JP2009150246A - 燃料噴射弁の異常検出装置及びその検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】噴射異常判定の精度向上を図った燃料噴射弁の異常検出装置を提供する。
【解決手段】多気筒エンジンの運転中に、特定のインジェクタに対して噴射指令信号が入力されないよう休止制御を実行する休止制御手段と、休止制御の実行に伴い生じたエンジンの状態変化を検出する状態変化検出手段と、を備える。これによれば、正常なインジェクタに対して休止制御を実行した場合にはエンジンの状態変化が大きく生じるのに対し、無噴射異常が生じているインジェクタに対して休止制御を実行した場合には、そもそも正常には噴射されていない燃料を噴射停止させるだけなので、エンジンの状態変化は殆ど生じない。したがって、複数のインジェクタに対して休止制御を順次実行し、状態変化が殆ど生じなかった燃料噴射弁について噴射異常であると判定することができる。
【選択図】 図5
【解決手段】多気筒エンジンの運転中に、特定のインジェクタに対して噴射指令信号が入力されないよう休止制御を実行する休止制御手段と、休止制御の実行に伴い生じたエンジンの状態変化を検出する状態変化検出手段と、を備える。これによれば、正常なインジェクタに対して休止制御を実行した場合にはエンジンの状態変化が大きく生じるのに対し、無噴射異常が生じているインジェクタに対して休止制御を実行した場合には、そもそも正常には噴射されていない燃料を噴射停止させるだけなので、エンジンの状態変化は殆ど生じない。したがって、複数のインジェクタに対して休止制御を順次実行し、状態変化が殆ど生じなかった燃料噴射弁について噴射異常であると判定することができる。
【選択図】 図5
Description
本発明は、多気筒内燃機関の各気筒に設けられた燃料噴射弁に対し、無噴射又は噴射量不足との噴射異常を検出する燃料噴射弁の異常検出装置及びその検出方法に関する。
従来より、燃料噴射弁の内部に燃料中の異物が詰まることで噴射孔を開閉作動させるリフト機構が作動不良を起こしたり、噴射孔にデポジットが付着することが原因で、燃料噴射弁に噴射指令信号が入力されているにも拘わらず無噴射又は噴射量不足との噴射異常が発生することが問題となっている。
ところで、多気筒内燃機関における各気筒の燃料噴射量ばらつきが生じていると、1燃焼サイクル中における機関回転速度の変動が生じることとなる。そこで、1燃焼サイクル期間における平均回転速度と、各気筒の爆発行程時の瞬時回転速度との偏差に応じて、各気筒の燃料噴射量を補正して前記変動を抑制する制御が一般的に知られている。したがって、この補正量は、上記噴射異常が発生している燃料噴射弁については大きな値となる。この点に着目した特許文献1記載の異常検出装置では、前記補正量が所定値を超えて大きくなった場合に、該当する燃料噴射弁が噴射異常であると判定している。
特開平2−5736号公報
しかしながら、実際には、噴射異常が発生していたとしてもその燃料噴射弁による瞬時回転速度と前記平均回転速度との違いは大きく現れないため、噴射異常以外の他の要因に起因して両回転速度に違いが現れた場合であっても噴射異常と判定してしまい、誤判定が生じやすい。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、噴射異常判定の精度向上を図った燃料噴射弁の異常検出装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明では、噴射指令信号が入力されたことに伴い燃料を噴射する、多気筒内燃機関の各気筒に設けられた燃料噴射弁に適用され、前記噴射指令信号が入力されているにも拘わらず無噴射又は噴射量不足となっている噴射異常を検出する燃料噴射弁の異常検出装置であって、
前記内燃機関の運転中に、特定の前記燃料噴射弁に対して前記噴射指令信号が入力されないよう休止制御を実行する休止制御手段と、
前記休止制御の実行に伴い生じた前記内燃機関の状態変化を検出する状態変化検出手段と、
を備えることを特徴とする。
前記内燃機関の運転中に、特定の前記燃料噴射弁に対して前記噴射指令信号が入力されないよう休止制御を実行する休止制御手段と、
前記休止制御の実行に伴い生じた前記内燃機関の状態変化を検出する状態変化検出手段と、
を備えることを特徴とする。
これによれば、噴射異常が生じていない正常な燃料噴射弁に対して休止制御を実行した場合には、噴射されていた燃料が突然噴射停止されることとなるため、内燃機関の状態変化が大きく生じる。一方、噴射異常が生じている燃料噴射弁に対して休止制御を実行した場合には、そもそも正常には噴射されていない燃料を噴射停止させるだけなので、内燃機関の状態変化は殆ど生じない。したがって、複数の燃料噴射弁に対して休止制御を順次実行し、状態変化が殆ど生じなかった燃料噴射弁について噴射異常であると判定できる。
さらに本発明では、正常な燃料噴射弁に対して生じた内燃機関の状態変化と、噴射異常の燃料噴射弁に対して生じた状態変化とを比較して、それらの状態変化の度合いが異なるか否かを判定することで噴射異常を判定することができる。そして、先述の通り、休止制御の実行に伴う内燃機関の状態変化は、正常な燃料噴射弁に対しては大きく生じ、噴射異常の燃料噴射弁に対しては殆ど生じることはない。よって、噴射異常の誤判定を低減して噴射異常判定の精度向上を図ることができる。
さらに本発明によれば、1燃焼サイクル期間より長い期間に亘り特定の燃料噴射弁に対して休止制御を実行するようにもでき、この場合には、上記状態変化の度合いの違いをより正確に判定できるので、噴射異常判定の精度をより一層向上できる。
請求項2記載の発明では、前記休止制御を実行しているにも拘わらず前記状態変化が検出されなかった場合に、その休止制御が実行されている前記特定の燃料噴射弁を前記噴射異常であると判定する異常判定手段を備えることを特徴とする。これによれば、異常判定手段を用いて噴射異常の判定を行なうので、状態変化検出手段による検出結果を見て作業者が噴射異常を判定する場合に比べて、噴射異常検出の作業性を向上できる。
請求項3記載の発明では、運転者によるアクセル操作が為されていない時に、機関回転速度が設定値以上となるよう複数の前記燃料噴射弁の目標噴射量を設定することで、前記内燃機関をアイドル運転させるISC制御手段を備え、前記休止制御手段は、前記ISC制御手段によりアイドル運転されている時に前記休止制御を実行することを特徴とする。
これによれば、正常な燃料噴射弁に対して休止制御を実行した場合には、その休止制御直後の機関回転速度は低下し、その結果、ISC制御手段により機関回転速度が設定値以上となるよう目標噴射量が大きくなるよう設定されることとなる。すると、他の正常な燃料噴射弁に対して噴射量が増量補正されることとなり、ひいては、爆発行程時の瞬時回転速度が増大し、1燃焼サイクル中における瞬時回転速度の変動も大きくなる。
一方、噴射異常が生じている燃料噴射弁に対して休止制御を実行した場合には、そもそも正常には噴射されていない燃料を噴射停止させるだけなので、他の正常な燃料噴射弁に対する噴射量や瞬時回転速度の状態変化は殆ど生じない。したがって、ISC制御手段によりアイドル運転されている時に休止制御を実行する本発明によれば、上述の如く燃料噴射量や機関回転速度の状態が変化することとなるので、このような状態変化を状態変化検出手段により検出することで、噴射異常を検出できる。
しかも、内燃機関が車両に搭載されて当該車両の走行駆動源として機能している場合においては、走行停止時に噴射異常が検出されるので、走行中に停止制御を実行させることによるドライバビリティ低下を回避できる。また、アイドル運転時に噴射異常を検出できるので、車両を修理点検する修理場にて噴射異常を検出する作業を行なう場合において、機関回転速度が低い状態で作業を行なうことができ、噴射異常検出の作業性を良好にできる。
請求項4記載の発明では、運転者によるアクセル操作が為されていない時に、機関回転速度が設定値以上となるよう複数の前記燃料噴射弁の目標噴射量を設定することで、前記内燃機関をアイドル運転させるISC制御手段を備え、前記休止制御手段は、前記ISC制御手段の非実行時であり、アクセル操作量及び機関回転速度に応じて前記目標噴射量を設定しているアクセル応答運転時に前記休止制御を実行することを特徴とする。
これによれば、正常な燃料噴射弁に対して休止制御を実行した場合には、その休止制御直後の機関回転速度は低下し、その結果、アクセル操作量及び機関回転速度に応じて設定される目標噴射量は、大きくなるよう設定されることとなる。すると、他の正常な燃料噴射弁に対して噴射量が増量補正されることとなり、ひいては、爆発行程時の瞬時回転速度が増大し、1燃焼サイクル中における瞬時回転速度の変動も大きくなる。
一方、噴射異常が生じている燃料噴射弁に対して休止制御を実行した場合には、そもそも正常には噴射されていない燃料を噴射停止させるだけなので、他の正常な燃料噴射弁に対する噴射量や瞬時回転速度の状態変化は殆ど生じない。したがって、アクセル操作量及び機関回転速度に応じて目標噴射量を設定しているアクセル応答運転時に休止制御を実行する本発明によれば、上述の如く燃料噴射量や機関回転速度の状態が変化することとなるので、このような状態変化を状態変化検出手段により検出することで、噴射異常を検出できる。しかも、本発明によれば、噴射異常の検出をアイドル運転以外の時にも実行できる。
請求項5記載の発明では、前記内燃機関が搭載された車両の走行停止時、かつ、前記アクセル操作が為されていない時に、前記アクセル操作が為された状態を強制的に実行させることで、ISC制御手段を実行させることなく前記機関回転速度を強制上昇させる回転速度強制上昇手段を備え、前記アクセル応答運転時とは、前記回転速度強制上昇手段を実行させている時であることを特徴とする。
これによれば、内燃機関が車両に搭載されて当該車両の走行駆動源として機能している場合においては、走行を停止させたアイドル運転時に回転速度強制上昇手段により機関回転速度を強制上昇させて噴射異常を検出できるので、車両を修理点検する修理場にて噴射異常を検出する作業を行なう場合においても、車両を走行停止させた状態で作業を行なうことができる。しかも、ISC制御が実行されたアイドル運転時に比べて機関回転速度が高い状態で噴射異常を検出するので、正常な燃料噴射弁に対して生じる休止制御の実行に伴う状態変化が大きくなる。よって、噴射異常判定の精度向上を図ることができる。
