。また、一般的に振動数が低すぎると、下層水中のキャビテーション半径が大きくなり、水中に泡が発生して水面に向かって浮上してくる。このような泡が単粒子膜の下に集積すると、水面の平坦性が失われるため本発明の実施に不都合となる。また、超音波照射によって水面に定常波が発生する。いずれの周波数でも出力が高すぎたり、超音波振動子と発信機のチューニング条件によって水面の波高が高くなりすぎたりすると、単粒子膜が水面波で破壊される可能性がある。
以上のことから超音波の周波数を適切に設定すると、形成されつつある単粒子膜を破壊することなく、効果的に粒子の最密充填を促進することができる。しかし、粒子径が例えば100nm以下など小さな粒子になると固有振動数は非常に高くなってしまうため、計算結果のとおりの超音波振動を与えるのは困難になる。
このような場合は、粒子2量体、3量体、・・・20量体程度までの質量に対応する固有振動を与えると仮定して計算を行うと、必要な振動数を現実的な範囲まで低減させることが出来る。粒子の会合体の固有振動数に対応する超音波振動を与えた場合でも、粒子の充填率向上効果は発現する。超音波の照射時間は、粒子の再配列が完了するのに十分であればよく、粒子径、超音波の周波数、水温などによって所要時間が変化する。しかし通常の作成条件では10秒間〜60分間で行うのが好ましく、より好ましくは3分間〜30分間である。
超音波照射によって得られる利点は粒子の最密充填化(ランダム配列を6方最密化する)の他に、ナノ粒子分散液調製時に発生しやすい粒子の軟凝集体を破壊する効果、一度発生した点欠陥、線欠陥、または結晶転移などもある程度修復する効果がある。
前述した単粒子膜の形成は、粒子の自己組織化によるものである。その原理は、粒子が集結すると、その粒子間に存在する分散媒に起因して表面張力が作用し、その結果、粒子同士はランダムに存在するのではなく、2次元に最密充填した構造を自動的に形成するというものである。このような表面張力による最密充填は、別の表現をすると横方向の毛細管力による配列化ともいう。
特に、例えばコロイダルシリカのように、球形であって粒子径の均一性も高い粒子が、水面上に浮いた状態で3つ集まり接触すると、粒子群の喫水線の合計長を最小にするように表面張力が作用し、図1に示すように、3つの粒子は正三角形を基本とする配置で安定化する仮に、喫水線が粒子群の頂点にくる場合、すなわち、粒子が液面下に潜ってしまう場合には、このような自己組織化は起こらず、単粒子膜は形成されない。よって、粒子と下層水は、一方が疎水性である場合には他方を親水性にして、粒子群が液面下に潜ってしまわないようにすることが重要である。
下層水としては、以上の説明のように水を使用することが好ましく、水を使用すると、比較的大きな表面自由エネルギーが作用して、一旦生成した粒子の最密充填配置が液面上に安定的に持続しやすくなる。
単粒子膜形成工程により液面上に形成された単粒子膜を、単層状態のままエッチング対象物である有機発光ダイオード基板上に移し取る(移行工程)。
単粒子膜を基板上に移し取る具体的な方法には特に制限はなく、例えば、疎水性の基板を単粒子膜に対して略平行な状態に保ちつつ、上方から降下させて単粒子膜に接触させ、ともに疎水性である単粒子膜と基板との親和力により、単粒子膜を基板に移行させ、移し取る方法;単粒子膜を形成する前にあらかじめ水槽の下層水内に基板を略水平方向に配置しておき、単粒子膜を液面上に形成した後に液面を徐々に降下させることにより、基板上に単粒子膜を移し取る方法などがある。これらの方法によれば、特別な装置を使用せずに単粒子膜を基板上に移し取ることができるが、より大面積の単粒子膜であっても、その2次元的な最密充填状態を維持したまま基板上に移し取りやすい点で、いわゆるLBトラフ法を採用することが好ましい。
図2は、LBトラフ法の概略を模式的に示すものである。この方法では、水槽内の下層水2に基板4をあらかじめ略鉛直方向に浸漬しておき、その状態で上述の滴下工程と単粒子膜形成工程とを行い、単粒子膜3を形成する(図2(A))。そして、単粒子膜形成工程後に、基板4を上方に引き上げることによって、単粒子膜3を基板4上に移し取ることができる(図2(B))。ここで単粒子膜3は、単粒子膜形成工程により液面上ですでに単層の状態に形成されているため、移行工程の温度条件(下層水の温度)や基板4の引き上げ速度などが多少変動しても、移行工程において単粒子膜3が崩壊して多層化するなどのおそれはない。なお、下層水の温度は、通常、季節や天気により変動する環境温度に依存し、ほぼ10〜30℃程度である。
