JP2009154791A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】雪上及び氷上性能を維持しつつ、走行初期の偏摩耗を抑制するとともに、乾燥路面における操縦安定性を向上させる。
【解決手段】トレッド部2に、ショルダー主溝3Bとトレッド縁2eとで区分される両側のショルダーブロックB2と、一対のショルダー主溝3B間に区分されるクラウンブロックB1とが設けられる。トレッドゴム2Gは、軟質ゴムからなるトレッドゴム本体7と、硬質ゴムからなりかつトレッドゴム本体7の表面を覆う被覆層8とを有する。被覆層8は、ショルダー主溝3Bの溝深さDpの0.04〜0.15倍の厚さtを有する。被覆層8は、各ショルダー主溝3Bのタイヤ軸方向外側の溝壁面3Bwかつ溝底3Bbからの高さhがショルダー主溝3Bの溝深さDpの0.15倍以上かつ0.4倍以下の位置に端部8eを有し、該端部8e、8e間の全領域でタイヤ周方向に連続して配されることにより、前記クラウンブロックのみを実質的に覆う。
【選択図】図2

Description

本発明は、雪上及び氷上性能を維持しつつ、走行初期の偏摩耗の抑制や乾燥路面における操縦安定性の向上を図りうる空気入りタイヤに関する。
摩擦係数が低い積雪路や凍結路等において、より大きな駆動力や制動力を発揮し得るブロックパターンのスタッドレスタイヤ等が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種のタイヤは、トレッドゴムに、低温環境下においても柔軟性を保ちうる軟質ゴムを用いて形成される。また、そのブロックパターンでは、通常、片落ち摩耗を防止するために、ショルダーブロックの剛性がクラウンブロックの剛性よりも大きく形成されているのが一般的である。
特開平11−278015号公報
近年では、本格的な積雪シーズン前に予めスタッドレスタイヤを車両に装着することが一般に行われている。これは、タイヤ交換作業に手間を要するトラックやバスなどの重荷重車両において顕著である。ところが、積雪シーズン前に予めスタッドレスタイヤを装着して乾燥路面を走行(以下、このような走行を「ならし走行」と呼ぶ)すると、軟質ゴムからなりしかも相対的に剛性の低いクラウンブロックに、そのタイヤ周方向の一端部が早期に摩耗するH/T摩耗が生じやすい。この結果、積雪シーズン中に、本来の氷上走行性能などを発揮できないという問題があった。
また、この種のスタッドレスタイヤは、トレッドゴムが軟質ゴムから形成されているため、トレッド部の剛性が低く、乾燥路面での操縦安定性が低いという問題もあった。特に、近年では、積雪シーズン終了後もスタッドレスタイヤを夏タイヤに交換することなくそのまま寿命まで使用し続けるいわゆるはきつぶしが行われることが多いので、乾燥路面での操縦安定性の重要性が増している。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、トレッドゴムを、軟質ゴムからなるトレッドゴム本体と、硬質ゴムからなりかつトレッドゴム本体の表面を覆う被覆層とを含めて構成し、しかも該被覆層でクラウンブロックのみを実質的に覆うとともに、その厚さを限定することを基本として、雪上及び氷上性能を維持しつつ、ならし走行時の偏摩耗の抑制及びはきつぶし時の操縦安定性の向上を図り得る空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部に、両側のトレッド縁に沿ってタイヤ周方向に連続してのびる一対のショルダー主溝を含む複数本の主溝と、該主溝と交わる向きにのびる複数本の横溝とで区分された複数個のブロックが形成されたトレッドゴムを具える空気入りタイヤであって、前記ブロックは、前記ショルダー主溝とトレッド縁との間に形成された両側のショルダーブロックと、前記一対のショルダー溝の間に形成されたクラウンブロックとを含み、かつ前記トレッドゴムは、軟質ゴムからなるトレッドゴム本体と、硬質ゴムからなりかつ前記トレッドゴム本体の表面を覆う被覆層とを有し、前記被覆層は、前記ショルダー主溝の溝深さの0.04〜0.15倍の厚さを有するとともに、該被覆層は、前記各ショルダー主溝のタイヤ軸方向外側の溝壁面かつ溝底からの高さがショルダー主溝の溝深さの0.15倍以上かつ0.4倍以下の位置