JP2009136897A - 同芯拡管又は偏芯拡管の製造方法 - Google Patents

同芯拡管又は偏芯拡管の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】割れやネッキングが発生しやすい高拡管周面の板厚が薄くなることを抑制する偏芯拡管の製造方法を提供する。
【解決手段】偏芯拡管工程により素管部1の端部11を拡管部2に塑性変形する偏芯拡管の製造方法であって、偏芯拡管工程は、偏芯ダイ41の偏芯内面411の範囲に素管部1の端部11を突出させた状態で、偏芯パンチ42を前記素管部1の端部11に前進及び停止を繰り返しながら圧入させ、前記端部11を偏芯拡管加工する偏芯拡管の製造方法である。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば燃料給油管の給油管本体とフィラネックとを結ぶ同芯拡管又は偏芯拡管の製造方法に関する。
最初に、以下に使用する用語を特定する。同芯拡管は、素管部の軸芯に対して拡管部の軸芯が同芯の拡管部を有する管体を意味し、同芯拡管工程により作られる。同芯拡管工程は、素管部の端部を、素管部の軸芯と同芯にしたまま拡管加工(同芯拡管加工)する工程であり、一対となる特定の同芯ダイ及び同芯パンチを用いる。同芯ダイは、同芯拡管工程終了後における素管部の端部、すなわち拡管部に倣った同芯内面を有する。同芯パンチは、素管部の端部を前記同芯内面の範囲で突出させた状態で前記端部に圧入する。
偏芯拡管は、素管部の軸芯に対して拡管部の軸芯が偏芯した拡管部を有する管体を意味し、偏芯拡管工程により作られる。偏芯拡管工程は、素管部の端部又は予め同芯拡管加工された素管部の端部を、素管部の軸芯から偏芯して拡管加工(偏芯拡管加工)する工程であり、一対となる特定の偏芯ダイ及び偏芯パンチを用いる。偏芯ダイは、偏芯拡管工程終了後における素管部の端部、すなわち拡管部に倣った偏芯内面を有する。偏芯パンチは、素管部の端部又は予め同芯拡管加工された素管部の端部を前記同芯内面の範囲で突出させた状態で圧入する。
偏芯拡管加工された拡管部は、素管部に対して偏芯している。そこで、拡管部の周面が素管部の周面から半径方向に大きく離れる側を高拡管側として、前記高拡管側の周面を高拡管周面と呼ぶ。同様に、拡管部の周面が素管部の周面から半径方向にあまり離れない側又は全く離れない側を低拡管側として、前記低拡管側の周面を低拡管周面と呼ぶ。これから、同芯拡管工程を終えた段階の素管部の端部は、高拡管周面と低拡管周面との外径は等しいが、偏芯拡管工程を終えた段階の拡管部は、高拡管周面の外径が低拡管周面の外径より大きくなる。
燃料給油管は、素管部の軸芯に対して拡管部の軸芯を一致させた同芯拡管、又は素管部の軸芯に対して拡管部の軸芯を偏芯させた偏芯拡管が用いられる。具体的には、素管部が燃料タンクに繋がる給油管本体、拡管部がフィラネックとなる。例えば、拡管率の小さい同芯拡管(拡管率=拡管部の外径/素管部の外径×100=120%前後)は、拡管部の外形状に等しい同芯内面を有する同芯ダイの前記同芯内面の範囲に素管部の端部を突出させた状態で、同芯パンチを圧入して前記端部を同芯拡管加工する同芯拡管工程のみで製造できる。偏芯拡管も同様に製造できる。ここで、近年の燃料給油管は、給油性の改善と軽量化のために細くなる給油管本体に対し、規格化されたフィラネックを小さくできず、偏芯拡管の拡管率が大きくなっている。そして、拡管率が大きいと拡管部に割れやネッキングを生じるので、拡管率の大きな同芯拡管(拡管率150%前後)は複数回の同芯拡管工程を繰り返したりして製造され、また拡管率の大きな偏芯拡管は同芯拡管工程と偏芯拡管工程とを組み合わせたり、複数回の同芯拡管工程又は偏芯拡管工程を繰り返したりして製造される。