請求項6記載の発明では、運転者によるアクセル操作量がゼロに操作されて減速要求された時に、複数の前記燃料噴射弁の目標噴射量を徐々に減量させてゼロにする減速なまし制御手段を備え、前記休止制御手段は、前記減速なまし制御手段の実行時に前記休止制御を実行することを特徴とする。
ここで、減速なまし制御を実行させることにより、アクセル操作量がゼロに操作されても燃料噴射が即座にカットされることはなく徐々に減量されることとなるため、機関回転速度が急激に下降することは抑制され、急減速によるショックを低減できる。しかしながら、このような減速なまし制御の実行時に正常な燃料噴射弁に対して休止制御を実行した場合には、その休止制御の実行後即座に燃料噴射がカットされることとなるので、休止制御直後の機関回転速度は急激に下降することとなる。
一方、噴射異常が生じている燃料噴射弁に対して休止制御を実行した場合には、そもそも正常には噴射されていない燃料を噴射停止させるだけなので、機関回転速度の状態変化は殆ど生じない。したがって、減速なまし制御の実行時に休止制御を実行する本発明によれば、上述の如く機関回転速度が急激に下降するよう状態変化することとなるので、このような状態変化を状態変化検出手段により検出することで、噴射異常を検出できる。
請求項7記載の発明では、前記状態変化検出手段は、前記休止制御が実行されている前記特定の燃料噴射弁以外の燃料噴射弁の燃料噴射量の変化を、前記状態変化として少なくとも検出することを特徴とする。請求項8記載の発明では、前記状態変化検出手段は、機関回転速度の変化を前記状態変化として少なくとも検出することを特徴とする。請求項9記載の発明では、前記状態変化検出手段は、前記内燃機関の作動音の変化を前記状態変化として少なくとも検出することを特徴とする。
請求項10記載の発明では、前記内燃機関は、車両に搭載されて当該車両の走行駆動源として機能しており、前記休止制御手段は、前記車両に搭載されて前記燃料噴射弁の作動を制御する電子制御装置に備えられるとともに、車両外部からの休止指令信号に基づき前記休止制御を実行することを特徴とする。これによれば、車両を修理点検する修理場にて噴射異常を検出する作業を行なう場合において、修理場にて準備されたサービスツールを車両に搭載された電子制御装置に接続し、サービスツールから電子制御装置に休止指令信号を出力することで、電子制御装置が休止制御を実行することとなる。よって、作業者の任意のタイミングで休止制御を実行させることができるので、その噴射異常検出作業の作業性を良好にできる。
請求項11記載の発明では、前記内燃機関は、車両に搭載されて当該車両の走行駆動源として機能しており、前記休止制御手段及び前記状態変化検出手段の少なくとも1つは、車両外部の診断機器により構成されていることを特徴とする。これによれば、車両を修理点検する修理場にて噴射異常を検出する作業を行なう場合において、修理場にて準備された診断機器により、燃料噴射弁に出力された噴射指令信号を無効にさせることで当該診断機器を休止制御手段として機能させることができる。また、修理場にて準備された診断機器により、噴射量、機関回転速度及び作動音等の状態変化を検出することで当該診断機器を状態変化検出手段として機能させることができる。
請求項12記載の発明では、噴射指令信号が入力されたことに伴い燃料を噴射する、多気筒内燃機関の各気筒に設けられた燃料噴射弁に適用され、前記噴射指令信号が入力されているにも拘わらず無噴射又は噴射量不足となっている噴射異常を検出する燃料噴射弁の異常検出方法であって、
前記内燃機関の所定運転状態時に、特定の前記燃料噴射弁に対して前記噴射指令信号が入力されないよう休止操作する休止操作手順と、
前記内燃機関の運転状態が、前記休止操作の実行時と非実行時とで変化するか否かを判定する状態変化判定手順と、
前記運転状態が変化していないと判定した場合に、その休止操作が実行されている前記特定の燃料噴射弁を前記噴射異常であると判定する異常判定手順と、
を含むことを特徴とする。
前記内燃機関の所定運転状態時に、特定の前記燃料噴射弁に対して前記噴射指令信号が入力されないよう休止操作する休止操作手順と、
前記内燃機関の運転状態が、前記休止操作の実行時と非実行時とで変化するか否かを判定する状態変化判定手順と、
前記運転状態が変化していないと判定した場合に、その休止操作が実行されている前記特定の燃料噴射弁を前記噴射異常であると判定する異常判定手順と、
を含むことを特徴とする。
これによれば、例えば内燃機関を修理点検する修理場にて噴射異常を検出する作業を行なう場合において、噴射異常が生じていない正常な燃料噴射弁に対して休止操作を実行した場合には、噴射されていた燃料が突然噴射停止されることとなるため、内燃機関の状態変化が大きく生じる。一方、噴射異常が生じている燃料噴射弁に対して休止操作を実行した場合には、そもそも正常には噴射されていない燃料を噴射停止させるだけなので、内燃機関の状態変化は殆ど生じない。したがって、複数の燃料噴射弁に対して休止操作を順次実行し、状態変化が殆ど生じなかった燃料噴射弁について噴射異常であると判定できる。
さらに本発明では、正常な燃料噴射弁に対して生じた内燃機関の状態変化と、噴射異常の燃料噴射弁に対して生じた状態変化とを比較して、それらの状態変化の度合いが異なるか否かを判定することで噴射異常を判定することができる。そして、先述の通り、休止操作の実行に伴う内燃機関の状態変化は、正常な燃料噴射弁に対しては大きく生じ、噴射異常の燃料噴射弁に対しては殆ど生じることはない。よって、噴射異常の誤判定を低減して噴射異常判定の精度向上を図ることができる。
さらに本発明によれば、1燃焼サイクル期間より長い期間に亘り特定の燃料噴射弁に対して休止操作を実行するようにもでき、この場合には、上記状態変化の度合いの違いをより正確に判定できるので、噴射異常判定の精度をより一層向上できる。
請求項13記載の発明では、運転者によるアクセル操作が為されていない時に、機関回転速度が設定値以上となるよう複数の前記燃料噴射弁の目標噴射量を設定することで、前記内燃機関をアイドル運転させるISC制御手段を備えた内燃機関に適用され、前記休止操作手順では、前記ISC制御手段によりアイドル運転されている時に前記休止操作を実行することを特徴とする。
これによれば、上記請求項3と同様の作用効果が奏される。すなわち、燃料噴射量や機関回転速度の状態変化を状態変化検出手段により検出することで噴射異常を検出できるとともに、車両を修理点検する修理場にて噴射異常を検出する作業を行なう場合において、機関回転速度が低い状態で作業を行なうことができ、噴射異常検出の作業性を良好にできる。
請求項14記載の発明では、運転者によるアクセル操作が為されていない時に、機関回転速度が設定値以上となるよう複数の前記燃料噴射弁の目標噴射量を設定することで、前記内燃機関をアイドル運転させるISC制御手段を備えた内燃機関に適用され、前記休止操作手順では、前記ISC制御手段の非実行時であり、アクセル操作量及び機関回転速度に応じて前記目標噴射量を設定しているアクセル応答運転時に前記休止操作を実行することを特徴とする。
これによれば、上記請求項4と同様の作用効果が奏される。すなわち、燃料噴射量や機関回転速度の状態変化を状態変化検出手段により検出することで噴射異常を検出できるとともに、噴射異常の検出をアイドル運転以外の時にも実行できる。
請求項15記載の発明では、前記アクセル操作が為されていない時に、前記アクセル操作が為された状態を強制的に実行させることで、ISC制御手段を実行させることなく前記機関回転速度を強制上昇させる回転速度強制上昇手順をさらに含み、前記休止操作手順では、前記回転速度強制上昇手段を実行させている時に前記休止操作を実行することを特徴とする。これによれば、ISC制御が実行されたアイドル運転時に比べて機関回転速度が高い状態で噴射異常を検出するので、正常な燃料噴射弁に対して生じる休止制御の実行に伴う状態変化が大きくなる。よって、噴射異常判定の精度向上を図ることができる。
ここで、前記内燃機関は、車両に搭載されて当該車両の走行駆動源として機能しており、前記車両には、前記噴射指令信号を前記燃料噴射弁に出力する電子制御装置が搭載されている場合において、前記休止操作手順を実行するにあたり、請求項16記載の発明では、前記電子制御装置から出力された前記噴射指令信号を無効にするよう、車両外部の診断機器を用いて前記休止操作を行なうことを特徴とし、請求項17記載の発明では、前記電子制御装置から出力された前記噴射指令信号を前記燃料噴射弁に送信するハーネスのコネクタ接続を取り外すことで前記休止操作を行なうことを特徴とする。
請求項16記載の休止操作手順によれば、請求項17記載のコネクタ接続を取り外す作業を不要にできる。一方、請求項17記載の休止操作手順によれば、外部の診断機器を要することなく休止操作を実行できる。
請求項18記載の発明では、前記状態変化判定手順では、前記休止操作が実行されている前記特定の燃料噴射弁以外の燃料噴射弁の燃料噴射量の変化に基づき、前記運転状態の変化の有無を判定することを特徴とする。請求項19記載の発明では、前記状態変化判定手順では、機関回転速度の変化に基づき前記運転状態の変化の有無を判定することを特徴とする。
請求項20記載の発明では、前記状態変化判定手順では、前記内燃機関の作動音の変化に基づき前記運転状態の変化の有無を判定することを特徴とする。そして、当該作動音の変化は、異常検出作業者が耳で聞いて判定することも可能であり、作動音を検出する状態変化検出ツールを用いて判定することも可能である。
以下、本発明を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本実施形態では、車両に搭載されて走行駆動源として機能するディーゼルエンジン(内燃機関)のインジェクタ(燃料噴射弁)を、異常検出装置の検出対象としており、図1は、当該ディーゼルエンジンの燃料噴射制御システムを示す全体構成図である。
