JP2011095629A - 画像形成装置 - Google Patents

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健一 田村
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Abstract

【課題】触媒型フィルタ素子と吸着型フィルタ素子とを併用した高性能な異臭除去システムを装備していても、定着装置等の交換に際してフィルタ素子を交換しなくて済む画像形成装置を提供する。
【解決手段】定着装置117に設けられたヒューズが最初の使用で溶断する。起動時にヒューズの導通が検出されると、エアフロー切り換え弁213を吸着系フィルタ208側に切り換えて、最初の起動における吸着系フィルタ208による揮発性有機化合物の除去に備える。ヒューズの溶断(最初の起動)後のプリント累積枚数が12.5万枚に達すると、エアフロー切り換え弁を触媒系フィルタ209側に切り換えて触媒系フィルタ209による揮発性有機化合物の除去を開始し、その後、プリント累積枚数が50万枚に達すると定着装置117の交換の警告を操作パネルに表示する。
【選択図】図5

Description

本発明は、像加熱装置の起動時に発生する異臭物質を機体外へ排出させないためのフィルタ素子を備えた画像形成装置、詳しくは、異臭物質を吸収するフィルタ素子を長持ちさせる制御に関する。
トナー像を転写された記録材を加熱加圧して画像を定着させる定着装置を備えた画像形成装置が広く用いられている。定着装置は、半定着又は定着済み画像を加熱加圧して所定の表面状態に仕上げる表面仕上げ装置等を含めて像加熱装置と呼ばれる。
定着装置は、通常、定着ローラ等の部材が200℃近い温度まで加熱されるため、放置すると機体内の温度が上昇して正常な画像形成を継続できなくなる。このため、画像形成装置には、像加熱装置に加熱された空気を取り込んで機体外へ案内する排気経路が設けられ、排気経路には排気ファンを設けて、取り込んだ空気を機体外へ強制排気している。
定着装置は、また、定着ローラ等の部材が200℃近い温度まで加熱され、起動時には、部品の一部が500℃を超えるような温度に晒されることもある。そのため、定着装置の運転に伴って、部品に付着したオイル等の揮発物質が蒸発したり、樹脂部品が加熱されたりして、異臭物質が発生することがある。特に新品の画像形成装置の最初の起動時、あるいは定着装置を新品交換した後の最初の起動時には、強い異臭がする場合がある。
そこで、画像形成装置の排気経路に異臭物質を吸着するフィルタ素子を設け、フィルタ素子を貫通して異臭物質を減らした異臭の無い空気を機体外へ排出している(特許文献1、2)。
特許文献1には、像加熱装置に加熱された空気を取り込んで機体外へ案内する排気経路にホルムアルデヒド吸着フィルタを配置した画像形成装置が示される。ホルムアルデヒドは、樹脂成型部品の加熱や、トナーの溶融に伴って発生し、かなり希薄な濃度でも不快な異臭を感じさせるからである。ホルムアルデヒド吸着フィルタは、ホルムアルデヒド吸着繊維のマットを通常のフィルタ・マットに重ねて一体に形成されている。
特許文献2には、排気経路に吸着型フィルタと触媒型フィルタとを直列に配置して揮発性有機化合物(VOC:後述)を除去するようにした画像形成装置が示される。ここでは、吸着型フィルタで濃度を低下させた揮発性有機化合物を触媒型フィルタに透過させることで高い除去効率を達成している。
特開2003−186324号公報 特開2006−119313号公報
特許文献1に示されるホルムアルデヒド吸着フィルタは、排気経路に配置して使用し続けると、時間がたつに従ってホルムアルデヒドの吸着性能が低下する。このため、最初の定着装置で使用し続けて定着装置が新品交換されると、最初のままのホルムアルデヒド吸着フィルタでは、使用初期の期間に発生する濃度の高いホルムアルデヒドを十分に吸収できない。その結果、画像形成装置から室内へ異臭が漏れ出してしまう。
一般的に、物質を吸着して保持する活性炭や吸着型フィルタ素子は、吸着できる物質の最大容量が限られているし、組織中の吸着し易い場所から物質の吸着が進むため、時間が経つほど物質の吸着性能が低下する。このため、吸着型フィルタ素子は、初期の吸着性能が高いほど使用可能な寿命が短くなり、寿命が長いほど初期の吸着性能が低くなる傾向がある。吸着型フィルタ素子は、厚みを増せば、厚み分、物質の吸着容量が増して初期の吸着性能と長寿命とを両立できるが、排気経路の流路抵抗が大きくなって、排気ファンの大型化、運転騒音の増大を招いてしまう。
ところで、近年、触媒作用を持つ触媒型フィルタ素子が実用化されている。触媒型フィルタ素子は、触媒物質それ自身は変化することなく、異臭物質の分子を分解することで空気から異臭物質を除去する。このため、吸着型フィルタほどには、異臭物質の処理容量が限られず、分解された物質が触媒物質の邪魔をしない限り、時間が経つほど物質の除去性能が低下することもない。
しかし、触媒型フィルタ素子は、吸着型フィルタ素子に比較して処理効率が低く、多くの異臭物質をそのまま通過させてしまうため、高濃度の異臭物質が供給されると十分な異臭除去効果が得られない。
そこで、特許文献2に倣って、触媒型フィルタ素子に吸着型フィルタ素子を貼り合わせて二重構造の複合フィルタ素子とすることが提案された。これにより、排気経路の流路抵抗を小さくしても、定着装置の使用開始後の初期期間に排出される高濃度のホルムアルデヒドに対しても十分な異臭除去性能があることが確認された。しかし、上述したように、吸着型フィルタ素子が早期に吸着性能を喪失してしまうため、定着装置が交換された際にはもはや満足な異臭除去性能を発揮できない。
