JP2011069285A - 異常検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転状態の変化や不具合を招くことなく、燃料の噴射量の異常な増減が検出され、精度の高い異常検出装置を提供する。
【解決手段】異常インジェクタ特定部36は、噴射補正量取得部34で取得した各インジェクタ16の噴射補正量TQk、および総噴射量算出部35で算出した総噴射量Qから算出する平均噴射量QFINに基づいて、異常が生じているインジェクタ16を特定する。噴射補正量TQkは、インジェクタ16の相互間における相対的な量であるため、その差だけでは、正常なインジェクタ16と異常なインジェクタ16とは区別ができない。そこで、異常インジェクタ特定部36は、噴射補正量TQkだけでなく総噴射量Qから算出される平均噴射量QFINも考慮に加えることにより、異常が生じているインジェクタ16を特定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射弁の異常を検出する異常検出装置に関する。
内燃機関は、燃料を噴射する燃料噴射弁を備えている。この燃料噴射弁は、例えば単位時間当たりの噴射量の変化などの異常が生じると、内燃機関の安定した運転が困難となる。そこで、燃料噴射弁の異常を検出する異常検出装置が提案されている。
特許文献1の場合、内燃機関の複数の気筒にそれぞれ設けられている燃料噴射弁は、運転を停止する制御が順次実施される。このとき、運転を停止する制御を実施しても内燃機関の運転状態に変化がない燃料噴射弁が検出されると、この燃料噴射弁は異常と判断される。また、特許文献2の場合、燃料噴射弁の異常は、内燃機関の回転速度すなわちクランクシャフトの回転速度から検出している。この場合、燃料噴射弁の異常は、クランクシャフトの回転速度の偏差から算出される気筒間の燃料噴射量の補正量に基づいて検出される。さらに、特許文献3の場合、燃料噴射弁の異常は、内燃機関の停止直後における燃料ポンプの作動が停止した後に、燃料噴射弁から燃料を噴射を試みて検出している。この場合、燃料噴射弁の異常は、燃料噴射弁から燃料を噴射することによる燃料の圧力変化に基づいて検出される。
しかしながら、特許文献1の場合、異常な燃料噴射弁に限らず正常な燃料噴射弁も燃料の噴射が停止される。そのため、特許文献1の場合、異常を検出している間に、内燃機関の運転状態の変化や運転性の悪化を招くという問題がある。また、特許文献2の場合、複数の燃料噴射弁に異常が生じると、正常な燃料噴射弁は回転速度の偏差を減少させるために過大な補正が施される。その結果、過大な補正により、正常な燃料噴射弁の燃料噴射量が判定値を超え、異常と判断されるおそれがある。さらに、特許文献3の場合、内燃機関の運転停止後に燃料を噴射する必要があるため、潤滑油の希釈などが生じ、内燃機関の不具合を招くおそれがある。
特開2009−150246号公報 特開平2−5736号公報 特開2004−308464号公報
そこで、本発明は、運転状態の変化や不具合を招くことなく、燃料の噴射量の異常な増減が検出され、精度の高い異常検出装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明では、異常燃料噴射弁特定手段は、補正量取得手段で取得した燃料噴射弁ごとの噴射補正量、および総噴射量算出手段で算出した総噴射量に基づいて、燃料噴射弁のうちいずれの燃料噴射弁に異常が生じているかを特定する。燃料噴射弁のいずれかに異常が生じると、その異常な燃料噴射弁は他の燃料噴射弁に比較して燃料の噴射量が過大または過小となる。そのため、正常な燃料噴射弁と異常な燃料噴射弁とは、噴射補正量の差が大きくなる。一方、噴射補正量は、燃料噴射弁の相互間における相対的な量である。そのため、噴射補正量の差だけでは、正常な燃料噴射弁と異常な燃料噴射弁とは区別ができない。そこで、異常燃料噴射弁特定手段は、噴射補正量だけでなく総噴射量も考慮に加えて燃料噴射弁の異常を検出する。したがって、燃料噴射弁による燃料の噴射量の異常な増減を検出することができ、燃料噴射弁の異常を精度よく検出することができる。
また、請求項1記載の発明では、異常燃料噴射弁特定手段で燃料噴射弁の異常の判断に用いる噴射補正量および総噴射量は、いずれも内燃機関がアイドル状態に維持されているときに取得される。そして、この噴射補正量および総噴射量は、例えば燃料噴射弁からの燃料噴射の停止、あるいは燃料噴射量の変更をともなうことなく取得される。したがって、内燃機関の運転状態の変化や不具合を招くことなく、燃料噴射弁の異常を検出することができる。
請求項2記載の発明では、異常燃料噴射弁特定手段は、燃料噴射弁ごとに噴射補正量が適正範囲にあるか否かを判断する。例えば、異常な燃料噴射弁において、燃料の噴射量が過大であるとき、噴射補正量はその燃料噴射弁において噴射量を低減する方向へ設定される。この噴射補正量は、異常な燃料噴射弁における噴射量が過大になるほど、噴射量を低減する方向へ拡大され、適正範囲を超えることになる。そのため、各燃料噴射弁の噴射補正量が適正範囲にあるか否かを判断することにより、異常が生じている可能性がある燃料噴射弁が特定される。一方、上述のように噴射補正量は、燃料噴射弁の相互間における相対的な量である。そのため、単に噴射補正量が適正範囲に無いから燃料噴射弁の異常と判断するのは困難である。そこで、異常燃料噴射弁特定手段は、複数の燃料噴射弁においていずれかの噴射補正量が適正範囲に無いと判断すると、総噴射量の平均値が適正噴射量範囲にあるか否かを判断する。この総噴射量は、アイドル状態において噴射補正量を適用して各燃料噴射弁から噴射される燃料の噴射量の総和である。総噴射量は内燃機関の気筒数で除することにより、気筒当たりの平均値が算出される。この総噴射量の平均値が適正噴射量範囲にあるか否かが判断される。内燃機関をアイドル状態に維持する場合、異常な燃料噴射弁を補うことを目的として、全ての燃料噴射弁は噴射補正量の増加または減少をともなう補正が施される。そのため、正常な燃料噴射弁では、補正後の燃料の噴射量が過大または過小となる。その結果、この総噴射量の平均値を考慮することにより、噴射補正量が適正範囲に無い燃料噴射弁は異常であるか否かが判断される。したがって、異常な燃料噴射弁について噴射量が過大側または過小側のいずれかを含めて精度よく検出することができる。
