JP5741627B2 - 光電素子 - Google Patents

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Description

本発明は、光電素子に関し、さらに詳しくは、Cu2ZnSnS4(CZTS)系化合物半導体からなり、かつ、膜厚方向のCu濃度が異なる光吸収層を用いた光電素子に関する。
光電素子とは、光量子のエネルギーを何らかの物理現象を介して電気的信号に変換(光電変換)することが可能な素子をいう。太陽電池は、光電素子の一種であり、太陽光線の光エネルギーを電気エネルギーに効率よく変換することができる。
太陽電池に用いられる半導体としては、単結晶Si、多結晶Si、アモルファスSi、GaAs、InP、CdTe、CuIn1-xGaxSe2(CIGS)、Cu2ZnSnS4(CZTS)などが知られている。
これらの中でも、CIGSやCZTSに代表されるカルコゲナイト系の化合物は、光吸収係数が大きいので、低コスト化に有利な薄膜化が可能である。特に、CIGSを光吸収層に用いた太陽電池は、薄膜太陽電池中では変換効率が高く、多結晶Siを用いた太陽電池を超える変換効率も得られている。しかしながら、CIGSは、環境負荷元素及び希少元素を含んでいるという問題がある。
一方、CZTSは、太陽電池に適したバンドギャップエネルギー(1.4〜1.5eV)を持ち、しかも、環境負荷元素や希少元素を含まないという特徴がある。
CZTS系化合物及びその製造方法については、従来から種々の提案がなされている。
例えば、非特許文献1には、ソーダライムガラス(SLG)基板上にMo膜を形成し、Mo膜上にCu/Sn/ZnS(膜厚:570〜610nm)、Sn/Cu/ZnS(膜厚:620nm)、又は、Cu/SnS2/ZnS(膜厚:950nm)からなるプリカーサを成膜し、510〜550℃×1〜3hで硫化させることにより得られるCZTS系太陽電池が開示されている。
同文献には、プリカーサとしてCu/Sn/ZnS積層膜又はCu/SnS2/ZnSを用いた太陽電池の変換効率は3.80〜3.93%であるのに対し、プリカーサとしてSn/Cu/ZnS積層膜を用いた太陽電池の変換効率は4.53%である点が記載されている。また、プリカーサとしてCu/Sn/ZnS積層膜を用いた場合、CZTS膜中に多くのボイドが含まれる点が記載されている。
また、非特許文献2には、SLG基板上に、同時スパッタ法によりCu−Sn−Zn−Sからなるプリカーサを形成し、580℃×3hで硫化させることにより得られるCZTS系太陽電池が開示されている。
同文献には、このような方法により、CZTS膜の厚さが2200nmであり、変換効率が6.77%である太陽電池が得られる点が記載されている。
非特許文献2に記載されているように、製造条件を最適化すると、CZTS系太陽電池の変換効率は、6%を超える。しかしながら、CZTS系太陽電池を実用化するためには、変換効率をさらに向上させることが望まれる。変換効率をさらに向上させる方法の一つとして、開放端電圧Vocの向上が考えられる。
ocの向上には、光吸収層のキャリア濃度を向上させ、フェルミ準位をできるだけ価電子帯に近づけることにより、内部電界を向上させることが必要である。一方、キャリア濃度を高くしすぎると、励起キャリアの再結合が多くなり、電流を取り出せなくなる。特に、CZTSなどの化合物半導体では、キャリアの移動度が低いため、光吸収層のキャリア濃度を低めにせざるを得ず、結果として、Vocを向上させにくい。
CIGS系太陽電池では、この問題を克服するために、組成傾斜(具体的には、In/Ga比を変えること)により、膜の奥から表面に向かって伝導帯上端に勾配を付けることが行われている。これにより、見かけ上の励起キャリアの拡散長が長くなる。その結果、適切なキャリア濃度を有するCIGS膜を利用して、高いVoc、高い変換効率を発現する太陽電池を作製することができる。
一方、CZTSの場合は、CIGSと同じアプローチ、すなわち、組成傾斜により伝導帯上端を傾斜させることが難しい。これは、CIGSがCIS(CuInSe2)とCGS(CuGaSe2)の混晶であるのに対し、CZTSは混晶ではないためである。
H.Katagiri, Thin Solid Films, 480-481(2005), 426-432 H.Katagiri et al., Appl.Phys. express 1(2008)041201