そのため、図11の(b)に示すように、定着装置を交換するごとに、触媒型フィルタ素子は性能低下していないにもかかわらず、吸着型フィルタ素子の性能低下のために複合フィルタ素子を交換する必要があった。交換を前提として、筐体構造を開いて外部から複合フィルタ素子を着脱するための特別な構造を排気経路に設ける必要があった。
本発明は、触媒型フィルタ素子と吸着型フィルタ素子とを併用した高性能な異臭除去システムを装備していても、定着装置等の交換に際してフィルタ素子を交換しなくて済む画像形成装置を提供することを目的としている。
本発明の画像形成装置は、像加熱装置と、前記像加熱装置に加熱された空気を取り込んで機体外へ案内する排気経路とを備えたものである。そして、前記排気経路を流れる空気に接触可能に配置されて当該空気中の異臭物質を分解する第1のフィルタ手段と、前記排気経路を流れる空気に接触可能に配置されて当該空気中の異臭物質を吸着する第2のフィルタ手段と、前記排気経路を流れる空気から前記第2のフィルタ手段を遮蔽可能な遮蔽手段とを備え、前記第2のフィルタ手段を遮蔽した状態での前記第1のフィルタ手段による前記異臭物質の除去を実行可能である。
本発明の画像形成装置では、遮蔽手段を作動させることで、像加熱装置に加熱された空気の流れから第2のフィルタ手段を遮蔽して、異臭物質の吸着進行を遅らせることができる。像加熱装置に加熱された空気に含まれる異臭物質の濃度が高いときには、第2のフィルタ手段を用いて、異臭物質を異臭が気にならない水準まで高能率に吸着除去させる選択が可能である。一方、像加熱装置に加熱された空気に含まれる異臭物質の濃度が低くなった後は、第1のフィルタ手段を用いて、異臭物質を異臭が気にならない水準まで分解除去させる選択が可能である。このとき、第2のフィルタ手段における異臭物質の吸着進行は停止(低下)しているため、第2のフィルタ手段の異臭物質の吸着性能が温存され、次回の濃度の高い排出に備えることができる。
従って、触媒型フィルタ素子と吸着型フィルタ素子とを併用した高性能な異臭除去システムを装備していても、定着装置等の交換に際してフィルタ素子を交換しなくて済む。
画像形成装置の構成の説明図である。 定着装置の構成の説明図である。 排気経路の配置の説明図である。 排気経路の斜視図である。 排気経路の動作の説明図である。 切り換え装置の説明図である。 吸着系フィルタと触媒系フィルタの性能比較の説明図である。 画像形成装置の制御系の構成を示すブロック図である。 エアフロー制御系の構成を示すブロック図である。 実施例2の制御のフローチャートである。 実施例2の制御の効果の説明図である。 実施例3のフィルタ切り換え装置の構成の説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明は、吸着型フィルタを遮蔽して異臭除去性能を温存可能である限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
従って、交換後の最初の運転で異臭が発生する像加熱装置を備えた画像形成装置であれば、像加熱装置及び画像形成装置の個別の形態や制御には限られない。像加熱装置は、ローラ・ローラ型、ローラ・ベルト型、ベルト・ベルト型のいずれでもよく、画像形成装置は、モノクロ、フルカラー、タンデム型、1ドラム型、中間転写方式、記録材搬送方式、直接転写方式の区別無く実施できる。本実施形態では、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。
なお、特許文献1に示される画像形成装置、定着装置、フィルタ素子の一般的な事項については、図示を省略して重複する説明を省略する。
<画像形成装置>
図1は画像形成装置の構成の説明図である。原稿読取装置20には、原稿給送装置130が搭載されている。原稿給送装置130は、原稿トレイ131に上向きセットされた原稿を先頭ページから順に1枚ずつ給紙してプラテンガラス102上を左から読取り位置を経て右へ搬送して排紙トレイ132に排出する。原稿がプラテンガラス102上を左から右へ通過するときに、原稿下面の画像は、読取り位置に保持されたスキャナユニット104により読取られる。原稿の読取り面がスキャナユニット104のランプ103の光で照射され、原稿からの反射光がミラー105、106、107を介してレンズ108に導かれる。レンズ108を通過した光は、イメージセンサ109の撮像面に結像する。
原稿の搬送方向に対して直交する方向を主走査方向とし、シート搬送方向を副走査方向とする。イメージセンサ109によって主走査方向に原稿画像を1ライン毎に読取りながら、原稿を副走査方向に搬送することによって、原稿の画像全体が読取られる。イメージセンサ109が光学的に読取った画像は、画像データに変換されて、所定の処理が施された後に、ビデオ信号として制御部へ入力される。
なお、原稿給送装置130により原稿をプラテンガラス102上に搬送して所定位置に停止させ、この状態でスキャナユニット104を左から右へ走査させることにより原稿下面の画像を読取ることも可能である。
図1に示すように、画像形成装置100は、感光ドラム111の周囲に、コロナ帯電器112、露光装置110、現像装置113、転写帯電器116、ドラムクリーニング装置114を配置している。感光ドラム111は、アルミニウムシリンダの外周面に負極性の帯電極性の感光層が形成され、所定のプロセススピードで矢印R1方向に回転する。