本実施形態では、車両に搭載されて走行駆動源として機能するディーゼルエンジン(内燃機関)のインジェクタ(燃料噴射弁)を、異常検出装置の検出対象としており、図1は、当該ディーゼルエンジンの燃料噴射制御システムを示す全体構成図である。
図1に示すように、燃料タンク11内の燃料は、燃料フィルタ12を介して燃料ポンプ13によって汲み上げられる。この燃料ポンプ13が備えるプランジャは、ディーゼルエンジンの出力軸であるクランク軸14から動力を付与されることで、上死点及び下死点間を往復運動するものであり、これにより、燃料の吸入及び吐出が行なわれる。燃料ポンプ13から吐出される燃料は、コモンレール15に加圧供給(圧送)される。コモンレール15は、燃料ポンプ13から圧送された燃料を高圧状態で蓄え、高圧燃料通路16を介して各気筒(ここでは、4気筒を例示)のインジェクタ17に分配供給する。なお、インジェクタ17に供給された燃料の余剰分は、低圧燃料通路18を介して燃料タンク11に戻される。
上記エンジンシステムは、クランク軸14の回転角度を検出するクランク角センサ19等、ディーゼルエンジンの運転状態を検出する各種センサを備えている。また、エンジンシステムは、ユーザによる加速要求に応じて操作されるアクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ20を備えている。これらセンサ19,20の検出信号は電子制御装置(ECU30)に入力される。
一方、ECU30は、マイクロコンピュータを主体として構成され、上記各種センサ19,20の検出結果に基づきディーゼルエンジンの出力を制御する。この出力制御は、基本的には、ユーザによるアクセルペダルの操作量に応じて行なわれる。しかし、アクセルペダルが解放されているときであっても、ディーゼルエンジンの運転状態を安定化させるべく、クランク軸14の回転速度を目標値(設定値)にフィードバック制御する周知のアイドル回転速度制御(ISC制御)を行なう。
図2に、本実施形態にかかるISC制御の処理手順を示す。この処理は、ECU30により、所定周期(例えば先述のマイコンが行なう演算周期)毎又は所定のクランク角度毎に繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、ISC制御の実行条件が成立しているか否かを判断する。この実行条件は、例えば、(イ)アクセルセンサ20によって検出されるアクセルペダルの操作量が略ゼロであること、(ロ)車速センサによって検出される車速が略ゼロであり走行停止状態であること、等である。
上記条件が成立すると判断されると、ステップS12において、クランク軸14の回転速度を、アイドル時の目標値へフィードバック制御するための噴射量Qを算出する。ここで、噴射量Qは、目標値への制御のためのフィードフォワード項である基本噴射量と、クランク角センサ19の検出値に基づく実際の回転速度と目標値との差に応じたフィードバック補正量QISCとの和である。
続くステップS14〜ステップS26においては、クランク軸14の回転速度を平滑化する処理を行なう。これは、クランク軸14の瞬時回転速度は、図3(a)に示すように、各気筒の燃料噴射タイミングに同期して上昇するが、その上昇量は、気筒間でばらつきを有することがあるために行なう処理である。
具体的には、まずステップS14において、各気筒の燃料噴射タイミングに同期した回転上昇量DNEkの平均値DNEAを算出する。これら回転上昇量DNEkは、図3(a)に示すように、各気筒の燃料噴射のタイミングに同期して回転速度が上昇し始める前の回転速度の極小値と回転速度の上昇による極大値との差である。上記平均値DNEAが算出されると、ステップS16〜S26において、各気筒の回転上昇量DNEkと平均値DNEAとの大小に応じて、気筒間の回転変動を平滑化するための補正量FCCBを増加又は減少させる。すなわち、平均値DNEAよりも回転上昇量DNEkの方が大きいときには、ステップS20において補正量FCCBを所定量qだけ減少補正し、平均値DNEAよりも回転上昇量DNEkの方が小さいときには、ステップS22において補正量FCCBを所定量qだけ増加補正する。なお、回転上昇量DNEkと平均値DNEAとが略等しいときには、補正量FCCBを補正しないことが望ましい。
こうして全ての気筒について補正量FCCBの補正がなされると、ステップS28において、1燃焼サイクルにおいて要求される気筒毎の噴射量を、上記噴射量Qと補正量FCCBとの和として算出する。このように算出された噴射量を指令噴射量とすることによって、実際の回転速度を目標値とすることができるのみならず、図3(b)に示すように、気筒間の回転速度のばらつきを補償することもできる。
ここで、複数のインジェクタ17の各々にはECU30から噴射パルス信号が出力されており、噴射パルス信号のパルスオンの期間中は、インジェクタ17に形成された噴射孔を開閉する弁体を作動させるアクチュエータ(電磁ソレノイド又はピエゾ素子)が開作動して燃料が噴射され、パルスオフの期間中は燃料噴射を停止する。特許請求の範囲に記載の「噴射指令信号」は、噴射パルス信号のパルスオンに相当する。そして、上記ステップS28の処理が完了すると、ステップS30において、上記算出された指令噴射量に応じてパルスオン時間が設定された噴射パルス信号を、各々のインジェクタ17に出力する。
これにより、インジェクタ17が正常であれば、ステップS28にて算出された指令噴射量にて燃料が噴射されることとなる。なお、上記ステップS10において実行条件が成立していないと判断されるときや、ステップS30の処理が完了するときには、この一連の処理を一旦終了する。上記態様にてアイドル運転時に、クランク軸14の回転速度を目標値に適切に制御することができる。
ところで、インジェクタ17の内部に燃料中の異物が詰まることで噴射孔を開閉作動させるリフト機構が作動不良を起こしたり、噴射孔にデポジットが付着することが原因で、ステップS30の処理による噴射指令信号がインジェクタ17に出力されているにも拘わらず、無噴射又は噴射量不足との噴射異常が発生する場合がある。
次に、このような噴射異常(本実施形態では無噴射異常)の有無を、複数のインジェクタ17の各々に対して判定する異常検出の処理手順について図4〜図6を用いて説明する。なお、本実施形態では、上記異常検出の作業を、車両を修理点検するディーラー等の修理場にて行なうことを想定しており、車両外部の診断機器であるサービスツール40(図1参照)を用いて異常検出処理を実行している。
先ず、修理場においてエンジンをアイドル運転状態に作動させ、ECU30が図2のISC制御を実行している状態にする。次に、そのECU30にサービスツール40を接続する。サービスツール40はマイクロコンピュータを主体として構成されており、ECU30と接続された状態においてECU30と双方向に通信可能である。
次に、作業者が異常検出を開始するようサービスツール40を操作すると、サービスツール40のマイコンは、図4の処理を所定周期(例えばマイコンが行なう演算周期)毎又は所定のクランク角度毎に繰り返し実行する。
先ず、ステップS40において、エンジンがアイドル運転状態であるか否かを判定する。具体的には、図2のステップS10にてISC制御の実行条件成立と判定しているか否かの情報をECU30から取得し、当該情報に基づきアイドル運転状態であるか否かを判定する。アイドル運転状態であると判定されると、続くステップS41(休止制御手段41)において、複数インジェクタ17のうちの特定の1つのインジェクタ17について、当該インジェクタ17に出力されている噴射パルス信号を無効化する休止制御を実行する。具体的には、インジェクタ17の電磁ソレノイドへの噴射パルス信号の入力を遮断することで、噴射パルス信号のパルスオンの有無に拘わらず当該インジェクタ17の噴射作動を強制的に禁止した、無噴射の状態にする。
なお、上記噴射パルス信号の入力遮断は、サービスツール40からECU30に休止指令信号を出力し、前記休止指令信号の入力を検出した場合にECU30自身が噴射パルス信号の出力を停止するよう制御してもよい。
ここで、噴射異常が生じていない正常なインジェクタ17に対して休止制御を実行した場合には、噴射されていた燃料が突然噴射停止されることとなるため、エンジンの制御状態又は運転状態が大きく変化するはずである。一方、無噴射異常が生じているインジェクタ17に対して休止制御を実行した場合には、そもそも噴射していないインジェクタ17に対して噴射パルス信号を無効化させるだけなので、エンジンの状態変化は生じないはずである。
この点を鑑み、続くステップS42,S43,S44(状態変化検出手段42)では、休止制御の実行に伴い、エンジンの制御状態又は運転状態が変化したか否かを検出する(検出内容の詳細は後に説明する)。状態変化が無いと判定(S42,S43,S44:YES)されれば、続くステップS46(異常判定手段)において、休止制御の対象となっているインジェクタ17が無噴射異常状態であると特定し、その旨の情報を検出結果として出力するとともに、無噴射異常特定フラグをオンにする。
状態変化が有ると判定(S42,S43,S44:NO)されればステップS45に進み、全ての気筒のインジェクタ17に対してステップS41の休止制御が実行されたか否かを判定する。全気筒に対して休止制御が実行されていないと判定(S45:NO)されれば処理はステップS41に戻り、休止制御が実行されていない残りのインジェクタに対してステップS41の処理を繰り返す。状態変化が有ると判定(S42,S43,S44:NO)され、かつ、全ての気筒に対して休止制御が実行されたと判定(S45:YES)された場合には、ステップS47において、無噴射異常状態に該当するインジェクタ17は存在しないとみなし、その旨の情報を検出結果として出力する。
なお、作業者が無噴射異常検出の作業を行なう手順のうち、サービスツール40を用いてステップS41により噴射パルス信号を無効化させる手順は「休止操作手順」に相当し、サービスツール40を用いてステップS42,S43,S44によりエンジンの状態変化を検出させる手順は「状態変化判定手順」に相当し、サービスツール40を用いてステップS46,S47によりインジェクタ17が無噴射異常であるか否かを判定する手順は「異常判定手順」に相当する。そして、これらの一連の手順はサービスツール40により自動的に実行される。