請求項3記載の発明では、上限閾値および下限閾値は異常となる燃料噴射弁の割合に応じて設定されている。異常となる燃料噴射弁の割合によって、噴射補正量は変化する。そのため、上限閾値と下限閾値との間の適正範囲は異常となる燃料噴射弁の割合によって変化する。そこで、上限閾値および下限閾値を燃料の噴射弁の割合に応じて設定することにより、異常な燃料噴射弁をより精度よく検出することができる。
請求項4記載の発明では、上限閾値および下限閾値は内燃機関の運転状態に応じて設定されている。内燃機関がアイドル状態であっても、例えば給電機器や空調機器の作動によって内燃機関の負荷は変化することがある。この場合、各燃料噴射弁から噴射される燃料の量にも変化が生じる。そこで、上限閾値および下限閾値を運転状態に応じて設定することにより、内燃機関の運転状態に関わらず、異常な燃料噴射弁をより精度よく検出することができる。
本発明の一実施形態による異常検出装置を適用したディーゼルエンジンシステムの構成を示す模式図 一実施形態による異常検出装置の作動の流れを示す概略図 一実施形態による異常検出装置による異常判定の条件、および噴射補正量の分布イメージを示す説明図
以下、本発明の一実施形態による異常検出装置を適用したディーゼルエンジンシステムを図面に基づいて説明する。
図1に示すディーゼルエンジンシステム10は、内燃機関としてのディーゼルエンジン(以下、ディーゼルエンジンを「エンジン」という。)11および異常検出装置12を備えている。エンジン11は、エンジン本体13および燃料噴射部14を備えている。エンジン本体13は、複数の気筒15を有している。図1に示すエンジン11は、四つの気筒15を有する四気筒のエンジンである。なお、エンジン11は、本実施形態のようにディーゼルエンジンに限らず、ガソリンエンジンであってもよい。燃料噴射部14は、燃料噴射弁としてのインジェクタ16を有している。インジェクタ16は、エンジン本体13の各気筒15にそれぞれ設けられている。燃料噴射部14は、インジェクタ16の他に、燃料ポンプ17、コモンレール18および噴射制御部19を有している。燃料ポンプ17は、燃料タンク21に貯えられている燃料を加圧してコモンレール18へ供給する。コモンレール18は、燃料ポンプ17で加圧された燃料を蓄圧状態で貯える。インジェクタ16は、コモンレール18に貯えられている燃料をエンジン本体13の各気筒15へ噴射する。本実施形態の場合、インジェクタ16は、直噴式のインジェクタであり、エンジン本体13の気筒15へ吸入された空気に燃料を噴射する。
異常検出装置12は、制御部31、噴射制御部19、アイドル運転制御部32、補正量算出部33、噴射補正量取得部34、総噴射量算出部35、異常インジェクタ特定部36、記憶部37、運転状態検出部38および噴射量設定部39を有している。制御部31は、CPU、ROMおよびRAMを有するマイクロコンピュータで構成されている。制御部31のCPUは、ROMに記憶されているコンピュータプログラムにしたがって、エンジン11および異常検出装置12を含むディーゼルエンジンシステム10の全体を制御する。噴射制御部19、アイドル運転制御部32、補正量算出部33、噴射補正量取得部34、総噴射量算出部35、異常インジェクタ特定部36および噴射量設定部39は、制御部31におけるコンピュータプログラムの実行によってソフトウェア的に実現されている。なお、これら噴射制御部19、アイドル運転制御部32、補正量算出部33、噴射補正量取得部34、総噴射量算出部35、異常インジェクタ特定部36および噴射量設定部39は、ハードウェアによって実現してもよい。
噴射制御部19は、インジェクタ16の図示しない駆動部へ駆動信号を出力することにより、インジェクタ16からの燃料の噴射を制御する。この駆動信号によってインジェクタ16の図示しない噴孔が開閉され、噴孔からの燃料の噴射が断続される。例えばインジェクタ16からの燃料噴射量を増加させるとき、噴射制御部19はインジェクタ16の噴孔が開放される時間が長くなるように駆動信号を設定する。噴射制御部19は、運転状態検出部38で検出したエンジン11の運転状態に応じて設定される燃料噴射量に基づいて各インジェクタ16からの燃料の噴射を制御する。
アイドル運転制御部32は、エンジン11をアイドル状態で運転する。すなわち、アイドル運転制御部32は、エンジン11が自立的な運転が継続可能な程度にエンジン11を低い回転数に維持する。このとき、噴射制御部19は、インジェクタ16からの燃料噴射量をエンジン11がアイドル状態を維持可能に設定する。