コロナ帯電器112は、コロナ放電に伴う荷電粒子を感光ドラム111に照射して、感光ドラム111の表面を一様な負極性の暗部電位VDに帯電させる。露光装置110は、入力画像を展開した走査線画像データをON−OFF変調したレーザービームを回転ミラーで走査して、帯電した感光ドラム111の表面に画像の静電像を書き込む。現像装置113は、磁性トナーの一成分現像剤を用いて、感光ドラム111の静電像(露光部)にトナーを付着させて、トナー像を反転現像する。
転写帯電器116は、感光ドラム111に重なって転写部T1を通過する記録材Pに、コロナ放電に伴う荷電粒子を照射して正極性に帯電させ、感光ドラム111から記録材Pへトナー像を転写させる。記録材カセット115から引き出された記録材Pは、分離ローラ118で1枚ずつに分離してレジストローラ119へ送り出される。レジストローラ119は、停止状態で記録材Pを受け入れて待機させ、感光ドラム111のトナー像にタイミングを合わせて記録材Pを転写部T1へ送り込む。
トナー像を転写された記録材Pは、定着装置117で加熱加圧を受けて表面にトナー像を定着された後に、排出ローラ121により積載トレイ122へ排出される。ドラムクリーニング装置114は、感光ドラム111にクリーニングブレードを摺擦させて、記録材Pへの転写を逃れて感光ドラム111に残った転写残トナーを回収する。
記録材Pをその画像形成面が下向きになる状態(フェイスダウン)で排出するときには、記録材Pを定着装置117から反転パス124へ送り込んでスイッチバックさせて排出ローラ121へ導く。このような反転排紙は、先頭ページから順に画像形成するときに行われ、積載トレイ122へ記録材Pが順序正しいページ順で積載される。
また、OHPシートなどの硬い記録材Pは、不図示の手差給紙部から給紙され、トナー像の転写・定着後、記録材Pは、反転パス124へ導かれることなく、画像面を上向きにした状態(フェイスアップ)で積載トレイ122へ積載される。
さらに、シートの両面に画像形成を行う場合、トナー像の転写・定着後、記録材Pは、排出ローラ121で後端をニップした状態で停止する。そして、記録材Pの進行方向を反転してスイッチバックさせ、進路切り換え部材の切換動作により記録材Pを両面搬送パス124へ搬送する。その後、両面搬送パス124へ導かれた記録材Pを表裏反転状態で再度、転写部T1へ給送する。
<定着装置>
図2は定着装置の構成の説明図である。図3は排気経路の配置の説明図である。
図2に示すように、定着装置117は、定着ローラ141に加圧ローラ143を圧接して記録材Pの加熱ニップNを形成する。定着ローラ141の中心軸を貫通させて、定着ローラ141の内壁面を赤外線加熱する熱源としてのハロゲンランプヒータ142が非回転に配置されている。
定着ローラ141の表面に接触させて温度センサ(接触式サーミスタ)145が配置されている。温度調整回路146は、温度センサ145によって検出される定着ローラ141の表面温度が、所定の目標温度(例えば180℃)に収束するように、ハロゲンランプヒータ142をON−OFF制御する。
定着ローラ141は、外径がφ40mmのストレート形状のローラである。定着ローラ141は、両端を回転可能に支持された厚さ0.8mm軟鋼の円筒材料の表面に30μm厚さのPFAチューブからなる離型層を被覆して構成される。
加圧ローラ143は、回転駆動される定着ローラ141に当接して従動回転する。加圧ローラ143は、外径φ20mmの軟鋼の棒材の周囲にシリコンゴムからなる弾性層を設け、弾性層の表面を50μm厚さのPFAチューブからなる離型層で被覆して直径35mmに形成されている。加圧ローラ143は、長手方向の両端に配置した不図示の加圧機構によって、定着ローラ141に対して総圧1000N(100KgF)の加圧力が印加されている。
定着装置117の運転に伴って、定着ローラ141、加圧ローラ143、ハロゲンランプヒータ142によって加熱された空気が開口部147a、147bを通じて排出される。また、定着装置117の筐体148の壁面を介して外側の空気が加熱される。このため、定着装置117による機体内の空気の加温を放置すると、機体内の温度が上昇して正常な画像形成を継続できなくなる。このため、画像形成装置100には、定着装置117に加熱された空気を取り込んで機体外へ案内する排気経路200が設けられている。
図3に示すように、画像形成装置100には、様々な排気経路が配置されている。主には冷却、排熱、オゾン、揮発性有機化合物などの浄化、汚れ防止、バキュームによる吸着などである。
排気経路200は、定着装置117の排熱エアフローを形成するもので、定着装置117の上部に配置され、定着装置117で暖められた空気を機体外に排出する。コロナ帯電器112の上部には、ワイヤ電極の汚れを防ぐために、外気をコロナ帯電器112に吹き付ける一次ダクト204が配置される。排出ローラ121の下方には、定着後の記録材Pの温度を下げるために、記録材Pの下方から記録材ガイドに向けて外気を当てる排紙冷却ダクト205が配置されている。その他にも、制御部(電装部)305にあるコントローラー基板の回路素子を冷却する制御部冷却ダクト206もある。
画像形成装置100では、従来機よりもプリントスピードの更なる高速化が進められたため、発熱源とされる、モータ、電源ユニット、定着装置117等で発生する熱の総量が増加している。その対応のために、画像形成装置100には、筐体内部空間を冷却するための吸気および排気用のファンやダクトが備えられている。吸気および排気用のファンやダクトによる筐体内のエアーの流れは、室内空間から取り込んだエアーを、発熱源(モータ、電源ユニット、定着装置等)に送り込み、加熱されたエアーを室内空間に排出する。