ステップS42では指令噴射量の変化を、ステップS43ではエンジン回転速度の変化を、ステップS44ではエンジンの作動音(主に燃焼音)を、エンジンの状態変化として検出する。以下、状態変化検出手段としてのステップS42,S43,S44による検出手法について、詳細に説明する。
<ステップS42:指令噴射量の変化>
図5は、複数(4本)のインジェクタ17の噴射量(リフト機構が1ストローク作動して弁体が1回開閉した時の噴射量)を示す表であり、噴射パルス無効化前と、各インジェクタ17に対して休止制御により順次無効化した時とでの噴射量の変化を示している。
図5は、複数(4本)のインジェクタ17の噴射量(リフト機構が1ストローク作動して弁体が1回開閉した時の噴射量)を示す表であり、噴射パルス無効化前と、各インジェクタ17に対して休止制御により順次無効化した時とでの噴射量の変化を示している。
図5(a)に示す如く、複数(4本)のインジェクタ17が全て正常であり、各々のインジェクタ17に対する指令噴射量が6mm3/stであった場合には、噴射パルスが無効化される前の実際の噴射量も全てのインジェクタ17について6mm3/stとなっている。その後、1気筒目のインジェクタ17に対して休止制御を実行して噴射パルス信号を無効化すると、その無効化の直後において、6mm3/st分のエンジン出力低下に伴いエンジン回転速度低下を招き、その後直ぐに図2のISC制御の作用により、ステップS28にて算出される指令噴射量が6mm3/stから8mm3/stに増大することで、1気筒目のインジェクタ17が無効化された分の噴射量を他の気筒のインジェクタ17の噴射量で補うこととなり、4本平均噴射量が6mm3/stに維持されるよう制御される。
同様にして、2気筒目、3気筒目、4気筒目のインジェクタ17に対して順次休止制御を実行して無効化すると、全てのインジェクタ17に対して指令噴射量が6mm3/stから8mm3/stに増大することとなり、実際の噴射量は、無効化されていない他のインジェクタ17について6mm3/stから8mm3/stに増大することとなる。このように正常なインジェクタ17に対して休止制御を実行して無効化すると指令噴射量が増大する。ステップS42では、このような指令噴射量の増大変化が生じたと判定(S42:NO)した場合に、休止制御の実行に伴いエンジン制御内容の状態が変化したと判定する。
具体的には、Qaを噴射パルス無効化前における指令噴射量とし、Qbを噴射パルス無効化時における指令噴射量とし、これらの値に変化が生じた場合、つまり、Qb−Qaが所定値A以上となっている場合には、休止制御対象であるインジェクタ17は正常であると言える。
一方、図5(b)に示す如く、複数(4本)のインジェクタ17のうち3気筒目のインジェクタ17が無噴射異常である場合には、図2のISC制御の作用により、3気筒目のインジェクタ17が無噴射である分を他の気筒のインジェクタ17の噴射量で補うべく、各々のインジェクタ17に対する指令噴射量が8mm3/stとなっている。よって、実噴射量の4本の平均は図5(a)の場合と同様にして6mm3/stとなっている。
このように無噴射異常のインジェクタ17が無噴射である分を他の気筒のインジェクタ17の噴射量で補っている状態において、1気筒目のインジェクタ17に対して休止制御を実行して噴射パルス信号を無効化すると、その無効化の直後において、8mm3/st分のエンジン出力低下に伴いエンジン回転速度低下を招き、その後直ぐに図2のISC制御の作用により、ステップS28にて算出される指令噴射量が8mm3/stから12mm3/stに増大することで、1気筒目のインジェクタ17が無効化された分及び3気筒目が無噴射である分の噴射量を他の気筒のインジェクタ17の噴射量で補うこととなり、4本平均噴射量が6mm3/stに維持されるよう制御される。
しかしながら、3気筒目のインジェクタ17に対して休止制御を実行して無効化しても、そもそも噴射していないインジェクタ17に対して噴射パルス信号を無効化させるだけなので、その無効化の前後において、指令噴射量は変化せず8mm3/stのままとなる(図5(b)中の斜線部分参照)。このように無噴射異常のインジェクタ17に対して休止制御を実行して無効化しても指令噴射量は変化しない。ステップS42では、このような指令噴射量の変化が生じていないと判定(S42:YES)した場合に、休止制御の実行に伴いエンジン制御内容の状態が変化していないと判定する。具体的には、Qb−Qaが所定値Aより小さい値である場合には、図5(b)の如く、状態変化が生じなかった時の休止制御対象であるインジェクタ17は、無噴射異常の状態であると言える。
図6は、図5(b)の噴射量変化を示すタイミングチャートであり、図6(a)は、無噴射実施フラグの状態変化を示し、当該フラグのオン期間T1,T2,T3,T4に休止制御が実行される。休止制御が実行される時間長さは、1燃焼サイクルよりも長く設定されているため、無効化が複数回連続して実行されることとなる。図6(b)はエンジン回転速度の変化を示し、図6(c)は1気筒当たりの噴射量の変化を示し、図6(d)は図4のステップS46により設定され得る無噴射異常特定フラグの状態変化を示している。また、図6(b)に現れている脈動は瞬時回転速度の変化を表現するものであり、瞬時回転速度は爆発行程時に上昇し、他の行程時に下降することによる脈動である。図6(c)に現れている脈動は前記瞬時回転速度の脈動に対応して生じている。
図6(c)に示すように、1気筒目、2気筒目及び4気筒目について休止制御を実行する期間T1,T2,T4とその直前とでは、各インジェクタ17に対する指令噴射量又は噴射量がQaからQbに増大している。これに対し、3気筒目について休止制御を実行する期間T3中の噴射量Qbとその直前の噴射量Qaとでは、変化が生じない。なお、当該噴射量Qa,Qbは、図6(c)に示す脈動の平均値である。
なお、ステップS42において、上述の如く「Qb−Qa<A」として両噴射量Qa,Qbの偏差に基づき噴射量変化の有無を検出することに替え、休止制御実行中の噴射量Qbの絶対値に基づき噴射量変化の有無を検出するようにしてもよく、例えば、休止制御に伴い噴射量Qbが予め設定された閾値TH2(図6(c)参照)を超えた場合に噴射量変化があると判定するようにしてもよい。
<ステップS43:エンジン回転速度の変化>
図5に示すように、正常なインジェクタ17に対して休止制御を実行すると、気筒間の噴射量ばらつきが大きくなる。すると、図6(b)に示すように、休止制御期間T1,T2,T4における瞬時エンジン回転速度の変動が大きくなる。一方、無噴射異常のインジェクタ17に対して休止制御を実行しても気筒間の噴射量ばらつきは変化しないため、休止制御期間T3における瞬時エンジン回転速度の変動は、休止制御期間T3の直前の状態と同じであり変化しない。
図5に示すように、正常なインジェクタ17に対して休止制御を実行すると、気筒間の噴射量ばらつきが大きくなる。すると、図6(b)に示すように、休止制御期間T1,T2,T4における瞬時エンジン回転速度の変動が大きくなる。一方、無噴射異常のインジェクタ17に対して休止制御を実行しても気筒間の噴射量ばらつきは変化しないため、休止制御期間T3における瞬時エンジン回転速度の変動は、休止制御期間T3の直前の状態と同じであり変化しない。
ステップS43ではこの点に着目しており、Waを噴射パルス無効化前における瞬時エンジン回転速度の変動幅とし、Wbを噴射パルス無効化時における瞬時エンジン回転速度の変動幅とし、これらの値に変化が生じた場合、つまり、Wb−Waが所定値B以上となっている場合には、回転速度の変化が生じていると判定(S43:NO)し、休止制御の実行に伴いエンジンの運転状態が変化したと判定する。一方、Wb−Wa<Bとなっている場合には、回転速度の変化が生じていないと判定(S43:YES)し、休止制御の実行に伴いエンジンの運転状態が変化していないと判定する。
なお、ステップS43において、上述の如く「Wb−Wa<B」として回転速度の両変動幅Wa,Wbの偏差に基づき回転速度変化の有無を検出することに替え、休止制御に伴い変動する回転速度の下限値Pdが予め設定された閾値TH1(図6(b)参照)を下回った場合に、変動幅変化があると判定するようにしてもよい。
また、正常なインジェクタ17に対して休止制御を実行して気筒間の噴射量ばらつきが大きくなると、変動幅Wbが大きくなることに加え、回転速度の変化量も大きくなる。具体的には、図6(b)に示すように、回転速度が上昇する傾きAua,Aub及び下降する傾きAda,Adbの絶対値が大きくなる。一方、無噴射異常のインジェクタ17に対して休止制御を実行しても気筒間の噴射量ばらつきは変化しないため、このような傾きの変化は生じない。
この点に鑑み、ステップS43において、回転速度の上昇傾きAua,Aub及び下降傾きAda,Adbの絶対値の平均を算出し、傾き絶対値平均が休止制御の実行により大きくなれば回転速度の変化が生じていると判定(S43:NO)し、傾き絶対値平均が休止制御の実行により変化しなければ、回転速度の変化が生じていないと判定(S43:YES)し、休止制御の実行に伴いエンジンの運転状態が変化していないと判定するようにしてもよい。
<ステップS44:エンジン作動音の変化>
先述の通り、正常なインジェクタ17に対して休止制御を実行して気筒間の噴射量ばらつきが大きくなると、エンジン回転速度の脈動が大きくなるためエンジンの作動音が大きくなる。また、1気筒当たりの噴射量が増大することに伴い、1回の燃焼において生じる燃焼音が大きくなる。一方、無噴射異常のインジェクタ17に対して休止制御を実行しても気筒間の噴射量ばらつきは変化しないため、休止制御期間T3におけるエンジンの作動音及び燃焼音(以下、単に燃焼音と呼ぶ)の大きさは、休止制御期間T3の直前の状態と同じであり変化しない。
