JP2009145729A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒フィルタ31と吸着フィルタ33を用いてVOCを除去する画像形成装置において、触媒フィルタ31の性能向上と、吸着フィルタ33の性能保持を両立させて、VOCガスが画像形成装置の外部へ放出されてしまうのを効率良く防止する。
【解決手段】画像加熱手段Bの周囲部から排気口部102へ至るエアフローaを形成する手段と、前記エアフローaの経路上であって、画像加熱手段Bに又は画像加熱手段Bに近接して配置され、前記エアフローaのエア中の揮発性有機化合物を分解する触媒フィルタ31と、前記エアフローaの経路上であって、前記触媒フィルタ31よりもエアフロー下流側で、画像加熱手段Bから離間した位置に配置され、前記エアフローあのエア中の揮発性有機化合物を吸着する吸着フィルタ33と、を備えていること。
【選択図】図2

Description

本発明は、複写機やプリンタ等の画像形成装置に関する。特に、画像形成装置内に生じる揮発性有機化合物のガスを含む空気に対する処理機能を備えた画像形成装置に関する。
例えば電子写真方式の画像形成装置は、電子写真画像形成部により記録材に対して転写方式又は直接方式で未定着トナー画像を形成する。そして、その記録材をヒートローラタイプ等の熱定着装置に導入してトナー画像を固着画像として定着する。
熱定着装置に導入された記録材は加熱されることにより、人体に影響は無いものの、極微量ながら揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds:以下、VOCと記す)のガスが発生する可能性がある。
このようなVOCガスが画像形成装置の外部へ放出されてしまうのを削減するための提案がなされている。
特許文献1の画像形成装置は、印刷媒体が高温の定着ローラを通過する間に発生するVOC除去するために、定着ローラに近い箇所に備えられて、画像形成装置内部の空気を一定方向に誘導する排気通路を有する。そして、この排気通路の内部に位置する酸化触媒フィルタ及び排気ファンをさらに備えている。酸化触媒フィルタはVOCを除去するために触媒活性エネルギーを必要とする。触媒活性エネルギーは熱エネルギーであり、そのために酸化触媒フィルタはヒーターを具備している。
特許文献2の画像形成装置は、触媒フィルタと、触媒フィルタを補完する活性炭フィルタを組み合わせて用いている。熱定着装置で発生した熱は、画像形成装置本体外に排気ファンによって排出される。この排気ファン手前側の近傍にガス除去手段を形成する触媒フィルタと吸着フィルタが積層状態で配置されている。触媒フィルタは熱定着装置からの排熱を受けて活性化されるマンガン系触媒を含有していて、VOCを分解する作用をなす。吸着フィルタはVOCを吸着する活性炭等の吸着剤を含有していて、触媒フィルタで分解しきれなかったVOCを吸着する。また両フィルタは相互補完的にVOCを処理するだけでなく、触媒フィルタが吸着フィルタの負担を減らして、吸着フィルタの寿命を延伸する役目を果たしている。
特開2004−102290号公報 特開2006−349826号公報
VOCの中には、ベンゼン環を有する物質等、強固な化学構造を有するものがある。それらを、特許文献1のように触媒フィルタを用いて触媒反応により分解するには、触媒活性度の高い白金を使用して、ヒーターで200℃近くに熱しなければならない。その際は消費電力の問題や触媒素材(白金)のコスト高という問題を生じる。
一方で、比較的安価な触媒素材(例えばマンガン系触媒)を使って、比較的低温(50℃前後)で熱した場合は、化学構造の脆弱なVOCしか分解できないという問題を生じる。
特許文献2のように、触媒フィルタと、触媒フィルタを補完する吸着フィルタを組み合わせることで、触媒フィルタで分解しきれなかったVOCを吸着フィルタで捕捉できる。
しかしながら、特許文献2のように、触媒フィルタと吸着フィルタを隣接して配置したものは、以下の1)や2)のような問題点を持つ。