また、この際、水槽として、単粒子膜3の表面圧を計測する図示略のウィルヘルミープレート等を原理とする表面圧力センサーと、単粒子膜3を液面に沿う方向に圧縮する図示略の可動バリアとを具備するLBトラフ装置を使用すると、より大面積の単粒子膜3をより安定に基板4上に移し取ることができる。このような装置によれば、単粒子膜3の表面圧を計測しながら、単粒子膜3を好ましい拡散圧(密度)に圧縮でき、また、基板4の方に向けて一定の速度で移動させることができる。そのため、単粒子膜3の液面から基板4上への移行が円滑に進行し、小面積の単粒子膜3しか基板4上に移行できないなどのトラブルが生じにくい。好ましい拡散圧は、5〜80mNm−1であり、より好ましくは10〜40mNm−1である。このような拡散圧であると、各粒子がより高精度で2次元に最密充填した単粒子膜3が得られやすい。また、基板4を引き上げる速度は、0.5〜20mm/分が好ましい。
有機発光ダイオードの基板の材質としては透明材料が基本であるが、例えば、各種ガラス、人工石英、マイカ、サファイア(Al)等の金属酸化物、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース等の高分子材料などが挙げられる。また、必要に応じて基板の表面を他の材質でコーティングしてもよいし、化学的に変質させてもよい。
また、後述するように最初にマスター(原盤)を作製し、マスターのレプリカモールドを作製して、実際には、このモールドを用いて射出成型法、熱ナノインプリント法、光ナノインプリント法、熱プレス法、UVエンボス法のいずれかの方法で樹脂成型品を生産する場合には、単粒子膜を作製する基板は透明である必要はない。この場合、具体的にはシリコン、シリコンカーバイドやガリウム砒素などの化合物、銅やアルミニウム等の各種金属等が利用可能である。
このような移行工程により、基板上に単粒子膜エッチングマスクを形成することができるが、移行工程の後には、形成された単粒子膜エッチングマスクを基板上に固定するための固定工程を行ってもよい。単粒子膜を基板上に固定することによって、後述のエッチング工程中に粒子が基板上を移動してしまう可能性が抑えられ、より安定かつ高精度にエッチングすることができる。特に、各粒子の直径が徐々に小さくなるエッチング工程の最終段階になると、このような可能性が大きくなる。
固定工程の方法としては、バインダーを使用する方法や焼結法がある。
バインダーを使用する方法では、単粒子膜エッチングマスクが形成された基板の該単粒子膜側にバインダー溶液を供給して単粒子膜エッチングマスクと基板との間にこれを浸透させる。
バインダーの使用量は、単粒子膜エッチングマスクの質量の0.001〜0.02倍が好ましい。このような範囲であれば、バインダーが多すぎて粒子間にバインダーが詰まってしまい、単粒子膜エッチングマスクの精度に悪影響を与えるという問題を生じることなく、十分に粒子を固定することができる。バインダー溶液を多く供給してしまった場合には、バインダー溶液が浸透した後に、スピンコーターを使用したり、基板を傾けたりして、バインダー溶液の余剰分を除去すればよい。
バインダーの種類としては、先に疎水化剤として例示した金属アルコキシシランや一般の有機バインダー、無機バインダーなどを使用でき、バインダー溶液が浸透した後には、バインダーの種類に応じて、適宜加熱処理を行えばよい。金属アルコキシシランをバインダーとして使用する場合には、40〜80℃で3〜60分間の条件で加熱処理することが好ましい。
焼結法を採用する場合には、単粒子膜エッチングマスクが形成された基板を加熱して、単粒子膜エッチングマスクを構成している各粒子を基板に融着させればよい。加熱温度は粒子の材質と基板の材質に応じて決定すればよいが、粒子径が1μmφ以下の粒子はその物質本来の融点よりも低い温度で界面反応を開始するため、比較的低温側で焼結は完了する。加熱温度が高すぎると、粒子の融着面積が大きくなり、その結果、単粒子膜エッチングマスクとしての形状が変化するなど、精度に影響を与える可能性がある。また、加熱を空気中で行うと基板や各粒子が酸化する可能性があるため、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。酸素を含む雰囲気下で焼結を行う場合は、後述のエッチング工程で酸化層を考慮した条件を設定することが必要となる。
このように、単粒子膜エッチングマスクを製造する方法は、溶剤中に粒子が分散した分散液を水槽内の液面に滴下する滴下工程と、溶剤を揮発させることにより粒子からなる単粒子膜を形成する単粒子膜形成工程と、形成された単粒子膜を基板上に移し取る移行工程とを有するものであるので、単層化の精度、操作の簡便性、大面積化への対応、再現性などを兼ね備え、例えばNature, Vol.361, 7 January, 26(1993)などに記載されている液体薄膜法や特開昭58−120255号公報などに記載されているいわゆる粒子吸着法に比べて非常に優れ、工業生産レベルにも対応できる。
