図1は、本発明の文書表示システム、文書送信装置、及び文書受信装置の一実施形態を示す構成図である。
図1に示す文書表示システム10は、通信網100、文書送信装置1000、表示装置1080、入力装置1090、文書受信装置2100、撮像装置2170、表示装置2180、入力装置2190、文書受信装置2200、撮像装置2270、表示装置2280、及び入力装置2290で構成される。
尚、文書受信装置2200、撮像装置2270、表示装置2280、及び入力装置2290の接続、構成、及び機能は、文書受信装置2100、表示装置2180、入力装置2190、及び撮像装置2170の接続、構成、及び機能とほぼ同様であるので、以下単に、文書受信装置2100、撮像装置2170、表示装置2180、及び入力装置2190についてのみ説明を行う。
通信網100は、例えば、LAN(Local Area Network )、WAN(Wide Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、又は公衆回線網で構成され、文書送信装置1000と文書受信装置2100とを通信可能に接続する。
文書送信装置1000は、例えば、パーソナル・コンピュータで構成され、通信網100、表示装置1080、及び入力装置1090に接続している。文書送信装置1000は、電子文書と電子文書を表示する予定(以下単に、表示予定という)とを関連付けて文書受信装置2100へ送信する。
尚、電子文書は、例えば、文字、記号、図形及び画像、並びにこれらの組み合わせのいずれか1つ以上を表す電子ファイルをいう。電子文書は、例えば、テキストファイル及び画像ファイル、並びにPDF(Portable Document Format )ファイル、ワードファイル、及びパワーポイントファイル等のドキュメントファイルで構成される。
ここで図2を参照して、文書送信装置1000の構成について説明を行う。図2は、文書送信装置1000の一構成例を表す機能ブロック図である。
図2に表す文書送信装置1000は、通信部1010、制御部1020、及び記憶部1030を備える。通信部1010、制御部1020、及び記憶部1030が有する各機能は、文書送信装置1000が実行するソフトウェア制御により実現される。
ここで図3を参照して、ソフトウェア制御を実行するための文書送信装置1000のハードウェア構成について説明する。図3は、文書送信装置1000のハードウェアの一構成例を表す図である。
文書送信装置1000は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の演算部1001、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の読み出し専用メモリであるROM1002(Read-Only Memory )、DRAM(Dynamic RAM)又はSRAM(Static RAM)等の揮発性メモリ及びNVRAM(Non Volatile RAM)等の不揮発性メモリで構成されるRAM1003(Random Access Memory)、並びにハードディスク等の外部記憶装置で構成される外部記憶部1004で構成され、演算部1001、ROM1002、RAM1003、及び外部記憶部1004は互いにバス1005によって接続している。
ソフトウェア制御は、ROM1002又は外部記憶部1004に格納したプログラムを演算部1001が読み、読込んだプログラムに従って演算部1001が演算を行うことにより上記各部の機能を実現する。なお、RAM1003には、演算結果のデータが書き込まれ、特にNVRAMには、電源オフ時にバックアップが必要なデータが保存される。
ここで図2に戻り、文書送信装置1000の構成について引き続き説明する。
通信部1010は、例えば、ネットワークアダプタで構成され、通信網100及び制御部1020に接続する。通信部1010は、通信網100を介して文書受信装置2100から、電子文書、若しくは既に送信した表示予定と検出情報とを受信する。通信部1010は、受信した電子文書、及び表示予定と検出情報とを制御部1020へ出力する。
また通信部1010は、制御部1020から後述する制御部1020を構成する計画部が計画した表示予定と、表示予定に従って表示される電子文書と、必要な場合には表示予定の変更点を表す情報(以下単に、変更点を表す情報という)とを取得する。
次に、通信部1010は、制御部1020に制御されて、取得した表示予定と電子文書と変更点を表す情報とを文書受信装置2100へ送信する。尚、通信部1010が、変更点を表す情報を取得し、かつ送信する場合については後述する。
制御部1020は、通信部1010及び記憶部1030に接続する。制御部1020は、後述する制御処理を実行することで、文書送信装置1000を構成する各部、及び文書送信装置1000に接続する各装置を制御する。
ここで図4を参照して、制御部1020の構成について説明する。図4は、制御部1020の一構成例について説明する機能ブロック図である。
図4に示す制御部1020は、文書属性解析部1021、設定変更部1022、閲覧時間算出部1023、文書群表示制御部1024、計画部1025、及び文書送信制御部1026で構成される。
文書属性解析部1021は、通信部1010及び記憶部1030に接続する。文書属性解析部1021は、後述する文書属性解析処理を実行することで、電子文書の属性を解析する。
ここで、文書属性とは電子文書の属性をいう。ここで、電子文書の属性は、通常は、電子文書の参照、変更、及び実行権限を表すパーミッション等をいうが、本実施例においては、電子文書が表す電子情報の性質をいうとする。
電子文書が表す電子情報の性質は電子文書の情報量によって表されるため、文書属性解析部1021は、電子文書の情報量を取得するとして説明する。
しかし、これに限定される訳ではなく、例えば、電子文書が表す電子情報の性質は、電子文書の表示回数、又は電子文書が画像を有するか否かという情報によって表される。
また情報量は、文書量と画像量とを含む。文書量は、例えば、電子文書が有する行の数で表すとして説明するが、これに限定される訳ではない。例えば、電子文書が有する文字の数、単語の数、単語の種類の数、電子文書が表す単語の内で、過去に文書送信装置1000又は文書受信装置2100の使用者(以下単に、使用者という)に表示した電子文書が表す単語が占める割合(以下単に、表示済み単語率という)、及び電子文書が有する情報における画像情報の割合で表す構成を採用できる。
尚、本実施例では、使用者に単語を表示した場合には、使用者はそれを知ったとみなすため、表示済み単語率を、以下単に、既知単語率という。また電子文書の表示回数は、電子文書が表示された回数をいう。本実施例では、電子文書が表示された回数は、表示予定を計画した回数に等しいとして説明を行うが、等しくないとする実施例を採用できる。
また画像量は、例えば、電子文書が有する画像の大きさを含むとして説明するが、これに限定される訳ではなく、画像を表すために用いるビット数、画像の数、及び画像の種類を含む構成を採用できる。
よって以下、文書属性解析部1021が実行する文書属性解析処理の一例について説明する。文書属性解析部1021は、電子文書を解析することで電子文書が有する文書属性を取得する。
先ず、文書属性解析部1021は、通信部1010から電子文書を取得し、取得した電子文書を識別する名称(以下単に、文書名という)と関連付けて電子文書を記憶部1030へ保存する。次に、文書属性解析部1021は、電子文書から情報量を取得する。