特許文献1は、最大径が異なるがテーパ角が同一である複数の同芯パンチ又は偏芯パンチ(拡管ポンチ)を、前記最大径の小さなものから順に素管部の端部(圧入部分)に圧入する際、各同芯パンチ又は偏芯パンチは素管部の端部を同芯ダイの同芯内面又は偏芯ダイの偏芯内面(クランプ型内面)に押し当てるように軸方向の圧縮力を加えながら圧入する同芯拡管又は偏芯拡管の製造方法を開示している。この特許文献1が開示する製造方法は、複数の同芯パンチ又は偏芯パンチを段階的に圧入することにより拡管部の板厚を素管部の板厚の70%以上に保持できるようにし、成形中に破断等の不具合が発生するのを防止し、強度的に有利な拡管率の大きな同芯拡管又は偏芯拡管(高拡管)を得ることができるとしている(発明の効果)。
特許文献2は、素管部の端部(拡管部)を同芯拡管加工する同芯拡管工程(同軸拡管工程)と、前記素管部の端部を軸直交方向(ラジアル方向)に移動して偏芯させると共に前記端部を更に拡管する偏芯拡管工程とを組み合せた偏芯拡管の製造方法を開示している(請求項1ほか)。この特許文献2が開示する製造方法は、1回又は複数回の同芯拡管工程と1回だけの偏芯拡管工程とを組み合せる点に特徴を有する。これにより、拡管部に割れやネッキングを発生させる虞のある偏芯拡管工程を1回だけにして、前記割れやネッキングの発生を抑制しながら大きな拡管率を実現するとしている(課題を解決するための手段及び発明の効果)。
特許第3549750号公報 特許第3342006号公報
同芯拡管工程は、素管部の端部に同芯パンチを圧入することにより、周方向全域を引っ張って塑性変形させ、拡管部を形成する。このため、拡管率が高くなると、拡管部全体の板厚が薄くなってしまう。また、偏芯拡管工程は、偏芯ダイの偏芯内面の範囲に突出させた素管部の端部又は既に同芯拡管加工された前記端部に偏芯パンチを圧入することにより、主に高拡管周面を引っ張って塑性変形させ、拡管部を形成する。このため、もっぱら高拡管周面の板厚が薄くなってしまう。これらが、拡管部に割れやネッキングを発生させる原因となっている。これから、拡管部の割れやネッキングの発生を防止するには、板厚が薄くなることを避けるとよい。
特許文献1が開示する製造方法は、段階的な同芯拡管加工又は偏芯拡管加工を図ることにより無理な拡管を回避し、また各拡管に際して拡管部となる部分(素管部の端部)を軸方向に圧縮して、高拡管周面の板厚が薄くなることを抑制し、割れやネッキングの発生を防止している。しかし、素管部の端部を段階的に拡管するため、同芯拡管工程や偏芯拡管工程が複数回必要となり、同芯拡管又は偏芯拡管の生産効率を低下させる問題がある。また、同芯パンチや偏芯パンチが複数種類必要になるが、各偏芯パンチに拡管と圧縮とを両立させる個別の構造を採用するため、偏芯パンチの製作に設計及び製造の手間及び労力の掛かることが想像され、結果として偏芯拡管のコスト増加を招く虞がある。
特許文献2が開示する製造方法は、偏芯拡管工程を1度だけとし、高拡管周面に偏った引っ張りを避けている。しかし、1度だけであっても、高拡管周面に偏って引っ張ることに変わりはなく、拡管率が大きくなると、拡管部の高拡管周面に割れやネッキングが発生することが予想される。以上から、特許文献1が開示する製造方法が比較的好ましいと考えられるものの、生産効率やコスト増の問題があり、実際上、採用しずらい。そこで、割れやネッキングが発生しやすい高拡管周面の板厚が薄くなることを抑制する同芯拡管又は偏芯拡管の製造方法を開発するため、検討した。