補正量算出部33は、エンジン本体13の各気筒15に設けられているインジェクタ16の相互間において、燃料噴射量を補正するための噴射補正量TQkを算出する。ここで、添字kは、気筒15の番号である。図1に示すように四気筒のエンジン11の場合、添字kは「1」から「4」のいずれかとなる。インジェクタ16は、例えば単位時間当たりの燃料噴射量など、個体ごとにそれぞれ噴射特性に差が生じる。また、インジェクタ16の経時的な使用にともなう異物の噛み込みや堆積などによって、同一の個体であっても噴射特性は刻々と変化する。そのため、エンジン11を安定した運転状態に維持するためには、エンジン本体13の各気筒15に設けられているインジェクタ16からの燃料噴射量を均一化させる必要がある。そこで、補正量算出部33は、インジェクタ16ごとに異なる噴射特性を考慮して、各インジェクタ16からの燃料噴射量の均一化を図るために、各インジェクタ16からの燃料噴射量を補正している。噴射補正量取得部34は、補正量算出部33でインジェクタ16ごとに補正された噴射補正量TQkを、補正量算出部33から取得する。より詳細には、噴射補正量取得部34は、エンジン11がアイドル状態に維持され、かつインジェクタ16からの燃料噴射量が補正されているとき、補正量算出部33からインジェクタ16ごとに噴射補正量TQkを取得する。
総噴射量算出部35は、エンジン11がアイドル状態に維持されているとき、複数のインジェクタ16から噴射される燃料の総量を総噴射量Qとして算出する。この場合、総噴射量算出部35は、補正量算出部33で算出された噴射補正量TQkを考慮して、各インジェクタ16から噴射される燃料の総量を総噴射量Qとして算出する。
異常インジェクタ特定部36は、噴射補正量取得部34で取得したインジェクタ16ごとの噴射補正量TQkおよび総噴射量算出部35で算出した総噴射量Qに基づいて、複数のインジェクタ16のうちいずれのインジェクタ16に異常が生じているかを特定する。異常インジェクタ特定部36は、噴射補正量範囲判断部41および平均噴射量範囲判断部42を有している。噴射補正量範囲判断部41は、噴射補正量取得部34で取得したインジェクタ16ごとに噴射補正量TQkが適正範囲にあるか否かを判断する。噴射補正量TQkは、上述のようにインジェクタ16ごとの噴射特性を考慮して設定される。そのため、インジェクタ16の異常の程度によって、噴射量の補正では噴射特性を改善できない場合がある。このように噴射量の補正では噴射特性が改善できない場合、噴射補正量TQkは予め設定されている上限閾値(+THFa)と下限閾値(−THFa)との間の定義される適正範囲を超えることになる。このように、噴射補正量範囲判断部41は、各インジェクタ16の噴射補正量TQkが適正範囲にあるか、つまり上限閾値(+THFa)と下限閾値(−THFa)との間にあるか否かを判断する。この上限閾値(+THFa)および下限閾値(−THFa)は、インジェクタ16の総本数に対する異常と判断されるインジェクタ16の本数の割合に応じて設定され、記憶部37に記憶されている。
一方、平均噴射量範囲判断部42は、総噴射量算出部35で算出した総噴射量Qを気筒数nで除した平均噴射量QFINが適正噴射量範囲にあるか否かを判断する。総噴射量Qも、上述のようにインジェクタ16ごとの噴射特性を考慮して決定される。そのため、インジェクタ16の異常の程度によって、平均噴射量QFINには大きな誤差が生じる。このように平均噴射量QFINに誤差が生じる場合、平均噴射量QFINは予め設定されている上限平均噴射量THQHと下限平均噴射量THQLとの間に定義される適正噴射量範囲を超えることになる。このように、平均噴射量範囲判断部42は、平均噴射量QFINが適正噴射量範囲にあるか、つまり上限平均噴射量THQHと下限平均噴射量THQLとの間にあるか否かを判断する。この上限平均噴射量THQHおよび下限平均噴射量THQLは、アイドル運転制御部32においてエンジン11がアイドル状態に維持されているときの上限となる燃料噴射量または下限となる燃料噴射量にそれぞれ対応している。すなわち、エンジン11がアイドル状態に維持されているときの燃料噴射量の上限が上限平均噴射量THQHであり、燃料噴射量の下限が下限平均噴射量THQLである。そして、この上限平均噴射量THQHと下限平均噴射量THQLとの間は、適正噴射量範囲に相当する。
記憶部37は、例えば不揮発性メモリなどを有している。記憶部37は、異常インジェクタ特定部36で異常が生じていると特定されたインジェクタ16を異常燃料噴射弁として記憶している。記憶部37は、上述のように不揮発性メモリに限らず、任意の記録媒体を適用することができる。また、記憶部37は、制御部31のROMやRAMと共用してもよい。記憶部37は、異常燃料噴射弁だけでなく、例えばコンピュータプログラムや異常検出装置12で記憶が必要な各種のデータなどを記憶する構成としてもよい。記憶部37は、制御部31とともに特許請求の範囲の異常燃料噴射弁記憶手段を構成している。
運転状態検出部38は、アクセルセンサ43、回転数センサ44および水温センサ45などを有している。アクセルセンサ43は、図示しないアクセルペダルの踏み込み量を検出する。回転数センサ44は、エンジン11のクランクシャフトの回転数を検出する。水温センサ45は、エンジン11の冷却水の温度を検出する。運転状態検出部38は、これらアクセルセンサ43で検出したアクセルペダルの踏み込み量、回転数センサ44で検出したクランクシャフトの回転数、および水温センサ45で検出した冷却水の温度などに基づいて、エンジン11の運転状態すなわち負荷状態を検出する。
噴射補正量範囲判断部41で用いる上限閾値(+THFa)および下限閾値(−THFa)は、運転状態検出部38で検出したエンジン11の運転状態に応じて設定されている。運転状態検出部38は、例えば外気温を検出する外気温センサやエンジン11によって駆動される発電機の発電電圧を検出する電圧センサなど、アクセルセンサ43、回転数センサ44および水温センサ45に限らず、他の運転状態を検出する構成を含んでいてもよい。
噴射量設定部39は、運転状態検出部38で検出したエンジン11の運転状態に基づいて燃料噴射量を設定する。そして、噴射量設定部39は、エンジン11の運転状態に基づいて設定した燃料噴射量に、補正量算出部33で算出した各インジェクタ16ごとの補正量を加味して最終的な燃料噴射量を設定する。噴射制御部19は、噴射量設定部39で設定された燃料噴射量に基づいて各インジェクタ16へ駆動信号を出力する。