その後、文書属性解析部1021は、取得した情報量に基づいて、電子文書を表示する際にスクロールして表示(以下単に、スクロール表示という)をする必要があるか否かを判断する。
具体例としては、文書属性解析部1021は、情報量に含まれる電子文書の行数から表示装置2180に表示される電子文書の大きさを算出し、表示装置2180の解像度に基づいて、算出した大きさの電子文書を全て表示できるか否かを判断する。全て表示できると判断する場合にはスクロール表示する必要がないと判断し、そうでない場合にはスクロール表示する必要があると判断する。
その後、文書属性解析部1021は、処理の実行対象とした文書名と、処理の実により取得した文書量と、文書量に基づいて判断されたスクロール表示の要否を表す情報とを関連付けて記憶部1030が記憶する表1へ登録する。その後、文書属性解析部1021は、文書属性解析処理の実行を終了する。尚、表1については、後述する。
ここでスクロール表示とは、時間の経過に伴って、若しくは入力装置1090又は2190が入力する電気信号に応じて、表示する電子ファイルの部分を連続的に変更して行う表示をいう。
具体例として、電子ファイルの先頭ページの先頭行から所定の行数後で定まる部分を表示している場合を例に挙げて説明する。スクロール表示は、例えば、キーボードで構成される入力装置1090が「↓」キーに関連付けた電気信号を入力し続けることに対応して、先頭ページの先頭行から予め設定された行数だけ後の行から所定の行数後で定まる部分へ、表示する部分を連続的に変更し続けて表示することをいう。
また他の具体例として、電子ファイルの第nページの全体、又は第nページの第m行から所定の行数後で定まる部分を表示している場合を例に挙げて説明する。スクロール表示は、例えば、入力装置1090が「ページ・ダウン(Page Down)」キー(又は「ページ・アップ(Page Up)」キー)に関連付けた電気信号を入力し続けることに対応して、第n+1ページ(又はn−1ページ)の全体、若しくは第n+1ページ(又はn−1ページ)の第m行から所定の行数後で定まる部分へ、表示するページを連続的に変更し続けて表示することをいう。
尚、表示する部分を変更することをスキップといい、表示する部分の変動量を定める予め設定された行数又は頁数をスキップ量という。また、時間の経過に伴ってスキップする場合には、単位時間当たりにスキップする回数をスキップ速度という。
よって、電子文書をスクロールする速度であるスクロール速度は、スキップ量とスキップ速度とを乗算することで算出される。
ここで表1を参照して、文書属性解析部1021が記憶部1030へ登録する情報について説明する。表1は、文書属性解析部1021が情報を登録する表の一例を表す表である。
表1は、文書名フィールド、文書量フィールド、及びスクロールフィールドとを有している。文書名フィールドは文書名を表す情報を、文書量フィールドは文書量を表す情報を、スクロールフィールドはスクロール表示の要否を表す情報を保存する。
本記実施例では、スクロール表示を行う方向は上下方向であるとして説明するが、これに限定される訳ではない。例えば、スクロール表示を行う方向は左右方向である構成を採用できる。
また本記実施例では、スクロール速度は行数を用いて表されるとして説明を行うが、これに限定される訳ではない。例えば、スクロール速度はページ数、画面数、文字数、又はピクセル数を用いて表される構成を採用できる。
また、スクロール速度は、例えば、「速い」、「遅い」、及び「普通」等の主観的表現で表される構成を採用できる。
この構成において、「速い」、「遅い」、及び「普通」等の主観的表現は、例えば、行数等の客観的な指標で表すスクロール速度であって、予めOS(Operating System)に設定した速度を「普通」という表現に関連付け、OSに設定した速度よりも(例えば、所定量だけ)遅い速度を「遅い」という表現に関連付け、かつOSに設定した速度よりも(例えば、所定量だけ)速い速度を「速い」という表現に関連付ける。
更に、実験における所定数の被験者が、「速い」、「遅い」、及び「普通」と感じる客観的な指標で表すスクロール速度と、上記の主観的表現とを関連付ける構成を採用できる。
ここで図4に戻り、制御部1020の構成について引き続き説明を行う。
設定変更部1022は、通信部1010、記憶部1030、表示装置1080、及び入力装置1090に接続する。設定変更部1022は、後述する設定変更処理を実行することで、電子文書毎に対して予め定められたスクロール速度を変更する。尚、電子文書に対して関連づけを定められたスクロール速度を、以下単に、設定という。
よって以下、設定変更部1022が実行する設定変更処理の一例について説明する。先ず、設定変更部1022は、記憶部1030が記憶する表2に保存された設定情報を参照する。ここで、設定情報とは、予め設定されたスクロール速度を表す情報をいい、予め設定されたスキップ速度及びスキップ量とで表される情報をいう。
ここで表2を参照して、記憶部1030が記憶する設定情報について説明を行う。表2は、記憶部1030が記憶する設定情報の一例を表す表である。
表2は、設定名フィールド、スキップ速度フィールド、及びスキップ量フィールドを有している。設定名フィールドは設定を識別する名称を、スキップ速度フィールドはスキップ速度を、及びスキップ量フィールドはスキップ量を保存する。
次に、設定変更部1022は、通信部1010が表示予定と検出情報とを取得したか否かを判断する。先ず、設定変更部1022が、表示予定と検出情報とを取得なかったと判断した場合の処理について説明を行う。
設定変更部1022は、参照した設定情報と、処理対象とする電子文書の文書名とを関連付けて表示するよう表示装置1080を制御する。
尚、文書送信装置1000の使用者は、表示装置1080を参照することで、電子文書を表示するために用いるスクロール速度として最適な速度を定める設定を選択し、入力装置1090を操作することで選択した設定を識別する信号を入力する。
以下、設定変更部1022を有する制御部1020は、表示装置1080を制御するとして説明するが、これに限定される訳ではなく、例えば、通信網100及び文書受信装置2100を介して接続される表示装置2180の表示を制御する構成を採用できる。
同様に、設定変更部1022を有する制御部1020は、入力装置1090が入力する信号に基づいて制御処理を実行するとして説明するが、これに限定される訳ではなく、例えば、通信網100及び文書受信装置2100を介して接続される入力装置2190が入力する信号に基づいて制御処理を実行する構成を採用できる。
次に、設定変更部1022は、入力装置1090から信号を取得し、取得した信号で識別される設定の名称と、設定対象とする文書名とを関連付けて記憶部1030が記憶する表3の情報を変更して登録する。尚、設定変更部1022は、後述する閲覧時間については登録しない。その後、設定変更部1022は、設定変更処理の実行を終了する。
ここで表3を参照して、設定変更部1022が登録する情報について説明する。表3は、設定変更部1022が登録する情報の一例を示す表である。
表3は、文書名フィールド、設定名フィールド、及び閲覧時間フィールドを有する。文書名フィールドは文書名を、設定名フィールドは表2の設定名フィールドに保存された設定名のいずれか1つを、及び閲覧時間フィールドは電子文書の閲覧時間を保存する。