以上のようにして単粒子膜エッチングマスクが片面に設けられた基板を、気相エッチングにより表面加工(エッチング工程)することで、基板の片面に周期格子構造を形成することができる。具体的には、気相エッチングを開始すると、まず図3(A)、図3(B)、および図3(C)に示すように、単粒子膜を構成している各粒子6の隙間をエッチングガスが通り抜けて基板7の表面に到達し、その部分に溝が形成され、各粒子6に対応する位置にそれぞれ凸部が現れる。引き続き気相エッチングを続けると、各凸部上の粒子6も徐々にエッチングされて小さくなり、同時に、基板7の溝も深くなっていく。そして、最終的には各粒子6はエッチングにより消失し、それとともに基板7の片面に多数の凹凸が形成される。凹凸の形状は、図3のように波型で山と谷が丸みを帯びたものであってもよく、図4のように櫛型でもよく、図5のように鋸状で山と谷が鋭く尖っていてもよい。周期格子構造の形状は、ドライエッチング時におけるバイアス、ガス流量、堆積ガスの種類と量などの各条件を操作することによって調節することができる。
本発明の目的は、伝播型表面プラズモンからの輻射光によって有機発光ダイオードの発光効率を向上することである。そのためには、周期格子構造で効率的に回折波を発生させ、伝播型表面プラズモンにエネルギーを供給し続けることが必要である。周期格子構造が1次元の場合(ライン/スペースの周期構造)より2次元の場合(面上の凹凸構造)のほうが回折波の発生に高い効果が得られる。また、周期格子構造が2次元の場合でも、2方向に周期構造がある配置(格子交差角度=90度)よりも3方向に周期構造がある配置(格子交差角度=60度)のほうが、回折光が得られる条件が多いため、高効率で表面プラズモン共鳴を誘起できる。
すなわち、本発明で作製する2次元的な6方最密充填格子配置の場合、3方向に周期構造が作成されるため、回折光を表面プラズモンと共鳴させる効率において最も優れた格子配置となり、発光効率の向上効果が高い。
周期格子構造のピッチは、有機発光ダイオードの発光層で発生する発光光の実効波長程度以下の大きさに設定し、発光光の媒体内波長λ0と周期dの関係はd<λ0で表される。これは、金属微粒子表面における局在型表面プラズモン共鳴において、入射光の波長λ0と金属微粒子の直径dがd<λ0であるのと同じ意味を持つ。したがって、本発明における格子周期はおおよそ150〜1000nmの範囲内であり、発光光の波長によって選択される。本発明の単粒子膜エッチングマスクは結晶性が高く、周期格子構造のピッチを単粒子膜に用いる粒子の直径で決定することが可能であるため、所定の粒子径を使用することによって周期格子構造のピッチをコントロールする。
周期格子構造の高さは5〜100nm程度、好ましくは10〜40nm程度である。周期格子構造の高さが高すぎると、表面プラズモンが局在化してしまい、伝播型にならないため好ましくない。
気相エッチングに使用するエッチングガスとしては、例えば、Ar、SF、F、CF、C、C、C、C、C、CHF、CH、CHF、C、Cl、CCl、SiCl、BCl、BCl、BC、Br、Br、HBr、CBrF、HCl、CH、NH、O、H、N、CO、COなどが挙げられるが、本発明の効果を阻害しない範囲でこれらに限定されることは無い。単粒子膜エッチングマスクを構成する粒子や基板の材質などに応じて、これらのうちの1種以上を使用できる。
使用可能なエッチング装置としては、反応性イオンエッチング装置、イオンビームエッチング装置などの異方性エッチングが可能なものであって、最小で20W程度のバイアス電場を発生できるものであれば、プラズマ発生の方式、電極の構造、チャンバーの構造、高周波電源の周波数等の仕様には特に制限ない。
本発明のエッチングをするためには、エッチング選択比(基板のエッチング速度/単粒子膜エッチングのエッチング速度)が1.0以下となる異方性エッチングが行われるようにエッチングの各条件(単粒子膜エッチングマスクを構成する粒子の材質、基板の材質、エッチングガスの種類、バイアスパワー、アンテナパワー、ガスの流量と圧力、エッチング時間など)を設定する。
例えば、単粒子膜エッチングマスクを構成する粒子としてコロイダルシリカ粒子を選択し、基板として石英基板を選択してこれらを組み合わせた場合、エッチングガスにArやCFなどのガスを用いることで、比較的低アスペクト比のエッチングをすることができる。
