JP2012226018A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】装置本体102の内部に存在する、揮発性有害物質を含む部材を有するユニット10の上部には、該ユニット10から揮発性有害物質がガス化して拡散するのを防止可能に排気ダクト12が配置されている。排気ダクト12には、排気ファン14と、上記ガスに含まれる有害物質を除去するためのフィルタ16と、上記ガスを加温するための加熱手段18が設けられている。
【選択図】図4
Description
かかる揮発性物質は、主に、装置内の高温部となる部位からの熱の影響により気化され、装置外へ排出される。
昨今の環境排出物質に対する関心の向上と共に、使用者に対する環境安全性の維持の観点より、機器(装置)より発生する揮発性物質を抑えることが必要となっている。
揮発性物質の除去方法としては、多孔性の吸着フィルタを用いることが多く、また、揮発性物質の代表的な例として、ホルムアルデヒドが挙げられる。
その結果、装置内の温度が上昇してしまい、たとえばトナー固着による異常画像の発生、あるいは、機器からの発火・発煙等安全性に対する問題が生じるといった悪影響を及ぼす可能性がある。
装置内温度の上昇を防ぐためには、密度の粗いフィルタを選定して排気効率を高めることにより解消できるが、反面、フィルタの性能不足により十分にホルムアルデヒドを除去することが困難となる。
機器のメンテナンス性向上のためにも、交換部品に対する交換サイクルはできるだけ長い方が望ましい。そのためには、フィルタの性能維持・向上が必要となる。
一方で、画像形成装置内部には、定着装置、電源ユニットや、作像部等、高温となる場所が複数存在するが、それぞれの高温部に対する排熱を効率よく行う必要がある。
具体的には、排気排出路の排気方向の上流側に配置された吸着フィルタによりVOC等の化合物の濃度を低くし、この低い濃度の化合物が触媒フィルタを通過することで、触媒フィルタの通気性が高くても画像形成装置の昇温を防止しつつVOC等の化合物の除去を行うことができる、というものである。
また、特許文献1には、経時でのフィルタ性能の劣化や、温度・湿度などの装置の設置環境によるホルムアルデヒドの分解性能が低下してしまうことに対する対応については記載されていない。
具体的には、請求項1に記載の発明は、装置内に、揮発性有害物質を含有する部材を有する画像形成装置において、前記揮発性有害物質を含むガスが装置外に排出されるのを防止するための排気ダクトと、前記ガスに含まれる有害物質を除去するためのフィルタとを有し、前記ガスは、前記排気ダクトを経由し、前記フィルタを介して装置外へ排気させる構成を有する画像形成装置であって、前記排気ダクトを加温するための構成を有していることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記定着手段から発生する熱の排熱用ダクトに対し、装置内から発生する前記定着手段以外の発熱部からの発熱を前記排熱用ダクトとは異なるダクトにより流入させ、集合ダクトとすることにより加温する構成としていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記定着手段以外の発熱部は、電源ユニットであることをする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記フィルタは、外気に露出するように装置側面に設けられていることを特徴とする。
また、装置内の機器の排熱を効率よく行うことができ、高い信頼性を有する画像形成装置を提供することができる。
まず、図1に基づいて本実施形態に係る画像形成装置としてのカラー複写機の概要構成を説明する。
カラー複写機(以下、「画像形成装置」という)100は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像、すなわちカラー画像を、記録媒体としての転写紙50に形成する、中間転写ベルト129を用いたタンデム型の構成を有している。なお、イエロー、マゼンダ、シアン、黒の各色に対応するユニットなどを、以下、符号の末尾に各々Y、M、C、Kを付けて示す。
給紙ユニット103は、転写紙50を重ねて収容するとともに装置本体102に出し入れ自在な給紙カセット123と、給紙ローラ124とを備えている。給紙ローラ124は、給紙カセット123内の一番上の転写紙50に押し当てられており、図示しない分離部材との協働作用で最上紙を1枚ずつ分離し、レジストローラ対110へ送り出す。
レジストローラ対110は、給紙ユニット103から二次転写部位へ搬送される転写紙50の搬送経路に設けられており、ローラ間に転写紙50を挟み込み、中間転写ベルト129上の画像を転写させ得るタイミングで送り出す。