1)触媒フィルタの性能を向上させる(幅広い種類のVOCを、より高効率で分解させる)には、触媒フィルタをより高温な環境に設置する必要がある。一方、活性炭等を使用する吸着フィルタを高温にさらすと、吸着性能が低下する。そのため、触媒フィルタと吸着フィルタを隣接して配置した場合には、触媒フィルタの性能向上と、吸着フィルタの性能保持が両立しないという問題を生じる。さらに画像形成装置がスタンバイ状態にある時、排気ファンを停止、又は減速させる場合には、熱定着装置の熱が触媒フィルタに運ばれず、触媒フィルタの温度が低くなってしまう。画像形成装置がプリント動作を開始した際、排気ファンが作動して、触媒フィルタの温度を上昇させるまで、触媒フィルタはVOCを分解することができない。
2)吸着フィルタが高温にさらされると、吸着フィルタの製造段階等で吸着フィルタに含まれていたVOCが、高温にさらされる。その結果、VOCは画像形成装置の機外へ放散されることがある。
本発明は上記従来技術の問題点を解決するためになされたものである。その目的とするところは、触媒フィルタと吸着フィルタを用いてVOCを除去する画像形成装置において、触媒フィルタの性能向上と、吸着フィルタの性能保持を両立させて、VOCガスが画像形成装置の外部へ放出されてしまうのを効率良く防止することにある。また、吸着フィルタの温度上昇を抑えて、製造段階等で該フィルタに吸着されたVOCの熱放散(吸着フィルタ自体からのVOCガスの放出)を抑制することにある。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、記録材に画像を形成する画像形成手段と、記録材に形成された画像を加熱する画像加熱手段を有する画像形成装置において、前記画像加熱手段の周囲部から排気口部へ至るエアフローを形成する手段と、前記エアフローの経路上であって、前記画像加熱手段に配置され、又は画像加熱手段に近接して配置され、前記エアフローのエア中の揮発性有機化合物を分解する触媒フィルタと、前記エアフローの経路上であって、前記触媒フィルタよりもエアフロー下流側で、前記画像加熱手段から離間した位置に配置され、前記エアフローのエア中の揮発性有機化合物を吸着する吸着フィルタと、を備えていることを特徴とする。
また、上記の目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の他の代表的な構成は、記録材に画像を形成する画像形成手段と、記録材に形成された画像を加熱する画像加熱手段を有する画像形成装置において、前記画像加熱手段の周囲部から排気口部へ至る第1のエアフローを形成する手段と、前記第1のエアフローの経路上であって、前記画像加熱手段に配置され、又は画像加熱手段に近接して配置され、前記第1のエアフローのエア中の揮発性有機化合物を分解する触媒フィルタと、前記第1のエアフローの経路上であって、前記触媒フィルタよりもエアフロー下流側で、前記画像加熱手段から離間した位置に配置され、前記エアフローのエア中の揮発性有機化合物を吸着する吸着フィルタと、前記画像加熱手段の周囲部以外の画像形成装置内部空間のエアを、前記第1のエアフローに合流させて前記吸着フィルタに導く第2のエアフローを形成する手段と、を備え、前記第1のエアフローと前記第2のエアフローの合流点が、前記触媒フィルタと前記吸着フィルタの間であることを特徴とする。
触媒フィルタを画像加熱手段に又は画像加熱手段に近接して配置することにより、触媒フィルタは画像加熱手段の熱により高温に保たれ、幅広い揮発性有機化合物を高効率で分解することができる。また吸着フィルタが触媒フィルタよりもエアフロー下流側で、画像加熱手段から離間した位置に配置されることにより、該フィルタの吸着性能の低下を防ぐことができる。
また、第1のエアフローに合流させて吸着フィルタに導く第2のエアフローを形成することで、吸着フィルタに導入されるエアの温度は、第2のエアフローから流入するエアによって下げられる。その結果、吸着フィルタの温度も下がり、製造段階等で該フィルタに吸着された揮発性有機化合物の熱放散を抑えることができる。
[実施例1]
(1)画像形成部
図1は、本実施例における画像形成装置100の縦断正面模式図である。この画像形成装置100は電子写真複写機であり、内部に、記録材(画像記録媒体:用紙、シート)に画像を形成する画像形成手段としての印刷部Aを有する。この印刷部Aの図面上左方に、記録材に形成された画像を加熱する画像加熱手段としての熱定着装置Bを有する。また、印刷部Aの下方に上下2段に配設された第1と第2の給紙部C1・C2を有する。そして、印刷部Aの上方に原稿読取り手段としてリーダー部Dを有する。