また、画像形成装置100において、記録材の両面プリントを行う場合、一方の面にプリントが行われた記録材は、温度の高い定着装置117を通過して熱を持った状態で、筐体内を搬送されて周囲を加熱する。これにより画像形成部が昇温するが、この画像形成部に対しても不図示のファンやダクトを用いてエアーを送り込み、除熱に関与して加熱されたエアーを室内空間に排気するようにしている。画像形成装置100は、室内の労働環境を快適に維持させるために、法規制よりも一段厳しい基準で粉塵や揮発性物質の排出を抑制するように、各所に高性能なフィルタ素子を配置している。
ところで、画像形成装置100は、外装カバーを始め、記録材ガイド、操作部、プロセスキット、内装カバー、各種ギアなど多くの筐体や機構部品に樹脂部品を使用している。これらの樹脂部品の材料としては、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、PS(ポリスチレン)、PC(ポリカーボネイト)、POM(ポリアセタール)などを使い分けて使用している。
このため、画像形成装置100内部の冷却のためのエアーの排気が行われる際に、筐体内の各部で発生する揮発性有機化合物が、画像形成装置を設置した室内空間に排出される。
揮発性有機化合物は、VOC(Volatile Organic Compound)と呼ばれ、大気中に気体で存在する有機化合物の総称である。従来から、粉塵や特定有害物質(トルエン、ベンゼン、ホルムアルデヒド等)については排出量が法規制されており、画像形成装置によっては、排気口に集塵フィルタを取り付け、トナー粒子が装置外に排出されないようにしている。
加えて近年、画像形成装置に使用される樹脂部品から発生するごく微量な揮発性有機化合物にも法規制が加えられている。具体的には、BAM(Blue Angel Mark)規格を始めとする種々の法規制が制定されて揮発性有機化合物の排出量を規制している。画像形成装置から室内空間に排出される粉塵や揮発性有機化合物についても、その種類ごとに総排出量が法規制されているため、画像形成装置100は、これらの法規制の規格値を満たす設計がされている。
画像形成装置を構成する部品には、従来から樹脂材料が多く用いられている。実際、画像形成装置100の総部品点数のうち、外装カバー、シートガイド、歯車など、部品点数で約5割〜8割程度の部品に、ABS、PS、PC+ABS、PPE、POM等の樹脂材料が少なくとも一部使用されている。樹脂材料を用いる理由は、金属に比べて、形状の自由度があり、重量が軽いこと等である。
排出量が法規制されている揮発性有機化合物の一部が、画像形成装置100内で使われているABS、PS、PC+ABS、PPE等を材料としている樹脂部品から発生している。駆動モータの発熱、装置電源の発熱、定着装置の放熱、或いは両面プリント時の熱せられた記録材による装置内昇温に起因して樹脂部品が熱に晒されると、樹脂材料に含まれる揮発性有機化合物が空気中に放出される。樹脂成分であるスチレン(沸点145.2℃)やベンゼン(沸点80.1℃)といった化学物質が沸点に到達し、気体となって、図3に示す排気経路200等を通じて室内空間に排出される。
そして、近年、画像形成装置の高速化、両面プリント機能の標準化が進んで筐体内の発熱量が増す一方で、画像形成装置の小型化、部品の高密度実装が進んでいる。このため、樹脂部品がいままで以上の温度に晒されるようになって、樹脂部品から発生する揮発性有機化合物の量も増える傾向にある。
樹脂部品から発生する揮発性有機化合物を捕集するために、活性炭を主成分とした吸着型のフィルタ素子を使用することが効果的である。吸着型のフィルタ素子は、細孔と呼ばれる細かな孔にガス状物質を物理吸着させることにより揮発性有機化合物を捕集している。上述したように、特許文献1には、トナーの融解やオイルの加熱に伴って発生するホルムアルデヒドを吸着する吸着型フィルタ素子を定着装置に設けた画像形成装置が示されている。
しかし、一般的に、樹脂部品はモールド成型したものが使用され、モールド成型された樹脂部品は、成型直後から微量ではあるものの揮発性有機化合物を発生し続け、その量は時間が経過するに従い減少していく傾向がある。このような樹脂部品が多く用いられた画像形成装置では、樹脂部品から発生する揮発性有機化合物の量が、使用初期から時間が経過するに従って減少していく傾向がある。
すなわち、樹脂部品を多く用いた画像形成装置から発生する揮発性有機化合物の量は一定ではなく、最も揮発性有機化合物の発生量が多いのは、画像形成装置が新品の場合である。特に大量の熱を発生する定着装置又は定着装置周辺のモールド部品が新品交換された後は、数日間に渡って大量の揮発性有機化合物が発生する。
このため、揮発性有機化合物の発生量がフィルタ素子の捕集能力を超えてしまい、一時的に、法規制の規格値を超える水準の揮発性有機化合物が室内空間へ排出される可能性がある。そこで、フィルタ素子は、そのような一時的な排出量ピークにおいても法規制の規格値を遵守できるように、想定される揮発性有機化合物の最大量を捕集できるように、高性能かつ高容量なものを搭載している。
しかし、定着装置又は定着装置周辺のモールド部品が新品交換されて数日間が経過すると、その後の揮発性有機化合物の排出量は激減する(図11の(a)参照)。次回に同様な交換がされるまで、画像形成装置から排出される揮発性有機化合物の量は相対的に最大量の10%から3%程度であることが実験的にわかっている。
ここで、フィルタ素子の揮発性有機化合物の捕集量を大きくするには、同一寿命においてはフィルタ素子の吸着面の表面積を大きくする必要がありフィルタ素子の大型化を招いて画像形成装置内への実装が困難になる。捕集性能を損なうことなく、フィルタ素子の大型化を回避しようとすると、必然的にフィルタ素子の寿命が短寿命にならざるを得なくなる。短寿命になるということは、フィルタ素子の交換頻度が増すことになり、交換の手間と、部品代が増大することを意味する。