検討の結果、同芯拡管工程により素管部の端部を拡管部に塑性変形する同芯拡管の製造方法であって、同芯拡管工程は、同芯ダイの同芯内面の範囲に素管部の端部を突出させた状態で、同芯パンチを前記素管部の端部に前進及び停止を繰り返しながら圧入させ、前記端部を同芯拡管加工する同芯拡管の製造方法を開発した。本発明は、1回の同芯拡管工程における同芯パンチの圧入態様を特定するものである。拡管率の高い同芯拡管を製造する場合、本発明の同芯拡管工程を繰り返したり、従来同種の同芯拡管工程と本発明の同芯拡管工程とを組み合せたりするとよい。
また、本発明は偏芯拡管工程にも適用できる。具体的には、偏芯拡管工程により素管部の端部を拡管部に塑性変形する偏芯拡管の製造方法であって、偏芯拡管工程は、偏芯ダイの偏芯内面の範囲に素管部の端部又は予め同芯拡管加工した素管部の端部を突出させた状態で、偏芯パンチを前記素管部の端部に前進及び停止を繰り返しながら圧入させ、前記端部を偏芯拡管加工する偏芯拡管の製造方法である。拡管率の高い偏芯拡管を製造する場合、本発明の偏芯拡管工程を繰り返したり、本発明の同芯拡管工程と本発明の偏芯拡管工程とを組み合せたりするとよい。
本発明について、偏芯拡管工程を例に説明する。本発明は、前進及び停止を繰り返しながら偏芯パンチを素管部の端部又は予め同芯拡管加工した素管部の端部に圧入させることにより、前記端部を軸芯方向に押し込み、拡管部の板厚が減少することを抑制する。偏芯パンチを素管部の端部又は予め同芯拡管加工した素管部の端部に連続的に圧入すると、低い動摩擦係数に基づいて発生する摩擦力は小さく、ほとんど端部を押し込まない。しかし、偏芯パンチが前進及び停止を繰り返すと、停止してから前進し始める際に、高い静止摩擦係数に基づく大きな摩擦力が発生し、素管部の端部又は予め同芯拡管加工した素管部の端部が押し込めるようになる。これにより、拡管部の板厚の減少が抑制され、割れやネッキングを防止できる。
拡管部の板厚の減少がどれだけ抑制されるかは、素管の材質や初期の板厚にも左右されるが、偏芯パンチの前進及び停止の繰り返し回数が増えると前記抑制の効果が高くなる。これから、偏芯パンチの前進及び停止の繰り返しは多いほど、拡管部の割れやネッキングが防止しやすく、とりわけ拡管率を高めたい場合に好ましいが、前記繰り返し回数の増加は延べ停止時間の増加に結びつくことから加工時間が増えていく。これから、偏芯パンチの前進及び停止の繰り返しは、拡管率の大小を加味して、3回〜20回が現実的である。前記繰り返しの回数程度得あれば、偏芯パンチが連続的に圧入される場合と工程時間はあまり変わりはなく、好ましい。また、繰り返される前進の移動時間又は移動距離、移動速度、前記移動速度に達するための移動加速度は、基本的に均等とするが、それぞれに異なる設定をしても構わない。
本発明による同芯拡管又は偏芯拡管の製造方法は、同芯拡管又は偏芯拡管の別なく適用でき、それぞれにおける割れやネッキングの発生を防止できる効果をもたらす。これは、例えば素管部の端部に前進又は停止を繰り返しながら同芯ダイを圧入し、前記端部を軸芯方向に押し込むことによる効果である。ここで、拡管部の板厚の減少を抑制することは、従来よりも高い拡管率で同芯拡管加工又は偏芯拡管加工しても割れやネッキングを発生させないことを意味する。これから、本発明によれば、1回の同芯拡管工程又は偏芯拡管工程で、従来より高い拡管率を実現でき、従来と同じ拡管率であれば同芯拡管工程又は偏芯拡管工程の回数が減らすことができる。こうして、本発明は、製造コストを低減しつつ、偏芯拡管における割れやネッキングを抑制して、費用対効果に優れた偏芯拡管の製造方法を提供する。