尚、閲覧時間とは、電子文書の全ての部分をスクロール表示するために要する時間をいう。具体的には、閲覧時間は、電子文書が有する全ての行をスクロールするために要する時間を含む。
また、表3の設定名フィールドは、初期値として表2の最上行に登録された設定名を保存おり、設定変更部1022によって設定名を変更される。しかし、これに限定される訳ではなく、設定名フィールドは、文書属性解析部1021が解析した表示回数又は既知単語率に基づいて定まる設定名を初期値として保存する構成を採用できる。
具体例としては、電子文書の表示回数が多い、又は既知単語率が高い場合には、文書受信装置2100の使用者が容易に文書の内容を確認できるため、電子文書の名称と速いスクロール速度に対応する設定名とを関連付ける構成を採用できる。
次に、設定変更部1022が、表示予定と検出情報とを取得したと判断した場合の処理について説明を行う。
先ず、検出情報とは、文書受信装置2100が検出した情報であって、かつ表示装置2180によって電子文書を表示される使用者が目視した位置(以下単に、目視位置という)に関する情報をいう。目視位置に関する情報は、検出した目視位置のみならず、目視位置に基づいて算出される電子文書を目視した割合をも含む。
また、目視位置に関する情報は、目視位置のみならず、所定の電子文書において目視位置を検出したか否かを表す情報、又は目視位置に基づいて算出される所定の電子文書を目視した割合(以下単に、目視率という)をも含む。
具体例としては、目視率は、ある電子文書において目視位置を検出した回数を、検出を行った総数回数で除算して求める構成を採用できる。
ここで、文書受信装置2100が検出情報を送信する場合とは、後述するように、ある電子文書に対する目視率が所定の閾値を下回ったと文書受信装置2100が判断する場合である。
またこの場合には、文書送信装置1000は、受信した検出情報に基づいて、電子文書に対して設定情報を再設定した後に、表示予定を再計画し、計画した表示予定と電子文書とを文書受信装置2100へ再送信する。
よって、設定変更部1022は、検出情報に含まれる目視率に基づいて定まる設定の名称と、表示するよう予定した電子文書の文書名とを関連付けて表3に登録する。その後、設定変更部1022は、設定変更処理の実行を終了する。
具体例としては、電子文書の目視率が低くなるにつれて、遅いスクロール速度に対応する設定名と文書名とを関連付ける例を挙げることができる。
ここで図4に戻り、制御部1020の構成について引き続き説明を行う。
閲覧時間算出部1023は、記憶部1030に接続している。閲覧時間算出部1023は、閲覧時間算出処理を実行することで、閲覧時間を算出する。
よって以下、閲覧時間算出部1023が実行する閲覧時間算出処理の一例について説明を行う。
先ず、閲覧時間算出部1023は、記憶部1030が記憶する表3を参照して、文書名と設定名とを関連付けて取得する。次に、閲覧時間算出部1023は、表2を参照して、先に取得した設定名と関連付けられたスクロール速度を取得する。
その後、閲覧時間算出部1023は、表1を参照して、先に取得した文書名と関連付けられた文書量を取得する。
その後、閲覧時間算出部1023は、取得した文書量を、取得したスクロール速度でスクロールした場合に要する閲覧時間を算出する。具体的には、閲覧時間算出部1023は、電子文書の文書量を、スキップ速度とスキップ量とで除算することで閲覧時間を求める。
次に、閲覧時間算出部1023は、文書名と設定名と算出した閲覧時間とを関連付けて記憶部1030が記憶する表3に登録する。その後、閲覧時間算出部1023は、閲覧時間算出処理の実行を終了する。
文書群表示制御部1024は、記憶部1030及び表示装置1080に接続している。文書群表示制御部1024は、後述する文書群表示制御処理を実行することで、後述する文書群表示画面を表示する。
よって以下、文書群表示制御部1024が実行する文書群表示制御処理の一例について説明する。
先ず、文書群表示制御部1024は、記憶部1030が記憶する文書群を参照する。ここで、文書群とは、記憶部1030が記憶する電子文書を分類する所定のグループに属する1又は複数の電子文書の集まりをいう。
例えば、文書送信装置1000を使用する使用者は、記憶部1030が記憶する電子文書を、使用者が主観によって定める電子文書の重要性に基づいてそれぞれ異なるグループに予め分類しており、文書群表示制御部1024は、使用者が重要性に基づいて選択したグループに属する文書群を参照する。
ここで具体例として、使用者は、会議に使用する資料で構成される重要なグループと、会議で参照するに留める資料で構成される重要でないグループとに文書を予め分類している場合を挙げる。
使用者は、会議の休憩時間などにおいては、重要でないグループを選択し、会議の開催時間においては、重要なグループを選択する。尚、重要であるか否か、及び休憩時間に重要なグループを選択するか否かは、使用者の主観に依存する。
次に、文書群表示制御部1024は、記憶部1030が記憶する表3を参照することで、参照した文書群に属する電子文書の閲覧時間を取得する。また、文書群表示制御部1024は、表1を参照すること、電子文書を表示する際にスクロールバーを表示する必要があるか否かを表す情報を取得する。
その後、文書群表示制御部1024は、文書群表示画面を表示するよう表示部1080を制御すると共に、参照した文書群等を文書群表示画面に表示するように制御する。
ここで図5を参照して、文書群表示制御部1024が表示するよう制御する文書群表示画面FGについて説明を行う。図5は、文書群表示制御部1024が表示するよう制御する文書群表示画面FGの一例を表す図である。
図5(a)に示す文書群表示画面FGは、文書表示サブ画面SF1から4と合計時間テキストボックスTBSとを有している。文書表示サブ画面SF1から4は、それぞれ処理対象とする文書群に属する電子文書を表示する副画面である。
文書表示サブ画面SF1から4の構成は、それぞれほぼ同様であるため、図5(b)を参照して、文書表示サブ画面SF1についてのみ説明を行う。
文書表示サブ画面SF1は、文書表示部PV1、文書名テキストボックスTBN1、閲覧時間テキストボックスTBB1、スクロールバーSB1、スキップボタンBTS11及び12、並びに頁送りボタンBTP11及び12を有している。
文書表示部PV1は、文書群表示制御部1024が参照した電子文書を必要に応じてスクロール表示する部分である。また、文書名テキストボックスTBN1は文書表示部PV1に表示する電子文書の名称を表示し、閲覧時間テキストボックスTBB1は電子文書の閲覧時間を表示する。
スクロールバーSB1は、文書表示部PV1をスクロール表示することができることを表す表示である。スキップボタンBTS11及び12は、入力装置1090を操作することで、文書表示部PV1を予め設定された行数だけ上方向及び下方向にスキップできることを表すボタン表示である。
頁送りボタンBTP11及び12は、入力装置1090を操作することで、文書表示部PV1に表示される電子文書の頁を、予め設定された頁だけ前及び後の頁に変更できることを表すボタン表示である。
次に、図5(a)に戻り、文書群表示画面FGの構成について引き続き説明を行う。
合計時間テキストボックスTBSは、文書表示部PV1から4に表示する電子文書であって、文書送信装置1000の使用者が、例えば、入力装置1090を操作することで選択した電子文書の閲覧時間の合計値を表す。尚、制御部1020は、使用者が選択した電子文書は、使用者が後述する表示装置2180に表示することを望む電子文書であるとみなす。