に端部を有し、該端部間の全領域でタイヤ周方向に連続して配されることにより、前記クラウンブロックのみを実質的に覆うことを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記トレッドゴム本体のゴム硬さが50〜70度であり、かつ前記被覆層のゴム硬さが75〜90度である請求項1記載の空気入りタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記トレッドゴム本体のゴム硬さと前記被覆層のゴム硬さとの差が20度以下である請求項1又は2に記載の空気入りタイヤである。
本発明の空気入りタイヤでは、トレッドゴムが、軟質ゴムからなるトレッドゴム本体と、硬質ゴムからなりかつトレッドゴム本体の表面を覆う被覆層とを有するとともに、該被覆層はクラウンブロックのみを実質的に覆う。これにより、一般に摩耗しやすいクラウンブロックが被覆層によって覆われるため、積雪シーズン前のならし走行においてH/T摩耗といった偏摩耗を抑制し得る。
また、被覆層の厚さは、一定の範囲に限定される。これは、ならし走行によって被覆層を高い確率で摩耗消失させるのに役立つ。従って、積雪シーズン時には、軟質のトレッドゴム本体を踏面に露出させて優れた氷上性能などを発揮することが可能になる。なお、ブロック踏面の被覆層が摩耗によって消失しても、クラウンブロックの側壁面(溝壁面)は硬質の被覆層によって覆われる。このため、走行時のクラウンブロックの倒れこみが抑制される。これは、冬期ではクラウンブロックの接地面積の減少を防ぎ、氷上性能を向上させるとともに、冬期以外でははきつぶし時における乾燥路面での操縦安定性の向上にも役立つ。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態の空気入りタイヤのトレッド部2の展開図、図2はそのA−A断面図が示される。
図2に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤ(全体不図示)は、スチールコードからなるカーカスcと、そのタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内方に配されたスチールコードからなるベルト層bとを有する重荷重用のスタッドレスタイヤとして構成される。
前記トレッド部2には、前記ベルト層bのタイヤ半径方向外側にトレッドゴム2Gが配されている。該トレッドゴム2Gには、その表面にタイヤ周方向に連続してのびる複数本の主溝3と、該主溝3、3間を横切ってのびかつタイヤ周方向に隔設された複数本の横溝4とが凹設されている。
主溝3は、排水用に設計された幅の広い溝を意味する。重荷重用タイヤの場合、十分な排水性を発揮させるために、主溝3の溝幅GWは、例えば5mm以上、より好ましくは6mm以上、さらに好ましくは7mm以上が望ましい。他方、主溝3の溝幅GWが大きくなると、トレッド部のパターン剛性が低下するおそれがあるので、好ましくは15mm以下、より好ましくは13mm以下が望ましい。
本実施形態の主溝3は、例えばタイヤ赤道C上をのびるセンター主溝3Aと、その外側かつ両側のトレッド縁2e、2eに沿ってのびる一対のショルダー主溝3B、3Bとからなる。これらの各主溝3A及び3Bは、いずれもタイヤ周方向にジグザグ状をなすが、直線状にのびるものでも良い。
また、センター主溝3Aとショルダー主溝3Bとのほぼ中間位置には、タイヤ周方向にジグザグ状で連続してのびる1本のミドル副溝5が、また、ショルダー主溝3Bとトレッド縁2eとのほぼ中間位置にもタイヤ周方向に直線状でのびる1本のショルダー副溝6が形成される。各副溝5及び6は、いずれも主溝3よりも小さい幅及び溝深さで形成されるが、ショルダー副溝6は、ミドル副溝5よりも溝幅及び溝深さが小さく形成される。
前記横溝4は、例えばショルダー主溝3B、3B間をのびるクラウン横溝4aと、ショルダー主溝3Bとトレッド縁2eとの間をのびるショルダー横溝4bとを含む。
