JP2009132903A - 押出発泡成形用樹脂組成物および押出発泡成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記成分(A)および成分(B)を含有し、成分(A)と成分(B)の合計量を100重量%として、成分(A)の含有量が80〜20重量%であり、成分(B)の含有量が20〜80重量%である押出発泡成形用樹脂組成物。
(A):エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有し、メルトフローレート(MFR)が0.01〜5g/10分であり、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布(Mw/Mn)が5以上であり、流動の活性化エネルギーが40kJ/mol以上であるエチレン系共重合体。
(B):高圧法低密度ポリエチレン
【選択図】なし
Description
(A):エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有し、メルトフローレート(MFR)が0.01〜5g/10分であり、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布(Mw/Mn)が5以上であり、流動の活性化エネルギーが40kJ/mol以上であるエチレン系共重合体。
(B):高圧法低密度ポリエチレン
さらに本発明は、前記押出発泡成形用樹脂組成物からなる押出発泡成形体である。
さらに本発明は、前記押出発泡成形用樹脂組成物を押出発泡成形する押出発泡成形体の製造方法である。
ln(aT) = m(1/(T+273.16))+n (I)
Ea = |0.008314×m| (II)
aT :シフトファクター
Ea:流動の活性化エネルギー(単位:kJ/mol)
T :温度(単位:℃)
上記計算は、市販の計算ソフトウェアを用いてもよく、該計算ソフトウェアとしては、Rheometrics社製 Rhios V.4.4.4などがあげられる。
なお、シフトファクター(aT)は、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線を、log(Y)=−log(X)軸方向に移動させて(但し、Y軸を溶融複素粘度、X軸を角周波数とする。)、190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線に重ね合わせた際の移動量であり、該重ね合わせでは、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線は、角周波数をaT倍に、溶融複素粘度を1/aT倍に移動させる。
また、130℃、150℃、170℃、190℃、210℃の中から190℃を含む4つの温度でのシフトファクターと温度から得られる一次近似式(I)式を最小自乗法で求めるときの相関係数は、通常、0.99以上である。
|2−y−2z|≦1
上記の式におけるyとして、好ましくは0.01〜1.99の数であり、より好ましくは0.10〜1.80の数であり、さらに好ましくは0.20〜1.50の数であり、最も好ましくは0.30〜1.00の数である。
実施例および比較例での物性は、次の方法に従って測定した。
JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18N、温度190℃の条件で測定した。
密度は、JIS K7112−1999に規定された方法でのA方法に従って測定した。
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法を用いて、下記の条件(1)〜(7)により測定を行った。予め分子量分布が単分散とみなせる分子量分布の狭い標準ポリスチレン(東ソー製TSK STANDARD POLYSTYRNE)を用いて作成しておいた検量線を用いて、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)とポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)をもとめ、それらより分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(1)装置:Water製Waters150C
(2)分離カラム:TOSOH TSKgelGMH−HT
(3)測定温度:145℃
(4)キャリア:オルトジクロロベンゼン
(5)流量:1.0mL/分
(6)注入量:500μL
(7)検出器:示差屈折
(4)成分(B)のLog(Mwb)の全範囲の積分値に対する、Log(Mwb)が5.8以上の積分値の割合(Log Mwb<5.8以上>/Log Mw<whole>×100)(%)
上記(3)で求めた、縦軸が相対濃度比、横軸がLog(Mwb)のGPCチャートにおいて、Log(Mwb)の全範囲の積分値に対する、Log(Mwb)が5.8以上の積分値の割合を求めた。
粘弾性測定装置(Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800)を用いて、下記測定条件で130℃、150℃、170℃および190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線を測定し、次に、得られた溶融複素粘度−角周波数曲線から、Rheometrics社製計算ソフトウェア Rhios V.4.4.4を用いて、活性化エネルギー(Ea)を求めた。