本発明が解決しようとする課題は、CZTS系化合物半導体からなり、かつ、相対的に高い開放端電圧Vocを有する光吸収層を用いた光電素子を提供することにある。
(削除)
本発明に係る光電素子は、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1)前記光電素子は、
基板と、
前記基板の表面に形成された下部電極と、
前記下部電極の表面に形成されたCZTS系化合物半導体からなる光吸収層と、
前記光吸収層の表面に形成されたバッファ層と、
前記バッファ層の表面に形成された透明導電膜と、
前記透明導電膜の表面に形成された表面電極と
を備えている。
(2)前記光吸収層は、前記バッファ層側のCu濃度が前記下部電極側のCu濃度より低い。
CZTS系化合物半導体からなる光吸収層を備えた光電素子において、一方の面(バッファ層)側のCu濃度を他方の面(下部電極)側より低くすると、変換効率が向上する。
これは、
(1)Cu濃度を変化させることにより、光吸収層内のバッファ層側のキャリア濃度が下部電極側より低くなるため、
(2)キャリア濃度の膜厚方向の変化によって光吸収層全体にバンドベンディングが生じ、これによって内部電界が向上(すなわち、開放端電圧Vocが向上)するため、及び、
(3)励起キャリアの見かけの拡散長が伸び、励起キャリアの取り出しがスムーズになるため(すなわち、界面再結合の低下によりFF値が向上するため)
と考えられる。
本発明に係る光吸収層を備えた光電素子のバンドダイヤグラムの模式図である。 2層構造CZTS太陽電池の基本作製プロセスの模式図である。 CZTS膜内の組成傾斜の模式図である。 CZTS膜(実施例12)の断面STEM−EDS像である。 3DAPで調べたCZTS膜(実施例12)の膜厚方向の元素の3次元分布である。
以下に、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 光吸収層]
本発明に係る光吸収層は、以下の構成を備えている。
(1)前記光吸収層は、CZTS系化合物半導体からなる。
(2)前記光吸収層は、一方の面側のCu濃度が他方の面側のCu濃度より低い。
[1.1. CZTS系化合物半導体]
本発明において、光吸収層は、CZTS系化合物半導体からなる。「CZTS系化合物半導体」とは、Cu2ZnSnS4(CZTS)をベースとする半導体をいう。
本発明において、「CZTS系化合物半導体」というときは、化学量論組成の化合物だけでなく、すべての不定比化合物、あるいは、Cu、Zn、Sn、及びSを主成分とするすべての化合物が含まれる。
CZTS系化合物半導体は、Cu、Zn、Sn及びSのみからなるものでも良く、あるいは、これらに加えて、他のカルコゲン元素、各種のドーパント、不可避的不純物などがさらに含まれていても良い。
[1.2. Cu濃度及びZn濃度]
CZTS系化合物半導体の構成元素の内、Sn及びSはキャリア濃度にほとんど影響を与えないが、Cu及びZnは、キャリア濃度に影響を与える。特に、Cuは、キャリア濃度に与える影響が大きい。
CZTS系化合物半導体において、Cu濃度が高くなるほど、キャリア濃度が増大する。また、キャリア濃度が大きくなるほど、開放端電圧Vocは向上する。しかしながら、化合物半導体は一般に欠陥が多いので、キャリア濃度が高くなるほど、欠陥を介した励起キャリアの再結合が起きやすくなる。
一方、CZTS系化合物半導体において、Cu濃度が少なくなるほど、キャリア濃度が低下し、励起キャリアの再結合が抑制される。しかしながら、Cu濃度が過度に低下すると、開放端電圧Vocが著しく低下する。
すなわち、単一の組成を有するCZTS系化合物半導体からなる光吸収層において、最適なCu濃度(すなわち、キャリア濃度)が存在し、開放端電圧Vocの向上と励起キャリアの再結合の抑制とを同時に達成することが困難である。そのため、到達可能な変換効率に限界がある。
本発明においては、この問題を解決するために、Cu濃度を光吸収層の膜厚方向に沿って変化させたことを特徴とする。すなわち、本発明において、光吸収層は、一方の面側のCu濃度が他方の面側のCu濃度より低くなっている。
Zn濃度も同様にキャリア濃度に影響を与えるが、Cuに比べてその影響は小さい。従って、必ずしもZn濃度を光吸収層の膜厚方向に沿って変化させる必要はない。しかしながら、高い変換効率を得るためには、Cu濃度に加えて、Zn濃度も膜厚方向に沿って変化させるのが好ましい。