また、電場のバイアスを数十から数百Wに設定すると、プラズマ状態にあるエッチングガス中の正電荷粒子は、加速されて高速でほぼ垂直に基板に入射する。よって、基板に対して反応性を有する気体を用いた場合は、垂直方向の物理化学エッチングの反応速度を高めることができる。
基板の材質とエッチングガスの種類の組み合わせによるが、気相エッチングでは、プラズマによって生成したラジカルによる等方性エッチングも並行して起こる。ラジカルによるエッチングは化学エッチングであり、エッチング対象物のどの方向にも等方的にエッチングを行う。ラジカルは電荷を持たないためバイアスパワーの設定でエッチング速度をコントロールすることはできず、エッチングガスのチャンバー内濃度で操作することができる。荷電粒子による異方性エッチングを行うためにはある程度のガス圧を維持しなければならないので、反応性ガスを用いる限りラジカルの影響はゼロに出来ない。しかし、基材を冷却することでラジカルの反応速度を遅くする手法は広く用いられており、その機構を備えた装置も多いので、利用することが好ましい。また、本エッチング工程においては、主としてバイアスパワーを調整し、かつ状況に応じていわゆる堆積ガスを併用することで、アスペクト比の低い緩やかな凹凸で形成される周期格子構造を得ることができる。
こうして得られた周期格子構造について、先に述べた単粒子膜エッチングマスクにおける粒子間の平均ピッチBを求める方法と同様にして、その周期格子構造の配列の平均ピッチCを求めると、この平均ピッチCは、使用した単粒子膜エッチングマスクの平均ピッチBとほぼ同じ値となる。さらに、この微細構造体について、下記式(2)で定義される配列のずれD’(%)を求めると、その値も10%以下となる。
D’[%]=|C−A|×100/A・・・(2)
ただし、式(2)中、Aは使用した単粒子膜エッチングマスクを構成する粒子の平均粒子径である。
本発明の単粒子膜は、被覆表面に凹凸、傾斜、段差等の非平面的要素があったとしても、十分その形状に追従して表面を被覆することが可能である。したがって、必要とあればこのような性質を利用して非平面表面を持つ材料表面に単粒子膜をコーティングし、続くエッチング工程で周期格子構造を作成することが可能である。このような特性から、有機発光ダイオードの発光面は必ずしも平面である必要は無い。
本発明の周期格子構造はナノインプリント法、熱プレス法、射出成型法、UVエンボス法で複製・生産できる。これらの複製技術に用いるモールド(金型またはスタンパー)を作成するには、例えば、電鋳法で格子構造表面に金属層を形成した後、この金属層を剥離することにより、周期格子構造を金属層に転写したネガ構造のモールドを作成する。このモールドを用いて、ナノインプリント法、熱プレス法、射出成型法、UVエンボス法によって形状転写を行えば、効率的に本発明の周期格子構造の複製品を量産することが可能となる。
モールド作成工程において、周期格子構造表面に金属層を形成する方法としては、電鋳法が好ましく、具体的には、まず、ニッケル、タングステン、銅、金、銀、白金、チタン、コバルト、錫、亜鉛、クロム、金・コバルト合金、金ニッケル合金、はんだ、銅・ニッケル・クロム合金、錫ニッケル合金、ニッケル・パラジウム合金、ニッケル・コバルト・りん合金などから選ばれる1種以上の金属により無電解めっきまたは真空成膜法(スパッタリングまたは蒸着)を行い導電層とし、ついで、導電層に電極を接続してこれらの金属から選ばれる1種以上の金属により電解めっきを行って、金属層の厚さを増加させる方法が好ましい。
無電解めっきまたは真空成膜法により形成する金属層の厚みは、10nm〜100nmが好ましいが、一般的には50nm程度とする。膜厚をこのようにすると、次に行われる電解めっきの工程で、被めっき面内電流密度の偏りを抑制でき、均一な厚さのモールドが得られやすくなる。
次に行う電解めっきでは、金属層の厚さを最終的に10〜5000μm、一般的には300μm程度まで厚くし、その後、金属層を原版から剥がし取る。電解めっきにおける電流密度には特に制限はないが、ブリッジの発生を抑制して均一な金属層を形成でき、かつ、このような金属層を比較的短時間で形成できることから、0.03〜10A/mが好ましい。
また、モールドとしての耐摩耗性、剥離・貼合時のリワーク性などの観点から、金属層の材質はニッケルが好ましく、最初に行う無電解めっきまたは真空成膜、その後に行う電解めっきの両方について、ニッケルを採用することが好適である。
また、実際には最初に作成したモールドから電鋳法でモールドを再度作成し、さらにこの工程を繰り返すことでモールドの転写を2−3回行い、生産に使用するためのモールドを量産しておくことが好ましい。
