JP2009150586A - 熱交換器用フィン材 - Google Patents

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【課題】プレス加工等の成形時に金型に悪影響を与えることがなく、光照射を開始する使用初期の段階から親水性を確保することができ、かつ、光を照射することにより優れた親水性を長期間維持することができる熱交換器用フィン材を提供すること。
【解決手段】アルミニウム又はアルミニウム合金からなる基材2と、基材2の表面に形成された下地層3と、下地層3上に形成された光触媒層4と、光触媒層4上に形成された親水性樹脂層5とからなる熱交換器用フィン材1である。光触媒層4はベース樹脂41に光触媒粒子42を分散させてなる。親水性樹脂層5は膜厚が0.5μm超え3μm以下である。熱交換器用フィン材1は、サイズが長さ50mm、幅50mmであるテストピースを、光触媒粒子42を励起し得る波長の光を照射することなく純水を1L/minでオーバーフローさせた容器中に10分間浸漬する流水テストの前後において水との接触角が40°以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、エアーコンディショナー等の熱交換器に使用される熱交換器用フィン材に関する。
熱交換器は、ルームエアコン、パッケージエアコン、冷凍ショーケース、冷蔵庫、オイルクーラーあるいはラジエータ等の種々の分野に利用されている。
空調機や冷蔵庫における熱交換器としては、多数のプレートフィンとチューブとを組み合わせて構成されるプレートフィンチューブ熱交換器が多用されている。
従来、上記プレートフィンは、アルミニウム板よりなる熱交換器用フィン材に、上記チューブを挿通して固定するための1〜4mm程度の高さのフィンカラー部をプレス加工して作製する。このクロスフィンチューブ熱交換器を構成するクロスフィンチューブは、空気側のアルミニウムからなるフィン材と、冷媒側の銅又は銅合金からなる冷媒配管とから構成されている。
通常、上記プレートフィンチューブ熱交換器は、密に設けられたプレートフィン同士の隙間に凝縮水が留まると、送風時の抵抗が大きくなり、熱交換器性能が低下する。
そのため、アルミニウム板よりなる上記熱交換器用フィン材の表面には、熱交換器の性能を維持するために、水滴落下性を向上したり、水滴を水膜状に広がらせることを目的として、親水性が向上する表面処理が施されている。
しかしながら、これらの表面処理を施した熱交換器用フィン材でも、ある期間使用すると表面に汚れが付着し、親水性が低下してしまう。そのため、定期的に洗浄しないと熱交換器性能が維持できない(特に、室外では車や人通りが多く汚れやすい環境で、室内では調理場や業務用として連続使用されている場合には、親水性の低下が著しい)。
このような問題を解決するために、熱交換器用のフィン材について、汚れの分解や超親水性によるセルフクリーニング効果を特徴とする酸化チタン等の光触媒を用いた技術が多く報告されている(特許文献1、2)。
これらの技術の、酸化チタンを含む塗膜は、塗膜表面にTiO2が露出しており、プレス加工等の成形時に金型に与えるダメージが大きい。
また、塗膜の親水化はある一定時間の光の照射が必要であり、親水化するまでの時間、光が当たらない部分は塗膜が親水化していない問題がある。
これらの問題に対し、プレス加工等の成形時に金型に与えるダメージを防止する策としては、光触媒塗膜の上に潤滑層を設ける方法が提案されている(特許文献3、4)。
一方、親水性に関しては、なんら良い案がないのが現状であり、従来の技術では、汚れにくく親水性が初期の段階から長期にわたって持続でき、成形時に金型に悪影響を与えることがないものはなく、このような特性を有した熱交換起用フィン材の開発が渇望されていた。
特開2000−256579号公報 特開2000−256580号公報 特開2000−354761号公報 特開2000−192250号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、プレス加工等の成形時に金型に悪影響を与えることがなく、光照射を開始する使用初期の段階から親水性を確保することができ、かつ、光を照射することにより優れた親水性を長期間維持することができる熱交換器用フィン材を提供しようとするものである。