次に、上記の構成による異常検出装置12の作動について図2に基づいて説明する。
エンジン11の運転が開始されると、制御部31は、エンジン11がアイドル状態にあるか否かを判断する(S101)。具体的には、制御部31は、アイドル運転制御部32によってエンジン11に対しISC(Idol Speed Control)制御が実行されているか否かを判断する。制御部31は、エンジン11がアイドル状態にないと判断すると(S101:No)、S101へリターンする。
制御部31は、エンジン11がアイドル状態にあると判断、すなわちISC制御が実行されていると判断すると(S101:Yes)、エンジン11の負荷条件が予め設定されている検出可能範囲にあるか否かを判断する(S102)。エンジン11がアイドル状態であっても、例えばエンジン11で駆動される電装品や空調機器などの周辺機器からエンジン11に加わる負荷が大きくなる場合がある。このようにエンジン11に加わる負荷が大きなとき、負荷の変動によってエンジン11の運転状態に変化が生じ、異常検出の精度の低下を招くおそれがある。そこで、制御部31は、エンジン11の負荷条件が検出可能範囲にあるか否かを判断する。この検出可能範囲は、異常検出の精度を維持可能な範囲において、任意に設定することができる。
制御部31は、負荷条件が検出可能条件範囲に無いと判断すると(S102:No)、S101へリターンする。一方、制御部31は、負荷条件が検出可能範囲にあると判断すると(S102:Yes)、気筒間噴射量補正制御(以下、気筒間噴射量補正制御を「FCCB制御」と省略する。)が実行されているか否かを判断する(S103)。アイドル運転制御部32でISC制御が実行されているとき、制御部31はエンジン11の運転状態を安定させるためにFCCB制御を実行している。すなわち、制御部31は、補正量算出部33において各気筒15のインジェクタ16から噴射される噴射補正量TQkを算出し、この噴射補正量TQkに基づいて燃料噴射量を補正することにより、インジェクタ16からの燃料噴射量のばらつきを低減している。このように、制御部31は、ISC制御と同時にFCCB制御が実行されているか否かを判断する。
制御部31は、FCCB制御が実行されていないと判断すると(S103:No)、S101へリターンする。一方、FCCB制御が実行されていると判断すると(S103:Yes)、噴射補正量取得部34はFCCB制御による補正値をインジェクタ16ごとに噴射補正量TQkとして取得する(S104)。噴射補正量取得部34は、インジェクタ16ごとに、S103において補正量算出部33で算出された噴射補正量TQkを取得する。
噴射補正量TQkが取得されると、総噴射量算出部35は総噴射量Qおよび平均噴射量QFINを算出する(S105)。総噴射量算出部35は、エンジン本体13の各気筒15に設けられている各インジェクタ16から噴射される個別燃料噴射量QFINkを積算して総噴射量Qを算出し、算出した総噴射量Qをエンジン本体13の気筒数nで除する。これにより、平均噴射量QFINは、QFIN=Q/nで算出される。例えば図1に示すように四気筒のエンジン11の場合、四本のインジェクタ16から噴射される燃料噴射量の総和である総噴射量Qを気筒数である4で除することにより、平均噴射量QFINが算出される。この場合、総噴射量Qの算出に用いられる各インジェクタ16における個別燃料噴射量QFINkは、ISC制御を実行する際に各インジェクタ16間で噴射量補正が施された後の補正後の噴射量すなわち噴射補正量TQkを含めて算出される。
制御部31は、S104で算出したインジェクタ16ごとの噴射補正量TQkが安定したか否かを判断する(S106)。エンジン11がアイドル状態に移行し、ISC制御およびFCCB制御が実行されていても、アイドル状態へ移行した直後などの過渡的な条件にあるとき、噴射補正量TQkには変動が生じる場合がある。そこで、制御部31は、噴射補正量TQkが安定するまで取得された噴射補正量TQkを監視する。噴射補正量TQkが安定するまでの期間は、例えば数分の1秒から数秒程度である。
制御部31は、噴射補正量TQkが安定していないと判断すると(S106:No)、S101へリターンする。一方、噴射補正量TQkが安定していると判断すると、異常インジェクタ特定部36は、噴射補正量範囲判断部41においてインジェクタ16ごとに噴射補正量TQkが適正範囲外であるか否かを判断する(S107)。インジェクタ16からの燃料噴射量は、過大な場合および過小な場合がある。そのため、噴射補正量TQkは、図3に示すように基準値となる補正量「0」を中心として正または負の値となる。噴射補正量範囲判断部41は、この正または負の値となる噴射補正量TQkが、上限閾値(+THFa)と下限閾値(−THFa)との間の適正範囲にあるか適正範囲外にあるかを判断する。ここで、上限閾値(+THFa)および下限閾値(−THFa)の添字「a」は、異常と判断されるおそれのあるインジェクタ16の本数を示している。図2に示す流れにおいてS107では異常と判断されるおそれのあるインジェクタ16の本数は不明である。そのため、図3に示すように、まず四本のうち一本のインジェクタ16に異常が生じているとして上限閾値(+THF1)および下限閾値(−THF1)が選択される。これら上限閾値(+THF1)および下限閾値(−THF1)は、記憶部37または制御部31のROMなどに記憶されている。また、上限閾値(+THFa)および下限閾値(−THFa)は、インジェクタ16の総本数に対する異常と判断されるおそれのあるインジェクタ16の本数の割合に応じて設定されている。