印刷部Aは、レーザービーム走査露光方式の転写式電子写真プロセス機構であり、像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)1と、この感光ドラム1に作用するプロセス手段を有する。プロセス手段は、本実施例では、一次帯電装置2、レーザースキャナ3、現像装置4、転写帯電装置5、クリーニング装置6等である。
熱定着装置Bは、本実施例では、加熱された一対の回転体(熱定着ローラ対)で記録材を挟持搬送することにより記録材に形成された未定着画像を加熱して固着画像として定着するローラ定着装置である。このローラ定着装置は、記録材入口部21と記録材出口部22を有する装置筐体20内に、熱定着ローラ対としての、ヒーター24を備えた加熱ローラ(定着ローラ)23とこれに圧接する加圧ローラ25が配設されている。
第1と第2の給紙部C1・C2はどちらもカセット給紙機構であり、記録材Sを積載して収容するカセット7・8を有している。
リーダー部Dは、移動光学系9を有するイメージリーダー(原稿画像読み取り装置)であり、原稿台ガラス10上に画像面を下向きにしてセットされた原稿を光学走査して原稿画像を固体撮像素子(CCD)11により電気的な画像情報として光電読取りする。12は原稿台ガラス10に対して開閉される原稿圧着板である。原稿圧着板12に代えて、原稿自動給送装置(ADF・RDF)を装着することもできる。
原稿台ガラス10上に原稿を所定にセットし、操作盤部(不図示)により所要の複写条件を設定した後、複写スタートボタンを押す。そうすると、リーダー部Dが動作して、原稿画像が光電読取りされる。そして、光電読取り信号が画像処理部13で画像処理されてコントローラ(制御手段)Eに入力する。
また、熱定着装置Bの駆動と昇温、感光ドラム1の回転駆動、レーザースキャナ3内のポリゴンミラーの回転駆動等が開始される。感光ドラム1は矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動されて、その周面に、一次帯電装置2による所定の極性・電位の一様帯電処理を受ける。次いで、その帯電面にレーザースキャナ3から出力されるレーザー光(光画像情報)Lによる走査露光を受ける。レーザースキャナ3は、コントローラEから入力される電気的な画像情報に対応してオン・オフ変調されたレーザー光Lを出力して、感光ドラム1の帯電面を走査露光する。これにより、感光ドラム面に走査露光パターンに対応した静電潜像が形成される。そして、その静電潜像は現像装置4によりトナー画像として現像(可視化)される。
一方、所定の制御タイミングにて、第1の給紙部C1又は第2の給紙部C1の給紙ローラ14が駆動される。これにより、カセット7又は8に収納されている記録材Sが一枚分離給送されて、搬送ローラ15を含む記録材搬送路16によって、記録材検出手段17を経て、回転停止状態のレジストローラ対18に送られる。
コントローラEは、記録材検出手段17での記録材検出タイミングに基づいて、記録材搬送動作を停止させ、記録材の斜行補正をするための記録材ループをレジストローラ対18の手前に形成する。次に、コントローラEは、印刷部Aの準備を待って、記録材搬送動作を再開させると共にレジストローラ対18を回転させ、印刷部Aの転写部に記録材Sを送り込む。即ち、コントローラEは、感光ドラム1に形成されたトナー画像と記録材Sとが感光ドラム1と転写帯電装置5との対向部である転写部において所定に同期するように、記録材Sの搬送を再開すると共にレジストローラ対18の回転駆動を開始する。転写帯電装置5には、記録材Sが転写部を通過していく間、トナーの帯電極性とは逆極性で所定電位の転写バイアスが印加される。これにより、感光ドラム1側のトナー画像が記録材S上に順次に静電転写されていく。