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。図1〜図4は本発明を適用した偏芯拡管の製造方法の例であり、図1は偏芯パンチ42を圧入する前の段階の素管部1の端部11を表す偏芯ダイ41の断面図、図2は偏芯パンチ42の最初の圧入を終えた段階の素管部1の端部11を表す偏芯ダイ41の断面図、図3は偏芯パンチ42の4回目の圧入を終えた段階の素管部1の端部11を表す偏芯ダイ41の断面図であり、図4は偏芯パンチ42の8回目の圧入を終えて偏芯拡管加工を終えた段階の拡管部2を表す偏芯ダイ41の断面図である。
本例は、拡管率を稼ぐため、先に同芯拡管処理を終えた素管部1の端部11を、本発明に基づいて偏芯拡管加工する例である。具体的には、同芯拡管加工された素管部1の端部11は、図1に見られるように、偏芯ダイ41の偏芯内面411の範囲に突出させた状態で、偏芯パンチ42を断続的に圧入される。本例の偏芯ダイ41は、端部11の低拡管周面21の膨張が規制され、専ら高拡管周面22のみが膨張するような偏った偏芯内面411を有する。こうした偏芯ダイ41や対応する偏芯パンチ42は、従来公知の同種ダイ又はパンチと異なることがない。すなわち、本発明には従来用いられていたダイやパンチをそのまま利用できる。
本例は、上述の素管部1の端部11に対して圧入する偏芯パンチ42を、圧入する範囲(通常、中間部12が偏芯ダイ41の偏芯内面411に倣う塑性変形をするまでの範囲)で8回の進退及び停止を繰り返し、圧入させる例である。これから、前記圧入する範囲の長さがLとすれば、図2に見られるように、まず最初の偏芯パンチ42の圧入は、偏芯テーパ面421が端部11の内面に接触した時点からL/8の距離だけ進んだ時点で停止する。これにより、端部11に偏芯パンチ42の偏芯テーパ面421が接触し、僅かに端部11を軸芯方向に押し込みながら押し広げる。このとき、端部11は、偏芯テーパ面421の傾斜角の大きな側の周面、すなわち高拡管周面22を強く押し込むことになるため、前端部11は高拡管側の軸芯方向の長さを低拡管側の長さより相対的に縮めて端面14を少し傾斜させる。
端部11の軸芯方向の押し込みは、偏芯パンチ42の表面と端部11の内面との間で発生する摩擦力を利用している。ここで、前記摩擦力は、偏芯パンチ42が停止している状態から動き始める時点で最も強くなる。これから、最初の偏芯パンチ42の圧入は、偏芯テーパ面421が端部11の内面に接触した時点で一旦停止させ、そこからL/8だけ前進させることが好ましい。これに対し、少しでも偏芯拡管工程の時間短縮を図りたければ、偏芯パンチ42を端部11に向けて接近させ、偏芯テーパ面421が前記端部11の内面に接触してからそのままL/8だけ進めてもよい。この場合、偏芯テーパ面421が前記端部11の内面に接触した時点から摩擦力が発生するため、前記時点が偏芯パンチ42の動き始める時点と見ることができる。
本例の偏芯パンチ42は、1回の圧入でL/8ずつ前進する。例えば図3に見られるように、偏芯パンチ42を圧入する範囲の長さLの半分だけ圧入した段階では、L/8ずつ4回の前進を繰り返していることになる。すなわち、偏芯パンチ42は、端部11を軸芯方向に4回押し込んでいることになる。これは、前記端部11の押し込み量だけ端部11の板厚の減少が抑制されていることを意味する。また、偏芯パンチ42が十分に端部11に圧入されると、前記偏芯パンチ42による端部11の押し込みは低拡管周面21及び高拡管周面22それぞれで等しくなってくるため、前記板厚の現象を抑制する効果は、端部11の周方向に等しく得られる。すなわち、低拡管周面21及び高拡管周面22それぞれの板厚の現象が抑制される。また、端部11の周方向が等しく押し込まれるため、端面14の傾きは緩やかになっている。