ここで図4に戻り、制御部1020の構成について引き続き説明を行う。
計画部1025は、入力装置1090及び文書送信制御部1026に接続している。
計画部1025は、後述する計画処理を実行することで、電子文書を表示する予定を計画する。
よって以下、計画部1025が実行する計画処理の一例について説明する。
ここで、計画処理は、使用者が入力装置1090を操作することで入力した信号に基づいて表示予定を計画する手動計画処理と、信号に基づかずに表示予定を計画する自動計画処理とを含む。
以下、手動計画処理の一例について説明を行う。
先ず、計画部1025は、使用者が入力装置1090を操作することで入力した信号に基づいて使用者が選択した1又は複数の電子文書を特定する。次に、計画部1025は、記憶部1030が記憶する表3を参照することで、特定した電子文書の閲覧時間を取得する。その後、計画部1025は、取得した閲覧時間の合計値を算出する。
次に、計画部1025は、算出した閲覧時間の合計値を合計時間テキストボックスTBSに表示する。その後、計画部1025は、記憶部1030が記憶する表2及び3を参照することで、特定した電子文書のスクロール速度を取得する。
次に、計画部1025は、特定した電子文書を、取得したスクロール速度で表示する表示予定を計画する。その後、計画部1025は、計画した表示予定を文書送信制御部1026へ出力する。その後、計画部1025は、計画処理の実行を終了する。
ここで、計画部1025が計画する表示予定は、少なくとも表示する電子文書を識別する名称、電子文書のスクロール速度、及び電子文書の閲覧時間を関連付けた情報をいう。更に、表示予定は、電子文書の表示を開始する時刻をも関連付けた情報を含む構成を採用できる。
ここで、使用者が選択した電子文書を特定する処理の具体例について説明する。
入力装置1090がポインティング・ディバイス(以下単に、マウスという)で構成される場合には、使用者はマウスを操作することで、マウスの移動量を表す信号を入力する。また、計画部1025は入力された信号に基づいてカーソルを移動して表示するよう表示装置1080を制御する。
使用者は、カーソルを文書表示部PV1から4のいずれかに重ねてマウスをクリックすることで、文書表示部PV1から4のいずれかに表示された電子文書を選択する信号を入力する。これにより、計画部1025は、入力された信号に基づいて使用者が選択した電子文書を特定する。
尚、本実施例では、既に選択した電子文書を表示する文書表示部PV1から4のいずれかにカーソルが重ねてマウスをクリックすることで、電子文書の選択を解除する信号を入力できる構成を採用している。
次に、計画部1025が実行する自動計画処理の一例について説明を行う。
計画部1025は、記憶部1030から、電子文書の表示を受ける使用者の予定(以下単に、スケジュールという)を参照する。ここでスケジュールとは、例えば、OutLook及びOutLook Express等のソフトウェアが管理する予定をいう。
その後、計画部1025は、参照したあるスケジュールの終了時刻と、他のスケジュールの開始時刻とで定まる時間を、電子文書を表示する表示時間として定める。次に、計画部1025は、定めた表示時間に表示する電子文書を組合せることで組み合わせた電子文書を表示する表示予定を計画する。
その後、計画部1025は、再度の計画であったか否かを判断する。ここで、計画部1025は、通信部1010が表示予定と検出情報とを受信したか否かに基づいて再度の計画であるか否かを判断する。
再度の計画であったと判断した場合には、計画部1025は、前回計画した表示予定と再度行った表示計画との差異を検出し、表示予定の変更点を表す情報を作成する。
次に、計画部1025は、計画した表示予定と表示予定の変更点を表す情報とを文書送信制御部1026へ出力する。次に、計画部1025は、自動計画処理の実行を終了する。
再度の計画でなかったと判断した場合には、計画部1025は、計画した表示予定を文書送信制御部1026へ出力する。次に、計画部1025は、自動計画処理の実行を終了する。
ここで表4を参照して、計画部1025が実行する手動計画処理の一例について詳細に説明する。表4は、計画部1025が手動計画処理を実行する際に使用する表の一例である。
表4は、文書1フィールド、文書2フィールド、文書3フィールド、文書4フィールド、及び合計閲覧時間フィールドを有している。文書1フィールド、文書2フィールド、文書3フィールド、及び文書4フィールドは、選択された文書群に属するそれぞれの電子文書を表示対象とする場合にその電子文書の閲覧時間を、そうでない場合には値「0」を保存する。合計閲覧時間フィールドは、同一行に保存された閲覧時間の合計値を表す。
つまり、文書1フィールド、文書2フィールド、文書3フィールド、及び文書4フィールドは、選択された文書群に属する電子文書における表示の組み合わせ(以下単に、表示組合という)を表す。尚、本実施例において、文書群に属する電子文書は4個であるため、2^4通りの表示組合が存在する。
つまり計画部1025は、全ての表示組合について閲覧時間の合計値を算出し、算出した合計値と表示組合を関連付けて記憶部1030が記憶する表4に登録する。その後、計画部1025は、合計閲覧時間が表示時間を超えない表示組合であって、かつ最も合計閲覧時間が大きい表示組合を表示する表示予定を計画する。
上記の自動計画処理においては、参照したスケジュールに基づいて表示時間を定めるとして説明したが、これに限定される訳ではない。例えば、使用者が入力装置1090を操作して表示時間を入力する構成を採用できる。この構成において、合計時間テキストボックスTBSは、使用者が入力した表示時間を表示する構成を採用できる。
また例えば、計画部1025は、予め定める複数の表示時間(例えば、「10分」、「20分」、及び「30分」)と、合計閲覧時間がそれぞれの表示時間を超えない表示組合とを関連付けて表示するよう表示装置1080を制御した後に、使用者が入力装置1090を操作して入力した表示組合を表示する表示予定を計画する構成を採用できる。
更に例えば、計画部1025は、使用者が入力装置1090を操作して入力した表示時間を取得し、選択された文書群に属する全電子文書の閲覧時間の合計が、取得した表示時間を超えないようにスクロール速度を再設定することで全電子文書を表示する予定を計画する構成を採用できる。
ここで図4に戻り、制御部1020の構成について引き続き説明を行う。
文書送信制御部1026は、通信部1010、計画部1025、及び記憶部1030に接続している。文書送信制御部1026は、後述する文書送信制御処理を実行することで、電子文書と電子文書の表示予定とを送信するよう通信部1010を制御する。
よって以下、文書送信制御部1026が実行する文書送信制御処理の一例について説明する。
先ず、文書送信制御部1026は、計画部1025から表示予定と必要な場合には変更点を表す情報とを取得する。次に、文書送信制御部1026は、記憶部1030から、表示予定によって表示が予定される電子文書を取得する。
その後、文書送信制御部1026は、取得した表示予定と電子文書と必要な場合には変更点を表す情報とを通信部1010へ出力する。次に、文書送信制御部1026は、出力した表示予定と電子文書と変更点を表す情報とを文書受信装置2100へ送信するよう通信部1010を制御する。その後、文書送信制御部1026は、文書送信制御処理の実行を終了する。
