JP2009135316A - 光電素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光吸収層としてCZTS系化合物を用いた光電素子において、変換効率を向上させること。
【解決手段】Naを含む基板表面に下部電極を形成する下部電極形成工程と、前記下部電極の上にCu、Zn、Sn及びSを含む硫化物系化合物半導体からなる光吸収層を形成する光吸収層形成工程と、Na−O系粒子を溶解可能な溶媒を用いて、前記光吸収層を洗浄する洗浄工程とを備えた光電素子の製造方法、及び、このような方法により得られる光電素子。
【選択図】図3

Description

本発明は、光電素子及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、太陽電池、光導電セル、フォトダイオード、フォトトランジスタなどに用いることができる光電素子及びその製造方法に関する。
光電素子とは、光量子のエネルギーを何らかの物理現象を介して電気的信号に変換(光電変換)することが可能な素子をいう。太陽電池は、光電素子の一種であり、太陽光線の光エネルギーを電気エネルギーに効率よく変換することができる。
太陽電池に用いられる半導体としては、単結晶Si、多結晶Si、アモルファスSi、GaAs、InP、CdTe、CuIn1-xGaxSe2(CIGS)、Cu2ZnSnS4(CZTS)などが知られている。
これらの中でも、CIGSやCZTSに代表されるカルコパイライト系の化合物は、光吸収係数が大きいので、低コスト化に有利な薄膜化が可能である。特に、CIGSは、薄膜太陽電池中では変換効率が最も高く、多結晶Siを超える変換効率も得られている。しかしながら、CIGSは、環境負荷元素及び希少元素を含んでいるという問題がある。
一方、CZTSは、太陽電池に適したバンドギャップエネルギー(1.4〜1.5eV)を持ち、しかも、環境負荷元素や希少元素を含まないという特徴がある。しかしながら、CZTSは、従来の半導体に比べて変換効率が低いという問題がある。
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、非特許文献1には、電子ビーム蒸着法を用いてSLG(ソーダライムガラス)上にSn/Cu/ZnS積層前駆体を形成し、前駆体を5%H2S+N2雰囲気下で硫化させるCZTSの製造方法が開示されている。
同文献には、Cu/(Zn+Sn)比が0.8〜0.9であるCZTS膜が光吸収層として好適である点、及び、520℃での硫化によって変換効率4.53%が得られる点が記載されている。
また、非特許文献2には、電子ビーム蒸着法を用いてMoコートSLG基板上にCu/Sn/ZnS積層前駆体又はSn/Cu/ZnS積層前駆体を形成し、前駆体を5%H2S+N2雰囲気下で硫化させるCZTSの製造方法が開示されている。
同文献には、基板上にCu/Sn/ZnS積層前駆体を形成すると、硫化後の薄膜表面が粗く、多くのボイドがあるのに対し、基板上にSn/Cu/ZnS積層前駆体を形成すると、硫化後の薄膜表面に大きなボイドが見られない点が記載されている。
Takeshi Kobayashi et al., "Investigation of Cu2ZnSnS4-Based Thin Film Solar Cells Using Abundant Materials", Japanese Journal of Applied Physics, vol.44, No.1B, 2005, pp.783-787 Hironori Katagiri, "Cu2ZnSnS4 thin film solar cells", Thin Solid Films 480-481(2005)426-432
カルコパイライト系の化合物を用いた薄膜太陽電池において、基板には、一般にSLGが用いられる。これは、特にCIGSの場合において、SLGに含まれるNaがCIGSの粒成長を促すためと考えられている。また、下部電極には、一般にMoが用いられる。これは、SLGとMoとの接着力が高く、薄膜の剥離が抑制されるためである。