具体的には、光吸収層は、一方の面側(低Cu濃度側)のCu/Zn比(モル比)が他方の面側(高Cu濃度側)のCu/Zn比(モル比)より低くなっているのが好ましい。
[1.3. 2層構造光吸収層]
光吸収層の膜厚方向に沿って、Cu濃度を変化させる方法には、種々の方法がある。
Cu濃度を変化させる方法としては、例えば、以下のような方法がある。
(1)光吸収層をCu濃度の異なる複数のCZTS層の積層体とする方法。
(2)多元真空蒸着法、多元スパッタ法などで各成分を時間とともに変化させて成膜する方法。成膜初期はCuを多くし、後期はCuを少なくする。この方法で、直接、濃度勾配のあるCZTS膜を成膜しても良いし、濃度勾配のあるプリカーサを成膜して硫化し、CZTS膜を得ても良い。
(3)メッキ法で濃度勾配のあるCu−Sn−Znプリカーサーを成膜して、硫化する方法。
(4)組成の違うCZTSナノ粒子を作製し、まずCu濃度の高いCZTSナノ粒子を含むインクを基板に成膜し、次いでCu濃度の低いCZTSナノ粒子を含むインクを成膜し、熱処理して濃度勾配のあるCZTSを得る方法。
(5)均一なCZTS膜を作製後、表面からSnやZnを拡散させて、Cu濃度勾配のあるCZTS膜を作製する方法。
しかしながら、CZTS系化合物は、広い組成範囲を持つが、複数の化合物の固溶体(混晶)ではないため、Cu濃度を膜厚方向に沿って連続的に変化させるのが難しい。従って、光吸収層は、Cu濃度の異なる複数のCZTS層の積層体が好ましい。
光吸収層は、具体的には、一方の面側(高Cu濃度側)に設けられたp−CZTS層と、他方の面側(低Cu濃度側)に設けられたi−CZTS層とを備えた2層構造の光吸収層が好ましい。
「p−CZTS層」とは、Cu濃度が比較的高いCZTS系化合物半導体で、p型で、かつ、キャリア濃度が高い半導体からなる層をいう。
「i−CZTS層」とは、Cu濃度が比較的低いCZTS系化合物半導体で、p型で、かつ、キャリア濃度が低い半導体からなる層をいう。
[1.3.1. Cu濃度]
2層構造を備えた光吸収層において、各層のCu濃度を最適化すると、開放端電圧Voc、及び/又は、FF値(又は、並列抵抗Rsh)が向上する。
このような効果を得るためには、p−CZTS層のCu濃度は、22at%以上24at%以下が好ましい。Cu濃度は、さらに好ましくは、22.5at%以上23at%以下である。
同様に、i−CZTS層のCu濃度は、18at%以上22at%以下が好ましい。Cu濃度は、さらに好ましくは、19at%以上21at%以下である。
ここで、「Cu濃度」とは、各層に含まれるCuサイト原子、Znサイト原子、Snサイト原子及びSサイト原子の総数に対するCu原子数の割合をいう。
ここでのCu濃度とは、STEM−EDS(走査透過型電子顕微鏡−エネルギー分散型元素分析法)、AES(オージェ電子分光法)、3DAP(3次元アトムプローブ法)などのようにφ10nm以下の分析範囲を有する分析装置、又は、XPS(X線光電子分光法)、GD−OES(グロー放電発光分析法)などのように分析深さが数nmであるような分析装置により分析された値をいう。すなわち、本発明の光吸収層とは、膜の深さ方向に対するCu濃度が上述のような分析方法により、上述のような範囲となるCZTS膜をいう。
[1.3.2. 厚さ]
2層構造を備えた光吸収層において、各層の厚さは、変換効率に影響を与える。
一般に、p−CZTS層の厚さが厚くなるほど、内部電界の勾配が大きくなり、開放端電圧が高くなるという利点がある。従って、p−CZTS層の厚さは、200nm以上が好ましい。p−CZTS層の厚さは、さらに好ましくは、300nm以上である。
一方、p−CZTS層の厚さが厚くなりすぎると、p−CZTS層で光を吸収して励起した電子が再結合により消滅してしまい、エネルギーとして取り出せなくなる。なぜなら、キャリア濃度が高い部分では再結合が起こりやすいからである。従って、p−CZTS層の厚さは、800nm以下が好ましい。p−CZTS層の厚さは、さらに好ましくは、600nm以下である。
一般に、i−CZTS層の厚さが厚くなるほど、吸収できる光量が増え、取り出せる電流が増えるという利点がある。従って、i−CZTS層の厚さは、400nm以上が好ましい。i−CZTS層の厚さは、さらに好ましくは、600nm以上である。