なお、本明細書中の「光」は、酸化チタン等の光触媒を励起し得る波長の光であり、紫外光及び太陽光を含む概念である。
本発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金(以下、アルミニウム合金)からなる基材と、該基材の表面に形成された下地層と、該下地層上に形成された光触媒層と、該光触媒層上に形成された親水性樹脂層とからなる熱交換器用フィン材であって、
上記光触媒層は、ベース樹脂に光触媒粒子を分散させてなり、
上記親水性樹脂層は、膜厚が0.5μm超え3μm以下であり、
上記熱交換器用フィン材は、サイズが長さ50mm、幅50mmであるテストピースを、光触媒粒子を励起し得る波長の光を照射することなく純水を1L/minでオーバーフロー容器中に10分間浸漬する流水テストの前後において、水との接触角が40°以下であることを特徴とする熱交換器用フィン材にある(請求項1)。
本発明の熱交換器用フィン材は、上記基材と、上記光触媒層との間に上記下地層が形成されている。該下地層は、上記基材、及び上記光触媒層に対して、良好な密着性を発揮することができ、上記基材と上記光触媒層との密着性を向上することができる。
また、上記熱交換器用フィン材は、上記光触媒層の上に親水性樹脂層を形成しているため、プレス加工等の成形時に金型にダメージを与える光触媒層の露出を防ぎ、優れた成形性を有することができる。また、光の照射が不十分で、光触媒層が親水性を発揮できない初期の段階でも親水性を確保することができる。
そして、光触媒層中の光触媒粒子が光励起されて光触媒層自体が親水性を十分に発揮できる程度に光が照射された段階においては、上記光触媒粒子の分解作用によって不要になった親水性樹脂層が分解される。そのため、親水性を有する光触媒層が表面に露出することとなり親水性を長期に亘って持続することができる。
すなわち、上記熱交換器用フィン材は、使用初期の段階から長期に亘って親水性を持続することができる。
このように、本発明によれば、プレス加工等の成形時に金型に悪影響を与えることがなく、光照射を開始する使用初期の段階から親水性を確保することができ、かつ、光を照射することにより優れた親水性を長期間維持することができる熱交換器用フィン材を提供することができる。
本発明の熱交換器用フィン材は、上述したように、アルミニウム合金からなる基材と、該基材の表面に形成された下地層と、該下地層上に形成された光触媒層と、該光触媒層上に形成された親水性樹脂層とからなる。
上記下地層としては、例えば、リン酸クロメート、クロム酸クロメート等のクロメート処理、クロム酸クロメート以外のリン酸チタン、リン酸ジルコニウム、リン酸モリブデン、リン酸亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム等のノンクロメート処理等の化学皮膜処理(化成処理)により得られる皮膜がある。
上記化成処理方法には、反応型及び塗布型があるが、本発明においては、いずれの手法が採用されてもよい。
また、上記熱交換器用フィン材の上記光触媒層は、ベース樹脂に光触媒粒子を分散させてなる。
上記ベース樹脂は、特に限定されるものではなく、例えば、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。
また、ロールコーターでの塗布が可能で工業的に有利であり、樹脂自身が光触媒によって分解されにくく、樹脂に柔軟性があるという理由から、上記光触媒層のベース樹脂は、シリコーン樹脂であることが好ましい(請求項3)。
上記シリコーン樹脂としては、光触媒層の親水性、乾燥性、密着性を考慮して、親水性シリコーン樹脂と、速乾性シリコーン樹脂とをブレンドすることにより得られるシリコーン樹脂であることが好ましい。
上記光触媒粒子は光励起によって親水性や有機分解性等の光触媒活性を発揮するものである。
上記光触媒粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化鉛、酸化第二鉄、三酸化二ビヒマス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等が挙げられる。
そして、化学的安定性、コスト、安全性の点から、上記光触媒粒子は酸化チタンを用いることが好ましい(請求項4)。