そこで、以下の実施例では、画像形成装置100の樹脂部品から発生する揮発性有機化合物が、万が一でも法規制の規定値を超える量、室内空間へ排出されることを未然に防止している。と同時に、性質の異なるフィルタを状況に応じて使い分け、揮発性有機化合物の効率的な捕集が行えるようにし、フィルタ素子の交換頻度を減らしている。
<実施例1>
図4は排気経路の斜視図である。図5は排気経路の動作の説明図である。図6は切り換え装置の説明図である。図4中、(a)は正面側(転写部側)から見た斜視図、(b)は背面側(排出側)から見た斜視図である。
図4の(a)に示すように、定着装置117の内部から開口部147bを通じて排出された熱い空気は、吸入口201bを通じて排気経路200に取り込まれる。図4の(b)に示すように、定着装置117の内部から開口部147aを通じて排出された熱い空気は、吸入口201aを通じて排気経路200に取り込まれる。排気経路200の端部には排気ファン207を設けて、取り込んだ空気を筐体の背面側から強制排気している。
図5の(a)に示すように、定着装置117の排熱のエアフローが形成される。図5の(a)の向かって左側が画像形成装置100の正面で右側が背面となる。
定着装置117のエアフローは、定着装置117から発生する熱が他のユニットに伝達して悪影響を及ぼすのを防ぐと同時に、定着装置117そのものも昇温し過ぎないようにする。これにより、定着装置117や定着装置117の周辺のモールド部品から発生する揮発性有機化合物を吸引して吸着系フィルタ208で吸着することで、臭気を軽減して排気する目的がある。
排熱ダクト206は、吸気口206aから外気を吸い込み、排気ファン207により背面に排気する。排熱ダクト206の途中にある定着装置117からは上方に熱せられた空気が揮発性有機化合物と共に排出され、排熱ダクト206内の空気と合流して画像形成装置100の背面方向に移動する。
定着装置117と排熱ファン207との間には第2の排気経路の一例である分岐ダクト206bと第1の排気経路の一例である分岐ダクト206cの2系統の分岐がある。分岐ダクト206bには活性炭の吸着作用を利用した第2のフィルタ手段の一例である吸着系フィルタ208が設けられ、分岐ダクト206cには触媒作用を利用した第1のフィルタ手段の一例である触媒系フィルタ209が設けられている。
図6に示すように、分岐ダクト206b、206cの一方をエアフロー切り換え弁213が遮蔽することで、排気経路200を流れるエアフローが切り換えられる。二系統の分岐ダクト206b、206cは、エアフロー切り換え弁213により選択的にどちら一方にのみ空気が流れるように構成されている。エアフロー切り換え弁213がAの位置にある場合は、定着装置(117)を通った空気は分岐ダクト206bにのみ流れ、エアフロー切り換え弁213がBの位置にある場合は、定着装置117を通った空気は分岐ダクト206cにのみ流れる。
切り換え機構の一例であるエアフロー切り換え弁213は、駆動モータ210によりギア列210a、210bを介して位置Aと位置Bとを切り換えられる。エアフロー切り換え弁ポジションセンサ(フォトインタラプタ)213L、213Tは、エアフロー切り換え弁213がAの位置にある場合とBの位置にある場合とで出力を反転させる。
<フィルタ素子>
図7は吸着系フィルタと触媒系フィルタの性能比較の説明図である。実施例1では、吸着系フィルタ208と触媒系フィルタ209のいずれも東洋紡績株式会社製の市販品を用い、吸着系フィルタ208には型番NPBシリーズの活性炭フィルタを採用し、触媒系フィルタ209には型番CAOシリーズの触媒フィルタを用いた。ただし、活性炭フィルタは、NB、NPB、UPB、WPBのいずれでも必要な性能が得られ、触媒フィルタは、CAO、CBO、CBO−Mのいずれでも揮発性有機化合物に対する必要な性能が得られた。これらのフィルタ素子の用途、組成、性能、寿命、具体的な使用方法等については、例えば同社の下記のホームページに詳しい説明が公開されている。また、特許文献2にも触媒系フィルタ素子と吸着系フィルタ素子に関する具体的な説明が記載されている。
http://www.toyobo.co.jp/seihin/ac/filter/material/catalyst/index.htm
図7に示すように、一般的な活性炭フィルタと触媒フィルタの定性的な違いについて説明すると、活性炭フィルタの特徴は、大量の揮発性有機化合物を短時間に吸着できることである。しかし、活性炭フィルタのVOC吸着性能を長時間維持するためには、フィルタ素子の表面積を大きくしなければならないため、フィルタ素子を大型化する必要がある。
一方、触媒作用を利用した触媒フィルタの特徴は、吸着性能の低下率が活性炭を利用したものと比べて少ないことである。ただし、吸着量の絶対量は活性炭フィルタよりも少なく、同じ大きさの活性炭フィルタと比べると単位時間当たりのVOC吸着量は少ない。また、VOC吸着性能の低下率は少ないが、フィルタ表面へのゴミや粘着物質などの付着により経時的に吸着性能は落ちていく。
そこで、実施例1では、定着装置117の交換又は周囲の部品交換がされて大量の揮発性有機化合物が発生する期間は、分岐ダクト206bを通じたエアフローを形成して吸着系フィルタ208でVOC除去を行う。
図2に示すように、定着装置117の交換後又は周囲の部品交換後、操作パネル308を操作して定着装置117を起動すると、制御部950は、エアフロー切り換え弁213を作動させて分岐ダクト206bを開く。