前記クラウン横溝4aは、センター主溝3Aとミドル副溝5との間を横切ってのびる第1のクラウン横溝4a1と、ミドル副溝5とショルダー主溝3Bとの間を横切ってのびる第2のクラウン横溝4a2とを含む。これにより、タイヤ赤道Cの両側において、センター主溝3Aとミドル副溝5との間、及びミドル副溝5とショルダー主溝3Bとの間には、それぞれ第1のクラウン横溝4a1又は第2のクラウン横溝4a2によって区分されたクラウンブロックB1がそれぞれ形成される。つまり、一対のショルダー主溝3B、3Bの間には、クラウンブロックB1がタイヤ周方向に並ぶ合計4列のブロック列が形成される。
前記各クラウン横溝4a1及び4a2は、ほぼ同一のピッチでタイヤ周方向に隔設されているが、その位相は半ピッチずらされている。これにより、ショルダー主溝3B、3Bの間には、複数のクラウンブロックB1が千鳥状に配されている。また、第一のクラウン横溝4a1と第2のクラウン横溝4a2とは、本実施形態のように逆向きに傾斜させることが望ましい。
前記ショルダー横溝4bは、ショルダー主溝3Bとショルダー副溝6との間を横切ってのびる第1のショルダー横溝4b1と、トレッド縁2eとショルダー副溝6との間を横切ってのびる第2のショルダー横溝4b2とを含む。これにより、ショルダー主溝3Bとショルダー副溝6との間、及びショルダー副溝6とトレッド縁2eとの間に、第1のショルダー横溝4b1又は第2のショルダー横溝4b2で区分されたショルダーブロックB2が形成される。つまり、ショルダー主溝3Bとトレッド縁2eとの間には、ショルダーブロックB2がタイヤ周方向に並ぶ2列のショルダーブロック列が形成される。
前記各ショルダー横溝4b1及び4b2は、ほぼ同一のピッチでタイヤ周方向に隔設されているが、クラウン横溝と同様、その位相は半ピッチずらされている。これにより、ショルダー主溝3Bとトレッド縁2eとの間には、ショルダーブロックB2がショルダー副溝6を介して千鳥状に配されている。なお、上述のように、ショルダー副溝6は、ミドル副溝5よりも溝幅及び溝深さが小さく形成される。これにより、ショルダー副溝6を介してタイヤ軸方向で隣り合う2つのショルダーブロックB2は、走行時に互いに接触して一体化し、直進時及び旋回時において高いタイヤ周方向剛性及び横剛性を発揮しうる。このような観点より、前記ショルダー副溝6の溝幅は、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下で形成されるのが望ましい。
氷上走行性能を高めるために、クラウンブロックB1及びショルダーブロックB2には、例えばタイヤ軸方向にのびる複数本のサイピングSが形成されるのが望ましい。該サイピングSは、本実施形態ではジグザグ状で形成されるが、直線状、波板又はV字状、さらにはこれらの組み合わせであっても良い。
前記トレッドゴム2Gは、図2に示されるように、軟質ゴムからなるトレッドゴム本体7と、硬質ゴムからなりかつトレッドゴム本体7の表面を覆う被覆層8とから構成される。
前記トレッドゴム本体7は、トレッドゴム2Gの主要部をなすもので、本実施形態では、ベルト層bのタイヤ半径方向外側に配されかつトレッド幅方向にのびるベース部7aと、該ベース部7aのタイヤ半径方向外側に配されかつトレッド幅方向にのびるキャップ部7bとの2層で構成されている。
前記ベース部7aのタイヤ半径方向の外面は、主溝3の溝底よりも内側に位置している。このようなベース部7aは、路面と接地することがない。このため、ベース部7aの配合や硬度は、主として発熱性やベルト層bとの接着性などを考慮して定められる。他方、キャップ部7bは、ベース部7aよりも外側部分を構成し、実質的に前記各ブロックB1及びB2の主要部を構成する。また、キャップ部7bは、路面と接地可能に配されるので、その配合や硬度は、主として耐摩耗性や乗り心地などを考慮して定められる。このような観点より、キャップ部7bには、ベース部7aよりも硬質のゴム材料が用いられている。ただし、トレッドゴム本体7は、3層で構成されても良く、逆に1種のゴムで構成されても良い。
前記被覆層8は、トレッドゴム本体7よりも硬質のゴムからなり、該トレッドゴム本体7の表面を小さい厚さで覆う皮膜状をなす。また、詳細は後述するが、被覆層8は、クラウンブロックB1のみを実質的に覆い、ショルダーブロックB2を実質的に被覆しないように配される。