噴射補正量範囲判断部41においてすべてのインジェクタ16の噴射補正量TQkが適正範囲外でない、すなわち適正範囲内にあると判断すると(S107:No)、制御部31はS101から処理を繰り返す。一方、噴射補正量範囲判断部41においていずれかのインジェクタ16の噴射補正量TQkが適正範囲外であると判断すると(S107:Yes)、異常インジェクタ特定部36は噴射補正量TQkが適正範囲外となるインジェクタ16が二本以上あるか否かを判断する(S108)。噴射補正量範囲判断部41は、S107において各気筒15に設けられているインジェクタ16ごとに、設定されている噴射補正量TQkが適正範囲外であるか否かを判断している。このとき、異常インジェクタ特定部36は、インジェクタ16のいずれに異常が生じているかを特定するために、この噴射補正量TQkが適正範囲外となるインジェクタ16が二本以上あるか否かを判断する。
異常インジェクタ特定部36は、噴射補正量TQkが適正範囲外となるインジェクタ16が二本以上ない、すなわちインジェクタ16の一本のみが適正範囲外であると判断すると(S108:No)、適正範囲外となったインジェクタ16の噴射補正量TQkが上限閾値(+THFa)以上であるか否かを判断する(S109)。このとき、適正範囲外となっているインジェクタ16は一本のみであるので、図3に示すように上限閾値(+THF1)が適用される。
異常インジェクタ特定部36は、適正範囲外となったインジェクタ16の噴射補正量TQkが上限閾値(+THFa=+THF1)以上であると判断すると(S109:Yes)、平均噴射量範囲判断部42において平均噴射量QFINが下限平均噴射量THQL以下であるか否かを判断する(S110)。異常インジェクタ特定部36は、平均噴射量QFINが下限平均噴射量THQL以下でない、すなわち平均噴射量QFINが下限平均噴射量THQLより大きいと判断すると(S110:No)、S107において噴射補正量TQkが適正範囲外となったインジェクタ16が異常であると特定する(S111)。一方、異常インジェクタ特定部36は、平均噴射量QFINが下限平均噴射量THQL以下であると判断すると(S110:Yes)、S107において噴射補正量TQkが適正範囲外となったインジェクタ16を除く残りのインジェクタ16が異常であると特定する(S112)。
S108およびS109において、一本のインジェクタ16の噴射補正量TQkのみが上限閾値(+THF1)以上であると判断される場合、その上限閾値(+THF1)以上となるインジェクタ16のみが異常、または上限閾値(+THF1)以上となるインジェクタ16のみが正常のいずれかが考えられる。本実施形態のように四気筒のエンジン11の場合、四本のインジェクタ16が設けられている。この四本のインジェクタ16のうち一本のインジェクタ16が正常であるとすると、他の三本のインジェクタ16は異常となる。このように三本のインジェクタ16が異常であるとき、異常な三本のインジェクタ16と正常な一本のインジェクタ16からの燃料噴射量が均一化されるように噴射量補正が施される。その結果、正常なインジェクタ16の噴射補正量TQkは、異常な三本のインジェクタ16の影響によって上限閾値(+THF1)以上となる。すなわち、噴射補正量TQkが適正範囲にあるか否かを判断しただけでは、噴射補正量TQkが上限閾値(+THF1)以上のインジェクタ16のみが異常であるのか、または正常であるのかを判断することは困難である。
ここで、平均噴射量QFINが下限平均噴射量THQLより大きいとき、平均噴射量QFINは適正噴射量範囲に含まれていることになる。平均噴射量QFINは、異常となるインジェクタ16の本数が増加するほど適正噴射量範囲から外れることになる。特に、三本のインジェクタ16が異常である場合、インジェクタ16の総本数に対し異常なインジェクタ16の占める割合は増加するため、平均噴射量QFINは適正噴射量範囲外となる。
上記の条件により、S110において平均噴射量QFINが下限平均噴射量THQL以上と判断される場合、S107において噴射補正量TQkが適正範囲外と判断された一本のインジェクタ16のみが異常であると判断される。これと同時に、この異常と判断されたインジェクタ16は、燃料噴射量を増加させるために噴射補正量TQkが過大に設定されていることになる。そのため、異常と判断されたインジェクタ16は、燃料噴射量が過小となる異常であると判断される。また、平均噴射量QFINが適正噴射量範囲、すなわちTHQL<QFIN<THQHにある場合も、S107において噴射補正量TQkが適正範囲外と判断された一本のインジェクタ16のみが異常であると判断される。
一方、S110において平均噴射量QFINが下限平均噴射量THQL以下であると判断される場合、S107において噴射補正量TQkが適正範囲外と判断された一本のインジェクタ16を除く残る三本のインジェクタ16が異常であると判断される。これと同時に、噴射補正量TQkが適正範囲外と判断された一本のインジェクタ16は、異常な三本のインジェクタ16の過大な燃料噴射量にあわせるために過大な噴射補正量TQkが設定されていることになる。そのため、異常と判断された三本のインジェクタ16は、燃料噴射量が過大となる異常であると判断される。
異常インジェクタ特定部36は、S109において適正範囲外となったインジェクタ16の噴射補正量TQkが上限閾値(+THF1)以上でないと判断すると(S109:No)、平均噴射量範囲判断部42において平均噴射量QFINが上限平均噴射量THQH以上であるか否かを判断する(S113)。異常インジェクタ特定部36は、S107においてインジェクタ16ごとに噴射補正量TQkが適正範囲外であるか否かを判断し、噴射補正量TQkが適正範囲にないときS108以降の処理を継続している。そのため、S109において適正範囲外となったインジェクタ16の噴射補正量TQkが上限閾値(+THF1)以上でないとき、インジェクタ16の噴射補正量TQkが下限閾値(−THFa=−THF1)以下と判断されることになる。