次に、図6及び7を参照して、制御部1020が実行する制御処理について説明する。図6は制御部1020が実行する制御処理の一例を表すフローチャートの一部であり、図7は制御部1020が実行する制御処理の一例を表すフローチャートの他部である。
制御部1020は、文書受信装置2100から検出情報を文書送信装置1000が受信した場合、又は入力装置2190から制御処理の実行を命じる信号が入力された場合に、制御処理の実行を開始する。
先ず、制御部1020は、文書受信装置2100から後述する検出情報を受信したか否かを判断する(ステップST0001)。制御部1020は、文書受信装置2100から検出情報を受信したと判断する場合にはステップST0004の処理を、そうでない場合にはステップST0002の処理を実行する。
ステップST0001において、制御部1020は、文書受信装置2100から検出情報を受信していないと判断した場合には、制御部1020を構成する文書属性解析部1021が上記の文書属性解析処理を実行する(ステップST0002)。
次に、制御部1020は、電子文書に関連付けた設定情報を変更するか否かを判断する(ステップST0003)。制御部1020は、設定情報を変更すると判断する場合にはステップST0004の処理を、そうでない場合にはステップST0005の処理を実行する。
具体的には、制御部1020は、設定情報を変更するか否かを問う画面を表示するよう表示装置1080を制御する。制御部1020は、表示装置1080の表示に基づいて、使用者が入力装置1090を操作することで入力した信号によって設定情報を変更するか否かを判断する。
ステップST0001において、制御部1020は、文書受信装置2100から検出情報を受信したと判断した場合、又はステップST0003において、設定情報を変更すると判断した場合には、制御部1020を構成する設定変更部1022が上記の設定変更処理を実行する(ステップST0004)。
ステップST0003において、制御部1020は、設定情報を変更しないと判断した場合、又はステップST0004を実行した後には、制御部1020を構成する閲覧時間算出部1023が上記の閲覧時間算出処理を実行する(ステップST0005)。
次に、制御部1020を構成する文書群表示制御部1024が、上記の文書群表示制御処理を実行する(ステップST0006)。その後、制御部1020は、表示予定を自動で計画するか否かを判断する(ステップST0007)。制御部1020は、表示予定を自動で計画すると判断する場合にはステップST0008の処理を、そうでない場合にはステップST0009の処理を実行する。
具体的には、制御部1020は、表示予定を自動で計画するか否かを問う画面を表示するよう表示装置1080を制御する。次に、制御部1020は、表示装置1080の表示に基づいて、使用者が入力装置1090を操作することで入力した信号によって表示予定を自動で計画するか否かを判断する。
ステップST0007において、制御部1020は、表示予定を自動で計画すると判断した場合には、制御部1020を構成する計画部1025が上記の自動計画処理を実行する(ステップST0008)。その後、制御部1020は、ステップST0010の処理を実行する。
ステップST0007において、制御部1020は、表示予定を自動で計画しないと判断した場合には、制御部1020を構成する計画部1025が上記の手動計画処理を実行する(ステップST0009)。その後、制御部1020は、ステップST0010の処理を実行する。
ステップST0008及びステップST0009を実行した後に、制御部1020を構成する文書送信制御部1026が上記の文書送信制御処理を実行する(ステップST0010)。その後、制御部1020は、制御処理の実行を終了する。
ここで図2に戻り、文書送信装置1000の構成について引き続き説明する。
記憶部1030は、例えば、外部記憶部1004で構成される。記憶部1030は、電子文書及び制御部1020が制御処理を実行することで取得した情報を記憶する。
また、記憶部1030は、電子文書の表示を受ける使用者の予定(スケジュール)を記憶する。記憶部1030が記憶する情報、使用者の予定、及び電子文書は、制御部1020によって参照される。
ここで図1に戻り、表示システム10の構成について引き続き説明を行う。
表示装置1080は、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、又はCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等で構成され、文書送信装置1000に接続する。表示装置1080は、文書送信装置1000に制御されて上記の各種情報及び文書群表示画面FGを表示する。
入力装置1090は、例えば、キーボード、マウス、又はタッチパネル等で構成され、文書送信装置1000に接続している。入力装置1090は、文書送信装置1000の使用者に操作されて、上記の各種情報を文書送信装置1000へ入力する。
文書受信装置2100は、例えば、パーソナル・コンピュータで構成される。文書受信装置2100は、撮像装置2170、表示装置2180、及び入力装置2190に接続する。
文書受信装置2100は、電子文書と電子文書を表示する表示予定とを関連付けて受信すると共に、受信した表示予定に基づいて電子文書をスクロールして表示するよう表示装置2180を制御する。また所定の場合には、文書受信装置2100は、表示予定の変更を表す情報をも受信する。
ここで図8を参照して、文書受信装置2100の構成について説明する。図8は、文書受信装置2100の一構成例を表す機能ブロック図である。
文書受信装置2100は、通信部2110、制御部2120、及び記憶部2130で構成される。通信部2110、制御部2120、及び記憶部2130が有する各機能は、文書受信装置2100が実行するソフトウェア制御により実現される。
ここで、文書受信装置2100がソフトウェア制御を実行するために用いるハードウェア構成は、文書送信装置1000がソフトウェア制御を実行するために用いるハードウェア構成と同様であるため説明を省略する。
つまり、文書受信装置2100は、演算部1001に相当する部、ROM1002に相当する部、RAM1003に相当する部、及び外部記憶部1004に相当する部、及びバス1005に相当する部を有する。
通信部2110は、例えば、ネットワークアダプタで構成される。通信部2110は、通信網100及び制御部2120に接続する。通信部2110は、電子文書と電子文書を表示する表示予定と必要な場合には変更点を表す情報とを関連付けて受信する。次に、通信部2110は、受信した電子文書と表示予定と変更点を表す情報とを制御部2120へ出力する。
また、通信部2110は、制御部2120から検出情報と表示予定とを取得し、取得した検出情報と表示予定とを文書送信装置1000へ送信する。
制御部2120は、通信部2110、記憶部2130、撮像装置2170、表示装置2180、及び入力装置2190に接続する。制御部2120は、後述する制御処理を実行することで、文書受信装置2100を構成する各部、及び文書受信装置2100に接続する各装置を制御する。
ここで図9を参照して、制御部2120の構成について説明を行う。図9は、制御部2120の一構成例を表す機能ブロック図である。