このように、ショルダーブロックB2よりも摩耗しやすいクラウンブロックB1の表面を硬質ゴムからなる被覆層8で覆うことにより、積雪シーズン前のならし走行時においてクラウンブロックB1に生じがちなH/T摩耗などの偏摩耗を抑制できる。特に、氷上走行時のグリップ性能は、主としてクラウンブロックB1が重要な役割を担うので、このような被覆層8によってクラウンブロックの偏摩耗を予め抑制することにより、長期に亘り優れた氷上性能を発揮させることができる。
ここで、被覆層8の厚さtは、ショルダー主溝3Bの溝深さDpの0.04〜0.15倍であることが必要である。被覆層8の厚さtを限定することによって、ならし走行でクラウンブロックB1の踏面の被覆層8を摩耗によって高確率で消失させ、図4に示されるように、積雪シーズン中には、被覆層8に覆われていたトレッドゴム本体7の表面を露出させることが可能になる。このように、本実施形態の空気入りタイヤは、ならし走行による摩耗によって被覆層8を消失させることにより、軟質ゴムからなるトレッドゴム本体7を踏面に露出させ、積雪シーズン中では、優れた雪上及び氷上性能を発揮することが可能になる。なお、ならし走行は、通常、3000〜10000km程度が一般的である。
また、本実施形態の空気入りタイヤでは、図4に示したように、クラウンブロックB1の踏面の被覆層8が摩耗消失した場合でも、クラウンブロックB1の側壁面を構成するセンター主溝3Aの溝壁面、ミドル副溝5の溝壁面及びショルダー主溝3Bのタイヤ軸方向内側の溝壁面はもとより、クラウン横溝4aの溝壁面(図示省略)などは、硬質の被覆層8によって覆われた状態のままである。このため、クラウンブロックB1は、曲げ剛性などが補強され、走行時のタイヤ周方向及びタイヤ軸方向の倒れこみがいずれも抑制される。これは、冬期ではクラウンブロックB1の接地面積の減少を防ぎ、氷上性能を向上させる。また、冬期以外でのはきつぶし時においても、乾燥路面での走行においてグリップ性能などを高め、駆動性能及び操縦安定性を向上させ得る。
なお、被覆層8の厚さtが、ショルダー主溝3Bの溝深さDpの0.04倍未満の場合、ならし走行時に被覆層8が比較的早期に消失して、トレッドゴム本体7に偏摩耗を発生させるおそれがある。これは、本格的な積雪シーズンにおいて、本来の優れた氷上性能を発揮させる妨げとなる。また、被覆層8の厚さtが小さくなるため、クラウンブロックB1の曲げ剛性等を十分に高めることができず、ひいては氷上での接地面積の低下や乾燥路面での操縦安定性の低下を招くおそれがある。逆に、被覆層8の厚さtが、ショルダー主溝3Bの溝深さDpの0.15倍を超える場合、被覆層8を消失させるのには相当の時間を要する。このため、本格的な積雪シーズンを迎えてもクラウンブロックB1の踏面にトレッドゴム本体7を露出させることができず、本来の雪上及び氷上性能を発揮させるのが難しい傾向がある。
以上のような観点により、被覆層8の厚さtは、とりわけ、ショルダー主溝3Bの溝深さDpの0.06倍以上、より好ましくは0.08倍以上が望ましく、また、好ましくは0.12倍以下、より好ましくは0.1倍以下が望ましい。なお、本実施形態では、被覆層8の厚さtが実質的に一定で形成されているが、前記範囲内で厚さを異ならせても良いのは言うまでもない。
また、上述のように、ショルダーブロックB2は、クラウンブロックB1よりもH/T摩耗が発生し難く、かつ、氷上性能は、主としてクラウンブロックB1が重要な役割を果たす。従って、ならし走行時のH/T摩耗を抑制するためには、被覆層8は、クラウンブロックB1のみを実質的に覆うことで足り、ショルダーブロックB2を覆う必要がない。また、制動性能については、ショルダーブロックB2の寄与が大きいので、ショルダーブロックB2を硬質の被覆層8で覆ってしまうと、凝着摩耗が悪化し、制動性能が低下するおそれがある。さらに、クラウンブロックB1にのみを被覆層8で覆うことにより、該クラウンブロックB1とショルダーブロックB2との剛性差を緩和し、耐摩耗性能が向上する。これは、タイヤのトータルライフの増大に役立つ。
また、本発明の空気入りタイヤでは、図3に示されるように、被覆層8は、各ショルダー主溝3B、3Bのタイヤ軸方向外側の溝壁面3Bwかつ溝底3Bbからの高さhが該ショルダー主溝3Bの溝深さの0.15倍以上かつ0.4倍以下の位置にタイヤ軸方向の端部8eが設けられており、該端部8e、8e間の全領域をタイヤ周方向に連続して配される。これにより、被覆層8は、クラウンブロックB1のみを実質的に覆う。