こうして製造されたナノインプリント法、熱プレス法、射出成型法、UVエンボス法に用いるモールドを具備する構造転写装置によれば、高精度に本発明の周期格子構造の形状が再現され、ドライエッチング法で直接加工されたものと比べ性能のそん色ない構造転写体が得られる。これらナノインプリント法、熱プレス法、射出成型法、UVエンボス法、電鋳法の4法において、ナノインプリント法が微細構造の転写に最も適している。熱プレス法、射出成型法、UVエンボス法は、生産性が高いことが特徴である。以上の各方法の特徴を組み合わせて、本発明の周期格子構造の複製を大量生産することができる。
上記形状転写に用いる4手法のうち、微細構造の転写には特にナノインプリント法が優れる。
熱式インプリントの基本操作は、周期格子構造が形成されたモールド表面に熱可塑性樹脂を樹脂のTg以上の高温・高圧で接触させて軟化した樹脂をモールド形状に追従させる工程、高圧を維持したまま該熱可塑性樹脂をTg以下に冷却する工程、冷却後常圧に戻し熱可塑性樹脂を周期格子構造のモールドから剥離する工程からなる。
光式インプリントの基本操作は、周期格子構造が形成されたモールド表面に流動性の高い光硬化性樹脂を常温・常圧〜減圧下で接触させて樹脂をモールド形状に追従させる工程、樹脂がモールド形状に追従している状態を維持したまま紫外線または電離放射線を照射して樹脂を硬化する工程、硬化後の光硬化性樹脂を周期格子構造のモールドから剥離する工程からなる。
熱+光式インプリントの基本操作は、周期格子構造が形成されたモールド表面に流動性の低い光硬化性樹脂を加温条件下(樹脂に流動性を持たせる程度)で常圧〜減圧下で接触させて樹脂をモールド形状に追従させる工程、樹脂がモールド形状に追従している状態を維持したまま紫外線または電離放射線を照射して樹脂を硬化する工程、硬化後の光硬化性樹脂を周期格子構造のモールドから剥離する工程からなる。
本発明のプラズモニック結晶はアスペクト比が小さいため、実際には形状転写に用いる手法は上述の4手法いずれも可能である。中でも、生産性の高い手法として射出成型法が利用できる。
射出成型法の基本操作は、周期格子構造が形成されたモールド(スタンパー)を一部に使用して成型金型で空間を形成する工程、溶融状態の樹脂を該空間へ高速高圧で射出注入しモールド形状に樹脂を追従させる工程、射出された樹脂を金型ごと冷却して流動性を失わせ、金型の一部を展開して成型品を取り出す工程からなる。
直接粒子マスクを付与しドライエッチング工程によって作製する周期格子構造の原盤、あるいは原盤の形状転写によって作製した周期格子構造の複製のうち、いずれを用いる場合でも、基板上に陽極導電層、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、陰極導電層のうち少なくとも陽極導電層、発光層、陰極導電層の3層を含む多層を順次積層して有機発光ダイオード素子を作製することが出来る。
ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層については、一つの層が二つ以上の機能を兼ねてもよいし、ホール輸送層や電子輸送層は省略しても良い。ホールと電子が出会う場所として発光層は必要である。最も単純な系としては、陽極導電層と陰極導電層に挟まれた発光層だけがあれば良い。
本発明で用いる陽極導電層、ホール注入層、ホール移動層、発光層、電子移動層、電子注入層、陰極導電層の作製法は特に限定しないが、一般的な上面発光型有機発光ダイオードを例に取り説明すると以下のようになる。すなわち、陽極導電層および陰極導電層は真空蒸着法またはスパッタリング法などによって行い、ホール注入層、ホール移動層、発光層、電子移動層、電子注入層は有機蒸着法または薄膜塗工法によって行う。
各層の積層は基材に近い層から順に行われるので、最初に陽極導電層が形成される。上面発光型有機ELの場合、陽極導電層は透明でなければならないので、材質はITO(Indium Tin Oxide)やZnO(Zinc Oxide)、ZTO (Zinc Tin Oxide)などの透明導電材料が選択される。
次にホール注入・移動層として、芳香族アミン化合物などを成膜する。α−NPDやCuPcなどの芳香族アミン化合物は、イオン化ポテンシャルとホール輸送特性が適切であり、電気化学的に可逆であるため、ホール輸送材料として最も多く使用される。次に発光層を積層する。発光層に単独で用いられる材料は蛍光性色素化合物であるBBAやDTE等が挙げられるが、ホールや電子輸送性化合物に蛍光性色素化合物をドープしても良い。蛍光発光性材料の置き換えで、りん光発光性材料を用いると、理論変換効率が約25%から約100%に向上するため好ましい。
次に電子輸送層を積層する。電子輸送層としては、オキサジオール系(PBDなど)、トリアゾール系(TAZなど)などが使用される。金属錯体系(Alq3など)の物質を用いると、電子輸送層と発光層を兼ねることができ便利である。