制御部2120は、スクロール表示制御部2121、検出部2122、検出情報表示制御部2123、及び検出情報送信制御部2124で構成される。
スクロール表示制御部2121は、通信部2110、検出部2122、及び表示装置2180に接続する。スクロール表示制御部2121は、後述するスクロール表示制御処理を実行することで、電子文書をスクロール表示するよう表示装置2180を制御する。
よって以下、スクロール表示制御処理の一例について説明する。
先ず、スクロール表示制御部2121は、通信部2110から電子文書と表示予定と必要な場合には表示予定の変更点を表す情報とを取得する。次に、スクロール表示制御部2121は、表示予定から電子文書の表示を開始する時刻を取得する。
その後、スクロール表示制御部2121は、取得した表示を開始する時刻の経過後までスリープする。表示を開始する時刻を経過すると、スクロール表示制御部2121は、後述するスクロール表示画面を表示するよう表示装置2180を制御する。
その後、スクロール表示制御部2121は、取得した予定に基づいて、取得した電子文書をスクロール表示画面FSCにスクロールして表示するよう表示装置2180を制御する。特に、スクロール表示制御部2121は、取得した表示予定に含まれるスクロール速度に従って電子文書をスクロールして表示するよう制御する。
次に、スクロール表示制御部2121が表示予定の変更点を表す情報を取得した場合には、スクロール表示制御部2121は、スクロール表示画面FSCにおいて、変更された情報をハイライト表示又はポップアップ表示するよう表示装置2180を制御する。その後、スクロール表示制御部2121は、スクロール表示制御処理の実行を終了する。
尚、変更された情報とは、例えば、表示されなくなった電子文書を識別する名称、並びにスクロール速度が変更された結果として変更された電子文書の閲覧時間及び総閲覧時間を含む。
ここで図10を参照して、スクロール表示制御部2121が表示するよう制御するスクロール表示画面FSCについて説明する。図10は、スクロール表示制御部2121が表示するよう制御するスクロール表示画面FSCの一例を表す図である。
図10(a)に示すスクロール表示画面FSCは、図5(a)に示した文書群表示画面FGとほぼ同様の構成を有するため、以下相違点について主に説明する。
スクロール表示画面FSCを構成する文書表示サブ画面SF3及び4が有する閲覧時間テキストボックスTBBは、変更された閲覧時間をハイライト表示している点で文書群表示画面FGと異なる。
また、図10(b)に示す文書表示サブ画面SF1は、図5(b)に示す文書表示サブ画面SF1とほぼ同様の構成を有するため、同様に以下相違点について主に説明する。
文書表示サブ画面SF1を構成する文書表示部PV1は、時間の経過に伴ってスクロール表示制御部2121が取得したスクロール速度で電子文書をスクロール表示する。尚、文書表示部PV1は、後述する検出情報表示制御部2123が表示する視線マーカMK1をも同時にスクロール表示する。
ここで図9に戻り、制御部2120の構成について引き続き説明を行う。
検出部2122は、スクロール表示制御部2121、検出情報表示制御部2123、検出情報送信制御部2124、記憶部2130、及び撮像装置2170に接続している。
検出部2122は、後述する検出処理を実行することで、表示装置2180に表示された電子文書における使用者が目視した位置(以下単に、目視位置という)を検出する。
よって以下、検出部2122が実行する検出処理の一例について説明を行う。
先ず、検出部2122は、撮像装置2170から表示装置2180を使用する使用者の像を取得する。次に、検出部2122は、取得した使用者の像を解析することで、目視位置を検出する。
その後、検出部2122は、検出した目視位置に基づいて検出情報を取得する。次に、検出部2122は、取得した検出情報と電子文書とを関連付けて記憶部2130に登録する。
その後、検出部2122は、検出情報を検出情報表示制御部2123及び検出情報送信制御部2124へ出力する。次に、検出部2122は、検出処理の実行を終了する。
尚、本実施例においては、検出部2122は、撮像装置2170が撮像した使用者の像を解析することで使用者の目視方向、及び表示装置2180までの相対的な位置関係を求める。これによって、検出部2122は、表示装置2180における使用者の目視位置を検出する。
次に、検出部2122は、検出した表示装置2180における使用者の目視位置に基づいて、表示装置2180に表示した電子文書における使用者の目視位置を検出する。
本実施例では、使用者の目視方向、及び表示装置2180までの相対的な位置関係を求めることで目視位置を検出する場合について説明したが、これに限定される訳ではなく、電子文書における使用者の目視位置を検出するために用いられる他の公知の方法を採用できる。
ここで、検出情報は、検出した目視位置のみならず、目視位置に基づいて算出される電子文書を目視した割合をも含む。
よって、表5を参照して、検出部2122が、記憶部2130に登録する検出情報について説明する。
表5は、文書名フィールドと視線検出割合フィールドとを有する。文書名フィールドは表示された電子文書を識別する名称を、視線検出割合フィールドは表示された電子文書における目視位置を検出した割合を保存する。
よって表5においては、文書受信装置2100の使用者は、文書1と文書2とを60対10の割合で視認したことを表す。尚、表5は、文書3及び文書4に関する情報も同様に登録される。また、目視位置を検出した割合は、例えば、ある電子文書において目視位置を検出した回数を、検出を行った総数回数で除算して求めることができる。
ここで図9に戻り、制御部2120の構成について引き続き説明を行う。
検出情報表示制御部2123は、後述する検出情報表示制御処理を実行することで、目視位置を表示装置2180に表示する。
よって、検出情報表示制御部2123が実行する検出情報表示制御処理の一例について説明する。
先ず、検出情報表示制御部2123は、検出部2122から検出情報を取得する。次に、検出情報表示制御部2123は、取得した検出情報に含まれる電子文書における目視位置を文書表示部PVに表示するよう表示装置2180を制御する。その後、検出情報表示制御部2123は、検出情報表示制御処理の実行を終了する。
ここで図10を再度参照して、表示装置2180に表示される目視位置について説明する。
図10(b)に表す文書表示サブ画面SF1は、文書表示部PV1に電子文書を表示すると共に、検出部2122が検出した電子文書における目視位置を表す視線マーカMK1を表示する。尚、視線マーカMK1は、目視位置を所定の色でハイライトする表示、又は色を反転した表示として構成できる。
本実施例においては、表示装置2180が電子文書をスクロール表示する際に、スクロール表示制御部2121が、視線マーカMK1をも同時にスクロールして表示するよう表示装置2180を制御する構成を採用するが、これに限定される訳ではなく、電子文書をスクロール表示した後に、検出情報表示制御部2123が、視線マーカMK1を表示し直すよう表示装置2180を制御する構成を採用できる。
検出情報送信制御部214は、通信部2110に接続する。検出情報送信制御部214は、後述する検出情報送信制御を実行することで、検出情報を文書送信装置1000へ送信するよう通信部2110を制御する。
よって以下、検出情報送信制御部214が実行する検出情報送信制御処理の一例について説明する。