上記酸化チタンは、その結晶形態の違いからルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型があり、いずれも使用可能であるが、光触媒活性が高い点から、アナターゼ型酸化チタンを用いることが好ましい。また、酸化チタンの親水化や有機物分解は酸化チタンの表面で起こる反応であり、表面積が大きいほど、光触媒性能が高いことから、酸化チタンの平均粒径は、100nm以下が好ましく、より好ましくは50nm以下である。さらに好ましくは10nm以下である。また、上記酸化チタンは、アパタイトで表面処理を施したものを用いても良い。
また、上記光触媒層の膜厚は、0.1μm〜10μmであることが好ましい。
上記膜厚が0.1μm未満の場合には、分解効果が十分に得られないおそれがある。一方、上記膜厚が10μmを超える場合には、熱交換器用フィン材の伝熱性を低下させるおそれがある。
また、上記熱交換器用フィン材の上記親水性樹脂層は、膜厚が0.5μm超え3μm以下である。
上記親水性樹脂層の膜厚が0.5μm以下の場合には、初期段階に必要な親水性が確保できないばかりでなく、成形加工時に十分な潤滑性を発揮することができない。一方、上記親水性樹脂層の膜厚が3μmを超える場合には、光触媒層に十分に光を照射することができず、光触媒粒子の効果を得ることができないばかりでなく、熱交換器用フィン材の伝熱性を低下させるという問題がある。
また、上記熱交換器用フィン材は、光触媒粒子を励起し得る波長の光を照射することなく純水を1L/minでオーバーフローさせた容器中に10分間浸漬する流水テストの前後において、水との接触角が40°以下である。
上記接触角が40°を超える場合には、光照射開始の光の照射が不十分で、光触媒層が親水性を発揮できない初期の段階や、光が当たらない部分において、必要な親水性を確保することができない。
すなわち、上記親水性樹脂層は、熱交換器用フィン材が熱交換器に組み込まれて使用される際に残存し、光照射開始の光の照射が不十分で、光触媒層が親水性を発揮できない初期の段階において親水性を発揮する必要がある。
そのため、上記親水性樹脂層を構成する成分は、熱交換器製造工程中の水没による検圧工程や、運転で発生する凝縮水等によって親水性樹脂層が除去されることがない、すなわち、初期段階において、水に溶解し難く除去され難い性質を有し、親水性が維持できるものであれば特に限定されない。
上記親水性樹脂層を構成する成分としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂(ポリビニルアルコールとその誘導体)、ポリアクリルアミド系樹脂(ポリアクリルアミドとその誘導体)、ポリアクリル酸系樹脂(ポリアクリル酸とその誘導体)、セルロース系樹脂(カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース系アンモニウム等)、ポリエチレングリコール系樹脂(ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド等)等が上げられる。上記親水性樹脂層は、これらの成分から適宜選択して構成することが好ましく、上述の特性を有することができれば、1種より構成してもよいし、2種以上を混合して構成してもよい。また、上記親水性樹脂層は、水分散性シリカ(コロイダルシリカ)、アルカリケイ酸塩(水ガラス)等を含んでもよい。また、上述の特性を有するように、上記列挙した成分の分子量、構造式等を制御することが好ましい。
また、上記親水性樹脂層上に、さらに、水溶性潤滑剤からなる潤滑層を有することが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記熱交換器用フィン材に、さらに優れた成形性を付与することができる。
上記潤滑層は、水溶性潤滑剤からなるため、熱交換器用フィン材が熱交換器に組み込まれて使用される際には、除去されている。
上記潤滑層を構成する成分としては、潤滑性を有し、且つ、熱交換器製造工程中の水没による検圧工程や、初期運転で発生する凝縮水等により容易に除去されるものであればよく、例えば、ポリエチレングリコール系樹脂、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等が挙げられる。乾燥性を考慮すると、上記潤滑層は、分子量3000〜30000のポリエチレングリコールからなることが好ましい。