こうして、図4に見られるように、偏芯パンチ42を圧入する範囲の長さLだけ圧入し終えると、偏芯拡管加工が終了する。図4中、偏芯パンチ42に隠れているが、素管境界縁13は素管部1の軸芯Ooに直交した円環を維持し、拡管境界縁23は端面14に向けて傾いて、中間部12は偏芯錐台状に変形する。そして、8回の前進を繰り返して圧入された偏芯パンチ42は、端部11を軸芯方向に押し込んで前記中間部12の拡管境界縁23に連続する拡管部2を形成する。上述したように、偏芯パンチ42の圧入が進むにつれて、低拡管周面21及び高拡管周面22の押し込み量は等しくなるため、前記低拡管周面21及び高拡管周面22それぞれの板厚の減少はほぼ等しく、端面14は拡管部2の軸芯Oeに直交するまで傾きを緩やかにする。
対となるダイ及びパンチにより対象物品を塑性加工する加工装置は、現在多くが自動制御化されているため、例えば本例の偏芯パンチ42の前進及び停止の繰り返しは自由に設定できる。具体的には、偏芯パンチ42の前進及び停止の繰り返し数だけでなく、前進の移動時間又は移動距離、移動速度、移動加速度、そして停止時間を自由に加減調整できる。ここで、偏芯パンチ42の前進及び停止の繰り返し数が増加すると、偏芯拡管工程の加工時間が長くなるようにも見えるが、停止時間が極めて短ければ前記加工時間が大幅に増加することはない。これから、本発明に基づく偏芯拡管工程により製造される偏芯拡管の加工時間は、従来同種の偏芯拡管工程の加工時間と遜色なく、偏芯拡管の製造能率を低下させる虞はない。
このように、本発明は、従来より使用していた偏芯ダイ41及び偏芯パンチ42を用いながら、従来と同程度の加工時間でありながら、塑性変形させる素管部1の端部11を軸芯方向に押し込むことにより、拡管部2の板厚の減少を抑制し、前記拡管部2における割れやネッキングの発生,特に高拡管周面22における割れやネッキングの発生を防止する製造方法を提供する。上記例示は偏芯拡管についての例であるが、偏芯拡管に比べて前記高拡管周面22の膨張が小さい同芯拡管であれば、より効果的に拡管部2の割れやネッキングの発生を防止できることは容易に理解される。また、本例に示した偏芯ダイ41及び偏芯パンチ42を同芯ダイ及び同芯パンチに置き換えれば、そのまま同芯拡管の製造方法と見ることができるため、同芯拡管についての図示及び説明は省略している。
板厚減少の抑制の効果を確認するため、偏芯拡管の製造に際する偏芯拡管工程において、偏芯パンチを連続的に圧入させる従来の製造方法の場合(比較例)と、偏芯パンチの前進及び停止を繰り返しながら圧入させる本発明の製造方法の場合(実施例)との板厚の減少の程度を測定した。比較例及び実施例となる偏芯拡管は、素管部の外径が28.6mm、板厚0.8mmのステンレス鋼管(SUS436)から、同芯拡管工程、1回目の偏芯拡管工程及び2回目の偏芯拡管工程を経て製造される。比較例及び実施例の同芯拡管工程は同じであり、素管部の端部を外径40.1mmまで同芯拡管加工している。この同芯拡管工程は、専ら拡管率を稼ぐものであり、偏芯拡管工程による割れやネッキングの発生を抑制する働きも有する。
1回目の偏芯拡管工程は、同芯拡管工程を経て同芯拡管加工された素管部の端部を外径41.1mmまで拡管しながら、前記素管部の軸芯に対して偏芯量4.0mmだけ偏芯させる。比較例は、従来通り、偏芯パンチを端部に連続的に圧入させて偏芯拡管加工した。これに対し、実施例は、0.5secの前進の後に0.5secだけ停止させる圧入態様を8回繰り返しながら、偏芯パンチを端部に断続的に圧入させた。いずれの偏芯パンチも、圧入する範囲の長さは70mmとした。この1回目の偏芯拡管工程は、拡管率の大きな拡管部を形成する際に割れやネッキングの発生を防止するため、偏芯拡管工程を2回に分けて端部に対して一度に加わる付加を低減したものである。また、この1回目の偏芯拡管工程により、中間部の錐台形状はほぼ完成する。