先ず、検出情報送信制御部214は、検出部2122から検出情報を取得する。次に、検出情報送信制御部214は、取得した検出情報を文書送信装置1000へ送信するよう通信部2110を制御する。その後、検出情報送信制御部214は、検出情報送信制御処理の実行を終了する。
ここで図11を参照して、制御部2120が実行する制御処理について説明する。図11は、制御部2120が実行する制御処理の一例を表すフローチャートである。
制御部1020は、文書送信装置1000から表示予定を文書受信装置2100が受信した場合に制御処理の実行を開始する。
先ず、制御部2120を構成するスクロール表示制御部2121は、スクロール表示制御処理を実行する(ステップST0101)。次に、制御部2120を構成する検出部2122は、検出処理を実行する(ステップST0102)。
その後、制御部2120は、検出部2122が検出処理を実行することで取得した検出情報に基づいて、表示速度を変更する必要が有るか否かを判断する(ステップST0103)。制御部2120は、表示速度を変更する必要が有ると判断する場合にはステップST0106の処理を、そうでない場合にはステップST0104の処理を実行する。
本実施例においては、制御部2120が表示速度を変更する必要が有ると判断する場合とは、制御部2120が参照する表5に保存した目視位置を検出した割合が、所定の閾値を下回った電子文書が存在する場合をいうとして説明を行う。
ステップST0103において、制御部2120は、表示速度を変更する必要がないと判断した場合には、制御部2120を構成する検出情報表示制御部2123が検出情報表示制御処理を実行する(ステップST0104)。
次に、制御部2120は、表示装置2180が全ての電子文書の全ての部分を表示するよう制御したか否かを判断する(ステップST0105)。制御部2120は、表示装置2180が全ての電子文書の全ての部分を表示するよう制御したと判断する場合には制御処理の実行を終了し、そうでない場合にはステップST0101に戻り上記処理を繰り返す。
ステップST0103において、制御部2120は、表示速度を変更する必要があると判断した場合には、制御部2120を構成する検出情報送信制御部2124が検出情報送信制御処理を実行する(ステップST0106)。その後、制御部2120は、制御処理の実行を終了する。
ここで図8に戻り、文書受信装置2100の構成について引き続き説明する。
記憶部2130は、例えば、外部記憶装置で構成される。記憶部2130は、制御部2120が制御処理を実行することで取得した情報を記憶する。また、記憶部2130が記憶する情報は、制御部2120によって参照される。
ここで図1に戻り、表示システム10の構成について引き続き説明を行う。
撮像装置2170は、例えば、デジタルビデオカメラで構成される。撮像装置2170は、文書受信装置2100に接続し、表示装置2180により電子文書の表示を受ける使用者の正面像を撮像可能に設置されている。撮像装置2170は、使用者の像を撮像し、撮像した像を文書受信装置2100へ出力する。
本実施例では、撮像装置2170は、デジタルビデオカメラで構成されるとして説明したが、これに限定される訳ではなく、例えば、所定の周期で撮像するよう設定されたデジタルカメラ、又はWebカメラで構成される実施例を採用できる。
表示装置2180は、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、又はCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等で構成され、文書受信装置2100に接続する。表示装置1080は、文書受信装置2100に制御されて上記の各種情報及びスクロール表示画面 FSCを表示する。
入力装置2190は、例えば、キーボード、マウス、又はタッチパネル等で構成され、文書受信装置2100に接続している。入力装置2190は、文書受信装置2100の使用者に操作されて、各種情報を文書受信装置2100へ入力する。
本実施例においては、通信部1010が送信手段に相当し、計画部1025が計画手段に相当し、記憶部1030が記憶手段に相当し、通信部2110が受信手段に相当し、制御部2120が制御手段に相当し、検出部2122が検出手段に相当し、撮像装置2170が撮像手段に相当し、表示装置2180が表示手段に相当する。
以下、第2の実施形態について説明する。
第2の実施例では、電子文書を構成する頁毎、又は頁を構成する部分毎にスクロール速度を設定する点で、電子文書毎にスクロール速度を設定する実施例1と異なる。
実施例2における文書表示システムの構成は、実施例1で説明した文書表示システム10の構成とほぼ同様であるため、以下主に、相違点について説明する。また、説明の便宜のため、実施例2における文書表示システムを構成する各装置、及び各装置を構成する部については、実施例1で用いた番号と同じを用いて説明する。
文書属性解析部1021は、文書属性解析処理を実行することで、電子文書の頁を構成する所定の大きさの部分から、電子文書の属性を解析する点で実施例1と異なる。
よって以下、実施例2において、文書属性解析部1021が実行する文書属性解析処理の一例について説明する。
先ず、文書属性解析部1021は、通信部1010から電子文書を取得し、取得した電子文書を識別する名称と関連付けて電子文書を記憶部1030へ保存する。
次に、文書属性解析部1021は、電子文書を構成する頁を、所定の大きさを有する部分に分割する。その後、文書属性解析部1021は、分割した部分を解析することで、当該部分が有する情報量又は情報を取得する。
本実施例では、文書属性解析部1021は、頁を構成する部分が有する情報を取得するとして説明を行う。また、部分が有する情報は、頁を構成する部分が画像情報を有するか否かを表す情報を含む。
また本実施例では、文書属性解析部1021は、頁を主操作方向に、所定の座標値「10」毎に分割することで10の部分に分割するとして説明を行う。尚、座標値は、例えば、ピクセル数を用いて表される。
次に、文書属性解析部1021は、文書属性解析処理の実行対象とした文書名、頁数、及び部分を識別する情報と、文書属性解析処理を実行することで取得した情報とを関連付けて記憶部1030が記憶する表6へ登録する。その後、文書属性解析部1021は、文書属性解析処理の実行を終了する。
ここで表6を参照して、文書属性解析部1021が記憶部1030へ登録する情報について説明する。表6は、文書属性解析部1021が情報を登録する表の一例を表す表である。
表6は、文書名フィールド、頁番号フィールド、y座標フィールド、及び画像フラグフィールドを有する。文書名フィールドは処理対象とした電子文書の名称を、頁番号フィールドは処理対象とした頁番号を、y座標フィールドは処理対象とした部分を識別する情報を、画像フラグフィールドは処理対象とした部分に画像情報を含むか否かを表す情報を保存する。尚、本実施例においては、部分を識別する情報として、識別する部分が開始する主操作方向の座標値を用いる。
次に、文書属性解析部1021は、電子文書を構成する頁を解析することで、各頁が有する情報量を取得する。本実施例では、文書属性解析部1021は、頁が有する情報量として、画像量及び既知単語率を取得するとして説明を行う。
次に、文書属性解析部1021は、文書属性解析処理の実行対象とした文書名及び頁数と、文書属性解析処理を実行することで取得した情報量を表す情報とを関連付けて記憶部1030が記憶する表7へ登録する。