先述の通り、正常なインジェクタ17に対して休止制御を実行して気筒間の噴射量ばらつきが大きくなると、エンジン回転速度の脈動が大きくなるためエンジンの作動音が大きくなる。また、1気筒当たりの噴射量が増大することに伴い、1回の燃焼において生じる燃焼音が大きくなる。一方、無噴射異常のインジェクタ17に対して休止制御を実行しても気筒間の噴射量ばらつきは変化しないため、休止制御期間T3におけるエンジンの作動音及び燃焼音(以下、単に燃焼音と呼ぶ)の大きさは、休止制御期間T3の直前の状態と同じであり変化しない。
ステップS44ではこの点に着目しており、図示しないマイク等の音量検出センサにより検出された燃焼音の大きさの変化量が、所定値C以上となっている場合には、燃焼音の変化が生じていると判定(S44:NO)し、休止制御の実行に伴いエンジンの運転状態が変化したと判定する。一方、燃焼音の大きさの変化量<Bとなっている場合には、燃焼音の変化が生じていないと判定(S44:YES)し、休止制御の実行に伴いエンジンの運転状態が変化していないと判定する。
なお、図4に示す処理では、ステップS42,S43,S44の全てについてエンジンの運転状態が変化していないと判定した場合に無噴射異常インジェクタ17であると特定しているが、少なくとも1つのステップS42,S43,S44についてエンジンの運転状態が変化していないと判定した場合に無噴射異常インジェクタ17であると特定するようにしてもよい。或いは、3つのステップS42,S43,S44のうちのいずれかの判定処理ステップを廃止するようにしてもよい。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)複数のインジェクタ17に対して休止制御を順次実行し、休止制御の実行に伴いエンジンの状態変化が生じたか否かを検出することにより、休止制御の実行に伴いエンジンの状態変化が検出された場合には、無噴射異常のインジェクタ17は存在しない旨を検出できる。一方、休止制御を実行してもエンジンの状態変化が検出されなかった場合には、その休止制御の対象となるインジェクタ17を無噴射異常であると特定することができる。しかも、正常なインジェクタ17に対する休止制御の実行に伴いエンジンの状態は大きく変化するのに対し、無噴射異常のインジェクタ17に対しては休止制御を実行しても殆どエンジン状態は変化しないので、無噴射異常の誤判定を低減して異常判定の精度向上を図ることができる。
(2)休止制御が実行される時間長さT1,T2,T3,T4は、1燃焼サイクルよりも長く設定されているため、噴射パルス信号の無効化が複数回連続して実行されることとなる。したがって、正常なインジェクタ17に対する休止制御によるエンジン状態変化が、1燃焼サイクルだけ無効化した場合に比べて大きく現れる。よって、無噴射異常判定の精度をより一層向上できる。
(3)アイドル運転状態時に休止制御を実行するので、ディーラー等の修理場にて噴射異常を検出する作業を行なうにあたり、エンジン回転速度が低い状態で作業を行なうことができるので、噴射異常検出の作業性を良好にできる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、無噴射異常検出の作業を修理場にて行なうことを想定しており、車両外部のサービスツール40を用いて異常検出処理を実行している。具体的には、ステップS41の処理を実行している時のサービスツール40は休止制御手段41として機能しており、ステップS42,S43,S44の処理を実行している時のサービスツール40は状態変化検出手段42として機能しており、ステップS46,S47の処理を実行している時のサービスツール40は異常判定手段として機能している。
上記第1実施形態では、無噴射異常検出の作業を修理場にて行なうことを想定しており、車両外部のサービスツール40を用いて異常検出処理を実行している。具体的には、ステップS41の処理を実行している時のサービスツール40は休止制御手段41として機能しており、ステップS42,S43,S44の処理を実行している時のサービスツール40は状態変化検出手段42として機能しており、ステップS46,S47の処理を実行している時のサービスツール40は異常判定手段として機能している。
これに対し図7に示す本実施形態では、車両ユーザーがその車両を運転中に、ECU30が無噴射異常検出の作業を自動的に行なうよう構成されている。具体的には、休止制御手段31、状態変化検出手段32及び異常判定手段をECU30が備えており、図4の処理を、車両のイグニッションスイッチをオン操作したことをトリガとしてECU30が実行する。
これによれば、上記効果(1)〜(3)に加え、サービスツール40を不要にできるとともに、修理場に車両を運ぶ手間を不要にできるとの効果(4)が奏される。なお、サービスツール40を用いる上記第1実施形態によれば、図4の処理を実行するようECU30が構成されていない車両に対しても、図4の処理による無噴射異常検出の作業を行なうことができる。
なお、本実施形態の変形例として、休止制御手段41、状態変化検出手段42及び異常判定手段のうち任意に選択された手段をECU30に備えさせ、残りの手段をサービスツール40に備えさせるようにしてもよい。
(第3実施形態)
上記第1実施形態ではアイドル運転状態時に休止制御を実行しているのに対し、本実施形態では、以下に説明する減速なまし制御時に休止制御を実行する。なお、本実施形態では上記第2実施形態と同様にして、車両ユーザーがその車両を運転中に、ECU30が無噴射異常検出の作業を自動的に行なうよう構成されている。
上記第1実施形態ではアイドル運転状態時に休止制御を実行しているのに対し、本実施形態では、以下に説明する減速なまし制御時に休止制御を実行する。なお、本実施形態では上記第2実施形態と同様にして、車両ユーザーがその車両を運転中に、ECU30が無噴射異常検出の作業を自動的に行なうよう構成されている。
減速なまし制御について説明すると、車両走行時において、運転者によるアクセル操作量がゼロに操作されて減速要求された時に、ECU30は、複数のインジェクタ17の目標噴射量を即座にゼロにすることなく、徐々に減量させてゼロにする減速なまし制御を実行する。これにより、アクセル操作量がゼロに操作されても燃料噴射が即座にカットされることはなく徐々に減量されることとなるため、エンジン回転速度が急激に下降することは抑制され、急減速によるショックの低減を図っている。
ECU30は、休止制御手段31及び状態変化検出手段32を備えて図8の処理を実行する。具体的には、車両のイグニッションスイッチをオン操作したことをトリガとして、ECU30のマイコンが所定周期(例えばマイコンが行なう演算周期)毎又は所定のクランク角度毎に繰り返し実行する。
先ず、ステップS50において、減速なまし制御中であるか否かを判定する。減速なまし中であると判定されると、続くステップS51(休止制御手段)において、複数インジェクタ17のうちの特定の1つのインジェクタ17について、図4のステップS41と同様の休止制御を実行する。
ここで、正常なインジェクタ17に対して休止制御を実行した場合には、その休止制御の実行後即座に燃料噴射がカットされることとなるので、休止制御直後のエンジン回転速度は急激に下降することとなるはずである(図9(c)のT1に対応するNEb参照)。一方、無噴射異常が生じているインジェクタ17に対して休止制御を実行した場合には、そもそも噴射していないインジェクタ17に対して噴射パルス信号を無効化させるだけなので、エンジン回転速度の下降度合いは変化しないはずである(図9(c)のT3に対応するNEb参照)。
この点を鑑み、続くステップS52,S53(状態変化検出手段)では、休止制御の実行に伴い、エンジンの制御状態又は運転状態が変化したか否かを検出する(検出内容の詳細は後に説明する)。状態変化が無いと判定(S52,S53:YES)されれば、続くステップS55(異常判定手段)において、休止制御の対象となっているインジェクタ17が無噴射異常状態であると特定し、その旨の情報を検出結果として出力するとともに、無噴射異常特定フラグをオンにする。
状態変化が有ると判定(S52,S53:NO)されればステップS54に進み、全ての気筒のインジェクタ17に対してステップS51の休止制御が実行されたか否かを判定する。全気筒に対して休止制御が実行されていないと判定(S54:NO)されれば処理はステップS51に戻り、休止制御が実行されていない残りのインジェクタに対してステップS51の処理を繰り返す。状態変化が有ると判定(S52,S53:NO)され、かつ、全ての気筒に対して休止制御が実行されたと判定(S54:YES)された場合には、ステップS56において、無噴射異常状態に該当するインジェクタ17は存在しないとみなし、その旨の情報を検出結果として出力する。
ステップS52ではエンジン回転速度の下降量変化を、ステップS53ではエンジンの作動音(主に燃焼音)を、エンジンの状態変化として検出する。以下、状態変化検出手段としてのステップS52,S53による検出手法について、詳細に説明する。
<ステップS52:エンジン回転速度の下降量変化>
ステップS52(状態変化検出手段)では、休止制御の実行に伴い、エンジン回転速度の変化量が休止制御実行時と非実行時とで変化するか否かを検出しており、回転速度変化量が変化したと判定(S52:NO)した場合に、休止制御の実行に伴いエンジンの作動状態が変化したと判定する。具体的には、ΔNEaを噴射パルス無効化前における回転速度変化量とし、ΔNEbを噴射パルス無効化時における回転速度変化量とし、これらの値に変化が生じた場合、つまり、ΔNEb−ΔNEaが所定値D以上となっている場合には、休止制御対象であるインジェクタ17は正常であると言える。
ステップS52(状態変化検出手段)では、休止制御の実行に伴い、エンジン回転速度の変化量が休止制御実行時と非実行時とで変化するか否かを検出しており、回転速度変化量が変化したと判定(S52:NO)した場合に、休止制御の実行に伴いエンジンの作動状態が変化したと判定する。具体的には、ΔNEaを噴射パルス無効化前における回転速度変化量とし、ΔNEbを噴射パルス無効化時における回転速度変化量とし、これらの値に変化が生じた場合、つまり、ΔNEb−ΔNEaが所定値D以上となっている場合には、休止制御対象であるインジェクタ17は正常であると言える。