そして、大量の揮発性有機化合物が発生する期間を過ぎると、分岐ダクト206cを通じたエアフローを形成して触媒系フィルタ209でVOC除去を行う。具体的には、定着装置117の累積加熱時間が100時間に達すると、エアフロー切り換え弁213を作動させて分岐ダクト206cを開く。これにより、エアフロー切り換え弁213が吸着系フィルタ208をエアフローから遮蔽して、VOC吸着性能を次回の定着装置117の交換又は周囲の部品交換がされるまで温存させる。このため、画像形成装置100内で発生するVOCを吸着するための吸着系フィルタ208の交換頻度が低減される。
<実施例2>
図8は画像形成装置の制御系の構成を示すブロック図である。図9はエアフロー制御系の構成を示すブロック図である。図10は実施例2の制御のフローチャートである。図11は実施例2の制御の効果の説明図である。
実施例2の制御では、画像形成装置100において、制御部950は、定着装置117の交換を温度ヒューズ211により検出して、自動的にエアフロー切り換え弁213を制御する。
図1を参照して図8に示すように、制御部950は、制御回路部305を有する。そして、制御回路部305は、ROM306、RAM307を内蔵し、ROM306に格納されている制御プログラムにより各ブロック(301、302、303、304、308、501)を総括的に制御する。RAM307は、制御データを一時的に保持し、また制御に伴う演算処理の作業領域として用いられる。
原稿給送装置制御部301は、原稿給送装置130を制御回路部305からの指示に基づき駆動制御する。イメージリーダ制御部302は、原稿読取装置20の駆動制御を行って、イメージセンサ109から出力された画像信号を画像信号制御部303に転送する。
画像信号制御部303は、イメージセンサ109からの画像信号に各種処理を施し、デジタル信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部304に出力する。画像信号制御部303による処理動作は、制御回路部305により制御される。
操作パネル308は、画像形成に関する各種機能を設定する複数のキー、設定状態を示す情報を表示するための液晶表示部などを有する。操作制御部308aは、各キーの操作に対応するキー信号を制御回路部305に出力するとともに、制御回路部305からの信号に基づき、対応する情報を、操作パネル308の液晶表示部に表示する。
図9に示すように、プリンタ制御部304は、CPU320、RAM321、ROM322等で構成されるCPU回路部310を有する。CPU回路部310からの指示に基づき、ROM322に格納されている各種プログラムを実行して画像形成装置100のプリンタ部を動作させる。その動作の中に定着装置117の排熱エアフロー関連の制御がある。
排熱エアフロー関連の制御を行う場合、CPU回路部310に各種センサから検出信号が入力される。各種センサの検出信号としては、定着装置117の新品検出信号、エアフロー切り換え弁ポジション検出信号、排気ファン207の回転検出信号がある。CPU回路部310には、ドライバが接続されており、CPU回路部310からの信号に基づいて、各種モータ、ソレノイド、及びクラッチを駆動させる。各種モータとしては、エアフロー切り換え弁213の駆動モータ210と排気ファン(ファンモータ)207がある。
また、ユニットカウンタ330は、制御部950内部にあるNVRAM(不揮発メモリ)に蓄積された記憶データからなり、定着装置117の新品時からの通紙枚数を記憶している。画像形成装置100が1面プリントするたびに通紙枚数を1枚ずつ増やして記憶する。
図2に示すように、定着装置117には、定着装置117の未使用を検出する未使用検出センサとして、最初の起動時に溶断する温度ヒューズ211が付設されている。検出手段の一例は、温度ヒューズ211の導電状態を検出する回路である。
プリンタ制御部304は、温度ヒューズ211の導電状態を検出して新品か否かを判断する。温度ヒューズ211は、定着装置117の定着ローラ141の近傍に配置され、電源投入時または前ドアクローズなど定着装置117の交換の可能性がある場合に、温度ヒューズ211の電気回路に電流が流される。
そして、プリンタ制御部304は、温度ヒューズ211の電気回路に電流が流れれば、交換等されて新品であると判断する。定着装置117が初回に作動してハロゲンランプヒータ142による加熱を行うと、温度ヒューズ211が切れるため、温度ヒューズ211の回路に電流が流れなければ、使用済品と判断する。
電流が流れて新品判断がされると、プリンタ制御部304は、ユニットカウンタ330を0にリセットする。ユニットカウンタ330は、各交換ユニット、例えば感光ドラム111や定着装置117など寿命の定められているユニットについて、その使用回数として通紙枚数や、使用時間、回転数などを記憶する。プリンタ制御部304は、定着装置117が新品であることを検知すると、ユニットカウンタ330をリセットし、次に新品状態が検知されるまで、累積の使用回数をカウントし続けるものである。
図2を参照して図10に示すように、定着装置117の新品検出結果に基づく排熱エアフローのダクト切り換え制御が実行される。
制御部950は、画像形成装置100の電源投入(パワーオン)又はカバー閉じ(カバークローズ)がされると(S11)、温度ヒューズ211の断線状態をチェックする(S12)。温度ヒューズ211が導通状態であれば、エアフロー切り換え弁213を作動させて分岐ダクト206bを開いて、最初の起動で発生する高濃度の揮発性有機化合物を吸着系フィルタ208で吸着させるように準備する。