一方、i−CZTS層の厚さが厚くなりすぎると、光を吸収して励起した電子やホールが長距離移動しなければならない(電子やホールが動く長さは膜厚分)。その結果、移動時間が長くなり、励起した電子の寿命以上になるため、再結合して消滅してしまい、エネルギーとして取り出せなくなる。従って、i−CZTS層の厚さは、1200nm以下が好ましい。i−CZTS層の厚さは、さらに好ましくは、800nm以下である。
[1.3.4. p−CZTS層の好適な組成及びその製造方法]
高い変換効率を得るためには、p−CZTS層は、少なくともCu、Zn及びSnを含み、かつ、Cu、Zn及びSnに関して次の(A)式を満たす前駆体を、540℃以上620℃以下の温度で1分以上60分以下硫化させることにより得られたものが好ましい。
CuaZnbSn ・・・(A)
但し、1.4≦a≦2.2、0.8≦b≦1.4、1.6≦a/b≦2.2。
p−CZTS層の前駆体は、少なくともCu、Zn及びSnを含み、かつ、(A)式を満たすものであればよい。前駆体は、他の元素をさらに含んでいても良い。他の元素としては、例えば、化学量論組成未満の量のS、各種ドーパントなどがある。
(A)式中、「a」は、Snに対するCuの比(モル比)を表す。aが大きくなるほど、光吸収層全体の開放端電圧Vocが増大する。従って、aは、1.4以上が好ましい。aは、さらに好ましくは、1.6以上である。
一方、aが大きくなりすぎると、CuSやCu2Sなどの電気抵抗の低い不純物が生成して半導体特性を劣化させて、結果として太陽電池特性を劣化させてしまう。従って、aは、2.2以下が好ましい。aは、さらに好ましくは、2.1以下である。
(A)式中、「b」は、Snに対するZnの比(モル比)を表す。理由は不明であるが、CZTS太陽電池の場合、ZnがSnよりリッチでないと発電しないことがよく知られている。従って、bは、0.8以上が好ましい。bは、さらに好ましくは、0.9以上である。
一方、bが大きくなりすぎると、電気的に絶縁体であるZnS不純物が大量にCZTS膜中に生成し、太陽電池特性を劣化させてしまう。bは、1.4以下が好ましい。bは、さらに好ましくは、1.3以下である。
(A)式中、「a/b」は、Znに対するCuの比(モル比)を表す。a/bが小さすぎると、電気的に絶縁体であるZnS不純物が大量にCZTS膜中に生成し、太陽電池特性を劣化させてしまう。従って、a/b比は、1.6以上が好ましい。a/b比は、さらに好ましくは、1.7以上である。
一方、a/b比が大きくなりすぎると、CuSやCu2Sなどの電気抵抗の低い不純物が生成して半導体特性を劣化させて、結果として太陽電池特性を劣化させてしまう。従って、a/b比は、2.2以下が好ましい。a/b比は、さらに好ましくは、2.0以下である。
p−CZTS層は、(A)式を満たす前駆体を硫化させることにより得られる。p−CZTS層は、通常、i−CZTS層より先に形成されるので、p−CZTS層の硫化は、結晶化が十分に進行する条件下で行う。
硫化温度が低すぎると、p−CZTS層の結晶化が十分に進行しない。従って、硫化温度は、540℃以上が好ましい。硫化温度は、さらに好ましくは、560℃以上である。
一方、硫化温度が高すぎると、成分、特にSnが大量に蒸発して、組成が変動してしまう、膜表面に大きな空孔が生成するなどの問題が生じる。従って、硫化温度は、620℃以下が好ましい。硫化温度は、さらに好ましくは、600℃以下である。
硫化時間が短すぎると、p−CZTS層の結晶化が十分に進行しない。従って、硫化時間は、1分以上が好ましい。硫化時間は、さらに好ましくは、10分以上である。
一方、硫化時間が長すぎると、成分、特にSnが大量に蒸発して、組成が変動してしまう、膜表面に大きな空孔が生成するなどの問題が生じる。従って、硫化時間は、60分以下が好ましい。硫化時間は、さらに好ましくは、30分以下である。
[1.3.5. i−CZTS層の好適な組成及びその製造方法]
高い変換効率を得るためには、i−CZTS層は、少なくともCu、Zn及びSnを含み、かつ、Cu、Zn及びSnに関して次の(B)式を満たす前駆体を、450℃以上600℃以下の温度で1分以上60分以下硫化させることにより得られたものが好ましい。
CueZnfSn ・・・(B)
但し、1.2≦e≦1.9、0.8≦f≦1.4、1.4≦e/f≦1.9、e<a。
i−CZTS層の前駆体は、少なくともCu、Zn及びSnを含み、かつ、(B)式を満たすものであればよい。前駆体は、他の元素をさらに含んでいても良い。他の元素としては、例えば、化学量論組成未満の量のS、各種ドーパントなどがある。