そして、転写部を通過した記録材Sは感光ドラム1の面から分離され、記録材搬送路19を通って記録材入口部21から熱定着装置Bの装置筐体20内に導入される。熱定着ローラ対である加熱ローラ23・加圧ローラ25は所定の速度で記録材搬送方向に回転駆動されているとともに、加熱ローラ23が内部のヒーター24により例えば200℃近くの所定の定着温度に温調されている。加熱ローラ23と加圧ローラ25の表面にはシリコンゴム層が設けられ、定着ニップ部である、加熱ローラ23と加圧ローラ25との接触面積を増やしている。熱定着装置Bに導入された記録材Sは定着ニップ部に進入して挟持搬送されて加熱・加圧を受ける。これにより、未定着トナー画像が記録材上に固着画像として溶融定着される。
定着ニップ部を通った記録材Sは記録材出口部22から熱定着装置Bの外に出て、記録材搬送路26を通って排出ローラ27により排出口28から排出トレイ29上に画像形成物(プリント、コピー)として排出される。
また、記録材分離後の感光ドラム1は、ドラム表面を清掃するクリーニング装置6により転写残トナーや紙粉等の残留物の除去を受けて清浄面化され、繰り返して作像に供される。
(2)排気及びVOC除去機構
図2は上記画像形成装置100に配設したVOCガス除去手段としての排気及びVOC除去機構Fの一部切り欠き斜視図(模型図)である。
熱定着装置Bには、熱定着装置自体に、又は熱定着装置Bに近接させて触媒フィルタ31が配置されている。本実施例では、熱定着装置Bの記録材出口部22側の側面に又は該側面に近接させて触媒フィルタ31が配置されている。より具体的には、熱定着装置Bの装置筐体20の記録材出口部22を設けた側面板20aの外面に又は該外面に近接させて、記録材出口部22よりも上に、記録材出口部22の長手に沿って長い触媒フィルタ31が装着されている。本実施例においては、触媒フィルタ31はマンガン系触媒を含有するフィルタを用いている。そして、この触媒フィルタ31は、熱定着装置自体に又は熱定着装置Bに近接させて配置されていることで、熱定着装置Bの熱(排熱)により45℃以上の温度を保たせることが可能である。
画像形成装置奥側の外壁(背面板)101には、排気口部102を具備させ、この排気口部102に排気ファン34が配設されている。
熱定着装置Bの上側には、熱定着装置Bの長手に沿って長く、下面が開放されている排気ダクト32が配設されている。熱定着装置Bは触媒フィルタ31を含む略上側半部が排気ダクト32の内側に位置している。この排気ダクト32の画像形成装置奥側の端部は、排気ファン34を配設した排気口部102の位置に至たらせてある。
排気ファン34の排気口部102側とは反対側(排気ファン34の手前側)には、排気ファン34に近接させて吸着フィルタ33が配置されている。
上記の排気ファン34・排気ダクト32・触媒フィルタ31・吸着フィルタ33が排気及びVOC除去機構Fを構成している。
排気ファン34が駆動されることで、排気ダクト32内のエアが排気口部102から画像形成装置外に排気される。この排気により、排気ダクト32内には熱定着装置Bの周囲部(周辺部)から吸着フィルタ33を通って排気口部102へ至るエアフローaが形成される。そして、熱定着ローラ対23・25を通過した記録材Sから発生するVOCを含む記録材出口部22付近のエアが、上記エアフローaによる負圧により、触媒フィルタ31を通ってエアフローaに引き込まれる。すなわち、触媒フィルタ31は、エアフローaの経路上に熱定着装置Bに又は熱定着装置Bに近接して配置されていて、通過するエア中のVOCを触媒作用により分解する。
また、触媒フィルタ31で分解できなかったVOCは、エアフローaの経路上であって、触媒フィルタ31よりもエアフロー下流側で、熱定着装置Bから離間した位置に配置された吸着フィルタ33に導かれて吸着除去される。本実施例においては、吸着フィルタ33は活性炭を含有するフィルタを用いている。吸着フィルタ33は、エアフローaの下流側末端であって、画像形成装置の外壁付近に配置されていて、熱定着装置Bから離間していることで、40℃以下の温度を保たせることが可能である。なお、吸着フィルタ33は、熱定着装置Bの構成部材から発生するVOCをも吸着する役目を果たす。
以上説明した、触媒フィルタの性能向上と、吸着フィルタの性能保持を両立させて、触媒フィルタ31と吸着フィルタ33の2段のフィルタによって、熱定着装置B付近で発生したVOCガスを効果的に除去することができる。これにより、VOCガスが画像形成装置の外部へ放出されてしまうのを効率良く防止することができる。