制御部950は、温度ヒューズ211が断線状態であれば(S12のYES)、ユニットカウンタ330内に記憶されている定着装置117の累積定着回数(プリント枚数)の値が所定の枚数を超えているか否かをチェックする(S13)。
ここで、所定の枚数とは、定着装置117が発生する揮発性有機化合物の発生量が触媒系フィルタ209でも十分吸着できる量になるまでの累積画像形成枚数のことで、実験的に求められた値を参考に決められる。この値よりも定着装置117の累積画像形成枚数が少なければ新品状態であり、多ければ揮発性有機化合物の発生量が少なくなった状態である。実施例2では、定着装置117の使用開始後、フィルタ素子の切り換えを実行するまでの所定枚数を12.5万枚とした。
制御部950は、定着装置117の使用枚数の値が所定の値未満であれば(S13のYES)、エアフロー切り換え弁213を作動させて分岐ダクト206bを開く(S14B)。定着装置117が新品状態で、揮発性有機化合物の発生量が多いため、より多くの揮発性有機化合物を吸着できる吸着系フィルタ208を排熱ダクト206のエアフローの空気が経由するようにする。
制御部950は、定着装置117の使用枚数の値が所定の枚数を超えていれば(S13のNO)、分岐ダクト206cを開いたままにしておく(S14A)。定着装置117が新品状態を終えて揮発性有機化合物の発生量が減少した状態なので、VOC除去性能が低い触媒系フィルタ209でも、排気ファン207から排出される排気の揮発性有機化合物のレベルを低く維持できるからである。
制御部950は、定着装置117の交換後、温度ヒューズ211が未断線状態であれば、定着装置117のヒーター制御を行い(S16)、温度ヒューズ211の断線を検知し続ける(S17)。定着装置117における定着ローラ141の温度が上昇して温度ヒューズ211が溶断すると(S17のYES)、制御部950は、ユニットカウンタ330に記憶されている定着装置117の使用枚数を消去して0からカウントを開始させる(S15)。
制御部950は、その後、温度ヒューズ211をチェックする処理に戻り、上述の動作をくり返す。
実施例2の制御では、揮発性有機化合物発生量を推測するための定着装置117の使用枚数をカウントし、その枚数に応じてエアフローを切り換える。これにより、吸着系フィルタ208と触媒系フィルタ209という2種類の特性の異なるフィルタ素子を使い分け、フィルタ素子の特性を有効に使い、フィルタ素子の交換頻度を減らすことができる。
図11の(a)に示すように、通常、定着装置117は50万枚程度の一定枚数ごとに定期的に交換される。図11の(a)は、縦軸が揮発性有機化合物の発生量で横軸が定着装置の使用枚数である。この場合、揮発性有機化合物の発生量も50万枚毎に多くなる。このような発生推移において、従来は、VOCの除去を行うために、活性炭フィルタを用いた吸着系フィルタを100万枚ごとに交換していた。
実施例2では、上述したように、定着装置117の交換後、12.5万枚の画像形成が行われると、吸着系フィルタ208をエアフローから遮蔽して揮発性有機化合物の吸着が進まないようにする。従って、定着装置117の交換時から従来と同じ吸着系フィルタ208を12.5万枚使用し、その後は、50万枚で定着装置117が交換されるまで触媒系フィルタを37.5万枚使用する。そして、定着装置117が交換されると、再び吸着系フィルタ208が12.5万枚使用され、12.5万+37.5万枚のサイクルが繰り返される。
このため、従来と同じく吸着系フィルタ208が100万枚の寿命で、触媒系フィルタ209が300万枚の寿命とすると、吸着系フィルタ208の交換回数を、従来は4回交換していたものを1回にすることができる。 実施例2の制御によれば、活性炭系のVOCフィルタと触媒系のVOCフィルタの特性を活かすように使用するフィルタを切り換えることで、活性炭系のVOCフィルタの交換頻度を減らすことができる。また、使用するVCOフィルタの数も従来は400万枚の使用で4個必要だったものが、本発明によれば2個で済み、ランニングコスト低減にも貢献する。
画像形成装置100の耐久寿命400万枚において、耐久寿命が50万枚の定着装置117は8回交換される。吸着系フィルタ208の耐久寿命は100万枚であるが、各回の交換後に12.5万枚の画像形成を行うため、12.5万枚×8=100万枚で耐久寿命に収まり、交換は不要である。一方、触媒系フィルタ209の耐久寿命は300万枚であって、各回の交換後に37.5万枚の画像形成を行うことで、37.5万枚×8=300万枚で耐久寿命に収めることができ、交換は不要である。
<実施例3>
図12は実施例3のフィルタ切り換え装置の構成の説明図である。図12に示すように、実施例5の排気経路200は、図1に示す画像形成装置100に装備され、吸着系フィルタ208と触媒系フィルタ209の切り換え機構以外は図2に示す実施例1と同様に構成される。従って、定着装置117及び排気経路200を模式的に示し、図2と共通する構成には図2と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
画像形成装置100は、像加熱装置(117)に加熱された空気を取り込んで機体外へ案内する排気経路200を備える。第1のフィルタ手段(209)は、排気経路200を流れる空気に接触可能に配置されて当該空気中の異臭物質を触媒作用により分解する。第2のフィルタ手段(208)は、排気経路200を流れる空気に接触可能に配置されて当該空気中の異臭物質を活性炭の吸着作用により吸着する。遮蔽手段(213A、213B)は、第1のフィルタ手段(209)を排気経路206に位置させた際には、排気経路200を流れる空気から第2のフィルタ手段(208)を遮蔽可能である。そして、第2のフィルタ手段(208)を遮蔽した状態で、第1のフィルタ手段(209)による異臭物質の除去を実行可能である。