(B)式中、「e」は、Snに対するCuの比(モル比)を表す。eが小さくなるほど、光吸収層全体の励起キャリアの再結合確率が低くなる。しかしながら、eが小さくなりすぎると、光吸収層全体の開放端電圧Vocが過度に低下する。従って、eは、1.2以上が好ましい。eは、さらに好ましくは、1.3以上である。
一方、eが大きくなりすぎると、CuSやCu2Sなどの電気抵抗の低い不純物が生成して半導体特性を劣化させて、結果として太陽電池特性を劣化させてしまう。従って、eは、1.9以下が好ましい。eは、さらに好ましくは、1.8以下である。
(B)式中、「f」は、Snに対するZnの比(モル比)を表す。理由は不明であるが、CZTS太陽電池の場合、ZnがSnよりリッチでないと発電しないことがよく知られている。従って、fは、0.8以上が好ましい。fは、さらに好ましくは、0.9以上である。
一方、fが大きくなりすぎると、電気的に絶縁体であるZnS不純物が大量にCZTS膜中に生成し、太陽電池特性を劣化させてしまう。従って、fは、1.4以下が好ましい。fは、さらに好ましくは、1.3以下である。
(B)式中、「e/f」は、Znに対するCuの比(モル比)を表す。e/fが小さすぎると、電気的に絶縁体であるZnS不純物が大量にCZTS膜中に生成し、太陽電池特性を劣化させてしまう。従って、e/f比は、1.4以上が好ましい。e/f比は、さらに好ましくは、1.5以上である。
一方、e/f比が大きくなりすぎると、CuSやCu2Sなどの電気抵抗の低い不純物が生成して半導体特性を劣化させて、結果として太陽電池特性を劣化させてしまう。従って、e/f比は、1.9以下が好ましい。e/f比は、さらに好ましくは、1.8以下である。
(B)式中、「e<a」は、i−CZTS層を製造するための前駆体のCu濃度がp−CZTS層を製造するための前駆体のCu濃度より低いことを表す。i−CZTS相の硫化条件を最適化すると、前駆体中の金属元素の比率が硫化後も維持されやすいので、前駆体中のCu濃度を制御することによって、CZTS層内のCu濃度を制御することができる。
i−CZTS層は、(B)式を満たす前駆体を硫化させることにより得られる。i−CZTS層は、通常、p−CZTS層より後に形成されるので、i−CZTS層の硫化は、p−CZTS層とi−CZTS層との間で固相拡散が激しく生じない条件下で行う。
硫化温度が低すぎると、i−CZTS層の結晶化が不十分となる。従って、硫化温度は、450℃以上が好ましい。硫化温度は、さらに好ましくは、480℃以上である。
一方、硫化温度が高すぎると、p−CZTS層との間で激しい固相拡散が生じる。従って、硫化温度は、600℃以下が好ましい。硫化温度は、さらに好ましくは、560℃以下である。
硫化時間が短すぎると、i−CZTS層の結晶化が不十分となる。従って、硫化時間は、1分以上が好ましい。硫化時間は、さらに好ましくは、20分以上である。
一方、硫化時間が長すぎると、p−CZTS層との間で固相拡散が生じる。従って、硫化時間は、60分以下が好ましい。硫化時間は、さらに好ましくは、40分以下である。
[2. 光電素子]
本発明に係る光電素子は、以下の構成を備えている。
(1)前記光電素子は、
基板と、
前記基板の表面に形成された下部電極と、
前記下部電極の表面に形成されたCZTS系化合物半導体からなる光吸収層と、
前記光吸収層の表面に形成されたバッファ層と、
前記バッファ層の表面に形成された透明導電膜と、
前記透明導電膜の表面に形成された表面電極と
を備えている。
(2)前記光吸収層は、前記バッファ層側のCu濃度が前記下部電極側のCu濃度より低い。
[2.1. 基板]
基板の材料は、特に限定されるものではなく、種々の材料を用いることができる。
基板の材料としては、例えば、
(1)ガラス(例えば、SLG、低アルカリガラス、非アルカリガラス、石英ガラス、Naイオンを注入した石英ガラス、サファイアガラスなど)、
(2)セラミックス(例えば、シリカ、アルミナ、イットリア、ジルコニアなどの酸化物、Naを含む各種セラミックスなど)、
(3)金属(例えば、ステンレス、Naを含むステンレス、Au、Mo、Tiなど)
などがある。
[2.2. 下部電極]
下部電極は、基板の表面に形成される。下部電極の材料は、特に限定されるものではなく、種々の材料を用いることができる。