また、触媒フィルタ31と吸着フィルタ33は、本実施例では、図3の(a)のように、多数の微細通気孔eを備えたハニカム構造フィルタから構成されるため、圧力損失が極めて低く、熱定着装置Bの排熱を阻害することがない。
図3の(a)のハニカム構造フィルタ31(33)は、(b)に示したような、波状部材cと平板dを多段に積層したもので、多数の微細通気孔eをエアが通過する間に、孔の壁面に塗布された処理剤(触媒、吸着剤)がVOCガスを除去する。(a)のハニカム構造フィルタは処理空気の通気抵抗を低く抑えるという特徴を有する。(c)はプリーツ構造フィルタである。このフィルタは、(d)に示したような、VOCの処理剤(触媒、吸着剤)を担持させた襞状濾過材fで構成されている。プリーツ構造フィルタは処理空気の通過面積を増やし手処理能力を向上させるという特徴を有する。複写機等の画像形成装置に使うフィルタは、これらの特徴を考慮して最適な構造のフィルタが選択される。
次に触媒フィルタ31と吸着フィルタ33の作用の詳細を説明する。
1)触媒フィルタ31の作用
触媒フィルタ31は、活性炭による吸着除去が困難な極性分子であって、比較的酸化されやすい物質を除去する役目を果たす。一般的に樹脂等から発生するVOCの大半は極性の弱い分子であり、同じく極性のない活性炭で吸着することができるが、記録材Sの種類によっては、極性分子のVOCを生じさせるものがある。そのような場合には触媒フィルタ31の酸化作用によって分解して、活性炭の弱点を補完する必要がある。
本実施例にいては、触媒フィルタ31は安価なマンガン系触媒を使用しているが、記録材Sから発生する極性分子が酸化されにくい物質である場合は、白金等を使用すると良い。白金に十分な触媒作用を生じさせるには、少なくとも100℃以上に熱する必要がある。本実施例における触媒フィルタ31は、熱定着装置Bの側面であって、かつ加熱された一対の回転体である、200℃程度に加熱される加熱定着ローラ対23・25に近接させて配置されているため、十分な温度を保つことができる。
なお、マンガン系触媒は、図4に示すように、温度(触媒フィルタに導入されるエアの温度、すなわち触媒フィルタの温度)が高くなるほど性能を発揮するが、実用的な性能(要求されるVOC除去率H)を得るには、少なくとも45℃以上に保つ必要がある。本実施例の場合、触媒フィルタ31は熱定着装置Bの側面に配置されている。そのための、画像形成装置100がプリント動作中の時だけでなく、画像形成装置が待機状態で、加熱ローラ23のヒーター24に最小限の通電しかされていない時でも、45℃以上の温度を保つことができる。そのため、触媒フィルタ31はプリント動作開始と同時にVOC物質を分解することができる。
2)吸着フィルタ33の作用
本実施例における吸着フィルタ33は、活性炭で構成される。活性炭はファンデルワールス力によってVOC分子を引き寄せ、表面の微細孔に保持する。図5はその様子を示した模型図である。活性炭表面74には数多くの微細孔75を有している。その微細孔75の内部表面にVOC分子76をファンデルワールス力によって捕らえる。
微細孔にVOCを捕らえる吸着剤は物理吸着剤とも呼ばれ、ゼオライトという鉱物系材料が用いられることもある。さらに他の吸着剤として、化学結合力によってVOCを捕らえる化学吸着剤等、様々な吸着剤が実用化されている。しかしながら樹脂材料やゴム材料、オイル類から発生するVOC物質は、種類が非常に多く、発生量も少なくない。一方で活性炭は極性分子物質を除く幅広い種類のVOC物質を多量に吸着するという特性を有することから、VOC除去用フィルタの吸着剤として広く用いられている。このような活性炭を吸着剤として用いるフィルタは、高い処理能力を持ち、フィルタの構造を適切に設計すれば、複写機等の画像形成装置から発生するVOCガス成分の多くを除去することができる。但し、活性炭はVOC分子をファンデルワールス力(化学結合力に比べると非常に弱い)で保持する。そのため高温下にさらされると、VOC分子の運動が活発になって、保持力が弱まる。すなわち、フィルタの吸着性能が低下し、一度捕らえたVOC分子を放散するという問題を生じる。
本実施例の場合は、吸着フィルタ33が熱定着装置Bから離間した位置(画像形成装置の外壁付近)にあるため、40℃以下の温度を保たせることが可能であり、吸着フィルタ33の性能低下を最小限に留めることができる。