しかしながら、CIGSで用いられている方法をそのままCZTSに適用しても、変換効率は5%に留まっている。
本発明が解決しようとする課題は、光吸収層としてCZTS系化合物を用いた光電素子において、変換効率を向上させることにある。
上記課題を解決するために本発明に係る光電素子の製造方法は、
Naを含む基板表面に下部電極を形成する下部電極形成工程と、
前記下部電極の上にCu、Zn、Sn及びSを含む硫化物系化合物半導体からなる光吸収層を形成する光吸収層形成工程と、
Na−O系粒子を溶解可能な溶媒を用いて、前記光吸収層を洗浄する洗浄工程と、
を備えていることを要旨とする。
また、本発明に係る光電素子は、本発明に係る方法により得られたものからなる。
Cu、Zn、Sn及びSを含む硫化物系化合物半導体からなる光吸収層を備えた光電素子を製造する場合において、基板としてNaを含むものを用い、かつ、光吸収層形成後に所定の溶媒を用いて光吸収層を洗浄すると、変換効率が向上する。
これは、
(1) 光吸収層を形成する際に、基板に含まれるNaが光吸収層まで拡散し、硫化物系化合物の粒成長を促すため、及び、
(2) 洗浄によって、光吸収層の表面又は内部から絶縁性のNa−O系粒子が除去され、光吸収層とその上に形成される各層との間の電気伝導性が向上したため、
と考えられる。
以下に、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 光電素子の製造方法]
本発明に係る光電素子の製造方法は、下部電極形成工程と、光吸収層形成工程と、洗浄工程とを備えている。
[1.1 下部電極形成工程]
下部電極形成工程は、Naを含む基板表面に下部電極を形成する工程である。
本発明において、基板には、Naを含む材料を用いる。Naを含む材料としては、具体的には、SLG、Naイオンを注入した石英、Naを含むセラミックス、Naを含むステンレスなどがある。
下部電極は、後述する光吸収層で発生した電流を取り出すためのものである。下部電極には、電気伝導度が高く、かつ、基板との密着性が良好な材料が用いられる。下部電極に用いる材料としては、具体的には、Mo、In−Sn−O、In−Zn−O、ZnO:Al、ZnO:B、SnO2:F、SnO2:Sb、TiO2:Nbなどがある。特に、Moは、ガラスとの密着力が高いので下部電極の材料として好適である。
下部電極の形成方法は、特に限定されるものではなく、基板及び下部電極の材質に応じて最適な方法を選択する。下部電極の形成方法としては、具体的には、スパッタ法、真空蒸着法、パルスレーザー堆積法(PLD)法などがある。
[1.2 光吸収層形成工程]
光吸収層形成工程は、下部電極の上にCu、Zn、Sn及びSを含む硫化物系化合物半導体からなる光吸収層を形成する工程である。
光吸収層は、光を吸収してキャリアを発生させるためのものである。
「Cu、Zn、Sn、及びSを含む硫化物系化合物半導体」とは、Cu2ZnSnS4(CZTS)系化合物をいう。CZTSは、バンドギャップが1.5eV程度、光吸収係数が104cm-1以上の半導体である。CZTSは、化学量論組成では発電効率が低いが、化学量論組成よりもCuを僅かに減らすと、相対的に高い変換効率を示す。本発明において、CZTSには、化学量論組成の化合物だけでなく、相対的に高い変換効率を示すすべての不定比化合物、あるいは、Cu、Zn、Sn、及びSを主成分とするすべての化合物が含まれる。
高い変換効率を得るためには、硫化物系化合物半導体は、原子比で、Cu/(Zn+Sn)比が0.69以上0.99以下であるものが好ましい。Cu/(Zn+S)比は、さらに好ましくは、0.8〜0.9である。
光吸収層の形成方法は、特に限定されるものではなく、基板及び下部電極の材質に応じて最適な方法を選択する。光吸収層の形成方法としては、具体的には、スパッタ法、真空蒸着法、パルスレーザー堆積法(PLD)法などがある。
また、光吸収層を形成するその他の方法としては、例えば、
(1) Cu−Zn−Sn−S前駆体膜をスパッタ法等により形成した後、前駆体膜を硫化水素雰囲気中で熱処理する方法、