中間転写ユニット104では、プロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kにて形成された各色トナー像が一次転写ローラ130Y、130M、130C、130Kにて中間転写ベルト129上でカラーのトナー像として重ね合わせられる。カラートナー像は中間転写ベルト129の移動によって二次転写部位へ搬送され、該二次転写部位で二次転写ローラ126により転写紙50へ転写される。
二次転写ローラ126はトナー像が転写された転写紙50を定着ユニット105に向けて送り出す。
定着ユニット105は、搬送されてきた転写紙50を加熱・加圧することで、転写紙50上に転写されたトナー像を、該転写紙50に定着させる。
定着を終えた転写紙50は排紙ローラ対152により排紙トレイ部153へ排出される。図1において、符号154は画像読み取り部を示している。
プロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kは、中間転写ユニット104と、レーザ書き込みユニット122との間に設けられており、中間転写ベルト129の搬送方向に沿って互いに並設されている。
帯電ローラ109は、感光体ドラム108の外表面を一様に帯電する。感光体ドラム108は、現像装置113の現像ローラ115と間隔をおいて配置されている。
クリーニングブレード112は、中間転写ベルト129にトナー像を転写した後に、感光体ドラム108の外表面に残留した転写残トナーを除去する。
現像装置113は、現像剤供給部114と、現像ケーシングとしてのケース125と、現像剤担持体としての現像ローラ115と、現像剤規制部材としてのドクタブレード116等を備えている。
図2において、符号117は収容槽を、118は攪拌部材としての一対の攪拌スクリュを、119は仕切り壁を、120は第1空間を、121は第2空間を、125aは開口部を、131は現像領域を、134は芯金を、133はマグネットローラを、132は現像スリーブをそれぞれ示している。
反応式(1)に記載のように、ホルムアルデヒド(HCHO)と二酸化マンガン(MnO2)が化学吸着を起こす。
次に、反応式(2)に記載のように、二酸化マンガンと化学吸着したホルムアルデヒドが酸素と反応し、二酸化マンガンを脱離して、水、二酸化炭素に分解される。
反応式(1)、(2)の反応が、順次繰り返しておきることにより、理論上は、ホルムアルデヒドは、半永久的に分解される。
しかしながら、常温において、反応式(2)における、ホルムアルデヒドの分解反応は非常に遅く、実際は反応式(1)の反応で止まっている場合が多い。すなわち、反応式(1)、(2)の反応において、反応式(1)の反応が優先して起きるため、反応式(2)の反応における、ホルムアルデヒドの分解が遅くなってしまう。
その結果、反応式(1)のホルムアルデヒドと二酸化マンガンの吸着反応のみが進行してしまい、フィルタ性能が劣化してしまうこととなる。
また、反応式(2)において、ホルムアルデヒドの分解反応時に、水と二酸化炭素に分解されるが、反応式(3)で示されるように、湿度が高い状態の場合は、分解された水分子がマンガンと吸着してしまう(Mn・H2O)。
その結果、反応式(1)に記載の、ホルムアルデヒドと二酸化マンガンの化学吸着反応が妨げられるため、全体としてホルムアルデヒドの分解反応が低下してしまうことになる。
さらに、反応式(2)において、二酸化マンガンと吸着したホルムアルデヒドの分解は、酸素を伴って反応するため、酸素を多く取り込むことにより、ホルムアルデヒドの分解性能は向上する。
(a)加温(温度上昇)
(b)乾燥(低湿度化)
(c)フィルタの装置外への露出(酸素を多く取り込む)
が有効である。
装置本体102の内部に存在する、揮発性有害物質を含む部材を有するユニット10の上部には、該ユニット10から揮発性有害物質がガス化して拡散するのを防止可能に排気ダクト12が配置されている。
排気ダクト12は、装置本体102の略上下方向に延びる垂直部12Aと、該垂直部12Aから略水平に延びる水平部12Bとから構成され、水平部12Bの排気方向下流側には断面積の大きい大径部12Cが設けられている。
大径部12Cには、排気ファン14と、上記ガスに含まれる有害物質を除去するためのフィルタとしてのホルムアルデヒド除去フィルタ(以下、「除去フィルタ」又は「吸着フィルタ」と略す)16が配置されている。
除去フィルタ16は、表面にMnO2などの触媒粉末が付加されており、既述したように、かかるマンガンと揮発性有害物質とが、吸着・分解を繰り返すことにより除去される。
これにより、揮発性有害物質が装置外へ排出されるのを防止することができる。
排気ダクト12を加温することにより、ホルムアルデヒド分解反応が促進され、効率よく、ホルムアルデヒドを除去することが可能となる。
本実施形態における排気ダクト12は、定着ユニット105の近傍に配置されており、定着ユニット105から発生する熱の排熱用ダクトを兼ねている。
定着ユニット105の熱によって昇温した空気は上方に移動するため、排気ダクト12の下端部は定着ユニット105の熱によって上昇する気流を覆うようにスカート部12Dとして広げられている。