以上説明した本実施例の構成・動作の画像形成装置100によれば、次の効果が得られる。
a:触媒フィルタ31は熱定着装置Bの周辺に配置されていることにより、該触媒フィルタ31はより高温に保たれ、幅広い種類のVOC物質を高効率で分解することができる。また、吸着フィルタ33は熱定着装置Bから離間した位置に配置されていることにより、吸着性能の低下を防ぐことができる。
b:触媒フィルタ31が、排気ファン34の動作状態に関わらず高温に保たれる。そのため、画像形成装置100がスタンバイ状態から復帰してプリント動作を開始した直後から、触媒フィルタはVOCを分解することができる。
c:また、触媒フィルタ31は、定着ニップ部を通過した記録材Sから発生するVOCを確実に分解することができる。
[実施例2]
本実施例は、実施例1の排気及びVOC除去機構Fについて、更に、図6のように、排気ダクト32の印刷部A側の側面で、吸着フィルタ33寄りの部分にエア取り入れ開口部(窓穴部)32aを具備させている。
実施例1の排気及びVOC除去機構Fと同様に、排気ファン34が駆動されることで、排気ダクト32内のエアが排気口部102から画像形成装置外に排気される。この排気により、排気ダクト32内には熱定着装置Bの周辺部から吸着フィルタ33を通って排気口部102へ至るエアフローaが形成される。このエアフローaを第1のエアフローとする。そして、熱定着ローラ対23・25を通過した記録材Sから発生するVOCを含む記録材出口部22付近のエアが、この第1のエアフローaによる負圧により、触媒フィルタ31を通って第1のエアフローaに引き込まれる。すなわち、触媒フィルタ31は、第1のエアフローaの経路上に熱定着装置Bに又は熱定着装置Bに近接して配置されていて、通過するエア中のVOCを触媒作用により分解する。また、触媒フィルタ31で分解できなかったVOCは、第1のエアフローaの経路上であって、触媒フィルタ31よりもエアフロー下流側で、熱定着装置Bから離間した位置に配置された吸着フィルタ33に導かれて吸着除去される。
また、上記第1のエアフローaによる負圧により、排気ダクト32の側面に具備させたエア取り入れ開口部32aから排気ダクト32内に熱定着装置Bの周囲部以外(周辺部以外)の画像形成装置内部空間のエアが流入する第2のエアフローbが形成される。本実施例においては印刷部Aの周辺部のエアが第2のエアフローbとなって排気ダクト32内に流入して第1のエアフローaに合流して吸着フィルタ33に導かれる。第1のエアフローaと第2のエアフローbの合流点は触媒フィルタ31と吸着フィルタ33の間である。第2のエアフローbとなって排気ダクト32内に流入する、熱定着装置Bの周辺部以外の画像形成装置内部空間のエアの温度は、第1のエアフローaの温度よりも低温であり、室温あるいは室温よりも少し高い程度である。
本実施例は、第1のエアフローaと第2のエアフローbの合流点を、触媒フィルタ31と吸着フィルタ33の間に設けている。その結果、吸着フィルタ33は、第2のエアフローbのエアによって冷却された第1のエアフローaのエアを吸引するため、実施例1と比べて、より低い温度を保つことができる。その結果、本実施例の画像形成装置は、吸着フィルタ33に含まれる活性炭が、フィルタ製造段階で微量のVOCで汚染されている場合であっても、VOCの放散を抑えることができる。
活性炭は、周囲に存在するVOCを強力に吸着する作用を有するため、フィルタの製造工程等で活性炭が工場内のVOCを吸着してしまうことがある。通常、フィルタに含まれるVOCは極微量で、例え熱定着装置Bの排熱を受けて機外に放散されたとしても、問題になることは少ない。しかし極微量でも規制対象となるVOC物質は、フィルタ33に元々含まれる程度の量であっても、問題になることがある。VOC物質は、空気中に普遍的に存在するため、フィルタ製造段階でフィルタに吸着/蓄積されて問題になりやすい。