また、上記潤滑層は、膜厚が0.05μm〜1μmであることが好ましい。
(実施例1)
本例は、本発明の熱交換器用フィン材にかかる実施例及び比較例として、熱交換器用フィン材(試料E1〜試料E6、及び試料C1〜試料C6)を作製した。
本例の熱交換器用フィン材は、図1に示すように、アルミニウム合金からなる基材2と、該基材2の表面に形成された下地層3と、該下地層3上に形成された光触媒層4と、該光触媒層4上に形成された親水性樹脂層5とからなる。上記光触媒層4は、ベース樹脂41に光触媒粒子42を分散させてなる。
以下、これを詳説する。
まず、上記アルミニウム合金からなる基材2として、材質JIS A 1050−H26、厚さ0.1mmを準備した。
また、光触媒層用のベース樹脂41として、信越化学製シリコーンレジンX−52−8212を70重量部と、信越化学製シリコーンレジンX−52−8148を30重量部とを混合したシリコーン樹脂を用意した。
また、光触媒層用の光触媒粒子42として、粒径7μmのアナターゼ型二酸化チタン(石原産業社製ST−01を水に分散したもの)を用意した。
また、表1に示す成分組成を有する親水性樹脂層用の塗料(塗料A、B、C)を準備した。
Figure 2009150586
次に、熱交換器用フィン材1の製造方法について説明する。
まず、上記基材2に対してリン酸クロメートを浸漬処理することにより、基材2の表面に下地層3を形成した。
その後、上記下地層3の上に、上記光触媒層用ベース樹脂41に上記光触媒粒子42を表2に示す添加量添加した光触媒層用の塗料をバーコーターで塗布し、180℃で20秒焼付けて厚さ2μmの光触媒層4を形成した。
次に、上記光触媒層4上に、さらに、親水性樹脂層用の塗料(塗料A〜塗料Cのいずれか)を水で希釈したものをバーコーターを用いて塗布し、焼付けを行い、表2に示す膜厚を有する親水性樹脂層5を形成した。
さらに、必要に応じて分子量10000のポリエチレングリコールを塗布し、表2に示す膜厚を有する水溶性塗膜6を形成し、熱交換器用フィン材1(試料E1〜試料E6、及び試料C1〜試料C6)を作製した。
Figure 2009150586
次に、得られた熱交換器用フィン材1について、初期親水性を評価した。結果を表2に併せて示す。
<初期親水性>
初期親水性の評価は、まず、サイズが長さ50mm、幅50mmであるテストピースを、光触媒粒子42を励起し得る波長の光を照射することなく純水を1L/minでオーバーフローさせた容器中に、熱交換器用フィン材1を10分間浸漬する流水テストを行った。その後、流水テストに供した熱交換器用フィン材1を自然乾燥し、その表面に純水を2μL滴下し、それによって生じた水滴の接触角を、ゴニオメーターを用いて測定した。流水テストの前後において、いずれの接触角も40°以下である場合は初期親水性を合格とし、いずれか一方でも接触角が40°を超える場合は初期親水性を不合格とした。
表2より、実施例としての試料E1〜試料E6の熱交換器用フィン材1は、親水性樹脂層5の膜厚が0.5μm超え3μm以下であり、また、流水テストの前後において、水との接触角が40°以下であることがわかる。
また、作製した熱交換器用フィン材1(試料E1〜試料E6、及び試料C1〜試料C6)について、親水性、成形性、及び有機物分解性の評価を行った。結果を表3に示す。
<親水性>
親水性は、上記流水テストに供した後、上記熱交換器用フィン材1の表面を自然乾燥し、その後、波長310〜400nmの紫外線を1500μW/cm2の強さで連続照射し、紫外線照射後0時間、100時間、250時間、500時間における水との接触角を測定することにより評価した。
上記接触角は、熱交換器用フィン材1の表面に純水を2μL滴下し、それによって生じた水滴の接触角をゴニオメーターで測定した。
接触角が15°未満の場合を評価◎とし、接触角が15°以上40°以下の場合を評価○とし、接触角が40°より大きい場合を評価×とした。
紫外線照射後0時間、100時間、250時間、500時間における評価がいずれも○又は◎である場合を合格とし、紫外線照射後0時間、100時間、250時間、500時間における評価のうちいずれかひとつでも×がある場合を不合格とする。
<成形性>