最後に陰極導電層を積層する。陰極導電層の材料は一般にLiFやLi系化合物などをごく少量付けたあと、Al、AgやAl/Ag合金などを積層するのが一般的である。
本発明では基板上に作製した周期格子構造がEL発光した光の回折光を生じ、陰極の表面プラズモンと共鳴状態をつくるようにする。有機EL素子からの発光光は、取り出し面である基材の方に進むものと、取り出せない陰極の金属面に進むものがあるが、陰極表面のプラズモニック結晶で光は表面プラズモンのエネルギーに一時的に変換され、後に高強度の輻射光として陰極表面から取り出し面側に向かって放射される。陰極表面から放射される輻射光は指向性が高く、光の取り出し効率を向上することが出来る。この目的のためには、陰極導電層の材料は電子の輸率が高くロスの少ない材料(仕事関数の低い材料)が適するので、Ag、Auなどを選択するか、一般に選択されるAlなどとの共蒸着(Al/Ag等)を用いても良いが、材料選択は必ずしもこれらに限定されない。
上面発光型有機発光ダイオードの場合は、周期格子構造を付与した透明基材のうち構造面側に最初に陽極導電層を形成し、続いてホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、陰極導電層を順次積層して完成する。この操作によって、周期格子構造の微細凹凸の形状は陰極導電層まで伝わり、陰極導電層がプラズモニック結晶の形状を持つようになる。形状が伝わるためには各層の厚さは極力薄い必要があるが、通常有機発光ダイオードのこれら各層はおおよそ20〜100nm程度で形成するため問題ない。
金属表面の伝播型表面プラズモンは、金属などの導電体表面に入射した電磁波(可視光など)により生じる自由電子の分極波が表面で横波の電場を形成しているものである。平坦な金属表面に存在する伝播型表面プラズモンの場合、伝播光の分散直線とプラズモンの分散曲線は交差しないため、伝播光はプラズモンを直接励起できない。しかし、金属表面に周期格子構造があると、格子によってブラッグ反射された回折波がプラズモンの分散曲線と交差するようになるため、入射した電磁波と金属表面の自由電子の分極波が共鳴状態をつくることができる。
このとき、表面プラズモンの波数ベクトルは光の波数と同程度の値となっており、励起子(電子)と光がコヒーレントに結合して励起子ポラリトンという状態になる。したがって、ポラリトンは自由電子の分極波と電磁波が共鳴によりエネルギーをやり取りしている状態である。周期格子構造のピッチが一定のとき、表面プラズモンはひとつの波数ベクトルを持つようになるので、周期格子構造は結晶性が高いものが要求されるのである。
入射光のエネルギーは励起されたプラズモンと同程度になる。その後、表面プラズモンの波数ベクトルに対応する角度で輻射が起きる。射出角の幅は発光スペクトルの幅が小さいほど狭くなる。したがって、表面プラズモンによる有機発光ダイオードの輝度向上効果とは、表面プラズモンモードによって取り出せなくなる発光エネルギーを取り出す効果、並びに様々な角度の入射光に対して射出角の定まった輻射光を得る効果も含む。後者の効果は薄膜モードや基板モードのような界面における全反射で発光エネルギーが失われる事態を避けるのに役立つので、射出角を精度よくコントロールすれば取り出し効率向上に大いに寄与する。
前述のように、本発明の単粒子膜エッチングマスクは、単粒子膜を構成する各粒子が2次元に最密充填し、高精度に配列したものであるので、これを使用することによって、高精度な周期格子構造を作製することができ、高効率で回折光を得ることができ、高輝度の素子を得ることが可能となる。
周期格子構造の精度を向上するために、本発明では、(1)真球状粒子を使用する、(2)粒子の粒度分布をできるだけ狭くする、(3)水面上で単層化する際に超音波照射を施すことで最密充填化を促進する、(4)基板への粒子コーティングはラングミュアー・ブロジェット法を使用する、等の工夫を行っている。これらの要素のどれが欠損しても、高精度な2次元結晶マスクを作成することは困難になり、周期格子構造の精度を高めることはできない。
以下に本発明の実施の形態の一例を説明する。本発明の概念を用いるものである限り、必ずしも対象とする有機発光ダイオードの構造、構成、方式を限定するものではない。
[実施例1]
平均粒子径が520.2nmで、粒子径の変動係数が3.2%である球形コロイダルシリカの5.0質量%水分散体(分散液)を用意した。なお、平均粒子径および粒子径の変動係数は、Malvern Instruments Ltd 社製 Zetasizer Nano-ZSによる粒子動的光散乱法で求めた粒度分布をガウス曲線にフィッティングさせて得られるピークから求めた。