一方、回転速度変化量が変化していないと判定(S52:YES)した場合には、休止制御の実行に伴いエンジンの作動状態が変化していないと判定する。具体的には、ΔNEb−ΔNEa<Dの場合には、状態変化が生じなかった時の休止制御対象であるインジェクタ17は、無噴射異常の状態であると言える。
図9は、本実施形態のタイミングチャートであり、図9(a)は、無噴射実施フラグの状態変化を示し、当該フラグのオン期間T1,T2,T3,T4に休止制御が実行される。休止制御が実行される時間長さは、1燃焼サイクルよりも長く設定されているため、無効化が複数回連続して実行されることとなる。図9(b)はアクセル操作量の変化を示し、図9(c)はエンジン回転速度の変化を示し、図9(d)はエンジン回転速度変化量の変化を示し、図9(e)は指令噴射量の変化を示し、図9(f)は図8のステップS55により設定され得る無噴射異常特定フラグの状態変化を示している。なお、図9では瞬時回転速度の脈動を表現することなく省略している。
図9(b)に示すように運転者がアクセル操作量をゼロにした場合であっても、減速なまし制御により指令噴射量は急激にゼロになることなく徐々にゼロに近づくよう減量される(図9(e)参照)。その結果、エンジン回転速度も徐々に減少する(図9(c)中の符号NEa参照)。
この減速なまし制御中に休止制御が実行されると、1気筒目、2気筒目及び4気筒目について休止制御を実行する期間T1,T2,T4とその直前とでは、エンジン回転速度の減速状態がNEaからNEbに変化する。つまり、エンジン回転速度の変化量がΔNEaからΔNEbに増大する(図9(d)参照)。これに対し、3筒目について休止制御を実行する期間T3中のエンジン回転速度の変化量ΔNEbとその直前の変化量ΔNEaとでは、変化が生じない。
なお、ステップS52において、上述の如く「ΔNEb−ΔNEa<D」として回転速度の両変化量ΔNEa,ΔNEbの偏差に基づき回転速度変化量の変化の有無を検出することに替え、休止制御に伴い回転速度変化量が予め設定された閾値TH3(図9(d)参照)を上回った場合に、回転速度変化量の変化があると判定するようにしてもよい。
<ステップS53:エンジン作動音の変化>
先述の通り、正常なインジェクタ17に対して休止制御を実行して気筒間の噴射量ばらつきが大きくなると、エンジン回転速度の脈動が大きくなるためエンジンの作動音が大きくなる。また、1気筒当たりの噴射量が増大することに伴い、1回の燃焼において生じる燃焼音が大きくなる。一方、無噴射異常のインジェクタ17に対して休止制御を実行しても気筒間の噴射量ばらつきは変化しないため、休止制御期間T3におけるエンジン燃焼音の大きさは、休止制御期間T3の直前の状態と同じであり変化しない。
先述の通り、正常なインジェクタ17に対して休止制御を実行して気筒間の噴射量ばらつきが大きくなると、エンジン回転速度の脈動が大きくなるためエンジンの作動音が大きくなる。また、1気筒当たりの噴射量が増大することに伴い、1回の燃焼において生じる燃焼音が大きくなる。一方、無噴射異常のインジェクタ17に対して休止制御を実行しても気筒間の噴射量ばらつきは変化しないため、休止制御期間T3におけるエンジン燃焼音の大きさは、休止制御期間T3の直前の状態と同じであり変化しない。
ステップS53ではこの点に着目しており、図示しないマイク等の音量検出センサにより検出された燃焼音の大きさの変化量が、所定値E以上となっている場合には、燃焼音の変化が生じていると判定(S53:NO)し、休止制御の実行に伴いエンジンの運転状態が変化したと判定する。一方、燃焼音の大きさの変化量<Eとなっている場合には、燃焼音の変化が生じていないと判定(S53:YES)し、休止制御の実行に伴いエンジンの運転状態が変化していないと判定する。
なお、図8に示す処理では、ステップS52,S53の全てについてエンジンの運転状態が変化していないと判定した場合に無噴射異常インジェクタ17であると特定しているが、少なくとも1つのステップS52,S53についてエンジンの運転状態が変化していないと判定した場合に無噴射異常インジェクタ17であると特定するようにしてもよい。或いは、2つのステップS52,S53のうちのいずれかの判定処理ステップを廃止するようにしてもよい。
以上の制御による本実施形態によれば、上記効果(1)〜(4)に加え、エンジンがアイドル運転以外の時にも図8の処理による無噴射異常検出の作業を行なうことができるとの効果(5)が奏される。
なお、本実施形態の変形例として、休止制御手段、状態変化検出手段及び異常判定手段のうち任意に選択された手段をサービスツール40に備えさせ、残りの手段をECU30に備えさせるようにしてもよい。また、本実施形態の変形例として、ディーラー等の修理場にてサービスツール40をECU30に接続した状態において、作業者が異常検出を開始するようサービスツール40を操作すると、サービスツール40がエンジン制御の一部を強制操作することにより、ECU30が上記減速なまし制御を実行している状態にして、その後、修理場にて走行停止の状態で図8の処理を実行するようにしてもよい。
(第4実施形態)
上記第1実施形態ではアイドル運転状態時に休止制御を実行しているのに対し、本実施形態では、以下に説明する回転速度強制上昇制御時に休止制御を実行する。なお、本実施形態では上記第2実施形態と同様にして、車両ユーザーがその車両を運転中に、ECU30が無噴射異常検出の作業を自動的に行なうよう構成されている。
上記第1実施形態ではアイドル運転状態時に休止制御を実行しているのに対し、本実施形態では、以下に説明する回転速度強制上昇制御時に休止制御を実行する。なお、本実施形態では上記第2実施形態と同様にして、車両ユーザーがその車両を運転中に、ECU30が無噴射異常検出の作業を自動的に行なうよう構成されている。
回転速度強制上昇制御とは、車両の走行停止時、かつ、運転者によるアクセル操作が為されていない時に、そのアクセル操作が為された状態を強制的に実行させる(アイドルアップさせる)制御である。図2のステップS10において、アクセルペダルの操作量が略ゼロであることをISC制御の実行条件としているのに対し、回転速度強制上昇制御によればアクセル操作が為された状態となるためISC制御の実行条件を満たさなくなる。よって、ISC制御を実行させることなくエンジン回転速度が強制上昇されることとなる。
ECU30は、休止制御手段31及び状態変化検出手段32を備えて図10の処理を実行する。具体的には、車両のイグニッションスイッチをオン操作したことをトリガとして、ECU30のマイコンが所定周期(例えばマイコンが行なう演算周期)毎又は所定のクランク角度毎に繰り返し実行する。
先ず、ステップS60において、図4のISC制御が実行されているアイドル運転状態であるか否かを判定する。アイドル運転状態であると判定されると、続くステップS61(回転速度強制上昇手段)において、アクセル開度をゼロ%(全閉)から予め設定された所定開度A%に強制操作する回転速度強制上昇制御を実行する。
ここで、ISC制御が実行されていない通常走行時には、エンジン負荷及びエンジン回転速度等に基づき目標噴射量(指令噴射量)が算出される。本実施形態ではエンジン負荷の検出値としてスロットル開度を採用している。図12は、スロットル開度及びエンジン回転速度と指令噴射量との関係を特定するマップであり、ECU30のROM等に記憶された図12のマップを用いて、スロットル開度及びエンジン回転速度に基づき指令噴射量を算出している。つまり、ステップS61にて回転速度強制上昇制御が実行されると、アクセル操作が為された状態となるためISC制御の実行が解除され、走行を停止しつつも図12のマップに基づき算出された指令噴射量にて燃料が噴射されることとなる。
続くステップS62(休止制御手段)では、複数インジェクタ17のうちの特定の1つのインジェクタ17について、図4のステップS41と同様の休止制御を実行する。例えば、ステップS61にてスロットル開度を60%(所定開度A%)に強制操作した場合には、エンジン回転速度がNEaであれば、負荷釣合い線La上のPaにて指令噴射量が算出される(図12参照)。そして、この状態で、正常なインジェクタ17に対して休止制御を実行した場合には、その休止制御の実行後、燃料噴射量の減少に伴いエンジン回転速度が低下してNEaからNEbへ低下する。この時、スロットル開度は変化しないため、負荷釣合い線Lb上のPbにて指令噴射量が算出される。つまり、噴射量が増大するよう変化するはずである。
一方、無噴射異常が生じているインジェクタ17に対して休止制御を実行した場合には、そもそも噴射していないインジェクタ17に対して噴射パルス信号を無効化させるだけなので、エンジン回転速度の低下は生じないはずである。よって、休止制御実行後においても負荷釣合い線La上のPaにて指令噴射量が算出される。
この点を鑑み、続くステップS63,S64,S65(状態変化検出手段)では、休止制御の実行に伴い、エンジンの制御状態又は運転状態が変化したか否かを検出する(検出内容の詳細は後に説明する)。状態変化が無いと判定(S63,S64,S65:YES)されれば、続くステップS67(異常判定手段)において、休止制御の対象となっているインジェクタ17が無噴射異常状態であると特定し、その旨の情報を検出結果として出力するとともに、無噴射異常特定フラグをオンにする。
状態変化が有ると判定(S63,S64,S65:NO)されればステップS66に進み、全ての気筒のインジェクタ17に対してステップS62の休止制御が実行されたか否かを判定する。全気筒に対して休止制御が実行されていないと判定(S66:NO)されれば処理はステップS62に戻り、休止制御が実行されていない残りのインジェクタに対してステップS62の処理を繰り返す。状態変化が有ると判定(S63,S64,S65:NO)され、かつ、全ての気筒に対して休止制御が実行されたと判定(S66:YES)された場合には、ステップS68において、無噴射異常状態に該当するインジェクタ17は存在しないとみなし、その旨の情報を検出結果として出力する。
ステップS63ではエンジン回転速度の変化を、ステップS64では指令噴射量の変化を、ステップS65ではエンジンの作動音(主に燃焼音)を、エンジンの状態変化として検出する。以下、状態変化検出手段としてのステップS63,S64,S65による検出手法について、詳細に説明する。