(2) 有機金属等を溶解した溶液を基板上にコーティングし、空気中で乾燥させることにより加水分解と縮重反応を起こさせて金属酸化物薄膜とし、金属酸化物薄膜を硫化水素雰囲気中で熱処理するゾル−ゲル+硫化法、
などがある。
[1.3 洗浄工程]
洗浄工程は、Na−O系粒子を溶解可能な溶媒を用いて、光吸収層を洗浄する工程である。後述するように、Naを含む基板上にCZTS系化合物を形成すると、光吸収層の表面又は内部にNa−O系粒子が生成する。Na−O系粒子は、変換効率を低下させる原因となる。洗浄工程においては、このNa−O系粒子を除去する。
Na−O系粒子を溶解可能な溶媒としては、具体的には、
(1) 水、
(2) 塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸又はこれらの水溶液、
(3) 蟻酸、酢酸、クエン酸などの有機酸又はこれらの水溶液、
(4) 水酸化ナトリウム、アンモニアなどの塩基又はこれらの水溶液、
(5) メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、
(6) (1)〜(5)の2種以上の混合物、
などがある。特に、水は、光吸収層を汚染することがなく、また、後工程との整合性も良好であり、洗浄後の乾燥も不要である(バッファ層の形成には水溶液を用いることがある)ので、洗浄用の溶媒として特に好適である。
洗浄方法は、特に限定されるものではなく、種々の方法を用いることができる。例えば、リンス洗浄、流水洗浄、噴霧洗浄、超音波洗浄など、公知の方法を利用することができる。また、洗浄時に加熱することは、有効である。
[1.4 その他の工程]
光吸収層を洗浄した後、さらに目的に応じて、光吸収層の上に種々の層が積層される。光電素子の場合、通常、光吸収層の上に、バッファ層、窓層、及び上部電極が形成される。また、これらに加えて、接着層、光散乱層、反射防止層などが形成されることもある。以下に、その他の工程について説明する。
[1.4.1 バッファ層形成工程]
CZTSを用いた光電素子の場合、通常、光吸収層の上にバッファ層が形成される。バッファ層は、光吸収層と窓層との接続を良好にし、変換効率を向上させるためのものである。バッファ層には、高抵抗で可視光から近赤外の大半を通す半導体が用いられる。バッファ層に用いる材料としては、例えば、CdS、ZnO、Zn(O、OH)、Zn(O、S)、Zn(O、S、OH)x、Zn1-xMgxO、In23などがある。これらの中でも、CdSは、バッファ層として特に好適である。
バッファ層の形成方法は、特に限定されるものではなく、バッファ層の組成に応じて最適な方法を選択する。例えば、バッファ層としてCdSを用いる場合、CdS層は、金属イオンが溶け込んだ水溶液にチオ尿素等を溶かし、これに基板を浸漬して加熱する方法(ケミカルバス成膜(CBD)法)により形成することができる。
[1.4.2 窓層形成工程]
窓層は、電気を取り出すと同時に、光吸収層まで光を到達させるためのものである。窓層には、低抵抗で可視光から近赤外の大半を通す半導体が用いられる。光吸収層がCZTSからなる場合、窓層に用いる材料としては、例えば、ZnO:Al、ZnO:B、In−Sn−O、In−Zn−O、SnO2:Sb、TiO2:Nbなどがある。これらの中でも、ZnO:Alは、窓層として特に好適である。
窓層の形成方法は、特に限定されるものではなく、窓層の材質などに応じて最適な方法を選択する。窓層の形成方法としては、具体的には、スパッタ法、真空蒸着法、パルスレーザー堆積法(PLD)法などがある。
[1.4.3 上部電極形成工程]
上部電極は、窓層で集めた電流を効率よく外部に取り出すためのものである。上部電極は、光を光吸収層まで到達させる必要があるので、通常は、櫛形に形成される。上部電極の材料としては、例えば、Al、Cu、Ag、Au、又は、これらのいずれか1以上を含む合金などがある。また、このような合金としては、具体的には、Al−Ti合金、Al−Mg合金、Al−Ni合金、Cu−Ti合金、Cu−Sn合金、Cu−Zn合金、Cu−Au合金、Ag−Ti合金、Ag−Sn合金、Ag−Zn合金、Ag−Au合金などがある。