ついで、この分散液を孔径1.2μmφのメンブランフィルターでろ過し、メンブランフィルターを通過した分散液に濃度1.0質量%のフェニルトリエトキシシランの加水分解物水溶液を加え、約40℃で3時間反応させた。この際、フェニルトリエトキシシランの質量がコロイダルシリカ粒子の質量の0.02倍となるように分散液と加水分解水溶液とを混合した。
ついで、反応終了後の分散液に、この分散液の体積の5倍の体積のメチルエチルケトンを加えて十分に攪拌して、疎水化されたコロイダルシリカを油相抽出した。
こうして得られた濃度1.05質量%の疎水化コロイダルシリカ分散液を、単粒子膜の表面圧を計測する表面圧力センサーと、単粒子膜を液面に沿う方向に圧縮する可動バリアとを備えた水槽(LBトラフ装置)中の液面(下層水として水を使用、水温25℃)に滴下速度0.01ml/秒で滴下した。なお、水槽の下層水には、あらかじめ有機発光ダイオードの透明基板として用いるための石英基板(直径4インチ、両面鏡面研磨)を略鉛直方向に浸漬しておいた。
その後、超音波(出力100W、周波数1500kHz)を下層水中から水面に向けて10分間照射して粒子が2次元的に最密充填するのを促しつつ、分散液の溶剤であるメチルエチルケトンを揮発させ、単粒子膜を形成させた。
ついで、この単粒子膜を可動バリアにより拡散圧が22〜29mNm−1になるまで圧縮し、石英基板を5mm/分の速度で引き上げ、基板の片面上に水面の単粒子膜を移し取った。
ついで、単粒子膜が形成された石英基板上にバインダーとして0.4質量%モノメチルトリメトキシシランの加水分解液を浸透させ、その後、加水分解液の余剰分をスピンコーター(3000rpm)で1分間処理して除去した。その後、これを100℃で10分間加熱してバインダーを反応させ、コロイダルシリカからなる単粒子膜エッチングマスク付きの石英基板を得た。
一方、この単粒子膜エッチングマスクについて、10μm×10μmの領域を無作為に1カ所選択して、その部分の原子間力顕微鏡イメージを得て、ついで、このイメージをフーリエ変換により波形分離し、FFT像を得た。ついで、FFT像のプロファイルにおける0次ピークから1次ピークまでの距離を求め、さらにその逆数を求めた。この逆数がこの領域における粒子間の平均ピッチBである。
このような処理を合計25カ所の10μm×10μmの領域について同様に行い、各領域における平均ピッチB〜B25を求め、これらの平均値を算出し、式(1)における平均ピッチBとした。なお、この際、隣り合う各領域同士が5mm〜1cm程度離れるように各領域を設定した。
算出された平均ピッチBは、表1に示すように、527.3nmであった。
そこで、粒子の平均粒子径A=520.2nmと、平均ピッチB=527.3nmとを式(1)に代入したところ、この例の単粒子膜エッチングマスクにおける粒子の配列のずれDは表1に示すように1.36%であった。
ついで、単粒子膜エッチングマスク付き基板に対して、CF:CH=25:75〜75:25の混合ガスにより気相エッチングを行った。エッチング条件は、アンテナパワー1500W、バイアスパワー50〜300W(13.56MHz)、ガス流量30〜50sccmとした。得られた微細構造体の形状は図3Cに示すような波型であった。原子間力顕微鏡イメージから実測した周期格子構造の平均高さhは75.8nmで、単粒子膜エッチングマスクについて実施した方法と同じ方法で求めた周期格子構造の配列の平均ピッチC(円形底面の平均直径d)は524.5nmで、これらから算出されるアスペクト比は0.145であった。 なお、周期格子構造の平均高さhは次のように求めた。まず、微細構造体において無作為に選択された5μm×5μmの領域1カ所について原子間力顕微鏡イメージを得て、ついでイメージの対角線を引き、対角線が交差した突起物の最大高さの平均値を求めた。このような処理を無作為に選択された合計25カ所の5μm×5μmの領域について同様に行い、各領域における平均値を求めた。こうして得られた25カ所の領域における平均値をさらに平均したものを平均高さhとした。
この石英基板の周期格子構造面側に、陽極導電層としてITOを160nmの厚さで真空蒸着法により成膜し、電気炉にて350℃で1時間焼結して透明膜とした。このITO膜の表面抵抗は、99Ω/cmであった。次に、ホール輸送材料としてα−NPD(ケミプロ化成製、融点281.6℃)を40nmの厚さで有機蒸着法によって成膜し、さらに電子移動・発光層としてAlQ(ケミプロ化成製、融点420.4℃)を70nmの厚さで有機蒸着法によって成膜した。最後に、陰極導電層としてAl/Agを500nmの厚さで真空蒸着法によって成膜して、上面発光型有機発光ダイオード素子を完成した。