下部電極の材料としては、例えば、Mo、MoSi2、ステンレス、In−Sn−O、In−Zn−O、ZnO:Al、ZnO:B、SnO2:F、SnO2:Sb、ZnO:Ga、TiO2:Nbなどがある。
[2.3. 光吸収層]
光吸収層は、下部電極の表面に形成される。本発明において、光吸収層には、膜厚方向に沿ってCu濃度が変化している光吸収層が用いられる。この点が、従来とは異なる。
光吸収層は、バッファ層側のCu濃度が下部電極側のCu濃度より低くなるように、形成される。光吸収層として、上述した2層構造の光吸収層を用いる場合、p−CZTS層は下部電極側に形成され、i−CZTS層はバッファ層側に形成される。
光吸収層のその他の点については、上述した通りであるので、説明を省略する。
[2.4. バッファ層]
バッファ層は、光吸収層の表面に形成される。本発明において、バッファ層の材料は、特に限定されるものではなく、種々の材料を用いることができる。
バッファ層の材料としては、CdS、(Cd,Zn)S、(Zn,Mg)Oなどがある。
[2.5. 透明導電膜]
透明導電膜は、バッファ層の表面に形成される。透明導電膜の材料は、特に限定されるものではなく、種々の材料を用いることができる。
透明導電膜の材料としては、例えば、ZnO:Al、ZnO:Ga(GZO)、ZnO:B、In−Sn−O、In−Zn−O、SnO2:Sb、TiO2:Nbなどがある。
[2.6. 表面電極]
表面電極は、透明導電膜の表面に形成される。表面電極の材料は、特に限定されるものではなく、種々の材料を用いることができる。
表面電極の材料としては、例えば、Al、Cu、Ag、Au、又は、これらのいずれか1以上を含む合金などがある。また、このような合金としては、具体的には、Al−Ti合金、Al−Mg合金、Al−Ni合金、Cu−Ti合金、Cu−Sn合金、Cu−Zn合金、Cu−Au合金、Ag−Ti合金、Ag−Sn合金、Ag−Zn合金、Ag−Au合金などがある。
[2.7. その他の構成要素]
本発明に係る光電素子は、必要に応じて、その他の構成要素をさらに備えていても良い。その他の構成要素としては、例えば、各層の間に形成される付加的な層がある。
付加的な層としては、具体的には、
(1)基板と下部電極の接着性を高めるため接着層、
(2)入射した光を反射させ、光吸収層での光吸収効率を高めるため光散乱層であって、光吸収層より表面電極側に形成するもの、
(3)光吸収層より基板側に設けられる光散乱層、
(4)入射した光の窓層での反射量を低減し、光吸収層での光吸収効率を高めるための反射防止層、
などがある。
本発明において、付加的な層の材料は、特に限定されるものではなく、目的に応じて種々の材料を用いることができる。
[3. 光電素子の製造方法]
本発明に係る光電素子の製造方法は、下部電極形成工程と、光吸収層形成工程と、バッファ層形成工程と、透明導電膜形成工程と、表面電極形成工程とを備えている。
[3.1. 下部電極形成工程]
下部電極形成工程は、基板の表面に下部電極を形成する工程である。下部電極の形成方法は、特に限定されるものではなく、種々の方法を用いることができる。
下部電極の形成方法としては、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、パルスレーザー堆積(PLD)法、メッキ法、化学溶液析出(CBD)法、電気泳動成膜(EPD)法、化学気相成膜(CVD)法、スプレー熱分解成膜(SPD)法、スクリーン印刷法、スピンコート法、微粒子堆積法などがある。
[3.2. 光吸収層形成工程]
光吸収層形成工程は、下部電極の表面に本発明に係る光吸収層を形成する工程である。
CZTS系光吸収層を形成する方法としては、
(1)基材表面にCu−Zn−Sn前駆体膜、又は、Cu−Zn−Sn−S前駆体膜を形成し、前駆体膜を硫化させる方法、
(2)基材表面にCu、Zn及びSnを含む金属酸化物薄膜を形成し、金属酸化物膜を硫化させる方法、
などがある。
上述したように、CZTS系化合物半導体は、膜厚方向に沿ってCu濃度を連続的に変化させるのが難しい。そのため、光吸収層を2層構造とし、各層毎に最適な条件下で硫化を行うのが好ましい。2層構造を備えた光吸収層の製造方法については、上述した通りであるので、説明を省略する。
[3.3. バッファ層形成工程]
バッファ層形成工程は、光吸収層の表面にバッファ層を形成する工程である。バッファ層の形成方法は、特に限定されるものではなく、種々の方法を用いることができる。バッファ層の形成方法の詳細は、下部電極と同様であるので、説明を省略する。