上部電極の形成方法は、特に限定されるものではなく、上部電極の材質などに応じて最適な方法を選択する。上部電極の形成方法としては、具体的には、スパッタ法、真空蒸着法、パルスレーザー堆積法(PLD)法などがある。
[1.4.4 接着層、光散乱層、反射防止層]
接着層は、基板と下部電極の接着性を高めるためのものであり、必要に応じて形成することができる。例えば、基板としてガラス基板を用い、下部電極としてMoを用いる場合、接着層には、Ti、Cr、Ni、W、あるいは、これらのいずれか1以上を含む合金などを用いるのが好ましい。
光散乱層は、入射した光を反射させ、光吸収層での光吸収効率を高めるためのものであり、必要に応じて形成することができる。光散乱層には、光吸収層より上部電極側に設けるものと、光吸収層より基板側に設けるものとがある。
光吸収層より上部電極側に設ける光散乱層には、透明粒子から構成された集合体、屈折率の異なる2種類以上の粒子から構成された集合体、表面に凹凸のあるもの、内部に空間のあるもの、などを用いるのが好ましい。光吸収層より上に設ける光散乱層には、具体的には、SiO2、TiO2などの酸化物、Si34などの窒化物など、可視光から近赤外までの大半を通す材料を用いるのが好ましい。
一方、光吸収層より基板側に設ける光散乱層には、例えば、表面に凹凸のあるものなどを用いるのが好ましい。光吸収層より下に設ける光散乱層は、必ずしも光を通す材料である必要はない。
なお、同じような光散乱機能を、基板等の表面を加工することにより設けることもできる。
反射防止層は、入射した光の窓層での反射量を低減し、光吸収層での光吸収効率を高めるためのものであり、必要に応じて形成することができる。反射防止層には、例えば、窓層よりも屈折率の小さい透明体、太陽光の波長よりも十分に小さい径を持つ透明粒子から構成された集合体、内部に太陽光の波長よりも十分に小さい径を持つ空間のあるもの、などを用いるのが好ましい。反射防止層には、具体的には、
(1) MgF2、SiO2等からなる薄膜、
(2) 酸化物、硫化物、フッ化物、窒化物などの多層膜、
(3) SiO2などの酸化物からなる微粒子、
などを用いるのが好ましい。
[2. 光電素子]
本発明に係る光電素子は、上述した本発明に係る方法により得られたものからなる。図1に、光電素子の一種である太陽電池の模式図を示す。図1において、太陽電池(光電素子)10は、基板12上に、少なくとも下部電極14、光吸収層16、バッファ層18、窓層20、及び上部電極22がこの順で積層されたものからなる。各層の間には、付加的な層が形成されていても良い。
光吸収層16を形成した後、所定の溶媒で光吸収層16を洗浄すると、変換効率が向上する。具体的には、製造条件を最適化することによって、変換効率が6%以上である光電素子が得られる。
また、高い変換効率を得るためには、光吸収層16に含まれるNa濃度は低いほど良く、CZTS系化合物の平均粒径は大きいほどよい。
CZTS系化合物の平均粒径は、500nm以上が好ましく、さらに好ましくは、1000nm以上である。
[3. 光電素子及びその製造方法の作用]
CZTS系化合物半導体からなる光吸収層16を備えた光電素子10を製造する場合において、基板12としてNaを含むものを用いると、光吸収層16を形成する際に、Naが光吸収層16まで拡散する。その結果、光吸収層16の表面又は内部にNa−O系粒子が生成する。Na−O系粒子は絶縁体であるため、Na−O系粒子の生成は、変換効率を低下させる原因となる。
これに対し、光吸収層16形成後、次の層を形成する前に所定の溶媒を用いて光吸収層16を洗浄すると、変換効率が向上する。
これは、
(1) 光吸収層16を形成する際に、基板12に含まれるNaが光吸収層16まで拡散し、硫化物系化合物の粒成長を促すため、及び、
(2) 洗浄によって、光吸収層16の表面又は内部から絶縁性のNa−O系粒子が除去され、光吸収層16とその上に形成される各層との間の電気伝導性が向上したため、
と考えられる。
(実施例1、比較例1)
[1. 試料の作製]
以下の手順に従い、図2に示す構造を有する太陽電池(実施例1)10’を作製した。