<測定条件>
ジオメトリー:パラレルプレート
プレート直径:25mm
プレート間隔:1.2〜2mm
ストレイン :5%
角周波数 :0.1〜100rad/秒
測定雰囲気 :窒素下
押出発泡成形体の発泡倍率は、JIS K7112−1999に規定された方法でのA方法に従って測定し、発泡体の密度ρ(水)を求めた。またエアピクノメーター(島津製作所(株)製 アキュピック1330密度計)を用いて発泡体の密度ρ(エア)を求め、次式により独立気泡率を算出した。なお押出発泡成形用樹脂組成物の密度ρ(PE)は成分(A)、成分(B)のみを実施例および比較例記載のそれぞれの組成比にあわせて混練し、求めた。
発泡倍率=ρ(PE)/ρ(水)
独立気泡率=(ρ(PE)/ρ(エア)-1)/(ρ(PE)/ρ(水))×100
成分(B):
(1)G201
住友化学(株)製の商品名がスミカセン G201である高圧法低密度ポリエチレン。
(2)L405
住友化学(株)製の商品名がスミカセン L405である高圧法低密度ポリエチレン。
(3)L705
住友化学(株)製の商品名がスミカセン L705である高圧法低密度ポリエチレン。
(4)G801
住友化学(株)製の商品名がスミカセン G801である高圧法低密度ポリエチレン。
(5)F102-0
住友化学(株)製の商品名がスミカセン F102-0である高圧法低密度ポリエチレン。
エチレン−α−オレフィン共重合体の製造
下記方法によりエチレン−α−オレフィン共重合体を得た。
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;50%体積平均粒子径=59μm;細孔容量=1.68ml/g;比表面積=313m2/g)0.36kgとトルエン3.5リットルとを入れて、撹拌した。その後、5℃に冷却した後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン0.15リットルとトルエン0.2リットルとの混合溶液を反応器内の温度を5℃に保ちながら30分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間撹拌し、次に95℃に昇温し、95℃で3時間撹拌し、ろ過した。得られた固体成分をトルエン2リットルで6回、洗浄を行った。その後、トルエン2リットルを加えスラリーとし、一晩静置した。
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付きオートクレーブに、ブタン80リットルを投入した後、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド101mmolを投入し、オートクレーブを50℃まで昇温して撹拌を2時間行った。次にオートクレーブを30℃まで降温して系内が安定した後、エチレンをオートクレーブ内のガス相圧力で0.03MPa分仕込み、上記助触媒担体(a)0.7kgを投入し、続いてトリイソブチルアルミニウム158mmolを投入して重合を開始した。エチレンを0.7kg/Hrで連続供給しながら30分経過した後、50℃へ昇温するとともに、エチレンと水素をそれぞれ3.5kg/Hrと5.5リットル(常温常圧体積)/Hrで連続供給することによって合計4時間の予備重合を実施した。重合終了後、エチレン、ブタン、水素ガスなどをパージして残った固体を室温にて真空乾燥し、上記助触媒担体(a)1g当り15gのポリエチレンが予備重合された予備重合触媒成分(1)を得た。
上記で得た予備重合触媒成分(1)を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ブテン、1−ヘキセンの共重合を実施し、重合体パウダーを得た。重合条件としては、重合温度を84℃、重合圧力を2MPa、エチレンに対する水素モル比を1.4%、エチレンと1−ブテンと1−ヘキセンとの合計に対する1−ブテンモル比を2.3%、1−ヘキセンモル比をそれぞれ1.0%とした。重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、水素を連続的に供給した。また、上記予備重合触媒成分とトリイソブチルアルミニウムを連続的に供給し、流動床の総パウダー重量80kgを一定に維持した。平均重合時間4hrであった。得られた重合体パウダーを押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)を用いて、フィード速度50kg/hr、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度50%、サクション圧力0.1MPa、樹脂温度200〜230℃の条件で造粒することによりエチレン−1−ヘキセン−1−ブテン共重合体(以下PE(1))を得た。得られた共重合体の物性評価の結果を表1に示した。
成分(A)としてエチレン−α−オレフィン共重合体のペレット80重量%と、成分(B)としてG201のペレット20重量%を混合したものを、以下の方法により加工し押出発泡成形体を得た。