被覆層8の端部8eの高さhが、ショルダー主溝3Bの溝深さDpの0.15倍未満の位置に設けられる場合、該端部8eは、ショルダー主溝3Bの溝底3Bb近傍に位置することになる。前記端部8eでは、トレッドゴム本体7と被覆層8とのゴム硬さ差に起因して応力集中が生じやすいので、このような位置を、路面との接地・解放に伴って大きな歪を受ける溝底3Bbに位置させると、溝底クラックが早期に発生して、耐久性を著しく低下させるおそれがある。逆に、被覆層8の端部8eの高さhが、前記溝深さDpの0.4倍を超える位置に設けられるた場合、旋回時にショルダーブロックB2に作用する横力により、前記端部8eでトレッドゴム本体7と被覆層8との剥離が生じるおそれがある。このような観点により、被覆層8の端部の高さhは、より好ましくは、溝深さDpの0.20倍以上、さらに好ましくは0.25倍以上が望ましく、また、より好ましくは0.35倍以下、さらに好ましくは0.32倍以下が望ましい。
なお、前記ショルダー主溝3Bの溝深さDp及び端部8eの高さhは、いずれもショルダー主溝3Bの溝中心線Gcと平行に測定される。
また、前記被覆層8のゴム硬さhcは、トレッドゴム本体7の硬度よりも大きければ特に限定されるものではないが、著しく小さすぎると、クラウンブロックB1の倒れこみを十分に抑制できず、ひいては乾燥路面における操縦安定性が低下するおそれがあり、逆に著しく大きすぎても、トレッドゴム本体7との硬度差が大きくなってトレッドゴム本体7との界面に亀裂や剥離が発生するおそれがある。このような観点より、被覆層8のゴム硬さhcは、好ましくは78度以上、より好ましくは80度以上が望ましく、また、好ましくは88度以下、さらに好ましくは85度以下が望ましい。
前記トレッドゴム本体7のゴム硬さhbは、被覆層8のゴム硬さhcよりも小さければ特に限定されるものではないが、著しく小さくなると、トレッドゴム本体7の露出後にH/T摩耗等の偏摩耗が発生しやすくなる傾向があり、逆に著しく大きくなると、タイヤ1と路面との密着性が低下して氷上での走行性能や制動制動が低下するおそれがある。このような観点により、トレッドゴム本体7のゴム硬さhbは、好ましくは52度以上、より好ましくは55度以上が望ましく、また、好ましくは68度以下、より好ましくは66度以下が望ましい。なお、トレッドゴム本体7には、氷上路面との摩擦力を高めるために、グラスファイバー、卵殻及び/又は植物性繊維等の各種の充填剤などが配合されるのが望ましい。
なお、前記被覆層8のゴム硬さhcとトレッドゴム本体7のゴム硬さhbとの差(hc−hb)は20度以下が好ましい。前記ゴム硬さの差(hc−hb)が20度を超えると、同一の力が加わったときのそれぞれの変形量が大きく異なり両者の界面に大きな応力集中が生じ、ひいては剥離するおそれがある。従って、前記差(hc−hb)は、より好ましくは18度以下、さらに好ましくは16度以下が望ましい。他方、ゴム硬さの差(hc−hb)が小さくなると、ならし走行時の偏摩耗の抑制効果又は氷上での走行性能向上効果が期待できないおそれがある。このような観点により、ゴム硬さの差(hc−hb)は、好ましくは10度以上、より好ましくは12度以上が望ましい。
なお、本明細書において、前記ゴム硬さは、温度23℃で測定されたデュロメータータイプAによる硬さを意味する。
以上、本発明の特に好ましい形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施し得る。
図1の構成を有するサイズ11R22.5のタイヤを表1の仕様に基づき試作するとともに、それらについて各種の性能等が評価された。各タイヤは、表1に記載のパラメータ以外は同一の仕様とした。ショルダー主溝は、トレッド接地端とタイヤ赤道とのほぼ中間位置に設けられている。
また、各試供タイヤは、8.25×22.5のリムに装着された後、内圧800kPaを充填されて10トン積みの2−D車両の前輪に装着された。そして、定積載荷重状態で以下の評価・測定が行われた。
<偏摩耗性能>
乾燥路面を10000km走行するならし走行後、偏摩耗量として、H/T摩耗量をクラウンブロックとショルダーブロックとでそれぞれ測定し、平均値との比較を行った。結果は、従来例を100とした指数であり、数値が大きいほどH/T摩耗量が小さいことを示す。
<雪上性能>