成形性は、バウデン・レーベン式摩擦試験機を用いて、下記に示す測定条件で摩擦係数を測定することにより評価した。評価が○の場合を合格、評価が×の場合を不合格とする。
(測定条件)
剛球直径:3/16”(4.76mm)
荷重:200kgf(1.96N)
滑り速度:240mm/min
塗油:なし
(評価基準)
○:摩擦係数が0.15未満の場合、
×:摩擦係数が0.15以上の場合。
<有機物分解性>
有機物分解性の評価は、図2に示すように、熱交換器用フィン材1にメチレンブルー水溶液7を接触させて紫外線8を照射することにより行った。具体的には、まず、熱交換器用フィン材1の表面11に、2cm×2cmの貫通穴を有する両面テープ91を積層した。次いで、上記熱交換器用フィン材1と上記両面テープ91の貫通穴とにより形成された凹部92にメチレンブルー水溶液7を入れて熱交換器用フィン材1の表面とメチレンブルー水溶液7とを接触させた。その上に厚さ1mmのPET樹脂板93を積層して、密封状態とした。この状態で、上記PET樹脂板93を介して上記メチレンブルー水溶液7に1500μW/cm2の紫外線8を1時間照射し、メチレンブルー水溶液7の色の変化を観察することにより行った。メチレンブルー水溶液7の青色が薄くなれば良好と判断した。
<判定>
そして、上記親水性及び成形性が合格であり、有機物分解性が良好である場合は合格とし、上記親水性、成形性、有機物分解性のうち一つでも不合格あるいは不良である場合には不合格とした。
Figure 2009150586
表3より知られるごとく、実施例としての試料E1〜試料E6は、親水性、成形性、有機物分解性のいずれの項目においても良好な結果を示し、合格であった。
これにより、本発明によれば、プレス加工等の成形時に金型に悪影響を与えることがなく、光照射を開始する使用初期の段階から親水性を確保することができ、かつ、光を照射することにより優れた親水性を長期間維持することができる熱交換器用フィン材を得ることができることが分かる。
また、表3より知られるごとく、比較例としての試料C1及び試料C2は、親水樹脂層の膜厚が本発明の下限を下回るため、必要な親水性が確保できないばかりでなく、成形加工時に十分な潤滑性を発揮することができず、親水性及び成形性が不合格であった。
また、比較例としての試料C3〜試料C5は、親水性樹脂層を有していないため、流水テスト後の接触角が本発明の上限を上回り、親水性が確保できないばかりでなく、成形加工時に十分な潤滑性を発揮することができず、親水性、成形性が不合格であった。
また、比較例としての試料C6は、流水テスト後の接触角が本発明の上限を上回るため、必要な親水性を確保することができず、親水性が不合格であった。
実施例1における、熱交換器用フィン材を示す説明図。 実施例1における、有機物分解性の評価方法を示す説明図。
符号の説明
1 熱交換器用アルミニウムフィン材
2 基材
3 下地層
4 光触媒層
41 ベース樹脂
42 光触媒粒子
5 親水性樹脂層

Claims (4)

  1. アルミニウム又はアルミニウム合金(以下、アルミニウム合金)からなる基材と、該基材の表面に形成された下地層と、該下地層上に形成された光触媒層と、該光触媒層上に形成された親水性樹脂層とからなる熱交換器用フィン材であって、
    上記光触媒層は、ベース樹脂に光触媒粒子を分散させてなり、
    上記親水性樹脂層は、膜厚が0.5μm超え3μm以下であり、
    上記熱交換器用フィン材は、サイズが長さ50mm、幅50mmであるテストピースを、光触媒粒子を励起し得る波長の光を照射することなく純水を1L/minでオーバーフロー容器中に10分間浸漬する流水テストの前後において、水との接触角が40°以下であることを特徴とする熱交換器用フィン材。
  2. 請求項1において、上記親水性樹脂層上に、さらに、水溶性潤滑剤からなる潤滑層を有することを特徴とする熱交換器用フィン材。
  3. 請求項1又は2において、上記光触媒層のベース樹脂は、シリコーン樹脂であることを特徴とする熱交換器用フィン材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、上記光触媒粒子は、酸化チタンであることを特徴とする熱交換器用フィン材。
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