図7は実験で得た、吸着フィルタ33に導入されるエア温度と吸着フィルタ33からのVOC放出量の相関図である。実験によれば、製造工程でVOCを吸着したフィルタに35℃のエアを導入した時、フィルタは吸着したVOCをほとんど放出しなかった。しかし、エア温度が45℃を超えると急激にVOCを再放出する。そのため、吸着フィルタの温度は、少なくとも40℃以下に抑えることが望ましい。本実施例では、第2のエアフローbによって吸着フィルタ33を冷却することで、吸着フィルタ33を40℃以下に保つことができる。
実施例1の画像形成装置の縦断正面模式図 排気及びVOC除去機構の一部切り欠き斜視図 各種フィルタ例の説明図 触媒フィルタの温度とVOC除去率の相関図 活性炭の表面構造とVOC分子の吸着を説明するための模式図 実施例1の排気及びVOC除去機構の一部切り欠き斜視図 吸着フィルタの温度とVOC放出量の相関図
符号の説明
100・・画像形成装置、A・・印刷部、B・・熱定着装置、C1・C2・・給紙部、D・・リーダー部、E・・コントローラ部、F・・排気及びVOC除去機構、31・・触媒フィルタ、32・・排気ダクト、33・・吸着フィルタ、34・・排気ファン、a・・エアフロー(第1のエアフロー)、b・・第2のエアフロー

Claims (7)

  1. 記録材に画像を形成する画像形成手段と、記録材に形成された画像を加熱する画像加熱手段を有する画像形成装置において、
    前記画像加熱手段の周囲部から排気口部へ至るエアフローを形成する手段と、
    前記エアフローの経路上であって、前記画像加熱手段に配置され、又は画像加熱手段に近接して配置され、前記エアフローのエア中の揮発性有機化合物を分解する触媒フィルタと、
    前記エアフローの経路上であって、前記触媒フィルタよりもエアフロー下流側で、前記画像加熱手段から離間した位置に配置され、前記エアフローのエア中の揮発性有機化合物を吸着する吸着フィルタと、
    を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 記録材に画像を形成する画像形成手段と、記録材に形成された画像を加熱する画像加熱手段を有する画像形成装置において、
    前記画像加熱手段の周囲部から排気口部へ至る第1のエアフローを形成する手段と、
    前記第1のエアフローの経路上であって、前記画像加熱手段に配置され、又は画像加熱手段に近接して配置され、前記第1のエアフローのエア中の揮発性有機化合物を分解する触媒フィルタと、
    前記第1のエアフローの経路上であって、前記触媒フィルタよりもエアフロー下流側で、前記画像加熱手段から離間した位置に配置され、前記エアフローのエア中の揮発性有機化合物を吸着する吸着フィルタと、
    前記画像加熱手段の周囲部以外の画像形成装置内部空間のエアを、前記第1のエアフローに合流させて前記吸着フィルタに導く第2のエアフローを形成する手段と、
    を備え、前記第1のエアフローと前記第2のエアフローの合流点が、前記触媒フィルタと前記吸着フィルタの間であることを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記エアフローを形成する手段が、排気ファンと排気ダクトであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記触媒フィルタは前記画像加熱手段の熱により45℃以上の温度に保たれ、前記吸着フィルタは40℃以下の温度に保たれることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記触媒フィルタは、マンガン系触媒を含有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記吸着フィルタは、前記エアフローの下流側末端であって、画像形成装置の外壁付近に配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記画像加熱手段が、加熱された一対の回転体で記録材を挟持搬送することにより記録材に形成された未定着画像を加熱して定着する熱定着装置であり、前記触媒フィルタを、前記熱定着装置の側面であって、かつ前記一対の回転体に近接させて配置したことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置。
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