<ステップS63:エンジン回転速度の変化>
ステップS63(状態変化検出手段)では、休止制御の実行に伴い、休止制御実行後のエンジン回転速度が実行前に比べて低下したか否かを検出しており、回転速度が低下したと判定(S63:NO)した場合に、休止制御の実行に伴いエンジンの作動状態が変化したと判定する。具体的には、NEaを噴射パルス無効化前における回転速度とし、NEbを噴射パルス無効化直後の回転速度とし、NEb−NEaが所定値F以上となっている場合には、休止制御対象であるインジェクタ17は正常であると言える。一方、回転速度低下が生じていないと判定(S63:YES)した場合には、休止制御の実行に伴いエンジンの作動状態が変化していないと判定する。具体的には、NEb−NEa<Dの場合には、状態変化が生じなかった時の休止制御対象であるインジェクタ17は、無噴射異常の状態であると言える。
ステップS63(状態変化検出手段)では、休止制御の実行に伴い、休止制御実行後のエンジン回転速度が実行前に比べて低下したか否かを検出しており、回転速度が低下したと判定(S63:NO)した場合に、休止制御の実行に伴いエンジンの作動状態が変化したと判定する。具体的には、NEaを噴射パルス無効化前における回転速度とし、NEbを噴射パルス無効化直後の回転速度とし、NEb−NEaが所定値F以上となっている場合には、休止制御対象であるインジェクタ17は正常であると言える。一方、回転速度低下が生じていないと判定(S63:YES)した場合には、休止制御の実行に伴いエンジンの作動状態が変化していないと判定する。具体的には、NEb−NEa<Dの場合には、状態変化が生じなかった時の休止制御対象であるインジェクタ17は、無噴射異常の状態であると言える。
図12は、本実施形態のタイミングチャートであり、図12(a)は、無噴射実施フラグの状態変化を示し、当該フラグのオン期間T1,T2,T3,T4に休止制御が実行される。休止制御が実行される時間長さは、1燃焼サイクルよりも長く設定されているため、無効化が複数回連続して実行されることとなる。図12(b)はアクセル開度の変化を示し、図12(c)はエンジン回転速度の変化を示し、図12(d)は指令噴射量の変化を示し、図12(e)は図7のステップS55により設定され得る無噴射異常特定フラグの状態変化を示している。なお、図9では瞬時回転速度の脈動を表現することなく省略している。
回転速度強制上昇制御が実行されるとアクセル開度が大きくなるよう強制的に操作される(図12(b)参照)。その結果、指令噴射量がQaに増大する(図12(d)参照)とともに、エンジン回転速度もNEaに上昇する(図12(c)参照)。この回転速度強制上昇制御の実行中に休止制御が実行されると、1気筒目、2気筒目及び4気筒目について休止制御を実行する期間T1,T2,T4とその直前とでは、エンジン回転速度がNEaからNEbに降下する(図12(c)参照)。これに対し、3筒目について休止制御を実行する期間T3中のエンジン回転速度NEbとその直前の回転速度NEaとでは、変化が生じない。
なお、ステップS63において、上述の如く「NEb−NEa<F」として両回転速度の偏差に基づき回転速度の変化の有無を検出することに替え、休止制御に伴い回転速度が予め設定された閾値TH4(図12(c)参照)を上回った場合に、回転速度の変化があると判定するようにしてもよい。
<ステップS64:指令噴射量の変化>
先述の通り、回転速度強制上昇制御の実行中に、正常なインジェクタ17に対して休止制御を実行すると、上述の如く回転速度が低下することに伴い図11のマップに基づき指令噴射量が増大する。一方、無噴射異常のインジェクタ17に対して休止制御を実行しても回転速度の低下は生じないため、指令噴射量は変化しない。
先述の通り、回転速度強制上昇制御の実行中に、正常なインジェクタ17に対して休止制御を実行すると、上述の如く回転速度が低下することに伴い図11のマップに基づき指令噴射量が増大する。一方、無噴射異常のインジェクタ17に対して休止制御を実行しても回転速度の低下は生じないため、指令噴射量は変化しない。
ステップS64ではこの点に着目しており、Qaを噴射パルス無効化前における指令噴射量とし、Qbを噴射パルス無効化時における指令噴射量とし、Qb−Qaが所定値G以上となっている場合には、指令噴射量が増大変化していると判定(S64:NO)し、休止制御の実行に伴いエンジンの運転状態が変化したと判定する。一方、Qb−Qa<Gとなっている場合には、指令噴射量の増大変化が生じていないと判定(S64:YES)し、休止制御の実行に伴いエンジンの運転状態が変化していないと判定する。
なお、ステップS64において、上述の如く「Qb−Qa<G」として指令噴射量Qa,Qbの偏差に基づき指令噴射量の増大変化の有無を検出することに替え、休止制御に伴い指令噴射量が予め設定された閾値TH5(図12(d)参照)を上回った場合に、指令噴射量の変化があると判定するようにしてもよい。
<ステップS65:エンジン作動音の変化>
先述の通り、回転速度強制上昇制御の実行中に正常なインジェクタ17に対して休止制御を実行して指令噴射量が増大すると、気筒間の噴射量ばらつきが大きくなり、エンジン回転速度の脈動が大きくなるためエンジンの作動音が大きくなる。また、1気筒当たりの噴射量が増大することに伴い、1回の燃焼において生じる燃焼音が大きくなる。一方、無噴射異常のインジェクタ17に対して休止制御を実行しても指令噴射量は変化しないため、休止制御期間T3におけるエンジン燃焼音の大きさは、休止制御期間T3の直前の状態と同じであり変化しない。
先述の通り、回転速度強制上昇制御の実行中に正常なインジェクタ17に対して休止制御を実行して指令噴射量が増大すると、気筒間の噴射量ばらつきが大きくなり、エンジン回転速度の脈動が大きくなるためエンジンの作動音が大きくなる。また、1気筒当たりの噴射量が増大することに伴い、1回の燃焼において生じる燃焼音が大きくなる。一方、無噴射異常のインジェクタ17に対して休止制御を実行しても指令噴射量は変化しないため、休止制御期間T3におけるエンジン燃焼音の大きさは、休止制御期間T3の直前の状態と同じであり変化しない。
ステップS65ではこの点に着目しており、図示しないマイク等の音量検出センサにより検出された燃焼音の大きさの変化量が、所定値H以上となっている場合には、燃焼音の変化が生じていると判定(S65:NO)し、休止制御の実行に伴いエンジンの運転状態が変化したと判定する。一方、燃焼音の大きさの変化量<Hとなっている場合には、燃焼音の変化が生じていないと判定(S65:YES)し、休止制御の実行に伴いエンジンの運転状態が変化していないと判定する。
なお、図10に示す処理では、ステップS63,S64,S65の全てについてエンジンの運転状態が変化していないと判定した場合に無噴射異常インジェクタ17であると特定しているが、少なくとも1つのステップS63,S64,S65についてエンジンの運転状態が変化していないと判定した場合に無噴射異常インジェクタ17であると特定するようにしてもよい。或いは、3つのステップS63,S64,S65のうちのいずれかの判定処理ステップを廃止するようにしてもよい。
以上の制御による本実施形態によれば、上記効果(1)〜(4)と同様の効果が奏される。なお、本実施形態の変形例として、休止制御手段、状態変化検出手段及び異常判定手段のうち任意に選択された手段をサービスツール40に備えさせ、残りの手段をECU30に備えさせるようにしてもよい。また、本実施形態の変形例として、ディーラー等の修理場にてサービスツール40をECU30に接続した状態において、作業者が異常検出を開始するようサービスツール40を操作すると、サービスツール40がエンジン制御の一部を強制操作することにより、ECU30が上記回転速度強制上昇制御を実行している状態にして、その後、修理場にて走行停止の状態で図10の処理を実行するようにしてもよい。
(他の実施形態)
上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。また、本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、各実施形態の特徴的構造をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。また、本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、各実施形態の特徴的構造をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・上記各実施形態では、状態変化検出手段S42〜S44,S52,S53,S63〜S65(或いは閾値TH1〜TH5)の判定に用いられる所定値A〜Gを固定して設定いるが、エンジン制御状態又は運転状態等に応じて所定値A〜Gを可変設定してもよい。
例えば、第1実施形態に係る状態変化検出手段S42〜S44の所定値A,B,Cに関し、エアコン等の補機運転負荷が大きい時、暖機運転時や冷間時運転時には、ISC制御による回転速度の目標値Aが高くなる。この場合には、正常インジェクタ17に対して休止制御を実行した時の指令噴射量の変化、エンジン回転速度の変化、エンジン作動音の変化が大きく生じるようになるので、所定値A,B,Cを大きくするよう設定変更して誤判定低減を図ることが望ましい。
・上記各実施形態では、状態変化検出手段42をサービスツール40及びECU30のいずれかに備えさせているが、サービスツール40とは別のサービスツールを用いて状態変化を検出するようにしてもよいし、エンジン作動音(主に燃焼音)の変化検出に関しては状態変化検出手段42を廃止して、作業者が自身の耳で聞いてエンジン作動音の変化有無を判断するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、異常判定手段をサービスツール40及びECU30のいずれかに備えさせているが、サービスツール40とは別のサービスツールを用いて異常を判定するようにしてもよいし、異常判定手段を廃止して、状態変化検出手段42による検出結果を作業者が目視確認して異常の判定をするようにしてもよい。