上述のようにトナーに含まれる成分には揮発性有害物質が含まれており、トナーに熱を加える定着ユニット105は、揮発性有害物質を含むガスを発生させ得る部材である。
本実施形態では、定着ユニット105からの熱により、さらに効率よくホルムアルデヒド分解反応が促進される。また、同時に排気ダクト12が定着ユニット105の熱の排熱用ダクトを兼ねているため、装置内の温度上昇を効率よく低下させることができる。
装置内部には、定着装置以外にも、作像ユニット(像担持体近傍)、電源ユニット等、発熱源となり得る箇所が複数存在する。これらの発熱源からの排熱箇所を集約することにより、装置内の熱を効率よく排熱することができる。さらには、排気経路を統合させることにより、排気口を集約することができ、高温となった気流が排出される箇所を低減することができる。これにより、画像形成装置に近在する使用者に対する不快感を低下できる。
この観点から、本実施形態では、装置本体102内に配置された「定着手段以外の発熱部」の一例としての電源ユニット20から出る熱を排気するためのダクト22を、排気ダクト12に合流させ、集合ダクトとしている。
本実施形態では、揮発性有害物質を含むガスは、定着ユニット105の排熱と電源ユニット20の排熱とにより加温され、さらに効率よくホルムアルデヒド分解反応が促進される。
同時に、高い発熱源である電源ユニット20からの排熱による温度上昇を低減することができ、効率よく装置温度を下げることができる。
既述のように、吸着フィルタは水分の影響により、ホルムアルデヒドの分解反応が阻害されてしまう。フィルタの性能を維持するためには、装置内を乾燥させることが有効である。一方で、転写紙には比較的多くの水分が含まれている。
転写紙の搬送経路とは異なる部位からの発熱源からの発熱を、排気ダクト12内取り込むことにより、排気ダクト12内の空気を乾燥状態に維持することができる。
その結果、フィルタ上のホルムアルデヒドの分解反応に対し、水分の影響を少なくすることができる。すなわち、低湿度にすることにより、H2O離脱を促進し、ホルムアルデヒドの分解反応を促進することができる。
これにより、フィルタが外気に露出しているため、酸素供給によるホルムアルデヒドの分解反応が促進される。
16 フィルタ
50 記録媒体
102a 装置側面
105 定着手段
108 像担持体としての感光体ドラム
109 帯電手段
113 現像手段
122 露光手段
126 転写手段
Claims (6)
- 装置内に、揮発性有害物質を含有する部材を有する画像形成装置において、
前記揮発性有害物質を含むガスが装置外に排出されるのを防止するための排気ダクトと、前記ガスに含まれる有害物質を除去するためのフィルタとを有し、前記ガスは、前記排気ダクトを経由し、前記フィルタを介して装置外へ排気させる構成を有する画像形成装置であって、
前記排気ダクトを加温するための構成を有していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
像担持体と、該像担持体の近傍に設けられ該像担持体上に帯電を行う帯電手段と、前記像担持体に像露光を行い前記像担持体上に潜像を形成する露光手段と、前記像担持体上の潜像を現像する現像手段と、該現像手段により前記像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、該転写手段により前記記録媒体上に転写されたトナー像を加熱定着する定着手段とを有し、
前記排気ダクトは、前記定着手段の近傍に位置しているとともに、前記定着手段から発生する熱の排熱用ダクトを兼ねていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2に記載の画像形成装置において、
前記定着手段から発生する熱の排熱用ダクトに対し、装置内から発生する前記定着手段以外の発熱部からの発熱を前記排熱用ダクトとは異なるダクトにより流入させ、集合ダクトとすることにより加温する構成としていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3に記載の画像形成装置において、
前記定着手段以外の発熱部からの排熱は、前記記録媒体の搬送経路とは異なる部位から取り込むことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4に記載の画像形成装置において、
前記定着手段以外の発熱部は、電源ユニットであることをする画像形成装置。 - 請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
前記フィルタは、外気に露出するように装置側面に設けられていることを特長とする画像形成装置。
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