このように異常インジェクタ特定部36は、S109においてインジェクタ16の噴射補正量TQkが下限閾値(−THF1)以下と判断すると、S113において平均噴射量QFINが上限平均噴射量THQH以上であるか否かを判断する。異常インジェクタ特定部36は、平均噴射量QFINが上限平均噴射量THQH以上でない、すなわち平均噴射量QFINが上限平均噴射量未満であると判断すると(S113:No)、S107において噴射補正量TQkが適正範囲外となったインジェクタ16が異常であると特定する(S114)。一方、異常インジェクタ特定部36は、平均噴射量QFINが上限平均噴射量THQH以上であると判断すると(S113:Yes)、S107において噴射補正量TQkが適正範囲外となったインジェクタ16を除く残りのインジェクタ16が異常であると特定する(S115)。
S108およびS109において、一本のインジェクタ16の噴射補正量TQkのみが下限閾値(−THF1)以下であると判断される場合、その下限閾値(−THF1)以下となるインジェクタ16のみが異常、または下限閾値(−THF1)以下となるインジェクタ16のみが正常のいずれかが考えられる。本実施形態のように四気筒のエンジン11の場合、四本のインジェクタ16が設けられている。この四本のインジェクタ16のうち一本のインジェクタ16が正常であるとすると、他の三本のインジェクタ16は異常となる。このように三本のインジェクタ16に異常があるとき、異常な三本のインジェクタ16と正常な一本のインジェクタ16からの燃料噴射量が均一化されるように噴射量補正が施される。その結果、正常なインジェクタ16の噴射補正量TQkは、異常な三本のインジェクタ16の影響によって下限閾値(−THF1)以下となる。すなわち、噴射補正量TQkが適正範囲にあるか否かを判断しただけでは、噴射補正量TQkが下限閾値(−THF1)以下のインジェクタ16のみが異常であるのか、または正常であるのかを判断することは困難である。
ここで、平均噴射量QFINが上限平均噴射量THQH未満であるとき、平均噴射量QFINは適正噴射量範囲に含まれていることになる。平均噴射量QFINは、異常となるインジェクタ16の本数が増加するほど適正噴射量範囲から外れることになる。特に、三本のインジェクタ16が異常である場合、インジェクタ16の総本数に対し異常なインジェクタ16の占める割合は増加するため、平均噴射量QFINは適正噴射量範囲外となる。
上記の条件により、S113において平均噴射量QFINが上限平均噴射量THQH未満と判断される場合、S107において噴射補正量TQkが適正範囲外と判断された一本のインジェクタ16のみが異常であると判断される。これと同時に、この異常と判断されたインジェクタ16は、燃料噴射量を減少させるために噴射補正量TQkが過小に設定されていることになる。そのため、異常と判断されたインジェクタ16は、燃料噴射量が過大となる異常であると判断される。また、平均噴射量QFINが適正噴射量範囲、すなわちTHQL<QFIN<THQHにある場合も、S107において噴射補正量TQkが適正範囲外と判断された一本のインジェクタ16のみが異常であると判断される。
一方、S113において平均噴射量QFINが上限平均噴射量THQH以上であると判断される場合、S107において噴射補正量TQkが適正範囲外と判断された一本のインジェクタ16を除く残る三本のインジェクタ16が異常であると判断される。これと同時に、噴射補正量TQkが適正範囲外と判断された一本のインジェクタ16は、異常な三本のインジェクタ16の過小な燃料噴射量にあわせるために過小な噴射補正量TQkが設定されていることになる。そのため、異常と判断された三本のインジェクタ16は、燃料噴射量が過小となる異常であると判断される。
異常インジェクタ特定部36は、S108において噴射補正量TQk適正範囲外となるインジェクタ16が二本以上あると判断すると(S108:Yes)、平均噴射量範囲判断部42において平均噴射量QFINと適正噴射量範囲とを比較する(S120)。具体的には、平均噴射量範囲判断部42は、「A:QFIN≦THQLであるか?」、「B:THQL<QFIN<THQHであるか?」または「C:THQH≦QFINであるか?」のいずれであるかを判断する。すなわち、平均噴射量範囲判断部42は、平均噴射量QFINが「A:下限平均噴射量THQL以下であるか」、「B:適正噴射量範囲に含まれているか」または「C:上限平均噴射量THQH以上であるか」を判断する。
異常インジェクタ特定部36は、S120において「A:QFIN≦THQL」と判断されると(S120:A)、S104で算出した噴射補正量TQkが下限閾値(−THFa)以下となるインジェクタ16のすべてを燃料噴射量が過大となる異常であると判断する(S121)。また、異常インジェクタ特定部36は、S120において「B:THQL<QFIN<THQH」と判断されると(S120:B)、エンジン11に設けられているすべてのインジェクタ16が燃料噴射量の過大または過小に関わらず異常であると判断する(S122)。さらに、異常インジェクタ特定部36は、S120において「C:THQH≦QFIN」と判断されると(S120:C)、S104で算出した噴射補正量TQkが上限閾値(+THFa)以上となるインジェクタ16のすべてを燃料噴射量が過小となる異常であると判断する(S123)。この場合、S121およびS123では適正範囲外となっているインジェクタ16は二本以上あるので、図3に示すように上限閾値(+THF2)および下限閾値(−THF2)が適用される。