[3.4. 透明導電膜形成工程]
透明導電膜形成工程は、バッファ層の表面に透明導電膜を形成する工程である。透明導電膜の形成方法は、特に限定されるものではなく、種々の方法を用いることができる。透明導電膜の形成方法の詳細は、下部電極と同様であるので、説明を省略する。
[3.5. 表面電極形成工程]
表面電極形成工程は、透明導電膜の表面に表面電極を形成する工程である。表面電極の形成方法は、特に限定されるものではなく、種々の方法を用いることができる。表面電極の形成方法の詳細は、下部電極と同様であるので、説明を省略する。
[4. 作用]
図1に、本発明に係る光吸収層を備えた光電素子のバンドダイヤグラムの模式図を示す。図1において、光電素子は、下部電極にMoが用いられ、バッファ層にCdSが用いられ、透明導電膜にZnO:Ga(GZO)が用いられている。また、光吸収層は、Cuが不足しているi−CZTS層(Cu2-δZnSnS4)と、化学量論組成のCuを含むp−CZTS層(Cu2ZnSnS4)の2層構造を取る。
ocの向上には、光吸収層のキャリア濃度を向上させ、フェルミ準位をできるだけ価電子帯に近づけることにより、内部電界を向上させることが必要である。一方、キャリア濃度を高くしすぎると、励起キャリアの再結合が多くなり、電流を取り出せなくなる。特に、CZTSなどの化合物半導体では、キャリアの移動度が低いため、光吸収層のキャリア濃度を低めにせざるを得ず、結果として、Vocを向上させにくい。
これに対し、CZTS系化合物半導体からなる光吸収層を備えた光電素子において、一方の面(バッファ層)側のCu濃度を他方の面(下部電極)側より低くすると、変換効率が向上する。特に、図1に示すように、光吸収層をp−CZTS層とi−CZTS層の2層構造にすると、変換効率が向上する。
これは、
(1)Cu濃度を変化させることにより、光吸収層内のバッファ層側のキャリア濃度が下部電極側より低くなるため、
(2)図1に示すように、キャリア濃度の膜厚方向の変化によって光吸収層全体にバンドベンディングが生じ、これによって内部電界が向上(すなわち、開放端電圧Vocが向上)するため、及び、
(3)励起キャリアの見かけの拡散長が伸び、励起キャリアの取り出しがスムーズになるため(すなわち、界面再結合の低下によりFF値が向上するため)
と考えられる。
(実施例1〜20、比較例1)
[1. 太陽電池の作製]
以下の手順に従い、2層構造のCZTS膜を有する太陽電池を作製した。図2に、2層構造CZTS太陽電池の基本作製プロセスの模式図を示す。また、図3に、本実施例において目標とするCZTS膜内の組成傾斜の模式図を示す。
まず、Mo/アルカリ含有ガラス(PV200)の表面に、所定の組成のp−CZTS用前駆体(構造:Cu/Sn/ZnS/Mo/glass)を成膜した。この前駆体を20%H2Sガス中で580℃、20min硫化し、p−CZTS膜を得た。
続いて、i−CZTS用前駆体(構造:ZnS/Sn/Cu/p−CZTS/Mo/glass)を成膜した。この前駆体を500〜580℃、10〜60min硫化し、i−CZTS/p−CZTSの2層構造CZTS膜を得た。
バッファ層の成膜前に、ガラス基板から拡散してきた余分なアルカリ(ナトリウムとカリウム)を除去するため、CZTS膜をイオン交換水で洗浄した(イオン交換水に10min間浸漬)。
バッファ層として、CBD法によりCdS膜を成膜した。バッファ層成膜後、300℃、20min、窒素中でアニール処理した。なお、一部の試料については、バッファ層として、スパッタ法により(Cd,Zn)S膜、又は、原子堆積法(ALD)法により(Zn,Mg)O膜を成膜した。
続いて、窓層として、ZnO:Ga(GZO)を成膜し、表面にAl電極を成膜して、太陽電池セルとした。
[2. 試験方法]
[2.1. 太陽電池特性]
作製された太陽電池を用いて、短絡電流密度(JSC)、開放端電圧(VOC)、形状因子(F.F.)、及び、変換効率(Eff)を評価した。測定には、太陽光シミュレータを用いた。測定は、エアマス1.5(AM1.5)の疑似太陽光を太陽電池に当て、時間を置かずに測定を開始し、約20secで測定を完了した。
なお、変換効率(Eff)、開放端電圧(VOC)、短絡電流密度(JSC)、及び形状因子(F.F.)には、次の(1)式の関係が成り立つ。
ff=VOC×JSC×F.F. ・・・(1)
[2.2. 組成分布]