・上記各実施形態による「休止操作手順」では、サービスツール40を用いてステップS41により噴射パルス信号を無効化させることで、インジェクタ17からの燃料噴射を停止させているが、ECU30からインジェクタ17に噴射パルス信号を送信するためのハーネスのコネクタ17c(図1及び図7参照)を作業者が取り外すことで、インジェクタ17からの噴射を停止させる休止操作を行なうようにしてもよい。この場合、前記ハーネス等の断線検知手段がコネクタ17c取り外しにより断線を検知することとなるので、このように断線が検知されたことをトリガとして図4,図8,図10の処理を実行開始させることが望ましい。
・上記各実施形態では、ECU30からインジェクタ17に出力されている噴射パルス信号を無効化することで休止制御を実行しているが、ECU30から噴射パルス信号が出力されないように休止制御を実行してもよい。
・上記各実施形態では、ディーゼルエンジンに搭載されたインジェクタ17を異常検出の対象としているが、ガソリンエンジンに搭載されたインジェクタ17を異常検出の対象としてもよい。
17…インジェクタ(燃料噴射弁)、
30…ECU(異常検出装置)、
31,41,S41,S51,S62…休止制御手段、
32,42,S42,S43,S44,S52,S53,S63,S64,S65…状態変化検出手段、
40…サービスツール(異常検出装置、車両外部の診断機器)、
S12…ISC制御手段、
S46,S55,S67…異常判定手段、
S61…回転速度強制上昇手段。
30…ECU(異常検出装置)、
31,41,S41,S51,S62…休止制御手段、
32,42,S42,S43,S44,S52,S53,S63,S64,S65…状態変化検出手段、
40…サービスツール(異常検出装置、車両外部の診断機器)、
S12…ISC制御手段、
S46,S55,S67…異常判定手段、
S61…回転速度強制上昇手段。
Claims (20)
- 噴射指令信号が入力されたことに伴い燃料を噴射する、多気筒内燃機関の各気筒に設けられた燃料噴射弁に適用され、前記噴射指令信号が入力されているにも拘わらず無噴射又は噴射量不足となっている噴射異常を検出する燃料噴射弁の異常検出装置であって、
前記内燃機関の運転中に、特定の前記燃料噴射弁に対して前記噴射指令信号が入力されないよう休止制御を実行する休止制御手段と、
前記休止制御の実行に伴い生じた前記内燃機関の状態変化を検出する状態変化検出手段と、
を備えることを特徴とする燃料噴射弁の異常検出装置。 - 前記休止制御を実行しているにも拘わらず前記状態変化が検出されなかった場合に、その休止制御が実行されている前記特定の燃料噴射弁を前記噴射異常であると判定する異常判定手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁の異常検出装置。
- 運転者によるアクセル操作が為されていない時に、機関回転速度が設定値以上となるよう複数の前記燃料噴射弁の目標噴射量を設定することで、前記内燃機関をアイドル運転させるISC制御手段を備え、
前記休止制御手段は、前記ISC制御手段によりアイドル運転されている時に前記休止制御を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料噴射弁の異常検出装置。 - 運転者によるアクセル操作が為されていない時に、機関回転速度が設定値以上となるよう複数の前記燃料噴射弁の目標噴射量を設定することで、前記内燃機関をアイドル運転させるISC制御手段を備え、
前記休止制御手段は、前記ISC制御手段の非実行時であり、アクセル操作量及び機関回転速度に応じて前記目標噴射量を設定しているアクセル応答運転時に前記休止制御を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料噴射弁の異常検出装置。 - 前記内燃機関が搭載された車両の走行停止時、かつ、前記アクセル操作が為されていない時に、前記アクセル操作が為された状態を強制的に実行させることで、ISC制御手段を実行させることなく前記機関回転速度を強制上昇させる回転速度強制上昇手段を備え、
前記アクセル応答運転時とは、前記回転速度強制上昇手段を実行させている時であることを特徴とする請求項4に記載の燃料噴射弁の異常検出装置。 - 運転者によるアクセル操作量がゼロに操作されて減速要求された時に、複数の前記燃料噴射弁の目標噴射量を徐々に減量させてゼロにする減速なまし制御手段を備え、
前記休止制御手段は、前記減速なまし制御手段の実行時に前記休止制御を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料噴射弁の異常検出装置。 - 前記状態変化検出手段は、前記休止制御が実行されている前記特定の燃料噴射弁以外の燃料噴射弁の燃料噴射量の変化を、前記状態変化として検出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の燃料噴射弁の異常検出装置。
- 前記状態変化検出手段は、機関回転速度の変化を前記状態変化として検出することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の燃料噴射弁の異常検出装置。
- 前記状態変化検出手段は、前記内燃機関の作動音の変化を前記状態変化として検出することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の燃料噴射弁の異常検出装置。
- 前記内燃機関は、車両に搭載されて当該車両の走行駆動源として機能しており、
前記休止制御手段は、前記車両に搭載されて前記燃料噴射弁の作動を制御する電子制御装置に備えられるとともに、車両外部からの休止指令信号に基づき前記休止制御を実行することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の燃料噴射弁の異常検出装置。 - 前記内燃機関は、車両に搭載されて当該車両の走行駆動源として機能しており、
前記休止制御手段及び前記状態変化検出手段の少なくとも1つは、車両外部の診断機器により構成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の燃料噴射弁の異常検出装置。 - 噴射指令信号が入力されたことに伴い燃料を噴射する、多気筒内燃機関の各気筒に設けられた燃料噴射弁に適用され、前記噴射指令信号が入力されているにも拘わらず無噴射又は噴射量不足となっている噴射異常を検出する燃料噴射弁の異常検出方法であって、
前記内燃機関の所定運転状態時に、特定の前記燃料噴射弁に対して前記噴射指令信号が入力されないよう休止操作する休止操作手順と、
前記内燃機関の運転状態が、前記休止操作の実行時と非実行時とで変化するか否かを判定する状態変化判定手順と、
前記運転状態が変化していないと判定した場合に、その休止操作が実行されている前記特定の燃料噴射弁を前記噴射異常であると判定する異常判定手順と、
を含むことを特徴とする燃料噴射弁の異常検出方法。 - 運転者によるアクセル操作が為されていない時に、機関回転速度が設定値以上となるよう複数の前記燃料噴射弁の目標噴射量を設定することで、前記内燃機関をアイドル運転させるISC制御手段を備えた内燃機関に適用され、
前記休止操作手順では、前記ISC制御手段によりアイドル運転されている時に前記休止操作を実行することを特徴とする請求項12に記載の燃料噴射弁の異常検出方法。 - 運転者によるアクセル操作が為されていない時に、機関回転速度が設定値以上となるよう複数の前記燃料噴射弁の目標噴射量を設定することで、前記内燃機関をアイドル運転させるISC制御手段を備えた内燃機関に適用され、
前記休止操作手順では、前記ISC制御手段の非実行時であり、アクセル操作量及び機関回転速度に応じて前記目標噴射量を設定しているアクセル応答運転時に前記休止操作を実行することを特徴とする請求項12に記載の燃料噴射弁の異常検出方法。 - 前記アクセル操作が為されていない時に、前記アクセル操作が為された状態を強制的に実行させることで、ISC制御手段を実行させることなく前記機関回転速度を強制上昇させる回転速度強制上昇手順をさらに含み、
前記休止操作手順では、前記回転速度強制上昇手段を実行させている時に前記休止操作を実行することを特徴とする請求項14に記載の燃料噴射弁の異常検出方法。 - 前記内燃機関は、車両に搭載されて当該車両の走行駆動源として機能しており、
前記車両には、前記噴射指令信号を前記燃料噴射弁に出力する電子制御装置が搭載されており、
前記休止操作手順では、前記電子制御装置から出力された前記噴射指令信号を無効にするよう、車両外部の診断機器を用いて前記休止操作を行なうことを特徴とする請求項12〜15のいずれか1つに記載の燃料噴射弁の異常検出方法。 - 前記内燃機関は、車両に搭載されて当該車両の走行駆動源として機能しており、
前記車両には、前記噴射指令信号を前記燃料噴射弁に出力する電子制御装置が搭載されており、
前記休止操作手順では、前記電子制御装置から出力された前記噴射指令信号を前記燃料噴射弁に送信するハーネスのコネクタ接続を取り外すことで前記休止操作を行なうことを特徴とする請求項12〜15のいずれか1つに記載の燃料噴射弁の異常検出方法。 - 前記状態変化判定手順では、前記休止操作が実行されている前記特定の燃料噴射弁以外の燃料噴射弁の燃料噴射量の変化に基づき、前記運転状態の変化の有無を判定することを特徴とする請求項12〜17のいずれか1つに記載の燃料噴射弁の異常検出方法。
- 前記状態変化判定手順では、機関回転速度の変化に基づき前記運転状態の変化の有無を判定することを特徴とする請求項12〜18のいずれか1つに記載の燃料噴射弁の異常検出方法。
- 前記状態変化判定手順では、前記内燃機関の作動音の変化に基づき前記運転状態の変化の有無を判定することを特徴とする請求項12〜19のいずれか1つに記載の燃料噴射弁の異常検出方法。
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