得られた上面発光型有機発光ダイオード素子を9.8Vの電圧で発光させたときの垂直方向±30°の発光強度平均値を株式会社ジェネシア製、散乱・光源測定器GENESIA/GONIOにて測定したところ、表1に示すようなADU(Analog to Digital Unit)値を得た。なお、ADUとはCCDのピクセルに溜まった電子の量をデジタル量に変換する際に、電子何個分を1カウントにとるかという係数で、ADU = Ns/Ncで定義される。ただし、CCDで検出された光電子数をNs、AD変換された後のカウント数をNcとする。
[比較例1]
石英基板に周期格子構造を作製しないこと以外は、実施例1と全く同じ操作で作製した有機発光ダイオード素子を用意した。したがって、この素子の基板の表面は平坦である。実施例1と同様に、9.8Vの電圧で発光させたときの垂直方向±30°の発光強度平均値を測定したところ、表1に示すようなADU値を得た。
[比較例2]
フーリエ変換で求めた粒子の平均ピッチB=586.2nmおよび粒子の配列のずれDが12.71%である(表1)ことを除いて、実施例1と全く同じ操作で作製した有機発光ダイオード素子を用意した。実施例1と同様に、9.8Vの電圧で発光させたときの垂直方向±30°の発光強度平均値を測定したところ、表1に示すようなADU値を得た。
Figure 2009158478
以上の実施例1および比較例1、2の結果から、周期格子構造を高精度で作製した実施例1の方法による素子は、周期格子構造を持たない比較例1による素子に比べて、正面発光強度(垂直方向±30°)において3倍以上の改善効果が得られた。
また、周期格子構造を持つがその配列精度が低いもの(比較例2)は、発光強度が低いことも確認された。したがって、本発明による周期格子構造を持つ基材上に作製した有機発光ダイオード素子は、外部量子効率の著しい改善効果があることが実証された。
単粒子膜エッチングマスクを模式的に示す平面図。 単粒子膜エッチングマスクの製造方法の一例を示す概略図。 エッチングによる周期格子構造作成の様子を説明する概略図の一例(波型)。 エッチングによる周期格子構造作成の様子を説明する概略図の一例(櫛型)。 エッチングによる周期格子構造作成の様子を説明する概略図の一例(鋸型)。
符号の説明
1 粒子
2 下層水
3 単粒子膜
4 基板
5 下層水
6 単粒子膜
7 基板
8 水分の蒸発
9 粒子
10 基板

Claims (6)

  1. 基板上に少なくとも陽極導電層、発光層、陰極導電層を順次積層することで作製する有機発光ダイオード素子において、
    粒子単層膜からなる2次元結晶体をエッチングマスクとしたドライエッチング法によって作製した規則的凹凸による周期格子構造を有する基板を用い、規則的凹凸を有する陰極導電層表面での表面プラズモン共鳴を利用して光エネルギーの取り出し効率を向上させることを特徴とする、プラズモニック結晶面発光体。
  2. 前記エッチングマスクは、気液界面に疎水化粒子分散液を滴下し分散媒を揮発する際の横毛細管力によって粒子を自己組織化し、それを基板に移し取るラングミュアー・ブロジェット法を用いて作製された粒子が2次元に最密充填したエッチングマスクであり、且つ下記式(1)で定義される2次元結晶体粒子の配列のずれD(%)が10%以下であることを特徴とする、プラズモニック結晶面発光体。
    D(%)=|B−A|×100/A・・・式(1)
    (式(1)中、Aは前記粒子の平均粒径、Bは前記単粒子膜における前記粒子間の平均ピッチを示す。)
  3. 請求項1〜2のいずれかに記載の周期格子構造の原盤を用いて作製した金型、スタンパーまたは原盤を用いて、射出成型法、熱ナノインプリント法、光ナノインプリント法、熱プレス法、UVエンボスのいずれかの方法で周期格子構造の形状を転写して作製する周期格子構造の製造方法。
  4. 前記周期格子構造を有する基板が、形状転写技術を用いて複製されたものであることを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載のプラズモニック結晶面発光体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法によって作製されたプラズモニック結晶面発光体を少なくとも一部に有する画像表示装置。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法によって作製されたプラズモニック結晶面発光体を少なくとも一部に有する照明装置。
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