透過電子顕微鏡(STEM−EDS)、オージエ電子分光分析法(AES)、及び、3次元アトムプローブ法(3DAP)を用いて、CZTS膜中のCu濃度を測定した。
[3. 結果]
表1及び表2に、結果を示す。なお、表1には、i−CZTS膜及びp−CZTS膜の製造条件、膜厚等も併せて示した。
Figure 0005741627
Figure 0005741627
[3.1. 太陽電池特性]
(1)2層構造CZTSを用いた実施例1〜20の内、実施例1及び7を除き、Vocは、比較例1より高い値を示した。実施例1及び7は、比較例1に比べてFFが向上したが、Vocは同等であった。これは、i−CZTS膜の硫化条件が高温・長時間であるために、拡散により組成の均一化が進行したためと考えられる。
(2)i−CZTS膜の硫化条件を最適化すると、単相のCZTS膜を用いた場合(比較例1)に比べて、Voc、及び、FF(又は、漏れ電流に関係する並列抵抗Rsh)のいずれか1以上が向上する。
(3)i−CZTS膜の硫化条件を最適化すると、Vocが0.70V以上、かつ、並列抵抗Rshが500Ωcm2以上となる。その結果、変換効率は、6.5%以上、7.0%以上、あるいは、8.0%以上となった。
[3.2. Cu濃度]
図4に、CZTS膜(実施例12)の断面STEM−EDS像を示す。また、図5に、3DAPで調べたCZTS膜(実施例12)の膜厚方向の元素の3次元分布を示す。
図4より、Mo膜側からバッファ層側に向かってCu濃度が少なくなっていること、及び、CZTS膜の中間部分にZnS粒子が層状に析出していることがわかる。この場合、ZnS粒子がCuの拡散を抑えて、適切なCu濃度の傾斜が膜内に形成されることを促していると考えられる。この状態は、3DAP法による元素の3次元分布解析からも観察できる(図5参照)。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
本発明に係る光電素子は、薄膜太陽電池、光導電セル、フォトダイオード、フォトトランジスタ、増感型太陽電池などに用いることができる。
また、本発明に係る光吸収層は、光電素子の構成要素に加えて、光触媒、人工光合成用電極などにも用いることができる。

Claims (4)

  1. 以下の構成を備えた光電素子。
    (1)前記光電素子は、
    基板と、
    前記基板の表面に形成された下部電極と、
    前記下部電極の表面に形成されたCZTS系化合物半導体からなる光吸収層と、
    前記光吸収層の表面に形成されたバッファ層と、
    前記バッファ層の表面に形成された透明導電膜と、
    前記透明導電膜の表面に形成された表面電極と
    を備えている。
    (2)前記光吸収層は、前記バッファ層側のCu濃度が前記下部電極側のCu濃度より低い。
  2. 以下の構成をさらに備えた請求項1に記載の光電素子。
    (3)前記光吸収層は、前記下部電極側に設けられたp−CZTS層と、前記バッファ層側に設けられたi−CZTS層とを備えている。
    (4)前記p−CZTS層のCu濃度は、22at%以上24at%以下である。
    (5)前記i−CZTS層のCu濃度は、18at%以上22at%以下である。
  3. 以下の構成をさらに備えた請求項1又は2に記載の光電素子。
    (4')前記p−CZTS層は、少なくともCu、Zn及びSnを含み、かつ、Cu、Zn及びSnに関して次の(A)式を満たす前駆体を、540℃以上620℃以下の温度で1分以上60分以下硫化させることにより得られたものからなる。
    CuaZnbSn ・・・(A)
    但し、1.4≦a≦2.2、0.8≦b≦1.4、1.6≦a/b≦2.2。
    (5')前記i−CZTS層は、少なくともCu、Zn及びSnを含み、かつ、Cu、Zn及びSnに関して次の(B)式を満たす前駆体を、450℃以上600℃以下の温度で1分以上60分以下硫化させることにより得られたものからなる。
    CueZnfSn ・・・(B)
    但し、1.2≦e≦1.9、0.8≦f≦1.4、1.4≦e/f≦1.9、e<a。
  4. 前記p−CZTS層の厚さは、200〜800nmであり、
    前記i−CZTS層の厚さは、400〜1200nmである
    請求項2又は3に記載の光電素子。
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