噴射補正量TQkが適正範囲外のインジェクタ16は、S120において「A:QFIN≦THQL」と判断、すなわち平均噴射量QFINが下限平均噴射量THQL以下と判断された場合、燃料噴射量を減らすように制御されている。そのため、噴射補正量TQkが適正範囲外のインジェクタ16は、燃料噴射量が過大であり、噴射補正量TQkを基準値「0」より負側の値に設定し、燃料噴射量の低減が図られている。したがって、S108において噴射補正量TQkが適正範囲外であるインジェクタ16が二本以上あると判断された場合であって、S120において平均噴射量QFINが下限平均噴射量THQL以下と判断されるインジェクタ16は、いずれも燃料噴射量が過大となる異常であると判断される。
同様に、噴射補正量TQkが適正範囲外のインジェクタ16は、S120において「C:THQH≦QFIN」と判断、すなわち平均噴射量QFINが上限平均噴射量THQH以上と判断された場合、燃料噴射量を増すように制御されている。そのため、噴射補正量TQkが適正範囲外のインジェクタ16は、燃料噴射量が過小であり、噴射補正量TQkを基準値「0」より正側の値に設定し、燃料噴射量の増加が図られている。したがって、S108において噴射補正量TQkが適正範囲外であるインジェクタ16が二本以上あると判断された場合であって、S120において平均噴射量QFINが上限平均噴射量THQH以上と判断されるインジェクタ16は、いずれも燃料噴射量が過小となる異常であると判断される。
さらに、噴射補正量TQkが適正範囲外のインジェクタ16は、S120において「B:THQL<QFIN<THQH」と判断、すなわち平均噴射量QFINが下限平均噴射量THQLと上限平均噴射量THQHとの間の適正噴射量範囲にあると判断された場合、各インジェクタ16について設定されている燃料噴射量が、上限閾値(+THF2)または下限閾値(−THF2)を超える噴射補正量TQkを設定した結果、全体として適正噴射量範囲に収まっていることになる。したがって、S108において噴射補正量TQkが適正範囲外であるインジェクタ16が二本以上あると判断された場合であって、S120において平均噴射量QFINが適正噴射量範囲にあると判断されるインジェクタ16は、燃料噴射量が過大または過小に関わらず、すべて異常であると判断される。
異常インジェクタ特定部36は、S111、S112、S114、S115、S121、S122およびS123において異常となるインジェクタ16を特定すると、特定したインジェクタ16を記憶部37に記憶する(S124)。そして、特定したインジェクタ16の記憶が終了すると、制御部31はS101へリターンする。
以上説明した一実施形態では、異常インジェクタ特定部36は、噴射補正量取得部34で取得したインジェクタ16ごとの噴射補正量TQk、および総噴射量算出部35で算出した総噴射量Qから算出する平均噴射量QFINに基づいて、複数のインジェクタ16のうちいずれのインジェクタ16に異常が生じているかを特定する。インジェクタ16のいずれかに異常が生じると、その異常なインジェクタ16は他のインジェクタ16に比較して燃料噴射量が過大または過小となる。そのため、正常なインジェクタ16の噴射補正量TQkと異常なインジェクタ16の噴射補正量TQkとは、差が大きくなる。一方、噴射補正量TQkは、インジェクタ16の相互間における相対的な量である。そのため、噴射補正量TQkの差だけでは、正常なインジェクタ16と異常なインジェクタ16とは区別ができない。そこで、異常インジェクタ特定部36は、噴射補正量TQkだけでなく総噴射量Qから算出される平均噴射量QFINも考慮に加えてインジェクタ16の異常を検出する。したがって、インジェクタ16による燃料噴射量の異常な増減を検出することができ、インジェクタ16の異常を精度よく検出することができる。
また、一実施形態では、異常インジェクタ特定部36でインジェクタ16の異常の判断に用いる噴射補正量TQkおよび総噴射量Qは、いずれもエンジン11がアイドル状態に維持されているときに取得される。そして、この噴射補正量TQkおよび総噴射量Qは、例えばインジェクタ16からの燃料噴射の停止、あるいは燃料噴射量の変更をともなうことなく取得される。したがって、エンジン11の運転状態の変化や不具合を招くことなく、インジェクタ16の異常を検出することができる。
一実施形態では、異常インジェクタ特定部36は、インジェクタ16ごとに噴射補正量TQkが適正範囲にあるか否かを判断する。例えば、異常なインジェクタ16において、燃料噴射量が過大であるとき、噴射補正量TQkはそのインジェクタ16において燃料噴射量を低減する方向へ設定される。この噴射補正量TQkは、異常なインジェクタ16における燃料噴射量が過大になるほど、燃料噴射量を低減する方向へ拡大され、適正範囲を超えることになる。そのため、各インジェクタ16の噴射補正量TQkが適正範囲にあるか否かを判断することにより、異常が生じている可能性があるインジェクタ16が特定される。一方、上述のように噴射補正量TQkは、インジェクタ16の相互間における相対的な量である。そのため、単に噴射補正量TQkが適正範囲に無いからインジェクタ16の異常と判断するのは困難である。そこで、異常インジェクタ特定部36は、複数のインジェクタ16においていずれかの噴射補正量TQkが適正範囲に無いと判断すると、総噴射量Qの平均値である平均噴射量QFINが適正噴射量範囲にあるか否かを判断する。エンジン11をアイドル状態に維持する場合、異常なインジェクタ16からの燃料噴射量を補うことを目的として全てのインジェクタ16について燃料噴射量が噴射補正量TQkの増加または減少に基づいて補正される。そのため、正常なインジェクタ16では、補正後の燃料の噴射量が過大または過小となる場合がある。その結果、この平均噴射量QFINを考慮することにより、噴射補正量TQkが適正範囲に無いインジェクタ16は異常であるか否かが判断される。したがって、異常なインジェクタ16について燃料噴射量が過大側または過小側のいずれの状態にあるかを含めて精度よく検出することができる。