上記ならし走行後、気温0゜Cの環境下のシャーベット状の雪質路上において、速度40km/hからABS制動にて急ブレーキをかけ、車が停車するまでの制動距離が測定された。結果は、従来例の制動距離を100とする指数であり、数値が大きいほど良好である。
<氷上性能>
上記ならし走行後、上記車両にて、気温−5℃の環境下にあるミラーバーン状の氷路において、雪上性能と同様の制動テストを行った。結果は、従来例の制動距離を100とする指数であり、数値が大きいほど良好である。
<新品時及びならし走行後の操縦安定性>
新品時及びならし走行後それぞれにおいて、ドライアスファルト路面をテスト走行し、ドライバーの10人によって操縦安定性の官能評価を行った。結果は、従来例の評価点(n=10の平均値)を100とする指数であり、数値が大きいほど良好である。
<トレッドゴム本体と被覆層との剥離の有無>
上記車両に各供試タイヤを装着し、乾燥路面を10000km走行した後、トレッドゴム本体と被覆層との剥離の有無を肉眼で確認した。
<Cr/Sh摩耗比>
クラウンブロックの最大摩耗量が50%になるまで車両を走行させ、クラウンブロックの摩耗量とショルダブロックの摩耗量との比が測定された。結果は、従来例の値を100とした指数で表示している。数値が大きいほど良好となるように指数化した。なお、各摩耗量は、タイヤ赤道の両側かつタイヤ周方向6カ所で測定され、それらの平均値が用いられた。
<ライフ>
上記車両に各供試タイヤを装着し、一般道を合計30000km走行した後、タイヤの各主溝における溝深さを測定した。結果は、従来例を100とする指数で表示し、数値が大きいほど良好である。
Figure 2009154791
Figure 2009154791
テストの結果、実施例のタイヤは、雪上及び氷上性能性能を維持しつつ、ならし走行後の偏摩耗を抑制していること、また乾燥路面における操縦安定性を向上していることが確認できた。
本発明の一実施形態のトレッドパターンを示す展開図である。 そのトレッド部を拡大して示すA−A断面図である。 そのセンター主溝及びショルダー主溝近傍を拡大して示す断面図である。 トレッド面側の被覆層が摩耗した後の状態のトレッド部を拡大して示す断面図である。
符号の説明
2 トレッド部
2G トレッドゴム
3 主溝
3B ショルダー主溝
4 横溝
7 トレッドゴム本体
8 被覆層
8e 被覆層の端部
3Bb 溝底
3Bw 溝壁面
B1 クラウンブロック
B2 ショルダーブロック
t 被覆層の厚さ
Dp ショルダー主溝の溝深さ
h 被覆層の外端の高さ

Claims (3)

  1. トレッド部に、両側のトレッド縁に沿ってタイヤ周方向に連続してのびる一対のショルダー主溝を含む複数本の主溝と、該主溝と交わる向きにのびる複数本の横溝とで区分された複数個のブロックが形成されたトレッドゴムを具える空気入りタイヤであって、
    前記ブロックは、前記ショルダー主溝とトレッド縁との間に形成された両側のショルダーブロックと、前記一対のショルダー溝の間に形成されたクラウンブロックとを含み、かつ
    前記トレッドゴムは、軟質ゴムからなるトレッドゴム本体と、硬質ゴムからなりかつ前記トレッドゴム本体の表面を覆う被覆層とを有し、
    前記被覆層は、前記ショルダー主溝の溝深さの0.04〜0.15倍の厚さを有するとともに、
    該被覆層は、前記各ショルダー主溝のタイヤ軸方向外側の溝壁面かつ溝底からの高さがショルダー主溝の溝深さの0.15倍以上かつ0.4倍以下の位置に端部を有し、該端部間の全領域でタイヤ周方向に連続して配されることにより、前記クラウンブロックのみを実質的に覆うことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記トレッドゴム本体のゴム硬さが50〜70度であり、かつ前記被覆層のゴム硬さが75〜90度である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記トレッドゴム本体のゴム硬さと前記被覆層のゴム硬さとの差が20度以下である請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
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