上記配合比で混合したペレット100重量部、化学発泡剤(Clariant社製 商品名 Hydrocerol CF20E)1重量部とをタンブルミキサーにて1分間混合した。この混合原料をスクリュー径50mmφ、L/D=42の単軸押出機に供給し、スクリュー回転数が21rpm、混練部の温度が145〜220℃、ダイ部の温度が105℃、吐出量が12kg/hの条件で押出した。押出機の中間部には注入バルブが設置されており、該バルブから約10Mpaに加圧した炭酸ガスを360ml/hとなるように注入量を調整して連続注入した。押出機の先端には、外径が80mm、リップのクリアランスが0.7mmのサーキュラーダイが設置してあり、該サーキュラーダイから溶融状態の発泡樹脂をサーキュラー形状に押出した。この溶融状態の発泡樹脂を温度20℃の冷却水を循環させた径180mmφの冷却マンドレルにより冷却して固化させ、ピンチロールにより引き取り、厚さ1.0mmの押出発泡成形シートを得た。結果を表2に示す。
配合を、成分(A)としてエチレン−α−オレフィン共重合体のペレットを70重量%、成分(B)としてG201のペレットを30重量%に変更した以外は、実施例1と同様にして発泡体を得た。得られた発泡体の物性を表2に示す。
配合を、成分(A)としてエチレン−α−オレフィン共重合体のペレットを60重量%、成分(B)としてG201のペレットを40重量%に変更し、ダイ部の温度を107℃に変更した以外は、実施例1と同様にして発泡体を得た。得られた発泡体の物性を表2に示す。
配合を、成分(A)としてエチレン−α−オレフィン共重合体のペレットを40重量%、成分(B)としてG201のペレットを60重量%に変更し、ダイ部の温度を107℃に変更した以外は、実施例1と同様にして発泡体を得た。得られた発泡体の物性を表2に示す。
配合を、成分(A)としてエチレン−α−オレフィン共重合体のペレットを20重量%、成分(B)としてG201のペレットを80重量%に変更し、ダイ部の温度を109.5℃に変更した以外は、実施例1と同様にして発泡体を得た。得られた発泡体の物性を表2に示す。
配合を、成分(A)としてエチレン−α−オレフィン共重合体のペレットを80重量%、成分(B)としてL405のペレットを20重量%に変更し、ダイ部の温度を110℃に変更した以外は、実施例1と同様にして発泡体を得た。得られた発泡体の物性を表2に示す。
配合を、成分(A)としてエチレン−α−オレフィン共重合体のペレットを80重量%、成分(B)としてL705のペレットを20重量%に変更し、ダイ部の温度を108℃に変更した以外は、実施例1と同様にして発泡体を得た。得られた発泡体の物性を表2に示す。
配合を、成分(A)としてエチレン−α−オレフィン共重合体のペレットを40重量%、成分(B)としてL705のペレットを60重量%に変更し、ダイ部の温度を108℃に変更した以外は、実施例1と同様にして発泡体を得た。得られた発泡体の物性を表2に示す。
配合を、成分(A)としてエチレン−α−オレフィン共重合体のペレットを80重量%、成分(B)としてG801のペレットを20重量%に変更し、ダイ部の温度を105℃に変更した以外は、実施例1と同様にして発泡体を得た。得られた発泡体の物性を表2に示す。
配合を、成分(A)としてエチレン−α−オレフィン共重合体のペレットを80重量%、成分(B)としてF102-0のペレットを20重量%に変更し、ダイ部の温度を113℃に変更した以外は、実施例1と同様にして発泡体を得た。得られた発泡体の物性を表2に示す。
配合を、エチレン−α−オレフィン共重合体のペレットを100重量%に変更し、ダイ部の温度を110℃に変更した以外は、実施例1と同様にして発泡体を得た。得られた発泡体の物性を表2に示す。
Claims (6)
- 下記成分(A)および成分(B)を含有し、成分(A)と成分(B)の合計量を100重量%として、成分(A)の含有量が80〜20重量%であり、成分(B)の含有量が20〜80重量%である押出発泡成形用樹脂組成物。
(A):エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有し、メルトフローレート(MFR)が0.01〜5g/10分であり、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布(Mw/Mn)が5以上であり、流動の活性化エネルギーが40kJ/mol以上であるエチレン系共重合体。
(B):高圧法低密度ポリエチレン - 成分(B)について、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定して得られる、縦軸が相対濃度比、横軸がLog(Mwb)のGPCチャートにおいて、
Log(Mwb)の全範囲の積分値に対する、Log(Mwb)が5.8以上の積分値が9%以上である請求項1に記載の押出発泡成形用樹脂組成物。 - Log(Mwb)の全範囲の積分値に対する、Log(Mwb)が5.8以上の積分値が12.5%以上である請求項2に記載の押出発泡成形用樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の押出発泡成形用樹脂組成物において、成分(A)と成分(B)の合計量を100重量%として、成分(A)の含有量が70〜20重量%であり、成分(B)の含有量が30〜80重量%である押出発泡成形用樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の押出発泡成形用樹脂組成物からなる押出発泡成形体。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の押出発泡成形用樹脂組成物を押出発泡成形する押出発泡成形体の製造方法。
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