さらに、一実施形態では、適正範囲を規定する上限閾値(+THFa)および下限閾値(−THFa)は異常となるインジェクタ16の割合に応じて設定されている。異常となるインジェクタ16の割合によって、噴射補正量TQkは変化する。そのため、上限閾値(+THFa)と下限閾値(−THFa)との間の適正範囲は異常となるインジェクタ16の割合によって変化する。そこで、上限閾値(+THFa)および下限閾値(−THFa)を異常となるインジェクタ16の割合に応じて設定することにより、異常なインジェクタ16をより精度よく検出することができる。
(その他の実施形態)
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
上述の一実施形態の場合、S102ではエンジン11の負荷の変動による検出精度への影響を低減するために、エンジン11の負荷条件が検出可能範囲にあるか否かを判断する例について説明した。しかし、エンジン11に加わる負荷の変動が小さい、あるいは一定の負荷が加わる場合、その負荷の大きさに応じてS107などで用いる上限閾値(+THFa)および下限閾値(−THFa)を複数用意し、負荷に応じて適切な上下閾値(+THFa)および下限閾値(−THFa)を選択する構成としてもよい。
これにより、上限閾値(+THFa)および下限閾値(−THFa)は、エンジン11の運転状態に応じて設定される。エンジン11は、例えアイドル状態であっても、給電機器や空調機器の作動によって負荷が変化する。この場合、各インジェクタ16からの燃料噴射量にも変化が生じる。そこで、上限閾値(+THFa)および下限閾値(−THFa)をエンジン11の運転状態に応じて設定することにより、エンジン11の運転状態に関わらず、異常なインジェクタ16をより精度よく検出することができる。
図面中、11はエンジン(内燃機関)、12は異常検出装置、15は気筒、16はインジェクタ(燃料噴射弁)、31は制御部(異常燃料噴射弁記憶手段)、32はアイドル運転制御部(アイドル運転手段)、34は噴射補正量取得部(噴射補正量取得手段)、35は総噴射量算出部(総噴射量算出手段)、36は異常インジェクタ特定部(異常燃料噴射弁特定部)、37は記憶部(異常燃料噴射弁記憶手段)、38は運転状態検出部(運転状態検出手段)、41は噴射補正量範囲判断部、42は平均噴射量範囲判断部を示す。

Claims (4)

  1. 内燃機関の複数の気筒にそれぞれ設けられている燃料噴射弁の異常を検出する異常検出装置であって、
    前記内燃機関をアイドル状態で運転するアイドル運転手段と、
    前記内燃機関が前記アイドル運転手段でアイドル状態に維持され、かつ前記燃料噴射弁から噴射される燃料の量を複数の前記気筒の相互間で補正する噴射量補正を実行しているとき、各燃料噴射弁ごとに補正された噴射量を噴射補正量として取得する噴射補正量取得手段と、
    前記内燃機関がアイドル状態に維持されているとき、前記噴射補正量取得手段で取得した前記噴射補正量を適用して複数の前記燃料噴射弁から噴射される燃料の総量を総噴射量として算出する総噴射量算出手段と、
    前記補正量取得手段で取得した各燃料噴射弁の前記噴射補正量、および前記総噴射量算出手段で算出した前記総噴射量に基づいて、複数の前記燃料噴射弁のうちいずれの燃料噴射弁に異常が生じているかを特定する異常燃料噴射弁特定手段と、
    前記異常燃料噴射弁特定手段で異常が生じていると特定された燃料噴射弁を異常燃料噴射弁として記憶する異常燃料噴射弁記憶手段と、
    を備えることを特徴とする異常検出装置。
  2. 前記異常燃料噴射弁特定手段は、
    前記噴射補正量取得手段で取得した前記燃料噴射弁ごとの前記噴射補正量と、予め設定されている前記噴射補正量の上限閾値および下限閾値とを比較して、前記燃料噴射弁ごとに前記噴射補正量が前記上限閾値と前記下限閾値との間の適正範囲にあるか否かを判断する噴射補正量範囲判断手段と、
    前記噴射補正量範囲判断手段において、前記燃料噴射弁のいずれかで前記噴射補正量が前記適正範囲に無いと判断されたとき、前記総噴射量算出手段で算出した前記総噴射量を前記内燃機関の気筒数で除した平均噴射量と、予め設定されている前記平均噴射量の上限平均噴射量および下限平均噴射量とを比較して、前記平均噴射量が前記上限平均噴射量と前記下限平均噴射量との間の適正噴射量範囲にあるか否かを判断する平均噴射量範囲判断手段と、
    を有することを特徴とする請求項1記載の異常検出装置。
  3. 前記上限閾値および前記下限閾値は、前記燃料噴射弁の総本数に対する前記異常燃料噴射弁特定手段で特定される前記異常燃料噴射弁の数の割合に応じて設定されていることを特徴とする請求項2記載の異常検出装置。
  4. 前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段をさらに備え、
    前記上限閾値および前記下限閾値は、前記運転状態検出手段で検出された前記内燃機関の運転状態に応じて設定されていることを特徴とする請求項2または3記載の異常検出装置。
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