2回目の偏芯拡管工程は、1回目の偏芯拡管工程により偏芯拡管加工された素管部の端部を外径42.4mmまで拡管しながら、前記素管部の軸芯に対して偏芯量4.0mmだけ偏芯させる。比較例は、従来通り、偏芯パンチを端部に連続的に圧入させて偏芯拡管加工した。これに対し、実施例は、1.0secの前進の後に1.0secだけ停止させる圧入態様を4回繰り返しながら、偏芯パンチを端部に断続的に圧入させた。いずれの偏芯パンチも、圧入する範囲の長さは60mmとした。圧入する範囲の長さが1回目の偏芯拡管工程より短い理由は、上述したように、中間部は完成しているため、専ら端部の偏芯拡管加工のみとするため、偏芯テーパ面が前記中間部に当たる手前で偏芯パンチを止めたことによる。
Figure 2009136897
比較例及び実施例について、割れやネッキングの発生が高いと考えられ、板厚を測定した測定点A〜Eを図5(左は端面側から見た正面図、右は図4相当断面図)に示す。また、測定結果を表1に示す。測定点Aは、傾いた拡管境界縁の端面に最も近い高拡管周面上の点で、測定点B〜Dは前記Aから周方向に90度の等間隔で設定した点である。また、測定点Eは、測定点Aから素管部に向けて中間部に延ばした線の中間部における中間点である。表1は、比較例及び実施例の測定点A〜Eにおける板厚と、元の板厚に対してどの程度薄くなったかを示す減少率(2回目の偏芯拡管請うて以後の板厚−元の板厚=0.8mm)/元の板厚×100%)とを表している。
表1から明らかなように、全体的に実施例の板厚の減少率は比較例における板厚の減少率より小さくなっており、割れやネッキングの発生を招く板厚の減少が抑制されていることが証明された。特に、割れやネッキングの発生がよく見られる測定点A、とりわけ測定点Eにおける減少率の改善が著しい。もちろん、実施例の外観を見たところ、割れやネッキングの発生は確認できなかった。これから、本発明の製造方法は、割れやネッキングを発生させない偏芯拡管を製造できることが確認できた。そして、本発明の製造方法に用いられる同芯ダイ、同芯パンチ、偏芯ダイや偏芯パンチは既存のものが利用できるから、本発明は非常に費用対効果の高い実用的な技術と言うことができる。
偏芯パンチを圧入する前の段階の素管部の端部を表す偏芯ダイの断面図である。 偏芯パンチの最初の圧入を終えた段階の素管部の端部を表す偏芯ダイの断面図である。 偏芯パンチの4回目の圧入を終えた段階の素管部の端部を表す偏芯ダイの断面図である。 偏芯パンチの8回目の圧入を終えて偏芯拡管加工を終えた段階の拡管部を表す偏芯ダイの断面図である。 比較例及び実施例における板厚を測定した測定点A〜測定点Eを表した偏芯拡管の正面図及び図4相当断面図である。
符号の説明
1 素管部
11 端部
2 拡管部
21 低拡管周面
22 高拡管周面
41 偏芯ダイ
411 偏芯内面
42 偏芯パンチ
Oo 素管部の軸芯
Oe 拡管部の軸芯

Claims (2)

  1. 同芯拡管工程により素管部の端部を拡管部に塑性変形する同芯拡管の製造方法であって、同芯拡管工程は、同芯ダイの同芯内面の範囲に素管部の端部を突出させた状態で、同芯パンチを前記素管部の端部に前進及び停止を繰り返しながら圧入させ、前記端部を同芯拡管加工することを特徴とする同芯拡管の製造方法。
  2. 偏芯拡管工程により素管部の端部を拡管部に塑性変形する偏芯拡管の製造方法であって、偏芯拡管工程は、偏芯ダイの偏芯内面の範囲に素管部の端部又は予め同芯拡管加工した素管部の端部を突出させた状態で、偏芯パンチを前記素管部の端部に前進及び停止を繰り返しながら圧入させ、前記端部を偏芯拡管加工することを特徴とする偏芯拡管の製造方法。
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