(1) SLG基板12上にMo膜(下部電極14)をスパッタ法により形成した。
(2) Mo膜14上に、Cu−Zn−Sn−S前駆体膜をスパッタ法により形成した。
(3) 大気圧、20%H2S+N2ガス雰囲気中、550〜580℃、3hの硫化処理により、前駆体膜をCZTS膜(光吸収層16)にした。
(4) CZTS膜を形成した後、水を用いて、基板を10分間、リンス洗浄した。
(5) CZTS膜16上にCdS膜(バッファ層18)をCBD法により形成した。
(6) CdS膜18上にZnO:Al膜(窓層20)をスパッタ法により形成した。
(7) ZnO:Al膜20の上に、Al膜からなる合計12個の櫛形電極(上部電極22、22…)をスパッタ法により形成した。
(8) 図2に示すように、櫛形電極22、22…がその内部に完全に入る4mm×5mmの升目(合計12個)を残して、窓層20、バッファ層18、及び光吸収層16を除去し、Mo膜14を露出させた。
(9) 露出したMo膜14の表面に、銀ペースト24を塗布した。
また、CZTS膜形成後にリンス洗浄を行わなかった以外は、実施例1と同様の手順に従い、太陽電池(比較例1)を作製した。
[2. 試験方法]
[2.1. 変換効率]
基板上に形成された12個の小素子について、それぞれ、変換効率を測定し、平均値を算出した。
[2.2. 組成分析]
基板上にMo膜及びCZTS膜を形成した後、CdS膜を形成する前に、電子線マイクロプローブアナライザー(EPMA)により、CZTS膜について、面内の組成分布を調べた。測定条件は、加速電圧=15kV、照射電流=0.1μA、プローブビーム径=約0.5μmとした。この測定条件の時、CZTSに対する1測定点当たりの分析領域は、深さ方向=約1μm、面内方向=1〜2μmと推定される。
[3. 結果]
図3に、実施例1及び比較例1で得られたCZTS膜のSEMによる表面像、及びSEM像と同一観察領域でのEPMAによる組成分布を示す。図3において、比較例1では、CZTS膜にNa−O系粒子が形成されていることがわかる。これに対し、実施例1では、Na濃度及びO濃度は、いずれも検出限界以下であった。
リンス洗浄を行わなかった比較例1の場合、変換効率=5.0%であった。これに対し、リンス洗浄を行った実施例1の場合、変換効率=6.9%であった。これらの違いは、Na−O系粒子が存在するか否かの違いによると考えられる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
本発明に係る光電素子は、太陽電池、光導電セル、フォトダイオード、フォトトランジスタなどに用いることができる。
光吸収層としてCZTSを用いた太陽電池の概略構成図である。 変換効率評価用太陽電池の平面図(上図)、及びそのA−A’線断面図である。 実施例1及び比較例1で得られたCZTS膜のSEM像、及び、SEM像と同一観察領域でのEPMAによる組成分析結果である。
符号の説明
10 光電素子(太陽電池)
12 基板
14 下部電極
16 光吸収層
18 バッファ層
20 窓層
22 上部電極

Claims (5)

  1. Naを含む基板表面に下部電極を形成する下部電極形成工程と、
    前記下部電極の上にCu、Zn、Sn及びSを含む硫化物系化合物半導体からなる光吸収層を形成する光吸収層形成工程と、
    Na−O系粒子を溶解可能な溶媒を用いて、前記光吸収層を洗浄する洗浄工程と、
    を備えた光電素子の製造方法。
  2. 前記溶媒は、水である請求項1に記載の光電素子の製造方法。
  3. 洗浄された前記光吸収層の上に、バッファ層を形成するバッファ層形成工程と、
    前記バッファ層の上に、窓層を形成する窓層形成工程と、
    前記窓層の上に、上部電極を形成する上部電極形成工程と、
    をさらに備えた請求項1に記載の光電素子の製造方法。
  4. 請求項1に記載の方法により得られる光電素子。
  5. 変換効率が6%以上である請求項4に記載の光電素子。
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