ここで表7を参照して、文書属性解析部1021が記憶部1030へ登録する情報について説明する。表7は、文書属性解析部1021が情報を登録する表の一例を表す表である。
表7は、文書名フィールド、頁番号フィールド、画像量フィールド、及び既知単語率フィールドを有する。文書名フィールドは処理対象とした電子文書の名称を、頁番号フィールドは電子文書の頁番号を、画像量フィールドは頁の画像量を、既知単語率フィールドは頁の既知単語率を保存する。
尚、表6は、文書1の第1頁には画像を含む部分として、座標値「50」、「60」、及び「70」で識別される3つの部分が存在することを表している。よって、文書1の第1頁は、計10個の全部分の内で3個の部分が画像を含むため、表7に示す文書1の第1頁の画像量は「30%」となる。
実施例2において、設定変更部1022は、設定変更処理を実行することで電子文書を構成する頁毎、又は頁を構成する部分毎に定められたスクロール速度を変更する点で実施例1と異なる。
よって以下、実施例2において、設定変更部1022が実行する設定変更処理の一例について説明する。
先ず、設定変更部1022は、記憶部1030が記憶する表2に保存された設定情報を参照する。次に、設定変更部1022は、通信部1010が表示予定と検出情報とを取得したか否かを判断する。先ず、設定変更部1022が、表示予定と検出情報とを取得なかったと判断した場合の処理について説明を行う。
設定変更部1022は、参照した設定情報と、処理対象とする電子文書の文書名と電子文書が有する頁番号と頁を構成する部分を識別する情報とを関連付けて表示するよう表示装置1080を制御する。
次に、設定変更部1022は、入力装置1090から信号を取得し、取得した信号で識別される設定の名称と、文書名、頁番号、及び部分を識別する情報とを関連付けて記憶部1030に更新登録する。
尚、文書名、頁番号、及び部分を識別する情報は、初期値として表2の最上行に登録された設定名と関連付けて登録されており、設定変更部1022によって設定名を変更される。
しかし、これに限定される訳ではなく、文書属性解析部1021が解析した画像量又は既知単語率に基づいて定まる設定名を初期値する構成を採用できる。
具体例としては、頁を構成する部分の画像量が多い、又は既知単語率が高い部分は、文書受信装置2100の使用者は容易に文書の内容を確認できるとみなし、他の部分よりも速いスクロール速度に対応する設定名を初期値とする構成を採用できる。
次に、設定変更部1022が、表示予定と検出情報とを取得したと判断した場合の処理について説明を行う。よって先ず、表8及び9を参照して、実施例2において文書送信装置1000が受信する検出情報について説明する。
表8及び9は、文書名「文書1」及び「文書2」で識別される電子文書に関する検出情報を保存する表である。表8及び9は、時刻フィールド及び検出有無フィールドを有する。時刻フィールドは検出時刻を、検出有無フィールドは文書名「文書1」及び「文書2」で識別される電子文書において目視位置を検出したか否かを表す情報を保存する。
ここで、実施例2において設定変更部1022が実行する設定変更処理の一例について、引き続き説明を行う。
設定変更部1022は、受信した表示予定から、電子文書を構成する頁の各部分に設定されたスクロール速度を取得する。次に、設定変更部1022は、それぞれの検出時刻において表示されていた部分を、取得したスクロール速度に基づいて特定し、特定した部分に対する目視率を算出する。
その後、設定変更部1022は、算出した各部分の目視率に基づいて、各部分に関連付ける設定情報を定める。具体的には、目視率が所定の閾値を下回る部分は、使用者が見落とした部分であるとみなして、他の部分よりも遅いスクロール速度を設定する構成を採用できる。
次に、設定変更部1022は、定めた設定の名称と、電子文書の文書名、頁番号、及び部分を識別する情報とを関連付けて記憶部1030に登録する。その後、設定変更部1022は、設定変更処理の実行を終了する。
閲覧時間算出部1023は、閲覧時間算出処理を実行することで、頁を構成する部分毎に定められたスクロール速度に基づいて閲覧時間を算出する点で実施例1と異なる。
よって以下、閲覧時間算出部1023が実行する閲覧時間算出処理の一例について説明を行う。
先ず、閲覧時間算出部1023は、設定変更部1022が記憶部1030に登録した設定名と、電子文書の文書名、頁番号、及び部分を識別する情報とを関連付けて取得する。
次に、閲覧時間算出部1023は、表2を参照して、先に取得した設定名と関連付けられたスクロール速度を取得する。その後、閲覧時間算出部1023は、頁を構成する部分の大きさに相当する行数を算出する。
その後、閲覧時間算出部1023は、それぞれの部分について算出した行数を、取得したスクロール速度でスクロールした場合に要する時間を算出し、算出した時間を合計することで閲覧時間を算出する。
次に、閲覧時間算出部1023は、文書名と算出した閲覧時間とを関連付けて記憶部1030に登録する。その後、閲覧時間算出部1023は、閲覧時間算出処理の実行を終了する。
計画部1025は、計画処理を実行することで表示予定を計画する。ここで、計画部1025が計画する表示予定は、少なくとも表示する電子文書を識別する名称、電子文書のスクロール速度、及び電子文書の閲覧時間のみならず、電子文書の頁番号、及び頁を構成する部分を識別する情報を関連付けた情報をいう。更に表示予定は、実施例1と同様に、電子文書の表示を開始する時刻をも関連付けた情報を含む構成を採用できる。
スクロール表示制御部2121は、取得した表示予定に従って電子文書をスクロール表示するよう表示装置2180を制御する。
具体的には、スクロール表示制御部2121は、表示装置2180が表示している電子文書の部分に対して関連付けられたスクロール速度を表示予定から取得し、取得したスクロール速度で電子文書をスクロール表示するよう表示装置2180を制御する。
文書送信装置1000は、演算部1001がROM1002、RAM1003、及び外部記憶部1004の少なくともひとつに格納されたプログラムを実行することによって実現される。また、このプログラムは、磁気ディスクや光ディスク、半導体メモリ、その他の記録媒体に格納して配布したり、ネットワークを介して配信したりすることにより提供できる。
文書受信装置2100は、演算部1001に相当する部がROM1002に相当する部、RAM1003に相当する部、及び外部記憶部1004に相当する部の少なくともひとつに格納されたプログラムを実行することによって実現される。また、このプログラムは、磁気ディスクや光ディスク、半導体メモリ、その他の記録媒体に格納して配布したり、ネットワークを介して配信したりすることにより提供できる。
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
上記実施形態では、外部記憶装置はハードディスク(Hard Disk)で構成されるとして説明したが、これに限定されるわけではなく、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、DVD−RAM(Digital Versatile Disk Random Access Memory)、MO(magneto-optic)、及び、フラッシュメモリ(flash memory)で構成される実施形式を採用できる。