図12の(a)に示すように、触媒系フィルタ209と吸着系フィルタ208は、スライダ213Aに固定されて、排熱ダクト206へ引き出し可能である。駆動モータ210がピニオン210cを回転させてラックギア210dを往復移動させることにより、触媒系フィルタ209と吸着系フィルタ208が切り換えられる。
実施例3では、触媒系フィルタ209と吸着系フィルタ208とを切り換えて排気経路206に位置させることにより、排気経路200を流れる空気から異臭物質を除去する。そして、実施例2と同様に、定着装置117の交換後、12.5万枚までは、遮蔽空間213Bから吸着系フィルタ208を引き出して排熱ダクト206に位置させて、排気から揮発性有機化合物を除去する。
しかし、定着装置117の交換後、画像形成の累積枚数が12.5万枚に達すると、図12の(b)に示すように、触媒系フィルタ209を排熱ダクト206に引き出すとともに遮蔽空間213Bに吸着系フィルタ208を引き込む。そして、12.5万枚から次回に定着装置117が交換される50万枚までの37.5万枚については、触媒系フィルタ209を用いて、排気から揮発性有機化合物を除去し、その間、吸着系フィルタ208は、排気経路200を流れる空気に接触させない。
すなわち、像加熱装置(117)は、像加熱装置(117)の運転に伴って加熱される部材を含む。制御手段(950)は、像加熱装置(117)の運転に伴って加熱される部材が交換されると、遮蔽手段(213A、213B)を制御して、少なくとも部材が交換された後の起動時に、排気経路206を流れる空気に第2のフィルタ手段(208)を接触させる。
<その他の実施例>
実施例1では、モノクロ画像形成装置の実施例を説明したが、実施例1〜3のフィルタ切り換え装置及び切り換え制御は、複数の画像形成部を備えるタンデム型フルカラー画像形成装置でも実施可能である。タンデム型フルカラー画像形成装置は、記録速度を速く設定できることから一般的なカラー画像形成装置の構成となっている。
実施例4の画像形成装置は、複数の画像形成部を備え、各画像形成部でそれぞれ色の異なったトナー像を形成し、記録材担持体によって担持搬送される同一記録材上に前記各色トナー像を順次重ね合わせて転写してカラー画像を形成する。
実施例5の画像形成装置は、各色トナー像を中間転写体に順次重ね合わせて転写し、中間転写体に重ね合わせて転写されたトナー像を記録材に一括転写してカラー画像を形成する。
これらのタンデム型フルカラー画像形成装置においても、定着装置近傍の空気を吸引して筐体外に排気するエアフローに、吸引した空気に含まれるVOCを吸着する吸着系フィルタと吸着後に化学的に分解する触媒系フィルタとを設置することができる。そして、定着装置の交換後の所定期間について吸着系フィルタ素子を使用し、その後は次回の交換まで触媒系フィルタを使用することで、吸着系フィルタの交換寿命を引き延ばすことができる。
117 定着装置
206 定着排熱ダクト
207 定着排気ファン
208 吸着系フィルタ
209 触媒系フィルタ
210 駆動モータ
212 温度ヒューズ
213 エアフロー切り換え弁
330 ユニットカウンタ
950 制御部

Claims (6)

  1. 像加熱装置と、前記像加熱装置に加熱された空気を取り込んで機体外へ案内する排気経路とを備えた画像形成装置において、
    前記排気経路を流れる空気に接触可能に配置されて当該空気中の異臭物質を分解する第1のフィルタ手段と、
    前記排気経路を流れる空気に接触可能に配置されて当該空気中の異臭物質を吸着する第2のフィルタ手段と、
    前記排気経路を流れる空気から前記第2のフィルタ手段を遮蔽可能な遮蔽手段と、を備え、
    前記第2のフィルタ手段を遮蔽した状態での前記第1のフィルタ手段による前記異臭物質の除去を実行可能であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記像加熱装置の運転に伴って加熱される部材が交換されたことを検出する検出手段と、
    前記遮蔽手段を制御して、少なくとも前記部材が交換された後の起動時に前記排気経路を流れる空気に前記第2のフィルタ手段を接触させる制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記検出手段は、前記像加熱装置に付設されて最初の起動時に溶断する温度ヒューズの導電状態を検出する回路であることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、前記部材が交換されて所定期間が経過すると前記第2のフィルタ手段を遮蔽して前記排気経路を流れる空気に接触させないことを特徴とする請求項2又は3記載の画像形成装置。
  5. 前記第1のフィルタ手段が配置された第1の排気経路と、前記第2のフィルタ手段が配置された第2の排気経路とを有し、
    前記遮蔽手段は、前記第1の排気経路と前記第2の排気経路とを切り換える切り換え機構であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の画像形成装置。
  6. 前記第1のフィルタ手段は、異臭物質を分解する触媒作用を有することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の画像形成装置。
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